JP5062078B2 - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通電により発熱するグロープラグを備えるディーゼルエンジンの制御装置に関するものである。
従来、ディーゼルエンジンは、例えば特許文献1に記載されるように、通電により発熱することにより燃料の着火を促進するグロープラグを備えている。
特許文献1に記載のディーゼルエンジンでは、燃焼室が暖まっている状態でエンジンが始動されるときには、グロープラグへの供給電力が冷間始動時の供給電力よりも少なくなるように通電時間や通電電流値を制御し、これによりグロープラグに無駄な電力供給が行われることを抑制するようにしている。
特開2001−82266号公報
ところで、グロープラグには定格電圧が同グロープラグに電力を供給するバッテリの電圧よりも低く設定されているものがある。そしてこのようなグロープラグにおいては、例えばエンジン始動開始時にバッテリからデューティ比100%で電圧が印加されて急速に目標温度まで昇温し、その後はバッテリから100%よりも低いデューティ比(例えば50%)で電圧が印加されて目標温度に維持されるようにしたものがある。このようなグロープラグを用いる場合、例えばグロープラグが通電により昇温している状態でイグニッションスイッチがオフ状態となってエンジンが停止し、その後に直ぐに再始動すると、グロープラグが高温のままバッテリからデューティ比100%の電圧が印加されることとなるため、グロープラグが目標温度を超えて過熱されるといった事態が生じうる。
なお、このようなグロープラグの過熱を抑制すべく、始動時にグロープラグが既に昇温されている場合には、特許文献1に記載されるように同グロープラグへの供給電力が通常始動時の供給電力よりも小さくなるように印加電圧を調整することも考えられる。しかしながら始動時にグロープラグへ印加される電圧を調整する場合には、通電開始前のグロープラグの温度を検出するとともに、検出される温度に基づいてグロープラグを目標温度まで昇温させるための電圧を演算し、さらに演算によって求められた電圧をグロープラグに印加するといったようにその制御が複雑となる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、定格電圧がバッテリの電圧よりも低いグロープラグを用いる場合において、エンジンの始動時にグロープラグの複雑な通電制御を行うことなく、グロープラグの過熱を抑制することのできる制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、通電により発熱するグロープラグの定格電圧が同グロープラグに電圧を印加するバッテリの電圧よりも低いディーゼルエンジンに適用される制御装置であって、前記エンジンの始動時に、前記グロープラグの強制冷却を実行した後に前記バッテリから前記グロープラグへの電圧の印加が開始されるように制御することを要旨とする。
上記構成によれば、エンジン始動直前にグロープラグの温度が高い場合であっても同エンジンの始動時にグロープラグが強制冷却されて温度が低下するため、その後にグロープラグに電圧が印加される際にグロープラグが過熱されることを抑制することができる。すなわち、グロープラグを一旦冷却することにより、グロープラグの複雑な通電制御を実行することなくグロープラグの過熱を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記エンジンの前回の運転が前記グロープラグに通電されている状態で停止されたことを条件に前記強制冷却を実行することを要旨とする。
上記構成によれば、前回の運転停止時にグロープラグが通電されている状態であった場合には始動時の強制冷却が実行され、グロープラグを適切に冷却することができる。一方、前回の運転停止時にグロープラグが通電されていない状態であった場合には、始動開始時には既にグロープラグの温度が低いと考えられるため、不必要な強制冷却が実行されることなく、グロープラグへの電圧の印加が開始される。
請求項1又は2に記載の発明は、具体的には請求項3に記載の発明によるように、前記強制冷却は、クランキングにより吸気が前記グロープラグへ所定期間送風されることにより実行されるといった態様を採用することができる。
これにより強制冷却のための特別な制御を実行することなく、始動時に通常行われるクランキングによってグロープラグを冷却することができる。またクランキングとは異なる強制冷却を実行する場合、エンジンの始動時にグロープラグを強制冷却した後にクランキングを開始することも考えられるが、この場合クランキングの開始が遅くなる。しかしながら上記構成によれば、始動時には先ず通常通りクランキングが開始されることから、グロープラグの冷却によってエンジンの始動が遅れることがない。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記クランキングが実行される前記所定期間は、前回の運転停止から今回の運転開始までの期間が長いほど短く設定されることを要旨とする。
前回の運転停止から今回の運転開始までの期間が短いと、前回の運転停止の際にグロープラグが高温となっていた場合にその温度が十分に低下していないと考えられるため、クランキングによりグロープラグに吸気を送風する期間を長くしてグロープラグを十分に冷却する必要がある。一方、前回の運転停止から今回の運転開始までの期間が長いと、前回の運転停止の際にグロープラグが高温となっていた場合であってもその温度が低下すると考えられ、クランキングによりグロープラグに吸気を送風する期間がさほど長くなくてもグロープラグを十分に冷却することができる。したがって、上記構成によれば、グロープラグをクランキングにより冷却する所定期間を適切に設定することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の何れかの発明において、前記バッテリから前記グロープラグへの電圧の印加は、前記グロープラグに前記バッテリの電圧に対応する通電が所定期間行われた後に同グロープラグの定格電圧に対応する通電が行われることにより実行されることを要旨とする。
上記構成によれば、バッテリからグロープラグへ電圧を印加する初期においてはグロープラグに定格電圧よりも高いバッテリの電圧に対応する通電が行われるため、グロープラグを急速に昇温させることができる。そしてその後は、同グロープラグの定格電圧に対応する通電が行われるため、同グロープラグが過熱されることが抑制される。
またこのようなグロープラグの通電制御を行う場合には、グロープラグが昇温した状態でエンジンが始動すると、グロープラグの通電初期に同プラグの定格電圧よりも高いバッテリ電圧が印加されることとなるため、グロープラグが過熱される可能性が高くなる。しかしながら上記構成によれば、バッテリ電圧に対応する通電の実行前に強制冷却が行われるため、強制冷却による過熱抑制の効果をより顕著に発揮することができる。
以下、本発明のディーゼルエンジンの制御装置を具体化した一実施形態を、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態の制御装置が適用されるディーゼルエンジン及びその周辺機構を示している。この図1に示すように、本実施形態の制御装置が適用されるディーゼルエンジン(以下単に「エンジン」という)5は、吸気通路10、燃焼室11及び排気通路12を備えている。各気筒に形成される燃焼室11にはそれぞれ、グロープラグ13及びインジェクタ14が設けられている。
このグロープラグ13は、車両に搭載されるバッテリ17から電圧が印加されることにより通電して昇温し、これにより例えば冷間始動時などにおいて燃焼室11内において圧縮された吸気を加熱することにより燃料の着火を促進するものである。また本実施形態のグロープラグ13は、定格電圧がバッテリ17の電圧(12V)よりも低い7V設定されている。なおバッテリ17からグロープラグへの通電制御については後に詳細に説明する。
車両にはディーゼルエンジンの制御装置として、エンジン5の各種制御を実行する電子制御装置20が搭載されている。電子制御装置20は、エンジン5の制御にかかる演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。電子制御装置20の入力ポートには、エンジン冷却水温を検出する水温センサ21、図示しないクランクシャフトの回転速度を検出するクランクセンサ22、車両の運転者により切り換え操作されて現在の操作位置に対応した信号を出力するイグニッションスイッチ23が接続されている。また電子制御装置20の出力ポートには、インジェクタ14の駆動回路やグロープラグ13の通電制御を実行するための駆動回路が接続されている。
次に本実施形態のエンジン5に設けられる上記グロープラグ13についてより詳細に説明する。電子制御装置20は、イグニッションスイッチ23がオン状態となると、通電ユニット18を通じてグロープラグ13にバッテリ17の電圧が所定のデューティ比で印加されるように制御する。
すなわち本実施形態においては、図2(a)の実線Aに示すように、例えば時刻t1からグロープラグ13への電圧の印加が開始し、通電初期の所定期間Δt1においてはバッテリ17からグロープラグ13へ電圧がデューティ比100%で印加され、その後は、電圧がデューティ比60%で印加される。なおここでいう、デューティ比とは、予め定められたごく短い単位時間に対するグロープラグ13に電圧が印加される時間の比を規定するものである。そしてエンジン5の始動後、同エンジン5の暖機が完了すると、グロープラグ13への電圧の印加が停止される。なお、バッテリ17からグロープラグ13への印加される電圧がデューティ比60%に変更されてから暖機が完了するまでの期間、すなわちグロープラグ13にデューティ比60%で電圧が印加される期間は、実験などにより例えば期間Δt2に設定されている。
本実施形態においてはグロープラグ13にこのような態様で電圧を印加することにより、図2(b)の実線Aに示すように、デューティ比100%で電圧が印加される所定期間Δt1においてグロープラグ13が急速に昇温して時刻t2において目標温度Ta℃(例えば1200℃)に達する。また時刻t2以降においてはグロープラグ13の定格電圧に相当する電圧が印加され、グロープラグ13は目標温度Ta℃に維持される。なお、バッテリ17からグロープラグ13へ電圧がデューティ比100%で印加される期間が所定期間Δt1を超えると、グロープラグ13が目標温度Ta℃を超えて過熱される可能性があるため、デューティ比100%で電圧を印加するのはこの所定期間Δt1と設定されている。この所定期間Δt1は実験などにより予め適宜設定されている。
なお本実施形態では、グロープラグ13の定格電圧がバッテリ17の電圧よりも低いものを用いているが、例えば定格電圧がバッテリ17の電圧と同程度のグロープラグを用いると、図2の(a)及び(b)の一点鎖線Bに示すようにバッテリ17の電圧をデューティ比100%で印加してもグロープラグの温度上昇は緩やかとなる。そして、このようなグロープラグを用いる場合は、目標温度となった後もバッテリ17の電圧がデューティ比100%で印加され、これによりグロープラグの温度が目標温度に維持される。
ここで本実施形態ではグロープラグ13として定格電圧がバッテリ17の電圧よりも低いものを用いており、上述したように通電初期において電圧がデューティ比100%で印加されて急速昇温が行われる。そのため、グロープラグ13が高温の状態で通電が開始されると過熱される虞がある。
すなわち例えば図3(a)に示すように、時刻t1においてイグニッションスイッチ23がオン状態とされると、グロープラグ13への電圧の印加が開始されて所定期間Δt1後の時刻t2からはデューティ比60%で電圧が印加される。このようにグロープラグ13に電圧が印加されている状態で時刻t3にイグニッションスイッチ23がオフ状態となり、その後グロープラグ13の温度が十分に低下しないまま時刻t4においてイグニッションスイッチ23がオン状態となると、グロープラグ13が高温のまま時刻t4から再びグロープラグ13に電圧がデューティ比100%で印加されることとなる。そのため、グロープラグ13が目標温度Ta℃を超え、図3(b)に示すように同グロープラグ13が過熱される虞がある。
そこで本実施形態においては、電子制御装置20がグロープラグ13に電圧を印加して同プラグ13を昇温するにあたり、同グロープラグ13が高温である場合には同プラグ13を強制冷却した後にグロープラグ13に電圧を印加するよう制御する。具体的には、グロープラグ13が高温である場合には、グロープラグ13に電圧を印加しない状態でクランキングによって吸気をグロープラグ13へ送風することにより同グロープラグ13を強制冷却するようにする。なお電子制御装置20は、グロープラグ13が高温でない場合には同グロープラグ13を冷却することなくグロープラグ13に電圧を印加するように制御する。以下、電子制御装置20により実行されるグロープラグの通電制御を図4のフローチャートに基づいて説明する。図4は、電子制御装置20によるグロープラグ13の通電制御の実行手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、所定周期毎に繰り返し実行される。
グロープラグ13の通電制御がスタートすると、まずステップS11においてイグニッションスイッチ23がオン状態であるか否かが判定される。そしてイグニッションスイッチ23がオフ状態であるとグロープラグ13に電圧を印加する必要がないことからエンドに移り本処理を終了し、イグニッションスイッチ23がオン状態であるとステップS12に移る。そしてステップS12においては、前回イグニッションスイッチ23がオン状態であったか否かが判定される。ステップS12において前回イグニッションスイッチ23がオン状態であったと判定されると、イグニッションスイッチ23がオン状態となった後のグロープラグへの通電が既に開始されているか既にグロープラグ13の通電が終了していると考えられるため、エンドに移り本処理を一旦終了する。
そして、ステップS12において前回イグニッションスイッチ23がオン状態ではなかったと判定されると、ステップS13において、エンジン5の前回の運転が所定運転期間以内であるか否かが判定される。このステップS13においては、具体的には前回運転が上記期間(Δt1+Δt2)以内であったか否かが判定される。すなわち、上述したように本実施形態のグロープラグ13は、通電開始からの期間Δt1においてはバッテリ17からの電圧がデューティ比100%で印加され、その後期間Δt2においてはバッテリ17からの電圧がデューティ比60%で印加されてグロープラグ13の通電が終了する。したがってこのステップS13においては、前回運転が所定期間(Δt1+Δt2)以内であったか否かを判定することにより、前回運転がグロープラグ13の通電期間中に終了されたか否かを判定するようにしている。なお電子制御装置20は、例えばイグニッションスイッチ23がオフ状態からオン状態に変更された時刻、オン状態からオフ状態に変更された時刻を記憶しており、これにより前回の運転期間が期間(Δt1+Δt2)以内であったか否かを判定することができる。
そしてステップS13において、前回運転が所定運転期間を超えていると判定されると、グロープラグ13の通電終了後に前回の運転が終了しているため、グロープラグ13は高温ではないと判定されてステップS17に移り、グロープラグ13の通電が開始される。一方、ステップS13において、前回運転が所定運転期間以内であると判定されると、前回の運転がグロープラグ13の通電中であって同グロープラグ13が高温の状態で終了されたと考えられるため、ステップS14に移る。
ステップS14においては、前回の停止期間が所定停止期間以内であるか否かが判定される。すなわち前回の運転停止から今回の運転開始までの停止期間が長いと、前回の運転停止の際にグロープラグ13が高温となっていた場合であってもその温度が十分に低下しており、グロープラグ13の通電開始前に同プラグ13を冷却する必要がない。したがって前回の停止期間は所定停止期間を超えていると判定されると、ステップS17に移りグロープラグ13の通電を開始する。一方、ステップS14において前回の運転停止から今回の運転開始までの期間が短く所定停止期間以内であると判定されると、グロープラグ13の温度が未だ低下しておらず同プラグ13が高温であると考えられるため、グロープラグ13の強制冷却を実行すべくステップS15に移る。
ステップS15においては、前回の停止期間に基づいてグロープラグ13を冷却すべくクランキングを行う所定期間を設定する。すなわち、前回の停止期間が短い場合にはグロープラグはエンジン5の停止期間中に殆ど温度低下していないと考えられるため、クランキングによりグロープラグ13に吸気を送風する期間を長くしてグロープラグ13を十分に冷却する必要がある。一方、前回の停止期間が長いと、前回の運転停止の際にグロープラグが高温となっていた場合であってもその温度がある程度低下していると考えられるため、クランキングによりグロープラグ13に吸気を送風する期間がさほど長くなくてもグロープラグ13を十分に冷却することができる。したがってステップS15においては、前回の停止期間が長いほどクランキングが実行される所定期間を短く設定する。なお、例えば、グロープラグ13がほとんど冷却されていない場合には、強制冷却のためのクランキングをクランクシャフトの10回転分と設定することができる。
そしてステップS16に移り、エンジン5のクランクシャフトを回転させるべくスタータをオン状態とし、ステップS15において設定した所定期間クランキングを実行する。そして所定期間クランキングを実行した後、ステップS17に移りグロープラグ13の通電を開始する。このようにしてグロープラグ13の通電を開始した後、エンドに移り本処理を終了する。
以上のような手順で行われるグロープラグの通電制御の作用を図5に基づいて説明する。図5(a)に示すように、時刻t5においてイグニッションスイッチ23がオン状態とされると、グロープラグ13への通電が開始されて所定期間Δt1後の時刻t6からはデューティ比60%で電圧が印加される。このようにグロープラグ13への通電が行われている状態で、例えば時刻t7においてイグニッションスイッチ23がオフ状態に変更される。その後、図5(b)に示すように、グロープラグ13の温度が十分に低下していない状態で時刻t8においてイグニッションスイッチ23がオン状態となると、先の図4に示したフローチャートにおけるステップS13において、前回の運転期間が所定運転期間以内か否かが判定される。そして、この図5に示す例では、前回の運転期間(Δt1+Δt3)が通常の通電期間である期間(Δt1+Δt2)以内であるか否かが判定され、運転期間(Δt1+Δt3)は通電期間(Δt1+Δt2)以内であるため、前回の運転終了時刻t3においてはグロープラグ13の温度が未だ目標温度Ta℃の高温であったと判定される。
そして、先の図4におけるステップS14に移り、図5において前回の停止期間である時刻t7からt8までの期間Δt4が、グロープラグ13の冷却のために十分な所定停止期間以下であるか否かが判定される。そしてこの期間Δt4が所定停止期間以内であると判定されると、イグニッションスイッチ23がオン状態となった時刻t8においては、図5(b)に示すようにグロープラグ13の温度が未だ十分に低下していないため、この停止期間Δt4に基づいてグロープラグ13の強制冷却のためのクランキング期間Δt5が設定される。
これにより時刻t8においてイグニッションスイッチ23がオン状態となった後にまずは所定期間Δt5クランキングが行われ、これにより図5(b)に示すようにグロープラグ13が同期間Δt5の間に十分に冷却される。そしてイグニッションスイッチ23がオン状態となってから期間Δt5を経た時刻t9からグロープラグ13の通電が開始される。なおグロープラグ13の通電が開始された後は、同グロープラグ13に対し通常通り所定期間Δt1はバッテリ17からの電圧がデューティ比100%で印加され、その後所定期間Δt2はバッテリ17からの電圧がデューティ比60%で印加される。
以上のようにして本実施形態によれば、エンジン5の運転開始時にグロープラグ13が高温であると考えられる場合には、同グロープラグ13がクランキングにより冷却された後に通電が開始される。したがって、グロープラグ13が高温である場合には同プラグ13を一旦冷却することにより、複雑な通電制御を行うことなく、通常通りの通電制御によってグロープラグ13を目標温度Ta℃に昇温させることができるとともに同プラグ13の過熱を抑制することができる。また本実施形態では、グロープラグ13の通電初期においては同プラグ13の定格電圧よりも高いデューティ比100%のバッテリ電圧が印加される通電制御が行われるため、グロープラグ13が高温である場合に通電により過熱する可能性が高くなるが、このような強制冷却の実行により過熱抑制の効果をより顕著に発揮することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、エンジン5がバッテリ17の電圧よりも定格電圧の低いグロープラグ13を備えている。そして電子制御装置20は、エンジン5の始動時にグロープラグ13の強制冷却を実行した後にバッテリ17からグロープラグ13への電圧の印加が開始されるように制御する。これにより、エンジン5の始動直前にグロープラグ13の温度が高い場合であっても同エンジン5の始動時にグロープラグ13が強制冷却されて温度が低下するため、その後にグロープラグ13に電圧が印加される際にグロープラグ13が過熱されることを抑制することができる。すなわち、グロープラグ13を一旦冷却することにより、グロープラグ13の複雑な通電制御を実行することなくグロープラグ13の過熱を抑制することができる。
(2)本実施形態では、エンジン5の前回の運転がグロープラグ13に通電されている状態で停止されたことを条件に強制冷却を実行するようにしている。具体的には、エンジン5の前回運転が所定運転期間(Δt1+Δt2)以内で終了したことを条件にグロープラグ13の通電開始前の強制冷却を実行するようにしている。これにより、前回の運転停止の際にグロープラグ13が通電状態であって高温であると考えられる場合には始動時の強制冷却が実行され、グロープラグ13を適切に冷却することができる。また、前回の運転停止時にグロープラグ13が通電されていない状態であった場合には、始動開始時には既にグロープラグ13の温度が低いと考えられるため、不必要な強制冷却が実行されることなく、グロープラグ13への電圧の印加が開始される。
(3)本実施形態では、グロープラグ13の強制冷却をクランキングにより吸気が前記グロープラグ13へ所定期間送風されることにより実行するようにしている。これにより、強制冷却のための特別な制御を実行することなく、始動時に通常行われるクランキングによってグロープラグ13を冷却することができる。またクランキングとは異なる強制冷却を実行する場合、エンジン5の始動時にグロープラグ13を強制冷却した後にクランキングを開始するとクランキングの開始が遅くなるものの、上記構成によれば、始動時には先ず通常通りクランキングが開始されることから、グロープラグ13の冷却によってエンジン5の始動が遅れることがない。
(4)本実施形態では、クランキングが実行される所定期間を前回の停止期間が長いほど短く設定するようにしている。すなわち前回の運転停止期間が短いと、前回の運転停止の際にグロープラグ13が高温となっていた場合にその温度が十分に低下していないため、クランキングによりグロープラグ13に吸気を送風する期間を長くしてグロープラグ13を十分に冷却する必要がある。一方、前回の運転停止期間が長いと、前回の運転停止の際にグロープラグ13が高温となっていた場合であってもその温度が十分に低下すると考えられ、クランキングによりグロープラグ13に吸気を送風する期間がさほど長くなくてもグロープラグ13を十分に冷却することができる。したがって、グロープラグ13をクランキングにより冷却する所定期間を適切に設定することができる。
(5)本実施形態では、バッテリ17からグロープラグ13への電圧の印加は、まずグロープラグ13にバッテリ17の電圧がデューティ比100%で所定期間Δt1印加されて同グロープラグ13が目標温度Ta℃まで急速に昇温した後にグロープラグ13にバッテリ17の電圧がデューティ比60%で印加される。すなわち、本実施形態では、まずグロープラグ13にバッテリ17の電圧に対応する通電が所定期間Δt1行われた後に同グロープラグ13の定格電圧に対応する通電が行われる。このようにバッテリ17からグロープラグ13へ電圧を印加する初期においてはグロープラグ13に定格電圧よりも高いバッテリ17の電圧に対応する通電が行われるため、グロープラグ13を急速に昇温させることができる。そしてその後は、同グロープラグ13の定格電圧に対応する通電が行われるため、同グロープラグ13が過熱されることが抑制される。
またこのようにグロープラグ13への電圧が印加される初期においてバッテリ17の電圧に対応する通電を行う態様を採用する場合には、グロープラグ13が昇温した状態でエンジン5が始動すると、同グロープラグ13の定格電圧よりも高いバッテリ17電圧の通電が行われることとなるため、グロープラグ13が過熱される可能性が高くなる。しかしながら上記構成によれば、バッテリ17の電圧に対応する通電実行の前に強制冷却が行われるため、強制冷却による過熱抑制の効果をより顕著に発揮することができる。
(その他の実施形態)
なお上記実施形態は以下のように適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、グロープラグ13にバッテリ17の電圧に対応する通電が所定期間Δt1行われた後にグロープラグ13の定格電圧に対応する通電を行うといった態様でバッテリ17からグロープラグ13へ電圧を印加するようにしているが、通電態様は特に限定されない。例えば、グロープラグの通電初期に同プラグの定格電圧よりも高い電圧を印加する場合であっても、バッテリの電圧をデューティ比100%で印加するのではなく、デューティ比80%で印加するようにしてもよい。またグロープラグに対し通電初期からバッテリの電圧をデューティ比60%で印加し、通電初期からグロープラグの定格電圧に対応した電圧を印加するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、グロープラグ13の定格電圧を7Vとしたが、定格電圧は7Vに限定されず、定格電圧が7Vよりも低いものを用いてもよいし、7Vよりも高いものを用いてもよい。なお、グロープラグを目標温度に維持するためにバッテリからグロープラグに印加される電圧のデューティ比についても、上記実施形態に示した60%に限定されず、グロープラグの定格電圧に応じて適宜設定される。
・上記各実施形態では、グロープラグ13の強制冷却のためのクランキングの実行期間を前回の停止期間が長いほど短くなるように設定している。しかしながら、グロープラグ13の強制冷却のためのクランキングの実行期間は前回の停止期間の長さに関わらず一定期間に設定してもよい。
・上記各実施形態では、クランキングによって吸気をグロープラグ13に送風することにより同グロープラグ13を強制冷却するようにしている。しかしながら、グロープラグの近傍にインジェクタからの燃料を噴射して燃料が気化される気化熱を利用して同グロープラグを冷却するなど、クランキング以外の方法で強制冷却を行うようにしてもよい。
・上記各実施形態では、エンジン5の前回の運転がグロープラグ13に通電されている状態で停止されたことを条件に強制冷却を実行するようにしている。しかしながら、前回の運転がグロープラグの通電終了後に停止された場合でも、例えばグロープラグの通電が終了した直後に停止された場合など、同グロープラグが高温であるときにエンジンの運転が停止した場合には、始動時にグロープラグの強制冷却を行ってから同プラグへの通電を開始するなどしてもよい。すなわち、上記各実施形態ではエンジン5の前回の運転が期間(Δt1+Δt2)以内であることを条件にグロープラグ13の強制冷却を実行するようにしているが、エンジン5の前回の運転が期間(Δt1+Δt2+Δt6)以内(Δt6は目標温度Ta℃のグロープラグが非通電状態で通電に支障のない温度まで冷却されるために要する時間)であることを条件にグロープラグの強制冷却を実行するようにしてもよい。
・上記各実施形態は、始動時にグロープラグの通電を行うことを前提として説明を行った。しかしながら、周知のように暖機後の再始動時においてはグロープラグの通電を行う必要はないため、例えば図4のフローチャートにおけるステップS12とステップS13の間に水温センサ21による冷却水温の判定を行って、暖機始動時にはグロープラグの通電が行われないようにしてもよい。
本発明のディーゼルエンジンの制御装置の一実施形態に係るディーゼルエンジン及びその周辺機構を示す模式図。 同実施形態において、(a)及び(b)は通常のグロープラグの通電制御においてグロープラグに印加するバッテリ電圧のデューティ比及びグロープラグの温度の推移を示すタイミングチャート。 同実施形態において、(a)及び(b)はグロープラグが高温の状態において同グロープラグに電圧が印加された場合におけるバッテリ電圧のデューティ比及びグロープラグの温度の推移を示すタイミングチャート。 同実施形態において、グロープラグの通電制御の実行手順を示すフローチャート。 同実施形態において、(a)及び(b)はグロープラグの通電開始前に強制冷却を行った場合におけるグロープラグに印加するバッテリ電圧のデューティ比及びグロープラグの温度の推移を示すタイミングチャート。
符号の説明
5…ディーゼルエンジン、10…吸気通路、11…燃焼室、12…排気通路、13…グロープラグ、14…インジェクタ、17…バッテリ、18…通電ユニット、20…電子制御装置、21…水温センサ、22…クランクセンサ、23…イグニッションスイッチ。

Claims (5)

  1. 通電により発熱するグロープラグの定格電圧が同グロープラグに電圧を印加するバッテリの電圧よりも低いディーゼルエンジンに適用される制御装置であって、
    前記エンジンの始動時に、前記グロープラグの強制冷却を実行した後に前記バッテリから前記グロープラグへの電圧の印加が開始されるように制御する
    ことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記エンジンの前回の運転が前記グロープラグに通電されている状態で停止されたことを条件に前記強制冷却を実行する
    ことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記強制冷却は、クランキングにより吸気が前記グロープラグへ所定期間送風されることにより実行される
    ことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  4. 請求項3において、
    前記クランキングが実行される前記所定期間は、前回の運転停止から今回の運転開始までの期間が長いほど短く設定される
    ことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項において、
    前記バッテリから前記グロープラグへの電圧の印加は、前記グロープラグに前記バッテリの電圧に対応する通電が所定期間行われた後に同グロープラグの定格電圧に対応する通電が行われることにより実行される
    ことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
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