JP4418985B2 - マグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法 - Google Patents

マグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面に陽極酸化皮膜を有する製品、特に表面粗さが所定値以下に抑制された製品の製造方法に関する。
マグネシウム及びマグネシウム合金は実用金属中で最も軽いために比強度が高く、放熱性も良好で、樹脂に比べてリサイクル性にも優れることから、近年、電気機器や自動車部品用途に広く用いられるようになってきている。中でも、小型軽量化の要求性能が高く、意匠性、リサイクル性の要求も高い電気機器の筐体として好適に使用されている。特に、従来プラスチックで作製されていた携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等の筐体は、最近では、その優れた特性よりマグネシウム合金が適用されるケースが増大している。
一方、マグネシウムは実用金属の中で最も卑な電位を有しており、実用に際しては耐食性を付与させる表面処理が必要不可欠である。しかしながら、マグネシウムは実用金属の中で最も卑な電位を有しており、実用に際しては耐食性を付与させる表面処理又は塗装が必要不可欠である。マグネシウム又はマグネシウム合金への表面処理の方法としては、化成処理や陽極酸化処理が知られている。従来の代表的な表面処理方法としては、ノンクロムタイプの導電性化成処理(リン酸マンガンカルシウム系)などが適用されてきた。しかし、このような化成処理によって得られる皮膜は耐食性に乏しく、長期間の使用には問題があった。
陽極酸化処理は、一般に化成処理よりも耐食性に優れているとされており、マグネシウム又はマグネシウム合金に陽極酸化処理を施すことで優れた耐食性を付与することができる。代表的な処方として、「Dow17法」や「HAE法」と呼ばれる処方による陽極酸化処理が一般的に行われており、これによって実用上十分な耐食性を有する陽極酸化皮膜を形成することができる。特表平11−502567号公報(特許文献1)には、アンモニアとリン酸塩化合物を含有する電解液に浸漬してマグネシウム又はマグネシウム合金を陽極酸化処理する方法が記載されている。また、国際公開第03/080897号パンフレット(特許文献2)には、導電性陽極酸化皮膜を表面に有するマグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品が記載されており、当該製品は、電気伝導性と優れた耐食性とを兼ね備えた陽極酸化皮膜をその表面に有するものであるため、電気機器の筐体として好適であるとされている。
しかしながら陽極酸化処理においては、通電によって酸化皮膜を形成する際に膜面から酸素ガスを発生するために、得られる陽極酸化皮膜の表面粗さが大きくなりやすかった。また、得られる陽極酸化皮膜の密着性や導電性能を確保するためには、通常、陽極酸化処理を施す前に予め酸性水溶液に浸漬して成形品の表面をエッチングするが、この場合には得られる陽極酸化皮膜の表面粗さが一段と大きくなってしまう。一方、化成処理を行う場合には、皮膜の表面粗さは陽極酸化処理ほど著しくないが、皮膜の耐食性が不十分となる。
特開2003−71721号公報(特許文献3)には、微細砥粒が混入された液体を圧搾気体とともに噴射してマグネシウム合金製の部材の表面を研磨し、続いて微細球形砥粒が混入された液体を圧搾気体とともに噴射して当該部材の表面に光沢を付与し、その後、エッチングや酸処理などの前処理を行うことなく、陽極酸化処理する方法が記載されている。当該公報の実施例で行われている陽極酸化処理方法は「Dow17法」であり、100ボルト以下の電圧で陽極酸化処理が施されている例が記載されている。このような方法を採用した場合も、得られた陽極酸化皮膜の表面の平滑性は必ずしも十分ではなく、樹脂塗膜を形成した際の塗膜の信頼性が十分ではなかった。
陽極酸化皮膜あるいは化成処理皮膜を形成した後に樹脂塗装を行うことも多いが、皮膜表面の粗さが大きい場合には、塗膜表面にも荒れが発生して製品の意匠性が低下するおそれがあった。また、樹脂塗装としてクリヤー塗装を施す場合には塗膜を通して基材表面の荒れが透けて見え、やはり製品の意匠性が低下するおそれがあった。携帯電話やデジタルカメラなどの筐体は、軽量性や耐久性が要求されるとともに、高度な意匠性も要求されるので、光沢や色合いなど、外観の美しい製品とすることが重要である。
特表平11−502567号公報(特許請求の範囲、実施例) 国際公開第03/080897号パンフレット(請求の範囲、実施例、産業上の利用可能性) 特開2003−71721号公報(特許請求の範囲、実施例)
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、耐食性に優れ、しかも表面粗さの抑制された陽極酸化皮膜を有するマグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法を提供するものである。好適には、当該陽極酸化皮膜の表面にさらに樹脂塗装が施され、外観の美麗な意匠性に優れた製品の製造方法を提供することを目的とするものである
上記課題は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面を、研磨粒子を含有し、その主成分が水であり、かつそのpHが5以上である液状媒体を用いて研磨処理した後、pHが10以上のアルカリ水溶液に浸漬してから、印加する電圧の最大値が180ボルト以上になるように陽極酸化処理して、前記成形品の表面に、表面粗さ測定における輪郭曲線の算術平均高さ(Ra:JIS B0601に基づく)が0.7μm以下の陽極酸化皮膜を形成するマグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法を提供することによって解決される。成形品の表面を予め特定の方法で研磨してから陽極酸化処理することによって、得られる陽極酸化皮膜表面の表面粗さを小さくすることができるものである。
このとき前記液状媒体が、セラミックス焼結体からなる研磨粒子を含有すること好適である。また、前記研磨処理をバレル研磨装置内で行うことも好適である。こうして研磨処理を行った後の成形品の、表面粗さ測定における輪郭曲線の算術平均高さ(Ra:JIS B0601に基づく)が0.2μm以下であること、また、表面粗さ測定における輪郭曲線の最大谷深さ(Rv:JIS B0601に基づく)が輪郭曲線の最大山高さ(Rp:JIS B0601に基づく)の1.5倍以上であることが好適である。
リン酸根を0.1〜1mol/L、アンモニア又はアンモニウムイオンを0.2〜5mol/L含有し、pHが8〜14である電解液にマグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品を浸漬して陽極酸化処理することが好適である。また、得られた陽極酸化皮膜の表面に樹脂塗膜を形成することも好適である。
こうして得られる前記陽極酸化皮膜の厚さが0.1〜30μmであることが好適であり、前記陽極酸化皮膜表面の抵抗値が、相互に10mm離れた2つの端子間で測定した時に10Ω以下であることも好適である。前記陽極酸化皮膜が、マグネシウム元素を10〜65重量%、酸素元素を25〜60重量%、リン元素を4〜30重量%及びアルミニウム元素を1〜20重量%含有することが好適である。
マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面の全部陽極酸化皮膜で覆、かつ該陽極酸化皮膜の表面の一部にのみ樹脂塗装て残余の部分の陽極酸化皮膜露出させることが好適である。また、筐体内面には樹脂塗装が施されない部分を有し、筐体外面には樹脂塗装が施された部分を有する電気機器の筐体であること本発明の好適な実施態様である。
本発明の製造方法によって得られる、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品は、耐食性に優れ、しかも表面粗さの小さい陽極酸化皮膜を有するものである。当該製品は、好適には、当該陽極酸化皮膜の表面にさらに樹脂塗装が施され、外観の美麗な意匠性に優れた製品、特に電気機器の筐体として使用される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面に、表面粗さ測定における輪郭曲線の算術平均高さ(Ra:JIS B0601に基づく)が0.7μm以下である陽極酸化皮膜を有するマグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品及びその製造方法に関する。
このように、本発明の製品は、表面粗さ測定における測定値に特徴を有するものである。ここで、表面粗さに関するパラメータについて、まとめて説明する。以下のパラメータは、いずれもJIS B0601:2001(ISO 4287:1997)に基づくものである。評価長さ10mm、カットオフ値(基準長さ)0.8mmの条件で測定した粗さ曲線から得られた値を用いた。
・輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)
基準長さにおける縦座標値Z(x)(任意の位置における輪郭曲線の高さ)の絶対値の平均。
・輪郭曲線の最大山高さ(Rp)
基準長さにおける輪郭曲線の山高さZp(X軸(平均線)から山頂までの高さ)の最大値。
・輪郭曲線の最大谷深さ(Rv)
基準長さにおける輪郭曲線の谷深さZv(X軸(平均線)から谷底までの深さ)の最大値。
・輪郭曲線の最大高さ(Rz)
基準長さにおける輪郭曲線の山高さZpの最大値と谷深さZvの最大値との和。
原料とするマグネシウム又はマグネシウム合金は、マグネシウムを主成分とするものであればよく、マグネシウム単体からなる金属であっても良いし、合金であっても良い。通常は、成形性、機械的強度、延性などを付与するためにマグネシウム合金が好適に使用される。マグネシウム合金としては、Mg−Al系合金、Mg−Al−Zn系合金、Mg−Al−Mn系合金、Mg−Zn−Zr系合金、Mg−希土類元素系合金、Mg−Zn−希土類元素系合金などが挙げられる。本発明の実施例ではMg−Al−Zn系合金を使用しており、得られた陽極酸化皮膜中にはアルミニウム元素が含まれていたが、得られた陽極酸化皮膜の導電性が良好であった。したがって、導電性の陽極酸化皮膜を得る場合には、原料のマグネシウム合金としては上記各種の合金のうち、アルミニウムを含有するものであることが好ましいと推測される。
陽極酸化処理に供されるマグネシウム又はマグネシウム合金の形態は特に限定されない。ダイカスト法、チクソモールド法、プレス成形法、鍛造法などによって成形された成形品を用いることができる。複雑な形態の成形品を容易に成形できる点からは、ダイカスト法やチクソモールド法などの鋳造成形法が好適であり、なかでも、チクソモールド法によれば射出成形機を用いて効率良く成形することが可能であり特に好ましい。鋳造成形法で成形する場合には、通常、バリや湯ジワなどの鋳造欠陥の発生が避けられない。このような欠陥は、後に行う研磨処理において除去されることになるが、手作業などによって予め大きな欠陥を除去しておくことも好ましい。
また、ダイカスト法やチクソモールド法で成形する場合、成形品の表面付近に形成される皺や中空部の内部に離型剤が残留する場合がある。陽極酸化処理する場合には、化成処理する場合に比べて、残留する離型剤を少なくすることが容易である。特に電圧を高くして陽極酸化した場合にその効果が顕著である。製品に残留する離型剤は、加熱された時に揮発して、樹脂塗膜に欠陥を生じさせることがある。ここで、成形時に使用される離型剤としては、シリコーン化合物からなる離型剤が代表的である。化成処理の場合には、離型剤の残留を防止し、欠陥の少ない表面処理を安定的に行うためには、予め酸性水溶液で表面をエッチングしてから化成処理液に浸漬することが必要である。しかしながら、それでは表面が荒れてしまうという問題があった。
マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品は、必要に応じて予め大きな欠陥を除去し、脱脂洗浄した後で研磨処理される。研磨処理は、研磨粒子を含有する液状媒体を用いて行われる。マグネシウムはその粉塵が発火しやすいので、液状媒体を用いて、特に主成分が水である液状媒体を用いて研磨処理することが好ましい。このとき、液状媒体のpHは5以上であることが好ましい。pHが5未満の液状媒体を使用したのでは、成形品の表面が荒れるおそれがある。より好適にはpHは7以上、さらに好適にはpHは9以上である。また通常pHは15以下である。
研磨粒子の種類は特に限定されず、アルミナやシリカなど各種のセラミックス粒子やガラス粒子などを使用することができる。中でも、セラミックス焼結体を使用することが好ましい。セラミックス焼結体は、一般に「メディア」とも呼ばれるものであるが、成形品の形態や用途に応じて、適当な形状や粒度のものを準備することができ、研磨効率を向上させることができる。例えば成形品の形態が複雑な場合であっても、その表面を効果的に磨くことができる。通常、寸法(長手方向の寸法)が1〜20mm程度のもの、好適には2〜15mm程度のものが好適に使用される。
研磨処理方法は、研磨粒子を含有する液状媒体を用いるものであれば特に限定されない。液状媒体を成形品に吹き付ける、いわゆる湿式ブラスト方法を採用することもできるし、成形品が液状媒体に接触した状態で撹拌したり振動を加えたり流動させたりする方法も採用できる。これらの中でも、容器内に成形品と液状媒体とを導入して、その中でそれらを相互に接触させることによって研磨するバレル研磨方式が好適に採用される。また、成形品を液状媒体に接触させた状態で、両者に対して振動を加えて研磨する振動研磨方式も好ましく採用される。このような研磨装置としては、例えば振動バレル研磨装置などが代表的なものとして挙げられる。振動研磨方式の場合の研磨装置の形式は特に限定されず、振動容器内に一度に成形品と液状媒体を投入して槽全体に振動を加えるバッチ式の装置であっても構わないし、振動容器に連続的に成形品と液状媒体を投入しながら研磨処理する連続式の装置であっても構わない。生産性の点からは連続式の装置であることが好ましく、振動する配管内を成形品と液状媒体とが進行する装置が特に好ましく採用される。振動槽あるいは振動配管の材質はプラスチックあるいはゴムであることが好ましい。金属を使用したのでは、槽又は配管の摩耗に由来する金属粉が発生するおそれがあるが、金属粉がマグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面に付着した場合には、異種金属間の腐食電流が発生して成形品の腐食を引き起こすおそれがある。この点は、湿式ブラスト方式を採用した場合であっても同様であり、液状媒体を吹き付けるためのノズルは金属製でないほうが良く、セラミックス製のものなどを使用するのが好ましい。
液状媒体に含まれる研磨粒子としては、前記セラミックス焼結体を使用することが特に好適である。一定の大きさを有する研磨粒子と成形品とが相互に衝突することによって効率的な研磨操作が可能である。しかも、研磨粒子は様々な方向から成形品に衝突するので、成形品表面の突起を削り取ったり、塑性変形させて押しつぶしたりすることが容易である。したがって、研磨後の成形品の表面粗さ測定における輪郭曲線の最大谷深さ(Rv)が輪郭曲線の最大山高さ(Rp)よりも大きいものにすることができる。この点の有効性については、追って説明する。また、セラミックス焼結体を使用する場合には、成形時のバリなどの除去にも効果があり、手作業によるバリの除去作業などを簡略化して省力化に寄与することも可能である。
上記研磨処理を行った後の成形品の、表面粗さ測定における輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)が0.2μm以下であることが好適である。引き続いて行われる陽極酸化処理によって表面粗さが増幅される傾向にあるので、研磨処理後の表面粗さを小さく抑制しておくことが、陽極酸化皮膜表面の表面粗さを抑制するためには重要である。算術平均高さ(Ra)は、より好適には0.15μm以下、さらに好適には0.12μm以下である。また、高い山や深い谷の存在は欠陥につながりやすいので、輪郭曲線の最大高さ(Rz)は、好適には5μm以下、より好適には3μm以下、さらに好適には2μm以下である。さらに、輪郭曲線の最大谷深さ(Rv)が輪郭曲線の最大山高さ(Rp)の1.5倍以上であることが好適である。後述するように、陽極酸化処理、特に高電圧を印加しての陽極酸化処理においては、成形品表面の谷の部分を皮膜で埋めて平滑化することが可能であるので、山の部分のみを選択的に平滑化できるような研磨方法が、研磨効率の面から好適である。最大谷深さ(Rv)が最大山高さ(Rp)の2倍以上であることがより好適である。
以上のようにして研磨処理が施された成形品を陽極酸化処理に供する。このとき、研磨処理後にそのまま陽極酸化に供したのでは、成形品表面の付着物によって陽極酸化皮膜が均一に形成されないおそれがあるし、電解液を汚染するおそれもあるので、予め洗浄してから陽極酸化処理に供するのが好ましい。水や、界面活性剤やキレート剤などを含有する水溶液を用いて洗浄することができる。なかでも、アルカリ水溶液に浸漬してから陽極酸化処理に供することが、脱脂性能やスマット除去性能の面から好ましい。アルカリ性水溶液としては水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液が好適に使用される。アルカリ性水溶液のpHは、通常10以上であり、好適には13以上である。このとき、アルカリ性水溶液に界面活性剤やキレート剤を配合することもできる。
研磨処理後の成形品に対しては、酸性水溶液で処理しない方が好ましい。従来、酸性水溶液で処理してから陽極酸化処理に供する方が、得られる陽極酸化皮膜の耐食性が良好になるので、酸性水溶液に浸漬する場合が多い。しかしながら、酸性水溶液で処理すると表面粗さが大きくなってしまい、本発明の目的を十分に達成することが困難になる。本発明では、予め特定の研磨処理を施しているので、酸性水溶液で処理しなくても、一定以上の耐食性を得ることが可能である。なお、表面の粗さにほとんど影響を与えないような、極めて薄い酸性水溶液での処理や極めて短時間の酸性水溶液での処理を行うことは、場合によっては可能である。具体的には、pH4以下の水溶液での20秒以上の処理は施さない方がよい。
研磨処理後の成形品に対して、以上のような前処理を必要に応じて施した後で、陽極酸化処理に供する。陽極酸化方法は特に限定されず、従来から広く行われている代表的な処方である「Dow17法」や「HAE法」と呼ばれる処方や、特表平11−502567号公報に記載されている、アンモニアとリン酸塩化合物を含有する電解液に浸漬してマグネシウム又はマグネシウム合金を陽極酸化処理する処方や、国際公開第03/080897号パンフレットに記載されている、導電性の陽極酸化皮膜を形成することのできる処方などを採用することができる。これらのなかでも、導電性の陽極酸化皮膜を形成する方法を採用することが好適である。導電性の陽極酸化皮膜が形成される場合には、電子機器の筐体として好適に採用されるが、そのような電子機器の筐体においては、美麗な外観が求められる場合が多いからである。
前記導電性を有する陽極酸化処理皮膜を形成する場合の電解液は、リン酸根を含有するアルカリ性の水溶液であることが好ましく、より具体的にはリン酸根を0.1〜1mol/L含有し、pHが8〜14である水溶液が好適である。適当な量のリン酸根を含有することで、適当な量のリン元素が陽極酸化皮膜に含まれることになる。また、アルカリ性にすることでマグネシウム又はマグネシウム合金の不必要な溶出を防止することができる。
ここでいうリン酸根は、遊離のリン酸、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩として電解液中に含まれるものである。また、リン酸が縮合して得られるポリリン酸やその塩の場合には、それらが加水分解して得られるリン酸根の数だけリン酸根を含有しているとする。塩の場合には、金属塩であってもよいし、アンモニウム塩のような非金属の塩であっても良い。リン酸根の含有量は0.1〜1mol/Lであることが好適である。より好適には0.15mol/L以上であり、さらに好適には0.2mol/L以上である。また、より好適には0.7mol/L以下であり、さらに好適には0.5mol/L以下である。
このときの電解液のpHは8〜14であることが好適である。より好適にはpHは9以上であり、さらに好適には10以上である。また、より好適にはpHは13以下であり、さらに好適には12以下である。
またこのときの電解液が、アンモニア又はアンモニウムイオンを、それらの合計量として0.2〜5mol/L含有することが好ましい。これによって電解液のpHが適当なアルカリ性に保たれる。アンモニア又はアンモニウムイオンの含有量はより好適には0.5mol/L以上であり、さらに好適には1mol/L以上である。また、より好適には3mol/L以下であり、さらに好適には2mol/L以下である。
本発明の陽極酸化処理で使用される電解液が、重金属元素を実質的に含有しないことが好ましい。ここで重金属元素とは、単体としての比重が4を超える金属元素のことをいい、従来の陽極酸化処理における代表的な電解液に含有されているものとして、クロム、マンガンなどが例示される。特に排出規制が厳しく有害なクロムを含有しないことが好ましい。なお、マグネシウム合金に含まれる重金属、例えば微量の亜鉛が溶け出して電解液中に含まれることは通常あまり問題とはならない。また、本発明の電解液がフッ素元素を含有しないことも好ましい。フッ素元素を含有する水溶液は廃水処理が困難になることが多いからである。
前記電解液の中に、研磨処理を施し、必要に応じて前処理した成形品を浸漬し、これを陽極として通電することで陽極酸化処理が行われる。使用する電源は特に限定されるものではなく、直流電源でも交流電源でも使用可能であるが、直流電源を使用することが好ましい。また、直流電源を使用する際には、定電流電源と定電圧電源のいずれを使用しても良いが、定電流電源を使用することが好ましい。陰極材料は特に限定されず、例えばステンレス材などを好適に使用することができる。陰極の表面積は陽極酸化処理されるマグネシウム又はマグネシウム合金の表面積よりも大きいことが好ましく、2倍以上であることがより好ましく、通常は10倍以下である。
陽極酸化処理時の陽極表面の電流密度は、好適には0.1〜10A/dmであり、より好適には0.2〜6A/dmである。通電時間は、好適には10〜1000秒であり、より好適には50〜700秒である。通電中の電解液の温度は、通常5〜70℃である。好適には10℃以上である。また、好適には50℃以下であり、より好適には30℃以下である。
本発明の陽極酸化処理においては、通電時に印加する電圧の最大値が120ボルト以上であることが好適である。ここで、定電流電源で通電する際には、通電開始時の印加電圧は低いものの、時間の経過とともに印加電圧は上昇するので、印加電圧の最大値は、通常通電を終了する際の印加電圧である。通電時に印加する電圧の最大値は、より好適には150ボルト以上であり、さらに好適には180ボルト以上である。また、通常500ボルト以下であり、好適には400ボルト以下である。
印加電圧を高めに設定することによって、成形品の表面に形成されている谷部にも陽極酸化皮膜が均一に形成されやすくなることが、これまでの試験によりわかっている。これにより、輪郭曲線の最大谷深さ(Rv)が、輪郭曲線の最大山高さ(Rp)よりも大きい成形品を陽極酸化に供した場合に、その谷の部分を埋めることが可能になるので、結果として表面粗さの小さい陽極酸化皮膜を得ることができる。また、印加電圧を高めに設定することによって、離型剤などの不純物を含有する部分でも酸化反応が進行しやすくなり、成形品の表面全体に均一な皮膜を形成しやすくなる。また、酸化反応に伴って成形品の表面から酸素ガスが盛んに発生するので、陽極酸化処理中に上記不純物が除去されやすくなる。膜中に残存する不純物は、塗装製品の外観上の欠陥を引き起こしやすいので、外観の美麗さが要求される用途では、これを防止することが特に重要である。
従来より広く行われている陽極酸化処理方法である「Dow17法」や「HAE法」においては、印加電圧を100ボルト未満に設定することが多いのに対して、特表平11−502567号公報や、国際公開第03/080897号パンフレットに記載されている陽極酸化処理方法では、120ボルト以上の印加電圧とすることが多いことから、本発明においては、これら印加電圧の高い陽極酸化処方を採用することが好ましい。
通電終了後、洗浄することにより、陽極酸化皮膜の表面に付着した電解液を除去してから、乾燥する。このようにして、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面に陽極酸化皮膜が形成される。
本発明で得られる陽極酸化皮膜は、表面に通電中のスパークに由来すると思われる多数の孔が存在する場合が多く、この点で化成処理皮膜とは相違する。陽極酸化皮膜の膜厚は、好適には0.1〜30μmであり、さらに好適には1〜10μmである。陽極酸化皮膜の膜厚が厚いほど耐食性は向上するが、あまり厚すぎる場合には表面粗さが増大するおそれがあるとともに、製造コストが上昇するおそれがある。
形成される陽極酸化皮膜は導電性を有していても有していなくても構わないが、電気機器の筐体などに使用する場合には、接地特性の面などから陽極酸化皮膜が導電性を有することが好ましい。具体的には、相互に10mm離れた2つの端子間で測定した皮膜表面の抵抗値が10Ω以下であるような導電性陽極酸化皮膜を表面に有することが好ましい。当該抵抗値は、陽極酸化皮膜の表面の相互に10mm離れた任意の2点に端子を押し付けて測定される抵抗値(Ω)である。マグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材の抵抗値は小さいことから、実質的には、測定用の端子と、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材との間に存在する陽極酸化皮膜の厚み方向の電気抵抗に相関する値が測定されるものである。前記抵抗値は好適には10Ω以下であり、より好適には1Ω以下である。一方、前記抵抗値が低すぎる場合には、製品の耐食性が低下するおそれがあり、好適には、0.1Ω以上である。なお、表面処理していないマグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面の抵抗値は、AZ91Dの場合で、通常0.1Ω未満の値を示す。
導電性を有する陽極酸化処理皮膜を形成する場合、その陽極酸化皮膜の化学組成は特に限定されるものではないが、マグネシウム元素を10〜65重量%、酸素元素を25〜60重量%含有するものが好適である。すなわち、マグネシウム又はマグネシウム合金が陽極酸化された結果の生成物である、酸化されたマグネシウムを構成成分として含有するものであることが好適である。マグネシウム元素の含有量はより好適には15重量%以上であり、さらに好適には18重量%以上である。また、より好適には45重量%以下であり、さらに好適には30重量%以下である。酸素元素の含有量はより好適には40重量%以上である。また、より好適には55重量%以下である。
前記導電性を有する陽極酸化皮膜が、リン元素を4〜30重量%含有することが好適である。リン元素の含有量はより好適には10重量%以上であり、さらに好適には15重量%以上である。また、より好適には25重量%以下である。また、アルミニウム元素を1〜20重量%含有することも好適である。アルミニウム元素の含有量はより好適には2重量%以上である。また、より好適には10重量%以下であり、さらに好適には5重量%以下である。マグネシウム、酸素以外の上記元素を適当量含有することで、耐食性を損なうことなく、良好な電気伝導性を有するようになるものと推測することができる。本発明の陽極酸化皮膜は本発明の効果を阻害しない範囲内で上記以外の元素を含んでいても構わない。しかしながら、原料のマグネシウム合金が元々含有していたものを除き、重金属、特にクロム元素を実質的に含有しないことが好ましい。また、フッ素元素も実質的に含有しないことが好ましい。
本発明の製品における陽極酸化皮膜の表面粗さ測定における輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)は0.7μm以下である。このような表面粗さの小さい皮膜を形成することによって、さらにその上に樹脂塗膜を形成した場合にも、平滑な塗膜表面を得ることが容易であり、外観の美麗な製品を得ることが容易である。算術平均高さ(Ra)は、好適には0.5μm以下であり、より好適には0.4μm以下である。また、算術平均高さ(Ra)は、通常0.1μm以上となる。また、高い山や深い谷の存在は欠陥につながりやすいので、輪郭曲線の最大高さ(Rz)は、好適には6μm以下、より好適には4μm以下である。
こうして得られた陽極酸化皮膜を表面に有する成形品は、そのままでも使用可能であるが、陽極酸化皮膜の表面に樹脂塗膜を施すことが好適である。表面粗さの小さい陽極酸化皮膜上に樹脂塗膜が形成されるので、得られる塗膜表面の平滑性も良好になり、外観の美麗な製品を得ることができる。例えば数十μmの厚みに樹脂塗膜を形成した場合であっても、陽極酸化皮膜の表面粗さの影響を避けることはできないので、樹脂塗膜を形成した場合であっても陽極酸化皮膜の表面粗さを抑制することは重要である。樹脂塗膜表面の表面粗さ測定における輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)は、好適には0.15μm以下であり、より好適には0.12μm以下である。また、輪郭曲線の最大高さ(Rz)は、好適には1.2μm以下、より好適には0.8μm以下である。
用いられる塗料は特に限定されず、金属表面の塗装に使用される各種の塗料を使用することができる。溶剤型塗料、水性塗料、粉体塗料などを使用して樹脂塗膜を形成することができる。塗布後に高温焼付けを要する熱硬化型の塗料であっても、比較的低温で溶剤や水を揮発させるだけでよい塗料であっても良い。塗膜の信頼性の点からは前者が好ましく、生産性の点からは後者が好ましく、用途に応じて適宜選択される。また、外観を美麗にするためには透明樹脂塗料を用いることも好ましく、適宜着色されたものを用いても良い。塗装方法も特に限定されず、スプレー塗装、浸漬塗装、電着塗装、粉体塗装などの公知の方法を採用することができる。一部に塗膜を有しない部分を有することが好ましい本発明のマグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品においては、スプレー塗装や溶射法による粉体塗装が好適に採用される。
塗装に際しては、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面の全部が陽極酸化皮膜で覆われ、かつ該陽極酸化皮膜の表面の一部にのみ樹脂塗装が施されて残余の部分の陽極酸化皮膜が露出していることが好ましい。このように成形品の表面の全部が陽極酸化皮膜で覆われることで、製品全体の耐食性が確保できる。ただし、ここでいう全部とは、実質的に全部ということであり、陽極酸化処理時に電源と導通させた接点部分など、皮膜が形成されていない部分が僅かにあっても構わない。また、陽極酸化皮膜の表面の一部にのみ樹脂塗装が施されて残余の部分の陽極酸化皮膜が露出していることで、導電性の陽極酸化皮膜を有する場合には、接地特性を確保しながら、樹脂塗装によって外観の美麗な、耐摩擦性に優れた製品を提供することができるものである。
陽極酸化皮膜が形成され、さらに必要に応じてその上に樹脂塗膜が形成された、本発明の製品の用途は特に限定されず、各種の電気機器、自動車用部品、レジャー用部品、福祉介護機器用部品などに使用することができる。
なかでも、特に好適な実施態様は、筐体内面には樹脂塗装が施されない部分を有し、筐体外面には樹脂塗装が施された部分を有する電気機器の筐体である。電気機器の筐体は用途によっては高度な意匠性が要求されるので、本発明によって、平滑で美麗な外観を有する筐体が提供される。外面に樹脂塗装が施されることで、使用時の損傷を防止することもできる。好適には、筐体の実質的に全ての外面に樹脂塗装が施される。一方、導電性の陽極酸化皮膜を形成した場合には、筐体の内面で導電性の陽極酸化皮膜が露出しているので、電気配線からの接地が容易に確保できる。
こうして得られた本発明のマグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品は、外観が美麗であり、しかも軽量性、強度などに優れており、各種の用途に使用することができる。携帯電話、パソコン、ビデオカメラ、スチルカメラ、光ディスクプレーヤー、ディスプレイ(CRT、プラズマ、液晶)、プロジェクターなどの電気機器の筐体などに好適に使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例中での試験方法は以下の方法に従って行った。
(1)表面粗さ測定
テーラー・ホブソン社製表面粗さ計「フォームタリサーフS5」を使用し、JIS B0601:2001に基づき、評価長さ10mm、カットオフ値(基準長さ)0.8mmの条件で測定した。各試料において、図1における液晶表示用窓とキーボード用窓の間の橋掛け部分の中央部を横方向にスキャンして測定した。これにより、輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)、輪郭曲線の最大山高さ(Rp)、輪郭曲線の最大谷深さ(Rv)及び輪郭曲線の最大高さ(Rz)を求めた。
(2)陽極酸化皮膜及び樹脂塗膜の膜厚測定
試験片を5mm×10mmの寸法に切断し、エポキシ樹脂に包埋してから、切断面を研磨して鏡面を得た。試料の断面方向から、光学顕微鏡を用いて膜厚を測定した。
(3)陽極酸化皮膜の化学組成分析
日本電子株式会社製X線マイクロアナライザー「JXA−8100R」を用いて、皮膜の表面方向から膜組成の分析を行った。各方向につき3ヶ所ずつ測定を行い、これらの平均値から化学組成を求めた。測定は、加速電圧15kV、試料照射電流2×10−8Aの条件で行った。データ解析は、ZAH補正によって行った。
(4)陽極酸化皮膜表面の抵抗値測定
三菱化学株式会社製低抵抗率計「ロレスターAP MCP−T400」を用い、二探針式プローブ「MCP−TP01」を使用して測定した。試験片の中央部分で皮膜の表面に測定端子を押し付けるようにして抵抗値(Ω)を測定した。前記プローブは10mmの間隔で測定端子が配置されたものであり、端子はベリリウム合金に金メッキしたもので、その先端形状は直径2mmの円柱状であり、端子を皮膜の表面に押し付ける荷重は端子1個あたり240gである。試料中の複数のポイントを測定して抵抗値のバラツキ具合で評価した。
A:いずれの場所においても0.6Ω以下である。
B:0.6Ωを超える場所があるが、いずれの場所においても2Ω以下である。
C:2Ωを超える場所があるか、全体が2Ωを超える。
(5)塩水噴霧試験
塗膜が形成された製品の表面に対して、JIS Z−2371に準拠して、5%塩水噴霧試験を35℃で75時間行った。噴霧操作後、1時間常温で放置し、樹脂塗膜と陽極酸化皮膜(あるいは化成処理皮膜)とを貫通するように、JIS K5400 8.5.3の記載に準拠して十文字状の切込み(クロスカット)を入れてから、テープ剥離試験を行った。このとき、クロスカットは、図1における液晶表示用窓とキーボード用窓の間の橋掛け部分の中央部に形成した。テープを剥離した時のクロスカット部の塗膜のはがれ状態を目視で観察し、以下の基準にしたがって評価した。
10点:はがれが全くない。
8点:交点にはがれがなく、Xカット部にわずかにはがれがある。
6点:Xカットの交点からいずれかの方向に、1.5mm以内のはがれがある。
4点:Xカットの交点からいずれかの方向に、3.0mm以内のはがれがある。
2点:テープをはったXカット部の大部分に、はがれがある。
0点:Xカット部よりも大きくはがれる。
(6)温湿度サイクル試験
塗膜が形成された製品を、以下の温湿度サイクル(24時間)を1サイクルとして10サイクルの温湿度サイクルに供した。
・60℃、相対湿度90%:4時間
・移行期間:2時間
・45℃、相対湿度95%:10時間
・移行期間:2時間
・−20℃:1時間
・移行期間:2時間
・25℃:1時間
・移行期間:2時間
10サイクルの温湿度サイクルの後、1時間常温で放置し、樹脂塗膜と陽極酸化皮膜(あるいは化成処理皮膜)とを貫通するように、JIS K5400 8.5.2の記載に準拠して碁盤目状の切込みを入れてから、テープ剥離試験を行った。このとき、碁盤目は、図1における液晶表示用窓の右上の平坦部分に形成した。テープを剥離した時の碁盤目部の塗膜のはがれ状態を目視で観察し、以下の基準にしたがって評価した。
10点:切り傷1本ごとが、細くて両側が滑らかで、切り傷の交点と正方形の1目1目にはがれがない。
8点:切り傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の1目1目にはがれがなく、欠損部の面積は全正方形面積の5%以内。
6点:切り傷の両側と交点にはがれがあって、欠損部の面積は全正方形面積の5%〜15%。
4点:切り傷によるはがれの幅が広く、欠損部の面積は全正方形面積の15%〜35%。
2点:切り傷によるはがれの幅は4点より広く、欠損部の面積は全正方形面積の35%〜65%。
0点:はがれの面積は、全正方形面積の65%以上。
(7)熱衝撃試験
塗膜が形成された製品を、−40℃(60分)と85℃(60分)の温度サイクル(2時間)を1サイクルとして、20サイクルの温度サイクルに供した。1時間常温で放置し、樹脂塗膜と陽極酸化皮膜(あるいは化成処理皮膜)とを貫通するように、JIS K5400 8.5.2の記載に準拠して碁盤目状の切込みを入れてから、テープ剥離試験を行った。このとき、碁盤目は、図1における液晶表示用窓の右上の平坦部分に形成した。テープを剥離した時の碁盤目部の塗膜の剥がれ状態を目視で観察し、評価した。評価の基準は、前記「(6)温湿度サイクル試験」と同様である。
(8)塗膜の平滑性
塗膜表面を目視で観察して、塗膜の平滑性を以下の基準で判断した。
A:非常に優れている。
B:優れている。
C:劣っている。
D:非常に劣っている。
実施例1
日本サーモケミカル株式会社製チクソモールド用チップ(チップ寸法4mm:マグネシウム90重量%、アルミニウム9重量%及び亜鉛1重量%からなるASTM No.AZ91Dのマグネシウム合金)を使用し、株式会社日本製鋼所製マグネシウム用射出成形機「JLM220MG」にて、正面図が図1に、側面図が図2にそれぞれ示される携帯電話の筐体用成形品をチクソモールド成形した。当該成形品の長さは138mm、幅は42mm、厚みは8mmである。図1において、上側の大きな開口部は液晶表示用窓であり、下側の大きな開口はキーボード用窓である。図からわかるように、当該筐体には、液晶表示用窓及びキーボード用窓以外にも、操作ボタン嵌め込み用開口部、発光部材嵌め込み用開口部、ネジ孔など、多数の開口部が設けられている。成形に際しては、成形サイクルごとに金型内に離型剤をスプレーで塗布してから射出操作を行った。得られた成形品の表面粗さ測定を行った結果、算術平均高さ(Ra)が0.1857μm、最大山高さ(Rp)が4.0601μm、最大谷深さ(Rv)が1.4136μm、最大高さ(Rz)が5.4738μmであった。粗さ曲線を図3に示す。
得られた成形品に必要な機械加工(フライス加工)を施し、バリを手作業で簡単に削り落としてから、株式会社チップトン製多重多段槽振動バレル研磨機「リボルバーCWS−450U2」に投入して研磨した。当該研磨機は振動可能なウレタン性パイプがらせん状に配置されたものであり、パイプの一端から成形品と液状媒体とを連続的に投入し、振動を加えられたパイプ内で成形品と液状媒体とを進行させながら研磨操作を行い、パイプの他端から研磨後の成形品を取り出す仕組みの装置である。液状媒体としては、ヘンケルジャパン株式会社製コンパウンド「P3 TC503」を1%含有する水溶液(pH10)に株式会社チップトン製メディア「WT−9×10アングル」を投入したものを使用した。ここで、前記メディアは最長寸法が約10mm、平均重量が1.67gのセラミックス焼結体である。
研磨後の成形品を水洗し、その表面粗さ測定を行った。その結果、算術平均高さ(Ra)が0.0997μm、最大山高さ(Rp)が0.3821μm、最大谷深さ(Rv)が1.1032μm、最大高さ(Rz)が1.4853μmであった。粗さ曲線を図4に示す。研磨前の成形品に比べて最大山高さ(Rp)が大きく減少(4.0601μmから0.3821μm)しているのに対し、最大谷深さ(Rv)の減少量は僅か(1.4136μmから1.1032μm)であることが大きな特徴である。すなわち、成形品表面の凸部が選択的に平坦化されていることがわかる。これに伴い、算術平均高さ(Ra)及び最大高さ(Rz)も大きく減少している。
研磨処理後の成形品を、85℃の10重量%水酸化カリウム水溶液に1分間浸漬してから、イオン交換水で水洗、乾燥し、成形品表面を前処理した。リン酸水溶液とアンモニア水とを混合して、リン酸根を0.25mol/L、アンモニア又はアンモニウムイオンをその合計量で1.5mol/L含有する電解液を調製し、20℃に保った。この電解液のpHは11であった。この中に前記前処理を施した成形品を陽極として浸漬して、陽極酸化処理を行った。このときの陰極としては、前記陽極の4倍の表面積を有するSUS316Lの板を使用した。定電流電源を使用し陽極表面の電流密度が1A/dmとなるようにして120秒間通電した。通電開始時には低い印加電圧であったのが、通電終了時には約200ボルトまで上昇した。通電終了後、イオン交換水で洗浄してから乾燥した。
得られた陽極酸化皮膜の膜厚は約1.5μmであった。ここでいう膜厚とは、多数の孔を有するために局所的な膜厚ムラのある皮膜において、厚い部分の表面から基材のマグネシウム合金面までの平均的な距離のことである。得られた陽極酸化皮膜は、マグネシウム元素を48重量%、酸素元素を34重量%、リン元素を7重量%及びアルミニウム元素を11重量%含有していた。陽極酸化皮膜の表面の抵抗値は、0.25Ωであった。
陽極酸化皮膜の表面粗さ測定を行ったところ、算術平均高さ(Ra)が0.3135μm、最大高さ(Rz)が2.5485μmであった。粗さ曲線を図5に示す。陽極酸化処理することによって、研磨直後に比べて表面粗さが大きくなっているが、後述の比較例1や2に比べると、十分に小さい値に収まっていることがわかる。
得られた陽極酸化皮膜の表面に、スプレー塗装を施して下記の3層(下塗り、中塗り、上塗り)の樹脂塗膜を形成した。
・下塗り
塗料:武蔵塗料株式会社製「スーパーマグナムプライマー」
塗布後加熱条件:165℃、20分
膜厚:18μm
・中塗り
塗料:武蔵塗料株式会社製「アーマトップ」(赤色)
塗布後加熱条件:160℃、35分
膜厚:8μm
・上塗り
塗料:武蔵塗料株式会社製「ポリキング」(クリヤー)
塗布後加熱条件:160℃、35分
膜厚:22μm
塗膜が形成された成形品について、表面粗さ測定をしたところ、算術平均高さ(Ra)が0.0926μm、最大高さ(Rz)が0.6816μmであった。粗さ曲線を図6に示す。また、塩水噴霧試験、温湿度サイクル試験、及び熱衝撃試験の評価結果はいずれも10点であり、塗膜の信頼性は良好であった。また、塗膜の平滑性も非常に優れており、A判定であった。評価結果をまとめて表1及び2に示す。
比較例6
実施例1において、研磨処理後、陽極酸化処理前に水酸化カリウム水溶液に浸漬しなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂塗膜を有する製品を得た。表面粗さ測定結果及び各種評価結果をまとめて表1及び2に示す。得られた製品は、塗膜は平滑であったが、電解液の中に不純物が混入し、陽極酸化処理皮膜性能の均一性に問題があった。その結果、陽極酸化皮膜の表面抵抗値が大きめになり、樹脂塗装の信頼性も低下した。
実施例3
実施例1において、多重多段槽振動バレル研磨機を使用する代わりに、直線式振動バレル研磨機を使用した以外は実施例1と同様にして研磨された成形品を得た。ここで使用した研磨装置は、新東ブレーター株式会社製直線式振動バレル研磨機である。液状媒体中にセラミックス焼結体であるメディア(新東ブレーター株式会社製「AH−6」)を含有し、連続的に研磨処理を施した。
研磨後の成形品を水洗し、その表面粗さ測定を行った。その結果、算術平均高さ(Ra)が0.1773μm、最大山高さ(Rp)が1.0626μm、最大谷深さ(Rv)が1.1438μm、最大高さ(Rz)が2.2063μmであった。実施例1の研磨品に比べて最大山高さ(Rp)が大きく、同じ振動バレル研磨であっても、装置や条件によっては研磨処理後の表面粗さに差が生じることがわかる。
研磨後の成形品を実施例1と同様にして陽極酸化処理し、樹脂塗層を施して製品を得た。表面粗さ測定結果及び各種評価結果をまとめて表1及び2に示す。塗膜の平滑性が少し低下するとともに、陽極酸化皮膜の表面抵抗値が大きめになり、樹脂塗装の信頼性も低下した。また、塗装前の成形品の表面の欠陥が実施例1に比べて多く、その結果、不良率が上昇することになった。
実施例4
実施例1において、多重多段槽振動バレル研磨機を使用する代わりに、湿式ブラスト装置を使用した以外は実施例1と同様にして研磨された成形品を得た。ここで使用した研磨装置は、岡山ミノルタ精密株式会社製であり、スリット状の開口部を有するノズル部分の材質は鋼製のものである。日本研紙株式会社製の研磨微粒子「ホワイトアランダム」180g及び少量の防錆剤を含有する水分散液を使用した。ブラスト操作に際しては、ワークを15mm/秒の速度で移動させながら、0.2MPaの噴射圧で研磨液を吹き付けた。
研磨後の成形品を水洗し、その表面粗さ測定を行った。その結果、算術平均高さ(Ra)が0.1506μm、最大山高さ(Rp)が0.9166μm、最大谷深さ(Rv)が1.3434μm、最大高さ(Rz)が2.2600μmであった。実施例1の研磨品に比べて最大山高さ(Rp)が大きいことがわかる。
研磨後の成形品を実施例1と同様にして陽極酸化処理し、樹脂塗層を施して製品を得た。表面粗さ測定結果及び各種評価結果をまとめて表1及び2に示す。塗膜の平滑性が少し低下するとともに、陽極酸化皮膜の表面抵抗値が大きめになり、樹脂塗装の信頼性が低下した。また、塗装前の成形品の表面の欠陥が実施例1に比べて多く、その結果、不良率が上昇することになった。特に、金属微粉末の付着によって引き起こされるマグネシウム表面の腐食による欠陥の発生が問題であった。
比較例1
実施例1において、多重多段槽振動バレル研磨機を使用した研磨処理後の成形品を水酸化カリウム水溶液に浸漬する前に、2.4重量%のリン酸水溶液(pH3)に60℃で2分間浸漬した以外は実施例1と同様にして陽極酸化処理し、樹脂塗膜を形成した。表面粗さ測定結果及び各種評価結果をまとめて表1及び2に示す。陽極酸化皮膜の表面粗さが大きくなり、その結果塗膜の平滑性が大きく損なわれていることがわかる。
比較例2
実施例4において、湿式ブラスト装置を使用した研磨処理後の成形品を、水酸化カリウム水溶液に浸漬する前に、2.4重量%のリン酸水溶液(pH3)に60℃で30秒間浸漬した以外は実施例4と同様にして陽極酸化処理し、樹脂塗膜を形成した。表面粗さ測定結果及び各種評価結果をまとめて表1及び2に示す。陽極酸化皮膜の表面粗さが大きくなり、その結果塗膜の平滑性が大きく損なわれていることがわかる。
比較例3
実施例1において、チクソモールド成形して得られた成形品の主たるバリを手作業で簡単に削り落としてから、研磨処理を施すことなく水酸化カリウム水溶液に浸漬してから水洗して前処理した以外は実施例1と同様にして陽極酸化処理し、樹脂塗膜を形成した。表面粗さ測定結果及び各種評価結果をまとめて表1及び2に示す。塗膜表面の平滑性は比較的良好であるものの、陽極酸化皮膜表面の抵抗値のバラツキが大きく、塗膜の信頼性も大きく低下した。また、本例の場合には、成形時のバリや機械加工後のカエリを手作業で削る作業が必要である。
比較例4
実施例3と同様にして、直線式振動バレル研磨機を使用して研磨された成形品を得た。得られた成形品を2.4重量%のリン酸水溶液(pH3)に40℃で1分間浸漬してからイオン交換水で水洗、乾燥し、成形品表面を前処理した。引き続き、市販の化成処理液を用いて化成処理を行った。ミリオン化学株式会社製化成処理液「MC−1000」を75g/Lの割合で含有するようにイオン交換水で希釈して処理液を調製し、40℃に保った。当該化成処理液の化学組成の詳細は不明であるが、リン酸イオン、マンガン(あるいはマンガン酸化物)イオン及びカルシウムイオンを含有する化成処理液であると推定されている。この処理液中に、前処理を施した成形品を30秒間浸漬した。浸漬終了後、イオン交換水で洗浄してから乾燥した。得られた化成処理皮膜の膜厚は0.1μmかそれ以下であり、定量的に測定することが困難な薄い膜厚であった。
得られた化成皮膜の表面に、実施例1と同様にして樹脂塗膜を形成した。表面粗さ測定結果及び各種評価結果をまとめて表1及び2に示す。塗膜表面の平滑性は不十分で、しかも塗膜の信頼性も不十分であった。また、化成皮膜の表面抵抗値が大きく、塗膜の欠陥も多かった。
比較例5
比較例4において、チクソモールド成形して得られた成形品の主たるバリを手作業で簡単に削り落としてから、研磨処理を施すことなくリン酸水溶液に浸漬してから、水洗した以外は比較例4と同様にして化成処理し、樹脂塗膜を形成した。表面粗さ測定結果及び各種評価結果をまとめて表1及び2に示す。塗膜表面の平滑性は不十分で、しかも塗膜の信頼性も不十分であった。また、化成皮膜の表面抵抗値が大きく、塗膜の欠陥も多かった。しかも、成形時のバリや機械加工後のカエリを手作業で削る作業が必要である。
携帯電話の筐体用成形品の正面図である。 携帯電話の筐体用成形品の側面図である。 実施例1におけるチクソモールド成形後の成形品の表面の粗さ曲線である。 実施例1における研磨処理後の成形品の表面の粗さ曲線である。 実施例1における陽極酸化皮膜の表面の粗さ曲線である。 実施例1における塗膜の表面の粗さ曲線である。

Claims (12)

  1. マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面を、研磨粒子を含有し、その主成分が水であり、かつそのpHが5以上である液状媒体を用いて研磨処理した後、pHが10以上のアルカリ水溶液に浸漬してから、印加する電圧の最大値が180ボルト以上になるように陽極酸化処理して、前記成形品の表面に、表面粗さ測定における輪郭曲線の算術平均高さ(Ra:JIS B0601に基づく)が0.7μm以下の陽極酸化皮膜を形成するマグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法。
  2. 前記液状媒体が、セラミックス焼結体からなる研磨粒子を含有する請求項記載の製品の製造方法。
  3. 前記研磨処理をバレル研磨装置内で行う請求項1又は2記載の製品の製造方法。
  4. 前記研磨処理を行った後の成形品の、表面粗さ測定における輪郭曲線の算術平均高さ(Ra:JIS B0601に基づく)が0.2μm以下である請求項1〜のいずれか記載の製品の製造方法。
  5. 前記研磨処理を行った後の成形品の、表面粗さ測定における輪郭曲線の最大谷深さ(Rv:JIS B0601に基づく)が輪郭曲線の最大山高さ(Rp:JIS B0601に基づく)の1.5倍以上である請求項1〜のいずれか記載の製品の製造方法。
  6. リン酸根を0.1〜1mol/L、アンモニア又はアンモニウムイオンを0.2〜5mol/L含有し、pHが8〜14である電解液にマグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品を浸漬して陽極酸化処理する請求項1〜のいずれか記載の製品の製造方法。
  7. 前記陽極酸化皮膜の厚さが0.1〜30μmである請求項1〜6のいずれか記載の製品の製造方法。
  8. 前記陽極酸化皮膜表面の抵抗値が、相互に10mm離れた2つの端子間で測定した時に10Ω以下である請求項1〜7のいずれか記載の製品の製造方法。
  9. 前記陽極酸化皮膜が、マグネシウム元素を10〜65重量%、酸素元素を25〜60重量%、リン元素を4〜30重量%及びアルミニウム元素を1〜20重量%含有する請求項1〜8のいずれか記載の製品の製造方法。
  10. 前記陽極酸化皮膜の表面に樹脂塗膜を形成する請求項1〜9のいずれか記載の製品の製造方法。
  11. マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面の全部陽極酸化皮膜で覆、かつ該陽極酸化皮膜の表面の一部にのみ樹脂塗装て残余の部分の陽極酸化皮膜露出させ請求項10記載の製品の製造方法。
  12. 筐体内面には樹脂塗装が施されない部分を有し、筐体外面には樹脂塗装が施された部分を有する電気機器の筐体を製造する、請求項11記載の製品の製造方法。
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