JP6100557B2 - マグネシウム基材の表面処理方法 - Google Patents

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本発明は、マグネシウム基材の表面に溶射皮膜を形成することにより、マグネシウム基材からなる部品の耐食性、耐摩耗性又は耐衝撃性などを向上するマグネシウム基材の表面処理方法に関する。
マグネシウム基材(マグネシウム又はマグネシウム合金のこと。以下同じ。)は、軽量であるにもかかわらず比強度が高いため、近年、自動車若しくは航空機の部品又は携帯電話の筺体など、軽量化に対する要求の強い部品に採用されることが多くなってきている。ただし、マグネシウム基材は、そのままでは耐食性や耐摩耗性に劣るため、上記の部品などとして採用する場合には、それに表面処理を施して皮膜を形成することが一般的となっている。マグネシウム基材に対する表面処理方法としては、陽極酸化処理、めっき処理又は化成処理などが例示される。しかし、陽極酸化処理及び化成処理は、マグネシウム基材に形成される皮膜の強度が劣るという欠点がある。また、めっき処理は、環境負荷が高いという欠点がある。
このような実状に鑑みてか、これまでには、マグネシウム基材に対する表面処理を溶射により行う技術が提案されている。例えば、特許文献1には、マグネシウム基材の表面に錫又は錫基合金を溶射する技術が記載されている。これにより、環境負荷を抑えながらも、マグネシウム基材からなる部品の耐食性や耐摩耗性を向上させることが可能になるとされている。しかし、マグネシウム基材に対して直接的に溶射を行うと、マグネシウム基材の表面に不安定なマグネシウム酸化物が形成されてしまい、溶射皮膜とマグネシウム基材との密着性が低くなって、溶射皮膜が剥離するおそれがある。
また、粗面化したマグネシウム基材の表面に対して塗膜を形成する技術も提案されている。例えば、特許文献2には、ショットブラスト処理などの粗面化処理によって粗面化したマグネシウム基材の表面に化成処理又は陽極酸化処理を行った後、塗膜を形成する技術が記載されている。これにより、マグネシウム基材からなる部品の耐食性や耐摩耗性を向上させるとともに、マグネシウム基材に対する塗膜の密着性を高めることも可能になるとされている。しかし、この方法は、粗面化処理を行った後、化成処理又は陽極酸化処理を行ってさらに塗膜を形成するという多数の工程を経るため、手間やコストが増大するおそれがある。
ところで、特許文献3には、アルミニウム又はアルミニウム合金を含有する金属物品の表面に保護皮膜を形成する方法であって、該金属物品に陽極酸化処理を行うことにより、該金属物品の表面に第一保護皮膜を形成した後、その第一保護皮膜に第二保護皮膜を形成する技術が記載されている。同文献には、陽極酸化処理をプラズマ電解酸化処理とすることや、第二保護皮膜を、金属やサーメットなどを溶射することによって形成することについても記載されている。しかし、同文献には、マグネシウム基材に対する表面処理については何ら記載されていない。
特開2005−350730号公報 特開2001−192854号公報 特表2008−518096号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、マグネシウム基材の表面に溶射皮膜を形成することにより、マグネシウム基材からなる部品の耐食性、耐摩耗性及び耐衝撃性を向上するマグネシウム基材の表面処理方法であって、環境負荷が低く、マグネシウム基材に対する溶射皮膜の密着性が高く、かつ手間やコストを抑えることもできる方法を提供するものである。また、溶射皮膜を厚く形成(厚膜形成)することもできるマグネシウム基材の表面処理方法を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
マグネシウム又はマグネシウム合金からなるマグネシウム基材にプラズマ電解酸化(PEO)処理を施すことにより、マグネシウム基材の表面にセラミックス皮膜を形成するセラミックス皮膜形成工程と、
セラミックス皮膜形成工程で形成されたセラミックス皮膜に溶射材料を成膜することにより、セラミックス皮膜の表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成工程と
を経ることを特徴とするマグネシウム基材の表面処理方法
を提供することによって解決される。
このように、マグネシウム基材にプラズマ電解酸化処理を行うことにより、マグネシウム基材の表面に強固で安定な酸化皮膜(セラミックス皮膜)を形成することが可能になる。マグネシウム基材の表面は、このセラミックス皮膜によって粗面化されるため、溶射皮膜形成工程によって形成される溶射皮膜の密着性を高めることが可能になる。マグネシウム基材からなる部品は、溶射皮膜によって、耐摩耗性、耐食性又は耐衝撃性が向上するなど、その付加価値が高まる。また、本発明によるマグネシウム基材の表面処理方法は、めっき処理などのように有害物質を生じないため、環境負荷を殆ど無くすことも可能である。
本発明のマグネシウム基材の表面処理方法において、セラミックス皮膜形成工程で形成するセラミックス皮膜の膜厚は、特に限定されない。しかし、セラミックス皮膜を薄くしすぎると、セラミックス皮膜の表面が粗くなりにくく、セラミックス皮膜の表面に対する溶射皮膜の密着性を高くすることが困難になるおそれがある。セラミックス皮膜は、その膜厚が薄くなるにつれてその表面粗さが小さくなる傾向にあるからである。このため、セラミックス皮膜の膜厚は、通常、5μm以上とされる。セラミックス皮膜の膜厚は、10μm以上であると好ましく、15μm以上であるとより好ましい。一方、セラミックス皮膜を厚くしすぎると、セラミックス皮膜の内部に大きな気孔が形成されやすくなり、セラミックス皮膜の強度が低下するおそれがある。このため、セラミックス皮膜の膜厚は、通常、50μm以下とされる。セラミックス皮膜の膜厚は、40μm以下であると好ましく、30μm以下であるとより好ましい。
また、本発明のマグネシウム基材の表面処理方法において、セラミックス皮膜形成工程で形成するセラミックス皮膜の表面を滑らかにしすぎると、セラミックス皮膜に対する溶射皮膜の密着性が低下するおそれがある。このため、セラミックス皮膜の表面粗さは、通常、Ra0.5μm以上とされる。セラミックス皮膜の表面粗さは、Ra0.8μm以上であると好ましく、Ra1.4μm以上であるとより好ましく、Ra2.0μm以上であるとさらに好ましい。一方、セラミックス皮膜の表面粗さに特に上限はないが、通常、Ra5.0μm以下、好ましくはRa3.2μm以下とされる。
さらにまた、本発明のマグネシウム基材の表面処理方法において、溶射皮膜形成工程で形成する溶射皮膜の膜厚は、マグネシウム基材の用途や、溶射材料の種類などによって異なり、特に限定されない。本発明のマグネシウム基材の表面処理方法では、広い範囲の膜厚に対応可能である。具体的には、50μm程度の薄い溶射皮膜を形成することも可能であるし、5mm程度の厚い溶射皮膜を形成(厚膜形成)することも可能である。
そして、本発明のマグネシウム基材の表面処理方法において、溶射皮膜形成工程における溶射の方法は特に限定されない。溶射の方法としては、フレーム溶射、高速フレーム溶射(HVOF)、爆発溶射(Dガン)、電気式溶射、コールドスプレー又はウォームスプレーなどが例示される。このうちフレーム溶射は、溶線式フレーム溶射と粉末式フレーム溶射と溶棒式フレーム溶射とに分類される。また、電気式溶射は、アーク溶射とプラズマ溶射と線爆溶射とに分類され、このうちプラズマ溶射は、さらに減圧プラズマ式溶射と大気プラズマ式溶射と水プラズマ式溶射とに分類される。
以上のように、本発明によって、マグネシウム基材の表面に溶射皮膜を形成することにより、マグネシウム基材からなる部品の耐食性、耐摩耗性及び耐衝撃性を向上するマグネシウム基材の表面処理方法であって、環境負荷が低く、マグネシウム基材に対する溶射皮膜の密着性が高く、かつ手間やコストを抑えることもできる方法を提供することが可能になる。また、溶射皮膜を厚く形成することもできるマグネシウム基材の表面処理方法を提供することも可能になる。
本発明の表面処理方法によって表面処理を施したマグネシウム基材を示した断面図である。
1.本発明の表面処理方法の概要
以下、本発明のマグネシウム基材の表面処理方法の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。図1は、本発明の表面処理方法によって表面処理を施したマグネシウム基材1を示した断面図である。本発明のマグネシウム基材の表面処理方法は、図1に示すように、マグネシウム基材1の表面にセラミックス皮膜2(第一層)を形成するセラミックス皮膜形成工程と、セラミックス皮膜2の表面に溶射皮膜3(第二層)を形成する溶射皮膜形成工程とを経るものとなっている。セラミックス皮膜形成工程において、セラミックス皮膜2は、マグネシウム基材1にプラズマ電解酸化処理を施すことにより形成され、溶射皮膜形成工程において、溶射皮膜3は、セラミックス皮膜形成工程で形成されたセラミックス皮膜2に溶射材料を成膜することにより形成される。本実施態様のマグネシウム基材1の表面処理方法においては、セラミックス皮膜形成工程の前処理として、マグネシウム基材1を洗浄する洗浄工程を設けている。
また、本発明のマグネシウム基材1の表面処理方法において、マグネシウム基材1としては、マグネシウムのほか、マグネシウムを主成分とするマグネシウム合金が用いられる。マグネシウム合金としては、マグネシウムとアルミニウム及び亜鉛との合金(AZ合金)が一般的である。本実施態様のマグネシウム基材1の表面処理方法においては、アルミニウムを3%添加するとともに亜鉛を1%添加したAZ31合金(後述する実施例1)又はアルミニウムを9%添加するとともに亜鉛を1%添加したAZ91合金(後述する実施例2)をマグネシウム基材1として用いている。AZ31合金は、塑性加工をしやすく、主に圧延や押出加工により成形される。以下、本実施態様のマグネシウム基材1の表面処理方法について、工程ごとに説明する。
2.洗浄工程
洗浄工程は、マグネシウム基材1の表面に付着した油分などの汚れを取り除く工程である。これにより、続くセラミックス皮膜形成工程において、マグネシウム基材1の表面にセラミックス皮膜2を均一に形成することが可能になり、その結果、さらに続く溶射皮膜形成工程において、マグネシウム基材1(正確にはセラミックス皮膜2)に対する密着性が高い状態で溶射皮膜3を形成することが可能になる。洗浄工程は、マグネシウム基材1の表面を洗浄できるのであればその具体的方法は特に限定されないが、通常、メタノールやアセトンなどの有機溶剤でマグネシウム基材1の表面を洗浄することにより行われる。
3.セラミックス皮膜形成工程
洗浄工程を終えると、マグネシウム基材1にプラズマ電解酸化処理を施すことにより、セラミックス皮膜形成工程を行う。プラズマ電解酸化処理は、炭酸塩などを含む電解溶液中にマグネシウム基材1を浸漬し、マグネシウム基材1を陽極として高電圧を印加することにより行われる。これにより、マグネシウム基材1がプラズマ放電状態となり、マグネシウム基材1の表面に高硬度(ビッカース硬さ(Hv)で200〜500程度)のセラミックス皮膜2が形成される。セラミックス皮膜2は、その表面粗さがRa0.8〜3.2μm程度と粗面化されるため、十分なアンカー効果が期待できる。すなわち、続く溶射皮膜形成工程において、セラミックス皮膜2の表面に、溶射皮膜3を強固にかつ安定して形成することができる。
セラミックス皮膜2の膜厚は、上述した通り、セラミックス皮膜2の表面粗さなどを考慮して、通常、5〜50μm(好ましくは10〜40μm)の範囲とされる。本実施態様のマグネシウム基材1の表面処理方法において、セラミックス皮膜2の膜厚は、約20μmとなっている。セラミックス皮膜2の膜厚や、ビッカース硬さ(Hv)や、表面粗さ(Ra)は、プラズマ電解酸化処理を行う電圧や周波数や処理時間などの条件を変化させることで、調節することができる。
4.溶射皮膜形成工程
セラミックス皮膜形成工程を終えると、セラミックス皮膜2に溶射材料を成膜することにより、溶射皮膜形成工程を行う。これにより、マグネシウム基材1からなる部品の耐食性や耐摩耗性や耐衝撃性を向上するなど、マグネシウム基材1からなる部品の付加価値を高めることが可能になる。
溶射皮膜形成工程において、セラミックス皮膜2に溶射する材料は、その施工方法や、マグネシウム基材1からなる部品の用途などに応じて適宜決定される。溶射材料としては、金属、セラミックス又はサーメットなどが例示される。このうち、金属としては、Fe系金属、Al系金属、Zn、Cu、Ni基合金又はCo基合金などが例示される。また、セラミックスとしては、Al、Al−TiO、Cr、Cr−SiO、TiO、Y又はZrOなどが例示される。さらに、サーメットとしては、WC−Co、WC−CoCr、WC−CrC−Ni、WC−ハステロイ、CrC又はCrC−NiCrなどが例示される。本実施態様のマグネシウム基材1の表面処理方法においては、Cr−SiO系セラミックス(後述する実施例1)又はWC−CoCr系サーメット(後述する実施例2)を溶射材料として使用した。
また、溶射方法としては、上述した通り、フレーム溶射、高速フレーム溶射(HVOF)、爆発溶射(Dガン)、電気式溶射、コールドスプレー又はウォームスプレーなど、各種の溶射方法が採用される。本実施態様のマグネシウム基材1の表面処理方法においては、大気圧プラズマ溶射(後述する実施例1)又は高速フレーム溶射(後述する実施例2)によって溶射材料を成膜した。溶射皮膜2の膜厚は、上述した通り、特に限定されない。溶射皮膜2は、厚膜形成することも可能である。本実施態様のマグネシウム基材1の表面処理方法においては、溶射皮膜2の膜厚を500μm(後述する実施例1)又は300μm(後述する実施例2)とした。溶射皮膜形成工程を終えると、本実施態様のマグネシウム基材1の表面処理方法は終了する。
5.実験
本発明のマグネシウム基材の表面処理方法により形成された溶射皮膜の性質を調べるため、本発明の方法により作製した2つの試料(下記の実施例1及び実施例2の試料)を用意し、それぞれの試料における溶射皮膜の皮膜気孔率、皮膜断面硬さ(Hv)及び皮膜界面破断応力を測定した。また、比較のため、他の方法により作製した2つの試料(下記の比較例1及び比較例2の試料)を用意し、それぞれの試料における溶射皮膜の皮膜気孔率、皮膜断面硬さ(Hv)及び皮膜界面破断応力を測定した。実施例1,2及び比較例1,2の試料の詳細は、以下のとおりである。
・実施例1
実施例1の試料は、50mm角で厚さ5mmのAZ31合金からなるマグネシウム基材をメタノールによって洗浄し、プラズマ電解酸化処理によって膜厚20μmのセラミックス皮膜を形成した後、Cr−SiO系セラミックスからなる溶射材料をプラズマ溶射して約500μmの膜厚の溶射皮膜を形成したものである。
・実施例2
実施例2の試料は、50mm角で厚さ5mmのAZ91合金からなるマグネシウム基材をメタノールによって洗浄し、プラズマ電解酸化処理によって膜厚20μmのセラミックス皮膜を形成した後、WC−CoCr系サーメットからなる溶射材料を高速フレーム溶射して約300μmの膜厚の溶射皮膜を形成したものである。
・比較例1
比較例1の試料は、マグネシウム基材の代わりに50mm角で厚さ5mmのSS400材からなる鋼材を用いたものである。比較例1の試料は、この鋼材をアセトンによって洗浄し、さらに前処理としてブラスト処理(AR#36)を行った後、実施例1の試料と同様に、Cr−SiO系セラミックスからなる溶射材料をプラズマ溶射して約500μmの膜厚の溶射皮膜を形成したものである。
・比較例2
比較例2の試料も、比較例1の試料と同様、マグネシウム基材の代わりに50mm角で厚さ5mmのSS400材からなる鋼材を用いたものである。比較例2の試料は、この鋼材をアセトンによって洗浄し、さらに前処理としてブラスト処理(AR#36)を行った後、実施例2の試料と同様に、WC−CoCr系サーメットからなる溶射材料を高速フレーム溶射して約300μmの膜厚の溶射皮膜を形成したものである。
下記表1に、実施例1,2及び比較例1,2のそれぞれの試料について測定した皮膜気孔率、皮膜断面硬さ(Hv)及び皮膜密着力を示す。
Figure 0006100557
上記表1を見ると、実施例1の試料の皮膜気孔率、皮膜断面硬さ(Hv)及び皮膜密着力は、それに対応する比較例1の試料と同等の値となっていることが分かる。また、実施例2の試料の皮膜気孔率、皮膜断面硬さ(Hv)及び皮膜密着力も、それに対応する比較例2の試料と同等の値となっていることが分かる。すなわち、本発明の表面処理方法によりマグネシウム基材に形成された溶射皮膜は、SS400材に形成された溶射皮膜と同等の基礎特性を有することが分かった。
加えて、本発明の表面処理方法によりマグネシウム基材に形成された溶射皮膜は、剥離も生じなかった。これは、プラズマ電解酸化処理によってマグネシウム基材の表面に安定なセラミックス皮膜が強固に形成されるとともに、該セラミックス皮膜によってマグネシウム基材の表面が十分に粗面化されることによって、溶射皮膜が強固に形成されたためである。以上のことから、マグネシウム基材に対して溶射皮膜を強固かつ安定して形成するためには、プラズマ電解処理によってマグネシウム基材の表面にセラミックス皮膜を形成することが非常に有効であることが分かった。
1 マグネシウム基材
2 セラミックス皮膜
3 溶射皮膜

Claims (4)

  1. マグネシウム又はマグネシウム合金からなるマグネシウム基材にプラズマ電解酸化処理を施すことにより、マグネシウム基材の表面に、表面粗さがRa0.8〜5.0μmであるセラミックス皮膜を形成するセラミックス皮膜形成工程と、
    セラミックス皮膜形成工程で形成されたセラミックス皮膜に、金属、セラミックス又はサーメットから成る溶射材料を成膜することにより、セラミックス皮膜の表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成工程と
    を経ることを特徴とするマグネシウム基材の表面処理方法。
  2. セラミックス皮膜形成工程で形成するセラミックス皮膜の膜厚が5〜50μmである請求項1記載のマグネシウム基材の表面処理方法。
  3. 溶射皮膜形成工程で形成する溶射皮膜の膜厚が50μm〜5mmである請求項1又は2記載のマグネシウム基材の表面処理方法。
  4. 溶射皮膜形成工程における溶射が、溶線式フレーム溶射、粉末式フレーム溶射、溶棒式フレーム溶射、高速フレーム溶射、爆発溶射、アーク溶射、大気圧プラズマ溶射、コールドスプレー又はウォームスプレーである請求項1〜いずれか記載のマグネシウム基材の表面処理方法。
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