JP4418775B2 - マルチビーム走査装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明はマルチビーム走査装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、特に光源手段から射出した光束を偏向手段としてのポリゴンミラーにより反射偏向させ、走査光学手段を介して被走査面上を光走査して画像情報を記録するようにした、例えば電子写真プロセスを有するレーザービームプリンターやデジタル複写機やマルチファンクションプリンター(多機能プリンタ)等の画像形成装置に好適な光走査光学系に係り、特に複数の光束を同時に光走査して高速化・高精細化を図ったマルチビーム走査装置において、ジッタ−を低減した良好なる画像が常に得られるものに関するものである。
従来よりマルチビーム走査装置では感光体性の像担持体である被走査面上の書き出し位置を正確に決定する為に同期検知手段を有している。同期検知手段は同期検出用の光束(BD光束)が入射したことを検知する光検出素子(BDセンサー)と、該BDセンサーへ入射する同期位置を決定するスリット(BDスリット)とを有している。
この同期検知手段は偏向手段(光偏向器)により反射偏向された複数の光束の一部(BD光束)がそれぞれBDスリット上を光走査して,該BDスリットの開口部に差し掛かったところでBDセンサーへ到達する構成となっている。つまり、BDスリットが同期検知のタイミングを決める同期位置決定手段となっている。またBDスリットの代わりにBDセンサーのエッジを同期位置決定手段とした構成もある。
同期検知光(BD光束)に光量差が有る場合に発生するジッターを、同期検知手段のスリットを所定角度傾けて配置することにより補正した同期検知手段の構成例が知られている(特許文献1)。
ビーム検出手段の受光部の前縁を主走査方向に対して概ね垂直な形状とし、ビーム検出手段の受光部の幅を複数ビームのLD1、LD2の主走査方向の間隙より短くした同期検知手段の構成例が知られている(特許文献2)。
特許文献1、2に開示されているマルチビーム走査装置では、同期位置決定手段の平滑性によってジッタ−の発生量が異なることについて言及したものではなかった。
特開2000−284194号公報 特開平10−151796号公報
この種のマルチビーム走査装置において高精度な画像情報の記録を行うには、複数光束が共に被走査面全域に渡ってピントを結び、ジッタ−(主走査方向の印字位置ずれ)が良好に補正されていることが重要である。
しかしながら、構造上の要因ならびに製造誤差による要因から同期位置決定手段であるBDスリットのエッジもしくはBDセンサーのエッジが凸凹であった場合、相対的に同期検知のタイミングがずれる。これは被走査面上でジッタ−を発生させる要因となり問題である。
尚、ここで言うジッターとは、複数のBD光束に対応する走査線の書き出し位置が揃わないことに起因する主走査方向の印字位置ずれのことを指す。
本発明は同期位置決定手段であるBDスリットのエッジもしくはBDセンサーのエッジの平滑性に起因する被走査面上でジッタ−が発生しない常に良好なる画像が得られるマルチビーム走査装置及びそれを用いた画像形成装置の提供を目的とする。
請求項1の発明のマルチビーム走査装置は、光源手段と、前記光源手段から射出された複数の光束を偏向する偏向手段と、前記偏向手段により偏向された複数の光束を被走査面上に結像させる走査光学手段と、前記偏向手段により偏向された複数の光束の一部を検知する同期検知手段と、を有するマルチビーム走査装置において、
前記同期検知手段は、同期検知のタイミングを決めるガラス繊維を混ぜ込んだプラスチック材料で形成された同期位置決定手段を有し、前記偏向手段から前記同期検知手段までの間に同期検知用光学手段を有し、
前記偏向手段により偏向された複数の光束の一部は、前記走査光学手段を通過することなく、前記同期検知用光学手段を通過して前記同期検知手段に導光しており、
前記同期位置決定手段の前記同期検知手段に導光される複数の光束が通過するエッジにガラス繊維を含まないプラスチック製の平滑部材が設けられており、
前記走査光学手段の主走査方向の焦点距離をfk(mm)、前記同期検知用光学手段の主走査方向の焦点距離をfb(mm)、前記平滑部材の主走査方向の凸凹差をLm(mm)、前記被走査面上の主走査方向における画素密度をAm(dpi)としたとき、
0(mm)<Lm≦(25.4/Am/3)×(fb/fk)
fk>fb
なる条件を満足することを特徴としている。
請求項2の発明の画像形成装置は、請求項1に記載のマルチビーム走査装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記マルチビーム走査装置で走査された光束によって前記感光体の上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、前記現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有することを特徴としている。
請求項3の発明の画像形成装置は、請求項1に記載のマルチビーム走査装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記マルチビーム走査装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有していることを特徴としている。
本発明は前述の如く同期位置決定手段であるBDスリットのエッジもしくはBDセンサーのエッジに平滑性が良く凸凹差が小さな部材を用いることにより、常に同じタイミングで同期検知を行うことができ、これによりジッタ−が発生しない常に良好なる画像を得ることができるマルチビーム走査装置及びそれを用いた画像形成装置を達成することができる。
また同期位置決定手段の遮光壁を構成する部材を基礎部材よりも平滑性の良い平滑部材より構成することにより、容易に平滑性の良い同期位置決定手段を形成することができるマルチビーム走査装置及びそれを用いた画像形成装置を達成することができる。
(参考例1)
図1は本発明のマルチビーム走査装置の参考例1におけるマルチビーム走査装置の要部斜視図である。
尚、本明細書において偏向手段によって光束が反射偏向(偏向走査)される方向を主走査方向、走査光学手段の光軸及び主走査方向と直交する方向を副走査方向と定義する。
図中、1は光源手段であり、例えば4つの発光点(発光部)を有する半導体レーザーアレイより成っている。尚、発光点は4つに限らず、それ以外(2つ以上)でも良い。
2は集光レンズ系であり、1枚のコリメーターレンズを有しており、光源手段1から射出された4つの光束を各々平行光束に変換している。尚、集光レンズ系を複数のレンズで構成しても良い。また集光レンズ系は光源手段1から射出された4つの光束を必要に応じて発散光束もしくは収束光束に変換しても良い。
3は開口絞りであり、光源手段1から射出した4つの光束の幅を各々制限している。
4はシリンドリカルレンズであり、副走査方向のみに所定の屈折力を有しており、コリメーターレンズ2を通過した4つの光束を後述する偏向手段5の偏向面5a近傍に主走査方向に長手の線像として結像させている。
5は偏向手段としての光偏向器であり、例えば6面構成のポリゴンミラー(回転多面鏡)から成り、モータ等の駆動手段6により図中矢印A方向に一定速度で回転している。
7は結像性能とfθ特性を有する走査光学手段(走査レンズ系)であり、アナモフィックな屈折力を有する1枚のレンズ(fθレンズ)を有し、光偏向器5により反射偏向された4つの光束を被走査面としての感光ドラム面8上に結像させ、且つ該光偏向器5の偏向面5aの面倒れを補正している。
このとき、光偏向器5の偏向面5aで反射偏向された4つの光束(走査用光束)は走査光学手段7を介して感光ドラム面8上に導光され、光偏向器5を矢印A方向に回転させることによって、該感光ドラム面8上を矢印B方向(主走査方向)に同時に光走査している。これにより感光ドラム面8上に4つの走査線を形成し、画像記録を行っている。
また光偏向器5によって反射偏向された4つの光束の一部(BD光束:同期検出用光束)は、走査光学手段7を介し同期検知用ミラー(BDミラー)9で折り返されて同期検知手段10へ入射している。同期検知手段10では、入射してきた4つのBD光束を検知してタイミングを計ることで感光ドラム面8上の書き出し位置を揃えている。
図2は本発明のマルチビーム走査装置の参考例1の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。同図において図1に示した要素と同一要素には同符番を付している。
同図において同期検知手段10は、同期検知のタイミングを決める同期位置決定手段である主走査方向に遮光壁(BDスリット部)を有したスリット(BDスリット)11と、光検出素子であるBDセンサー12とから構成されている。本実施例においてはBDスリット11の遮光壁を平滑性の良い部材にて形成している。
同期検知手段10へ入射したBD光束は、BDスリット11の遮光壁を走査し、開口部11bへ差し掛かったところでBDセンサー12へ入射する。BDセンサー12では、入射してきたBD光束を光検知(BD検知)し、該光検知の所定時間T後に発光を開始し、被走査面である感光ドラム面8上の書き出し位置を揃えている。
参考例においては4つのBD光束のうち、先行して走査されるBD光束をまず点灯させ、BDセンサー12により光検知した後に消灯し、次に走査されるBD光束を点灯してBDセンサー12により光検知している。これを順次繰り返して4つのBD光束を共に同期検知している。このとき、夫々のBD光束を光検知してから書き出しまでの所定時間Tは4つのBD光束共に同等である。つまり、4つのBD光束の主走査方向の間隔はBDスリット11上と感光ドラム面8上とで等間隔である。
図3は図1、図2に示した同期位置決定手段であるBDスリットの要部断面図である。同図において図2に示した要素と同一要素には同符番を付している。
同図において4つのBD光束1a〜1dは各々図中矢印Cの方向に光走査され、BDスリット11の開口部11bに差し掛かったところでBDセンサー(不図示)により光検知される。
従来のBDスリットは光偏向器や走査レンズ系等を載せる光学箱に一体に形成されている。この光学箱はプラスチック材料にガラス繊維を混ぜ込んで剛性を高めたものを使用しているためにBDスリットの遮光壁のエッジにはガラス繊維が析出して表面が凸凹に荒れていた。
ここで例えば遮光壁11aのエッジ11a1が平滑性が悪く、凸凹であった場合、凸部14aではBDスリット11の開口部11bが狭くなり、また凹部14bではBDスリット11の開口部11bが広くなり、BDスリット11の形状に影響されて光検知のタイミングにずれが生じる。またBDスリット11の形状に合わせるかのように感光ドラム面8上での書き出し位置もずれてくる。
マルチビーム走査装置では複数のBD光束がBDスリット11上の異なる位置を走査されるので、BDスリット11の形状に影響される光検知のタイミングのずれ量がBD光束毎に異なる。各BD光束には夫々に対応した走査線があり、当然のこと書き出し位置が走査線毎にばらつく。この現象はジッタ−となり問題である。
そこで遮光壁(BDスリット部)11aのエッジ11a1の平滑性を向上させるため、該遮光壁11aのエッジ11a1にガラス繊維が露出しないように成形温度を下げて実質的に問題ない精度で形成している。これにより上述の問題を解決している。
具体的な精度としては、感光ドラム面8上の主走査方向における画素密度をAm(dpi)としたとき、BDスリット11の主走査方向の凸凹差Lm(mm)が存在していても、即ち0(mm)≦Lm(mm)であっても凸凹差Lm(mm)は、
Lm≦25.4/Am/3・・・・(1)
なる条件式を満足するものである。
さらに好ましくは、
Lm≦25.4/Am/5・・・・(2)
なる条件式を満足するものである。
条件式(1)の範囲を超えると、ジッタ−が大きくなり許容できるレベルではなくなってくるので良くない。
光ドラム面8上の主走査方向における画素密度がAm=600(dpi)であり、BDスリット11の平滑性を示す主走査方向の凸凹差がLm=0.008(mm)であり、これは0(mm)<Lm(mm)であり、かつ条件式(1)を満足する構成であり、さらに好ましい条件式(2)までも満足している。
図4は光検出素子であるBDセンサーでの同期検知方法を説明するための説明図である。同図は横軸にBDセンサー12にBD光束が入射し始めてからの時間を取り、縦軸に検知光量を取ったときのグラフである。
BDセンサー12では、あるスレッシュレベルを決めて光検知のタイミングを定めている。本実施例に用いたBDセンサー12では、入射する全光量のピーク値に対して40%の光量をスレッシュレベルとし、BDセンサー12での出力がその光量に達した瞬間を同期検知のタイミングとしている。
上記図3中のBDスリット11上では4つのBD光束1a〜1dが夫々スポットとして結像している。スポットはBD光束の面積が非常に小さいため、遮光壁11aのエッジ11a1の僅かな凸凹によってケラレる光量は比較的大きな量になる。BDスリット11の突出部(凸部)14aが副走査方向の幅が広くてスポットの大部分を覆い隠す場合、大半の光量がBDスリット11の突出部14aにケラレてBDセンサー12で検知される光量がスレッシュレベルに届かず、スポットが突出部14aを通過した位置で初めてスレッシュレベルを超えて同期検知が行われる。
またBDスリット11の突出部14aの副走査方向の幅が狭くてスポットの一部しか覆い隠さない場合、BDスリット11の突出部14aでケラレる光量が少なく、突出部14a上を走査している途中で光量がBDセンサー12のスレッシュレベルに達して同期検知が行われる。
このようにBDスリット11の場所によって突出部14aの副走査方向の幅(荒さ)が異なると、各走査線でスレッシュレベルを超える位置が異なり、結果として書き出し位置が揃わずにジッターが発生して問題となる。これは突出部14aでなく窪み部(凹部)14bであってもタイミングの前後関係が逆転するだけであり、ジッターが発生する。
そこでBDスリット11の副走査方向の凸凹ピッチLsをスポット径に対して所定の割合以下となるように抑えている。尚、副走査方向の凸凹ピッチLsとは、図3に示すようにある突出部の頂点から隣の窪み部の頂点までの副走査方向の間隔を言う。
即ち、BDスリット11上のBD光束の副走査方向の光束幅(スポット径)はWs=0.070(mm)であり、BDスリット11の副走査方向の凸凹ピッチはLs=0.010(mm)であって、
Ls≦Ws/3・・・・(3)
なる条件式を満足している。
このように条件式(1)又は/及び条件式(3)を満足させることによって、ジッタ−を実用上問題ないレベルに抑えている。
、BDスリット11を副走査方向に平行な直線としたが、BDスリット11の形状はこれに限ったものではなく、例えば副走査方向に平行な状態から回転した状態で固定されるBDスリットであっても良く、また円弧(若しくは楕円)であっても良く、BDスリットの平滑性を向上させることで本発明の効果を十分に得ることができる。
たコリメーターレンズ2とシリンドリカルレンズ4等を用いずに、光源手段1からの光束を直接開口絞り3を介して光偏向器5に導光しても良い。
た走査光学手段を1枚のレンズより構成したが、これに限らず、例えば2枚以上のレンズより構成しても良い。
(実施例1)
図5は本発明のマルチビーム走査装置の実施例の要部斜視図である。図6は本発明のマルチビーム走査装置の実施例の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。図5、図6において図1、図2に示した要素と同一要素には同符番を付している。
本実施例において前述の参考例1と異なる点は、光偏向器5によって反射偏向された2つの光束の一部(BD光束)をそれぞれ走査光学手段(走査レンズ系)7を介さずに、該走査光学手段7とは別体に設けた同期検知用光学手段13によって同期検知手段10へ導光した点と、BDミラー9を省き光路長を短縮した点である。その他の構成及び光学的作用は参考例1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
即ち、同図において13は同期検知用光学手段であり、主走査方向のパワー(屈折力)よりも副走査方向のパワーの方が強い1枚のアナモフィックなパワーを有する同期検出用レンズ(BDレンズ)で構成されており、光偏向器5によって反射偏向された2つの光束の一部(BD光束)をそれぞれ同期検知手段10へ導光している。尚、同期検知用光学手段13は複数枚のレンズより構成しても良い。
本実施例における走査レンズ系7の主走査方向の焦点距離はfk=109.00(mm)であり、BDレンズ13の主走査方向の焦点距離はfb=42.72(mm)であって、fk>fbとすることで、光偏向器5から同期検知手段10までの光路長を短縮し、これにより装置全体の小型化を図っている。
このとき、走査レンズ系7とBDレンズ13との主走査方向の焦点距離の比Mは、
M=fk/fb・・・・(4)
となる。
走査レンズ系7を介さずに同期検知を行う場合、上記(4)式の比例係数Mに反比例して BDスリット11を走査する速度が変化する。本実施例のようにBDレンズ13の主走査方向の焦点距離fbよりも走査レンズ系7の主走査方向の焦点距離fkの方が長い場合は、BDスリット11上では遅く走査され、感光ドラム面8上では速く走査される。
このことは、遮光壁11aのエッジ11a1上に凸凹があった場合、(即ち0(mm)<Lm(mm))その凸凹差がM倍に拡大されて感光ドラム面8上のジッタ−が発生することを意味する。よって、参考例1と同レベルのジッタ−量に抑えるためには、上記(4)式を考慮して、BDスリット11の凸凹差Lm(mm)は、
0(mm)≦Lm≦(25.4/Am/3)×(fb/fk)・・・・(5)
なる条件式を満足させる必要がある。
さらに好ましくは、
0(mm)≦Lm≦(25.4/Am/5)×(fb/fk)・・・・(6)
なる条件式を満足させる必要がある。
そこで本実施例では条件式(5)更には条件式(6)を満足させることによって、ジッタ−を実用上問題ないレベルに抑えている。
(他の実施例)
図7は実施例1の他の実施例のBDスリットの要部概略図である。同図において図3に示した要素と同一要素には同符番を付している。
本実施例では、BDスリット11の遮光壁11aのエッジ11a1の平滑性を向上させるためにBDスリット11の遮光壁を構成する部材を基礎部材11aよりも平滑性の良い平滑部材15より構成している。
この平滑部材15は、具体的にはガラス繊維を含まないプラスチック(PC)製の平滑性の良いナイフエッジであり、主走査方向の凸凹差はLm=0.003(mm)であり、副走査方向の凸凹差はLs=0.003(mm)である。
本実施例では、感光ドラム面8上の主走査方向の画素密度がAm=600(dpi)であり、条件式(5)を満足する構成であり、さらに好ましい条件式(6)までも満足しており、ジッタ−が実用上問題ないレベルに抑えられたマルチビーム走査装置を構成している。
また光偏向器5によって反射偏向された2つの光束の一部(BD光束)はそれぞれBDレンズ13によってBDスリット11上に結像されている。BDレンズ13の副走査倍率は走査レンズ系7の副走査倍率よりも絶対値が小さいので、BDスリット11上に結像されるスポット径も実施例1と比較して小さくなる。また感光ドラム面8上と比較しても小さなスポット径となる。
このときBDスリット11上における副走査方向のスポット径はWs=0.027(mm)である。よって本実施例のマルチビーム走査装置は、前記条件式(3)を満足する構成である。
尚、本実施例では平滑部材15にプラスチック製のナイフエッジを用いた例を挙げたが、これに限らず、例えば金属製やビニール製(テープ)等のナイフエッジを平滑部材としてBDスリット11の遮光壁11aに取り付けBDスリット部を形成すれば、本発明と同等の効果を得ることができる。
(参考例2)
図8は本発明のマルチビーム走査装置の(参考例2)の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)、図9は図8に示したBDセンサーを正面から見たときの正面図である。図8、図9において図6に示した要素と同一要素には同符番を付している。
本実施例において前述の実施例2との相違点は、同期位置決定手段をBDセンサー12のエッジとし、BDスリットを廃止した点である。その他の構成及び光学的作用は実施例2と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
即ち、本実施例では同期位置決定手段をBDセンサー12のエッジ12aとすることによって、BDスリットを廃止し、これにより部品点数を削減し、装置全体の簡素化(コストダウン)を図っている。
尚、図9において12aはBDセンサー12のエッジ、12bはBDセンサー12の受光面である。
本実施例において光偏向器5により反射偏向された2つの光束の一部(BD光束)は、それぞれBDレンズ13によってBDセンサー12上にスポットとして結像される。即ち、光偏向器5により反射偏向された2つの光束の一部(BD光束)が、それぞれBDレンズ13を介してBDセンサー12上を光走査する。このとき、先行したBD光束がBDセンサー12のエッジ12aに差し掛かったところでBDセンサー12によって同期検知されると同時に消灯し、もう一方のBD光束が点灯して同様の方式で同期検知される。このとき、BDセンサー12のエッジ12aの平滑性が悪く凸凹であった場合、感光ドラム面8上ではジッタ−が発生し問題となる。
そこで本実施例ではBDセンサー12のエッジ12aをエッチング加工により平滑性を向上させることにより、主走査方向の凸凹差をLm=0.002(mm)としている。つまり、BDセンサー12のエッジ12aの主走査方向の凸凹差Lm(mm)を小さく抑えることにより、上記条件式(5)さらには条件式(6)を満足させている。これによりジッタ−がなく常に良好なる画像が得られる画像形成装置を提供することができる。
[画像形成装置]
図10は、前述した実施例1のマルチビーム走査装置を用いた画像形成装置(電子写真プリンタ)の実施例を示す副走査断面内における要部断面図である。図10において、符号104は画像形成装置を示す。この画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117からコードデータDcが入力する。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、実施例1で示した構成を有する光走査ユニット100に入力される。そして、この光走査ユニット(マルチビーム走査装置)100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム(光束)103が射出され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム101は、モータ115によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方には、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラム101の表面に、前記光走査ユニット100によって走査される光ビーム103が照射されるようになっている。
先に説明したように、光ビーム103は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム103を照射することによって感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置よりもさらに感光ドラム101の回転断面内における下流側で感光ドラム101に当接するように配設された現像器107によってトナー像として現像される。
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対向するように配設された転写ローラ(転写器)108によって被転写材たる用紙112上に転写される。用紙112は感光ドラム101の前方(図10において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ110が配設されており、用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図10において左側)の定着器へと搬送される。定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113とこの定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されており、転写部から撒送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112を画像形成装置の外に排出せしめる。
図10においては図示していないが、プリントコントローラ111は、先に説明したデータの変換だけでなく、モータ115を始め画像形成装置内の各部や、光走査ユニット100内のポリゴンモータなどの制御を行う。
[カラー画像形成装置]
図11は本発明の実施態様のカラー画像形成装置の要部概略図である。本実施例は、マルチビーム走査装置を4個並べ各々並行して像担持体である感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。図11において、60はカラー画像形成装置、71,72,73,74は各々実施例1に示した構成を有するマルチビーム走査装置、21,22,23,24は各々像担持体としての感光ドラム、31,32,33,34は各々現像器、51は搬送ベルトである。
図11において、カラー画像形成装置60には、パーソナルコンピュータ等の外部機器52からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が入力する。これらの色信号は、装置内のプリンタコントローラ53によって、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。これらの画像データは、それぞれマルチビーム走査装置71,72,73,74に入力される。そして、これらのマルチビーム走査装置からは、各画像データに応じて変調された光ビーム41,42,43,44が射出され、これらの光ビームによって感光ドラム21,22,23,24の感光面が主走査方向に走査される。
本実施態様におけるカラー画像形成装置はマルチビーム走査装置(71,72,73,74)を4個並べ、各々がC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応し、各々平行して感光ドラム21,22,23,24面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
本実施態様におけるカラー画像形成装置は上述の如く4つのマルチビーム走査装置71,72,73,74により各々の画像データに基づいた光ビームを用いて各色の潜像を各々対応する感光ドラム21,22,23,24面上に形成している。その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
前記外部機器52としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置60とで、カラーデジタル複写機が構成される。
本発明の参考例1におけるマルチビーム走査装置の要部斜視図 本発明の参考例1におけるマルチビーム走査装置の主走査断面図 スリットの要部概略図 同期検知方法を説明する図 本発明の実施例におけるマルチビーム走査装置の要部斜視図 本発明の実施例におけるマルチビーム走査装置の主走査断面図 本発明の実施例における同期位置決定手段の要部概略図 本発明の参考例2におけるマルチビーム走査装置の主走査断面図 図8に示したBDセンサーを正面から見たときの正面図 本発明の画像形成装置の要部断面図 本発明のカラー画像形成装置の要部断面図
符号の説明
1 光源手段(半導体レーザーアレイ)
2 集光レンズ系(コリメーターレンズ)
3 開口絞り
4 シリンドリカルレンズ
5 偏向手段(光偏向器)
6 駆動手段
7 走査光学手段(fθレンズ系)
8 被走査面(感光ドラム面)
9 BDミラー
10 同期検知手段
11 同期位置決定手段(BDスリット)
11a 遮光壁(BDスリット部)
11a1 エッジ
11b 開口部
12 BDセンサー
12a エッジ
12b 受光面
13 BDレンズ
14a 突出部
14b 窪み部
15 平滑部材
71、72、73、74 マルチビーム走査装置
21、22、23、24 像担持体(感光ドラム)
31、32、33、34 現像器
41、42、43、44 光ビーム
51 搬送ベルト
52 外部機器
53 プリンタコントローラ
60 カラー画像形成装置
100 マルチビーム走査装置
101 感光ドラム
102 帯電ローラ
103 光ビーム
104 画像形成装置
107 現像装置
108 転写ローラ
109 用紙カセット
110 給紙ローラ
111 プリンタコントローラ
112 転写材(用紙)
113 定着ローラ
114 加圧ローラ
115 モータ
116 排紙ローラ
117 外部機器

Claims (3)

  1. 光源手段と、前記光源手段から射出された複数の光束を偏向する偏向手段と、前記偏向手段により偏向された複数の光束を被走査面上に結像させる走査光学手段と、前記偏向手段により偏向された複数の光束の一部を検知する同期検知手段と、を有するマルチビーム走査装置において、
    前記同期検知手段は、同期検知のタイミングを決めるガラス繊維を混ぜ込んだプラスチック材料で形成された同期位置決定手段を有し、前記偏向手段から前記同期検知手段までの間に同期検知用光学手段を有し、
    前記偏向手段により偏向された複数の光束の一部は、前記走査光学手段を通過することなく、前記同期検知用光学手段を通過して前記同期検知手段に導光しており、
    前記同期位置決定手段の前記同期検知手段に導光される複数の光束が通過するエッジにガラス繊維を含まないプラスチック製の平滑部材が設けられており、
    前記走査光学手段の主走査方向の焦点距離をfk(mm)、前記同期検知用光学手段の主走査方向の焦点距離をfb(mm)、前記平滑部材の主走査方向の凸凹差をLm(mm)、前記被走査面上の主走査方向における画素密度をAm(dpi)としたとき、
    0(mm)<Lm≦(25.4/Am/3)×(fb/fk)
    fk>fb
    なる条件を満足することを特徴とするマルチビーム走査装置。
  2. 請求項1に記載のマルチビーム走査装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記マルチビーム走査装置で走査された光束によって前記感光体の上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、前記現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載のマルチビーム走査装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記マルチビーム走査装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有していることを特徴とする画像形成装置。
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