JP2007155837A - 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被走査面上での主走査方向の結像位置ズレ(主走査ジッタ)を低減し、良好なる画像を得ることのできる光走査装置及びそれを用いた画像形成装置を得ること。
【解決手段】 複数の発光部を有する光源手段より発せられた複数の光束を所定の拡がり角に整形し射出する入射光学系と、入射光学系からの複数の光束の夫々を偏向走査する偏向手段と、偏向手段で偏向走査された複数の光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を有し、主走査断面内において、偏向面に入射する複数の光束は、非平行であり、且つ、主走査断面内において、複数の光束は、主光線が偏向面に結像光学系の光軸を挟んで入射する2つの光束を含んでいる光走査装置において、主走査断面内において、2つの光束の主光線が偏向面に結像光学系の光軸を挟んで入射することによる被走査面上での主走査方向の結像位置ズレを低減する位置ずれ低減手段を有していること。
【選択図】 図1

Description

本発明は光走査装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、例えば電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタやデジタル複写機、マルチファンクションプリンタ(多機能プリンタ)等の画像形成装置に好適なものである。
従来よりレーザービームプリンタやデジタル複写機、マルチファンクションプリンタ等の画像形成装置においては高解像度及び高速出力が求められている。
近年ではその要求に答えるために複数の光源(発光部)、もしくは半導体レーザアレイを使用する、所謂マルチビーム光走査装置が多く用いられている。そして更なる高速化と簡素化(低コスト化)を図るためにオーバーフィルド走査光学系(以下、「OFS走査光学系」と称す。)を採用した光走査装置が種々と提案されている。
OFS走査光学系においては、シングルビームレーザでも光偏向器の面数を多く設定できる。このため高速化が図れる。更にマルチビームレーザであればなお高速化が図れる。OFS走査光学系は光偏向器の偏向面のファセット幅に対してそれよりも主走査方向に長い光束幅の光束を偏向面に入射させる。走査する画角も面数が多く設定されているため、偏向面のファセット幅よりも短い光束幅の光束を入射させる、所謂アンダーフィルド走査光学系(以下、「UFS走査光学系」と称す。)に比べ狭い画角で済み、これにより走査効率も高い。
尚、OFS走査光学系においてはファセット幅全域を使用するため光束幅の変化が少なくまたFNo(Fナンバー)の変化が少ないため、スポット径としては周辺像高まで安定しやすいという利点がある。ただその反面、偏向面が回転に伴って主走査方向に移動するため、ファセット幅より広く設定した入射光束から切り出す範囲というのが画角によって異なってしまう。すると光束内では、例えばガウス分布として光量分布がある場合に手前側(走査開始側)の最大画角時と奥側(走査終了側)の最大画角時では大きな光量差が発生してしまう。その結果、均一なる光量が走査全域に行き渡らず濃淡差が顕著となり画質が劣化してしまうという問題点が生じてくる。
そこでOFS走査光学系では偏向面に対して正面、つまり結像光学系(結像レンズ)の光軸に沿った方向から光束を入射させる、所謂正面入射の手法が採用されることが多い。こうすることによって光軸を挟んだ主走査方向の両側に光量を均一に振り分けることとなり、濃淡差を目立たない方向に最小限に抑えることができる。
尚、偏向面に対して正面から光束を入射させる際には、被走査面側から偏向面へ向けて入射させることとなるが、通常では走査面と同一な平面から入射させることはできないので副走査断面内において少し角度をつけて偏向面へ入射させている。これにより偏向面へ入射する入射光束と偏向面で反射偏向される走査光束とを副走査断面内において分離することができ、偏向面へ光束を導くための折り返しミラー等の配置が容易になる。
副走査断面内において偏向面に入射させる光束の角度については必要最小限に留めておくことが重要であり、あまり角度を大きく取ると結像光学系を通過する際に走査線の湾曲が発生し、画質を劣化させてしまうという問題点が発生してくる。
尚、上述した正面入射はOFS走査光学系に限らず、UFS走査光学系でも同様に構成
できる。
さて高速化及び高解像度化と並んで近年重要となっているのが装置全体のコンパクト化である。コンパクト化を図るには、例えばミラーを使って光路を折り曲げ装置全体の占有面積を小さくする、あるいは結像光学系の焦点距離を短く設定し、且つ広画角化になるように構成すれば良い。
ミラーを使って光路を折り畳むのが最も簡単である。しかしながらミラーという光学素子を増やすことで配置公差等を考えるとおのずと使用する数が制限される。調整機構を付けて組み付け精度を向上させるとき、その機構により装置は複雑化する。
また別途、結像光学系の焦点距離を短くして被走査面までの距離を短くし、コンパクト化を図る方法も多く用いられている。その際には短い距離でこれまでと同じ範囲を走査するため画角が広画角となる。また用いられる結像光学系にはこれまでと同等以上の性能が求められる。このため結像光学系の光学設計はより困難となってくる。
近年では結像光学系に使用されるレンズの材料に光学樹脂を用いて、レンズの面形状設定の自由度を上げている。例えば主走査方向及び副走査方向それぞれに非球面形状を含む最適な形状を与え、諸収差を効率よく補正している。材料に光学樹脂を用いると射出成形の手法により面の形状が自由に設定できるというメリットがある。この他に量産が容易なので簡素化(コストダウン)の効果が期待できる。光学樹脂の材料としては、例えばアクリル、PC、ポリオレフィン樹脂等がある。
結像光学系の焦点距離を短くし広画角化すると、偏向面から被走査面までの距離が短くなる。しかしながら被走査面までの距離を短くすればするほど設計が困難となる。具体的には短いバックフォーカスで結像させる面パワーと、周辺画角までスポット形状を均一に保つための面形状の両立が困難となる。
そこで近年では結像光学系へ入射させる光束を平行光束ではない収束光束(または発散光束)とし、結像光学系での結像位置を平行光束が入射したときよりも短い位置で結像させている。これにより光路長の短縮化を図っている。この種の光走査装置は従来から種々と提案されている(特許文献1参照)。
収束光束は偏向面手前の入射光学系側で設定している。例えば光源手段の発光部から集束レンズ(コリメータレンズ)までの距離を平行光束が射出するときよりも長く設定して、該集束レンズから射出される光束を収束光束としている。もしくは集束レンズからは平行光束として射出させ、その後の偏向面までの光路上で主走査方向にパワーを持った光学素子を配置して収束光束としている。
このようにして光束そのものに光路を短縮させる機能を持たせて、結像光学系の設計においても自由度を増し、より高性能な光走査装置を構成している。
特開2004−302062号公報
収束光束を使用すると、結像位置がズレるという問題が生じてくる。
ここで図5(A)、(B)に示すように結像光学系(不図示)に入射する発光部A、Bから射出する2つの光束A´、B´について考える。図5(A)は走査開始側における2つの光束の主光線が光偏向器の偏向面で反射される様子を示した説明図、図5(B)は走査終了側
における2つの光束の主光線が光偏向器の偏向面で反射される様子を示した説明図である。
2つの光束A´、B´は偏向面6aへの入射角のズレがあるために2光束間での位相差分だけ偏向走査する角度をずらす。そうすると結像光学系へ射出する2つの光束A´、B´は同じ角度で射出される(図中A1とB1´)が、主走査方向で異なった位置に結像する。平行光束を結像光学系へ入射させる場合は、該結像光学系へ入射する位置が主走査方向で異なっていても結像点は変化しない。
しかしながら、光束A´、B´が収束光束であると結像光学系に入射する主走査方向の位置によって主走査方向の結像位置が異なってくる。これが収束光束であることを起因とする主走査方向のジッタ(以下、「主走査ジッタ」とも称す。)である。これは前出した図5(A)、(B)に示したように偏向面から射出する光束の位相を合わせたとき、走査開始側と走査終了側では2つの光束の位置関係が入れ替わる。そのため図6に示すように光束A´で走査したライン(走査光路長)aと光束B´で走査したライン(走査光路長)bは異なってくる。
これを偏向面へ正面から光束を入射させたときの様子を考えてみると、図7(A)、(B)に示すように前出の図5(A)、(B)とは異なり、2つの光束A´、B´の位置関係は同じである。図7(A)は走査開始側における2つの光束の主光線が光偏向器の偏向面で反射される様子を示した説明図、図7(B)は走査終了側における2つの光束の主光線が光偏向器の偏向面で反射される様子を示した説明図である。
つまり偏向面へ正面から光束を入射させたときには光束A´で走査したラインaと光束B´で走査したラインbは図6のようにはならずに図8に示すように平行シフトしたような配置となる。これは偏向面に正面から光束を入射させているため左右のズレ量δyeは同じとなるので主走査方向の走査光路長はラインa、bで同じとなる。
しかしながら偏向面に対し光束を正面入射させたときには以下に示す問題点が発生してくる。
偏向面で偏向走査される光束のうち、光軸上近傍の光束が結像光学系へ入射した場合、つまり走査角がゼロの場合、偏向反射された光束は被走査面の中心に結像するのは明らかである。
次に走査開始側の光束を考えた場合、前述の図8を参照しながら考えると発光部Aから発した光束A´のラインaが主走査方向の外側に長くなっている。また走査終了側の光束を考えた場合、今度は発光部Bから発した光束B´のラインbが主走査方向の外側に長くなっている。つまりこれは単に2つの光束A´、B´がシフトしているのではない。即ち、光軸上では2つの光束A´、B´とも同一の結像位置であるにもかかわらず、主走査方向の両側で走査光路長の長さが異なる倍率差を含んでいるということになる。
これが正面入射時に発生する主走査ジッタ(被走査面上での主走査方向の結像位置ズレ)であり、OFS走査光学系でもUFS走査光学系でも関係なく起こる現象である。
本発明は被走査面上での主走査方向の結像位置ズレ(主走査ジッタ)を低減し、良好なる画像を得ることのできる光走査装置及びそれを用いた画像形成装置の提供を目的とする。
また本発明は新たな光学素子や調整機構を用いることなく簡易な構成で主走査ジッタを
低減し、良好なる画像を得ることのできる光走査装置及びそれを用いた画像形成装置の提供を目的とする。
請求項1の発明の光走査装置は、
複数の発光部を有する光源手段と、該複数の発光部より発せられた複数の光束を所定の拡がり角に整形し射出する入射光学系と、該入射光学系からの複数の光束の夫々を偏向走査する偏向手段と、該偏向手段で偏向走査された複数の光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を有し、
主走査断面内において、該偏向面に入射する複数の光束は、非平行であり、且つ、主走査断面内において、該複数の光束は、主光線が該偏向面に該結像光学系の光軸を挟んで入射する2つの光束を含んでいる光走査装置において、
主走査断面内において、該2つの光束の主光線が該偏向面に該結像光学系の光軸を挟んで入射することによる該被走査面上での主走査方向の結像位置ズレを低減する位置ずれ低減手段を有していることを特徴としている。
請求項2の発明の光走査装置は、
複数の発光部を有する光源手段と、該複数の発光部より発せられた複数の光束を所定の拡がり角に整形し射出する入射光学系と、該入射光学系からの複数の光束の夫々を偏向走査する偏向手段と、該偏向手段で偏向走査された複数の光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を有し、
主走査断面内において、該偏向面に入射する複数の光束は、主光線が該偏向面に該結像光学系の光軸を挟んで入射する2つの光束を含んでいる光走査装置において、
該被走査面上の有効画像領域の主走査方向の最大像高において、該複数の光束の主走査方向の結像位置の相対的なズレ量の最大値をΔYmax、該結像光学系の後側主平面から該結像光学系へ入射する入射光束の自然収束点までの距離をSk、該結像光学系の後側主平面から該結像光学系へ入射する入射光束の見かけ上の収束点までの距離をSd、該偏向面上での該複数の光束の主光線の偏向点の主走査方向のズレ量の最大値をδy、該被走査面上の解像度から決まる走査ピッチをPとするとき、
Figure 2007155837
を満足するように各要素が設定されていることを特徴としている。
請求項3の発明の光走査装置は、
複数の発光部を有する光源手段と、該複数の発光部より発せられた複数の光束を所定の拡がり角に整形し射出する入射光学系と、該入射光学系からの複数の光束の夫々を偏向走査する偏向手段と、該偏向手段で偏向走査された複数の光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を有し、
主走査断面内において、該偏向面に入射する複数の光束は、非平行であり、且つ、主走査断面内において、該複数の光束は、主光線が該偏向面に該結像光学系の光軸を挟んで入射する2つの光束を含んでいる光走査装置において、
主走査断面内において、該2つの光束の主光線が該偏向面に該結像光学系の光軸を挟んで入射することによる該被走査面上での主走査方向の結像位置ズレを該2つの光束を発光する発光部の発光タイミングを調整することにより低減する位置ずれ低減手段を有していることを特徴としている。
請求項4の発明は請求項1、2又は3の発明において、
前記複数の発光部は各々単一の発光点を有することを特徴としている。
請求項5の発明は請求項1、2又は3の発明において、
前記複数の発光部は各々複数の発光点を有することを特徴としている。
請求項6の発明は請求項1乃至5の何れか1項の発明において、
前記偏向面に入射する光束の主走査方向の幅は、該偏向面の主走査方向の幅よりに広いことを特徴としている。
請求項7の発明は請求項3の発明において、
前記複数の発光部の発光タイミングを各々遅延、もしくは早めたことを特徴としている。
請求項8の発明は請求項1乃至7の何れか1項の発明において、
前記偏向面に入射する複数の光束は、主走査断面内においてそれぞれ収束光束、もしくは発散光束であることを特徴としている。
請求項9の発明の画像形成装置は、
請求項1乃至8の何れか1項に記載の光走査装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記光走査装置で走査された光ビームによって前記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有することを特徴としている。
請求項10の発明の画像形成装置は、
請求項1乃至8の何れか1項に記載の光走査装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有していることを特徴としている。
請求項11の発明のカラー画像形成装置は、
各々が請求項1乃至8の何れか1項に記載の光走査装置の被走査面に配置され、互いに異なった色の画像を形成する複数の像担持体とを有することを特徴としている。
請求項12の発明は請求項11の発明において、
外部機器から入力した色信号を異なった色の画像データに変換して各々の光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラを有していることを特徴としている。
本発明によれば2つの光束の主光線が偏向面に結像光学系の光軸を挟んで入射することによる被走査面上での主走査方向の結像位置ズレを低減することにより、高画質な画像を得ることができる光走査装置及びそれを用いた画像形成装置を達成することができる。
また本発明によれば新たな光学素子や調整機構を用いることなく簡易な構成で主走査ジッタを低減することにより、高画質な画像を得ることができる光走査装置及びそれを用いた画像形成装置を達成することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1の光走査装置の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)、図2は図1に示した副走査方向の要部断面図(副走査断面図)である。
尚、以下の説明において、主走査方向とは回転多面鏡の回転軸及び結像光学系の光軸に垂直な方向(回転多面鏡で光束が反射偏向(偏向走査)される方向)である。副走査方向とは回転多面鏡の回転軸と平行な方向である。また主走査断面とは主走査方向と結像光学系の光軸を含む平面である。また副走査断面とは主走査断面と垂直な断面である。
図中、1は光源手段であり、2つの発光部(レーザー)A、Bを有するマルチ半導体レーザーより成っている。光源手段1は不図示のホルダーにより光束変換素子としての集束レンズ(コリメータレンズ)2との位置合わせが行なわれる。
本実施例における2つの発光部A、Bは各々単一の発光点を有している。尚、これに限らず、2つの発光部A、Bを複数の発光点より構成しても良い。
集束レンズ2は光源手段1から出射された2つの光束をそれぞれ収束光束(もしくは発散光束)に変換している。
3はピント調整用の球面レンズであり、主走査方向と副走査方向とで互いに異なる屈折力(パワー)有し、集束レンズ2からの光束の収束度を調整することにより被走査面9上へのピントを調整している。
4はレンズ系(シリンドリカルレンズ)であり、副走査断面内(副走査方向)のみに所定のパワーを有しており、集束レンズ2で変換された収束光束を後述する光偏向器6の偏向面6aにほぼ線像として結像している。
5はアルミ蒸着された折り返しミラーであり、2つの発光部A、Bから出射した2つの光束を偏向面6aへ向けて、該2つの光束が互いに異なる角度φで入射するように光路を折り曲げている。
尚、集束レンズ2、球面レンズ3、シリンドリカルレンズ4、そして後述する第1、第2の結像レンズ7a,7bの各要素は入射光学系LAの一要素を構成している。入射光学系LAは光源手段1より発せられた2つの光束を所定の拡がり角に整形し射出している。
6は偏向面が8面より成る偏向手段としての光偏向器(ポリゴンミラー)であり、モーター等の駆動手段(不図示)により図中矢印C方向に一定速度で回転することにより、入射光学系LAからの2つの光束をそれぞれ主走査方向に等速に偏向走査している。
7はfθ特性と結像性能とを有する結像光学系であり、第1、第2の結像レンズ7a,7bを有しており、光偏向器6によって反射偏向された画像情報に基づく光束を主走査断面内においては被走査面としての感光ドラム面9上にスポットに結像させている。また副走査断面内においては後述する補正レンズ8と合わせて光偏向器6の偏向面6aと感光ドラム面9との間を光学的に共役関係にすることにより、偏向面の面倒れ補償を行っている。
また本実施例では光偏向器6に入射する光束(入射光束)が第2、第1の結像レンズ7b,7aを通過し、該光偏向器6で偏向された光束(走査光束)が再度第1、第2の結像レンズ7a,7bに入射するダブルパス構成としている。
8は補正レンズであり、副走査断面内においては負のパワーを有し、主走査断面内にお
いては両レンズ面が同一の曲率で構成され、ノンパワーである。
9は被走査面としての感光ドラム面である。
本実施例においてマルチ半導体レーザ1から光変調され出射した2つの光束は集束レンズ2によって収束光束に変換され、球面レンズ3を介してシリンドリカルレンズ4に入射する。シリンドリカルレンズ4に入射した光束のうち、副走査断面内における光束(収束光束)は更に収束して折り返しミラー5を介して第2、第1の結像レンズ7b,7aを通過(ダブルパス構成)し、光偏向器6の偏向面6aに入射する。そして偏向面6aに入射した光束は、該偏向面6a近傍にほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像している。
このとき偏向面6aに入射する光束は副走査断面内において、光偏向器6の回転軸と垂直な平面に対して所定の角度(本実施例では0.8°)をもって斜め方向から入射している。(斜入射光学系)。即ち、2つの発光部A、B及び集束レンズ2の光軸と偏向面6aの法線は同一の主走査断面上には無い。これは偏向面6aに入射する入射光束と該偏向面6aで反射される反射光束(走査光束)とを分離するためである。
一方、主走査断面内における2つの光束は第2、第1の結像レンズ7b,7aを通過し、互いに非平行で、かつ主光線が偏向面6aに対して正面から結像光学系7の光軸を挟んで互いに反対方向から異なった角度で入射している(正面入射)。
尚、本実施例において正面入射とは主走査断面内において、2つの光束の偏向面6aへの入射角度φが
0.1°≦φ≦0.9° ‥‥(a)
の範囲内で偏向面6aに入射することを言う。
このときの光束の光束幅は主走査方向において光偏向器6の偏向面6aのファセット幅に対して十分広くなるように設定している(オーバーフィルド光学系)。
そして光偏向器6の偏向面6aで偏向反射された2つの光束は第1、第2の結像レンズ7a,7b、補正レンズ8を介して感光ドラム面9に導光される。そして光偏向器6を矢印C方向に回転させることによって、感光ドラム面9上を矢印D方向(主走査方向)に光走査している。これにより記録媒体としての感光ドラム面9上に画像記録を行っている。
尚、同図においては不図示であるが、走査開始側の走査領域外側に走査光束の一部(BD光束)を用いて画像の書き出しタイミングを計測する同期検知手段(BD光学系)が設けられている。本実施例では同期検知手段の一部を構成する同期検知光学系(BDレンズ)によりBD光束が同期光検知器(BDセンサー)に取り入れられるように構成している。この同期検知手段により検知されたタイミング(同期信号)を元に設定された離間時間をおいて画像信号による発光が画像有効領域において開始される。
このような構成の光走査装置において、偏向面6aに入射する2つの光束(収束光束)の主光線が、該偏向面6aに結像光学系7の光軸を挟んで入射すると、前述した如く被走査面9上で主走査方向に結像位置ズレ(主走査ジッタ)が発生する。
次に上記の主走査方向の結像位置ズレの発生について説明する。
図3は主走査断面内において偏向面6a近傍における入射光束と反射光束の振る舞い及び2つの光束のズレの発生を示した説明図である。
光源手段から出射した2つの光束は折り返しミラーによって偏向面6aに対してほぼ正面から入射する。但し、2つの発光部A、Bを入射光学系LAの光軸に対して対称に配置した場合など、光軸上に2つの発光部A、Bがない状態においては偏向面6aに対して2つの光束が主走査方向にある角度φを持って入射することになる。
今、偏向面6aは角度θで回転した場合を考えると、該偏向面6aが結像光学系7の光軸Mに対して垂直に向いていた場合と比べて、その回転中心から光軸方向に離れた位置δxで入射光束と交わる。つまり言い換えると入射光束は偏向面6a上で主走査方向にある高さ(2つの光束間の偏向面で反射するときの主走査方向の位置差)δyを持った位置で反射されることとなる。このとき平行光束が偏向面6aに対して高さδyをもって入射したとしても、反射光束は同じく平行光束として結像光学系7に入射するため、被走査面9上での主走査方向の結像位置は変わらないのは明らかである。
しかしながら、本実施例においては平行光束ではなく、収束光束として偏向面6aに入射させている。これは平行光束として結像光学系7に入射させるときよりも、結像点である感光ドラム面9との距離を短く設定することができ、結像光学系7をコンパクトにすることが可能となることによる。
ただ平行光束でない収束光束(及び発散光束)を結像光学系へ入射させる場合、平行光束のときとは異なり、偏向面上での主走査方向の反射位置、即ち高さδyにおいて偏向された光束は、その高さδyの量により被走査面上での主走査方向の結像点が変わってしまう。
つまり図4に示すように結像光学系7の後側(光出射側)主平面7zから結像光学系7に入射する入射光束(収束光束)の見かけ上の収束点10までの距離をSd、結像光学系7の焦点距離をfとする。さらに結像光学系7の後側主平面7zから結像光学系7に入射する入射光束(収束光束)の自然収束点(ここが感光ドラム面と成る。)9までの距離をSkとする。
するとこれらの関係は、
Figure 2007155837
となり、これは
Figure 2007155837
と書き表される。
また図3に示すように2つの発光部A、Bから射出した2つの光束の偏向面6a上での主走査方向のズレ量をδyとし、これら光束が被走査面9上で結像する際の主走査方向の結像位置の相対的なズレ量ΔYは、以下の関係式(3)で表すことができる。
Figure 2007155837
また偏向面に対して主走査方向の入射方向によっても結像面における光束の振る舞いが異なる。以下これについて説明する。
これまでの一般的な光走査装置は、光源手段から出射した光束を主走査方向の有効走査領域よりも外側から偏向面に入射させることが多い。この場合の偏向面付近における光束の振る舞いは前出した図5(A)、(B)になる。
図5(A)において最初に発光部Aから出射された光束A´が偏向面6aで反射されて図中A1方向に反射され、不図示の結像光学系7により被走査面(感光ドラム面)9上に結像される。
次に所定時間δTだけ時間がずれた時の偏向面6a´によって発光部Bから出射された光束B´が反射され、図中B1´の方向、即ち図中A1と同じ方向に反射され、この時、夫々の光束の主光線は主走査方向にズレ量δyeだけずれて結像光学系7に入射する。
図5(A)、(B)から分かるように走査開始側及び走査終了側ともに発光部Aから出射した光束A´よりも発光部Bから出射した光束B´の方が結像光学系7の光軸側にずれている。そのため被走査面9上では前出した図6に示すように光束B´で走査したライン(走査域)bよりも光束A´で走査したライン(走査域)aの方が短くなる。
即ち、結像光学系7に入射させる2つの光束を収束光束とした場合には、被走査面9上におけるそれぞれの光束の結像点に主走査方向の位置ズレが発生することになる。
次に主走査断面内で2つの発光部A、Bから発した2つの光束を偏向面6aにほぼ正面から入射させる本実施例の場合について前出した図7(A)、(B)を用いて説明する。
図7(A)、(B)は各々前述の如く各々偏向面に対し、ほぼ正面(正面入射)から光束を入射させた状態を示した説明図である。
尚、正面入射といっても2つの発光部A、Bは入射光学系LAの光軸から主走査方向に互いに逆方向に離れた位置に配置されている。このため集束レンズ2を始め各光学素子では出射角を伴い、光軸上を通過してくる光束とはならない。そのため発光部Aから射出した光束A´と、発光部Bから射出した光束B´の各光束は偏向面に対し若干の開き角を持って入射している。
図7(A)において、最初に発光部Aから出射された光束A´が偏向面6aで反射されて図中A1方向に反射され、不図示の結像光学系7により被走査面(感光ドラム面)9上に結像される。
次に所定時間δTだけ時間がずれたときの偏向面6a´によって発光部Bから出射された光束B´が反射され、図中B1の方向、即ち図中A1と同じ方向に反射される。この時、夫々の光束の主光線は主走査方向にズレ量δyeだけずれて結像光学系7に入射する。
図7(A)、(B)から分かるように偏向面への正面入射の場合、走査開始側及び走査終了
側とでは発光部Aから出射した光束A´と、発光部Bから出射した光束B´との光軸に対する位置関係が入れ替わってしまう。
走査角が走査開始側と走査終了側で符号を逆とした同量である場合、光束A´と光束B´との主走査方向のズレ量はδyeで同じである。つまりこれは被走査面9上では前出した図8に示すように光束A´で走査したラインaと光束B´で走査したラインbとがシフトしたような配置関係となる。この場合のズレ量は主走査方向の端部の両側で対称となり、また主走査方向のズレ量ΔYは左右で同じ量となる。
ここで正面入射させる系で、光偏向器が入射光束を光軸に沿って反射させる場合について考える。光軸に沿って反射させる場合、光偏向器の偏向角は入射光束の主走査方向の入射角φの半分、即ちφ/2である。
入射光束は偏向面が光軸に対して垂直になっているときをイニシャル状態で設定されている。そのため、その状態で折り返される反射光束は光軸上を進むこととなり、これは2つの光束A´、B´が共に同一光路を通過する。つまり光軸上に沿って折り返される光束を考えた場合、2つの光束A´、B´は光軸上を進むこととなり、ここでの2つの光束A´、B´の主走査方向のずれは無い。よって先の有効画像領域端部での差と一緒に考えた場合、像高によって2つの光束A´、B´間の主走査方向のズレ量ΔYが異なるということとなり、これは像高に沿って結像倍率が異なっているということになる。
これについては以下、光偏向器の出入りと光束の反射について前出した図3を用いて考える。今、偏向面に1つの光束が入射する際、光軸Mに対する主走査方向へ開いた入射角度をφ、光偏向器が回転角θだけ回転したときの偏向面で折り返される位置のずれ量(位置差)の主走査方向の量をδyとする。さらに光軸方向に離れた距離をδxとして表すとき、δyとδxは以下の式で表すことができる。
Figure 2007155837
ここでdは光偏向器の回転中心から偏向面までの距離である。
この関係式(4)、(5)および前述した関係式(3)との関係によって入射角φ、光偏向器の回転角θ及び結像点での主走査方向の結像位置のずれ量ΔYが決まることがわかる。
図9は光偏向器の回転角と被走査面上の主走査方向の結像位置のずれ量の相関の一例を示した説明図である。同図における設定条件は光偏向器の回転中心から偏向面までの距離dを10mm、偏向面への入射光束の主走査方向の入射角φを0.1°としている。
同図から分かるように外側の像高になる(回転角が大きくなる)に従い主走査方向のずれ量が大きくなっている。つまり光軸に対して外側になる光束の方がより大きくずれることとなり、ここでは図7(A)、(B)と合わせて参照すれば、走査開始側では発光部Aから射出した光束A´がより大きくずれる。また走査終了側では逆に発光部Bから射出した光束B´が同じく主走査方向で大きくずれることとなる。
以上のことから光軸に対し主走査方向の走査開始側では光束A´の結像位置が外側にずれることで光束A´によるライン(走査域)aは光束B´によるラインbより主走査方向に長くなり、逆に光軸に対し走査終了側では光束B´によるラインbが長くなる。
以上のような要因により、1つの光束の主走査方向のラインの長さが光軸を挟んだ両側で異なる状態ができることとなるのである。このラインの長さが異なる状態を画像として問題ないレベルにするためには、そのズレ量ΔYを所定のピッチ間隔(走査ピッチ)の1/6程度に押さえ込むことで通常画像に影響が目立たなくなる。
今、被走査面上の有効画像領域の主走査方向の最大像高において、2つの光束の主走査方向の結像位置の相対的なズレ量の最大値をΔYmax、結像光学系の後側主平面から該結像光学系へ入射する入射光束の自然収束点までの距離をSkとする。さらに結像光学系の後側主平面から該結像光学系へ入射する入射光束の見かけ上の収束点までの距離をSd、偏向面上での2つの光束の主光線の偏向点の主走査方向のズレ量の最大値をδy、画像のピッチ間隔をPとするとき、
Figure 2007155837
なる条件を満たすように偏向面付近での主走査方向の移動量(位置差)δyを押さえ込めば良い。
即ち、本実施例では位置ずれ低減手段で偏向面への光束の入射角φ、走査角ψ、そして光偏向器の回転半径d等の各要素を適切に設定することによって、上記条件式(6)を満足させ、これにより主走査ジッタを低減した良好なる画像を得ている。
上記条件式(6)は偏向面6a付近での主走査方向の位置差δy(収束度)を規定するためのものである。条件式(6)を外れると2つの光束の主光線が偏向面6aに結像光学系7の光軸Mを挟んで入射することによる被走査面9上での主走査方向の結像位置ズレ(主走査ジッタ)を低減することが難しくなってくるので良くない。
本実施例においては画像の解像度1200dpiの光走査装置において、光源手段として2ビームマルチ半導体レーザを用いた系である。本実施例では偏向面への入射光束の主走査方向の入射角φと収束度(条件式(6))を適切に設定することにより、全長を短く設定しながらも正面入射としての主走査方向の結像位置ズレ(主走査ジッタ)を低減させている。
次に本実施例の具体的な数値例を示す。
・画像の解像度:1200dpi
・光偏向器の回転中心から偏向面までの距離d:10mm
・発光部Aから射出した光束の偏向面への主走査方向の入射角φ:0.13°
(発光部Bから射出した光束は光軸に対して逆符号の量)
・[結像光学系の後側主平面から結像光学系へ入射する入射光束の見かけ上の収束点
までの距離Sd]/[結像光学系の後側主平面から結像光学系へ入射する入射光束
の自然収束点までの距離Sk]:1/0.8
これにより2つの光束の主光線間の偏向面上で反射するときの主走査方向の偏向点のズ
レ量(位置差)の最大値δymaxは
δymax:1.78μm
となる。これを被走査面上における2つの光束の主走査方向の結像位置の相対的な位置ズレ量の最大値ΔYmaxにすると
ΔYmax:2.85μm
となる。これは条件式(6)を満たし、画像への影響のない量としている。
尚、本実施例は偏向面へ入射する光束が収束光束もしくは発散光束の入射光束において、光路長を短く設定するための結像面に対して縮小系とする結像光学系で効果を有するものである。
結像光学系が縮小系でなく等倍系であるとすると、この場合の偏向面付近での主走査方向の2つの光束の主光線間の偏向点の位置差δyは同じく1.78μmであるが、被走査面における2つの光束の主走査方向の結像位置の相対的なズレ量の最大値ΔYmaxは3.56μmとなる。これは解像度1200dpiにおける走査ピッチP(21μm)の1/6を超える。
また平行光束を結像光学系への入射光束にした場合は、主走査方向のずれは発生しないが、等倍系と合わせ光路長の短縮の効果はない。
次に本発明の数値実施例を示す。数値実施例において、iは光源手段側からの面の順番を示し、Riは各面の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間の部材肉厚又は空気間隔、ndiは光学素子の材料の屈折率を示す。
i R d nd
1 inf -12.684
2 inf -20.0
3 -74.39441 -2.0 1.755199
4 -17.5791 -3.0 1.612716
5 22.97929 -10.765
6 56.19 -5.0 1.51633
7 inf -7.534
8 inf -10.5 (絞り面)
9 inf* -6.0 1.51633
10 inf -163.341
11 inf -84.5
12 -152.57* -15.0 1.701536
13 inf -41.5
14 inf -4.0 1.784723
15 -356.22 25.0
16 inf 25.0 (偏向面)
17 -356.22 4.0 1.784723
18 inf 41.5
19 inf 15.0 1.701536
20 -152.57* 299.4
21 -1000.0* 4.0 1.53041
22 -1000.0* 96.6
23 inf 2.0 1.51633
24 inf 69.0
imag
*は非球面
非球面データ
9 R=inf r=-48.14
12 R=-152.57 r= inf
20 R=-152.57 r= inf
21 R=-1000.0 r=114.115 D2=6.63453e-6
22 R=-1000.0 r=-108.212 D2=8.04607e-6
※ 9、12、20面はシリンダレンズ、21、22面は 主走査断面が球面、副走査断面が ry=r(1+D2*y2)で規定される非球面、「e-X」の表示は「×10-X」を意味している。
また、結像レンズ7a、7bは像面に向けて主走査方向を軸として40’傾けている。
このように本実施例においては上記の如く正面入射時に発生する主走査ジッタを結像光学系による収束度を画像劣化に対して問題ない範囲に納まるように各要素を設定することで低減し、これにより高画質な画像を得ている。
尚、本実施例で結像光学系に入射する光束を収束光束としたが、これに限らず、発散光束としても上記と同様な効果を得ることができる。このとき主走査方向の結像位置のズレ方向は収束光束と逆になる。
次に本発明の実施例2について説明する。
本実施例において前述の実施例1と異なる点は正面入射時に発生する主走査ジッタを電気的な方法にて低減したことである。その他の構成及び光学的作用は実施例1と同様であり、これにより同様な効果を得ている。
即ち、前述の実施例1では正面入射時に発生する主走査ジッタを光学的方法にて補正した。これに対して本実施例では補正量が微小でよい場合には位置ずれ低減手段で誤差の少ない範囲に電気的に発光部の発光タイミングをずらして補償している。
以下にその補償方法について説明する。
光源手段に単一の発光点を有する2つの発光部A、Bより成るマルチ半導体レーザーを使用することとし、発光部A(以下「Aレーザー」とも称す。)及び発光部B(以下「Bレーザー」とも称す。)から出射する2つの光束を考える。ここでは偏向面への入射光束の収束度が0.9に設定されている他は前述の実施例1と同じ設定としている。
尚、この状態における2つの光束間の偏向面上で反射するときの主走査方向の位置ズレ量の最大値δymaxは
δymax:1.78μm
である。一方、収束度の違いから被走査面上における2つの光束の主走査方向の結像位置の相対的な位置ズレ量の最大値ΔYmaxは
ΔYmax:3.2μm
である。これは条件式(6)を満たし、画像への影響のない量としている。
図10に示すように本実施例では、まずAレーザが先行して光束を発光するとして、装置内に設置した同期検知手段によってAレーザの検知時間を計測する。続いてBレーザについて同様に検知時間を計測し、先のAレーザとの時間差を算出する。
次にAレーザの発光タイミングが被走査面での距離にして1.6μm遅れるようにAレーザの発光タイミングを検知時間からその分遅らせるように遅延時間を設ける。
次にBレーザについて正規のAレーザの発光からの時間間隔よりも被走査面での距離にして1.6μm早まるように発光タイミングを早める。
こうすることによって画像劣化を最低限に抑えながらA、Bレーザ間の走査位置のズレを解消することができる。更にAレーザの発光タイミングを早まるようにシフトすればA、Bレーザ間のずれが解消できると共に、走査開始のタイミングそのもののずれを解消することができる。
このように本実施例においては上記の如く被走査面上での主走査方向の結像位置ズレの量が大きな問題とならない程度であれば電気的な方法により位置ズレ量を低減することにより画像の劣化を低減している。
尚、本実施例においては2ビームでの例を示したが、これに限らず、2ビーム以上の系、例えば3ビーム、4ビーム、更なるビーム数においても同様な効果が得られる。その際、複数ビームは単一ビームのレーザを合成してもよいし、もしくは単一レーザ、2ビームレーザ等を複合して用いて合成してもよい。合成する際はプリズムやミラー等で必要な主走査方向の開き角となるよう光路を設定するか、もしくは発光点から射出された光束の主光線が偏向面近傍で交差するように入射させるようにすればよい。
[画像形成装置]
図11は、本発明の画像形成装置の実施例を示す副走査方向の要部断面図である。図において、符号104は画像形成装置を示す。この画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117からコードデータDcが入力する。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、実施例1又は2のいずれかに示した構成を有する光走査ユニット100に入力される。そして、この光走査ユニット100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム103が出射され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム101は、モータ115によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方には、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラム101の表面に、前記光走査ユニット100によって走査される光ビーム103が照射されるようになっている。
先に説明したように、光ビーム103は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム103を照射することによって感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置よりもさらに感光ドラム101の回転方向の下流側で感光ドラム101に当接するように配設された現像器107によってトナー像として現像される。
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対向するように配設された転写ローラ108によって被転写材たる用紙112上に転写される。用紙112は感光ドラム101の前方(図11において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ110が配設されており、用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図11において左側)の定着器へと搬送される。定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113とこの定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されている。そして転写部から搬送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112を画像形成装置の外に排出せしめる。
図11においては図示していないが、プリントコントローラ111は、先に説明したデータの変換だけでなく、モータ115を始め画像形成装置内の各部や、後述する光走査ユニット内のポリゴンモータなどの制御を行う。
本発明で使用される画像形成装置の記録密度は、特に限定されない。しかし、記録密度が高くなればなるほど、高画質が求められることを考えると、1200dpi以上の画像形成装置において本発明の実施例1〜3の構成はより効果を発揮する。
[カラー画像形成装置]
図12は本発明の実施例のカラー画像形成装置の要部概略図である。本実施例は、光走査装置を4個並べ各々並行して像担持体である感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。図12において、60はカラー画像形成装置、61,62,63,64は各々実施例1又は2に示したいずれかの構成を有する光走査装置である。21,22,23,24は各々像担持体としての感光ドラム、31,32,33,34は各々現像器、51は搬送ベルトである。
図12において、カラー画像形成装置60には、パーソナルコンピュータ等の外部機器52からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が入力する。これらの色信号は、装置内のプリンタコントローラ53によって、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。これらの画像データは、それぞれ光走査装置61,62,63,64に入力される。そして、これらの光走査装置からは、各画像データに応じて変調された光ビーム41,42,43,44が出射され、これらの光ビームによって感光ドラム21,22,23,24の感光面が主走査方向に走査される。
本実施例におけるカラー画像形成装置は光走査装置(61,62,63,64)を4個並べ、各々がC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応している。そして各々平行して感光ドラム21,22,23,24面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
本実施例におけるカラー画像形成装置は上述の如く4つの光走査装置61,62,63,64により各々の画像データに基づいた光ビームを用いて各色の潜像を各々対応する感光ドラム21,22,23,24面上に形成している。その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
前記外部機器52としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置60とで、カラーデジタル複写機が構成される。
本発明の実施例1の主走査断面図 本発明の実施例2の副走査断面図 偏向面近傍における入射光と反射光の振る舞い及び複数光束のズレの発生を示した図 決像光学系に入射する収束光束の結像状態を説明する図 主走査方向斜入射により偏向面で光束が反射偏向される様子を示す図 主走査方向斜入射の走査系による光束の被走査面上の結像状態を示す図 主走査領域内入射により偏向面で光束が反射偏向される様子を示す図 主走査領域内入射の走査系による光束の走査面上の結像状態を示す 収束度ごとのポリゴン回転角と走査面上主走査方向結像位置ズレ量の関係を示すグラフ A、Bレーザの発光タイミングをずらす手法を説明する図 本発明の画像形成装置の実施例を示す副走査断面図 本発明の実施態様のカラー画像形成装置の要部概略図
符号の説明
1 光源手段
2 コリメータレンズ
3 球面レンズ
4 シリンドリカルレンズ
5 折り返しミラー
6 偏向手段
6a 偏向面
7 結像光学系
7a,7b 結像レンズ
8 補正レンズ
9 被走査面
61、62、63、64 光走査装置
21、22、23、24 像担持体(感光ドラム)
31、32、33、34 現像器
41、42、43、44 光ビーム
51 搬送ベルト
52 外部機器
53 プリンタコントローラ
60 カラー画像形成装置
100 光走査装置
101 感光ドラム
102 帯電ローラ
103 光ビーム
104 画像形成装置
107 現像装置
108 転写ローラ
109 用紙カセット
110 給紙ローラ
111 プリンタコントローラ
112 転写材(用紙)
113 定着ローラ
114 加圧ローラ
115 モータ
116 排紙ローラ
117 外部機器

Claims (12)

  1. 複数の発光部を有する光源手段と、該複数の発光部より発せられた複数の光束を所定の拡がり角に整形し射出する入射光学系と、該入射光学系からの複数の光束の夫々を偏向走査する偏向手段と、該偏向手段で偏向走査された複数の光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を有し、
    主走査断面内において、該偏向面に入射する複数の光束は、非平行であり、且つ、主走査断面内において、該複数の光束は、主光線が該偏向面に該結像光学系の光軸を挟んで入射する2つの光束を含んでいる光走査装置において、
    主走査断面内において、該2つの光束の主光線が該偏向面に該結像光学系の光軸を挟んで入射することによる該被走査面上での主走査方向の結像位置ズレを低減する位置ずれ低減手段を有していることを特徴とする光走査装置。
  2. 複数の発光部を有する光源手段と、該複数の発光部より発せられた複数の光束を所定の拡がり角に整形し射出する入射光学系と、該入射光学系からの複数の光束の夫々を偏向走査する偏向手段と、該偏向手段で偏向走査された複数の光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を有し、
    主走査断面内において、該偏向面に入射する複数の光束は、主光線が該偏向面に該結像光学系の光軸を挟んで入射する2つの光束を含んでいる光走査装置において、
    該被走査面上の有効画像領域の主走査方向の最大像高において、該複数の光束の主走査方向の結像位置の相対的なズレ量の最大値をΔYmax、該結像光学系の後側主平面から該結像光学系へ入射する入射光束の自然収束点までの距離をSk、該結像光学系の後側主平面から該結像光学系へ入射する入射光束の見かけ上の収束点までの距離をSd、該偏向面上での該複数の光束の主光線の偏向点の主走査方向のズレ量の最大値をδy、該被走査面上の解像度から決まる走査ピッチをPとするとき、
    Figure 2007155837
    を満足するように各要素が設定されていることを特徴とする光走査装置。
  3. 複数の発光部を有する光源手段と、該複数の発光部より発せられた複数の光束を所定の拡がり角に整形し射出する入射光学系と、該入射光学系からの複数の光束の夫々を偏向走査する偏向手段と、該偏向手段で偏向走査された複数の光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を有し、
    主走査断面内において、該偏向面に入射する複数の光束は、非平行であり、且つ、主走査断面内において、該複数の光束は、主光線が該偏向面に該結像光学系の光軸を挟んで入射する2つの光束を含んでいる光走査装置において、
    主走査断面内において、該2つの光束の主光線が該偏向面に該結像光学系の光軸を挟んで入射することによる該被走査面上での主走査方向の結像位置ズレを該2つの光束を発光する発光部の発光タイミングを調整することにより低減する位置ずれ低減手段を有していることを特徴とする光走査装置。
  4. 前記複数の発光部は各々単一の発光点を有することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の光走査装置。
  5. 前記複数の発光部は各々複数の発光点を有することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の光走査装置。
  6. 前記偏向面に入射する光束の主走査方向の幅は、該偏向面の主走査方向の幅よりに広いことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光走査装置。
  7. 前記複数の発光部の発光タイミングを各々遅延、もしくは早めたことを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  8. 前記偏向面に入射する複数の光束は、主走査断面内においてそれぞれ収束光束、もしくは発散光束であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の光走査装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の光走査装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記光走査装置で走査された光ビームによって前記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の光走査装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有していることを特徴とする画像形成装置。
  11. 各々が請求項1乃至8の何れか1項に記載の光走査装置の被走査面に配置され、互いに異なった色の画像を形成する複数の像担持体とを有することを特徴とするカラー画像形成装置。
  12. 外部機器から入力した色信号を異なった色の画像データに変換して各々の光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラを有していることを特徴とする請求項11に記載のカラー画像形成装置。
JP2005347152A 2005-11-30 2005-11-30 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置 Pending JP2007155837A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014219579A (ja) * 2013-05-09 2014-11-20 キヤノン株式会社 光走査装置およびその製造方法並びに画像形成装置

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JP2014219579A (ja) * 2013-05-09 2014-11-20 キヤノン株式会社 光走査装置およびその製造方法並びに画像形成装置

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