JP4418588B2 - 連続トップブローン銅変換炉内の温度ピークを調節しそして/または処理能力を高める方法 - Google Patents

連続トップブローン銅変換炉内の温度ピークを調節しそして/または処理能力を高める方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の背景】
本発明は硫化銅精鉱(copper sulfide concentrates)を陽極銅(Anode copper)に変換する方法に関する。1つの面において、本発明は銅のかわ(copper matte)を粗銅(blister copper)に変化させることに関する一方、別の面において、本発明は、連続トップブローン銅変換炉(continuous,top−blown copper converting furnace)から熱を取り除きそして/またはそれの処理能力を高める目的で固化した銅のかわを用いる方法に関する。
【0002】
米国特許第5,205,859号および5,217,527号(両方ともGoto他であって、両方とも引用することによって本明細書に組み入れられる)に、銅精鉱(copper concentrates)を陽極銅に変化させる連続方法が記述されている。この三菱法で用いられる精錬装置は、(i)銅精鉱を溶融させてそれに酸化を受けさせてかわとスラグの混合物を生じさせるための精錬炉、(ii)該かわを該スラグから分離するための分離炉、(iii)該スラグから分離したかわに酸化を受けさせて粗銅を牛じさせるための変換炉、および(iv)該粗銅に精錬を受けさせて陽極銅を生じさせるための複数の陽極炉を含んで成る。上記炉は全部、処理された銅が液体または溶融形態でトイ(launders)を通って1つの炉から別の炉に重力で移送される(即ち落下する)ように下降順で配置されていて、最も高い所に精錬炉が位置しそして最も低い位置に陽極炉が位置する。上記特許に記述されていない代替態様では、トリベ(ladles)を1つ以上用いて中間製品(例えば溶融しているかわ)を低い方の位置から高い方の位置に移送して、精錬過程の少なくとも一部に落下効果(cascading effect)を開始させる。更に、精錬炉および変換炉の各々の屋根に複数の垂直ランス(lances)[この中を通って銅精鉱(精錬炉内のみの)、酸素が豊富な空気およびフラックス(flux)の1つ以上が上記炉に供給される]が取り付けられている。
【0003】
この変換炉の設計および配置は、これが容融しているかわの連続流れを上記分離炉から受け取るような設計および配置になっている。この変換炉の湯だまり(また前床領域としても知られる)内に溶融している粗銅[先に上記炉に送り込まれた溶融している銅のかわが酸化を受けることで生じる]のを保持させる。このは典型的に約1メートルの深さまで粗銅を含んでおり、その上に厚みが約12センチメートルのスラグ層が浮遊している。液状のかわが上記変換炉の中に流れ込むと、それは上記の表面を横切ってランスの方に向かって広がって粗銅と混ざり合い、その結果として不安定な熔融しているかわの相が生じる(上記液は安定な溶融している銅のかわの層を含有しない)。
上記ランスから来る高速の酸素含有ガスおよびフラックスが上記スラグを貫いて溶融している粗銅の中に入り込むことでフォーム/エマルジョン(foam/emulson)が生じ、その中で溶融している銅のかわが溶融している粗銅に変化する。この新しく生じた溶融している粗銅が上記炉内に存在する溶融している粗銅をそこから追い出し[例えば湯出口、サイホンまたはフォアハース(forehearth)などを通して]そして新しく生じたスラグはスラグ用湯出口の方に向かって最終的に上記炉から除去される。
【0004】
上記溶融しているかわに含まれる鉄および硫黄価(values)の酸化は発熱反応であることから、上記変換炉内にかなりの熱が発生する。この熱の調節および制御、即ち上記の温度、特に温度ピークの調節および制御は、炉の効率良い運転(従って粗銅の効率良い生産)にとって重要なばかりでなくまた炉の耐火性構成要素および他の構成要素の寿命にとっても重要である。そのような温度ピーク、即ち溶融しているかわ、(Cu−Fe−S)と酸素とフラックス(例えばCaO)の反応[この反応で銅金属(Cu)、溶融スラグ(Cu2O−CaO−Fe34)および気体状二酸化硫黄が生じる]に要する温度よりも有意に高い温度の期間が長期間に及ぶと上記炉の耐火性部分の寿命が有意に短くなり得る。
【0005】
上記液の温度の調節は2つの方法の1つを用いて実施可能である。1番目として、発生する熱の量を制限することができ、そして2番目として、余分な熱を除去することができる。発生する熱の量を制限するには上記液に導入する反応体の量および質を制御する必要がある。例えば、発生する熱の量を制限する1つの方法は、窒素を上記炉に導入することで酸素の富裕レベルを低くする方法である。しかしながら、窒素を添加すると炉の処理能力が低下し、そしてそれを導入する様式に応じて、の乱流が増大し得る。更に、反応体の質(例えば上記かわに含まれる銅と鉄と硫黄の相対量など)の制御は最も困難なことである、と言うのは、出発材料、特に精錬炉に送り込まれる精鉱の組成的性質は変動しかつ上記炉は連続操作の一部であることからそのような任意手段は上流および下流の両方に脈動効果(ripple effect)を与えるからである。
【0006】
上記から余分な熱を除去しようとする時、これは数多くの技術を用いて達成可能であり、そのような技術の中の2つは、例えば冷却用ジャケットおよび/または計略的に位置させた冷却用ブ回ツクによる伝熱と、冷媒、例えば上記液に入り込んだ時点で熱を吸収する材料[これの良好な例は陽極銅のスクラップおよび変換炉スラグ(Converter Slag)の再利用である]の導入である。冷媒の添加はトップブローン(top blown)および他の炉デザイン、例えばMarcuson他の米国特許第5,215,571号に記述されている如きPierce‐Smith変換炉の両方で行われる。しかしながら、銅のスクラップ、特に陽極銅のスクラップを添加することはそれ自身に問題があり、このような問題は、少なからず、サイズ合わせ(例えば陽極銅スクラップの細断)、上記炉への導入(導入が不適当であると結果として上記炉が損傷を受ける可能性がある)、そして不純物、例えば冷媒内に存在する非銅価(noncupper values)(これを最終的には粗銅から除去する必要がある)が溶融している粗銅の中に入り込むと言った問題である。
【0007】
(発明の要約)
本発明に従い、連続トップブローン変換炉、例えば三菱法で用いられる炉内に存在する溶融している粗銅の浴の温度を調節または低くする目的で、固化した銅のかわを冷媒として用いる。この固体状のかわは固化工程[この固化工程では、溶融している銅のかわを粒状にするか或は他の様式で固化させてサイズを合わせる]の産物であり、その後、それを変換炉内に存在する液に冷媒として送り込む。上記かわが再び溶融する結果としての熱を消費することで上記の温度を下げる。
【0008】
本発明の1つの態様では、固化したかわを添加すると、粗銅に変化するかわの全量(溶融しているかわに加えて固体状のかわ)が上流に位置する炉から受け取る量よりも多くなる点で、それの上流に位置する炉の処理能力から独立して変換炉の処理能力が高くなる。
【0009】
別の態様では、分離炉(これは変換炉に送り込まれる溶融している銅のかわの給源である)をまた溶融している銅のかわ(これを固体状の銅のかわに変換する)の給源としても用いる。
【0010】
本発明の別の態様は、連続銅精錬方法に、
A. 精錬炉を準備して、この精錬炉を1番目の移送手段で分離炉につなげそしてこの分離炉を2番目の移送手段で連続トップブローン変換炉につなげそしてこの連続トップブローン変換炉を3番目の移送手段で少なくとも1つの陽極炉につなげ、
B. 上記精錬炉に銅精鉱を添加して溶融させてそれに酸化を受けさせることで溶融している銅のかわとスラグの混合物を生じさせ、
C. 上記溶融している銅のかわとスラグの混合物を上記1番目の移送手段で上記分離炉に移送して上記分離炉内で上記かわを上記スラグから分離し、
D. 上記溶融している銅のかわを上記2番目の移送手段で上記変換炉内に存在する溶融している粗銅のに移送して上記変換炉内で上記かわに酸化を受けさせて溶融している粗銅を生じさせ、
E. 上記分離炉から受け取った上記かわに酸化を受けさせている間に上記液内に生じる熱を吸収させる目的で固体状の銅のかわを上記溶融している粗銅のに添加し、そして
F. 上記溶融している粗銅を上記3番目の移送手段で少なくとも1つの陽極炉に移送して上記陽極炉内で上記粗銅に精鎌を受けさせて陽極銅を生じさせる、
段階を含める。
【0011】
上記移送手段にクレーン(Crane)とトリベ(取瓶)の系およびトイ(樋)を含め、好適には、上記移送手段全部をトイにする。この態様の工程列(process train)の装置に保持炉(holding furnaces)を1つ以上含めてもよい。1つの特別な熊様では、保持炉を分離炉の代わりに用いる。
【0012】
(発明の詳細な説明)
銅精鉱の精錬は適切な任意装置を用いた適切な任意様式で行われてもよい。一般的には、固体状の鋼精鉱を便利な任意設計の精練炉、好適にはフラッシュ精錬炉(flush smelting furnace)に導入して、この炉の加熱を、通常のバーナーを用いて燃料および空気および/または酸素を導入することで行い、そして上記炉からスラグを定期的に落下させかつオフガスを廃棄物処理装置(waste handling)に向かわせるか或は再利用する。より特別には、銅精鉱をランスに通して酸素が豊富な空気と一緒に精錬炉の中に吹き込む。従って、この銅精鉱に含まれる硫黄および鉄価の酸化で発生する熱によって銅精鉱がある程度酸化を受けて溶融することで、かわとスラグの液状または溶融(liquid or molten bath)が生じ、これを上記炉の湯だまり内に集める。上記かわは硫化銅と硫化鉄を主要成分として含有しており、そしてそれはスラグに比較して高い比重を有する。他方、スラグは脈石、フラックス、酸化鉄などで構成されていて、これは上記かわよりも低い比重を有する。この溶融している銅のかわとスラグの分離は通常の任意方法で行われてもよく、三菱の方法では、かわとスラグの混合物を精錬炉の出口から溢れ出させてトイに通して分離炉の中に流れ込ませる。
【0013】
三菱方法では、溢れ出て上記分離炉[またスラグクリーニング炉(slag cleaning furnace)としても知られる]の中に流れ込んだかわとスラグの液状もしくは溶融混合物は混和しない2層に分離し、その1つの層はかわでもう1つの層はスラグである(これらの層はかわの比重とスラグの比重に差があることから混和しない)。溶融している銅のかわを上記分離炉から出させて別のトイで変換炉に向かわせる。
【0014】
代替態様では、スラグを伴わせないで溶融しているかわを精錬炉から落下させるか或は他の様式で取り出してトリベ、トイまたは他の手段で保持炉に移送する。ここで、上記かわを変換炉で必要になるまで溶融状態で保持し、必要になった時点で、それを通常の任意手段、例えばトリベ、トイなどで変換炉に移送する。
【0015】
この上に記述したように、変換炉に送り込まれた溶融している銅のかわは存在する溶融している粗銅の浴の表面を横切って広がりそしてスラグは垂直ランスの方に向かって移動して粗銅と混ざり合うことで不安定な溶融しているかわの相を形成する。このランスから出る高速ガスは上記かわと一緒にフォーム/エマルジョンを形成し、その中で上記かわは粗銅とスラグと気休状二酸化硫黄に変化する。その新しく生じた粗銅が存在する粗銅を上記炉から追い出し、スラグは1つ以上のスラグ湯出口の方に向かって流れそして気体状二酸化硫黄は捕捉されてさらなる処理を受ける。
【0016】
上記銅のかわが酸化を受ける時に熱が多量に発生する。理想的には、この酸化反応(即ち、上記かわに含まれる硫黄および鉄価の酸化)を保持するに必要な熱のみが発生するように上記かわと酸素とフラックスを混合する。しかしながら、これの制御度合を任意時問に渡って維持するのは不可能でないにしても困難であり、このように典型的には余分な熱が発生する。しかしながら、このような温度ピークは上記かわに含まれる硫黄と鉄価の酸化を保持するに必要でなく、温度ピークは上記炉の耐火性部分にとって潜在的に有害である。
【0017】
本発明に従い、固体状の銅のかわ(粉砕または他の様式でサイズを合わせた)を溶融している粗銅の浴に浴温が許容レベルに低下して維持されるように添加することによって、連続トップブローン変換炉を典型的に運転している間に経験する溶融している粗銅の温度ピークを取り除くか或は調節する。この固体状の銅のかわは連続的またはバッチ式に添加可能であり、そしてこの固体状の銅のかわの添加量は上記の温度を調節する(即ち低くしそして/または維持する)に充分な量である。この固体状の銅のかわは上記の温度を典型的には約1100℃から約1400℃、好適には約1200℃から約1350℃の範囲内に維持する働きをする。この固体状の銅のかわ、特に変換炉に送り込むための溶融している銅のかわを産出する分離炉で得られた固体状の銅のかわを、また、望まれない不純物、例えば銅のスクラップまたはスラグに関連した不純物などの導入を伴わない追加的変換炉供給用源としても用いる。
【0018】
この固体状の銅のかわを変換炉に平均直径が典型的に約0.1から4ミリメートルの冷(例えば室温)粉砕粒子の形態で添加する。この粒子は便利な任意様式で上記炉に添加されてもよく、例えば上記炉の屋根に開いている開口部を通して添加してもよいか、或は上記粒子が充分に微細なサイズのもの、例えば粉砕などで生じさせた粉未などの場合には、ランスを通して添加可能である。この上で述べたように、上記粒子を、好適には、上記連続トップブローン変換炉の上流に位置する分離炉内で浄化を受けさせた溶融している銅のかわから生じさせ、そしてこのかわは銅、鉄および硫黄を含有しかつ主要でない金属および非金属成分をいろいろな量で含有する。この溶融している銅のかわを上記分離炉から取り出した後、固化させて、便利な任意様式でサイズを小さくする。
【0019】
溶融している銅のかわから固体粒子、好適には微細粒子を牛じさせる時、実用的な如何なる手段も利用可能である。上記かわを水の中に排出させて粒状にしてもよいか、或はそれを微細な液滴の形態で噴霧、してもよく、そしてそのようにして固化させたかわを標準的な破砕および粉砕装盾で破砕および/または粉砕してそのサイズを小さくして微細な粒子を牛じさせてもよい。本方法では、通常、その破砕した冷塊を後で使用するように貯蔵する、と言うのは、充分な供給を貯蔵しておいてそこから取り出して変換炉に連続および効率原理で送り込むのが望ましいからである。
【0020】
上記変換炉内で酸化反応を進行させながらスラグ層を定期的に取り除くか或は連続的に溢れ出させ、そして必要に応じて固体状の銅のかわを冷媒として添加する。このかわ(液状およぴ固体状の両方)は、純度が典型的に約98%を越える粗銅に変化し、そしてこの粗銅を上記変換炉内の1つ以上の出口から1つ以上のトイに落下させるが、このトイは上記変換炉を1つ以上の陽極炉につなげており、この陽極炉の中で上記粗銅は変換を受けて陽極銅(典型的には銅の純度が98%を越える)が生じる。上記変換炉から回収したスラグは相対的に高い銅含有量を有することから、典型的にはこれを精鎌炉に再循環させる(粒状にして乾燥させた後)。
【0021】
本発明の方法は、また、連続トップブローン変換炉の処理能力を高めるにも有用である。固化した銅のかわの導入は上記炉の追加的給源(分離炉が供給する溶融しているかわの他に)になり、このように、このような添加は、上流に位置する炉の処理能力から独立した処理能力を変換炉に与えるものである。
【0022】
更に、本発明の方法は、上流に位置する1つ以上の炉、例えば精鎌炉および/またはスラグ分離炉などが何らかの理由で完全または部分的に停止した時に連続トップブローン変換炉の連続運転を維持するにとって有用である。このような条件下の時固化したかわ、フラックスおよび酸素を上記かわに含まれる鉄および硫黄価が酸化を受けるに充分な量で変換炉に供給することによって、変換炉およびその下流に位置する陽極炉(類)の運転を維持することができる[米国特許第4,416,690号(引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されているように]。
【0023】
別法として、この固化したかわを変換炉に入れる冷媒として用いると、スラグ分離炉の産出物を貯蔵用の固化かわに変換してそれを後で粗銅に変換することができることから、変換炉または下流に位置する他の装置が何らかの理由で完全または部分的に停止した時でも上流の炉の運転を継続することが可能になる。勿論、固化したかわの供給を主にか或は排他的に用いて変換炉を運転する時はいつも、それを主に溶融しているかわで運転する時に比較して、それの運転で酸素をより多い量で必要とする。しかしながら、このような源はダウン炉(down furnaces)の酸素源から入手可能である。
【0024】
この上には記述しなかったが、本発明の一部である精練方法、例えば三菱法の装置に、保持炉をもう1つ含めることも可能である。これらの炉は工程列内の便利な任意場所(類)に位置させてもよく、例えば分離炉と変換炉の間、変換炉と陽極炉(類)の間などに位置させてもよく、そしてそれらを列内の他の炉に便利な任意手段、例えばトイ、トリベなどでつなげる。保持炉を分離炉と変換炉の間に位置させる本発明のこのような態様では、勿諭、この変換炉に送り込まれる溶融している銅のかわの給源は保持炉である(バイパスを存在させない場合)。1つの特別な熊様では、保持炉を分離炉の代わりに用いる。
【0025】
本発明の実施で用いる変換炉は、フラッシュ変換炉またはPierce−Smith変換炉とは対照的に、連続トップブローン変換炉である。本発明で用いる連続トップブローン変換炉は、溶融している銅のかわを典型的に分離炉から1つ以上のトイで連続原理で受け取りそしてこのかわに酸素およびフラックス(屋根に取り付けた垂直ランスから上記炉に供給される)を混合してそれを粗銅に変化させるような設計になっている(米国特許第5,205,859号および5,217,527号に記述されている如き)。比較として、フラッシュ変換炉(これは通常連続様式で運転される)、例えば米国特許第4,416,690号に記述されているフラッシュ変換炉の場合には、固化した(溶融していない)銅のかわが送り込まれ、そしてPierce−Smith変換炉(典型的にはクレーンとトリベの組み合わせを用いて溶融している銅のかわを送り込む)の運転は不連続、即ちバッチ式である。
【0026】
以下に示す実施例で本発明を更に説明しかつ発明の1つの態様を示す。
【0027】
(実施例)
銅精鉱をランスに通して酸素が豊富な空気と一緒に精錬炉の中に吹き込む。この銅精鉱は酸化で発生する熱で酸化をある程度受けて溶融し、その結果として、かわとスラグの混合物が液の形態で生じ、これが上記炉の湯だまり内に集められる。この混合物は上記精錬炉内の出口から溢れ出てトイを通って分離炉の中に流れ込み、この中でかわとスラグの混和しない2層に分離する。この溶融している銅のかわの一部を上記分離炉から取り出し、固化させた後、サイズを小さくし、そして上記溶融している銅のかわの残りをトイで連続トップブローン変換炉に移送する。
【0028】
冷却および破砕してサイズを合わせた銅のかわを変換炉内に存在する溶融している粗銅の浴の一般に上記溶融している銅のかわが入って来る領域に添加すると、上記かわは酸化を上記内、即ちこのの表面で酸素含有ガスとフラックスがフォーム/エマルジョンを形成する領域またはそれに近い領域で受けて、その中で粗銅に変化する。上記固体状の銅のかわが溶融している銅のかわの中に入って溶融することによって、有効に、上記溶融銅(分離炉に由来する溶融銅と上記固体状銅塊の溶融に由来する溶融銅の両方)内の硫黄と鉄価が酸化を受けている間に発生する余分な熱が取り除かれる。この溶融したかわは、屋根に取り付けられているランスを通って吹き込まれる酸素が豊富な空気によって酸化を受け、そして鉄価とフラツクスが反応して変換炉スラグを形成する。このスラグを溶融している粗銅から定期的または連続的に取り除く。この粗銅は約98.5%を越える銅純度を有し、これを1つ以上の出口から1つ以上の移送用トイの中に落下または溢れ出させて、1つ以上の陽極炉に移送する。
【0029】
分離炉から出る溶融している銅のかわを転送して固化させてサイズを小さくして貯蔵することに関する別の利点(それを変換炉で用いる冷媒を生じさせる目的で用いることに加えて)は、連続銅精錬方法による産物の代替産出量を与える点にある。言い換えれば、連続工程中に変換炉が何らかの理由(下流の混乱、精錬炉の過剰生産など)で能力がいっぱいになった時には、変換炉がより多い量の溶融しているかわを受け入れる能力を取り戻すまで、分離炉から出る溶融している銅のかわを転送して冷媒に加工することができる。
【0030】
この上に示した実施例で本発明をかなり詳細に記述してきたが、このような詳細は単に説明の目的である。本分野の専門家は添付請求の範囲に記述する如き本発明の精神および範囲から逸脱しない限り数多くの変形および修飾を成し得る。

Claims (12)

  1. 連続トップブローン変換炉の運転方法であって、該変換炉は溶融している銅のかわを分離炉から連続的に受け取るに適合し、溶融している粗銅の浴を含んでおり、かつ溶融している粗銅を少なくとも1つの陽極炉に連続的に排出させるに適合しており、かつ、固体状の銅のかわを該溶融している粗銅の浴に添加する段階を含むことを特徴とし、(i)該溶融している粗銅の浴内の温度ピークが調節されること、(ii)該熔融している銅のかわの供給が中断している期間の間に該変換炉の連続運転が維持されること、または(iii)該変換炉の処理能力が向上すること、の少なくとも1つを伴う方法。
  2. 該固体状の銅のかわが平均直径0.1‐4ミリメートルの微細粒子を含んで成る請求項1記載の方法。
  3. 該固体状の銅のかわの添加によって該変換炉内の該液の温度を1,100から1,400℃の範囲内に維持する請求項2記載の方法。
  4. 連続銅精錬方法であって、
    A.精錬炉を準備して、この精錬炉を1番目の移送手段で分離炉につなげそしてこの分離炉を2番目の移送手段連続トップブローン変換炉につなげそしてこの連続トップブローン変換炉を3番目の移送手段で少なくとも1つの陽極炉につなげ、
    B.該精錬炉に銅精鉱を添加して溶融させてそれに酸化を受けさせることで溶融している銅のかわとスラグの混合物を生じさせ、
    C.該溶融している銅のかわとスラグの混合物を該1番目の移送手段で該分離炉に移送して該分離炉内で該かわを該スラグから分離し、
    D.該かわを該2番目の移送手段で該変換炉内に存在する溶融している粗銅の浴に移送して該変換炉内で該かわに酸化を受けさせて溶融された粗銅を生じさせ、
    E.該分離炉から受け取った該かわに酸化を受けさせている間に該液内に生じる熱を吸収させる目的で固体状の銅のかわを該溶融された粗銅の浴に添加し、そして
    F.該溶融している粗銅を該3番目の移送手段で少なくとも1つの陽極炉に移送して該陽極炉内で該粗銅に精錬を受けさせて陽極銅を生じさせる、
    段階を含む方法。
  5. 該移送手段の少なくとも1つがトリベである請求項4記載の方法。
  6. 該1番目の移送手段がトリベである請求項4記載の方法。
  7. 該移送手段の少なくとも1つがトイである請求項4記載の方法。
  8. 該移送手段の全部がトイである請求項4記載の方法。
  9. 該固体状の銅のかわが平均直径0.1−4ミリメートルの微細粒子を含んで成る請求項4記載の方法。
  10. 該固体状の銅のかわの添加によって該変換炉内の該液の温度を1,100から1,400℃の範囲内に維持する請求項9記載の方法。
  11. 連続銅精錬方法であって、
    A.精錬炉を準備して、この精錬炉を1番目の移送手段で保持炉につなげそしてこの保持炉を2番目の移送手段で連続トップブローン変換炉につなげそしてこの連続トップブローン変換炉を3番目の移送手段で少なくとも1つの陽極炉につなげ、
    B.該精錬炉に銅精鉱を添加して溶融させてそれに酸化を受けさせることで溶融している銅のかわを生じさせ、
    C.該熔融している銅のかわを該1番目の移送手段で該保持炉に移送し、
    D.該溶融している銅のかわを該2番目の移送手段で該変換炉内に存在する溶融している粗銅の浴に移送して該変換炉内で該かわに酸化を受けさせて溶融している粗銅を生じさせ、
    E.該保持炉から受け取った該かわに酸化を受けさせている間に該液内に生じる熱を吸収させる目的で固体状の銅のかわを該溶融された粗銅の浴に添加し、そして
    F.該溶融された粗鋼を該3番目の移送手段で少なくとも1つの陽極炉に移送して該陽極炉内で該粗銅に精錬を受けさせて陽極銅を生じさせる、
    段階を含む方法。
  12. 該1番目および2番目の移送手段がトリベである請求項11記載の方法。
JP2000512993A 1997-09-24 1998-09-21 連続トップブローン銅変換炉内の温度ピークを調節しそして/または処理能力を高める方法 Expired - Fee Related JP4418588B2 (ja)

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