JP4418539B2 - 低比重コンタクトレンズ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンタクトレンズ及びその製造方法に関する。更に詳しく述べるなら、酸素透過係数が高く、涙液交換に適する軽量で装用感が良好なコンタクトレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在市販されているコンタクトレンズはその性状から軟質コンタクトレンズと硬質コンタクトレンズの2種に大別される。
【0003】
従来、硬質コンタクトレンズにはポリメチルメタクリレートなどの硬質材料が使用されていた。
【0004】
しかしながら、ポリメチルメタクリレートなどを使用した硬質コンタクトレンズは軟質コンタクトレンズに比べ装用感が劣り、酸素透過量が小さいため角膜への負担も大きい。
【0005】
コンタクトレンズの装用において角膜に対する大気中からの酸素供給に障害を与えないようにすることは最も重要なことであり、近年、高酸素透過性コンタクトレンズ素材の開発が盛んに行われている。
【0006】
そこで、シロキサン結合を有する(メタ)アクリレートや、特開昭60−142324号公報に提案されているようなシロキサン結合を有するスチレンを主成分とした酸素透過性硬質コンタクトレンズが数多く開発されている。
【0007】
また、特公昭61−58006号公報では、アルキル(メタ)アクリレート単量体を主成分とする酸素透過性コンタクトレンズが提案されており、ある程度の酸素透過性を有している。
【0008】
一方、これらを主成分としたコンタクトレンズは素材の疎水性が強く、これを改善するために各種表面処理が行われている。特開平4−163519号公報ではプラズマ処理後に親水性単量体をグラフト重合する方法が、また特表平9−501705号公報では過酸化水素及び有機化合物をプラズマ状態で含む作用ガスによる親水化処理が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これら硬質コンタクトレンズは確かに酸素透過性を有し装用感は向上したが、装用感を向上させるもう一つの大きな要因である涙液の交換能力についての検討はほとんどなされていない。すなわち、単に素材自体の酸素透過性を向上させただけでは、充分な酸素を角膜に供給することは困難である。従って、充分な酸素を角膜に供給するためには、新鮮な酸素を含む涙液供給が容易に起こるコンタクトレンズ素材が必要である。角膜上でのコンタクトレンズは、瞬目と共に上眼瞼により引き上げられ、その際涙液がコンタクトレンズ下に侵入し、開瞼と共にコンタクトレンズは下方に下がりながら再び角膜に吸い付けられる。このときコンタクトレンズ下の余分な涙液が外へ排出される。瞬目によってコンタクトレンズが涙液を出し入れするポンプのような役割を果たし、新鮮な酸素を供給している。涙液の交換によって角膜が常に新鮮な涙液に漬かり、大気中の酸素の供給を受け易く、老廃物が流し去られ易いコンタクトレンズが望ましい。
【0010】
また、従来のコンタクトレンズの親水処理法では、処理直後の水濡れ性は良好であるが、長時間経過したり、コンタクトレンズをこすり洗いするとその水濡れ性が劣化してしまう。コンタクトレンズを装用するとコンタクトレンズ表面には、涙液中の脂質やタンパク質などの付着は避けられず、こすり洗いもしくは酵素や過酸化水素などによる化学洗浄を行わなければならなく、これらの装用サイクルに充分耐えられる親水処理法の開発が望まれる。
【0011】
また、従来のプラズマ照射によるグラフト重合を行いコンタクトレンズ表面の親水化処理法が提案されているが、これはプラズマ処理後のコンタクトレンズを空気中にさらして発生した過酸化物を利用してグラフト重合するものであるため、コンタクトレンズ表面に親水性モノマーが不均一にグラフトしたり、十分な量の親水性モノマーがコンタクトレンズ表面にグラフトされない場合があった。
【0012】
本発明の目的は、優れた酸素透過性を有し、涙液交換に適する軽量なコンタクトレンズを提供することであり、また該コンタクトレンズの有効な表面処理による製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一成分としてシリコン原子含有量が10〜50%でラジカル重合性の官能基を分子中に1個有するシリコン系単量体を20〜70重量部、第二成分としてラジカル重合性の官能基を分子中に2個以上有する単量体を1〜5重量部、第三成分としてt−ブチル(メタ)アクリレート及びt−ブチルスチレンの一方または両方を30〜70重量部を含む共重合体からなることを特徴とする36℃における比重が0.9〜1.05で酸素透過係数が40以上のコンタクトレンズである。
【0014】
また、本発明は、上記共重合体からなるコンタクトレンズの製造方法において、該コンタクトレンズの表面をプラズマ処理した後、該表面にラジカル重合性の官能基を有する親水性の単量体をグラフト重合する際に、過酸化物あるいは過酸化物と該過酸化物の分解促進剤を組み合わせて使用することを特徴とする低比重コンタクトレンズの製造方法である。
【0015】
本発明では、コンタクトレンズ表面に親水性モノマーをグラフト重合させることにより、装用サイクルに充分耐えられる親水処理による製造方法を提供し、コンタクトレンズの装用感を向上させている。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明では、第一成分としてシリコン原子含有量が10〜50%でラジカル重合性の官能基を分子中に1個有するシリコン系単量体が使用される。
【0017】
本発明に使用するシリコン系単量体の具体例として、ペンタメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、イソブチルヘキサメチルトリシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、2−メチル−4−トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、トリメチルシリルスチレン、2−メチル−4−トリメチルシリルスチレン、ペンタメチルジシロキサニルスチレン、2−メチル−4−ペンタメチルジシロキサニルスチレン、ヘプタメチルトリシロキサニルスチレン、2−メチル−4−ヘプタメチルトリシロキサニルスチレン、ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、2−メチル−4−ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、2−メチル−4−ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレン、2−メチル−4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレン、(トリメチルシロキシ)(ペンタメチルジシロキシ)メチルシリルスチレン、2−メチル−4−(トリメチルシロキシ)(ペンタメチルジシロキシ)メチルシリルスチレン、トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、2−メチル−4−トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、(トリス(トリメチルシロキシ)シロキサニル)(ビス(トリメチルシロキシ))シリルスチレン、2−メチル−4−(トリス(トリメチルシロキシ)シロキサニル)(ビス(トリメチルシロキシ))シリルスチレン、(ビス(ヘプタメチルトリシロキシ))メチルシリルスチレン、2−メチル−4−(ビス(ヘプタメチルトリシロキシ))メチルシリルスチレン、トリス(トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ)シリルスチレン、2−メチル−4−トリス(トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ)シリルスチレンなどが挙げられ、20〜70重量部で用いられる。
【0018】
次に、本発明の第二成分として上記記載のシリコン系単量体と共重合可能で、ラジカル重合性の官能基を分子中に2個以上有する単量体を使用する。
【0019】
本発明で使用するラジカル重合性の官能基を2個以上有する単量体の具体例として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、N,N−メチレンビス(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどが挙げられ、1〜5重量部で用いられる。
【0020】
次に、本発明の第三成分として上記記載のシリコン系単量体と共重合可能なアルキル(メタ)アクリレート、スチレンまたはアルキルスチレンを30〜70重量部で使用する。
【0021】
本発明で使用するアルキル(メタ)アクリレート及びアルキルスチレンの具体例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、3−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、6−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、7−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、2,11−ジメチルドデシル(メタ)アクリレート、2,7−ジメチル−4,5−ジエチルオクチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、i−ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、t−ブチルスチレンなどの直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル(メタ)アクリレート及びアルキルスチレンが挙げられる。
【0022】
更に、目的とするコンタクトレンズに要求される性質により、前記以外の共重合成分として各種単量体を使用することができる。
【0023】
例えば、得られるコンタクトレンズに親水性を付与させる場合には、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドンなどの親水性単量体を使用し、更に得られるコンタクトレンズ材料に耐汚染性を付与させるために、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレートなどのフルオロアルキル(メタ)アクリレートを使用し、機械的強度を向上させるために、ウレタン結合を有するラジカル重合性の(メタ)アクリレートがも使用することもできる。
【0024】
本発明の特徴である軽量さと酸素透過性を損なわないためにもこれら単量体は10重量部以下で使用するのが好ましい。
【0025】
本発明における共重合は、通常のラジカル重合により行うことができ、ラジカル重合開始剤として例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)に代表されるアゾ化合物や、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α,α′−ビス(ターシャリーブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルペルオキシ)ヘキサンに代表される過酸化物を使用することができる。
【0026】
重合はあらかじめコンタクトレンズ形状に調節されている型中に重合開始剤を含む単量体を注入し重合することも可能であるし、チューブ状の型中で重合をした後に目的とするコンタクトレンズに切削、研磨を施す方法も可能である。また、重合は一般に加熱重合が用いられるが、紫外線や、γ線照射による重合法も本発明の範囲内である。
【0027】
また、本発明により得られたコンタクトレンズに、水濡れ性を付与するためのプラズマ表面処理は次の方法により行う。
【0028】
親水化処理の第一工程として、酸素ガス、水素ガス、炭化水素ガス、有機化合物ガス、不活性ガスまたは空気を単独またはこれらを混合ガスとして使用した雰囲気中にコンタクトレンズを配置し、コンタクトレンズにプラズマを照射する。次に、第二工程として、ラジカル重合性の官能基を有する親水性単量体の0.1〜90重量%水溶液を調製し、これら親水性単量体水溶液にコンタクトレンズを浸漬してグラフト重合を行う。この時に重合開始剤として過酸化物を用いてグラフト重合させる。本発明の親水化処理に使用するラジカル重合性の官能基を有する親水性の単量体の具体例として、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルエチル(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
【0029】
また、本発明の親水性単量体水溶液に添加する重合開始剤の具体例として、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、P−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α′−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、及び過酸化水素などが挙げられ、これら過酸化物は単独で使用しても良いし過酸化物の分解促進剤と組み合わせても良い。過酸化物あるいは過酸化物と分解促進剤を組み合わせたものを使用することにより、コンタクトレンズ表面に均一なグラフト重合を可能にし、また短時間、低温で処理をすることも可能なのでコンタクトレンズ表面に悪影響を与えることが無い。分解促進剤の具体例としては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、五酸化バナジウム、ジメチルアニリン、4級アンモニウム塩、2価鉄塩などが挙げられる。
【0030】
また、本発明により得られたコンタクトレンズを後に染料により染色することや、プラズマ照射以外にも紫外線照射、オゾン照射による表面処理も可能である。
【0031】
次に、本発明における実施例を以下に示すが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
(実施例1〜7)
トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン(Si−St)、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(SiMA)、ジビニルベンゼン(DVB)、エチレングリコールジメタクリレート(ED)、t−ブチルメタクリレート(t−BuMA)、t−ブチルスチレン(t−BuSt)を表1に示すように調製し、2,2′−アゾビスイソブチロニトリルを0.2重量部添加した。
【0033】
上記各成分を均一になるように充分攪拌した後、内径15mm、深さ300mmのポリプロピレン製の試験管に注入し、窒素置換した後35℃から50℃を30分で昇温し、50℃を15時間保ちその後75℃まで8時間かけて昇温して重合させた。重合終了後、乾燥機内に移し90℃で一晩乾燥した後、ポリプロピレン製の試験管から離型し、90℃のシリコンオイル中に3時間浸漬した後、117℃の真空乾燥機で一晩乾燥し棒状の重合体を得た。得られた重合体を所定の厚さに切削し、更に研磨して物性評価サンプルを得た。
【0034】
比重、酸素透過係数(Dk)及び強度を評価した。その評価結果を表1に合わせて示す。また、評価方法は以下のようである。
【0035】
評価方法
・比重
日本シイベルヘグナー製自動比重測定装置を用いて36℃で測定した。
【0036】
・酸素透過係数(Dk) (10-11 cm3 ・cm/sec・cm2 ・mmHg)
MOCON社製OX−TRAN 100Aを用いて、研磨されたサンプルを36℃で測定した。
【0037】
【表1】
【0038】
表1に示した物性値より、実施例1〜7は涙液交換に適する低比重で酸素透過係数が高い優れたものであった。
【0039】
(比較例1〜5)
トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン(Si−St)、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(SiMA)、ジビニルベンゼン(DVB)、エチレングリコールジメタクリレート(ED)、t−ブチルメタクリレート(t−BuMA)、t−ブチルスチレン(t−BuSt)を表2に示すように調製し、実施例1〜7と同様にして共重合体を得、所定の厚さに切削し、更に研磨して物性評価サンプルを作製した。この物性評価サンプルを実施例1〜7と同様にして評価した。その評価結果を表2に合わせて示す。
【0040】
【表2】
【0041】
表2に示したように、シリコン原子含有量が10〜50%でラジカル重合性の官能基を有するシリコン系単量体の含有量が、20重量部未満または70重量部を越える場合、高酸素透過性かつ低比重な素材を得ることはできない。軽量でない場合、涙液交換が充分で角膜に負担のかからないコンタクトレンズは得られない。
【0042】
なお、ラジカル重合性の官能基を分子中に2個以上有する単量体が1量部未満では、架橋効果は得られない。
【0043】
(実施例8〜10、親水化処理)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリルアミド各3%水溶液を調製し、それぞれA,B,C溶液とした。実施例1で得られたコンタクトレンズに以下の条件下で酸素雰囲気下でプラズマを照射した。
【0044】
[プラズマ照射条件]
酸素流量:50mL/min
出力:30W
真空度:0.1 Torr
照射時間:3 min
【0045】
次に、各A,B,C溶液100重量部に対しt−ブチルパーオキシピバレートを0.01重量部添加し、これに実施例1で得られたプラズマ照射後のコンタクトレンズを50℃で30分間浸漬して、コンタクトレンズ表面の親水化処理をした。親水化処理したコンタクトレンズの接触角を協和界面化学製CONTACT−ANGLE METERを使用し液適法で測定した。更に、親水化処理の耐磨耗性を評価するために、研磨処理を施した。
【0046】
1回の研磨処理条件は、85g荷重、21Hz、5秒間とした。
【0047】
その結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
表3に示したように、研磨サイクルを30回繰り返しても処理直後の接触角とほとんど変わらない値を示し耐磨耗性に優れたものである。
【0050】
【発明の効果】
本発明のコンタクトレンズは、涙液交換に適する低比重な素材であり、かつ優れた酸素透過性を有するので角膜への負担が少ない。また、表面親水化処理による製造方法によれば、水濡れ性が長時間の使用でも低下しない装用感の良好なコンタクトレンズが提供できる。
Claims (2)
- 第一成分としてシリコン原子含有量が10〜50%でラジカル重合性の官能基を分子中に1個有するシリコン系単量体を20〜70重量部、第二成分としてラジカル重合性の官能基を分子中に2個以上有する単量体を1〜5重量部、第三成分としてt−ブチル(メタ)アクリレート及びt−ブチルスチレンの一方または両方を30〜70重量部を含む共重合体からなることを特徴とする36℃における比重が0.9〜1.05で酸素透過係数が40以上のコンタクトレンズ。
- 請求項1記載の共重合体からなるコンタクトレンズの製造方法において、該コンタクトレンズの表面をプラズマ処理した後、該表面にラジカル重合性の官能基を有する親水性の単量体をグラフト重合する際に、過酸化物あるいは過酸化物と該過酸化物の分解促進剤を組み合わせて使用することを特徴とする低比重コンタクトレンズの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13496698A JP4418539B2 (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 低比重コンタクトレンズ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP13496698A JP4418539B2 (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 低比重コンタクトレンズ及びその製造方法 |
Publications (2)
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