JP3063877B2 - 含水性ソフトコンタクトレンズ - Google Patents

含水性ソフトコンタクトレンズ

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JP3063877B2
JP3063877B2 JP5155562A JP15556293A JP3063877B2 JP 3063877 B2 JP3063877 B2 JP 3063877B2 JP 5155562 A JP5155562 A JP 5155562A JP 15556293 A JP15556293 A JP 15556293A JP 3063877 B2 JP3063877 B2 JP 3063877B2
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meth
acrylate
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尚孝 神谷
美雪 長縄
康人 菱田
靖 山本
康郎 樽見
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Menicon Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Menicon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含水性ソフトコンタク
トレンズに関する。さらに詳しくは、含水率に依存せず
に酸素透過性にすぐれた含水性ソフトコンタクトレンズ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、装用感のよいコンタクトレンズ材
料としては、一般に軟質材料が好ましいことが知られて
いる。前記軟質材料には、水を吸収して膨潤し、軟質化
する含水性の材料と、実質的に非含水性の材料とがあ
る。かかる含水性の材料は、素材自体が酸素を充分に透
過させるのではなく、含水した水によって酸素透過性が
依存したものであるため、その酸素透過係数が水の酸素
透過係数よりも大きくなることがない。
【0003】近年、含水性を有し、酸素透過性にすぐれ
たコンタクトレンズをうるための材料として、2-ヒドロ
キシエチルメタクリレート、グリセロールメタクリレー
ト、N,N-ジメチルアクリルアミドなどの親水性モノマー
とフッ素系(メタ)アクリレートとの共重合体からなる
ものや、該親水性モノマーとシリコン系(メタ)アクリ
レートとの共重合体からなるものが提案されている(特
開平3-179422号公報、特開平3-196117号公報、特開平3-
196118号公報)。
【0004】しかしながら、かかる親水性モノマーとフ
ッ素系(メタ)アクリレートとの共重合体や、親水性モ
ノマーとシリコン系(メタ)アクリレートとの共重合体
からなる材料の酸素透過性をさらに向上せしめるため
に、フッ素系(メタ)アクリレートやシリコン系(メ
タ)アクリレートの量を増加させると、えられる共重合
体がセミハードとなるため、かかる材料を用いて装用感
のよいコンタクトレンズをうることが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて、酸素透過性が含水率のみに
依存せず、柔軟性にすぐれ、良好な機械的強度を有する
コンタクトレンズをうるべく鋭意研究を重ねた結果、特
定のフルオロシリルスチレン誘導体、親水性モノマーお
よび必要によりシリコン含有モノマーを主成分とする共
重合成分からなる共重合体が前記性質を兼備することを
見出し、本発明を完成するにいたった。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)一般式(I):
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 およびR3 はそれぞれ独立してメチル基または−O
−Si(CH3 3 、R4 は炭素数1〜10のフルオロ
アルキル基を示し、その中にエーテル結合を有してもよ
い)で表わされるフルオロシリルスチレン誘導体25〜
80重量%、(B)親水性モノマー20〜75重量%お
よび(C)一般式(I)で表わされるフルオロシリルス
チレン誘導体以外のシリコン含有モノマー0〜55重量
%からなる共重合成分を重合してなる共重合体からなる
含水性ソフトコンタクトレンズに関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明のソフトコンタクトレンズ
は、前記したように、(A)一般式(I):
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 およびR3 はそれぞれ独立してメチル基または−O
−Si(CH3 3 、R4 は炭素数1〜10のフルオロ
アルキル基を示し、その中にエーテル結合を有してもよ
い)で表わされるフルオロシリルスチレン誘導体25〜
80重量%、(B)親水性モノマー20〜75重量%お
よび(C)一般式(I)で表わされるフルオロシリルス
チレン誘導体以外のシリコン含有モノマー0〜55重量
%からなる共重合成分を重合してなる共重合体で構成さ
れたものである。
【0012】前記フルオロシリルスチレン誘導体は、え
られるソフトコンタクトレンズにすぐれた酸素透過性を
付与するものである。
【0013】前記フルオロシリルスチレン誘導体は、前
記したように、一般式(I)で表わされる化合物であ
る。かかるフルオロシリルスチレン誘導体の具体例とし
ては、たとえばフルオロメチルジメチルシリルスチレ
ン、ジフルオロメチルジメチルシリルスチレン、トリフ
ルオロメチルジメチルシリルスチレン、フルオロプロピ
ルジメチルシリルスチレン、フルオロヘキシルジメチル
シリルスチレン、ジフルオロヘキシルジメチルシリルス
チレン、トリフルオロヘキシルジメチルシリルスチレ
ン、テトラフルオロヘキシルジメチルシリルスチレン、
ペンタフルオロヘキシルジメチルシリルスチレン、ヘキ
サフルオロヘキシルジメチルシリルスチレン、ヘプタフ
ルオロヘキシルジメチルシリルスチレン、オクタフルオ
ロヘキシルジメチルシリルスチレン、ノナフルオロヘキ
シルジメチルシリルスチレン、デカフルオロオクチルジ
メチルシリルスチレン、トリデカフルオロオクチルジメ
チルシリルスチレン、テトラデカフルオロオクチルジメ
チルシリルスチレン、ヘプタデカフルオロオクチルジメ
チルシリルスチレンなどのフルオロアルキルジメチルシ
リルスチレン;トリフルオロメチルビス[トリメチルシ
ロキシ]シリルスチレン、ヘプタフルオロプロピルビス
[トリメチルシロキシ]シリルスチレン、デカフルオロ
オクチルビス[トリメチルシロキシ]シリルスチレン、
トリデカフルオロオクチルビス[トリメチルシロキシ]
シリルスチレン、テトラデカフルオロオクチルビス[ト
リメチルシロキシ]シリルスチレン、ヘプタデカフルオ
ロオクチルビス[トリメチルシロキシ]シリルスチレン
などのフルオロアルキルビス[トリメチルシロキシ]シ
リルスチレン;トリフルオロメチルメチルトリメチルシ
ロキシシリルスチレン、ジフルオロメチルメチルトリメ
チルシロキシシリルスチレン、トリフルオロメチルメチ
ルトリメチルシロキシシリルスチレン、ヘプタフルオロ
プロピルメチルトリメチルシロキシシリルスチレン、ト
リデカフルオロヘキシルメチルトリメチルシロキシシリ
ルスチレン、デカフルオロオクチルメチルトリメチルシ
ロキシシリルスチレン、トリデカフルオロオクチルメチ
ルトリメチルシロキシシリルスチレン、ヘプタデカフル
オロオクチルメチルトリメチルシロキシシリルスチレン
などのフルオロアルキルメチルトリメチルシロキシシリ
ルスチレン;トリフルオロメトキシジフルオロメチルジ
メチルシリルスチレン、メトキシジフルオロメチルジメ
チルシリルスチレン、トリフルオロメトキシテトラフル
オロエチルジメチルシリルスチレン、ヘプタフルオロエ
トキシジフルオロエチルジメチルシリルスチレン、トリ
フルオロメトキシジフルオロメチルメチルトリメチルシ
ロキシシリルスチレンなどのアルコキシ基含有フルオロ
スチレン誘導体などがあげられる。
【0014】前記フルオロシリルスチレン誘導体のなか
では、えられるソフトコンタクトレンズが柔軟性、酸素
透過性およびおよび安定性にすぐれるという点で、ノナ
フルオロヘキシルジメチルシリルスチレンおよびトリデ
カフルオロオクチルジメチルシリルスチレンが好まし
い。
【0015】前記フルオロシリルスチレン誘導体の配合
量は、あまりにも少ないばあいには、えられるソフトコ
ンタクトレンズに充分な酸素透過性が付与されなくな
り、またあまりにも多いばあいには、ソフトコンタクト
レンズに求められる柔軟性が付与されなくなるので、共
重合成分全量の25〜80重量%、好ましくは30〜7
0重量%である。
【0016】前記親水性モノマーは、えられるソフトコ
ンタクトレンズに親水性や含水性を付与する目的で用い
られる。
【0017】かかる親水性モノマーの具体例としては、
たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ジヒドロキシブチル(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど
の水酸基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル
酸;N−ビニルピロリドン、α−メチレン−N−メチル
ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)
アクリロイルピロリドンなどのビニルラクタム類;(メ
タ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミドなどの(メタ)アクリルアミド;アミノエチル(メ
タ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、2−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどのアミノアルキル(メタ)アクリレート;メト
キシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレートなどのアルコキシ基含有(メタ)アク
リレート;無水マレイン酸;マレイン酸;フマル酸;フ
マル酸誘導体;アミノスチレン;ヒドロキシスチレンな
どがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合し
て用いることができる。
【0018】前記親水性モノマーのなかでは、透明性に
すぐれ、切削加工が容易なソフトコンタクトレンズをう
ることができるという点で、N,N-ジメチルアクリルアミ
ドおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ま
しく、とくにN,N-ジメチルアクリルアミドが好ましい。
【0019】なお、本明細書にいう「〜(メタ)アクリ
レート」とは、「〜アクリレートおよび/または〜メタ
クリレート」を意味し、他の(メタ)アクリレート誘導
体についても同様である。
【0020】前記親水性モノマーの配合量は、あまりに
も少ないばあいには、えられるソフトコンタクトレンズ
に親水性が充分に付与されず、含水率が低下するように
なり、またあまりにも多いばあいには、えられるソフト
コンタクトレンズに充分な酸素透過性が付与されず、ま
た酸素透過性が含水している水に依存し、酸素透過性の
向上に限界をきたすようになるので、共重合成分全量の
20〜75重量%、好ましくは30〜70重量%であ
る。
【0021】前記一般式(I)で表わされるフルオロシ
リルスチレン誘導体以外のシリコン含有モノマーは、え
られるソフトコンタクトレンズの機械的強度を向上し、
酸素透過性を向上せしめる成分である。
【0022】前記シリコン含有モノマーとしては、たと
えばシリコン含有(メタ)アクリレート、一般式(I)
で表わされるフルオロシリルスチレン誘導体以外のシリ
コン含有スチレン誘導体、シリコン含有フマレートなど
があげられる。
【0023】前記シリコン含有(メタ)アクリレートと
しては、たとえばトリメチルシロキシジメチルシリルメ
チル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシジメチ
ルシリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス
(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリ
レート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
(メタ)アクリレート、モノ[メチルビス(トリメチル
シロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピル(メタ)アクリレート、トリス[メチルビス
(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルプロピル(メ
タ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)
シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリ
ス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリル
(メタ)アクリレート、モノ[メチルビス(トリメチル
シロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリメチ
ルシリルエチルテトラメチルジシロキシプロピルグリセ
リル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルメチル
(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メ
タ)アクリレート、トリメチルシリルプロピルグリセリ
ル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシジメチル
シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、メチ
ルビス(トリメチルシロキシ)シリルエチルテトラメチ
ルジシロキシメチル(メタ)アクリレート、テトラメチ
ルトリイソプロピルシクロテトラシロキサニルプロピル
(メタ)アクリレート、テトラメチルトリイソプロピル
シクロテトラシロキシビス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0024】前記一般式(I)で表わされるフルオロシ
リルスチレン誘導体以外のシリコン含有スチレン誘導体
としては、たとえば一般式(II):
【0025】
【化4】
【0026】(式中、pは1〜15の整数、qは0または
1、rは1〜15の整数を示す(ただし、q=0かつr=
1のばあいを除く))で表わされるオルガノポリシロキ
サン含有スチレン誘導体などがあげられる。一般式(I
I)で表わされるオルガノポリシロキサン含有スチレン
誘導体においては、pまたはrが16以上の整数であるば
あいには、その精製や合成が困難となり、さらにはえら
れる含水性ソフトコンタクトレンズの硬度が低下する傾
向があり、またqが2以上の整数であるばあいには、該
オルガノポリシロキサン含有スチレン誘導体の合成が困
難となる傾向がある。
【0027】前記一般式(II)で表わされるオルガノポ
リシロキサン含有スチレン誘導体の代表例としては、た
とえばトリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、
ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレン、
(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルスチレン、トリ
ス(トリメチルシロキシ)シロキシジメチルシリルスチ
レン、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシロキシ]
ジメチルシリルスチレン、(トリメチルシロキシ)ジメ
チルシリルスチレン、ヘプタメチルトリシロキサニルス
チレン、ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、ペン
タデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、ヘンエイコ
サメチルデカシロキサニルスチレン、ヘプタコサメチル
トリデカシロキサニルスチレン、ヘントリアコンタメチ
ルペンタデカシロキサニルスチレン、トリメチルシロキ
シペンタメチルジシロキシメチルシリルスチレン、トリ
ス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、トリス
(トリメチルシロキシ)シロキシビス(トリメチルシロ
キシ)シリルスチレン、ビス(ヘプタメチルトリシロキ
シ)メチルシリルスチレン、トリス[メチルビス(トリ
メチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、トリメチ
ルシロキシビス[トリス(トリメチルシロキシ)シロキ
シ]シリルスチレン、ヘプタキス(トリメチルシロキ
シ)トリシリルスチレン、ノナメチルテトラシロキシウ
ンデシルメチルペンタシロキシメチルシリルスチレン、
トリス[トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリ
ルスチレン、(トリストリメチルシロキシヘキサメチ
ル)テトラシロキシ[トリス(トリメチルシロキシ)シ
ロキシ]トリメチルシロキシシリルスチレン、ノナキス
(トリメチルシロキシ)テトラシリルスチレン、ビス
(トリデカメチルヘキサシロキシ)メチルシリルスチレ
ン、ヘプタメチルシクロテトラシロキサニルスチレン、
ヘプタメチルシクロテトラシロキシビス(トリメチルシ
ロキシ)シリルスチレン、トリプロピルテトラメチルシ
クロテトラシロキサニルスチレンなどがあげられる。
【0028】前記シリコン含有フマレートは、同一分子
内にフルオロアルキル基とシリコン含有アルキル基を有
していることが、共重合体の酸素透過性を高めるうえで
好ましい。該シリコン含有フマレートの代表例として
は、たとえば一般式(III) :
【0029】
【化5】
【0030】(式中、R5 は一般式(IV):
【0031】
【化6】
【0032】(式中、m1 は1または3、X1 、Y1
よびZ1 はそれぞれメチル基または式(V) :
【0033】
【化7】
【0034】を示す)で表わされる基、R6 は一般式(V
I):
【0035】
【化8】
【0036】(式中、kは0〜3の整数、aは1〜12の
整数、bは0または1を示す)で表わされる基を示す)
で表わされるものなどがあげられる。かかるシリコン含
有フマレートの具体例としては、たとえばトリフルオロ
エチル(トリメチルシリルメチル)フマレート、トリフ
ルオロエチル(トリメチルシリルプロピル)フマレー
ト、ヘキサフルオロイソプロピル(トリメチルシリルメ
チル)フマレート、ヘキサフルオロイソプロピル(トリ
メチルシリルプロピル)フマレート、オクタフルオロペ
ンチル(トリメチルシリルメチル)フマレート、オクタ
フルオロペンチル(トリメチルシリルプロピル)フマレ
ート、トリフルオロエチル(ペンタメチルジシロキサニ
ルメチル)フマレート、トリフルオロエチル(ペンタメ
チルジシロキサニルプロピル)フマレート、ヘキサフル
オロイソプロピル(ペンタメチルジシロキサニルメチ
ル)フマレート、ヘキサフルオロイソプロピル(ペンタ
メチルジシロキサニルプロピル)フマレート、オクタフ
ルオロペンチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)
フマレート、オクタフルオロペンチル(ペンタメチルジ
シロキサニルプロピル)フマレート、トリフルオロエチ
ル(テトラメチル(トリメチルシロキシ)ジシロキサニ
ルメチル)フマレート、トリフルオロエチル(テトラメ
チル(トリメチルシロキシ)ジシロキサニルプロピル)
フマレート、ヘキサフルオロイソプロピル(テトラメチ
ル(トリメチルシロキシ)ジシロキサニルメチル)フマ
レート、ヘキサフルオロイソプロピル(テトラメチル
(トリメチルシロキシ)ジシロキサニルプロピル)フマ
レート、オクタフルオロペンチル(テトラメチル(トリ
メチルシロキシ)ジシロキサニルメチル)フマレート、
オクタフルオロペンチル(テトラメチル(トリメチルシ
ロキシ)ジシロキサニルプロピル)フマレート、トリフ
ルオロエチル(トリス(トリメチルシロキシ)シリルメ
チル)フマレート、トリフルオロエチル(トリス(トリ
メチルシロキシ)シリルプロピル)フマレート、ヘキサ
フルオロイソプロピル(トリス(トリメチルシロキシ)
シリルメチル)フマレート、ヘキサフルオロイソプロピ
ル(トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル)フ
マレート、オクタフルオロペンチル(トリス(トリメチ
ルシロキシ)シリルメチル(フマレート、オクタフルオ
ロペンチル(トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロ
ピル)フマレートなどがあげられる。これらのシリコン
含有モノマーは単独でまたは2種以上を混合して用いる
ことができるが、かかるシリコン含有モノマーのなかで
は、少なくとも酸素透過性を低下させずに機械的強度が
良好なソフトコンタクトレンズをうることができるとい
う点で、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
(メタ)アクリレートなどのオルガノポリシロキサン含
有アルキル(メタ)アクリレートおよびトリス(トリメ
チルシロキシ)シリルスチレンなどのオルガノポリシロ
キサン含有スチレン誘導体が好ましく用いられる。
【0037】前記一般式(I)で表わされるフルオロシ
リルスチレン誘導体以外のシリコン含有モノマーの配合
量は、共重合成分全量の0〜55重量%、好ましくは1
0〜55重量%、さらに好ましくは10〜20重量%で
ある。かかるシリコン含有モノマーの配合量が55重量
%をこえるばあいには、前記フルオロシリルスチレン誘
導体と親水性モノマーとの合計使用量が相対的に少なく
なって、本発明の目的とする含水性ソフトコンタクトレ
ンズをうることが困難となる傾向がある。また、シリコ
ン含有モノマーを配合したことによる効果を充分に発現
せしめるためには、かかるシリコン含有モノマーを10
重量%以上用いることが望ましい。
【0038】本発明においては、フルオロシリルスチレ
ン誘導体と親水性モノマーとを主成分とする共重合成
分、また必要に応じてさらにシリコン含有モノマーを共
重合成分として用い、共重合することによって共重合体
がえられるが、これらのほかにもこれら共重合成分と共
重合可能な不飽和二重結合を有するモノマー(以下、他
の共重合成分という)を用いることができる。
【0039】かかる他の共重合成分は、えられる含水性
ソフトコンタクトレンズに、さらに硬質性や軟質性を付
与したり、さらには抗脂質汚染性などを付与したり、架
橋してさらに向上した強度と耐久性を付与したり、紫外
線吸収能を付与したり、色を付与したりする目的で用い
られる。
【0040】たとえば、補強剤として硬度を調節してさ
らに硬質性または軟質性や柔軟性を付与するばあいに
は、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メ
タ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-
ドデシル(メタ)アクリレート、tert- ブチル(メタ)
アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、tert-
ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アク
リレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アク
リレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、
2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、エチルチオエチル(メ
タ)アクリレート、メチルチオエチル(メタ)アクリレ
ートなどの直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル(メ
タ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリ
レート、アルキルチオアルキル(メタ)アクリレート;
スチレン;α- メチルスチレン;メチルスチレン、エチ
ルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、tert
- ブチルスチレン、イソブチルスチレン、ペンチルスチ
レンなどのアルキルスチレン;メチル- α- メチルスチ
レン、エチル- α- メチルスチレン、プロピル- α- メ
チルスチレン、ブチル- α- メチルスチレン、tert- ブ
チル- α- メチルスチレン、イソブチル- α- メチルス
チレン、ペンチル- α- メチルスチレンなどのアルキル
- α- メチルスチレンなどの1種または2種以上が選択
して用いられる。これらの他の共重合成分の配合量は、
共重合成分全量の40重量%以下、なかんづく20重量
%以下であることが好ましい。かかる配合量が40重量
%をこえるばあいには、相対的に前記一般式(I)で表わ
されるフルオロシリルスチレン誘導体の使用量が少なく
なって酸素透過性や機械的強度が低下する傾向がある。
【0041】また、えられる含水性ソフトコンタクトレ
ンズにさらに抗脂質汚染性を付与させるばあいには、た
とえば一般式(VII) : CH2 =CR7 COOCs (2s-t+1)t (VII) (式中、Rは水素原子またはメチル基、sは1〜1
5の整数、tは1〜(2s+1)の整数を示す)で表わされ
るフルオロアルキル(メタ)アクリレート、フルオロア
ルキルスチレンなどのフッ素含有モノマーなどが用いら
れる。
【0042】前記一般式(VII) で表わされるフルオロア
ルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、たとえ
ば2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,
2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、
2,2,3,3-テトラフルオロ-t-ペンチル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル(メタ)アク
リレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-t- ヘキシル
(メタ)アクリレート、2,3,4,5,5,5-ヘキサフルオロ-
2,4-ビス(トリフルオロメチル)ペンチル(メタ)アク
リレート、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロブチル(メタ)
アクリレート、 2,2,2,2′,2′,2′- ヘキサフルオロイ
ソプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4-ヘプ
タフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,
5,5-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,
2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル(メタ)アクリ
レート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロヘプ
チル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8-
ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチル(メ
タ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7-トリデ
カフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10-ヘキサデカフルオロデシル
(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,
10,10,10- ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレ
ート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11-オク
タデカフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11- ノナデカフ
ルオロウンデシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12-エイコサフルオロ
ドデシル(メタ)アクリレートなどがあげられ、また前
記フルオロアルキルスチレンの具体例としては、たとえ
ばp−トリフルオロメチルスチレン、p−ヘプタフルオ
ロプロピルスチレン、p−ペンタフルオロエチルスチレ
ンなどがあげられる。
【0043】前記フッ素含有モノマーの配合量は、共重
合成分全量の40重量%以下、好ましくは20重量%以下で
あることが望ましい。かかる配合量が40重量%をこえる
ばあいには、相対的に前記一般式(I) で表わされるフル
オロシリルスチレン誘導体の使用量が少なくなって高酸
素透過性および高機械的強度が望めなくなる傾向があ
る。
【0044】また、えられる含水性ソフトコンタクトレ
ンズにさらに向上した機械的強度と耐久性を付与させる
ばあいには、他の共重合成分として、たとえばエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチルア
クリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、
アジピン酸ジアリル、トリアリルイソシアヌレート、α
- メチレン-N- ビニルピロリドン、4-ビニルベンジル
(メタ)アクリレート、3-ビニルベンジル(メタ)アク
リレート、2,2-ビス(p-(メタ)アクリロイルオキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(m-(メ
タ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、2,2-ビス(o-(メタ)アクリロイルオキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(p-(メタ)ア
クリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(m-
(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2-
ビス(o-(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパ
ン、1,4-ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシヘキサフ
ルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3-ビス(2-(メタ)
アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベン
ゼン、1,2-ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシヘキサ
フルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4-ビス(2-(メ
タ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3-
ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、1,2-ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシイソ
プロピル)ベンゼンなどの架橋剤を用いることができ、
これらの架橋剤は通常単独でまたは2種以上を混合して
用いられる。前記架橋剤の配合量は、共重合成分全量 1
00重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3
重量部であることが望ましい。かかる架橋剤の配合量が
0.01重量部未満であるばあいには、該架橋剤を配合した
ことによる効果が充分に発揮されなくなる傾向があり、
また5重量部をこえるばあいには、えられる含水性ソフ
トコンタクトレンズが脆くなる傾向がある。
【0045】また、えられる含水性ソフトコンタクトレ
ンズに、紫外線吸収性を付与するために、他の共重合成
分として、たとえば特開平3-122612号公報に記載の重合
性紫外線吸収剤、重合性紫外線吸収色素などを単独でま
たは2種以上を混合して用いてもよい。
【0046】前記重合性紫外線吸収剤および重合性紫外
線吸収色素の配合量は、ソフトコンタクトレンズの厚さ
に大きく影響されるため、共重合成分全量 100重量部に
対して3重量部以下、なかんづく0.1 〜2重量部である
ことが好ましい。かかる配合量が3重量部をこえるばあ
いには、えられるソフトコンタクトレンズの物性、たと
えば機械的強度などが低下する傾向があり、また紫外線
吸収剤の毒性も考慮すれば、生体組織に直接接触するソ
フトコンタクトレンズとしては適さなくなる傾向があ
る。
【0047】またえられる含水性ソフトコンタクトレン
ズを着色するために、他の共重合成分として、たとえば
特開平3-122612号公報に記載の重合性色素を単独でまた
は2種以上を混合して用いてもよい。
【0048】前記重合性色素の配合量が多すぎるばあい
には、ソフトコンタクトレンズの色が濃くなりすぎて透
明性が低下し、ソフトコンタクトレンズが可視光線を透
過しにくくなる傾向があるので、かかる配合量は、共重
合成分全量100 重量部に対して1重量部以下、なかんづ
く0.005 〜0.5 重量部であることが好ましい。
【0049】前記フルオロシリルスチレン誘導体および
親水性モノマーをはじめとし、前記シリコン含有モノマ
ー、他の共重合成分などは、その成分量を適宜調整して
共重合に供せられる。
【0050】本発明では、フルオロシリルスチレン誘導
体、親水性モノマー、シリコン含有モノマー、さらに必
要に応じて他の共重合成分などを前記使用量の範囲内で
所望量を調整し、これにラジカル重合開始剤を添加して
通常の方法で重合することにより、共重合体をうること
ができる。
【0051】前記通常の方法とは、たとえばラジカル重
合開始剤を配合したのち、室温〜約120 ℃の温度範囲で
徐々に加熱するか、マイクロ波、紫外線、放射線(γ
線)などの電磁波を照射して行なう方法である。加熱重
合させるばあいには、段階的に昇温させてもよい。重合
は塊状重合法によってなされてもよいし、溶媒などを用
いた溶液重合法によってなされてもよく、またその他の
方法によってなされてもよい。
【0052】前記ラジカル重合開始剤の具体例として
は、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジ
メチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、te
rt- ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイドなどがあげられ、これらラジカル重合開始
剤は単独でまたは2種以上を併用して用いられる。な
お、光線などを利用して重合させるばあいには、光重合
開始剤や増感剤をさらに添加するのがよい。前記重合開
始剤や増感剤の配合量は、共重合成分全量 100重量部に
対して約 0.001〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部
であることが適切である。
【0053】ソフトコンタクトレンズに成形する方法と
しては、当業者が通常行なっている成形方法が採用され
る。かかる成形方法としては、たとえば切削加工法や鋳
型(モールド)法などがある。切削加工法は、重合を適
当な型または容器中で行ない、棒状、ブロック状、板状
の素材(重合体)をえたのち、切削加工、研磨加工など
の機械的加工により所望の形状に加工する方法である。
また鋳型法は、所望のレンズの形状に対応した型を用意
し、この型のなかで前記共重合成分の重合を行なって成
形物をえ、必要に応じて機械的に仕上げ加工を施す方法
である。
【0054】また、これらの方法とは別に、たとえばレ
ンズ材料に硬質ポリマーを与えるモノマーを含浸させ、
しかるのちに該モノマーを重合せしめ、全体をより硬質
化し、切削加工を施し、所望の形状に加工した成形品か
ら硬質ポリマーを除去し、レンズ材料からなる成形品を
うる方法(特開昭62-2780241号公報、特開平1-11854号
公報)なども本発明において適用することができる。
【0055】つぎに本発明の含水性ソフトコンタクトレ
ンズを実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0056】実施例1 p-(3,3,4,4,5,5,6,6,6- ノナフルオロヘキシルジメチル
シリル)スチレン40重量部、N,N-ジメチルアクリルア
ミド60重量部およびエチレングリコールジメタクリレ
ート0.5 重量部を混合し、重合開始剤として 2,2´- ア
ゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)0.1 重量部を均
一に混合し、透明な溶液をえた。これをガラス製の試験
管内に注入した。
【0057】つぎに、かかる試験管を循環式恒温水槽内
に移し、30℃で24時間、40℃で16時間、50℃
で8時間加熱したのち、循環式乾燥機内に移して50℃
で5時間保ち、1.5 時間あたり10℃の割合で 120℃ま
で昇温させて3時間保持して重合を行ない、直径13.5mm
の棒状の共重合体をえた。
【0058】えられた棒状の共重合体を水和処理後に所
望の厚さになるように切削し、試験片を作製した。この
試験片の各種物性を以下の方法にしたがって調べた。そ
の結果を表1に示す。
【0059】(イ)酸素透過係数(DK0.2 ) 理科精機工業(株)製の製科研式フィルム酸素透過率計
を用いて35℃の生理食塩水中にて試験片の酸素透過係
数を測定した。なお、酸素透過係数の単位はml(STP) ・
cm2 /(cm3 ・sec ・mmHg)であり、表1中の酸素透過
係数は、試験片の厚さが0.2mm のときの酸素透過係数の
値に1011を乗じた数値である。
【0060】(ロ)含水率 試験片を水和処理したのち、次式にしたがって試験片の
含水率(重量%)を測定した。
【0061】
【数1】
【0062】ただし、Wは水和処理後の平衡含水状態で
の試験片の重量(g)、Wo は水和処理後、乾燥器中に
て乾燥した乾燥状態での試験片の重量(g)を表わす。
【0063】(ハ)屈折率 (株)アタゴ製のアッベ屈折率計1Tを用いて温度25
℃の条件下で屈折率(単位なし)を測定した。
【0064】(ニ)ロックウェル硬度 厚さ4mmの試験片を用いてロックウェルスーパーフィシ
ャル硬度計(ASD、明石製作所(株)製)により、荷
重30kg、圧子1/4インチ、25℃の条件下でロッ
クウェル硬度(単位なし)を測定した。
【0065】なお、切削性の点から、ロックウェル硬度
は35以上、なかんづく40以上であることが好まし
い。
【0066】(ホ)ゴム硬度 直径12.7mm、厚さ5mmの両平面が平滑に仕上げられた円
柱上の試料を室温にて0.9 %食塩水中に約2週間浸漬し
たのち、JIS K−6301「加硫ゴム物理試験方法」の
スプリング式硬さ試験(A型)に準拠してゴム硬度(単
位なし)を測定した。
【0067】(ヘ)突抜荷重 突抜強度試験機を用いて試験片の中央部へ直径1/16イ
ンチの押圧針をあて、試験片の破断時の荷重(g)を測
定した。ただし、表1中の値は、試験片の厚さを0.2mm
として換算した値である。
【0068】(ト)伸び率 前記突抜荷重(g)の測定時において、試験片の破断時
の伸び率(%)を測定した。
【0069】実施例2〜9および比較例1〜3 実施例1と同様にして表1に示す組成となるように各種
成分を混合して重合を行ない、棒状の共重合体をえたの
ち、これに切削加工を施して試験片をえた。えられた試
験片の各種物性を実施例1と同様にして調べた。その結
果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】なお、表1中の略語は以下に示すとおりで
ある。
【0072】FSSt1:p-(3,3,4,4,5,5,6,6,6- ノナ
フルオロヘキシルジメチルシリル)スチレン FSSt2:p-(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8- トリデカ
フルオロオクチルジメチルシリル)スチレン DMAA:N,N-ジメチルアクリルアミド HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート HBMA:2-ヒドロキシブチルメタクリレート NVP:N-ビニル-2- ピロリドン SMA:トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
メタクリレート SSt:トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン MMA:メチルメタクリレート VAc:酢酸ビニル EDMA:エチレングリコールジメタクリレート V−65: 2,2´- アゾビス(2,4-ジメチルバレロニト
リル) 表1に示された結果から以下のことが明らかである。
【0073】まず、実施例1〜6の結果から、フルオロ
シリルスチレン誘導体と親水性モノマーとを用いてえら
れたソフトコンタクトレンズは、酸素透過係数が含水率
に依存せずに高値を保ち、その他の各種物性にもすぐれ
たものであることがわかる。また、実施例7の結果か
ら、前記フルオロシリルスチレン誘導体と2種以上の親
水性モノマーとを組み合わせて用いたばあいにも、ソフ
トコンタクトレンズとしてすぐれた物性を有するものが
えられることがわかる。
【0074】つぎに実施例1〜6と8および9との結果
から、フルオロシリルスチレン誘導体と親水性モノマー
とに前記一般式(I)で表わされるフルオロシリルスチ
レン誘導体以外のシリコン含有モノマーを配合したばあ
いには、より高い酸素透過性が付与されることがわか
る。
【0075】比較例1〜3は、従来のソフトコンタクト
レンズの配合成分によるものの例であるが、いずれも酸
素透過係数が含水率に依存しており、含水率60〜70
重量%、35〜40重量%における酸素透過性は、各実
施例と比べていちじるしく劣るものであることがわか
る。
【0076】
【発明の効果】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズ
は、すぐれた酸素透過性が、含水率に依存することなく
安定して供給されるため、装用したときに角膜の代謝機
能を損なわないという効果を奏する。さらに、本発明の
含水性ソフトコンタクトレンズは、柔軟性にすぐれ、良
好な機械的強度を有するものであるため、形状安定性が
良好で、種々の処理に対しても破損しにくいものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菱田 康人 愛知県名古屋市西区枇杷島三丁目12番7 号 株式会社メニコン 枇杷島研究所内 (72)発明者 山本 靖 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 樽見 康郎 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平2−198415(JP,A) 特開 平4−120110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02C 1/00 - 13/00 CAPLUS(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 およびR
    3 はそれぞれ独立してメチル基または−O−Si(CH
    3 3 、R4 は炭素数1〜10のフルオロアルキル基を
    示し、その中にエーテル結合を有してもよい)で表わさ
    れるフルオロシリルスチレン誘導体25〜80重量%、
    (B)親水性モノマー20〜75重量%および(C)一
    般式(I)で表わされるフルオロシリルスチレン誘導体
    以外のシリコン含有モノマー0〜55重量%からなる共
    重合成分を重合してなる共重合体からなる含水性ソフト
    コンタクトレンズ。
  2. 【請求項2】 共重合成分がアルキル(メタ)アクリレ
    ート、フルオロアルキル(メタ)アクリレート、アルキ
    ルスチレンおよびフルオロアルキルスチレンから選ばれ
    た疎水性モノマーを含有したものである請求項1記載の
    含水性ソフトコンタクトレンズ。
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