JP3084180B2 - コンタクトレンズ - Google Patents

コンタクトレンズ

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JP3084180B2
JP3084180B2 JP05207838A JP20783893A JP3084180B2 JP 3084180 B2 JP3084180 B2 JP 3084180B2 JP 05207838 A JP05207838 A JP 05207838A JP 20783893 A JP20783893 A JP 20783893A JP 3084180 B2 JP3084180 B2 JP 3084180B2
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meth
acrylate
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fumarate
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尚孝 神谷
美雪 長縄
康郎 樽見
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Menicon Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Menicon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンタクトレンズに関
する。さらに詳しくは、酸素透過性が高く、耐汚染性に
すぐれたコンタクトレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハードコンタクトレンズの酸素透
過性を向上させたものとして、側鎖にシロキサン結合を
有する(メタ)アクリレートを主成分とし、メチルメタ
クリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートを共重
合させたハードコンタクトレンズが知られている。
【0003】しかしながら、かかるハードコンタクトレ
ンズは、タンパク質や脂質の付着がおこるうえに、酸素
透過性が不充分であった。
【0004】そこで、より一層の酸素透過性の向上が図
られたハードコンタクトレンズとして、シロキサン結合
を有する(メタ)アクリレートとフッ素含有(メタ)ア
クリレートの共重合体からなるハードコンタクトレンズ
が提案されており、今日のハードコンタクトレンズの主
流をなしている。
【0005】前記ハードコンタクトレンズは、確かに酸
素透過性にすぐれたものであるが、さらに一層酸素透過
性にすぐれたハードコンタクトレンズの開発が期待され
ている。
【0006】また、従来、ソフトコンタクトレンズとし
ては、ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニルピ
ロリドンなどを主成分とした共重合体からなるものが主
として提案されている。
【0007】しかしながら、かかるソフトコンタクトレ
ンズは、酸素透過性が充分ではないため、酸素透過性を
補うことを目的としてさらに含水率を高めたものが提案
されているが、含水率を高めたばあいには、該ソフトコ
ンタクトレンズが雑菌などによって汚染されやすくなる
という問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、酸素透過性が高く、耐
汚染性にすぐれたハードコンタクトレンズや、従来と同
程度の含水率であっても酸素透過性にすぐれると同時
に、耐汚染性にもすぐれたソフトコンタクトレンズを提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式(I):
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1は水素原子またはメチル基、
nは0または1を示す)で表わされる含フッ素シリコー
ンを必須成分とした共重合成分を重合した共重合体から
り、該含フッ素シリコーンの量が全共重合成分100
重量部に対して20〜80重量部であるコンタクトレン
ズに関する。
【0012】
【作用および実施例】本発明のコンタクトレンズは、前
記したように、一般式(I):
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R1は水素原子またはメチル基、
nは0または1を示す)で表わされる含フッ素シリコー
ンを必須成分とした共重合成分を重合した共重合体から
り、該含フッ素シリコーンの量が全共重合成分100
重量部に対して20〜80重量部であるものである。
【0015】前記一般式(I)で表わされる含フッ素シ
リコーンの具体例としては、
【0016】
【化4】
【0017】があげられ、これらの含フッ素シリコーン
は、たとえば一般式(II):
【0018】
【化5】
【0019】(式中、R1 およびnは前記と同じ)で表
わされる含フッ素シリコーンと、トリメチルクロロシラ
ンとを反応させることによってえられる。
【0020】本発明においては、前記一般式(I)で表
わされる含フッ素シリコーンを必須成分として用いた点
に大きな特徴があり、かかる含フッ素シリコーンを用い
たばあいには、えられるコンタクトレンズは、酸素透過
性が高く、耐汚染性にすぐれたものとなる。
【0021】前記一般式(I)で表わされる含フッ素シ
リコーンの配合量は、あまりにも少ないばあいには、高
酸素透過性のコンタクトレンズがえられにくくなり、ま
た耐汚染性の向上効果が発現されにくくなり、またあま
りにも多いばあいには、ハードコンタクトレンズのばあ
いには機械的強度が低下し、ソフトコンタクトレンズの
ばあいにはそれをうるために通常用いられる親水性成分
の配合量が相対的に少なくなり、柔軟性に劣るようにな
るので、その他の共重合成分の種類にもよるが、通常全
共重合成分100部(重量部、以下同様)に対して20
〜80部、なかんづく30〜75部である。
【0022】前記含フッ素シリコーン以外の共重合成分
としては、たとえばアルキル(メタ)アクリレート、フ
ルオロアルキル(メタ)アクリレート、シリコン含有
(メタ)アクリレート、スチレン、アルキルスチレン、
フルオロアルキルスチレン、シリコン含有スチレン、
(メタ)アクリルアミド、N−ビニルラクタムなどがあ
げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。これらのその他の共重合成分は、えら
れるコンタクトレンズに要求される性質に応じて適宜選
択して用いることが好ましい。
【0023】なお、本発明のコンタクトレンズに用いら
れる前記含フッ素シリコーン以外の共重合成分の総量
は、共重合成分全量から含フッ素シリコーンの使用量を
除いた量である。
【0024】たとえば、硬度を調節して硬質性または軟
質性や柔軟性をえられるコンタクトレンズに付与するば
あいには、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリ
レート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−
オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)ア
クリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、te
rt−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)
アクリレート、tert−ペンチル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)
アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−
エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−エトキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メ
タ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アク
リレート、エチルチオエチル(メタ)アクリレート、メ
チルチオエチル(メタ)アクリレートなどの直鎖状、分
岐鎖状または環状のアルキル(メタ)アクリレート、ア
ルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキルチオ
アルキル(メタ)アクリレート;スチレン;α−メチル
スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、プロピル
スチレン、n−ブチルスチレン、t−ブチルスチレン、
イソブチルスチレン、ペンチルスチレン、メチル−α−
メチルスチレン、エチル−α−メチルスチレン、プロピ
ル−α−メチルスチレン、ブチル−α−メチルスチレ
ン、t−ブチル−α−メチルスチレン、イソブチル−α
−メチルスチレン、ペンチル−α−メチルスチレンなど
のアルキルスチレンなどがあげられ、これらは単独でま
たは2種以上を混合して用いることができる。これらの
他の共重合成分の配合量は、全共重合成分100部に対
して5〜60部、なかんづく10〜50部であることが
好ましい。かかる配合量は、前記下限値よりも少ないば
あいには、えられるコンタクトレンズが脆くなる傾向が
あり、また前記上限値よりも多いばあいには、相対的に
前記含フッ素シリコーンの配合量が少なくなってコンタ
クトレンズの酸素透過性が低下する傾向がある。
【0025】また、えられるコンタクトレンズにさらに
酸素透過性を補助的に付与させるばあいには、たとえば
ペンタメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレー
ト、トリメチルシロキシジメチルシリルプロピル(メ
タ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)
シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメ
チルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、
モノ(メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ)ビ
ス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アク
リレート、トリス[メチルビス(トリメチルシロキシ)
シロキシ]シリルプロピル(メタ)アクリレート、メチ
ル[ビス(トリメチルシロキシ)]シリルプロピルグリ
セリル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロ
キシ)シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレー
ト、モノ[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキ
シ]ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセ
リル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルエチルテ
トラメチルジシロキサニルプロピルグリセリル(メタ)
アクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリ
レート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレー
ト、トリメチルシリルプロピルグリセリル(メタ)アク
リレート、ペンタメチルジシロキサニルプロピルグリセ
リル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシ
ロキシ)シリルエチルテトラメチルジシロキサニルメチ
ル(メタ)アクリレート、テトラメチルトリイソプロピ
ルシクロテトラシロキサニルプロピル(メタ)アクリレ
ート、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロ
キシビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メ
タ)アクリレート、トリメチルシロキシジメチルシリル
プロピル(メタ)アクリレートなどのシリコン含有(メ
タ)アクリレート;トリメチルビニルシランなどのアル
キルビニルシラン;一般式(III):
【0026】
【化6】
【0027】(式中、pは1〜15の整数、qは0また
は1、rは1〜15の整数を示す)で表わされるシリコ
ン含有スチレンなどが用いられる。一般式(III)で
表わされるシリコン含有スチレンにおいては、pまたは
rが16以上の整数であるばあいには、その精製や合成
が困難となり、さらにはえられるコンタクトレンズの硬
度が低下する傾向があり、またqが2以上の整数である
ばあいには、該シリコン含有スチレンの合成が困難とな
る傾向がある。
【0028】前記一般式(III)で表わされるシリコ
ン含有スチレンの代表例としては、たとえばトリス(ト
リメチルシロキシ)シリルスチレン、ビス(トリメチル
シロキシ)メチルシリルスチレン、(トリメチルシロキ
シ)ジメチルシリルスチレン、トリメチルシリルスチレ
ン、トリス(トリメチルシロキシ)シロキサニルジメチ
ルシリルスチレン、[ビス(トリメチルシロキシ)メチ
ルシロキサニル]ジメチルシリルスチレン、ペンタメチ
ルジシロキサニルスチレン、ヘプタメチルトリシロキサ
ニルスチレン、ノナメチルテトラシロキサニルスチレ
ン、ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、ヘ
ンエイコサメチルデカシロキサニルスチレン、ヘプタコ
サメチルトリデカシロキサニルスチレン、ヘントリアコ
ンタメチルペンタデカシロキサニルスチレン、トリメチ
ルシロキシペンタメチルジシロキシメチルシリルスチレ
ン、トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレ
ン、(トリストリメチルシロキシ)シロキサニルビス
(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、ビス(ヘプタ
メチルトリシロキシ)メチルシリルスチレン、トリス
(メチルビストリメチルシロキシシロキシ)シリルスチ
レン、トリメチルシロキシビス(トリストリメチルシロ
キシシロキシ)シリルスチレン、ヘプタキス(トリメチ
ルシロキシ)トリシロキサニルスチレン、ノナメチルテ
トラシロキシウンデシルメチルペンタシロキシメチルシ
リルスチレン、トリス(トリストリメチルシロキシシロ
キシ)シリルスチレン、(トリストリメチルシロキシヘ
キサメチル)テトラシロキシ(トリストリメチルシロキ
シ)シロキシトリメチルシロキシシリルスチレン、ノナ
キス(トリメチルシロキシ)テトラシロキサニルスチレ
ン、ビス(トリデカメチルヘキサシロキシ)メチルシリ
ルスチレン、ヘプタメチルシクロテトラシロキサニルス
チレン、ヘプタメチルシクロテトラシロキシビス(トリ
メチルシロキシ)シリルスチレン、トリプロピルテトラ
メチルシクロテトラシロキサニルスチレンなどがあげら
れる。これらの他の共重合成分の使用量は、全共重合成
分100部に対して2〜50部、なかんづく5〜40部
であることが好ましい。かかる配合量は、前記下限値よ
りも少ないばあいには、前記他の共重合成分を添加する
ことによる酸素透過性の向上効果があまり望めなくなる
傾向があり、また前記上限値よりも多いばあいには、相
対的に前記含フッ素シリコーンの配合量が少なくなって
耐汚染性が低下する傾向がある。
【0029】また、えられるコンタクトレンズ、とくに
ハードコンタクトレンズには親水性を付与させ、ソフト
コンタクトレンズの含水率を高めるばあいには、たとえ
ばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸
基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸;
(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどのN−モノ置
換(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルア
ミド、N−エチル−N−アミノエチル(メタ)アクリル
アミドなどのN,N−ジ置換(メタ)アクリルアミドな
どの(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロイルオ
キシエチルアミンなどの(メタ)アクリロイルオキシア
ルキルアミン;N−メチル(メタ)アクリロイルオキシ
エチルアミンなどのN−モノ置換(メタ)アクリロイル
オキシアルキルアミン;N,N−ジメチル(メタ)アク
リロイルオキシエチルアミンなどのN,N−ジ置換アル
キルアミン;N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリ
ジン、N−ビニルカプロラクタムなどのN−ビニルラク
タムなどを用いることができる。また、2,3−o−イ
ソプロピリデングリセロール(メタ)アクリレート、2
−メチル−2−エチル−4−(メタ)アクリルオキシメ
チル−1,3−ジオキソラン、メチル−2,3−o−イ
ソプロピリデングリセロール(メタ)アクリレートなど
のジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート中の2個
のヒドロキシル基をケタール化した化合物なども、前記
親水性基を含有した(メタ)アクリル系モノマーと同等
の効果を発揮させるものとしてあげられる。これらのモ
ノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。また前記モノマーのなかでは、(メタ)アクリル
アミドが好ましい。これらの他の共重合成分の配合量
は、ハードコンタクトレンズのばあいには、全共重合成
分100部に対して2〜30部、なかんづく3〜20部
であることが好ましく、またソフトコンタクトレンズの
ばあいには、全共重合成分100部に対して20〜80
部、なかんづく25〜70部であることが好ましい。か
かる配合量は、それぞれ前記下限値よりも少ないばあい
には、前記他の共重合成分を添加することによる親水性
または含水率の向上効果があまり望めなくなる傾向があ
り、またそれぞれ前記上限値よりも多いばあいには、相
対的に前記含フッ素シリコーンの配合量が少なくなって
コンタクトレンズの高酸素透過性およびすぐれた耐汚染
性が望めなくなる傾向がある。
【0030】また、えられるコンタクトレンズにさらに
耐汚染性を付与させるばあいには、たとえば、一般式
(IV): CH2 =CR2 COOCs (2s-t-u+1)t (OH)u (IV) (式中、R2 は水素原子またはメチル基、sは1〜15
の整数、tは1〜(2s+1)の整数、uは0〜2の整
数を示す)で表わされるフルオロアルキル(メタ)アク
リレート、フルオロアルキルスチレンなどが用いられ
る。
【0031】前記一般式(IV)で表わされるフルオロ
アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、たと
えば2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ−
t−ペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,
4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−t−ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2,3,4,5,5,5−ヘ
キサフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ペ
ンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4
−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,
2,2,2´,2´,2´−ヘキサフルオロイソプロピ
ル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4
−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,
5,5−ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ド
デカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフル
オロオクチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオ
ロオクチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオ
ロヘプチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10
−ヘキサデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル
(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11
−オクタデカフルオロウンデシル(メタ)アクリレー
ト、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,9,9,10,10,11,11,11−ノナデカ
フルオロウンデシル(メタ)アクリレート、3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,1
0,10,11,11,12,12−エイコサフルオロ
ドデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4,
4,5,5,6,7,7,7−オクタフルオロ−6−ト
リフルオロメチルヘプチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−4,4,5,5,6,6,7,7,8,
9,9,9−ドデカフルオロ−8−トリフルオロメチル
ノニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
11,11,11−ヘキサデカフルオロ−10−トリフ
ルオロメチルウンデシル(メタ)アクリレートなどがあ
げられる。前記フルオロアルキル(メタ)アクリレート
の配合量は、全共重合成分100部に対して5〜50
部、なかんづく10〜40部であることが好ましい。か
かる配合量は、前記下限値よりも少ないばあいには、フ
ルオロアルキル(メタ)アクリレートを用いたことによ
るえられるコンタクトレンズにおける耐汚染性の向上効
果が充分に発現されなくなる傾向があり、また前記上限
値よりも多いばあいには、相対的に前記含フッ素シリコ
ーンの配合量が少なくなってコンタクトレンズの高酸素
透過性が望めなくなる傾向がある。
【0032】また前記フルオロアルキルスチレンとして
は、たとえば2,2,2−トリフルオロエチルスチレ
ン、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルスチレ
ン、2,2,3,3−テトラフルオロ−t−ペンチルス
チレン、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチ
ルスチレン、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ
−t−ヘキシルスチレン、2,2,3,3,4,4−ヘ
キサフルオロブチルスチレン、2,2,2,2´,2
´,2´−ヘキサフルオロイソプロピルスチレン、2,
2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルスチレ
ン、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ
ペンチルスチレン、2,2,3,3,4,4,5,5,
5−ノナフルオロペンチルスチレンなどがあげられる。
前記フルオロアルキルスチレンの配合量は、全共重合成
分100部に対して5〜50部、なかんづく10〜40
部であることが好ましい。かかる配合量は、前記下限値
よりも少ないばあいには、フルオロアルキルスチレンを
用いたことによるえられるコンタクトレンズにおける耐
汚染性の向上効果が充分に発現されなくなる傾向があ
り、また前記上限値よりも多いばあいには、相対的に前
記含フッ素シリコーンの配合量が少なくなってコンタク
トレンズの高酸素透過性が望めなくなる傾向がある。
【0033】また、えられるコンタクトレンズに向上し
た機械的強度と耐久性を付与させるばあいには、他の共
重合成分として、たとえばエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、メタクリロイルオキジエチルアクリレート、ジビニ
ルベンゼン、ジアリルフタレート、アジピン酸ジアリ
ル、トリアリルイソシアヌレート、α−メチレン−N−
ビニルピロリドン、4−ビニルベンジル(メタ)アクリ
レート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、
2,2−ビス(p−(メタ)アクリロイルオキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(m−(メ
タ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、2,2−ビス(o−(メタ)アクリロイルオキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(p
−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(m−(メタ)アクリロイルオキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(o−(メタ)アクリロイ
ルオキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−(メ
タ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)
ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオ
キシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,2−
ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロ
イソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)
アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−
ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)
ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオ
キシイソプロピル)ベンゼンなどの架橋剤を単独でまた
は2種以上を混合して用いることができる。前記架橋剤
の配合量は、全共重合成分100部に対して0.01〜
12部、なかんづく0.05〜8部であることが好まし
い。かかる架橋剤の配合量は、前記下限値よりも少ない
ばあいには、該架橋剤を配合した効果が充分に発現され
なくなる傾向があり、また前記上限値をこえるばあいに
は、えられるコンタクトレンズが脆くなる傾向がある。
【0034】また、えられるコンタクトレンズに、紫外
線吸収性を付与するために、他の共重合成分として、た
とえば特開平3−122612号公報に記載の重合性紫
外線吸収剤、重合性紫外線吸収色素などを単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。
【0035】前記重合性紫外線吸収剤および重合性紫外
線吸収色素の配合量は、全共重合成分100部に対して
3部以下、なかんづく0.1〜2部であることが好まし
い。かかる配合量は、3部をこえるばあいには、えられ
るコンタクトレンズの物性、たとえば機械的強度などが
低下する傾向があり、また紫外線吸収剤の毒性も考慮す
れば、生体組織に直接接触するコンタクトレンズとして
は適さなくなる傾向がある。
【0036】またえられるコンタクトレンズを着色する
ために、他の共重合成分として、たとえば特開平3−1
22612号公報に記載の重合性色素を単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。
【0037】前記重合性色素の配合量は、あまりにも多
いばあいには、えられるコンタクトレンズの色が濃くな
りすぎて透明性が低下し、コンタクトレンズが可視光線
を透過しにくくなる傾向があるので、かかる配合量は、
全共重合成分100部に対して2部以下、なかんづく
0.001〜1部であることが好ましい。
【0038】本発明においては、さらにコンタクトレン
ズの含水率、機械的強度などを調整する成分として、た
とえば一般式(V): R3 OCOCH=CHCOOR4 (V) (式中、R3 は炭素数1〜3のアルキル基、R4 はメチ
ル基、エチル基、炭素数2〜7のオリゴヒドロキシアル
キル基またはグリシジル基を示す)で表わされるマレエ
ートおよびフマレートから選ばれた少なくとも1種など
を用いることができる。
【0039】前記一般式(V)において、R4 はオリゴ
ヒドロキシアルキル基であることが、ソフトコンタクト
レンズに用いたときに含水性を高めるうえで好ましい
が、R4 がグリシジル基であるばあいには、コンタクト
レンズを煮沸することなどによってグリシジル基をヒド
ロキシル基にかえ、含水性を高めることができる。
【0040】前記一般式(V)で表わされるマレエート
およびフマレートの具体例としては、たとえばジメチル
マレエート、ジエチルマレエート、メチル(2−ヒドロ
キシエチル)マレエート、エチル(2−ヒドロキシエチ
ル)マレエート、n−プロピル(2−ヒドロキシエチ
ル)マレエート、i−プロピル(2−ヒドロキシエチ
ル)マレエート、メチル(2−ヒドロキシプロピル)マ
レエート、エチル(2−ヒドロキシプロピル)マレエー
ト、n−プロピル(2−ヒドロキシプロピル)マレエー
ト、i−プロピル(2−ヒドロキシプロピル)マレエー
ト、メチル(2−ヒドロキシブチル)マレエート、エチ
ル(2−ヒドロキシブチル)マレエート、n−プロピル
(2−ヒドロキシブチル)マレエート、i−プロピル
(2−ヒドロキシブチル)マレエート、メチル(グリシ
ジル)マレエート、エチル(グリシジル)マレエート、
n−プロピル(グリシジル)マレエート、i−プロピル
(グリシジル)マレエート、メチル(ジヒドロキシプロ
ピル)マレエート、エチル(ジヒドロキシプロピル)マ
レエート、n−プロピル(ジヒドロキシプロピル)マレ
エート、i−プロピル(ジヒドロキシプロピル)マレエ
ート、メチル(トリヒドロキシブチル)マレエート、エ
チル(トリヒドロキシブチル)マレエート、n−プロピ
ル(トリヒドロキシブチル)マレエート、i−プロピル
(トリヒドロキシブチル)マレエート、メチル(テトラ
ヒドロキシペンチル)マレエート、エチル(テトラヒド
ロキシペンチル)マレエート、n−プロピル(テトラヒ
ドロキシペンチル)マレエート、i−プロピル(テトラ
ヒドロキシペンチル)マレエート、メチル(ペンタヒド
ロキシヘキシル)マレエート、エチル(ペンタヒドロキ
シヘキシル)マレエート、n−プロピル(ペンタヒドロ
キシヘキシル)マレエート、i−プロピル(ペンタヒド
ロキシヘキシル)マレエート、メチル(ヘキサヒドロキ
シヘプチル)マレエート、エチル(ヘキサヒドロキシヘ
プチル)マレエート、n−プロピル(ヘキサヒドロキシ
ヘプチル)マレエート、i−プロピル(ヘキサヒドロキ
シヘプチル)マレエート;ジメチルフマレート、ジエチ
ルフマレート、メチル(エチル)フマレート、メチル
(n−プロピル)フマレート、エチル(n−プロピル)
フマレート、メチル(i−プロピル)フマレート、エチ
ル(i−プロピル)フマレート、メチル(2−ヒドロキ
シエチル)フマレート、エチル(2−ヒドロキシエチ
ル)フマレート、n−プロピル(2−ヒドロキシエチ
ル)フマレート、i−プロピル(2−ヒドロキシエチ
ル)フマレート、メチル(2−ヒドロキシプロピル)フ
マレート、エチル(2−ヒドロキシプロピル)フマレー
ト、n−プロピル(2−ヒドロキシプロピル)フマレー
ト、i−プロピル(2−ヒドロキシプロピル)フマレー
ト、メチル(2−ヒドロキシブチル)フマレート、エチ
ル(2−ヒドロキシブチル)フマレート、n−プロピル
(2−ヒドロキシブチル)フマレート、i−プロピル
(2−ヒドロキシブチル)フマレート、メチル(グリシ
ジル)フマレート、エチル(グリシジル)フマレート、
n−プロピル(グリシジル)フマレート、i−プロピル
(グリシジル)フマレート、メチル(ジヒドロキシプロ
ピル)フマレート、エチル(ジヒドロキシプロピル)フ
マレート、n−プロピル(ジヒドロキシプロピル)フマ
レート、i−プロピル(ジヒドロキシプロピル)フマレ
ート、メチル(トリヒドロキシブチル)フマレート、エ
チル(トリヒドロキシブチル)フマレート、n−プロピ
ル(トリヒドロキシブチル)フマレート、i−プロピル
(トリヒドロキシブチル)フマレート、メチル(テトラ
ヒドロキシペンチル)フマレート、エチル(テトラヒド
ロキシペンチル)フマレート、n−プロピル(テトラヒ
ドロキシペンチル)フマレート、i−プロピル(テトラ
ヒドロキシペンチル)フマレート、メチル(ペンタヒド
ロキシヘキシル)フマレート、エチル(ペンタヒドロキ
シヘキシル)フマレート、n−プロピル(ペンタヒドロ
キシヘキシル)フマレート、i−プロピル(ペンタヒド
ロキシヘキシル)フマレート、メチル(ヘキサヒドロキ
シヘプチル)フマレート、エチル(ヘキサヒドロキシヘ
プチル)フマレート、n−プロピル(ヘキサヒドロキシ
ヘプチル)フマレート、i−プロピル(ヘキサヒドロキ
シヘプチル)フマレートなどがあげられ、これらのマレ
エートおよびフマレートは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。
【0041】また、前記一般式(V)で表わされるマレ
エートおよびフマレート以外のマレエートまたはフマレ
ートとしては、たとえばジ−i−プロピルマレエート、
ジ−n−ブチルマレエートなどのジアルキルマレエー
ト;ジ(メトキシエチル)マレエート、ジ(メトキシエ
トキシエチル)マレエート、ジ(メトキシエトキシエト
キシエチル)マレエートなどのジ(アルキルオリゴオキ
シエチレン)マレエート;ジ−i−プロピルフマレー
ト、ジ−n−ブチルフマレートなどのジアルキルフマレ
ート;ジ(メトキシエチル)フマレート、ジ(メトキシ
エトキシエチル)フマレート、ジ(メトキシエトキシエ
トキシエチル)フマレートなどのジ(アルキルオリゴオ
キシエチレン)フマレート;メトキシエチル(トリフル
オロエチル)フマレート、メトキシエトキシエチル(ト
リフルオロエチル)フマレート、メトキシエトキシエト
キシエチル(トリフルオロエチル)フマレート、メチル
(トリフルオロエチル)フマレート、エチル(トリフル
オロエチル)フマレート、イソプロピル(トリフルオロ
エチル)フマレートなどのフッ素含有フマレート;メチ
ル(トリメチルシリルプロピル)フマレート、エチル
(トリメチルシリルプロピル)フマレート、イソプロピ
ル(トリメチルシリルプロピル)フマレート、メチル
(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)フマレート、
エチル(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)フマレ
ート、イソプロピル(ペンタメチルジシロキサニルプロ
ピル)フマレート、メチル((テトラメチル(トリメチ
ルシロキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレート、
エチル((テトラメチル(トリメチルシロキシ)ジシロ
キサニル)プロピル)フマレート、イソプロピル((テ
トラメチル(トリメチルシロキシ)ジシロキサニル)プ
ロピル)フマレート、メチル((トリメチルビス(トリ
メチルシロキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレー
ト、エチル((トリメチルビス(トリメチルシロキシ)
ジシロキサニル)プロピル)フマレート、イソプロピル
((トリメチルビス(トリメチルシロキシ)ジシロキサ
ニル)プロピル)フマレート、メトキシエチル(トリメ
チルシリルプロピル)フマレート、メトキシエトキシエ
チル(トリメチルシリルプロピル)フマレート、メトキ
シエトキシエトキシエチル(トリメチルシリルプロピ
ル)フマレート、メトキシエチル((テトラメチル(ト
リメチルシロキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレ
ート、メトキシエトキシエチル((テトラメチル(トリ
メチルシロキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレー
ト、メトキシエトキシエトキシエチル((テトラメチル
(トリメチルシロキシ)ジシロキサニル)プロピル)フ
マレート、メトキシエチル((トリメチルビス(トリメ
チルシロキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレー
ト、メトキシエトキシエトキシエチル((トリメチルビ
ス(トリメチルシロキシ)ジシロキサニル)プロピル)
フマレートなどのシリコン含有フマレート;モノメチル
フマレート、モノエチルフマレート、モノイソプロピル
フマレート、モノ−n−ブチルフマレートなどのモノア
ルキルフマレートなどがあげられ、これらのマレエート
およびフマレートは単独でまたは2種以上を混合して用
いることができる。
【0042】前記マレエートまたはフマレートの配合量
は、あまりにも少ないばあいには、えられるコンタクト
レンズが脆くなる傾向があり、またあまりにも多いばあ
いには、相対的に前記含フッ素シリコーンの配合量が少
なくなり、コンタクトレンズの高酸素透過性が望めなく
なる傾向があるので、全共重合成分100部に対して5
〜60部、なかんづく10〜30部であることが好まし
い。
【0043】前記一般式(I)で表わされる含フッ素シ
リコーンを必須成分とした共重合成分は、あらかじめ各
成分の所望量を調整し、これにラジカル重合開始剤を添
加して通常の方法で重合することにより、共重合体とす
ることができる。
【0044】前記通常の方法とは、たとえばラジカル重
合開始剤を配合したのち、室温〜約130℃の温度範囲
で徐々に加熱するか、マイクロ波、紫外線、放射線(γ
線)などの電磁波を照射して行なう方法である。加熱重
合させるばあいには、段階的に昇温させてもよい。重合
は塊状重合法によってなされてもよいし、溶媒などを用
いた溶液重合法によってなされてもよく、またその他の
方法によってなされてもよい。
【0045】前記ラジカル重合開始剤の具体例として
は、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジ
メチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t
ert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイドなどがあげられ、これらラジカル重合
開始剤は単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できる。なお、光線などを利用して重合させるばあいに
は、光重合開始剤や増感剤をさらに添加することが好ま
しい。前記重合開始剤や増感剤の配合量は、全共重合成
分100部に対して0.001〜2部、なかんづく0.
01〜1部であることが好ましい。
【0046】本発明において、コンタクトレンズに成形
する方法としては、当業者が通常行なっている成形方法
を採用することができる。かかる成形方法としては、た
とえば切削加工法や鋳型(モールド)法などがある。切
削加工法とは、重合を適当な型または容器中で行ない、
たとえば棒状、ブロック状、板状などの素材(重合体)
をえたのち、切削加工、研磨加工などの機械的加工によ
り所望の形状に加工する方法である。また鋳型法とは、
所望のコンタクトレンズの形状に対応した型を用意し、
この型のなかで前記共重合成分の重合を行なって成形物
をえ、必要に応じて機械的に仕上げ加工を施す方法であ
る。
【0047】本発明においては、室温付近の温度で軟質
なソフトコンタクトレンズをうるばあいには、一般に鋳
型法による成形方法が好適である。鋳型法としては、ス
ピンキャスト法やスタティックキャスト法などが知られ
ている。
【0048】また、これらの方法とは別に、たとえば軟
質材料に硬質ポリマーを与えるモノマーを含浸させ、し
かるのちに該モノマーを重合せしめ、全体を硬質化して
切削加工を施し、所望の形状に加工した成形品から硬質
ポリマーを除去し、軟質材料からなるコンタクトレンズ
をうる方法(特開昭62−2780241号公報、特開
平1−11854号公報)なども本発明において好適に
用いることができる。
【0049】つぎに本発明のコンタクトレンズを実施例
に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実
施例のみに限定されるものではない。
【0050】実施例1〜2および比較例1〜2 表1に示した組成となるように、式:
【0051】
【化7】
【0052】で表わされる含フッ素シリコーン(以下、
Si6FMAという)、トリス(トリメチルシロキシ)
シリルプロピルメタクリレート(以下、SiMAとい
う)、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート(以
下、6FPという)、メチルメタクリレート(以下、M
MAという)、エチレングリコールジメタクリレート
(以下、EDMAという)、2,2´−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)(以下、V−65とい
う)を調製した。
【0053】前記成分を均一な組成となるように混合し
たのち、これを内径15mm、深さ500mmの管状の
ガラス製成形型に注入し、該成形型を水温30℃で24
時間、水温40℃で16時間、ついで水温50℃で5時
間水浴にて重合させた。
【0054】重合反応終了後、成形型を水浴から取り出
し、循環式乾燥機内に移し、50℃で5時間加熱し、昇
温勾配10℃/1.5時間で120℃まで昇温し、つい
で120℃で3時間加熱したのち、室温にまで自然冷却
し、えられたコンタクトレンズ材料を成形型から取り出
した。
【0055】えられたコンタクトレンズ材料を所望の厚
さに切削し、研磨を施して試験片を作製した。
【0056】えられた試験片の物性として、ショアーD
硬度、屈折率および酸素透過係数をそれぞれ以下の方法
にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0057】また、厚さ0.5mmの研磨された試験片
を洗浄、乾燥したのち、緩衝液で希釈した0.5%オリ
ーブオイルエマルジョンに該試験片を浸漬させ、37℃
で5時間振とうした。そして、エタノール/エーテル溶
液で抽出したのち発色させ、分光光度計U−3200
((株)日立製作所製)を用いて、蒸留水を対照として
540nmの波長で吸光度を測定したところ、試験片の
表面に汚れの付着が認められず、該試験片が耐汚染性に
すぐれたものであることがわかった。
【0058】(ショアーD硬度) (株)テクロック製のデュロメーターGS−702を用
い、25℃、50%RH(相対湿度、以下同様)の恒温
恒湿室内で、直径12.7mm、厚さ4.0mmの試験
片について測定した。
【0059】(屈折率) (株)アタゴ製のアッベ屈折率計1−Tを用い、温度2
5℃の条件下で屈折率(単位なし)を測定した。
【0060】なお、試験片の直径および厚さは、実施例
1〜2および比較例1〜2については直径10mm、厚
さ4mm、実施例3〜7および比較例3〜4については
直径12mm、厚さ0.2mmとなるように調整した。
【0061】(酸素透過係数)厚さ0.2mmのフィル
ム状試験片について、理科精機工業(株)製の製科研式
フィルム酸素透過率計を用い、35℃の生理食塩水中に
て酸素透過係数を測定した。単位は(cm2 /sec)
・(mlO2 /ml×mmHg)である。
【0062】なお、表1および表3中の酸素透過係数の
値は、本来の酸素透過係数の値に1011を乗じた数値で
ある。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示された結果から、実施例1〜2で
えられた試験片は、いずれもショアーD硬度、屈折率お
よび酸素透過係数にすぐれたものであることがわかる。
【0065】また、実施例1と比較例2の結果を対比し
て明らかなように、実施例1のように1分子中にフッ素
およびシリコーンを含有した含フッ素シリコーンを用い
たばあいには、フッ素含有モノマーとシリコーン含有モ
ノマーとを併用したばあい(比較例2)よりも、酸素透
過係数が格段に大きくなることがわかる。
【0066】実施例3〜7および比較例3〜4 実施例1〜2において、各成分を表2に示すように変更
したほかは、実施例1〜2と同様にしてコンタクトレン
ズ材料を成形し、ついで試験片を作製した。
【0067】えられた試験片の物性として、屈折率およ
び酸素透過係数を実施例1〜2と同様にして測定し、ま
た含水率、ゴム硬度、突抜強度および伸び率をそれぞれ
以下の方法にしたがって調べた。その結果を表3に示
す。
【0068】また、含水状態にある厚さ0.5mmの試
験片を0.2%ラウリン酸水溶液に浸漬させ、50℃で
10分間撹拌した。これを蒸留水で洗浄して乾燥させた
のち、その表面を目視にて観察した結果、試験片の表面
に汚れの付着が認められず、該試験片が耐汚染性にすぐ
れたものであることがわかった。
【0069】(含水率)試験片(切削時の厚さ:4m
m)について、次式にしたがって含水率(重量%)を測
定した。
【0070】 含水率(重量%)=[(W−WO)/W]×100 式中、Wは平衡含水状態での試験片の重量(g)、WO
は乾燥状態での試験片の重量(g)を示す。
【0071】(ゴム硬度)直径12.7mm、厚さ5m
mの両平面が平滑に仕上げられた円柱上の試料を室温に
て0.9%食塩水中に約2週間浸漬したのち、JIS
K 6301(加硫ゴム物理試験方法)のスプリング式
硬さ試験(A型)に準拠してゴム硬度を測定した。
【0072】(強度) (a)突抜強度 突抜強度試験機を用いて試験片の中央部へ直径1/16
インチの押圧針をあて、試験片の破断時の荷重(g)を
測定した。ただし、表3中の値は試験片の厚さを0.2
mmとして換算した値である。
【0073】(b)伸び率 前記荷重(g)の測定時において、試験片の破断時の伸
び率(%)を測定した。
【0074】なお、表2中の略号は、以下のことを意味
する。
【0075】DMAA :N,N−ジメチルアクリル
アミド N−VP :N−ビニル−2−ピロリドン 3MSiSt:トリメチルシリルスチレン SiSt :トリス(トリメチルシロキシ)シリルス
チレン L−MA :ラウリルメタクリレート 3FE :トリフルオロエチルメタクリレート AMA :アリルメタクリレート
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】表3に示された結果から、実施例3〜7で
えられたものは、比較例3〜4でえられたものと対比し
て、ほぼ同程度の含水率を有するばあいであっても、酸
素透過係数が格段に大きいことがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明のコンタクトレンズは、酸素透過
性が高く、耐汚染性にすぐれたものであるので、ソフト
コンタクトレンズをはじめ、ハードコンタクトレンズと
しても好適に使用しうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樽見 康郎 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−230074(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02C 1/04 - 13/00 CA(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、nは0または
    1を示す)で表わされる含フッ素シリコーンを必須成分
    とした共重合成分を重合した共重合体からなり、該含フ
    ッ素シリコーンの量が全共重合成分100重量部に対し
    て20〜80重量部であるコンタクトレンズ。
  2. 【請求項2】 共重合成分がアルキル(メタ)アクリレ
    ート、フルオロアルキル(メタ)アクリレート、シリコ
    ン含有(メタ)アクリレート、スチレン、アルキルスチ
    レン、フルオロアルキルスチレン、シリコン含有スチレ
    ン、(メタ)アクリルアミドおよびN−ビニルラクタム
    から選ばれた少なくとも1種を含有したものである請求
    項1記載のコンタクトレンズ。
  3. 【請求項3】 アルキル(メタ)アクリレート、スチレ
    ンおよびアルキルスチレンから選ばれた少なくとも1種
    の量が全共重合成分100重量部に対して5〜60重量
    部である請求項2記載のコンタクトレンズ。
  4. 【請求項4】 シリコン含有(メタ)アクリレートおよ
    びシリコン含有スチレンから選ばれた少なくとも1種の
    量が全共重合成分100重量部に対して2〜50重量部
    である請求項2記載のコンタクトレンズ。
  5. 【請求項5】 (メタ)アクリルアミドおよびN−ビニ
    ルラクタムから選ばれた少なくとも1種の量が全共重合
    成分100重量部に対して2〜30重量部であり、ハー
    ドコンタクトレンズである請求項2記載のコンタクトレ
    ンズ。
  6. 【請求項6】 (メタ)アクリルアミドおよびN−ビニ
    ルラクタムから選ばれた少なくとも1種の量が全共重合
    成分100重量部に対して20〜80重量部であり、ソ
    フトコンタクトレンズである請求項2記載のコンタクト
    レンズ。
  7. 【請求項7】 フルオロアルキル(メタ)アクリレート
    の量が全共重合成分 100重量部に対して5〜50重量
    部である請求項2記載のコンタクトレンズ。
  8. 【請求項8】 フルオロアルキルスチレンの量が全共重
    合成分100重量部に対して5〜50重量部である請求
    項2記載のコンタクトレンズ。
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