JP2551580B2 - コンタクトレンズの親水化方法 - Google Patents

コンタクトレンズの親水化方法

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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses
    • G02B1/043Contact lenses

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、コンタクトレンズの親水化方法に係り、更
に詳しくは表面の水濡れ性に不充分なハードコンタクト
レンズに良好な水濡れ性を付与する方法に関するもので
ある。
[従来の技術] 従来のハードコンタクトレンズにおいては、優れた光
学的性質と物理的強度及び良好な機械加工性を有する点
でポリメチルメタクリレートを主成分とする素材が用い
られて来た。また、近年、角膜の新陳代謝にとってコン
タクトレンズを通しての酸素の供給が重要視されるよう
になり、シリコンを含有するポリマーやフッ素を含有す
るポリマーが、その優れた酸素透過性の点で広く使用さ
れるようになってきている。これらのシリコン含有ポリ
マーの代表例としてはシリコンラバーがあり、またシロ
キサン結合を側鎖に有するメタクリレートやアクリレー
トの重合体などがある。
さらに、フッ素含有ポリマーの代表例としては、パー
フルオロアルキル基を側鎖に有するメタクリレートやア
クリレートの重合体などが挙げられる。
一方、これらの素材は優れた酸素透過性を有してはい
るものの、素材表面の親水性に乏しく、一般に強い撥水
性を示すものが多い。表面の親水性、即ち、涙液との水
濡れ性に乏しいコンタクトレンズは、装用時に視力矯正
上の問題を生じたり、角膜上でのレンズの動きが悪い
為、フィッティング上の問題を生じたり、また、装用者
に異物感を与えるという問題が生じる。従ってこの様な
素材に対しては良好な表面の親水性を与える為に、種々
の改質・改善がはかられている。
例えば特公昭56−39450号、特開昭58−7418号、特開
昭59−19918号の各公報には、親水性モノマーとの共重
合により、素材の親水性を改質する方法が開示されてい
る。
また、例えば特公昭57−35443号、特開昭58−17412号
の各公報には、後処理によりコンタクトレンズ表面に親
水性を与えるためにあらかじめ後処理可能な官能基を有
する重合成分を用いて素材を形成する方法が開示されて
いる。
さらに、特公昭55−49288号、特開昭58−216222号の
各公報には、プラズマ処理あるいはプラズマ重合による
シリコーン樹脂よりなるコンタクトレンズ表面の親水化
方法が開示されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上述の親水性モノマーとの共重合によ
る方法においては、親水性モノマーの組成比と酸素透過
性が相反する傾向を有する為、表面に充分な親水性を与
えようとすると、酸素透過性が著しく低下してしまい、
また高い酸素透過性を維持しようとすると表面の親水性
が乏しくなるという欠点を有している。また、一般に酸
素透過性付与成分として用いられるシリコン含有モノマ
ーやフッ素含有モノマーは、疎水性が強いため、親水性
モノマーとの共重合を行なうと、重合物が白濁しやすい
といった問題を有している。
また、後処理により表面の親水化をはかる目的で、あ
らかじめ特殊な官能基を有する化合物を重合成分として
用いてコンタクトレンズを形成する方法においては、親
水化を行なえる素材が特殊なものに限定されたり、ある
いは前述の親水性モノマーとの共重合の場合にも述べた
ように、素材の酸素透過性が低下するといった欠点を有
している。
さらに、プラズマ処理によりコンタクトレンズの親水
化をはかる方法では、親水化の効果が短期間のうちに消
失しやすく、また通常の取扱い中に生じるレンズの乾燥
などによっても効果が失われてしまい、実用性がない。
また近年では、プラズマ重合による親水性モノマーのコ
ンタクトレンズ表面へのグラフト化が行なわれている
が、一般に水濡れ性の耐久性に乏しく、前述のプラズマ
処理と同様の問題を生じやすい。またプラズマ処理やプ
ラズマ重合処理においては特に処理条件の設定が極めて
複雑かつ微妙であって、プラズマ処理電力、処理時間、
真空度などの基本的パラメーターの他に、装置の形状や
レンズの保持状態や保持位置などによっても、処理効果
が著しく左右されやすく再現性に乏しいといった問題を
有している。
更に、プラズマ処理、プラズマ重合処理装置は真空系
や高周波電源などの特殊な設備を必要としており、前記
の処理条件の設定と相まって取扱いが複雑であり、簡便
さに欠けるといった欠点を有している。
従って、本発明の目的は、素材の酸素透過性や光学特
性、機械物性などのコンタクトレンズが本来具備してい
る長所をそこなうことなく、良好な視力矯正能と装用性
を付与し得るコンタクトレンズの表面親水化方法を提供
することにある。
また、本発明の他の目的は、処理操作の簡便性並びに
処理効果の持続性、耐久性及び再現性に優れたコンタク
トレンズの親水化方法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、上記の目的達成のため鋭意研究を重ね
た結果、従来の問題点を解消し、コンタクトレンズ表面
を効果的に親水化する方法を見い出し、本発明を完成す
るに至った。
本発明のコンタクトレンズの親水化方法は、親水性モ
ノマーと、芳香族ケトン類またはキノン類から選択され
る少なくとも1種の光増感剤とを含む溶媒よりなる処理
液にコンタクトレンズを接触させ、紫外線を照射するこ
とを特徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用される親水性モノマーとしては、
アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N−ビニルピロリドン等の親水性ビニルモノマーが
挙げられるが、更にジメチルアミノメチルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタク
リレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルメタクリレート、グリセロールアクリレー
ト、グリセロールメタクリレート、ジエチレングリコー
ルモノアリレート、ジエチレングリコールモノメタクリ
レート、トリエチレングリコールモノアクリレート、ト
リエチレングリコールモノメタクリレート等を例示する
ことができる。
また、本発明において使用される光増感剤は、芳香族
ケトン類またはキノン類から選択される少なくとも1種
の化合物である。その代表例としては、キサントン、チ
オキサントン、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンジ
ル、ベンゾイルパーオキシド、アントラキノン、フェナ
ントラキノン、ナフトキノンおよびこれらの誘導体を挙
げることができる。
更に具体的に、前記の誘導体としては、2−クロロキ
サントン、2,4−ジエチルキサントン、2,4−ジイソプロ
ピルキサントン、2−イソプロピルキンサントン、2−
クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサント
ン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピル
チオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサント
ン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、2−クロ
ロベンゾフェノン、m−トルオイルパーオキシド、2−
クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2
−ヒドロキシアントラキノン、1−メチルアントラキノ
ン、1−ブロモアントラキノン、1−メチルアフェナン
トラキノン、4−エチルフェナントラキノン、2,7−ジ
ターシャルブチルフェナントラキノン等を例示する事が
できる。
また、本発明において使用される溶媒としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパ
ノール、n−ブタノール、2−ブタノール、n−ヘキサ
ノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の
アルコール類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン、n−ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環
族炭化水素類およびアセトンを例示する事ができる。
さらに、本発明において親水化処理に供せられるコン
タクトレンズ素材としては、アルキル(メタ)アクリレ
ート、アルアルキル(メタ)アクリレート、シクロアル
キル(メタ)アクリレート、アルキルシクロアルキル
(メタ)アクリレート、フルオロ(メタ)アクリレー
ト、シリコン含有(メタ)アクリレートから選択された
少なくとも1種以上のモノマーを成分とする単独重合体
あるいは共重合体を挙げることができ、上記モノマーの
具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、2−ブチル(メタ)アクリレー
ト、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、4−tert−ブチル−シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル
(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)ア
クリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アク
リレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヘプタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ノ
ナフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオ
ロベンジル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルメ
チル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキシエ
チル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキ
シ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルジ
(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリ
レート、ビス(トリメチルシロキシ)メチル シロキサ
ニルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メ
タ)アクリレート、tert−ブチルテトラメチルジシロキ
サニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上
記のモノマーの重合によるコンタクトレンズ素材の製造
に際して、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベン
ゼン、アリルメタクリレート、ビニル(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤を上記のモ
ノマーとともに用いることもできる。なお、上でモノマ
ー及び架橋剤の具体例を説明する場合に用いた(メタ)
アクリレートとはアクリレートとメタクリレートの両者
を意味するものである。
以上、本発明の構成について述べたが、次に本発明の
方法の具体的な実施方法について述べる。
本発明は、前述の親水性モノマーと光増感剤とを前記
の溶媒中に適量溶解し、充分撹拌して処理液とし、この
処理液にコンタクトレンズを接触させて紫外線照射を行
なうものである。
ここで親水性モノマーの濃度は0.1〜10mol/が好ま
しく、0.5〜5mol/の範囲が特に好ましい。また、光増
感剤の濃度は、1×10-4〜1mol/が好ましく、1×10
-3〜1mol/の範囲が特に好ましい。モノマー濃度や光
増感剤の濃度が前記範囲より小さい場合には一般に処理
効果が乏しくなり好ましくない。
また、処理液の撹拌に際しては、チッ素ガスやヘリウ
ムガス等の不活性ガスを処理液中に導入し、溶存する酸
素を排除することが、親水性処理の効果を高める上で好
ましい。
コンタクトレンズに処理液を接触させる方法として
は、コンタクトレンズを処理液中に浸漬する方法、コン
タクトレンズ表面に処理液を滴下して濡らす方法、適当
な曲率半径を有するガラス製のホールダーに処理液を満
たして、コンタクトレンズを保存する方法などを例示す
る事ができる。
次に紫外線の照射方法であるが、本発明において使用
する紫外線の光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、
メタルハライド水銀灯など通常の紫外線重合に用いられ
る光源を使用する事ができる。また、紫外線照射はレン
ズのフロントカーブ側やベースカーブ側から行なった
り、あるいは両側から同時に照射する方法が用いられ
る。紫外線の照射波長は紫外線光源の全波長を照射した
り、光学フィルターやパイレックスガラス灯を用いて特
定波長範囲を選択的に照射する方法が用いられるが、光
増感剤の吸収波長に対応した波長の照射を行なう事が重
要である。更に、紫外線の照射強度は有効波長において
0.1〜100ミリワット/平方センチの範囲が好ましく、1
〜20ミリワット/平方センチの範囲が特に好ましい。紫
外線の照射強度が0.1ミリワット/平方センチより小さ
い場合には、処理時間が極めて長くなる等の問題を生じ
て好ましくなく、また照射強度が100ミリワット/平方
センチより大きい場合には、解重合反応による処理効果
の低下や、コンタクトレンズの劣化および着色等の問題
を生じる恐れがあるため好ましくない。
紫外線の照射時間は通常10秒〜120分間に設定される
が、10分以内に処理を終えるのが、作業性の点や処理レ
ンズの劣化防止の点から望ましい。処理時間が前記範囲
より長い場合には、作業性が著しく低下し、好ましくな
いばかりか、処理液の揮発により、処理効果が低下した
り、紫外線光源から同時に放出される赤外線によってコ
ンタクトレンズの温度の上昇をまねき、レンズの軟化や
変形が生じたり、紫外線劣化による着色などをまねいて
好ましくない。また照射時間が前記範囲より短い場合に
は所望の効果が得られない。
また、紫外線の照射に際しては、コンタクトレンズお
よび処理液をチッ素ガスやヘリウムガス等の不活性ガス
雰囲気におく事が、処理効果を向上させる上で有効であ
る。
紫外線の照射強度や照射時間は本来、両者に密接な関
係があり、照射強度が大きい場合には照射時間は短くて
よく、また、照射強度が小さい場合には照射時間を長く
する事により、同一の処理効果を得る事ができるもので
ある。従って紫外線の照射条件の設定に際しては両者の
バランスを考慮して適当に定める。
紫外線照射を終えたレンズは、表面の不要なホモポリ
マーを除去するために洗浄を行なう必要がある。この洗
浄は、精製水を用いて水洗したり、アルコールなどによ
って洗ってもよい。また、洗浄効果を高める為に温水中
に数字間浸漬する方法を用いてもよい。
この様にして得られたコンタクトレンズの表面は、非
常に良好な水濡れ性を有しており、親水性接触角にして
20〜40℃の親水性表面を有するものである。また、本発
明により得られたるコンタクトレンズを水中に浸漬し、
再び空気中にとり出してもレンズ表面を濡らしている水
は、はじかれることなく表面に保持されている。
本発明によるコンタクトレンズの親水化方法において
は、多数のコンタクトレンズを同時に処理することもで
きる。
[実施例] 次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(実施例1) ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート60重量
部、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタ
クリレート40重量部、エチレングリコールジメタクリレ
ート6重量部の混合液に重合開始剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリル0.1重量部を加えて撹拌し、均一な重合
液を調整した後、2mlのポリプロピレン製の重合容器に
入れて上部を密封した。重合は熱風循環式恒温槽を用い
て40℃にて12時間、50℃にて6時間、60℃にて4時間、
80℃にて4時間、120℃にて3時間行なった。得られた
重合物より通常の機械加工によりハードコンタクトレン
ズを作製した。次に、親水性モノマーとしてアクリルア
ミド1.42g及び光増感剤としてベンゾフェノン0.39gを10
mlのメタノールに溶解し均一に撹拌し、チッ素ガスを導
入して親水化処理液を調整した。この処理液をガラスシ
ャーレに移しとり、前記のコンタクトレンズを浸漬し
た。続いて、シャーレ上部をパイレックスガラスでカバ
ーし、チッ素雰囲気中にてすみやかに紫外線を照射し
た。紫外線光源には300ワットの高圧水銀灯を使用し、
照射強度は350nmの光線に対して5mW/cm2であり照射時間
は5分間であった。紫外線照射後、60℃の塩水中に2時
間浸漬してレンズを洗浄し親水化処理の施されたハード
コンタクトレンズを得た。このレンズは良好な表面の親
水性を有しており、レンズを水中に浸漬した後、空気中
にとり出しても、水をはじかず表面に水を保持してい
た。またこのレンズを空気中に放置して乾燥させ再び水
中に浸漬するという乾燥−浸潤の操作をくり返しても表
面の水濡れ性が失われることはなかった。更に実際に表
面処理の施されたレンズを装用したところ、異物感が少
なく、角膜上でスムーズな動きを示した。本実施例に示
したコンタクトレンズと同一の条件で得られた集合物よ
り切り出した平板状サンプルについての表面処理前後で
の酸素透過係数、親水性接触角の測定値を表1に示す。
表1より明らかなように、本発明による親水化方法によ
れば、素材の酸素透過性を保持したまま表面の水濡れ性
を効果的に向上させ得る事が明らかである。
(実施例2) 実施例1と同じ素材よりなるハードコンタクトレンズ
に対して以下の条件にて表面親水化処理を施した。即
ち、親水性モノマーとしてアクリル酸0.72g及び光増感
剤として2−クロロチオキサントン0.24gを10mlのn−
プロパノールに溶解し、チッ素ガスを通じながら撹拌し
て処理液とした。ついでこの処理液を、コンタクトレン
ズに近似した曲率半径を有するガラス製のホルダーに滴
下し、その上にレンズを保持し、さらにレンズの反対側
にも処理液を滴下してレンズの両側を処理液で濡らし
た。その上で、コンタクトレンズとホルダー全体をチッ
素気流中に置いて、フィルターにより300nm以下の波長
をカットした紫外線を照射した。紫外線の照射強度は20
mW/cm2(350nm)であり、照射時間は10分間とした。紫
外線照射後のレンズは実施例1と同様の方法により洗浄
した。
こうして得られたコンタクトレンズの表面は、実施例
1と同様に優れた水濡れ性を有していた。また、表1に
示すように同様の操作で得られた平板状サンプルの親水
性接触角は32゜であった。
更に、このコンタクトレンズを80℃の温水中に2週間
浸漬しても、水濡れ性の低下は観察されず、良好な耐久
性を有していた。
(実施例3〜13) 実施例1,2に準じて各種素材よりなるハードコンタク
トレンズに本発明の親水化方法を適用した。親水化方法
の条件並びに処理前後の酸素透過係数及び親水性接触角
の値は表1を参照されたい。
これらの実施例において親水化されたコンタクトレン
ズは、いずれも良好な水濡れ性を示し、実施例1,2と同
様に乾燥−湿潤サイクルを繰り返しても、また温水中に
長時間浸漬しても、更に通常使用されているクリーナー
でレンズを洗浄しても、親水化の効果が失われる事な
く、実用上充分な水濡れ性を保持していた。
尚、表1中の紫外線照射強度はオーク(株)製紫外線
照度計を使用してコンタクトレンズに照射される紫外線
の350nmにおける強度を測定したものであり、親水性接
触角はエルマ社製のゴニオメーター式接触角測定器を使
用し、表面処理を行なったものと同一素材より調整した
平板状サンプルについての水中気泡法による測定値であ
る。また、酸素透過性は製科研式フィルム酸素透過率計
を用いて、厚さ0.2mmの平板状サンプルの35℃の生理食
塩中における酸素透過係数を測定したものであり、その
単位は×10-10cc(STP)・cm/cm2・sec・cmHgである。
略号説明 PFMA:ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート SiMA:トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメ
タクリレート 1G:エチレングリコールジメタクリレート TFEMA:トリフルオロエチルメタクリレート 3G:トリエチレングリコールジメタクリレート TBCHMA:4−ターシャルブチル−シクロヘキシルメタクリ
レート MMA:メチルメタクリレート CHMA:シクロヘキシルメタクリレート EMA:エチルメタクリレート AAm:アクリルアミド AA:アクリル酸 MAA:メタクリル酸 DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド NVP:N−ビニルピロリドン HEA:ヒドリキシエチルアクリレート BP:ベンゾフェノン CTX:2−クロロチオキサントン BZ:ベンジル BIPE:ベンゾインイソプロピルエーテル AQ:アントラキノン BPO:ベンゾイルパーオキシド (比較例1) 実施例1のコンタクトレンズ素材用モノマー組成物に
対して、更にアクリルアミドを10重量部加え、実施例1
と同様に重合を行ない共重合体を得た。この素材の親水
性接触角は80度であり、水濡れ性の向上の効果は極めて
小さかった。また、この素材の酸素透過係数は55×10
-10cc(STP)・cm/cm2・sec・cmHgにまで低下してい
た。
(比較例2) 実施例8のコンタクトレンズ素材用モノマー組成物に
対して更にメタクリル酸を50重量部加えて重合を行ない
共重合体を得た。この素材の親水性接触角は70度であり
若干親水性が改善されたが、酸素透過係数は16×10-10c
c(STP)・cm/cm2・sec・cmHgにまで低下していた。
(比較例3) 実施例1の素材から得られたハードコンタクトレンズ
に対してアンモニアの稀薄ガス中でプラズマ処理を行な
った。処理直後のコンタクトレンズの表面は良好な水濡
れ性を有していたが、2週間経過後の表面は再び撥水性
を示すようになり親水化処理の効果が消失していた。
(比較例4) 比較例3と同様のプラズマ処理を行なったハードコン
タクトレンズに、アクリルアミド2.0mol/、アゾビス
イソブチロニトリル0.2mol/のメタノール溶液を接触
させ、60℃で4時間熱重合を行なった。得られたコンタ
クトレンズの表面は当初良好な水濡れ性を示したが、通
常のコンタクトレンズのクリーナーで洗浄したところ洗
浄のたびに親水性が失われてしまい、極めて耐久性に乏
しいものであった。
(比較例5) 実施例5において光増感剤としてアゾビスイソブチロ
ニトリルを用いた他は実施例5と同一の処理を行なっ
た。得られたコンタクトレンズを60℃の温水中に2時間
浸漬したところ、表面の親水性の向上は全くみられなか
った。
[発明の効果] 以上の実施例および比較例で明らかなように、本発明
によるコンタクトレンズの親水化方法は、レンズ素材に
何ら特殊な成分を加える事なく、レンズ表面を極めて優
れた親水性表面とすることが可能であり、コンタクトレ
ンズの装用性や視力矯性能を有意に向上させ、より優れ
たレンズとすることができるものである。
また、本発明によるコンタクトレンズの親水化方法
は、酸素透過性と親水性という従来技術においては相反
する性質を同時にコンタクトレンズに付与させ得る長所
を有している。
更に、本発明により得られる優れた水濡れ性は、通常
の装用時においてなされる乾燥−湿潤のくり返しや、ク
リーナーによる洗浄操作においても、また温水中への浸
漬といった場合においても、親水性の効果が失われるこ
となく保持され、極めて良好な耐久性を有するものであ
る。
更にまた、本発明によるコンタクトレンズの親水化方
法においては、コンタクトレンズに優れた水濡れ性を付
与できることはもち論であるが、レンズの光学特性や物
理滴性質をもそこなう事がないという特長を有してお
り、レンズ素材本来の性質を十分に発現させ得るもので
ある。
この事は、前述の酸素透過性の低下がない事と関連し
て、コンタクトレンズの材料設計における自由度を増す
ことを意味しており、従来技術の欠点を解消するもので
ある。
更に、本発明によるコンタクトレンズの親水化方法
は、(メタ)アクリル系素材、フルオロ(メタ)アクリ
ル系素材、シリコン含有(メタ)アクリル系素材に対し
て主に適用されるが、現在市販されているハードコンタ
クトレンズの大半がこれらの素材より製造されている事
を考慮すれば、本発明が充分に広い適用性を有している
事が明らかである。
更にまた、本発明によるコンタクトレンズの親水化方
法は、複雑で大がかりな処理装置を必要とせず、処理条
件の設定も極めて容易であり、処理効果の再現性にも優
れているという長所を有している。
これらの数々の特長は、本発明のコンタクトレンズの
親水化方法を用いることにより初めて得られるものであ
り、従来技術では達成できない本発明特有の効果であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 泉谷 徹郎 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホ ーヤ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−83642(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性モノマーと、芳香族ケトン類または
    キノン類から選択される少なくとも1種の光増感剤とを
    含む溶媒よりなる処理液に、コンタクトレンズを接触さ
    せ、紫外線を照射することを特徴とするコンタクトレン
    ズの親水化方法。
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