JP3932213B2 - 硬質コンタクトレンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンタクトレンズに関する。更に詳しく述べるなら、酸素透過係数が高く、涙液交換に適する軽量で装用感が良好なコンタクトレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在市販されているコンタクトレンズはその性状から軟質コンタクトレンズと硬質コンタクトレンズの2種に大別される。
【0003】
軟質コンタクトレンズでは、親水性モノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とする親水性ポリマーや、シリコンゴムなどの軟質疎水性ポリマーが使用されている。
【0004】
また、硬質コンタクトレンズではポリメチルメタクリレートなどの硬質材料が使用されている。
【0005】
これらのうち硬質コンタクトレンズは軟質コンタクトレンズに比べ取り扱いが簡便で、視力矯正効果も優れており広く使用されている。しかしながら、ポリメチルメタクリレートなどを使用した硬質コンタクトレンズは軟質コンタクトレンズに比べ装用感が劣り、酸素透過量が小さいため角膜への負担も大きい。
【0006】
そこで、より一層装用感を向上させた硬質コンタクトレンズとして、シロキサン結合を有する(メタ)アクリレートを主成分とした酸素透過性硬質コンタクトレンズや、フッ素含有(メタ)アクリレートを使用して耐汚染性を向上させたレンズが多く開発されている。
【0007】
前記硬質コンタクトレンズは確かに装用感は向上しているが、装用感を向上させる大きな要因の一つである涙液の交換能力についての検討はほとんどなされていない。涙液の交換によって角膜が常に新鮮な涙液に漬かり、大気中の酸素の供給を受け易い素材が望ましい。
【0008】
また、特開昭57−209915号公報によると二官能シロキサン単量体を主成分とすることを特徴とする酸素透過性の成形品が提案されている。この成形品はある程度の酸素透過性を有しているが、主成分のシロキサン単量体が二官能であるため架橋が進み脆くなり充分な強度が得られない欠点があり、酸素透過性と共に機械強度も高いコンタクトレンズ材料の開発が望まれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は酸素透過係数および機械強度が高く、涙液交換に適する軽量で装用感が良好であり、装用に適したレンズの表面改質が容易に可能なコンタクトレンズを提供するものである。
【0010】
コンタクトレンズの装用において角膜に対する大気中からの酸素供給に障害を与えないようにすることは最も重要なことであり、近年、高酸素透過性コンタクトレンズ素材の開発が盛んに行われている。
【0011】
しかし、単に素材自体の酸素透過性を向上させただけでは、充分な酸素を角膜に供給することは困難である。充分な酸素を角膜に供給するためには、新鮮な酸素を含む涙液供給が容易に起こるコンタクトレンズ素材が必要である。角膜上でのコンタクトレンズは、瞬目と共に上眼瞼により引き上げられ、その際涙液がコンタクトレンズ下に侵入し、開瞼と共にコンタクトレンズは下方に下がりながら再び角膜に吸い付けられる。このときコンタクトレンズ下の余分な涙液が外へ排出される。瞬目によってコンタクトレンズが涙液を出し入れするポンプの様な役割を果たし、新鮮な酸素を供給している。
【0012】
本発明では低比重なコンタクトレンズ素材を提供し、上記のポンプ作用をより容易に起こり易くし、常に新鮮な涙液と酸素の供給が可能なコンタクトレンズを提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一成分としてシリコン原子含有量が10〜30%で官能基として(メタ)アクリル基を分子中に一個有するラジカル重合性のシリコン系単官能単量体20〜70重量部、及び第二成分としてウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート1〜10重量部、及び第三成分としてアルキルスチレン10〜70重量部、及びこれら単量体と共重合可能な単量体1〜40重量部を共重合してなることを特徴とする、36℃における比重が0.90〜1.05で、酸素透過係数が40以上である硬質コンタクトレンズである。
【0014】
本発明のコンタクトレンズは、酸素透過係数が高く、涙液交換に適する軽量で装用感が良好である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は酸素透過係数が高く、かつ軽量なため涙液交換に適した材料を提供する。本発明では酸素透過係数が高い材料としてシリコン原子含有量が高いラジカル重合性のシリコン系単量体を必須の主成分とする。
【0016】
一般にシリコン原子含有量の高い単量体からできる樹脂は酸素透過量が高いことが知られている。本発明では酸素透過係数が40以上、好ましくは60以上ある。このため本発明では、シリコン原子含有量が10〜30%の官能基として(メタ)アクリル基を分子中に一個有するラジカル重合性のシリコン系単量体が使用される。
【0017】
本発明で使用される第一成分としてのシリコン系単量体は単官能であり、本発明に使用されるシリコン系単量体の具体例として、ペンタメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、イソブチルヘキサメチルトリシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0018】
これらシリコン系単量体の使用量が多いほど、酸素透過係数は大きくなるが、切削、加工に耐えうる充分な硬度や耐熱性、さらに低比重となり難いことから、本発明では20〜70重量部、好ましくは30〜60重量部で使用される。20重量部未満では、酸素透過係数の大きい材料が得られ難い。また、70重量部を越えると、充分な強度が得られず、さらに本発明の効果である涙液交換に適する低比重な材料になり得ない。
【0019】
次に、本発明の第二成分として酸素透過係数と機械的強度を向上させるために、ウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレートを必須成分とする。ウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレートとしては、ウレタン結合を有するラジカル重合性のシリコン含有ジ(メタ)アクリレートが好ましく、例えば下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
一般式(I):
【0020】
【化1】
Figure 0003932213
(式中、R1 及びR2 はそれぞれ水素原子またはメチル基、m,n及びxは1〜10の整数を表し、R3 はそれぞれ一般式(II),(III) 及び(IV):
【0021】
【化2】
Figure 0003932213
で表されるシロキサン骨格、R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,R8 及びR9 は炭素数2〜40のアルキレンまたはエーテル基を表し、p,q及びrは1〜40の整数を表す。)で表されるウレタン結合を有するラジカル重合性のシリコン含有ジ(メタ)アクリレートからなる。
【0022】
これらウレタン結合を有するラジカル重合性のシリコン含有ジ(メタ)アクリレートの使用量が多いほど、柔軟性や機械的強度は大きくなり酸素透過係数は向上するが、本発明の効果である低比重となり難く、また相溶性も悪くなるので、本発明では1〜10重量部で使用される。
【0023】
次に、第三成分として一般式(V):
【0024】
【化3】
Figure 0003932213
(式中RはCn のアルキル基:n=1〜6)で表されるアルキルスチレンが必須成分として用いられる。
【0025】
本発明においては、一般式(V)で表されるアルキルスチレンを用いたことに特徴があり、これを使用することにより涙液交換に適した低比重かつ屈折率の高いコンタクトレンズを得ることができる。比重は0.90〜1.05である。また、アルキルスチレンはそのホモポリマー自体にある程度の酸素透過性を有しており、好ましいものである。本発明に使用されるアルキルスチレンとして、メチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、イソプロピルスチレン、ノルマルブチルスチレン、ターシャリーブチルスチレン、ペンチルスチレン、ヘキシルスチレンなどが挙げられ、アルキルスチレンの配合量は共重合成分100重量部中、10〜70重量部であり、好ましくは約30〜60重量部である。
【0026】
また、一般式(V)中のRのCn が大きいほど軽量になるが、大きくなるにつれて重合後の樹脂が脆くなるので、必要に応じてn数を調節することが望ましい。
【0027】
また、本発明では第四成分として、得られるコンタクトレンズに親水性を付与させ、さらに補助的にシラノールとのカップリング反応による親水化処理を可能にするために水酸基含有アルキル(メタ)アクリレートを重合成分として用いることができる。本発明に使用される水酸基含有アルキル(メタ)アクリレートの具体例として、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これら水酸基含有アルキル(メタ)アクリレートの配合量は、極端に少ない場合には充分な親水性やシラノールとのカップリング反応に必要な水酸基を得ることができなくなり、また多すぎる場合には本発明の効果である涙液交換に適する低比重な材料になり得ない。従って、水酸基含有アルキル(メタ)アクリレートの配合量は共重合成分100重量部中、1〜10重量部が好ましく、より好ましくは約3〜8重量部である。
【0028】
さらに、前記以外の共重合成分としては、アルキル(メタ)アクリレート、フルオロアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、目的とするコンタクトレンズに要求される性質により選択することが望ましい。特に、涙液交換に適した低比重なコンタクトレンズを調整するには、アルキル(メタ)アクリレート、フルオロアルキル(メタ)アクリレートは約0〜10重量部が望ましい。
【0029】
また、加工性、材料の強度等を向上させる場合には、架橋剤として例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の各種のメタクリル、アクリル及びジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどを使用することができる。しかし、材料の酸素透過性、本発明の効果である軽量さなどを損なわないためにも10重量部以下で使用するのが好ましい。
【0030】
また、ある程度の硬度や柔軟性を持たせたり、樹脂の透明性を向上させたり、カラーレンズ用の色素の定着を向上させる目的で10重量部以下で使用することができる。これら単量体の例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどの直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキルアクリレートが挙げられ、これらから目的に応じて選択することが望ましい。
【0031】
本発明における共重合は、通常のラジカル重合により行うことができ、ラジカル重合開始剤として例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)に代表されるアゾ化合物や、ベゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α,α−ビス(ターシャリーブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルペルオキシ)ヘキサンに代表される過酸化物を使用することができる。
【0032】
重合はあらかじめコンタクトレンズ形状に作製されている型中に重合開始剤を含む単量体を注入し重合することも可能であるし、チューブ状の型中で重合をした後に目的とするコンタクトレンズに切削、研磨を施す方法も可能である。また、重合は一般に加熱重合が用いられるが、紫外線や、γ線照射による重合法も本発明の範囲内である。
【0033】
また、本発明により得られたコンタクトレンズを後に染料により染色することや、表面に濡れ性を与えるために、紫外線照射、オゾン照射、酸素プラズマ照射等を行うことが可能である。さらに、表面に各種の親水性基を結合させることも本発明の範囲内である。
【0034】
次に、本発明における実施例を以下に示すが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0035】
(実施例1〜3)
式:
【0036】
【化4】
Figure 0003932213
で表される4−エチルスチレン(4−Et−St)、トリス(トリメチルシロキシ)−γ−メタクロイルオキシプロピルシラン(SiMA)、
式:
【0037】
【化5】
Figure 0003932213
で表されるシリコン含有ウレタンアクリレート(UA)、エチレングリコールジメタクリレート(ED)、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を表1に示すように調整した。
【0038】
上記各成分を均一になるように充分撹拌した後、内径15mm、深さ300mmのポリプロピレン製の試験管に注入し、窒素置換した後35℃から50℃を30分で昇温し、50℃を15時間保ちその後75℃まで8時間かけて昇温して重合させた。重合終了後、乾燥機内に移し90℃で一晩乾燥した後、ポリプロピレン製の試験管から離型し、90℃のシリコンオイル中に3時間浸漬した後、117℃の真空乾燥機で一晩乾燥し棒状の重合体を得た。得られた重合体を所定の厚さに切削し、さらに研磨して物性評価サンプルを得た。
【0039】
比重、ヴィッカース硬度(Hv)、酸素透過係数(Dk)、ビッカート軟化点及び強度を評価した。その評価結果を表2に示す。また、評価方法は以下のようである。
【0040】
評価方法
・比重
メトラー・トレド社製自動比重測定装置SGM−6を用いて36℃で測定した。
【0041】
・ヴィッカース硬度(Hv)
明石製作所製微小硬度計MVK−EIII を用いて、研磨されたサンプルを測定した。
【0042】
・酸素透過係数(Dk)(10-11 cm3 cm/sec・cm2 ・mmHg)
MOCON社製OX−TRAN 100Aを用いて、研磨されたサンプルを36℃で測定した。
【0043】
・ビッカート軟化点
上島製作所製耐熱変形試験機を用いて、研磨されたサンプルを測定した。
【0044】
・強度
得られた重合体を切削、研磨してコンタクトレンズを得て反転させた。その時、
割れないレンズを ○
割れたレンズを ×
として、強度を評価した。
【0045】
Figure 0003932213
【0046】
Figure 0003932213
【0047】
(実施例4〜6)
実施例1〜3において、4−エチルスチレンを用いずに4−ターシャリーブチルスチレン(4−tBu−St)を用いて表3に示すような組成となるように調整し、実施例1〜3と同様にして共重合体を得、所定の厚さに切削し、さらに研磨して物性評価サンプルを作製した。この物性評価サンプルを実施例1〜3と同様にして評価した。その評価結果を表4に示す。
【0048】
Figure 0003932213
【0049】
Figure 0003932213
【0050】
表2及び表4に示した物性値から、実施例1〜6は涙液交換に適する低比重で酸素透過係数及び機械的強度が高く、切削、加工に耐えうる強度を持つすぐれたものであることがわかる。
【0051】
特に、実施例4〜6のコンタクトレンズ材料はさらに涙液交換に適した低比重なものであり、一般式(V)中のRの炭素数が大きいほど軽量になり、涙液交換に適したコンタクトレンズ材料として好ましいことがわかる。しかし、大きくなりすぎると樹脂が脆くなるので炭素数は4程度が好ましい。
【0052】
(比較例1〜4)
実施例1〜6において、シリコン含有ウレタンアクリレート(UA)を用いず、さらに単官能であるトリス(トリメチルシロキシ)−γ−メタクロオキシプロピルシラン(SiMA)を用いずに2官能である1,3−ビス(4−メタクリロキシブチル)テトラジメチルシロキサン(Bis−SiMA)を用いて、表5に示すような組成となるように調整し、実施例1〜6と同様にして共重合体を得、所定の厚さに切削し、さらに研磨して物性評価サンプルを作製した。この物性評価サンプルを実施例1〜6と同様にして評価した。その評価結果を表6に示す。
【0053】
Figure 0003932213
【0054】
Figure 0003932213
【0055】
表6に示したように、シリコン含有ウレタンアクリレート(UA)を用いず、2官能のシリコン系単量体を用いて架橋効果を向上させてもレンズを反転させると割れてしまい、ウレタンアクリレートを配合しているときに比べ充分な強度は得られなかった。また酸素透過係数も30以下であり、角膜に負担のかからないコンタクトレンズ材料としては不適である。
【0056】
(実施例7〜9)
実施例4〜6で調整した試験片をコンタクトレンズに加工し、シラノール処理によって親水化処理を行った。酢酸でpHを4.5〜5.5に調整したエタノール95%水溶液にポリエチレンオキシド基含有シラン化合物(信越化学工業製X−12−641)を撹拌下に加え最終濃度が2%となるようにした。シラノール生成のため5分間保持した後溶液にコンタクトレンズを2分間浸漬した。2分後、溶液からコンタクトレンズを取り出しエタノールで軽く洗い80℃で30分間硬化し、親水処理したコンタクトレンズを得た。得られたコンタクトレンズの接触角を評価した。その評価結果を表7に示す。また評価方法は以下のようである。
【0057】
接触角
協和界面化学製CONTACT−ANGLE METERを用いて、研磨されたサンプルの接触角を液適法で測定した。
【0058】
Figure 0003932213
【0059】
表7に示すように、シラノール処理によって接触角は下がり濡れ性の良好なコンタクトレンズに処理することが可能である。
【0060】
【発明の効果】
本発明のコンタクトレンズは涙液交換に適する軽量である。また芳香族を含む単量体を使用しているため屈折率も高く、ウレタンアクリレートを使用しているため酸素透過性及び機械強度も高い。さらに、装用感を高める親水性処理も容易に行うことができるため硬質コンタクトレンズとして好適なものである。

Claims (3)

  1. 第一成分としてシリコン原子含有量が10〜30%で官能基として(メタ)アクリル基を分子中に一個有するラジカル重合性のシリコン系単官能単量体20〜70重量部、及び第二成分としてウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート1〜10重量部、及び第三成分としてアルキルスチレン10〜70重量部、及びこれら単量体と共重合可能な単量体1〜40重量部を共重合してなることを特徴とする、36℃における比重が0.90〜1.05で、酸素透過係数が40以上である硬質コンタクトレンズ。
  2. ウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレートがシリコン原子を有する請求項1記載の硬質コンタクトレンズ。
  3. 更に第四成分として、水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート1〜10重量部以下を共重合してなる請求項1記載の硬質コンタクトレンズ。
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