JP4418260B2 - 建設機械のエンジン空冷構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械のエンジン空冷構造の改良に関する。
従来、建設機械の一例として示す油圧ショベルでは、カウンタウエイトの前方で、車体の左側から右側に向かって、ラジエータとオイルクーラー、エンジンファン、エンジンの順に並べ、ファイヤーウオール等の隔壁で覆ったエンジンルームを設け、エンジンファンの下流の排気用の開口としてエンジン上方の開口やエンジン下方の開口が形成されている。
この場合、排気用の上方の開口である第2開口11’は、図6(a)にWで示すように一定の幅となる。
しかし、図6(b)で例示する上部旋回体の横幅を短くした小旋回機では、エンジン上方の排気用の第2開口11’は、図6(a)の標準機よりも後端が短いという機体の特徴から、前記標準機の幅Wよりも短い幅W’の長さしか確保することができない。
なお、図中実線は機体の外へ排気される外気の流れであり、点線は加熱されてエンジンルーム内を流通する外気の流れを示す。
これにより、小旋回機のような小型機においては、空冷用の排気量が標準機に比べて制限されることが分かる。
次ぎに、特開2001−193102の建設機械のエンジン冷却風路では、カウンタウエイトの左右側端部近傍に開口部を設けてエンジンファン風分流路を形成する構成が開示されている。
しかし、この構成では、エンジンファン風はエンジンルーム側とカウンタウエイト側を通り抜ける流路に分岐されて機体の右側から排気されるので、構造が複雑となる欠点がある。
特開2001−193102公報
この発明は上記事情に鑑みて創案されたものであって、解決しようとする問題点は、エンジンファンの軸を中心としたエンジンファンの外周方向に補助の開口を設けることでエンジン上方の排気用の開口不足を補って、効率的な排気を可能とした建設機械のエンジン空冷構造を提供することにある。
本発明は、エンジンファンの軸を中心としたエンジンファンの外周方向に補助の開口を設けることを最も主要な特徴とする。
請求項1の発明では、建設機械の機体の一方側に配置された第1開口から取り込まれた外気で、ラジエータおよびエンジンルーム内のマフラーを冷却し、前記機体の他方側の上面に設けた第2開口へ排気させるエンジンファンを設けた建設機械のエンジン空冷構造において、
上記エンジンファンの下流で、エンジンファンの回転軸を中心とした外周方向となる上部旋回体の機体に補助開口を設けてり、
該補助開口が、エンジンファンの下流側でエンジンファン直後の位置であって、機体のブーム基端を枢着する段部の一側に機体内部と連通可能に形成されたボックスの前面で、ブーム基端に向かって開口されていることを特徴とする。
本発明の建設機械のエンジン空冷構造は、熱交換機を通った外気の一部を排気しながらエンジンの空冷を行うので、建設機械の機体のサイズにかかわらず、排気効率の向上を図ることができるので、従来に比べて熱交換器の冷却能力を向上させることができる。
また、機体のサイズを小型化した場合にあっては、従来の冷却能力を維持しつつ、排気側の開口を縮小することができるので、エンジン放出音などの騒音を低減することができる。
以下に、この発明の建設機械のエンジン空冷構造を油圧ショベルに適用した場合の好適実施例について図面を参照しながら説明する。
[エンジンルームの外気流通路]
図1および図2は、油圧ショベル1の上部旋回体の機体21が旋回した際に下部走行体22の足回り装置(図示例では履帯)23より外側に全くまたは大きく張り出すことのない油圧ショベル1の小旋回機のエンジンルーム3での空気の流れを示す模式図である。
この油圧ショベル1は、図1に示すように、上部旋回体の機体21の左側上部に第1開口4が形成されている。なお、左右方向は、図1を基にしたもので、以下の説明でも同じである。
そして、その近傍にはラジエータやオイルクーラー5などの熱交換機が配置されている。
このラジエータやオイルクーラー5の右側には、エンジンファン6を介してエンジン7が配置されている。
エンジン7の図中右側上部にはマフラー8が配置されており、またエンジン7の右側には油圧ポンプ9等が配置されている。
また、これらを覆うエンジンフード10の右側上部にはエンジンルーム3内を流通する空冷用外気を排気するための第2開口11が形成されている。
そして、上記構成における外気の流れは、前記エンジンファン6の駆動で、機体21左側の第1開口4から外気E1がエンジンルーム3内に取り込まれる。
そして、外気E1はラジエータとオイルクーラー5を冷やし、エンジン7を通ってマフラー8を冷やし、この外気E2がフード10の上部に形成された第2開口11から排気される(図2参照)。
なお、エンジンルーム3は、図示例の場合、油機の破損時にオイルがエンジンルーム3内に飛散したり、発火するのを防ぐため、ファイヤーウオール13がエンジン7を囲っている。
このファイヤーウオール13は、同時に冷却空気をスムーズに流し、機体21の内側やオペレータ(運転室24)へ熱が行くのを防いでいる。
[補助開口]
このような公知構成において、この実施例では、補助開口15を設けている。
補助開口15は、該エンジンファン6の回転軸6aを中心とした外周方向で、上記エンジンファン6の下流、図示例ではエンジンファン6の直後(図1中、エンジンファン6の右横)に設けられている。
ここで「直後」の位置は、一定の幅を有するものであって、エンジンファン6の回転で、ラジエータなどに接して加熱された外気を、エンジンファン6の円周方向の風で送り出すことができる領域であればよく、その範囲を含むものである。
また、この補助開口15は、エンジンルーム3と連通するように前記ファイヤーウオール13に補助開口15に対応した孔や隙間13aを設けておく。
実施例1の補助開口15は、図5に一層明瞭なように、機体21の前方側に向かって開口を設けている。
図示例では、機体21のブーム基端を枢着するブラケット26の上方で、運転室24と並んで段部27が形成されている。
そして、この段部27の一側(図示例では左端)に、空洞用のボックス15aが一体に形成されており、該ボックス15aは、段部27の上下の端部を連接する傾斜面に設定された前面を有しており、この前面に補助開口15が形成されている。
上記構成からなっているので、前記エンジンファン6の駆動で、第1開口4から取り込まれた外気は、ラジエータやオイルクーラー5などの熱交換機を通り、加熱された熱風の一部E3(図1参照)は、エンジンファン6の下流でエンジンファン6の直後に開口された前記補助開口15から排気されるので、エンジンルーム3内を流通する外気の温度を高めることがなく、マフラーを空冷して第2開口11へ排気されるので、冷却効率を高めることができる(図4参照)。
[補助開口の参考例
図3は、本発明の技術的範囲に含まない参考例を示すもので、前記エンジンファン6の直後で、エンジンルーム3の上方に空洞用のボックス16aが設けられており、該ボックス16aの一面(図示例では右側面)に補助開口16を開口した構成となっている。
この参考例では、熱交換機に接して加熱された外気の一部E3’(図3参照)がエンジンファン6を超えたところで、そのエンジンファン6の外周方向に設けられた前記補助開口16から排気されるので、前記実施例1と同様に外気E1’、E2’によって効率的な空冷を行うことができる。
その他の構成は前記実施例1と同様であるので、同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
このように、上記実施例1では、エンジンファンの回転軸を中心としたエンジンファンの外周方向に補助開口を設けることで、従来に比べて効率的な排気を可能とし、熱交換器の冷却能力を向上させることができる。
また、小旋回機のように機体のサイズを小型化した場合には、従来の冷却能力を維持しつつ、排気側の第2開口11を小さくすることができるので、エンジン放出音などの騒音を低減しうる。
上記実施例では、建設機械として油圧ショベルの小旋回機を例に説明したが、上部旋回体が足回り装置の幅より大きく突出して旋回する標準機であってもよい。 更に、油圧ショベルに限定されず、その他の建設機械であってもよく、要旨を変更しない範囲で適用しうる。
同油圧ショベルの機体を平面から見た状態の実施例の模式図である。 冷却空気の流れを説明する油圧ショベルの機体を横断した状態の模式図である。 参考例の機体内の空冷状態を説明する断面図である。 補助開口を上方に設けた参考例の冷却空気の流れを示す模式図である。 補助開口の実施例を示す機体本体の斜視図である。 従来の機体内の空冷状態を説明する断面図であって(a)は標準機、(b)は小旋回機である。
1 油圧ショベル
2 上部旋回体の機体
3 エンジンルーム
4 第1開口
5 ラジエータ オイルクーラー
6 エンジンファン
6a 回転軸
7 エンジン
8 マフラー
9 油圧ポンプ
10 エンジンフード
11 第2開口
13 ファイヤーウオール
15、16 補助開口
15a、16a ボックス
21 上部旋回体
22 下部走行体
23 足回り装置
24 運転室
25 フロントアタッチメント
25a ブーム
25b バケット
26 ブラケット
27 段部

Claims (1)

  1. 建設機械の機体の一方側に配置された第1開口から取り込まれた外気で、ラジエータおよびエンジンルーム内のマフラーを冷却し、前記機体の他方側の上面に設けた第2開口へ排気させるエンジンファンを設けた建設機械のエンジン空冷構造において、
    上記エンジンファンの下流で、エンジンファンの回転軸を中心とした外周方向となる上部旋回体の機体に補助開口を設けてり、
    該補助開口が、エンジンファンの下流側でエンジンファン直後の位置であって、機体のブーム基端を枢着する段部の一側に機体内部と連通可能に形成されたボックスの前面で、ブーム基端に向かって開口されていることを特徴とする建設機械のエンジン空冷構造。
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