JP4520892B2 - 作業機械の冷却構造 - Google Patents
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Description
例えば、図3は比較的小型の油圧ショベルの上部旋回体の構成を示す平面図であり、上部旋回体1は、架台となる旋回フレーム1aを有し、旋回フレーム1aの前部にはオペレータ室用のキャブ8が配設され、後端部には作業装置と重量バランスをとるカウンタウエイト2が配設され、旋回フレーム1a上のカウンタウエイト2の前方にはエンジンを装備したエンジンルーム7が設けられ、さらに、エンジンルーム7の一側には冷却装置等が配設され、他側にはエンジンで駆動される作動油ポンプ9等が配設されている。
しかしながら、上述のように、小型の油圧ショベルのカウンタウエイト2は、機体1側面の吸気口6の設置部分にまで回り込んだ湾曲形状になっているので、これによりアウタパネル1bに、吸気口6を設けることができる領域の幅dが狭められて、吸気口6の幅(吸気幅)dがアウタパネル1bに略平行に配設されたクーリングユニット4の幅wよりも狭くなり、クーリングユニット4を通過する風量が減少して、エンジン7や作動油の冷却効率が低下してしまうという課題がある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、比較的小型な作業機械であっても冷却風量を十分に確保できて冷却効率を向上できる、作業機械の冷却構造を提供することを目的とする。
請求項3記載の本発明の作業機械の冷却構造は、請求項1又は2記載の作業機械の冷却構造において、該開口部には、該開口部を被うカバーが設けられていることを特徴としている。
また、開口部に冷却ファンが配設されることにより、冷却ファンの回転により開口部の部分が負圧となり、吸引される冷却風量をより増大することができる。
また、エアコンユニットの冷却に使用された後の外気は、機体内部に装備された他の冷却装置類にも使用されるので、他の冷却装置類の冷却効率を向上させることができる。
また、第1の隔壁と第2の隔壁との間に通気口が形成されているので、通気口からも外気を排気することができ、排気効率が向上するとともに冷却風量をより増大することができる。
また、開口部にカバーが設けられていれば、エアコンユニットの外部からの損傷を防止することができ、またエアコンユニット等の作動に伴う騒音が外部に洩れるのを低減することができ、さらに、開口部から機体内部にチリやホコリが入るのを防ぐことができる。
図1及び図2は本発明の一実施形態に係る作業機械の冷却構造を示すもので、図1はその模式的な上面図、図2はその要部の側面図である。なお、従来技術の説明として既に説明した部品については同一の符号を付している。
本実施形態にかかる作業機械は、油圧ショベルであって、しかも、機体面積に対して比較的大きな割合を占めるカウンタウエイトを有する、比較的小型の油圧ショベルである。
機体1左側面の外殻をなす左アウタパネル1bと、機体1右側面の外殻をなす右アウタパネル1cとは、旋回フレーム1aの側端部から機体1前後方向に延伸して、旋回フレーム1aを覆うように立設されており、左アウタパネル1bには、外部の空気を冷却風として取り入れるように、複数本のスリットで構成される吸気口6が設けられ、この吸気口6からクーリングユニット4及びエンジンルーム7に向かって矢印A方向に、冷却風が流入されるようになっている。
また、エンジンルーム7の周囲の機体の下面には、冷却によって加温された冷却風が排気される排気口(図示略)が形成されている。したがって、クーリングユニット4内の冷却風は、第1の隔壁14aによって流れを案内され、クーリングユニット4内を流通した後、この機体の下面の排気口と上記の通気口13とからクーリングユニット4外に排出されるようになっている。なお、通気口13から排気された冷却風は、さらなる別の排気口を介して機外へ排出されるようになっている。
カウンタウエイト2の一部(延設部2a)を貫通する開口部10が形成されているので、開口部10からも冷却風を吸入することができ、外気を吸気する領域が増大して、クーリングユニット4及びエンジンを冷却するのに十分な冷却風量を確保することができて、冷却効率を向上させることができる。
また、開口部10に冷却ファン11の外側にエアコンユニット(エアコンコンデンサ)3を配設しているので、エアコンユニット3を旋回フレーム1a中央部に配設していた従来と異なり、開口部10から取り入れられた冷却風は初めにエアコンユニット3の冷却に使用された後、クーリングユニット4等を通過することになり、エアコンコンデンサにも新鮮な冷却風を供給して、エアコンの冷却効率をより向上させることができる。
なお、冷却ファン11は、エアコンを使用しないときにも作動可能なものとし、エアコンを使用しない場合でも常に冷却ファン11を回転させておくことで、冷却風を増加させることができる。
例えば、エアコンを作業機械に設置しない場合は、カウンタウエイト2の開口部10には冷却ファン11のみ(カバー12付き)を設置してもよい。また、もしくは、カウンタウエイト2の開口部10にはカバー12のみを設置してもよい。これによっても、冷却風を吸気する吸気幅は増加するので、機体の冷却効率を上げることもできる。
また、本実施形態では、本発明の冷却構造を小型の油圧ショベルに適用した場合について説明したが、中型,大型の油圧ショベルや、カウンタウエイトを備えたほかの作業機械などにも適用することができる。
1a 旋回フレーム
1b 左アウタパネル
1c 右アウタパネル
2 カウンタウエイト
2a,2b 延設部
2c 左端部
2d 背面(後部)
3 エアコンユニット
4 クーリングユニット
5 冷却ファン
6 吸気口
7 エンジンルーム
8 キャブ
10 開口部
11 冷却ファン
12 カバー
13 通気口
14a 第1の隔壁
14b 第2の隔壁
A 冷却風の流れ
B 冷却風の漏れ
d 吸気幅
l 排気幅
w クーリングユニットの幅
Claims (3)
- 作業機械の機体の後部に機体幅方向に延在するように設けられるカウンタウエイトの一部を貫通して、冷却ファン及びエアコンユニットを配設するための開口部が形成され、
該開口部の機体内部側には、該作業機械に装備されたエンジンの冷却装置を含む冷却装置類が装備され、該開口部に配設された該冷却ファンにより該機体内部に取り入れられた外気が、該開口部に配設された該エアコンユニットの冷却に使用された後、該冷却装置類の冷却にも使用されるように構成され、
該冷却装置類の機体前方側を区画する第1の隔壁と、該第1の隔壁と前後位置をずらして配設されるとともにエンジンルームの機体前方側を区画する第2の隔壁との間に、該冷却装置類を冷却した外気を排気できる通気口が形成されている
ことを特徴とする、作業機械の冷却構造。 - 該カウンタウエイトの後部は、平面視で略円弧状に形成されて、該カウンタウエイトの機体幅方向端部には、該機体の側面に沿って回り込むように湾曲して形成された延設部が形成されている
ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械の冷却構造。 - 該開口部には、該開口部を被うカバーが設けられている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の作業機械の冷却構造。
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