JP4418229B2 - 水溶性及び有機溶解性ククルビツリル誘導体、その調製方法、その分離方法ならびに用途 - Google Patents
水溶性及び有機溶解性ククルビツリル誘導体、その調製方法、その分離方法ならびに用途 Download PDFInfo
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Description
技術分野
本発明は、水溶性及び有機溶解性ククルビツリル誘導体(cucurbituril derivative)、その調製方法、その分離方法ならびに用途に関するものであり、より詳細には、様々な繰り返し単位及び様々な大きさの内部の空洞を有し、さらに中性のpHの純水に及び一般的な有機溶剤に溶ける新規なククルビツリル誘導体、その調製方法、純粋なククルビツリル誘導体の分離方法、ならびにこれらの用途に関するものである。
【0002】
背景技術
ククルビツリルは、1905年のBehrendらによって最初に報告された化合物である(Liebigs Ann. Chem. 1905, 339, 1)。彼らの論文によると、グリコールウリル(glycoluril)と過量のホルムアルデヒドとを塩酸(HCl)存在下で縮合させると、非晶質固体が製造される。この固体を熱い濃硫酸で溶かし、この溶液を水で希釈した後、溶液を室温までゆっくり冷却することによって、結晶性の材料が製造される。彼らは、この物資をC10H11N7O4・2H2Oと間違って特徴付けたが、その構造は同定されていなかった。
【0003】
1981年に、この物質は、Mock及び共同研究者らによって再発見された。彼らは、C36H36N24O12の組成を有する6つの単量体からなる大環状化合物として正しく特徴付け、また、これをX線結晶構造決定法によって確認した(J. Am. Chem. Soc., 1981, 103, 7367)。彼らは、これをククルビツリル(cucurbituril)と称し、我々は、以降、ククルビト[6]ウリル[cucurbit[6]uril]と称する。その後、ククルビト[6]ウリルの改善された調製方法が開示された(DE 196 03 377 A1)。
【0004】
2000年には、ククルビト[6]ウリルの公知の調製方法が、Kimoon Kim及び共同研究者らによって改善され、ククルビト[6]ウリル及びその同族体であるククルビツ[n]ウリル(n=5、7及び8)を合成、分離し、これをX線結晶構造決定法によって確認した(J. Am. Chem. Soc., 2000, 122, 540)。
【0005】
上記ククルビツリル誘導体は、非置換のグリコールウリル単量体の化合物であり、酸性水溶液にのみ可溶性であり、好ましくない。
【0006】
水素以外の置換基を有するククルビツリル誘導体としては、5つのジメタノジメチルグリコールウリル(dimethanodimethylglycoluril)単位がジメチルグリコールウリルとホルムアルデヒドとの縮合反応によって環構造を形成する、デカメチルククルビト[5]ウリル[decamethylcucurbit[5]uril]が報告されたのみである(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1992, 31, 1475)。しかしながら、この化合物もまた、酸性水溶液にのみ可溶性である。
【0007】
上記したように、現在まで調製され、知られているククルビツリル誘導体は、中性pHの純水やメタノール等の一般的な有機溶剤に不溶性であるため、その用途が非常に限定される。
【0008】
国際特許公報第WO 00/68232号には、下記式:
【0009】
【化5】
【0010】
ただし、nは、4〜12の値である、
を有するククルビト[n]ウリルが開示されている。
【0011】
加えて、WO 00/68232号には、下記式:
【0012】
【化6】
【0013】
を有する置換されたグリコールウリル誘導体が開示されている。
【0014】
しかしながら、上記グリコールウリル誘導体から調製されたククルビツリル誘導体は引用された参考文献には記載されていない。また、グリコールウリル誘導体はかなり大きな置換基を有しているために、立体障害によってこれに相当するククルビツリル誘導体を合成することは非常に難しい。
【0015】
発明の開示
上記問題を解決するために、本発明の第一の目的は、様々な大きさの空洞を有するおよび/または一般的な溶剤に対して溶解性が改善された新規なククルビツリル誘導体、およびこのようなククルビツリル誘導体を調製するのに使用される新規なグリコールウリル誘導体を提供することである。
【0016】
本発明の第二の目的は、前記ククルビツリル誘導体及びグリコールウリル誘導体の調製方法を提供することである。
【0017】
本発明の第三の目的は、ククルビツリル誘導体の混合物から純粋なククルビツリル誘導体を分離する方法を提供することである。
【0018】
本発明の第四の目的は、ククルビツリル誘導体の用途を提供することである。
【0019】
本発明の第一の目的は、式(1):
【0020】
【化7】
【0021】
ただし、Xは、O、SまたはNHであり;R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、1〜30炭素原子のアルキル基、1〜30炭素原子のアルケニル基、1〜30炭素原子のアルキニル基、1〜30炭素原子のアルキルチオ基、1〜30炭素原子のアルキルカルボキシル基、1〜30炭素原子のヒドロキシアルキル基、1〜30炭素原子のアルキルシリル基、1〜30炭素原子のアルコキシ基、1〜30炭素原子のハロアルキル基、ニトロ基、1〜30炭素原子のアルキルアミン基(alkylamine group)、アミン基(amine group)、1〜30炭素原子のアミノアルキル基、5〜30炭素原子の非置換のシクロアルキル基、ヘテロ原子を有する4〜30炭素原子のシクロアルキル基、6〜30炭素原子の非置換のアリール基、およびヘテロ原子を有する6〜30炭素原子のアリール基よりなる群から選択され;ならびに、n及びmは、独立して、それぞれ、4〜20及び1〜7の整数である、
を有するククルビツリル誘導体によって達成される。
【0022】
本発明の他の態様によると、式(2):
【0023】
【化8】
【0024】
ただし、Xは、O、SまたはNHであり;R1は、独立して、水素、1〜30炭素原子のアルキル基、1〜30炭素原子のアルケニル基、1〜30炭素原子のアルキニル基、1〜30炭素原子のアルキルチオ基、1〜30炭素原子のアルキルカルボキシル基、1〜30炭素原子のヒドロキシアルキル基、1〜30炭素原子のアルキルシリル基、1〜30炭素原子のアルコキシ基、1〜30炭素原子のハロアルキル基、ニトロ基、1〜30炭素原子のアルキルアミン基、アミン基、1〜30炭素原子のアミノアルキル基、5〜30炭素原子の非置換のシクロアルキル基、ヘテロ原子を有する4〜30炭素原子のシクロアルキル基、6〜30炭素原子の非置換のアリール基、及びヘテロ原子を有する6〜30炭素原子のアリール基よりなる群から選択され;mは、4を除く、1〜7の整数である、
を有するグリコールウリル誘導体が提供される。
【0025】
本発明の第二の目的は、(a−2)式(2)を有する化合物及び式(A)を有するアルデヒド化合物を混合、撹拌し、さらに(b−2)前記反応混合物に酸を添加し、撹拌して、反応を終了させることを有する、式(1):
【0026】
【化9】
【0027】
ただし、Xは、O、SまたはNHであり;R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、1〜30炭素原子のアルキル基、1〜30炭素原子のアルケニル基、1〜30炭素原子のアルキニル基、1〜30炭素原子のアルキルチオ基、1〜30炭素原子のアルキルカルボキシル基、1〜30炭素原子のヒドロキシアルキル基、1〜30炭素原子のアルキルシリル基、1〜30炭素原子のアルコキシ基、1〜30炭素原子のハロアルキル基、ニトロ基、1〜30炭素原子のアルキルアミン基、アミン基、1〜30炭素原子のアミノアルキル基、5〜30炭素原子の非置換のシクロアルキル基、ヘテロ原子を有する4〜30炭素原子のシクロアルキル基、6〜30炭素原子の非置換のアリール基、およびヘテロ原子を有する6〜30炭素原子のアリール基よりなる群から選択され;ならびに、n及びmは、独立して、それぞれ、4〜20及び1〜7の整数である、
を有するククルビツリル誘導体の調製方法によって達成される。
【0028】
段階(a−2)において、式(2)を有する化合物1モルに対して、酸を3〜7モルの量を添加することが好ましく、また、式(A)を有するアルデヒド化合物を2〜20モルの量を添加することが好ましく、さらに反応温度は50〜150℃の範囲であることが好ましい。また、段階(b−2)において、反応温度は、50〜150℃の範囲であることが好ましい。
【0029】
段階(b−2)の反応生成物のうち、それぞれ、n=5のククルビツリル誘導体は15〜50%の収率で製造されるのが好ましく、n=6のククルビツリル誘導体は2〜10%の収率で製造されるのが好ましく、n=4及び7〜20のククルビツリル誘導体は1〜5%の収率で製造されるのが好ましい。
【0030】
本発明の他の態様によると、(a−1)反応を目的として酸性水溶液または酸含有有機溶剤を、ウレア誘導体(B)及びシクロジオン(cyclodione)化合物(C)の混合物に添加し、さらに(b−1)前記反応混合物から水または有機溶剤を除去することを有する、式(2):
【0031】
【化10】
【0032】
ただし、Xは、O、SまたはNHであり;R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、1〜30炭素原子のアルキル基、1〜30炭素原子のアルケニル基、1〜30炭素原子のアルキニル基、1〜30炭素原子のアルキルチオ基、1〜30炭素原子のアルキルカルボキシル基、1〜30炭素原子のヒドロキシアルキル基、1〜30炭素原子のアルキルシリル基、1〜30炭素原子のアルコキシ基、1〜30炭素原子のハロアルキル基、ニトロ基、1〜30炭素原子のアルキルアミン基、アミン基、1〜30炭素原子のアミノアルキル基、5〜30炭素原子の非置換のシクロアルキル基、ヘテロ原子を有する4〜30炭素原子のシクロアルキル基、6〜30炭素原子の非置換のアリール基、およびヘテロ原子を有する6〜30炭素原子のアリール基よりなる群から選択され;ならびにmは、4を除く、1〜7の整数である、
を有するグリコールウリル誘導体の調製方法が提供される。
【0033】
段階(a−1)において、反応温度は、好ましくは70〜120℃の範囲である。好ましくは、反応に使用されるシクロジオン化合物(C)の量は、ウレア誘導体(B)の1モルに対して0.1〜0.5モルである。また、酸性水溶液は、好ましくは、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、酢酸、塩酸、硝酸及び硫酸よりなる群から選択され、酸含有有機溶剤は、ベンゼン及びトルエンよりなる群から選択される。
【0034】
第三の目的を達成するために、本発明は、分別結晶によってククルビツリル誘導体混合物から式(1)を有するククルビツリル誘導体を分離する方法を提供するものである。上記分別結晶方法は、水、アセトン及びアセトニトリルよりなる群から選択された少なくとも一の溶剤における異なる溶解度に基づくものである。
【0035】
本発明の第四の目的は、廃水から有機染料を、水から重金属を、及び放射性廃棄物から放射性同位元素を除去するのに、不快な臭い、及び大気汚染物質を捕集及び除去するのに、ならびに畜産廃水及び製鉄所廃水を脱臭、脱色するのに、ククルビツリル誘導体を使用する方法によって達成される。または、本発明は、アンモニウムイオン、有機アミン、アミノ酸誘導体、核酸塩基、アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンを検出するためのセンサー、ポリマー、化粧品、人工的に香りをつけた紙または織物、殺虫剤及び除草剤、薬剤への添加剤、ならびに薬剤担体に使用できる。さらに、本発明は、フラーレンまたはカボラン(caborane)化合物の抽出及び精製に使用でき、またクロマトグラフィー用カラムの充填材料として、気体分離膜への添加剤として、各種化学反応の触媒として使用できる。特に、本発明の好ましい実施態様では、ククルビツリル誘導体をイオン選択材料として用いるイオンセンサーが提供される。
【0036】
本発明によるククルビツリル誘導体は、式(1):
【0037】
【化11】
【0038】
ただし、Xは、O、SまたはNHであり;R1及びR2は、独立して、水素、1〜30炭素原子のアルキル基、1〜30炭素原子のアルケニル基、1〜30炭素原子のアルキニル基、1〜30炭素原子のアルキルチオ基、1〜30炭素原子のアルキルカルボキシル基、1〜30炭素原子のヒドロキシアルキル基、1〜30炭素原子のアルキルシリル基、1〜30炭素原子のアルコキシ基、1〜30炭素原子のハロアルキル基、ニトロ基、1〜30炭素原子のアルキルアミン基、アミン基、1〜30炭素原子のアミノアルキル基、5〜30炭素原子の非置換のシクロアルキル基、ヘテロ原子を有する4〜30炭素原子のシクロアルキル基、6〜30炭素原子の非置換のアリール基、およびヘテロ原子を有する6〜30炭素原子のアリール基よりなる群から選択され;ならびに、n及びmは、独立して、それぞれ、4〜20及び1〜7の整数である、
によって表わされる。
【0039】
R1及びR2に関する1〜30炭素原子のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びt−ブチル基が挙げられる。R1及びR2に関する1〜30炭素原子のアルケニル基としては、プロピレン及びブテン基が挙げられ、また1〜30炭素原子のアルキニル基としては、ヘキシニル基がある。1〜30炭素原子のアルキルチオ基としては、ブチルメチルスルフィド及びオクタンチオル基が挙げられる。1〜30炭素原子のアルキルカルボキシル基としては、カルボキシプロピル及びカルボキシブチル基が挙げられる。1〜30炭素原子のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシブチル及びヒドロキシエチル基が挙げられる。1〜30炭素原子のアルキルシリル基としては、アリールトリエチルシリル及びビニルトリエチルシリル基が挙げられ、1〜30炭素原子のアルコキシ基としては、メトキシ及びエトキシ基が挙げられる。1〜30炭素原子のハロアルキル基としては、CF3及びCH2Clが挙げられ、1〜30炭素原子のアルキルアミン基としては、メチルアミン及びエチルアミン基が挙げられ、1〜30炭素原子のアミノアルキル基としては、2−アミノブチル及び1−アミノブチル基が挙げられる。5〜30炭素原子の非置換のシクロアルキル基としては、シクロヘキシル及びシクロペンチル基が挙げられ、さらにヘテロ原子を有する4〜30炭素原子のシクロアルキル基としては、ピぺリジル及びテトラヒドロフラニル基が挙げられる。6〜30炭素原子の非置換のアリール基としては、フェニル、ベンジル及びナフチル基が挙げられ、またヘテロ原子を有する6〜30炭素原子のアリール基としては、ペンタフルオロフェニル及びピリジル基が挙げられる。
【0040】
上記式(1)におけるR1及びR2の上記例を考慮すると、下記化合物が式(1)を有するククルビツリル誘導体の例であってもよい。
【0041】
換言すると、上記式(1)において、R1は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、フェニルまたはピリジル基であってもよく、R2は、水素、メチル、プロピル、フェニル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、パラフルオロフェニルまたはα,α,α−トリフルオロトリル基であってもよい。または、R1は、水素であってもよく、R2は、水素、メチル、エチル、プロピル、フェニル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、パラフルオロフェニルまたはα,α,α−トリフルオロトリル基であってもよい。他の実施態様においては、R1は、メチル基であってもよく、R2は、水素、メチル、エチル、プロピル、フェニル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、パラフルオロフェニルまたはα,α,α−トリフルオロトリル基であってもよい。より好ましいククルビツリル誘導体は、XがOであり、R1及びR2は双方とも水素であり、nが4〜20の値であり、およびmが1〜7の値である、ならびにXがNHまたはSであり、R1及びR2は双方とも水素であり、nが4〜20の値であり、およびmが1〜7の値である、上記式(1)を有する。
【0042】
特に、nが5であり、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2が双方とも水素である本発明に係るククルビツリル誘導体は、高い溶解度、即ち、水では1(10-1〜3(10-1M、及びメタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びアセトニトリルよりなる群から選択される有機溶剤では1×10-4〜1×10-2Mを有する。上記したように、本発明に係るククルビツリル誘導体は、一般的な溶剤に可溶性であるので、より広範な用途が提供される。
【0043】
または、本発明は、式(2):
【0044】
【化12】
【0045】
ただし、Xは、O、SまたはNHであり;R1は、独立して、水素、1〜30炭素原子のアルキル基、1〜30炭素原子のアルケニル基、1〜30炭素原子のアルキニル基、1〜30炭素原子のアルキルチオ基、1〜30炭素原子のアルキルカルボキシル基、1〜30炭素原子のヒドロキシアルキル基、1〜30炭素原子のアルキルシリル基、1〜30炭素原子のアルコキシ基、1〜30炭素原子のハロアルキル基、ニトロ基、1〜30炭素原子のアルキルアミン基、アミン基、1〜30炭素原子のアミノアルキル基、5〜30炭素原子の非置換のシクロアルキル基、ヘテロ原子を有する4〜30炭素原子のシクロアルキル基、6〜30炭素原子の非置換のアリール基、及びヘテロ原子を有する6〜30炭素原子のアリール基よりなる群から選択され;ならびにmは、4を除く、1〜7の整数である、を有し、式(1)を有するククルビツリル誘導体を調製するのに使用されるグリコールウリル誘導体を提供するものである。
【0046】
式2のR1において、1〜30炭素原子のアルキル基、1〜30炭素原子のアルケニル基、1〜30炭素原子のアルキニル基、1〜30炭素原子のアルキルチオ基、1〜30炭素原子のアルキルカルボキシル基、1〜30炭素原子のヒドロキシアルキル基、1〜30炭素原子のアルキルシリル基、1〜30炭素原子のアルコキシ基、1〜30炭素原子のハロアルキル基、1〜30炭素原子のアルキルアミン基、1〜30炭素原子のアミノアルキル基、5〜30炭素原子の非置換のシクロアルキル基、ヘテロ原子を有する4〜30炭素原子のシクロアルキル基、6〜30炭素原子の非置換のアリール基、及びヘテロ原子を有する6〜30炭素原子のアリール基の例は、上記した定義と同様である。より好ましくは、式(2)を有するククルビツリル誘導体は、mが3または4であり、R1及びR2は双方とも水素である、上記式(2)を有する。
【0047】
以下、本発明に係る式(1)を有するククルビツリル誘導体の合成方法を、反応スキーム(1)及び(2)によって表わして、説明する。
【0048】
酸を、式(2)を有するグリコールウリル誘導体に、この誘導体1モルに対して、3〜7モルの量で添加、混合する。好ましくは、酸は、水または有機溶剤で1〜12Mとなる、より好ましくは6〜12Mとなるように希釈される。式(2)を有するグリコールウリル誘導体を溶解できる酸が、例えば、使用でき、使用できる酸としては、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、硝酸及びこれらの酸の混合物が挙げられる。酸の希釈剤としての有機溶剤は、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、クロロホルムまたはこれらの溶剤の混合液であってもよい。
【0049】
式(2)(X=O)を有する化合物は、下記方法に従って合成されうる。
【0050】
ウレア誘導体(B)(Y=O)、すなわち、ウレア、及びシクロジオン化合物(C)(m=1〜7)を、酸性水溶液または酸含有有機溶剤に溶解し、所定時間撹拌する。この段階では、反応温度は70〜120℃の範囲であることが好ましい。上記範囲を外れると、反応性の面で望ましくない。シクロジオン化合物(C)の含量は、ウレア誘導体(B)1モルに対して、0.1〜0.5モルの範囲であることが好ましい。
【0051】
酸性水溶液は、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、酢酸、塩酸、硝酸及び硫酸よりなる群から選択される酸から得られる。酸含有有機溶剤は、ベンゼン及びトルエンよりなる群から選択される。
【0052】
反応混合物から水または有機溶剤を除去すると、式(2)(X=O)を有する化合物が製造される。X=SまたはNHの式(2)を有する化合物も同様の方法によって得られる。
【0053】
【化13】
【0054】
ただし、m及びR1は前記の通りである。
【0055】
次に、反応スキーム2に示されるように、アルデヒド化合物Aを、式(2)(X=O)を有する化合物及び酸の反応混合物に添加し、30分〜1時間、50〜150℃で撹拌しながら反応させる。反応温度が50℃未満であると、反応がほとんど進まない。反応温度が150℃を超えると、粘性のある中間反応産物の分解が起きて望ましくない場合がある。
【0056】
反応に使用されるアルデヒド化合物(A)の量は、式2を有する化合物1モルに対して、2〜20モルであり、好ましくは4モルである。アルデヒド化合物(A)の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びベンズアルデヒドなどが挙げられる。
【0057】
【化14】
【0058】
ただし、m、n、R1及びR2は前記の通りである。
【0059】
反応中、反応液の色は暗い赤色に変わり、その粘性が経時的に増加する。
【0060】
過剰の酸をさらに反応混合物に添加した後、50〜150℃で24時間、さらに反応させて、反応を終了させる。過剰の酸を添加した後、反応温度が50℃未満である場合には、反応がほとんど進まない。反応温度が150℃を超えると、粘性のある中間反応産物の分解が起きて望ましくない場合がある。
【0061】
最終反応産物は、反応温度及び反応物質の量によって変わる。最終反応産物は、mに関係なく、nが4〜20である際に、上記2以上のククルビツリル誘導体の混合物である。
【0062】
具体的には、反応産物は、nが4〜20でありかつmが1〜7であるククルビツリル誘導体の混合物である。ここでは、n=5のククルビツリル誘導体は、15〜50%の収率で製造され、n=6のククルビツリル誘導体は2〜10%の収率で製造され、さらにn=4及び7〜20のククルビツリル誘導体は1〜5%の収率で製造される。
【0063】
次に、得られたククルビツリル誘導体は、分別結晶法によって相互に分離される。この分別結晶法を用いた分離段階は、水、アセトン、アセトニトリルなどの溶剤に対する異なる溶解度に基づくものである。
【0064】
X=Sの式(1)を有するククルビツリル誘導体の合成方法を、ここで説明する。X=Sの式(1)を有するククルビツリル誘導体はまた、X=Oの代わりに、X=Sの式(2)を有する化合物を用いて上記方法によって合成されうる。ここでは、X=Sの式(2)を有する化合物は、ウレア代わりにチオウレアを使用する以外は、前記と同様にして合成できる。さらに、上記方法は、X=NHのククルビツリル誘導体を合成するのに適用できる。
【0065】
上記したように、本発明は、nが5〜20の範囲である、式(1)を有するククルビツリル誘導体の容易な調製方法を提供するものであり、所望のククルビツリル誘導体は、一般的な溶剤での異なる溶解度を用いて純粋なタイプで得ることができる。また、本発明によると、nが4〜20の範囲である、式(1)を有するククルビツリル誘導体から選択される2以上のククルビツリル誘導体の混合物を容易に得ることができる。
【0066】
シクロデキストリンの代用として使用できる、本発明によって開示される式(1)を有するククルビツリル誘導体は、4〜15Åの直径を有する空洞を有し、その空洞中に環状ベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体、カルボラン誘導体、フラーレン誘導体、フェロセン誘導体及びアダマンタン誘導体等の、ゲスト分子(guest molecule)を含むことができる。
【0067】
上記したように、式(1)を有するククルビツリル誘導体は、様々な大きさの化合物を封入でき、分子の空洞付近にルイス塩基を有し、これは電荷を有する金属イオン、有機金属イオンまたは有機化合物と相互作用できるため、ククルビツリル誘導体は広範な用途を有することができる。特に、本発明に係る式(1)を有するククルビツリル誘導体は、廃水から有機染料を、水から重金属を、及び放射性廃棄物から放射性同位元素を除去するのに、不快な臭い、及び一酸化炭素、二酸化炭素、NOx、SOx等の大気汚染物質を捕集及び除去するのに、ならびに畜産廃水及び製鉄所廃水を脱臭及び脱色するのに、使用できる。また、式(1)を有するククルビツリル誘導体は、アンモニウムイオン、有機アミンまたはアミノ酸誘導体、核酸塩基、アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンを検出するためのセンサーを製造するのに適用できる。式(1)を有するククルビツリル誘導体は、ポリマー、化粧品、人工的に香りをつけた紙または織物、殺虫剤及び除草剤、薬剤への添加剤として使用でき、さらに薬剤担体として使用できる。式(1)を有するククルビツリル誘導体は、フラーレンまたはカボラン化合物の抽出及び精製に使用でき、またクロマトグラフィー用カラムの充填材料として、気体分離膜への添加剤として、各種化学反応の触媒として使用できる。
【0068】
本発明によって開示されるククルビツリル誘導体の用途において、ククルビツリル誘導体の形態は特に限定されない。すなわち、特定の純粋なククルビツリル誘導体またはククルビツリル誘導体の混合物が使用されてもよい。しかしながら、使用されるククルビツリル誘導体の形態の中で効果の差異が大きくない場合には、反応スキーム1及び2によって調製されるククルビツリル誘導体の混合物の使用が、さらなる分離工程を必要としないため、コスト面で好ましい。
【0069】
以下、式(1)を有するククルビツリル誘導体を用いたイオンセンサーについて説明する。
【0070】
イオンセンサーは、イオン選択膜を有する。イオン選択膜は、イオン選択材料、高分子支持体及び可塑剤を溶剤に溶解してイオン選択膜を形成するための組成物を調製し、これから溶剤を除去することによって、形成される。イオン選択電極が、このイオン選択膜を用いることによって形成できる。次に、一般的な方法によってこのイオン選択電極を用いて、イオンセンサーが製造できる。
【0071】
イオン選択膜を形成するための組成物において、使用できるイオン選択材料としては、式(1)を有するククルビツリル誘導体が挙げられる。この際、化合物は、nが4〜20であり、mが1〜7である混合物の形態で使用されてもよい。高分子支持体は、イオン選択膜を支持する役割を担い、使用できる例としては、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン及びシリコンラバーが挙げられる。高分子支持体の使用量は、好ましくは、イオン選択材料1重量部を基準として、1〜180重量部である。この際、高分子支持体の量が上記範囲を外れる場合には、イオンセンサーの効率が劣る。
【0072】
イオン選択膜を形成するための組成物において、可塑剤は、層の加工性を改善する役割を果たし、使用できる例としては、2−ニトロフェニルオクチルエーテル、アジピン酸ジオクチル及びセバシン酸ジオクチルが挙げられる。可塑剤の使用量は、好ましくは、イオン選択材料1重量部を基準として、1〜140重量部である。ここで、可塑剤の量が上記範囲を外れる場合には、層の加工性が低下する場合がある。
【0073】
場合によっては、イオンセンサーの感受性を促進するための添加剤を、イオン選択膜を形成するための組成物にさらに含ませてもよい。このような添加剤の例としては、カリウムテトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸塩[potassium tetrakis(4-chlorophenyl)borate]、ナトリウムテトラキス[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)−フェニル]ホウ酸塩[sodium tetrakis[3,5-bis(1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-methoxy-2-propyl)-phenyl]borate]、カリウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル]ホウ酸塩[potassium tetrakis[3, 5-bis(trifluoromethyl)-phenyl] borate]が挙げられる。
【0074】
上記方法によって製造されるイオンセンサーは、鉛、水銀、アルカリ土類金属若しくはアルカリ金属等の重金属、またはアセチルコリン、アンモニウムイオン、有機アミン、アミノ酸、この誘導体若しくは核酸塩基等の有機物を検出するのに使用される。
【0075】
イオンセンサーに使用されるククルビツリル誘導体は、純粋な化合物またま混合物の形態を有していてもよい。
【0076】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の合成例1で調製されたククルビツリル誘導体のX線結晶構造を示す図である;
図2は、本発明の合成例2で調製されたククルビツリル誘導体のX線結晶構造を示す図である;
図3は、本発明の合成例1で調製されたククルビツリル誘導体CB*[5]を用いて調製されたイオン選択電極から検出される鉛イオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン及びナトリウムイオンを表わすグラフである;ならびに
図4は、本発明の合成例2で調製されたククルビツリル誘導体CB*[6]を用いて調製されたイオン選択電極から検出される鉛イオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン及びナトリウムイオンを表わすグラフである。
【0077】
本発明を下記実施例によってより詳細に説明する。下記実施例は、詳細に説明することを目的とするものであり、本発明の概念を制限するものではない。
【0078】
発明を実施するための最良の形態
合成例1:nが5であり、mが4であり、XがOであり、R 1 及びR 2 がHである式(1)を有するククルビツリル誘導体の調製
30%ホルムアルデヒド水溶液1.9mL及びmが4であり、XがOであり、及びR1がHである式(2)のグリコールウリル誘導体2.0gを混合し、これに37%塩酸水溶液0.16mLを添加した。この反応混合物を80℃で30分間撹拌した。次に、水5mLと硫酸2.5mLとを添加し、反応混合物を80℃で24時間さらに撹拌した。反応が終了した後、得られた溶液を室温まで冷やして、水10mLで希釈した。次に、アセトン300mLを反応混合物に加えて、沈殿を形成した。得られた沈殿をろ過し、アセトンで洗浄し、水50mLに再び溶かした。得られた溶液をトリエチルアミンで中和し、減圧下で濃縮して、n=5のククルビツリル誘導体45%、n=6のククルビツリル誘導体15%、n=4及び7〜20のククルビツリル誘導体5%などから構成される固体混合物を得た。この固体混合物をアセトニトリル20mLで洗浄し、水または水及びアセトンの混合液で再結晶化して、nが5であり、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHである式(1)を有する無色の結晶性のククルビツリル誘導体(以降、CB*[5]と称する)を40%の収率で得た。
【0079】
得られたククルビツリル誘導体の結晶構造をX線結晶学によって決定した。結果を図1に示す。図1に示されるように、合成例1で得られたククルビツリル誘導体は内部に空洞を有していることが確認された。
【0080】
1H NMR(300MHz,D2O):δ=5.64(d,J=15.6Hz,10H),4.33(d,J=15.8Hz,10H),2.20(s,20H),1.46(s,20H);13C NMR(75MHz,D2O):δ=156.33,76.45,43.51,23.56,14.0。
【0081】
合成例2:nが6であり、mが4であり、XがOであり、R 1 及びR 2 がHである式(1)を有するククルビツリル誘導体の調製
合成例1でアセトニトリル20mLで瀘過された溶液から得られた固体混合物を、水または水及びアセトンの混合液で再結晶化して、nが6であり、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHである式(1)を有する無色の結晶性のククルビツリル誘導体(以降、CB*[6]と称する)を10%の収率で得た。
【0082】
得られたククルビツリル誘導体の結晶構造をX線結晶学によって決定した。結果を図2に示す。図2に示されるように、合成例2で得られたククルビツリル誘導体は内部に空洞を有していることが確認された。
【0083】
1H NMR(300MHz,D2O):δ=5.73(d,J=15.9Hz,12H),4.32(d,J=16.0Hz,12H),2.26(s,24H),1.49(s,24H);13C NMR(75MHz,D2O):δ=156.43,76.51,44.10,23.37,14.07。
【0084】
合成例3:mが3であり、XがOであり、R 1 がHである式(2)を有するグリコールウリル誘導体の調製
1,2−シクロペンタンジオン2.0g、ウレア2.9g、トリフルオロ酢酸4mLをベンゼン60mLに溶かし、16時間80〜90℃で還流させた。反応中に生成した水を、ディーンスタークウォータートラップ(Dean-Stark water trap)を用いて除去して、反応を促進した。得られた反応混合物を室温に冷やし、沈殿を得、これを瀘過、乾燥して、mが4であり、XがOであり、およびR1がHである固体のグリコールウリル誘導体を12%の収率で得た。
【0085】
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=7.25(s,4H),1.90(t,4H),1.67(m,2H);13C NMR(75MHz,DMSO−d6):δ=160.49,81.70,40.75,23.55。MS(ESI):m/z 182.02。
【0086】
合成例4
mが1であり、XがSであり、ならびにR1及びR2がHであるグリコールウリル誘導体を、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHであるグリコールウリル誘導体の代わりに使用した以外は、合成例1と同じ方法によって、所望の生成物を合成した。
【0087】
合成例5
mが2であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHであるグリコールウリル誘導体を、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHであるグリコールウリル誘導体の代わりに使用した以外は、合成例1と同じ方法によって、所望の生成物を合成した。
【0088】
合成例6
mが3であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHであるグリコールウリル誘導体を、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHであるグリコールウリル誘導体の代わりに使用した以外は、合成例1と同じ方法によって、所望の生成物を合成した。
【0089】
合成例7
mが5であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHであるグリコールウリル誘導体を、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHであるグリコールウリル誘導体の代わりに使用した以外は、合成例1と同じ方法によって、所望の生成物を合成した。
【0090】
合成例8
mが7であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHであるグリコールウリル誘導体を、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHであるグリコールウリル誘導体の代わりに使用した以外は、合成例1と同じ方法によって、所望の生成物を合成した。
【0091】
合成例1〜8と同様の方法によって、mが4であり、nが7であり、XがOであり、R1及びR2が水素である;mが4であり、nが8であり、XがOであり、R1及びR2が水素である;mが4であり、nが9であり、XがOであり、R1及びR2が水素である;mが4であり、nが10であり、XがOであり、R1及びR2が水素である;ならびにmが4であり、nが4であり、XがOであり、R1及びR2が水素である、ククルビツリル誘導体を得た。
【0092】
また、合成例1〜8と同様の方法によって、mが3であり、nが7であり、XがOであり、R1及びR2が水素である;mが3であり、nが8であり、XがOであり、R1及びR2が水素である;mが3であり、nが9であり、XがOであり、R1及びR2が水素である;mが3であり、nが10であり、XがOであり、R1及びR2が水素である;ならびにmが3であり、nが4であり、XがOであり、R1及びR2が水素である、ククルビツリル誘導体を得た。
【0093】
合成例9
mが4であり、XがSであり、ならびにR1及びR2がHである化合物(A)を、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHである化合物(A)の代わりに使用した以外は、合成例1と同じ方法によって、所望の生成物を合成した。
【0094】
合成例10
mが4であり、XがNHであり、ならびにR1及びR2がHである化合物(A)を、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2がHである化合物(A)の代わりに使用した以外は、合成例1と同じ方法によって、所望の生成物を合成した。
【0095】
合成例9及び10と同様の方法によって、nが5であり、mが3であり、XがSであり、R1及びR2が水素である;nが6であり、mが3であり、XがSであり、R1及びR2が水素である;nが7であり、mが3であり、XがSであり、R1及びR2が水素である;nが8であり、mが3であり、XがSであり、R1及びR2が水素である;nが5であり、mが4であり、XがSであり、R1及びR2が水素である;nが6であり、mが4であり、XがSであり、R1及びR2が水素である;nが7であり、mが4であり、XがSであり、R1及びR2が水素である;nが8であり、mが4であり、XがSであり、R1及びR2が水素である;nが5であり、mが3であり、XがNHであり、R1及びR2が水素である;nが6であり、mが3であり、XがNHであり、R1及びR2が水素である;nが7であり、mが3であり、XがNHであり、R1及びR2が水素である;nが8であり、mが3であり、XがNHであり、R1及びR2が水素である;nが5であり、mが4であり、XがNHであり、R1及びR2が水素である;nが6であり、mが4であり、X=NHであり、R1及びR2が水素である;nが7であり、mが4であり、X=NHであり、R1及びR2が水素である;ならびにnが8であり、mが4であり、XがNHであり、R1及びR2が水素である、ククルビツリル誘導体を得た。
【0096】
合成例11:mが4であり、XがOであり、R 1 がHである式(2)を有するグリコールウリル誘導体の調製
1,2−シクロヘキサンジオン5.0g、ウレア6.7g、トリフルオロ酢酸10mLを、ベンゼン170mLに溶かし、18時間80〜90℃で還流させた。反応中に生成した水を、ディーンスタークウォータートラップを用いて除去して、反応を促進した。得られた混合物を室温に冷やして、沈殿を得、これを瀘過、乾燥して、mが4であり、XがOであり、およびR1及びR2がHである固体のグリコールウリル誘導体を71%の収率で得た。
【0097】
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=7.03(s,4H),1.69(t,4H),1.39(t,4H);13C NMR(75MHz,DMSO−d6):δ=161.19,74.52,32.37,18.43。MS(EI):m/z 196.00。
【0098】
合成例12
mが5であり、XがOであり、およびR1がHである式(2)を有するグリコールウリル誘導体を、合成例3におけるのと同様の方法によって合成した。
【0099】
合成例13
mが3であり、XがSであり、およびR1がHである;ならびにmが4であり、XがSであり、およびR1がHである式(2)を有するグリコールウリル誘導体を、合成例3におけるのと同様の方法によって合成した。
【0100】
合成例14
mが3であり、XがNHであり、およびR1がHである;ならびにmが4であり、XがNHであり、およびR1がHである式(2)を有するグリコールウリル誘導体を、合成例3におけるのと同様の方法によって合成した。
【0101】
実施例1及び2で合成されたククルビツリル誘導体の溶解度を、水、メタノール、ジメチルスルホキシド及びアセトニトリルにおいて測定し、結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
表1に示されるように、合成例1及び2で得られたククルビツリル誘導体は、中性pHの水及び有機溶剤において良好な溶解度を有しており、また、X線結晶構造決定によって確認されたが、内部に空洞を有している。ゆえに、有機化合物との包接化合物(inclusion complex)が効果的に製造できるが、これを下記実施例において確認した。
【0104】
実施例1
合成例2で合成されたCB*[6]6.6mg及びテトラヒドロフラン10mLを、D2O 0.5mLに溶解した。NMR分光によって、1:1のホスト−ゲスト複合体の定量的な形成が確認される。
【0105】
1H NMR(D2O,500MHz):δ=5.72(d,12H),4.26(d,12H),2.86(m,4H),2.23(s,24H),1.46(s,24H),1.01(m,4H)。
【0106】
実施例2
合成例2で合成されたCB*[6]6.6mg及びシクロペンタン10mLを、D2O 0.5mLに溶解した。NMR分光によって、1:1のホスト−ゲスト複合体の定量的な形成が確認される。
【0107】
1H NMR(D2O,500MHz):δ=5.77(d,J=15.0Hz,12H),4.22(d,J=16.0Hz,12H),2.23(s,24H),1.45(s,24H),0.70(s,10H)。
【0108】
実施例3
合成例2で合成されたCB*[6]6.6mg及びパラトルイジン1.2mgを、D2O 0.5mLに溶解した。NMR分光によって、1:1のホスト−ゲスト複合体の定量的な形成が確認される。
【0109】
1H NMR(D2O,500MHz):δ=6.63(d,2H),6.52(d,2H),5.73(dd,12H),4.19(dd,12H),2.25(s,24H),2.11(s,3H),1.45(s,24H)。
【0110】
実施例4
合成例2で合成されたCB*[6]6.6mg及びパラトルイジン塩酸塩1.5mgを、D2O 0.5mLに溶解した。NMR分光によって、1:1のホスト−ゲスト複合体の定量的な形成が確認される。
【0111】
1H NMR(D2O,500MHz):δ=6.65(d,2H),6.53(d,2H),5.73(dd,12H),4.19(t,12H),2.20(s,24H),2.05(s,3H),1.46(s,24H)。
【0112】
実施例5
合成例2で合成されたCB*[6]6.6mg及び1,4−フェニリンジアミン(1,4-phenyline diamine)1.2mgを、D2O 0.5mLに溶解した。NMR分光によって、1:1のホスト−ゲスト複合体の定量的な形成が確認される。
【0113】
1H NMR(D2O,500MHz):δ=6.21(d,4H),5.79(d,12H),4.26(d,12H),2.26(s,24H),1.51(s,24H)。
【0114】
実施例1〜5の上記結果から、合成例1及び2で得られたククルビツリル誘導体は、上記実施例で使用された有機材料の抽出、分離及び精製に好ましく使用されることが示される。
【0115】
合成例2で得られたククルビツリル誘導体は、その空洞中にガス状の包接複合体を形成できるが、これを実施例6で確認した。
【0116】
実施例6
合成例2で合成されたCB*[6]6.6mgを、D2O 0.5mLに溶解し、イソブテンガスを、10分間、得られた生成物中に吹き込んだ。NMR分光によって、1:1のホスト−ゲスト複合体の定量的な形成が確認される。
【0117】
1H NMR(D2O,500MHz):δ=5.77(d,12H),4.26(d,12H),3.90(s,2H),2.26(s,24H),1.50(s,24H),1.00(s,6H)。
【0118】
実施例6の結果から、合成例2で得られたククルビツリル誘導体は、本実施例で使用されたガス状分子の抽出、分離及び精製に、ならびに空気中の他の汚染物質の検出に好ましく使用できることが示される。
【0119】
下記実施例は、ククルビツリル誘導体が生理活性材料または薬剤を効果的に輸送できるかどうかを調べることを目的とする。実施例では、神経伝達物質である塩化アセチルコリンを使用した。
【0120】
実施例7
合成例2で合成されたCB*[6]6.6mg及び塩化アセチルコリン2.0mgを、D2O 0.5mLに溶解した。NMR分光によって、1:1のホスト−ゲスト複合体の定量的な形成が確認される。
【0121】
1H NMR(D2O,500MHz):δ=5.81(dd,12H),4.27(dd,12H),3.99(s,2H),3.85(s,2H),3.36(s,9H),2.27(s,24H),1.46(s,24H),1.15(s,3H)。
【0122】
これに対して、合成例1で得られたククルビツリル誘導体は、分子の空洞付近にルイス塩基原子を有しているため、これらは、正電荷を帯びた金属イオンまたは他の有機イオンと効果的に複合体を形成できる。下記実施例は、この性質を有するククルビツリル誘導体が金属陽イオンまたはアンモニウムイオンを検出するためのセンサーを製造するのに適用できるかどうかを調べることを目的とするものである。
【0123】
実施例8
5.5mMのCB*[5]溶液及び110mMのKCl溶液を、7.2のpHを有する0.05Mトリス緩衝液で調製した。次に、CB*[5]の結合定数を、マイクロカロリーメーター(microcalorimeter)(VP−ITC、MicroCal製)を用いて測定した。その結果、CB*[5]は、2.8(104M-1の1次結合定数及び1.5(102M-1の2次結合定数で、カリウムイオンと1:2の複合体を形成する。CB*[5]は、アルカリ金属イオンと、さらにはアンモニウムイオンと、選択的に結合できる。この結果から、ククルビツリル誘導体はイオンセンサーとして使用できることが確認される。
【0124】
下記実施例は、有機溶剤中に存在するアンモニウムイオンがCB*[5]と結合できるかどうかを調べることを目的とする。
【0125】
実施例9
合成例1で合成されたCB*[5]5.5mg及び(NH4)+(BPh4)-6.7mgを、CD3CN 0.5mLに溶解した。NMR分光によって、2:1の当量比でのCB*[5]との(NH4)+(BPh4)-のアンモニウムイオンの結合が確認される。
【0126】
1H NMR(CD3CN,500MHz):δ=7.24(s,16H),6.99(t,16H)6.84(t,8H),6.21(brs,8H),5.55(d,10H),4.09(d,10H),2.04(s,20H),1.36(s,20H)。
【0127】
下記実施例は、合成例1で調製されたCB*[5]を用いたイオン選択電極の調製方法によるイオン選択膜を有するイオン選択電極を用いた鉛イオン等の有害な重金属イオンに対する選択性を調べることを目的とするものである。
【0128】
実施例10
合成例1で調製されたCB*[5]1重量%をメタノール0.1mLに溶かすことによって得られた溶液ならびに高分子支持体であるポリ塩化ビニル33重量%、可塑剤である2−ニトロフェニルオクチルエーテル65.6重量%、及びカリウムテトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸塩0.4重量%を溶かすことによって得られたテトラヒドロフラン溶液0.4mLを、均一に混合した後、溶剤をゆっくり除去して、イオン選択膜を形成する。イオン選択電極を、このイオン選択膜を用いて製造した。ここで、0.05M KCl水溶液に浸漬された塩化銀被覆銀線を、基準電極として使用した。
【0129】
基準電極及びイオン選択電極を、250mLの4のpHを有する1mM Mg(OAc)2−HCl緩衝溶液中に浸漬し、得られた産物を、層が安定した境界電位差を示すまで、少なくとも1時間撹拌し続けた。この後、100秒間隔でマイクロピペットを用いて10-6Mから10-3Mまで10倍ずつ鉛イオンの濃度を増加させながら、電位差を測定した。鉛イオンに対する選択性を、0.01Mの濃度の固定溶液方法(fixed solution method)によって測定した。その測定結果を図3及び表2に示す。
【0130】
図3は、本発明の合成例1で調製されたククルビツリル誘導体CB*[5]を用いて調製されたイオン選択電極から検出された鉛イオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン及びナトリウムイオンを示すグラフであり、表2は、これらイオンに対する選択性を示すものである。
【0131】
【表2】
【0132】
図3及び表2に示された結果から、合成例1で調製されたCB*[5]を用いて製造されたイオン選択電極は、水中に残る鉛イオンまたは水銀イオン等の有害な重金属イオンを検出するのに使用できることが示される。
【0133】
下記実施例は、実施例1で調製されたCB*[6]を用いたイオン選択電極の調製方法によるイオン選択膜を有するイオン選択電極を用いた、神経伝達物質である、アセチルコリンに対する選択性を調べることを目的とするものである。
【0134】
実施例11
実施例1で調製されたCB*[6]1gをメタノール0.1mLに溶かすことによって得られた溶液ならびに高分子支持体であるポリ塩化ビニル33g、可塑剤である、2−ニトロフェニルオクチルエーテル65.6g、及びカリウムテトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸塩0.4gを溶かすことによって得られたテトラヒドロフラン溶液0.4mLを、均一に混合した後、溶剤をゆっくり除去して、イオン選択膜を形成する。イオン選択電極を、このイオン選択膜を用いて製造した。ここで、0.05M KCl水溶液に浸漬された塩化銀被覆銀線を、基準電極として使用した。
【0135】
基準電極及びイオン選択電極を、250mLの7.2のpHを有する0.05M Tris−HCl緩衝溶液中に浸漬し、得られた産物を、層が安定した境界電位差を示すまで、少なくとも1時間撹拌し続けた。この後、100秒間隔でマイクロピペットを用いて10-6Mから10-1Mまで10倍ずつ鉛イオンの濃度を増加させながら、電位差を測定した。鉛イオンに対する選択性を、0.01Mの濃度の固定溶液方法(fixed solution method)によって測定した。その測定結果を図4及び表3に示す。
【0136】
図4は、本発明の実施例1で調製されたククルビツリル誘導体CB*[6]を用いて調製されたイオン選択電極から検出された鉛イオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン及びナトリウムイオンを示すグラフであり、表3は、これらイオンに対する選択性を示すものである。
【0137】
【表3】
【0138】
実施例11によって示された結果から、実施例1で調製されたCB*[6]を用いて製造されたイオン選択電極は、生体内神経伝達物質、例えば、アセチルコリンを選択的に認識するので、臨床分析に使用できることが示される。
【0139】
産業上の利用可能性
上記したように、本発明に係る式(1)を有するククルビツリル誘導体は、中性pHの水中にまたは一般的な有機溶剤であるメタノール中に可溶性であるので、公知のククルビツリル誘導体に比べてより広範な用途を有する。また、ククルビツリル誘導体は、大きさが異なる様々な化合物を包接でき、金属イオン、有機金属イオンまたは正電荷を帯びた有機化合物との複合体を形成できるように空洞付近にルイス塩基原子を有する。これらの特徴により、本発明に係るククルビツリル誘導体は非常に広範な用途を有する。加えて、本発明に係るククルビツリル誘導体の調製は、工業目的に容易にスケールアップされる。本発明に係るククルビツリル誘導体の調製では、各ククルビツリル誘導体は、nが4〜20の値である、式(1)を有するククルビツリル誘導体を含む混合物から分離でき、また、2以上のククルビツリル誘導体の混合物もまた得ることができる。
【0140】
本発明によって開示されるククルビツリル誘導体及びその混合物は、廃水から有機染料を、水から重金属を、及び放射性廃棄物から放射性同位元素を除去するのに、不快な臭い、及び一酸化炭素、二酸化炭素、NOxやSOx等の大気汚染物質を捕集及び除去するのに、ならびに畜産廃水及び製鉄所廃水を脱臭及び脱色するのに、適用される。また、本発明によって開示されるククルビツリル誘導体は、アンモニウムイオン、有機アミンまたはアミノ酸誘導体、核酸塩基、アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンを検出するためのセンサーを製造するのに適用できる。ククルビツリル誘導体は、ポリマー、化粧品、人工的に香りをつけた紙または織物、殺虫剤、薬剤及び食品への添加剤として使用でき、さらに薬剤担体として使用できる。式(1)を有するククルビツリル誘導体は、フラーレンまたはカボラン化合物の抽出及び精製に使用でき、またクロマトグラフィー用カラムの充填材料として、気体分離膜への添加剤として、各種化学反応の触媒として使用できる。特に、本発明に係るククルビツリル誘導体は中性pHの水に可溶性であるので、生体内の生理活性材料、例えば、アセチルコリンを認識するのに好ましく使用できる。また、有機溶剤中のククルビツリル誘導体の溶解性の増加によってイオン選択電極膜の製造が容易であるので、ククルビツリル誘導体は臨床分析または環境汚染物質の検出に直接適用できるイオンセンサーの開発に使用できる。加えて、図1に示される方法によって調製されたククルビツリル誘導体の混合物を分離せずに使用することは、コスト面で好ましく、また工業的な用途にも適合しやすい。
【0141】
また、式(2)を有するグリコールウリル誘導体は、式(1)を有するククルビツリル誘導体を調製するのに好ましく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の合成例1で調製されたククルビツリル誘導体のX線結晶構造を示す図である。
【図2】 図2は、本発明の合成例2で調製されたククルビツリル誘導体のX線結晶構造を示す図である。
【図3】 図3は、本発明の合成例1で調製されたククルビツリル誘導体CB*[5]を用いて調製されたイオン選択電極から検出される鉛イオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン及びナトリウムイオンを表わすグラフである。
【図4】 図4は、本発明の合成例2で調製されたククルビツリル誘導体CB*[6]を用いて調製されたイオン選択電極から検出される鉛イオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン及びナトリウムイオンを表わすグラフである。
Claims (23)
- 化学式(1)で表されるククルビツリル誘導体:
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素または1〜30炭素原子のアルキル基であり、n及びmは、独立して、それぞれ、4〜10及び1〜7の整数である。 - R1は、水素またはメチル基であり、
R2は、水素またはメチル基である、請求項1に記載のククルビツリル誘導体。 - R1は、水素であり、
R2は、水素またはメチル基である、請求項1に記載のククルビツリル誘導体。 - R1は、メチル基であり、
R2は、水素またはメチル基である、請求項1に記載のククルビツリル誘導体。 - XがOであり、R1及びR2は双方とも水素であり、nが4〜10の値であり、ならびにmが1〜7の値である、請求項1に記載のククルビツリル誘導体。
- XがNHまたはSであり、R1及びR2は双方とも水素であり、nが4〜10の値であり、ならびにmが1〜7の値である、請求項1に記載のククルビツリル誘導体。
- nが5であり、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2が双方とも水素である、請求項1に記載のククルビツリル誘導体。
- nが6であり、mが4であり、XがOであり、ならびにR1及びR2が双方とも水素である、請求項1に記載のククルビツリル誘導体。
- 化学式(2)で表されるグリコールウリル誘導体:
R1は、独立して、水素または1〜30炭素原子のアルキル基であり、
mは、4を除く、1〜7の整数である。 - mが3であり、XがOであり、およびR1が水素である、
請求項9に記載のグリコールウリル誘導体。 - (a−1)ウレア誘導体(B)及びシクロジオン化合物(C)の混合物に酸性水溶液または酸が添加された有機溶剤を添加し反応させる段階と;
さらに
(b−1)前記反応混合物から水または有機溶剤を除去する段階と、を含む、下記
式(2):
Y=Xであり、
R1は、それぞれ独立して、水素または1〜30炭素原子のアルキル基であり、
mは、4を除く、1〜7の整数である、
を有するグリコールウリル誘導体の調製方法。 - 段階(a−1)において、反応温度は、70〜120℃の範囲である、請求項11に記載の方法。
- 前記酸性水溶液は、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、酢酸、塩酸、硝酸及び硫酸よりなる群から選択され、前記有機溶剤は、ベンゼン及びトルエンよりなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
- 反応に使用されるシクロジオン化合物(C)の量は、ウレア誘導体(B)の1モルに対して0.1〜0.5モルである、請求項11に記載の方法。
- (a−2)化学式(2)を有する化合物及び式(A)を有するアルデヒド化合物を混合、撹拌し;さらに
(b−2)前記反応混合物に酸を添加し、撹拌して、反応を終了させることを有する、化学式(1):
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素または1〜30炭素原子のアルキル基であり、n及びmは、独立して、それぞれ、4〜20及び1〜7の整数である、
を有するククルビツリル誘導体の調製方法。 - 段階(a−2)および(b−2)において、式(2)を有する化合物1モルに対して、酸を3〜7モルの量を添加し、式(A)を有するアルデヒド化合物を2〜20モルの量を添加し、さらに反応温度は50〜150℃の範囲である、請求項15に記載の方法。
- 段階(b−2)において、反応温度は、50〜150℃の範囲である、請求項15に記載の方法。
- 段階(b−2)において、酸は、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸及び硝酸よりなる群から選択され、水または有機溶剤における希釈溶液で使用される、請求項15に記載の方法。
- 段階(b−2)の反応生成物のうち、それぞれ、n=5のククルビツリル誘導体は、15〜50%の収率で製造され、n=6のククルビツリル誘導体は2〜10%の収率で製造され、さらにn=4及び7〜20のククルビツリル誘導体は1〜5%の収率で製造される、請求項15に記載の方法。
- 分別結晶によって請求項16〜19に記載の調製方法によって調製されるククルビツリル誘導体混合物から式(1)を有するククルビツリル誘導体を分離する方法。
- 水、アセトン及びアセトニトリルよりなる群から選択される少なくとも一の溶剤が分別結晶方法に使用される、請求項20に記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のククルビツリル誘導体をイオン選択材料として用いて、鉛、水銀、アルカリ土類金属及びアルカリ金属よりなる群から選択される一つの重金属の検出に用いられる、
または、アセチルコリン、アンモニウムイオン、有機アミン、アミノ酸およびその誘導体及び核酸塩基よりなる群から選択される有機物の検出に用いられるイオンセンサー。 - イオン選択材料、高分子支持体及び可塑剤を含むイオン選択センサー膜を有する、請求項22に記載のイオンセンサー。
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