JP4418188B2 - 2次加工性良好な連続熱間圧延線材コイル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧延素材である炭素鋼鋼材を接合し、連続熱間圧延(エンドレス圧延)して製造した連続熱間圧延線材コイル、特に、接合部の2次加工性の良好な連続熱間圧延線材コイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
長尺の熱間圧延線材の製造方法には、加熱炉で加熱した鋼材を圧延する際に、先行する鋼材の後端と後行の鋼材の先端とを圧延機の入側で溶接し、接合した鋼材を連続的に熱間圧延して製造する方法がある。
【0003】
このような連続圧延方法によれば、鋼材を1本ずつ圧延するバッチタイプの圧延方法よりも生産効率がよく、品質の悪い圧延端部が発生しないため製品歩留まりが向上する等の利点があることが知られている。
【0004】
そして、連続圧延で、先行する鋼材の後端と後行する鋼材の先端とを接合する溶接方法として、フラッシュ工程によって接合対象断面を清浄化でき、溶融接合により高品質接合部が得られることから、フラッシュバット溶接法が提案されている。即ち、連続鋳造機により連続鋳造された鋼材を順次接続ラインに直送し、鋼材のスケールをスケール除去装置によって除去した後、先行鋼材の後端面と後行鋼材の先端面とを走間フラッシュバット溶接装置によってフラッシュバット溶接し、その溶接部のバリを走間バリ取り装置によってグラインダーにより削除し、連続鋼材を誘導加熱装置で加熱し、圧延機列で連続圧延する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、熱間鋼材のフラッシュバット溶接方法として一定以上の溶接電力と一定以上のアプセット力を確保して溶接を行うフラッシュバット接合方法も提案されている。即ち、600〜1200℃の熱間鋼材をフラッシュバット溶接する際に、接合時の溶接電流(電力密度W/mm2)をX、アプセット力(応力MPa)をYとしたとき、13<X、かつ300/(X−13)+12≦Yの範囲を満足する条件でフラッシュバット溶接を行うことを特徴とする、フラッシュバット溶接による熱間鋼材の接合方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
連続圧延において、鋼材同士を溶接して接合した接合部には、巣や脱炭等が発生することがあり、このような鋼材をそのまま圧延すると、接合部近傍で機械的性質が劣るため、線材の接合部を除去しなければならず、歩留まりの低下を招いている。そして、接合部の機械的性質が劣化する結果、熱間圧延後に接合部を切除しなければならず、大単重コイルを製造することがこれまで困難であった。つまり、鋼材(ビレット)重量は、そのまま圧延後のコイル重量となるので、コイル重量を重くするには、鋼材重量を重くすればよいと考えられる。ところが、大単重線材コイルを得るために被圧延素材である1本の鋼材重量を重くすると、鋼材断面積が大きくなるので、断面積の大きい鋼材を圧延できるようにロール穴型の変更等の圧延ライン全体を改良しなければならないという問題が生じ、鋼材重量を重くして大単重のコイルを製造することは困難である。
【0007】
しかし、複数の鋼材を接合して連続圧延し、機械的性質のよい接合部が形成できれば接合部を切除する必要がないので、鋼材本数に応じた大単重コイルを製造できることとなる。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−66301号公報
【特許文献2】
特開2002−160064号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
線材の連続圧延において、従来の鋼材溶接方法で溶接すると、鋼材接合部には脱炭や接合による生成介在物などが発生する。この様な部位を線材に圧延し鋼材接合部相当部位の特性を調査すると、脱炭による線材強度あるいは延性の低下や表面疵などの品質上の欠陥が発生していた。これまでは接合により発生する品質上の欠陥は、線材圧延後切除して使用されていたので、連続圧延によっても、大単重コイルを製造できるような長尺の熱間圧延線材は得ることができなかった。
【0010】
本発明は、炭素鋼鋼材接合部相当部位の線材2次加工性を母材本体と同等なまでに改善した接合部を含む連続熱間圧延線材コイルを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、連続熱間圧延線材の接合部の加工性について鋭意研究し、接合条件を制御することにより、鋼材接合部相当部位の2次加工性が良好な線材を得ることに成功した。
【0012】
本発明の要旨は次のとおりである。
【0013】
(1)複数本の炭素鋼鋼材を接合し連続熱間圧延した熱間圧延線材コイルであって、コイル単重が接合前の鋼材の単重以上で、線材の接合部には介在物が含まれていて該介在物は線材の長さ方向の長さをL、半径方向の厚みをDとすると、L≧10μmかつL/D≦3であり、組成比でSiO≧40%かつMnO≧40%である介在物であって、該接合部の鋼中酸素含有量が150ppm以下であり、かつ、該接合部の体積が(15〜80)×10mm あることを特徴とする、2次加工性良好な連続熱間圧延線材コイル。
【0017】
(2)前記接合部の前コイルの線材と後コイルの線材とが同一炭素鋼鋼種で成分の異なる鋼成分であって、前コイルの線材の引張強さと後コイルの線材の引張強さが、前コイルと後コイルの線材の引張強さの平均と比較して±10%以内であることを特徴とする上記(1)記載の2次加工性良好な連続熱間圧延線材コイル。
【0018】
【発明の実施の形態】
長尺の熱間圧延線材は、圧延温度に加熱された鋼材を圧延機入側でフラッシュバット溶接により接合して圧延する連続圧延(エンドレス圧延)により製造されるようになってきている。そして、フラッシュバット溶接が品質の良い接合部が得られることから連続圧延で線材素材である鋼材の溶接に用いられている。フラッシュバット溶接は、通電の最初には強い加圧力を行わず、単に接触させるだけで通電時間5〜20秒間溶接電流を通じ、接触部がフラッシュ(火花)となって溶融飛散し、溶接面全体が十分に加熱されたときにアプセット工程で強く加圧力を加える溶接方法である。そして、連続圧延によって製造された線材の接合部の性質が良好でなければ、圧延後に接合部を切除しなければならず、長尺の熱間圧延線材とすることができない。また、溶接して鋼材あるいは線材を接合しなければ長尺の熱間圧延線材が得られず、大単重線材コイルとすることはできない。
【0019】
この様に長尺の熱間圧延線材あるいは大単重の線材コイルを製造するためには接合部の品質が母材と同等であることが重要なポイントである。ところが鋼材接合部には脱炭や接合による生成介在物などが発生し、この部位が線材に圧延されると脱炭や強度あるいは延性の低下、表面疵などの品質上の欠陥問題の起因となるため、これまで接合部相当部位は線材圧延後切除するなどして使用していた。
【0020】
鋼材接合時に多くの電力をかけて溶融部を大きくすると接合は容易になるが、接合後に溶融部が残って脱炭の原因となりやすい。この脱炭は線材圧延後に脱炭及び強度の低下として確認される。この対策として、溶融部を少なくし、アプセット時にしっかり押し出すことにより、線材における脱炭の影響を殆どなくすことが可能である。
【0021】
また、接合時に生成する介在物は、鋼材の地鉄中の[Si]、[Mn]が酸化されて生成するため、介在物組成はSiO2−MnO主体の介在物となり、組成比はSiO2とMnO共に40%以上である。これは、接合時の電力などの条件によって変化するが、溶融部を少なくしアプセット量を大きくする接合条件では、上記のような介在物組成になる。
【0022】
さらにこの組成においては、介在物融点が1200℃〜1400℃になり、熱間圧延時の鋼材温度と比較的近く、延性がある状態で圧延されるので介在物の量が少なければ圧延後の線材では、引き延ばされ、細かく分断されて、線材の特性には殆ど影響を及ぼさなくなる。なお、酸化物系介在物の中には、鋼の脱酸時に生成するAl23等の脱酸生成物があるが、これらの介在物の径は10μm以下であって伸線性には無害である。
【0023】
入力電力量が多くなり鋼材の溶融部が大きくなると、介在物の生成量も多くなり、線材圧延でも十分分散しきれないため、強度や延性の低下の原因となることがある。そのため溶融部の大きさは、突き合わされた鋼材の両側合わせて体積で(15〜80)×104 3 あればこの影響は認められない。さらに介在物の総量は、当該部位の酸素量で判断することが可能であるが、鋼中の酸素量が150ppmを超えると、絞りの低下など、延性の劣化が確認されるようになる。
【0024】
また、アプセット時に溶融部がしっかり押し出されない場合も、鋼中に介在物が残ってしまい、鋼中の介在物の総量を多くする原因となる。押出し不十分で表層近くに残された介在物は、熱間圧延時に鋼材表面に露出すると、割れなど表面疵の原因ともなる。
【0025】
以上のことにより、本発明で規定する接合部は、溶融部の体積が小さく、介在物も少ないために、接合部の品質は母材と差がなく、線材の2次加工においても、母材と同等に使用することが可能である。
【0026】
本発明による鋼材接合部は、線材圧延後は外観上母材部と差はないため、接合部の品質調査は、線材コイルから一定間隔で試験片を採取し、全サンプルで介在物調査を行い、組成と酸素量(不活性ガス融解赤外線吸収法で測定)の分布状況を調査することによって行われる。
【0027】
なお、酸素量分析に当たっては、JIS−G−0417(サンプル搾取方法)、JIS−G−0321(分析方法)を用いる。
【0028】
試験片は、線材における体積で約6×104mm3間隔で採取し、接合部に特有の介在物を確認することにより、接合部相当部位を特定できる。そのサンプルを中心に前後の位置からさらに細かくサンプリングすることによって分布状況を把握可能である。
【0029】
本発明では、加熱炉で加熱された鋼材先端と、熱間圧延機入側で先行する鋼材の後端にフラッシュバット溶接により接合して連続圧延を行う。フラッシュバット溶接を実施する際は、溶接電力を低めにし、鋼材端面の凹凸がなくなる程度のフラッシュ代と、溶融部が十分に押し出しできる程度のアプセット代及びアプセット力を設定することにより、接合部にMnO−SiOの低融点介在物を生成させることができ、線材の2次加工において、母材と遜色ない接合部が得られる。この介在物は、溶接時に生成すると考えられ生成時は球形に近いことから線材の熱間圧延後においても、接合部の線材の長さ方向の介在物の長さをLμm、半径方向の介在物の厚みをDμmとすると、L≧10μm、かつL/Dが3以下の介在物の形状にとどまる。
【0030】
本発明において、接合部に介在するMnO−SiO2系酸化物の組成を組成比がSiO2≧40%、かつMnO≧40%と限定しているが、この範囲での組成では酸化物として冷間加工時に破砕しやすく、線材の破断原因にならないからである。
【0031】
なお、溶接装置としては、溶接機を搭載した溶接台車が圧延ラインの圧延機入側に配置されていて、鋼材の搬送速度と同期して移動しながら溶接が行えるようになっている。溶接完了後には、溶接台車は元の位置に戻って、次の鋼材を溶接できるように構成されている。
【0032】
本発明の線材は、伸線等の冷間加工で破断することがないので、連続圧延後に接合部を切除する必要がない。このため、複数本の鋼材を接合して熱間圧延した線材を集束し、大単重線材コイルとすることができる。しかし、単に鋼材同士を接合し、分割するだけでは、コイルの端尺が発生するため、予め、鋼材接合本数と分割コイル数を決めておき、均等に分割することにより、端尺を発生させずに、一律な単重コイルを製造することができる。更に、鋼材接合本数と分割コイル数の比率を変えることにより、単一のコイル重量に限定されずに、コイル重量を自由に変更することができる。
【0033】
例えば、2tの鋼材から1.5tのコイルを製造する場合、0.5tの端尺コイルも同時に発生し、歩留低下を招くため、コイル重量は鋼材重量の等分割相当でなければならず、コイル重量に制約があったが、これも、鋼材接合本数と分割コイルを予め設定しておき、接合した鋼材単重より少ない重量で均等に分割することにより、端尺を発生させることなく、鋼材単重より軽い一律な重量のコイルを製造することができる。これにより鋼材重量を単に等分割する場合に比べ、コイル重量を自由に選択できる。即ち、コイル単重に対応する鋼材重量となるように接合鋼材本数を選択すればよい。
【0034】
したがって、接合鋼材本数を選択することにより、任意の大単重線材コイルを製造することが可能となる。この場合、接合鋼材本数は、大単重線材コイルの重量にその10%以下の重量を加算した重量となるように鋼材本数を選択することが好ましい。
【0035】
この条件を式で書くと、接合すべきバーの本数(N0)は、
MOD(W1×N1/W0)<W1×(A%)
となる、N1より、N0=W1×N1/W0を求めることになる。
【0036】
ここで、W1はコイル単重、N1はコイル本数、W0は鋼材の単重、MODは剰余を求める関数、A%は加算すべき重量である。
【0037】
式は、コイル本数N1を求めるための計算式であり、予め、加算すべき重量(本式はA%で例えば10%)、求めるべきコイル単重(W1)、および鋼材の単重(W0)をあたえてコイル本数N1を求める。N1は1から順次整数として1ずつ増加させて、本式を満たすN1が求まったところで、計算を終了する。計算後にN1が現実実行可能な値かチェックして、実行不可能なときは、A%の値を変更して再度計算する。
【0038】
実操業では、その条件を表にして接合すべき本数を決定しても良い。
また、同一鋼種であるが異チャージで成分の異なるビレットを接合する場合には接合部で材質が急激に変化しないようにしなければならない。材質の急激な変化は、例えば2次加工の伸線工程において、断線を招くといった悪影響を及ぼす。材質と2次加工性の関係について調査したところ、前コイルの線材の引張強さと後コイルの線材の引張強さが、前コイルと後コイルの線材の引張強さの平均と比較して±10%以内の範囲であれば、2次加工に悪影響を与えることなく、実用上問題ないことが分った。
【0039】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0040】
連続鋳造で製造した鋼材(ビレット)を接合して、連続圧延により熱間圧延線材とした。鋼材の接合は、フラッシュバット溶接を用いて実施した。その溶接条件は、溶接電力を30W/mm2、アプセット量を30mmと設定した。
【0041】
鋼材(ビレット)には[C]、[Si]、[Mn]の異なる各主成分の材料を用いた。鋼材の組み合わせは、同じ鋼種の鋼材で同じ成分のものを接合し圧延した。その鋼材の成分を表1に示す。
【0042】
表2に設定値を変化させた接合条件と得られた線材の接合部相当部位における介在物組成、[O]量、接合部における介在物の長さ(L)、長さと厚さ(D)の比(L/D)、接合部の体積(×10 mm および、定常部と接合部の各種品質特性を示す。
【0043】
表2において評価に使用した線材は、直径5.5mmの熱間圧延ままの、接合部相当部位を含む線材コイルである。線材コイルの接合部相当部位が確実に含まれている部分を切り出し、線材の長さで2.5m毎に、引張試験片3本、介在物検査用試験片3本、伸線用試験片1本をサンプリングした。各サンプルで引張試験と介在物検査を行い、TS、RAや介在物組成(n=3)、脱炭有無から総合的に接合部相当部位を判定した。
【0044】
接合部相当部位のサンプルを特定できたら、その前後の部位の線材サンプルから更に20cmごとに介在物検査用試験片をサンプリングし、介在物検査を行い、接合部の線材における長さを特定した。
【0045】
線材における機械的特性は、定常部と接合部相当部位のTSとRA(n=3)の平均値を比較し、TSで30N/mm2、RAで5%以上差が出た場合に差異ありと判定した。
【0046】
2次加工特性は、伸線用試験片を潤滑前処理した後、単釜伸線機で5.5mmから1.20mmまで各段減面率約20%で伸線して、断線の有無、2.0mm以下の線径でのTSとRAの違いを、定常部と接合部相当部位のサンプルで比較した。TSで100N/mm2、RAで8%以上差が出た場合に差異ありと判定した。本発明で規定する要件を満たす本発明例(水準1、6〜10)は、いずれも定常部と接合部相当部位の線材の機械的特性に差異がなく、また2次加工特性についても同様に差異がなかった。
【0047】
これに対して、比較例の水準2は、接合部相当の鋼中酸素含有量が150ppm以内であるが、アプセット量が少ないため、溶融部の体積が大きく残った例である。溶融部が多いために線材においても脱炭が残り、引張強さも低下し、接合部の品質が悪化していた。
【0048】
比較例の水準3〜5は、接合部相当部位の鋼中酸素含有量がいずれも150ppmを超えていて、機械的特性及び2次加工特性が劣っていた。
【0049】
比較例の水準11は、熱間接合を行っていないが、全長に規定される介在物を検出した例である。この場合、介在物は元々材料内部存在していたものであり、接合で生じたものではない。介在物の発生の起源は精錬工程にあると判断される。
【0050】
また、鋼材の接合本数については、表3に示す接合本数と接合重量、および分割コイル数から計算されるコイル単重の値を元に接合本数を決定した。例えば、10%以内の許容範囲で、2.6トンのコイルを3コイル得たい時には2トンの鋼材を4本接合し、圧延後に3等分すればよく、また、1.5トンのコイルを5コイル得たい時には2トンの鋼材を4本接合し、圧延後に5等分すればよく、また、1.5トンのコイルを4コイル得たい時には2トンの鋼材を3本し、圧延後に4等分すればよいことが、表3から分る。なお、2.6トンのコイルを9コイル得たい時には、2トンのビレットを12本接合し、圧延後に9等分するなど、表3中に記載ないケースでも、整数倍することによって、必要な接合本数を見出すことができる。
【0051】
また、さらに引き続き、同じ炭素鋼鋼種で成分が異なる鋼材を前記設定した条件で接合した場合の線材の接合部の品質特性について調査した。その結果を表4に示す。2次加工性は、線材を潤滑前処理した後、単釜伸線機で5.5mmから1.2mmまで各段減面率約20%の伸線加工中に断線が発生したかどうかで判断した。
【0052】
表4の水準1〜4(本発明例)は、前コイルの線材の引張強さと後コイルの線材の引張強さが、前コイルと後コイルの線材の引張強さの平均と比較して±10%以内のケースであるが、伸線加工中の断線はなかった。
【0053】
これに対し水準5、6(比較例)は、前コイルの線材の引張強さと後コイルの線材の引張強さが、前コイルと後コイルの線材の引張強さの平均と比較して±10%以内のケースであるが、水準5は伸線加工中に断線が発生した。水準6は、伸線加工中の断線が発生しないケースもあったが、伸線材の引張強さのバラツキガ大きく製品として使用することはできなかった。
【0054】
【表1】
Figure 0004418188
【0055】
【表2】
Figure 0004418188
【0056】
【表3】
Figure 0004418188
【0057】
【表4】
Figure 0004418188
【0058】
【発明の効果】
本発明は、鋼材を接合し連続して圧延する線材コイルの製造方法において、接合部の2次加工性の良好な熱間圧延線材を提供するものであり、接合部を切除する必要がないので、従来製造することが困難であった大単重線材コイルの製造を可能とするものである。

Claims (2)

  1. 複数本の炭素鋼鋼材を接合し連続熱間圧延した熱間圧延線材コイルであって、コイル単重が接合前の鋼材の単重以上で、線材の接合部には介在物が含まれていて該介在物は線材の長さ方向の長さをL、半径方向の厚みをDとすると、L≧10μmかつL/D≦3であり、組成比でSiO≧40%かつMnO≧40%である介在物であって、鋼中酸素含有量が150ppm以下であり、かつ、該接合部の体積が(15〜80)×10mm あることを特徴とする、2次加工性良好な連続熱間圧延線材コイル。
  2. 前記接合部の前コイルの線材と後コイルの線材とが同一炭素鋼鋼種で成分の異なる鋼成分であって、前コイルの線材の引張強さと後コイルの線材の引張強さが、前コイルと後コイルの線材の引張強さの平均と比較して±10%以内であることを特徴とする請求項1記載の2次加工性良好な連続熱間圧延線材コイル。
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