JP4417595B2 - 加熱調理器及びアナログ/デジタル変換値補正方法 - Google Patents

加熱調理器及びアナログ/デジタル変換値補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物理量検出手段によって出力されるアナログデータをデジタルデータに変換して出力するアナログ/デジタル変換手段を備えてなる加熱調理器、及びアナログ/デジタル変換手段を備えてなる制御装置のアナログ/デジタル変換値補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電子レンジなどの加熱調理器にあっては、カレントトランスなどで検出した電流に基づいて加熱手段などの負荷の出力量制御(通断電制御を含む)や過電流保護制御を行うものが提供されており、また、これに加えて、電源電圧の変動を検出し、これにより加熱手段の出力をコントロールすることも行われている。しかしながら、従来の電流検出手段や電圧検出手段では、その検出電流や検出電圧が、回路定数の経時変化などにより変動することが避けられず、正確な検出動作が困難になるという事情があった。
【0003】
近年、例えば電子レンジにおいては、調理スピードの向上を図るために、その加熱出力(高周波出力)を極力高めることが要望されている。この場合、家庭用配線のコンセント容量やブレーカ容量は15Aに設定されたものが一般的となっており、従って電子レンジの最大定格電流は、これを越えない範囲で極力大きな状態に設定することになる。但し、実際には、電子レンジの入力電流は、電源電圧の変動や周囲温度の変化などによって大小変動するという事情があるため、上記最大定格電流を、15Aに対し十分な余裕度を見込んだ値(例えば13A前後)に設定することが行われており、これが調理スピードの向上を阻害する原因の一つとなっていた。このような事情に対処するために、前記電流検出手段を通じて入力電流を検出し、その入力電流に余裕がある状態時には、加熱手段の出力をインバータ回路などを通じて増大させる制御を行うことが考えられる。しかしながら、前述したように電流検出手段により正確な電流検出動作が行うことが困難な状況下では、このような制御を行うことは非常に難しく、加熱出力を十分に高めることができないという事情があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
斯様な問題を解決するため、特開2001−15262では、製品出荷前の段階で、既知レベルの交流電流を電流検出用のカレントトランスに検出させた場合のA/D変換値、また、既知レベルの交流電圧を電圧検出用の降圧トランスの一次側に印加した場合のA/D変換値を夫々基準値として不揮発性メモリに記憶させておき、加熱調理中には、実際の交流電流,交流電圧の検出値を基準値に基づいて補正するようにした技術が開示されている。
【0005】
しかしながら、既知レベルの交流電流または交流電圧を得るための元になる電源には商用交流電源を用いざるを得ない。商用交流電源は、電源事情によって電圧が変動したり、電源波形に歪みが生じたりする場合があり、また、周囲温度によってもばらつきが生じる。
【0006】
更に、交流信号をマイクロコンピュータ(マイコン)等の制御回路で取り扱うためには直流に整流する必要があり、また、整流した直流電圧レベルがマイコンに対して入力可能である電圧範囲となるように調整を行う必要もある。従って、既知レベルの交流入力量は、そのように整流や調整を行う回路素子などの定数,特性のばらつきの影響も受けることになり、基準値の信頼性が十分に高いとは言えなかった。
【0007】
加えて、近年、加熱調理器の制御回路には8ビットマイクロコンピュータが主流であり、A/D変換も8ビットで行われている。一例として、加熱調理器の入力電流が14.6Aである場合に、検出されたアナログデータをA/D変換したデジタルデータが“100”であるとすると、デジタルデータの1階調は
0.14Aの重みを持つ。従って、力率100%で入力電圧が100Vであるとした場合のマイクロコンピュータの電流読込み誤差は±0.07Aとなり、電力に換算すると±7Wとなってしまう。そして、近年の加熱調理器は高出力化の傾向にあることから、入力電流の最大値を一般家庭のブレーカ定格(例えば、15A)近くに設定するようになっている。斯様な事情から、電力制御をより高い精度で行うことが要望されている。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アナログ/デジタル変換値の補正をより高精度に行うことができる加熱調理器、及び制御装置のアナログ/デジタル変換値補正方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の加熱調理器は、食品を加熱する加熱手段と、
商用交流電源の影響を受けている状態で検出した物理量に基づくアナログデータを出力する物理量検出手段と、
この物理量検出手段によって出力されるアナログデータをデジタルデータに変換して出力するアナログ/デジタル変換手段と、
このアナログ/デジタル変換手段によって出力されるデジタルデータに基づいて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、製品出荷前の段階で前記アナログ/デジタル変換手段の入力側に、商用交流電源の影響を受けない外部の基準電圧発生装置より供給される基準直流電圧が印加された場合における実際のデジタル変換値を補正値として記憶可能に構成され前記基準電圧発生装置により基準直流電圧を印加させることで記憶させた補正値に基づいて当該アナログ/デジタル変換手段が変換するデジタルデータを補正することを特徴とする。
【0010】
斯様に構成すれば、制御手段は、製品出荷前の段階でアナログ/デジタル変換手段に商用交流電源の影響を受けない外部の基準電圧発生装置より供給される基準直流電圧が印加された場合のデジタル変換値を補正値とするので、従来とは異なり、直流電圧を基準として得られる値を補正値とすることができ、商用交流電源における変動,歪みの影響や、整流や電圧範囲を調整するための回路素子のばらつきの影響が極力排除されるようになる。
【0011】
そして、得られた補正値に基づいてアナログ/デジタル変換手段が変換するデジタルデータを補正すれば、アナログ/デジタル変換手段において変換を行う際に基準となる電源電圧が変動した場合でもその変動を実質的にキャンセルすることができ、補正をより高精度に行うことが可能となる。
【0012】
この場合、請求項2に記載したように、物理量検出手段を、加熱手段を駆動するために外部より印加される交流入力電圧,加熱手段たるマグネトロンの陽極電流,または、加熱された食品の温度を物理量として検出するように構成し、
基準直流電圧を、アナログ/デジタル変換手段における前記物理量検出手段の何れかに対応する入力ポートに印加するのが好ましい。
【0013】
即ち、加熱調理器が電子レンジとして構成される場合に、制御手段は通常これらの物理量に基づいて加熱手段を制御するようになっている。従って、斯様に構成すれば、基準直流電圧をアナログ/デジタル変換手段の入力側に印加するために専用の入力ポートを設ける必要がなくなる。
【0014】
また、請求項3に記載したように、加熱調理に関する情報を表示するための表示手段を備え、
制御手段を、補正値を得たことを記憶させると共に、電源が投入された場合に補正値が得られていないと判断すると、前記表示手段にその旨を表示させるように構成すると良い。斯様に構成すれば、作業者は、各加熱調理器について制御手段に補正値を得させるための処理を既に実行させたか否かを容易に判断できる。
【0015】
この場合、請求項4に記載したように、制御手段を、予め設定された上限値と下限値との間に補正値が入らなかった場合は当該補正値を記憶することを禁止すると共に、前記表示手段にその旨を表示させるように構成するのが好ましい。即ち、補正値が上限値と下限値とで規定される範囲を外れた値となった場合には、例えば外来ノイズが印加されるなどして電圧レベルが大幅に変動したようなケースが想定される。従って、斯様に構成すれば、制御手段に不適当な補正値を記憶させてしまうことが回避されると共に、作業者は、制御手段に補正値を得させるための処理を再度実行させることができる。
【0016】
以上の場合において、請求項5に記載したように、物理量検出手段付近の温度を検出する温度検出手段を備え、
制御手段を、前記温度検出手段によって検出される温度と、物理量検出手段が有する温度特性に基づいて補正値を補正するように構成すると良い。即ち、物理量検出手段は、一般に、周囲の温度に応じて出力レベルが変動するような特性を有しているので、その特性に基づいて補正を行えば補正値の精度をより向上させることができる。
【0017】
また、請求項6に記載したように、加熱手段を複数備えて、制御手段を、前記複数の加熱手段の使用を切換えて制御することに基づく複数の加熱調理モードに応じて補正値を補正するように構成するのが好適である。即ち、複数の加熱手段を切換えて使用することで、例えばレンジ調理,オーブン調理,グリル調理などのように異なる加熱調理モードを実行する場合は負荷電流量が変化する。すると、その変化に基づいて物理量検出手段の出力特性も変化することがあるので、加熱調理モードに応じて補正値を補正すれば、補正精度を一層向上させることができる。
【0018】
請求項7記載のアナログ/デジタル変換値補正方法は、商用交流電源の影響を受けている状態で検出した物理量に基づくアナログデータを出力する物理量検出手段と、この物理量検出手段によって出力されるアナログデータをデジタルデータに変換して出力するアナログ/デジタル変換手段と、このアナログ/デジタル変換手段によって出力されるデジタルデータに基づいて制御を行う制御手段とを備えてなる制御装置において、前記アナログ/デジタル変換手段が変換するデジタルデータを補正する方法であって、
製品出荷前の段階で前記アナログ/デジタル変換手段の入力側に、商用交流電源の影響を受けない外部の基準電圧発生装置より供給される基準直流電圧を印加し、その時に得られた実際のデジタル変換値を前記制御手段が補正値として記憶し、その補正値に基づいて当該アナログ/デジタル変換手段が変換するデジタルデータを補正することを特徴とする。
【0019】
斯様な方法によれば、製品出荷前の段階でアナログ/デジタル変換手段の入力側に外部の基準電圧発生装置より供給される基準直流電圧が印加された場合のデジタル変換値が補正値となるので、従来とは異なり、直流電圧を基準として得られる値を補正値とすることができ、商用交流電源における変動,歪みの影響や、整流や電圧範囲を調整するための回路素子のばらつきの影響が極力排除されるようになる。
【0020】
そして、得られた補正値に基づいてアナログ/デジタル変換手段が変換するデジタルデータを補正すれば、アナログ/デジタル変換手段において変換を行う際に基準となる電源電圧が変動した場合でもその変動を実質的にキャンセルすることができ、補正をより高精度に行うことが可能となる。
【0021】
この場合、請求項8に記載したように、アナログ/デジタル変換手段の入力側に基準直流電圧を印加して制御手段が補正値を得る場合に、制御装置の動作用電源を生成するため外部より与える交流電圧を100Vまたは200V,交流周波数を50Hzまたは60Hzとするのが好ましい。
【0022】
即ち、制御装置の動作用電源(制御用電源)は通常5V程度であるため、当該電源を生成する場合には降圧トランスを用いて交流電源電圧を降圧させる必要がある。そして、交流電源電圧が変動すると降圧トランスによって降圧された電圧が変化するので、アナログ/デジタル変換手段において変換を行う際に基準となる電源電圧が変動して、補正値を正確に得ることが困難となってしまう。従って、制御装置に外部より与える交流電圧を定格に相当する100Vまたは200V,交流周波数を50Hzまたは60Hzとすれば、補正値を正確に得ることができる。
【0023】
また、請求項9に記載したように、アナログ/デジタル変換手段の入力側に基準直流電圧を印加して制御手段が補正値を得る場合に、制御装置の入力電流を定格値に設定すると良い。例えば、制御装置の制御対象における負荷が変動することに伴って入力電流値が変化すると、アナログ/デジタル変換手段における基準電源電圧も変動する。従って、入力電流を定格値に設定することで補正値を正確に得ることができる。
【0024】
以上の場合において、請求項10に記載したように、アナログ/デジタル変換手段の入力側に印加する基準直流電圧を、当該アナログ/デジタル変換手段の最大出力階調に対して70%〜100%の値に設定するのが好ましい。即ち、基準直流電圧を、変換した出力階調の最大(100%,8ビットであれば“255”)に近付けるように設定して補正値を求めれば、デジタルデータの1階調当たりの重みを小さくできるため制御手段の読込み誤差を小さくすることができる。しかしながら、例えば100Vの商用交流電源は実際には85V〜115Vの範囲で変動する可能性がある。
【0025】
この場合、アナログ/デジタル変換手段の最大出力階調は、交流電源の変動範囲で最大を示す115Vに設定する必要がある。そして、115Vを基準とした場合の定格100Vは最大出力階調の約87%に相当し、変動範囲の最小値85Vは最大出力階調の約74%に相当する。従って、基準直流電圧を、最大出力階調に対して70%〜100%の値に設定すれば、デジタル変換値を飽和させることなく、適正な補正値を得ることができる。
【0026】
また、請求項11に記載したように、アナログ/デジタル変換手段に入力するアナログデータを、当該アナログ/デジタル変換手段の最大入力範囲に対して90%以下の値に設定すると良い。即ち、入力するアナログデータのレベルを最大入力範囲に対して90%〜100%の値に設定した場合は、上述したように交流電源電圧が定格100Vを超えて変動した場合にデジタル変換値が飽和するおそれがあり、また、場合によってはアナログ/デジタル変換手段が破壊されるおそれもある。従って、アナログデータを最大入力範囲に対して90%以下の値に設定すれば、アナログ/デジタル変換を適正に行うことができる。
【0027】
更に、請求項12に記載したように、制御手段が補正値を得たことを記憶させると共に、電源が投入された場合に補正値が得られていないと判断すると、表示手段にその旨を表示させると良い。斯様な方法によれば、作業者は、各加熱調理器について制御手段に補正値を得させるための処理を既に実行させたか否かを容易に判断できる。
【0028】
また、請求項13に記載したように、制御手段が、予め設定された上限値と下限値との間に補正値が入らなかった場合は当該補正値を記憶することを禁止すると共に、表示手段にその旨を表示させるのが好ましい。即ち、補正値が上限値と下限値とで規定される範囲を外れた値となった場合には、例えば外来ノイズが印加されるなどして電圧レベルが大幅に変動したようなケースが想定される。従って、斯様な方法によれば、制御手段に不適当な補正値を記憶させてしまうことが回避されると共に、作業者は、制御手段に補正値を得させるための処理を再度実行させることができる。
【0029】
加えて、請求項14に記載したように、制御手段が、物理量検出手段が有する温度特性に基づいて補正値を補正すると良い。即ち、物理量検出手段は、一般に、周囲の温度に応じて出力レベルが変動するような特性を有しているので、その特性に基づいて補正を行えば補正値の精度をより向上させることができる。
【0030】
更にまた、請求項15に記載したように、制御手段が、負荷電流値が異なる複数の制御モードに基づいて補正値を補正するのが好適である。即ち、負荷電流値の変化に基づいて物理量検出手段の出力特性も変化することがあるので、異なる制御モードに応じて補正値を補正すれば、補正精度を一層向上させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をオーブン機能付電子レンジに適用した第1実施例について図1乃至図3を参照して説明する。まず、電子レンジの概略的な外観を示す図3において、キャビネット1は前面が開口した矩形箱状をなすものであり、その内部に前面が開口した矩形容器状の調理室2が形成されていると共に、前面部に調理室2の開口部を開閉するためのドア3が回動可能に装着されている。
【0032】
キャビネット1内には、調理室2の側方に隣接して機械室(図示せず)が形成されており、機械室内には、後述するマグネトロン(加熱手段に相当:図1に符号25を付して示す)及びその駆動のための電源装置(図1に符号24を付して示す)などが収納されている。キャビネット1における機械室の前面側位置には操作パネル4が設けられており、この操作パネル4には、調理開始用のスタートスイッチ5、複数種類の調理メニューに対応した自動調理スイッチ6、調理時間を設定するための時間設定ダイヤル7、調理情報や時間情報などを表示するためのLEDパネル8が配設されている。
【0033】
調理室2内の天井部には、オーブン調理及びグリル調理用の上ヒータ(加熱手段)9Uが設けられており、調理室2内の底部側には下ヒータ(加熱手段)9L(図1参照)が設けられている。また、調理室2内の底部には円形状の回転板10が設けられている。この回転板10は、例えば鋼板のような導電材料の表面にほうろう処理を施したもので、特にレンジ調理時には、回転板10上に円形状の調理皿(図示せず)が載置される構成となっている。尚、この調理皿は、ガラスやセラミックなどのようなマイクロ波透過材料により形成される。
【0034】
図1には、電子レンジの電気的構成が概略的に示されており、以下これについて説明する。
図1において、一対の電源線11、12間には、商用交流電源13から後述するスイッチやリレーなどを介して所定周波数(50Hzまたは60Hz)の交流電圧が供給されるようになっている。両電源線11、12間には、降圧トランス14の一次巻線14aが接続されている。
【0035】
一方の電源線11は、メインリレースイッチ15を介して電源線11aに接続され、他方の電源線12は、ドア3の閉鎖時にオンするドアスイッチ16及び17を直列に介して電源線12aに接続されている。また、上記ドアスイッチ1及び1の共通接続点と電源線12との間には、ショートスイッチとして機能するドアスイッチ(モニタスイッチ)18が接続されており、このドアスイッチ18は、ドア3の開放時にオンする構成となっている。
【0036】
電源線11a、12a間には、調理室2内を照明するための庫内灯19、回転板10駆動用のモータ20及びリレースイッチ21の直列回路、ヒータ9U及びリレースイッチ22並びにヒータ9L及びリレースイッチ23の直列回路がそれぞれ接続されている。
電源線11a、12a間に接続された電源装置24は、マグネトロン25に共振用電源を与えるためのもので、具体的には図示しないが、整流平滑回路、インバータ回路、昇圧トランス、高圧コンデンサ、高圧ダイオードなどを備えた周知構成のものである。
【0037】
電源線12には、カレントトランス(物理量検出手段)26が設けられており、このカレントトランス26の二次側出力は電流検出回路(物理量検出手段)27に与えられるようになっている。また、前記降圧トランス14の二次巻線14bには、定電圧電源回路28、電圧検出回路(物理量検出手段)29が接続されている。
【0038】
電流検出回路27は、カレントトランス26の二次側出力を全波整流するための整流回路27aと、この整流回路27aの出力端に接続された充電用の抵抗27b及びコンデンサ27cの直列回路(積分回路)と、この直列回路と並列接続された放電用の抵抗27dを備えた構成となっている。従って、電流検出回路27においては、コンデンサ27cの両端に、商用交流電源13からの入力電流値に応じた電圧レベルの電流検出信号Iinが現れるものであり、その電流検出信号Iinは制御ユニット(マイクロコンピュータ,制御手段)30に与えられる構成となっている。
【0039】
定電圧電源回路28は、二次巻線14bを通じて与えられる交流電流を全波整流するセンタタップ形式の整流回路28aと、その整流出力を平滑するコンデンサ28bと、その平滑出力を受ける定電圧回路(レギュレータ)28cを備えたもので、その出力を制御用電源として制御ユニット30に与えると共に、電源端子+VDDを通じて他の回路要素に与える構成となっている。
【0040】
電圧検出回路29は、二次巻線14bの両端にアノードが接続されたダイオード29a及び29bと、これらダイオード29a及び29bのカソードとグランドとの間に接続された抵抗29cと、この抵抗29cと並列に接続された比較的大きな抵抗値の抵抗29d及び29eの直列回路と、抵抗29eと並列に接続されたコンデンサ29fとを備えた構成となっている。このように構成された電圧検出回路29においては、抵抗29d及び29eの共通接続点に商用交流電源13からの入力電圧値に応じた電圧レベルの電圧検出信号Vinが現れるものであり、その電圧検出信号Vinは制御ユニット30に与えられる。
【0041】
サーミスタ(物理量検出手段)31は、庫内(調理室2)温度を検知用するために配置されたもので、その検出温度に応じた電圧レベルの温度検出信号Vtaを制御ユニット30に与えるようになっている。また、赤外線センサ32は、加熱調理が行われている場合に調理室2内部に収納された食品の温度を検出するものであり、その検出温度に応じた電圧レベルの温度検出信号Vtfを制御ユニット30に与えるようになっている。
【0042】
陽極電流検出回路(物理量検出手段)33は、制御ユニット30がマグネトロン25の陽極電流を検出するために設けられており、検出線に直列に介挿された抵抗33a,制御ユニット30の入力ポートとグランドとの間に接続された抵抗33b及びコンデンサ33cとで構成されている。そして、コンデンサ33cの両端には、マグネトロン25の陽極電流レベルに応じた陽極電流検出信号IMin が現れ、その陽極電流検出信号IMin は制御ユニット30に与えられる。
【0043】
制御ユニット30には、上述した電流検出信号Iin、電圧検出信号Vin、パルス信号Ps、温度検出信号Vtの他に、前記スタートスイッチ5、自動調理スイッチ6、時間設定ダイヤル7などを含む操作手段34からの操作信号が入力されるようになっている。
【0044】
制御ユニット30は、CPU35,メモリ36,A/D変換器(アナログ/デジタル変換手段)37などで構成されている。メモリ36は、EEPROMやRAMなどで構成されており、そのメモリ36には、製品出荷前の段階で後述する基準電流値及び基準電圧値が記憶されるようになっている。そして、制御ユニット30のCPU35は、上記入力信号、メモリ36の記憶データ並びに予め設定されたプログラムなどに基づいて、メインリレースイッチ15、リレースイッチ21、22、23のオンオフ制御、前記LEDパネル8などを含む表示手段38の制御、電源装置24内の図示しないインバータ回路の動作制御などを行う構成となっている。尚、リレースイッチ15、21〜23のオンオフ制御は、それらのリレーコイル(図示せず)の通断電をリレー駆動回路39を通じて制御することにより行われる。
【0045】
A/D変換器37は、電流検出回路27、電圧検出回路29、サーミスタ31、赤外線センサ32及び陽極電流検出回路33からの各検出信号Vin,Iin,Vfa,Vft,IMin を8ビットデータにA/D変換してCPU35に出力するようになっている。また、これらの検出信号(アナログデータ)は、A/D変換器37の入力側を各ポートに順次切換えることで読み込むようになっている。
【0046】
さて、制御ユニット30は、特に、マグネトロン25によるレンジ調理時において、電流検出回路27からの電流検出信号Iinにより示される入力電流値及び電圧検出回路29からの電圧検出信号Vinにより示される入力電圧値に基づいてマグネトロン25の出力をインバータ回路を通じて増減させる制御を行うようになっている。この場合、制御ユニット30は、電流検出回路27からの電流検出信号Iinにより示される入力電流値及び電圧検出回路29からの電圧検出信号Vinにより示される入力電圧値を、メモリ36の記憶データ、サーミスタ31からの温度検出信号Vtaに基づいて補正しながら算出するようになっている。
【0047】
また、制御ユニット30は、A/D変換器37におけるA/D変換が精度良く行われるようにするため、後述する補正処理を行うようになっている。即ち、A/D変換は、A/D変換器37に供給されている電源+VDDの電圧を基準として行うため、その基準となる電圧が変動するとデジタルデータの1階調(1ステップ)当たりの重みが変化する。従って、電源電圧の変動を打ち消すように補正処理を行う。
【0048】
次に、本実施例の作用について図2をも参照して説明する。図2は、制御ユニット30のCPU35が実行するA/D変換の補正値設定ルーチン(補正処理)の内容を示すフローチャートである。CPU35は、電源が投入されて起動した時に、例えば操作手段34において予め定められている特殊な操作パターンが行われていることを検出すると、通常の電子レンジとしての動作とは別個の補正値設定ルーチンを実行するようになっている。尚、補正処理は、電子レンジの出荷前の段階で、製造ラインにおいて行われる。
【0049】
先ず、CPU35は、メモリ36の所定領域を読み出して、補正値設定フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1)。補正値設定フラグは、CPU35が、後述するように補正値を設定する処理を行ったことを記憶させるためメモリ36にセットするフラグである。補正値設定フラグがセットされていれば(「YES」)、補正値が設定済みであることを表示手段38に表示させて処理を終了する(ステップS2)。
【0050】
一方、ステップS1において補正値設定フラグがセットされていなければ(「NO」)、補正値が未設定であることを表示手段38に表示させると(ステップS3)、作業者によって補正値の設定処理が開始されるまで待機する(ステップS4)。
【0051】
ここで、作業者は、陽極電流検出回路33における陽極電流の検出ポイントAに、外部の図示しない基準電圧発生装置のプローブを接続して基準電圧(基準直流電圧)Vref =3.916Vを印加する。この基準電圧Vref は、8ビットのA/D変換器37に供給されている電源電圧が5Vである場合に、デジタルデータ値が“200”に変換されるアナログデータである。これは、A/D変換器37の最大出力データ値“255”に対して約78%に相当するが、この値の選択は以下の理由に基づく。
【0052】
即ち、基準電圧Vref を、変換される出力データの最大値付近に設定して補正値Bを求めれば、データの1階調当たりの重みが小さくなるため読込み誤差を小さくすることができる。ところが、100Vの商用交流電源13は実際には85V〜115Vの範囲で変動する可能性があるため、A/D変換器37の最大出力階調は変動範囲の最大である115Vに合わせて設定する必要がある。すると、その場合の定格100Vは最大出力階調の約87%に相当し、変動範囲の最小値85Vは最大出力階調の約74%に相当する。従って、基準電圧Vref を最大出力データ値の78%に設定すれば、デジタル変換値を飽和させることなく適正な補正値Bが得られる。
【0053】
更に、基準電圧Vref に限らず、通常の調理動作時においてもA/D変換器37に入力するアナログデータをその最大入力範囲に対して60%〜90%の値に設定するように調整する。即ち、入力範囲を上限付近に設定すると、交流電源電圧が定格100Vを超えて変動した場合にデジタル変換値が飽和するおそれがあり、また、場合によってはA/D変換器37(制御ユニット30)が破壊されるおそれもある。従って、斯様に設定すれば、A/D変換を適正に行うことができる。
【0054】
また、この時作業者は、電子レンジに対して商用交流電源13に代わる図示しない交流安定化電源を接続して、電子レンジに供給される交流電源が正確に100V(200V機器であれば200V),50Hz/60Hzを示す状態にする。即ち、制御ユニット30に電源+VDDを供給する定電圧電源回路28は、降圧トランス14を介して電源を生成しているため、その一次側における交流電圧の変動の影響を受けるおそれがあるからである。同様に、定電圧電源回路28は、負荷電流が変動した場合の電源電圧がばらつくおそれがあるため、極力定格入力に相当する負荷状態となるように電子レンジを動作させた状態にする。
【0055】
以上のように準備を行うと、作業者は、操作手段34を操作して補正値の設定を開始させる(ステップS4,「YES」)。すると、CPU35は、A/D変換器37によって陽極電流検出回路33の入力ポートに与えられている基準電圧Vref の変換値を、補正値Bとして読み込む(ステップS5)。即ち、補正値Bは電源+VDDの電圧が5Vであれば基準データ値“200”に一致するが、電圧が5Vよりも高い場合は値は“200”よりも小さくなり、電圧が5Vよりも低い場合は値は“200”よりも大きくなる。従って、基準値“200”と補正値Bとの比に基づいてA/D変換値を補正することができる。
【0056】
続いて、CPU35は、読み込んだ補正値Bが下限値LTH以上であるか(ステップS6)、または上限値HTH以下であるか(ステップS7)否かを判断する。そして、LTH≦B≦HTH,の関係にある場合は(何れも「YES」)、CPU35は補正値Bをメモリ36の所定領域に書込み(ステップS8)、補正値設定フラグをセットすると(ステップS9)処理を終了する。
【0057】
ここで、下限値LTHは、例えばデータ値“200”の90%である“180”,上限値HTHはデータ値“200”の110%である“220”などに設定されている。即ち、CPU35がステップS5において読み込まれる補正値Bは、通常は基準値“200”から大きくかけ離れることは有り得ない。従って、補正値Bが下限値LTHを下回ったり上限値HTHを上回ったりした場合には、例えば外来ノイズが印加されるなどしてデータが正常に読み込まれなかったような状況が想定される。
【0058】
従って、補正値Bが下限値LTHを下回った場合(ステップS6,「NO」)、或いは、上限値HTHを上回った場合(ステップS7,「NO」)には、夫々その旨の表示を表示手段38に行わせた後、ステップS4に移行して再度補正値の設定処理を開始させるようにする。
【0059】
そして、制御ユニット30は、例えば通常のレンジ調理動作中において、電流検出回路27を通じて検出した入力電流に余裕がある状態時、並びに電圧検出回路29を通じて検出した入力電圧(電源電圧)が低下した状態時には、マグネトロン25の出力をインバータ回路を通じて所定レベルまで増大させる制御を上記検出入力電流及び検出入力電圧に基づいて行い、以て全体の入力電流が15A(家庭用配線のコンセント容量やブレーカ容量に対応)を越えない範囲でマグネトロン25の出力(ひいては調理スピード)を最大限に高めるようにしている。
【0060】
また、制御ユニット30は、陽極電流検出回路33を介してマグネトロン25の陽極電流を参照して、マグネトロン25の起動時における出力制御を行うようになっている。
【0061】
この時、CPU35は、A/D変換器37を介して読み込んだ入力電流や入力電圧の検出値(デジタルデータ)をINPUT とすると補正値Bを用いて補正を行い、補正データ値をINPUT ′とする。即ち、次式によって補正を行う。
INPUT ′=INPUT ×(200/B)
このようにして補正されたデータ値INPUT ′は、検出値INPUT を読み込んだ時に電源+VDDの電圧が5Vを示さなかったとしても、当該電圧が5Vを示す場合の重みによってデータ値を評価することが可能となる。従って、入力電流や入力電圧をより高い精度で読み込むことができる。
【0062】
以上のように本実施例によれば、電子レンジの動作を制御する制御ユニット30を構成するCPU35は、A/D変換器37に基準電圧Vref が印加された場合のデジタル変換値を補正値Bとするので、従来とは異なり、直流電圧を基準として得られる値を補正値とすることができ、商用交流電源13における変動,歪みの影響や、整流や電圧範囲を調整するための回路素子のばらつきの影響を極力排除することができる。そして、得られた補正値Bに基づいてA/D変換器37が変換するデジタルデータを補正するので、A/D変換器37において変換を行う際に基準となる電源+VDDの電圧が変動した場合でもその変動を実質的にキャンセルすることができ、補正をより高精度に行うことが可能となる。
【0063】
従って、回路定数の経時変化などにより電流検出回路27,電圧検出回路29が検出する入力電流値や入力電圧値がばらつくような状況になった場合でも、上記のような補正処理によって、電流検出回路27及び電圧検出回路29による検出精度が高められることになり、それらの検出電流及び検出電圧に基づいた制御、つまり、全体の入力電流が上限値である15Aを越えない範囲(例えば、14.6A±0.2Aの範囲)でマグネトロン25の出力を最大限に高める制御を安定した状態で行うことが可能になる。要するに、全体の入力電流が制約された状況下でも調理スピードの向上を実現できるようになる。
【0064】
また、本実施例によれば、基準電圧Vref を、A/D変換器37における陽極電流検出回路33に対応する入力ポートに印加するようにしたので、基準電圧Vref をA/D変換器37に印加するために専用の入力ポートを設ける必要がなくなる。そして、CPU35は、補正値Bを得たことをメモリ36に記憶させると共に、電源が投入された場合に補正値Bが得られていないと判断すると、表示手段38にその旨を表示させるので、作業者は、各電子レンジついてCPU35に補正値Bを得させるための処理を既に実行させたか否かを容易に判断できる。
【0065】
更に、CPU35は、予め設定された上限値HTHと下限値LTHとの間に補正値Bが入らなかった場合は当該補正値Bをメモリ36に記憶させずに、表示手段38にその旨を表示させるので、CPU35に不適当な補正値を記憶させてしまうことを回避できると共に、作業者は、CPU35に補正値を得させるための処理を再度実行させることができる。
【0066】
また、CPU35が補正値Bを得る場合に、電子レンジに外部より与える交流電圧を100Vまたは200V,交流周波数を50Hzまたは60Hzとし、また、入力電流をも定格値に設定したので、降圧トランス14によって降圧された電圧を極力一定にして補正値をより正確に得ることができる。
【0067】
そして、基準電圧Vref を、その変換データ値が当該A/D変換器37の最大出力階調“256”に対して約78%の値に相当する“200”に設定したので、商用交流電源13が最大限に変動した場合でも、デジタル変換値を飽和させることなく適正な補正値Bを得ることができる。また、A/D変換器37に入力するアナログデータを、当該A/D変換器37の最大入力範囲に対して60%〜90%の値に設定するので、A/D変換を適正に行うことができる。
【0068】
図4乃至図6は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例の構成は基本的に第1実施例と同様であり、CPU35によるソフトウエア的な処理が異なっている。即ち、図2相当図である図4において、CPU35は、ステップS5の実行後に、サーミスタ31により検出される庫内温度から、カレントトランス26の雰囲気温度TCT0 を推定検知すると(ステップS12)、次のステップS6を実行する。また、ステップS8の実行後には、ステップS12で検知した雰囲気温度TCT0 をメモリ36に書き込むようになっている(ステップS13)。
【0069】
ここで、カレントトランス26にあっては、図6に示すように、雰囲気温度の高低に応じて出力が変動するという事情がある。例えば、雰囲気温度が20℃である場合を基準とすると、−20℃の場合で−3%、60℃の場合は−1%出力が変化する。このような温度特性を考慮して補正値Bの補償を行う。
【0070】
図5は、CPU35がカレントトランス26により検出される入力電流のA/D変換処理を行う場合の制御内容を示すフローチャートである。メモリ36には、図6に示すようなカレントトランス26の温度特性がテーブルとして記憶されている。CPU35は、先ず、ステップS12と同様に、サーミスタ31により検出される庫内温度からカレントトランス26の雰囲気温度TCT1 を推定検知すると(ステップA1)、ステップS13でメモリ36に記憶させた補正処理時の雰囲気温度TCT0 を読み出す(ステップA2)。
【0071】
続いて、メモリ36より雰囲気温度TCT0 に応じた温度特性を読み出すと、ステップA1で検知した雰囲気温度TCT1 に基づいて、補正値Bの補正係数αを決定する(ステップA3)。補正係数αは、温度特性によるカレントトランス26の出力が変化する割合に応じて決定する。
【0072】
次に、CPU35は、メモリ36より補正値Bを読み出し(ステップA4)、A/D変換器37を介してカレントトランス26によって検出された入力電流のA/D変換データINPUT を読み出す(ステップA5)。そして、ステップA6において、データINPUT の補正処理を次式によって行う。
INPUT ′=INPUT ×(200/(α・B))
そして、A/D変換処理を終了する。
【0073】
以上のように第2実施例によれば、CPU35は、サーミスタ31によって検出される庫内温度からカレントトランス26付近の温度TCT1 を検出し、その温度TCT1 と、カレントトランス26が有する温度特性に基づいてA/D変換データの補正値Bを補正するようにした。従って、カレントトランス26が有する温度特性を打ち消すようにしてA/D変換データの補正をより高精度に行うことができ、カレントトランス26により検出される入力電流値が、周囲の雰囲気温度の変化に起因して不正確になる事態を未然に防止できるようになる。その結果、例えば、マグネトロン30の出力制御等をさらに安定した状態で行い得るようになる。
【0074】
図7及び図8は本発明の第3実施例を示すものであり、第1,第2実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第3実施例の構成は基本的に第1実施例と同様であり、CPU35によるソフトウエア的な処理が異なっている。
【0075】
図5相当図である図7において(ただし、第3実施例では入力電流値のA/D変換に限らない)、CPU35は、先ず、現在の動作状態(制御モード)を判定する(ステップB1)。ここでの動作状態は、例えば「待機」、「レンジ」、「グリル」、「オーブン」の4つであるとする。
【0076】
即ち、図8に一例を示すように、これら4つの動作状態によって機器の消費電流が変化するため、降圧トランス14の出力電圧も変化する。例えば、消費電流が最も少ない状態「待機」では、降圧トランス14の出力電圧は17.0V,CPU35がA/D変換器37を介して検出する電圧検出回路29の出力電圧は4.1Vであり、消費電流が最も多い状態「オーブン」では、降圧トランス14の出力電圧は12.8V,CPU35が検出する出力電圧は3.1Vとなる。
このように、動作状態に応じてCPU35の検出電圧は大きく変化するため、動作状態に応じてA/D変換データの補正値Bを補償する。
【0077】
図7において、CPU35は、上述のようにステップB1で現在の動作状態が何れであるかを判定すると、その動作状態に基づいて補正値Bの補正係数βを決定する(ステップB2)。補正係数βは、例えば、補正値Bの設定処理が状態「レンジ」で行われたとすると、状態「レンジ」を基準とした場合に現在の動作状態で検出電圧が変化する割合に応じて決定する。
【0078】
次に、CPU35は、メモリ36より補正値Bを読み出し(ステップB3)、A/D変換器37を介してA/D変換データINPUT を読み出す(ステップB4)。そして、ステップB5において、データINPUT の補正処理を次式によって行う。
INPUT ′=INPUT ×(200/(β・B))
そして、A/D変換処理を終了する。
【0079】
以上のように第3実施例によれば、CPU35は、負荷電流値が異なる複数の動作状態に基づいてA/D変換データの補正値Bを補正するようにしたので、負荷電流値の変化に基づいて電圧検出回路29の出力特性が変化する場合でも、補正精度を一層向上させることができる。
【0080】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
基準電圧Vref は、デジタルデータ値“200”に対応する電圧に限らず、A/D変換レンジ内で適当に設定すれば良い。また、アナログ/デジタル変換手段のビット数は8ビットに限ることなく,12ビットや16ビットなどでも良い。基準電圧Vref は、陽極電流検出回路33の入力ポートに限ることなく、他の入力ポートに印加しても良い。また、基準電圧印加用の専用入力ポートを設けても良い。
【0081】
第1実施例において、補正値が未設定ある場合に表示手段38に表示を行わせる処理は必要に応じて行えば良い。また、補正値が上限,下限の範囲を超えた場合に設定をやり直す処理についても、必要に応じて行えば良い。
第2実施例の処理を、降圧トランス14の電圧を検出する電圧検出回路29に適用しても良い。
第2実施例と第3実施例とを同時に行っても良い。
電子レンジに限ることなく、その他誘導加熱調理器等に適用しても良い。また、加熱調理器に限らず、アナログ/デジタル変換手段を有してデータのA/D変換を行う制御装置であれば広く適用が可能である。
【0082】
【発明の効果】
本発明の加熱調理器によれば、制御手段は、製品出荷前の段階でアナログ/デジタル変換手段の入力側に商用交流電源の影響を受けない外部の基準電圧発生装置より供給される基準直流電圧が印加された場合のデジタル変換値を補正値とするので、従来とは異なり、直流電圧を基準として得られる値を補正値とすることができ、商用交流電源における変動,歪みの影響や、整流や電圧範囲を調整するための回路素子のばらつきの影響を極力排除することができる。そして、得られた補正値に基づいてアナログ/デジタル変換手段が変換するデジタルデータを補正すれば、変換を行う際に基準となる電源電圧が変動した場合でもその変動を実質的にキャンセルすることができる。従って、補正をより高精度に行うことが可能となり、加熱調理の制御を正確に行うことができる。
【0083】
また、本発明のアナログ/デジタル変換値補正方法によれば、製品出荷前の段階でアナログ/デジタル変換手段の入力側に商用交流電源の影響を受けない外部の基準電圧発生装置より供給される基準直流電圧が印加された場合のデジタル変換値が補正値となるので、従来とは異なり、直流電圧を基準として得られる値を補正値とすることができ、商用交流電源における変動,歪みの影響や、整流や電圧範囲を調整するための回路素子のばらつきの影響が極力排除されるようになる。そして、得られた補正値に基づいてアナログ/デジタル変換手段が変換するデジタルデータを補正すれば、変換を行う際に基準となる電源電圧が変動した場合でもその変動を実質的にキャンセルすることができ、補正をより高精度に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をオーブン機能付電子レンジに適用した第1実施例であり、電子レンジの電気的構成を示す機能ブロック図
【図2】制御ユニットのCPUが実行するA/D変換の補正値設定ルーチン(補正処理)の内容を示すフローチャート
【図3】電子レンジの概略的な外観を示す図
【図4】本発明の第2実施例を示す図2相当図
【図5】CPUがカレントトランスにより検出される入力電流のA/D変換処理を行う場合の制御内容を示すフローチャート
【図6】カレントトランスの温度特性を示す図
【図7】本発明の第3施例を示す図5相当図
【図8】電子レンジの動作状態に応じた、降圧トランスの出力電圧及びCPUの検出電圧の変化を示す図
【符号の説明】
9Uは上ヒータ(加熱手段)、9Lは下ヒータ(加熱手段)、25はマグネトロン(加熱手段)、26はカレントトランス(物理量検出手段)、27は電流検出回路(物理量検出手段)、29は電圧検出回路(物理量検出手段)、30は制御ユニット(制御手段,制御装置)、31はサーミスタ(物理量検出手段)、33は陽極電流検出回路(物理量検出手段)、35はCPU、37はA/D変換器(アナログ/デジタル変換手段)を示す。

Claims (15)

  1. 食品を加熱する加熱手段と、
    商用交流電源の影響を受けている状態で検出した物理量に基づくアナログデータを出力する物理量検出手段と、
    この物理量検出手段によって出力されるアナログデータをデジタルデータに変換して出力するアナログ/デジタル変換手段と、
    このアナログ/デジタル変換手段によって出力されるデジタルデータに基づいて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、製品出荷前の段階で前記アナログ/デジタル変換手段の入力側に、商用交流電源の影響を受けない外部の基準電圧発生装置より供給される基準直流電圧が印加された場合における実際のデジタル変換値を補正値として記憶可能に構成され前記基準電圧発生装置により基準直流電圧を印加させることで記憶させた補正値に基づいて当該アナログ/デジタル変換手段が変換するデジタルデータを補正することを特徴とする加熱調理器。
  2. 物理量検出手段は、加熱手段を駆動するために外部より印加される交流入力電圧,加熱手段たるマグネトロンの陽極電流,または、加熱された食品の温度を物理量として検出するように構成され、
    基準直流電圧は、アナログ/デジタル変換手段における前記物理量検出手段の何れかに対応する入力ポートに印加されることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. 加熱調理に関する情報を表示するための表示手段を備え、
    制御手段は、補正値を得たことを記憶させると共に、電源が投入された場合に補正値が得られていないと判断すると、前記表示手段にその旨を表示させることを特徴とする請求項1または2記載の加熱調理器。
  4. 制御手段は、予め設定された上限値と下限値との間に補正値が入らなかった場合は、当該補正値を記憶することを禁止すると共に、前記表示手段にその旨を表示させることを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。
  5. 物理量検出手段付近の温度を検出する温度検出手段を備え、 制御手段は、前記温度検出手段によって検出される温度と、前記物理量検出手段が有する温度特性とに基づいて補正値を補正することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の加熱調理器。
  6. 加熱手段を複数備え、
    制御手段は、前記複数の加熱手段の使用を切換えて制御することに基づく複数の加熱調理モードに応じて補正値を補正することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の加熱調理器。
  7. 商用交流電源の影響を受けている状態で検出した物理量に基づくアナログデータを出力する物理量検出手段と、この物理量検出手段によって出力されるアナログデータをデジタルデータに変換して出力するアナログ/デジタル変換手段と、このアナログ/デジタル変換手段によって出力されるデジタルデータに基づいて制御を行う制御手段とを備えてなる制御装置において、前記アナログ/デジタル変換手段が変換するデジタルデータを補正する方法であって、
    製品出荷前の段階で前記アナログ/デジタル変換手段の入力側に、商用交流電源の影響を受けない外部の基準電圧発生装置より供給される基準直流電圧を印加し、その時に得られた実際のデジタル変換値を前記制御手段が補正値として記憶し、その補正値に基づいて当該アナログ/デジタル変換手段が変換するデジタルデータを補正することを特徴とするアナログ/デジタル変換値補正方法。
  8. アナログ/デジタル変換手段の入力側に基準直流電圧を印加して制御手段が補正値を得る場合に、制御装置の動作用電源を生成するために外部より与える交流電圧を、100Vまたは200V,交流周波数を50Hzまたは60Hzとすることを特徴とする請求項7記載のアナログ/デジタル変換値補正方法。
  9. アナログ/デジタル変換手段の入力側に基準直流電圧を印加して制御手段が補正値を得る場合に、制御装置の入力電流を定格値に設定することを特徴とする請求項7または8記載のアナログ/デジタル変換値補正方法。
  10. アナログ/デジタル変換手段の入力側に印加する基準直流電圧を、当該アナログ/デジタル変換手段の最大出力階調に対して70%〜100%の値に設定することを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載のアナログ/デジタル変換値補正方法。
  11. アナログ/デジタル変換手段に入力するアナログデータを、当該アナログ/デジタル変換手段の最大入力範囲に対して90%以下の値に設定することを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載のアナログ/デジタル変換値補正方法。
  12. 補正値を得たことを制御手段が記憶すると共に、電源が投入された場合に補正値が得られていないと判断すると、表示手段にその旨を表示させることを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載のアナログ/デジタル変換値補正方法。
  13. 予め設定された上限値と下限値との間に補正値が入らなかった場合は制御手段が当該補正値を記憶することを禁止すると共に、表示手段にその旨を表示させることを特徴とする請求項7乃至12の何れかに記載のアナログ/デジタル変換値補正方法。
  14. 物理量検出手段が有する温度特性に基づいて、制御手段が補正値を補正することを特徴とする請求項7乃至13の何れかに記載のアナログ/デジタル変換値補正方法。
  15. 負荷電流値が異なる複数の制御モードに基づいて、制御手段が補正値を補正することを特徴とする請求項7乃至14の何れかに記載のアナログ/デジタル変換値補正方法。
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