JP2959411B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP2959411B2 JP6253729A JP25372994A JP2959411B2 JP 2959411 B2 JP2959411 B2 JP 2959411B2 JP 6253729 A JP6253729 A JP 6253729A JP 25372994 A JP25372994 A JP 25372994A JP 2959411 B2 JP2959411 B2 JP 2959411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、電源電圧の変動に対
応したヒータ加熱量の補正機能を備えた高周波加熱装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の電子レンジ等の高周波加熱装置で
は、例えば加熱室の上下面又は背面などにヒータを設
け、該ヒータを利用してトーストパンを焼いたり、ある
いは食品を加熱したり、また同食品の表面に焦げめをつ
けることが可能なトースタ機能やオーブン機能、グリル
機能等を備えたものが提供されている(例えば実開平2
−64803号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に我が
国の家庭用商用電源の電源電圧は、100VのAC電圧
に設定されている。また、それに対応して各家庭で使用
される上記高周波加熱装置等電気製品の使用定格電圧も
AC100Vに設定されている。
【0004】そして、変電所から配電線を介して配電さ
れる電力は、当該需要家庭付近の柱上変圧器で同AC1
00Vの電圧に降圧して各需要家庭に供給されるように
なっている。
【0005】しかし、上記配電線路の配電電圧は、実際
に次のような種々の原因によって電圧降下を生じる。
【0006】 負荷増加のため配電線の容量が不足し
たとき。
【0007】 経済的に十分に太い電線の使用ができ
ないとき(僻地などで、線路こう長が大きすぎる場合)。
【0008】 負荷変化のため電圧変動がはなはだし
いとき。
【0009】 負荷力率が悪いため、無効電流による
電圧降下が大きいとき。
【0010】したがって、これらの電圧降下が生じる
と、当然のことながら、各需要家庭に対して上記適正な
AC100Vの電圧を供給することはできない。
【0011】そこで、通常、例えば上記柱上変圧器のタ
ツプを線路電圧に合わせて調整することにより2次側の
電圧を一定にしたり、また昇圧器や誘導電圧調整器など
を使用して配電電圧そのものを調整する方法が採用され
ている。
【0012】しかし、このような電圧調整方法を採用し
たとしても+4%〜−10%程度の配電電圧の変動があ
るのが実情であり、また各需要家庭側での負荷量の変化
によっても或る程度の電圧変動を生じる。したがって、
各家庭での電源電圧は、正確にAC100Vには維持さ
れないのが実情である。
【0013】このような事情から、上記トースタ/オー
ブン/グリル機能等のヒータ加熱手段を備えた電子レン
ジ等の高周波加熱装置では、該ユーザー家庭における電
源電圧の相違によってトースト、オーブン又はグリル加
熱時の単位時間当りの加熱量そのものが相違することに
なり、例え設定された加熱時間が同一であったとして
も、実際にヒータに供給される電源電圧の高低によって
仕上りそのものに相当のレベル差を生じてしまう。例え
ばトーストメニューなどの場合、その焼き色に大きな差
が生じる。
【0014】そのため、上述のように折角高性能なトー
スタ/オーブン/グリル機能等を具備していても、その
機能を必ずしも適切かつ有効に発揮させることができな
い問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記の問題
を解決することを目的としてなされたものであって、次
のような有効な課題解決手段を備えて構成されている。
【0016】すなわち、本願発明の高周波加熱装置は、
マイクロ波により調理物を加熱するマイクロ波加熱手段
と、ヒータ熱により調理物を加熱するヒータ加熱手段と
を備えてなる高周波加熱装置において、上記ヒータ加熱
手段が選択されたことを判定する判定手段と、該判定手
段によりヒータ加熱手段の選択が判定された時にヒータ
加熱手段が作動される前と作動された後の電源電圧を検
出する電源電圧検出手段と、該電源電圧検出手段によっ
て検出されたヒータ加熱手段作動前の電源電圧により上
記ヒータ加熱手段作動後の電源電圧を補正し、該補正さ
れた電源電圧に応じて上記ヒータ加熱手段の加熱量を制
御するヒータ加熱量制御手段とを設けて構成されてい
る。
【0017】また、本願発明の高周波加熱装置は、上記
高周波加熱装置の構成において、そのヒータ加熱量が、
ヒータ加熱時間によって決定されるように構成されてい
る。
【0018】
【作用】本願発明は、上記の構成に対応して次のような
作用を奏する。
【0019】すなわち、上述のように本願発明の高周波
加熱装置の構成では、先ずマイクロ波により調理物を加
熱するマイクロ波加熱手段と、ヒータ熱により調理物を
加熱するヒータ加熱手段とを備えてなる高周波加熱装置
において、上記ヒータ加熱手段が選択されたことを判定
する判定手段と、該判定手段によりヒータ加熱手段の選
択が判定された時にヒータ加熱手段が作動される前と作
動された後の電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
該電源電圧検出手段によって検出されたヒータ加熱手段
作動前の電源電圧により上記ヒータ加熱手段作動後の電
源電圧を補正し、該補正された電源電圧に応じて上記ヒ
ータ加熱手段の加熱量を制御するヒータ加熱量制御手段
とを設けており、装置に供給される電源電圧が変動した
としても、ヒータ加熱手段の加熱量は常に略AC100
(V)の定格電圧時と同一のものになるように補正制御さ
れる。
【0020】特に、本願発明の場合、先ず最初にヒータ
加熱手段を作動させる前の電源電圧を読み込み、当該高
周波加熱装置が現在まで何ボルトの電源電圧のままでス
タンバイされていたかを判定し、その上で、さらに実際
にヒータ加熱手段が作動されてからの電源電圧を読み込
むことによりヒータ加熱手段作動前の最初の電源電圧に
よってヒータ加熱手段作動後の電源電圧の補正を行なう
ようにしている。
【0021】その結果、例えば当該装置の電源トランス
の性能のバラツキや電源回路電流のバラツキなどがあっ
たとしても、それらの如何に拘わらず、常に適正な電源
電圧の判定が可能となり、実電源電圧に応じた、より正
確な加熱量補正が実現されるようになる。
【0022】そして、それらの各場合において、例えば
上記制御されるヒータ加熱量は、当該ヒータ加熱手段の
加熱時間の長さを可変することによって決定される。
【0023】
【発明の効果】以上の結果、本願発明の高周波加熱装置
によると、電源電圧の変動があっても該電圧の変動に応
じてヒータ加熱時間、加熱出力の補正がなされ、実質的
な有効加熱量が一定になるように制御されるから、電源
電圧の変動に拘らず常に安定したヒータ加熱を実現する
ことができる。従って、高性能のトースタ/オーブン/
グリル機能などを適切かつ有効に発揮させることが可能
となる。
【0024】
【実施例】(参考例1) 図1〜図3は、本願発明の参考例1に係るヒータ加熱機
能を備えた高周波加熱装置(電子レンジ)の構成および動
作を示している。
【0025】先ず図1および図2は、当該高周波加熱装
置1の全体的な構造(筺体構造)を示すもので、その筺体
1aの内側には加熱室(調理物収納庫)2が設けられてい
る。そして、該加熱室2の底部には調理物載置用のター
ンテーブル3が回転可能に設置されている。また該加熱
室2の正面側開口部19にはファィンダー部17を形成
したドア16が右側から左側方向に開閉可能な状態で取
付けられている。
【0026】一方、上記筺体1a正面側の上記加熱室2
の開口部19の右側部には当該高周波加熱装置の各種の
機能を操作・制御するための操作パネル部26が設置さ
れている。該操作パネル部26には、例えば図1に詳細
に示すように、先ず上方側から下方側にかけて、表示部
(液晶表示部)34、マニュアルメニュー用の加熱時間設
定キー(5分用キー27a、1分用キー27b、10秒用
キー27cの3つのキーよりなる)、手動加熱キー(生も
の解凍キー29a、トースターキー29b、ピザ加熱キー
29c、おかゆキー29dの4つのキーよりなる)、自動
加熱キー(酒のかんキー30a、炊飯キー30b、トース
タキー30c、冷凍トーストキー30dの4つのキーより
なる)、マニュアルメニュー指定キー41、オートメニ
ュー指定キー42、仕上り調節キー43、あたため/ス
タートキー44、取消キー45等が各々適切に操作性良
く配設されている。
【0027】そして、上記ドア内側の操作パネル部26
の表示部34には、例えば上述した各種の操作キーがO
N操作されると、それに対応して各種の選択設定状態が
表示されるようになっている。
【0028】該操作パネル部26の各ドアキー群は、例
えば図2に示すようにマイクロコンピュータを中心とし
て構成された高周波加熱装置(電子レンジ)コントロール
用の制御ユニット20とデータバスおよびコントロール
バスを介して接続されていて自由に入出力信号の送受が
行えるようになっている。
【0029】さらに、図1、図2から明らかなように、
上記高周波加熱装置1の筺体1a部には、上記加熱室2
内のターンテーブル3上の被加熱物(調理物)にマイクロ
波を放射吸収させることによって加熱するマグネトロン
13と、当該加熱室2内の被加熱物をヒータ加熱する上
下ヒータ36A,36Bおよびそれらを駆動するヒータ
回路35とが各々図示のように設置されている。そし
て、さらに上記制御ユニット20とターンテーブルモー
タ4との間にはターンテーブルモータ駆動回路24が、
また同制御ユニット20と上記マグネトロン13との間
にはマグネトロン駆動部22が各々介設されている。上
記ターンテーブルモータ4部には、また重量センサWS
が設けられ、該重量センサWSで検出された検出値は各
種の調理物Wの重量の判定に使用される。
【0030】さらに、上記加熱室2の上方には、図示の
ようにサーミスタ52が設けられており、例えばホーロ
ーネット3aが着脱可能に設けられたターンテーブル3
上のトーストパン(通常、冷凍)等調理物W1,W2の表面
から放射される放射熱を入射して、その入射熱量から当
該調理物W1,W2の個々の温度が検出されるようになっ
ている。又その他側には庫内ランプ51が設けられてお
り、該庫内ランプ51は点灯回路53により点灯駆動さ
れるようになっている。
【0031】そして、上記操作パネル部26のトースタ
キー30c等のヒータメニューキーがON操作される
と、それによって図3に示すようなヒータ加熱制御(オ
ートトースト制御)およびターンテーブルモータ4の駆
動制御が開始され、上述のヒータ36A,36BがON
され、ターンテーブル3が回転駆動されるとともに上記
庫内ランプ51が点灯される。また、その結果、上記タ
ーンテーブル3上の例えば2つの調理物W1,W2も回転
する。
【0032】さらに、上記ヒータ36A,36BのO
N、ターンテーブル3の回転駆動並びに庫内ランプ51
の点灯に略同期して上記サーミスタ52もON作動せし
められる。
【0033】該サーミスタ52の調理物温度検出信号
は、上記制御ユニット20内に入力されて現在の調理物
1,W2個々の温度T1,T2が判定される。
【0034】上記マグネトロン駆動部22、ターンテー
ブルモータ駆動回路24、ヒータ回路35、点灯回路5
3には、各々電源回路58を介してAC電源(100V)
が供給されるようになっている。
【0035】ところで、上記制御ユニット20は、前に
従来技術の所で述べたような電源電圧の変動があった場
合には、当該電源電圧の値に応じて、そのヒータ加熱時
の加熱量を、トータルの加熱時間を増減補正することに
よって実際の加熱量が常に定格電圧100(V)の時と同
一になるように可変制御する加熱量補正制御機能を備え
て構成されている。そして、該機能を達成するために、
上記高周波加熱装置には又電源電圧検出装置59が設け
られている。該電源電圧検出装置59は、上記電源回路
58中に設けられた整流回路の整流電圧を抵抗分圧して
検出するようになっている。
【0036】次に、該制御ユニット20によるヒータ加
熱時の上記電源電圧に応じた加熱量補正制御の内容につ
いて例えばオート・トーストメニューの場合を例とする
図3のフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0037】すなわち、先ず電源ON後、ステップS1
で上述した各操作キーの操作状態を読み込む。続いてス
テップS2で、上記ヒータ加熱を伴うオート・トースト
メニュー選択用のトースタキー30cがON操作されて
いるか否かを判定する。
【0038】その結果、YESと判定された時は、さら
にステップS3に進んで当該ヒータ加熱のための上記上
下ヒータ36A,36Bの出力デューティーを先ずセッ
トする。続いてステップS4でヒータリレー作動確認の
ための1秒タイマーをONにし、ステップS5で当該ヒ
ータリレーの作動が完了するに必要な時間1秒が経過し
たか否かを確認する。
【0039】その結果、YESと判定されると、さらに
ステップS6に進んで、上記上下ヒータ36A,36Bを
ONにしてヒータ加熱制御を開始する。これにより、負
荷状態での電源電圧が生じる。
【0040】そこで、次にステップS7で上記電源電圧
検出装置59の出力(Vin)を基に電源電圧を検出する。
そして、ステップS8で、それを基に電源電圧の判定を
行ない、上記検出された電源電圧が、96(V)以下の低
電圧状態であるか、97〜100(V)の定格電圧状態で
あるか、101(V)以上の高電圧状態であるか、の各々
の判定結果に対応してステップS9,S10,S11で各々予
じめ実験データに基いて設定メモリされているテーブル
データからトータルの加熱量が上記定格電圧97〜10
0(V)の時と同じになるように全加熱時間を増減補正す
る加熱時間補正係数K1,K2,K3を読み出す。該加熱時
間補正係数K1,K2,K3は、例えば定格電圧97〜10
0(V)の時の係数K2を基準(K2=1)とし、該定格電圧
97〜100(V)よりも低い96(V)以下の時の補正係
数K1が1よりも大きく、他方同定格電圧97〜100
(V)よりも高い101(V)以上の時の補正係数K3が1
よりも小さくなるように、各範囲の所定の電圧レベル毎
に所定ステップで設定されている。
【0041】そして、続くステップS12で、基準となる
定格電圧97〜100(V)の時の加熱時間taに上記その
時の判定電圧に応じた加熱時間補正係数K1,K2,K3
乗じてトーストパン自動焼上げのためのトータルのヒー
タ加熱時間tを演算する(t=ta・K1、t=ta・K2、t=t
a・K3)。また、次のステップS13で該演算時間tを上記
表示部34に残時間として表示する。
【0042】その後、該加熱時間t内上記ステップS3
設定された加熱デューティーでのヒータ加熱を実行する
とともにステップS14で該加熱時間tの経過をカウント
する(t=t−1)。
【0043】そして、ステップS15で、当該設定加熱時
間tの経過(t=0)を判定し、YESと判定されると、最
終的にステップS16で上記上下ヒータ36A,36Bを
OFFにして当該トーストパンの自動焼上げを完了す
る。
【0044】以上の結果、この参考例1の高周波加熱装
置によると、ユーザ家庭の電源電圧の如何に拘わらず、
トーストパン焼上げのためのトータルの加熱量は一定と
なり、所望設定レベル通りの正確な焼き色を実現するこ
とが可能となる。
【0045】(参考例2) 次に図4〜図6は、本願発明の参考例2に係る高周波加
熱装置のヒータ加熱制御(トーストパン自動焼上げ制御)
の内容を示している。
【0046】上記参考例1では、定格電圧97〜100
(V)の時の設定加熱時間を基準として、その都度電源電
圧の変動に応じた合計加熱時間の補正を行うようにした
が、予じめこれと同様の電源電圧に応じた合計加熱時間
のテーブルデータを持たせておき、それを検出された電
源電圧に応じて読出して直接設定するようにすることも
できる。
【0047】この参考例2は、このような観点から構成
されたものである。
【0048】次に、該参考例2による上記同様のヒータ
加熱時の上記電源電圧に応じた加熱量補正制御の内容に
ついて例えば自動トーストメニューの場合を例とする図
4のフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0049】すなわち、先ず電源ON後、ステップS1
で上述した各操作キーの操作状態を読み込む。続いてス
テップS2で、上記ヒータ加熱を伴うオート・トースト
メニュー選択用のトースタキー30cがON操作されて
いるか否かを判定する。
【0050】その結果、YESと判定された時は、さら
にステップS3に進んで当該ヒータ加熱のための上記上
下ヒータ36A,36Bの出力デューティーを先ずセッ
トする。続いてステップS4でヒータリレー作動確認の
ための1秒タイマーをONにし、ステップS5で当該ヒ
ータリレーの作動が完了するに必要な時間1秒が経過し
たか否かを確認する。
【0051】その結果、YESと判定されると、さらに
ステップS6に進んで、上記上下ヒータ36A,36Bを
ONにしてヒータ加熱制御を開始する。これにより、負
荷状態での電源電圧が生じる。
【0052】そこで、次にステップS7で上記電源電圧
検出装置59の出力(Vin)を基に電源電圧を検出する。
そして、ステップS8で、それを基に電源電圧の判定を
行ない、上記検出された電源電圧が、96(V)以下の低
電圧状態であるか、97〜100(V)の定格電圧状態で
あるか、101(V)以上の高電圧状態であるか、の各々
の判定結果に対応してステップS9,S10,S11で各々予
じめ実験データに基いて設定メモリされている例えば図
5、図6に示すような、その時のパンの枚数や設定され
た焼上げレベル、連続焼回数等に応じた2組毎の3種類
のテーブルデータ(96V以下用、97〜100V用、
101V以上用)からトータルの加熱量が上記定格電圧
97〜100(V)の時と同じになる加熱時間を読み出
す。なお、図5、図6のテーブルは、97〜100V用
のものを示している。
【0053】そして、続くステップS12で、該読出され
た時間t1,t2,t3の何れかを加熱時間tとしてセットする
(t=t1、又はt=t2、又はt=t3)。また、それと同時に
該セット時間tを上記表示部34に残時間として表示す
る。
【0054】その後、該加熱時間t内上記ステップS3
設定された加熱デューティーでのヒータ加熱を実行する
とともにステップS13で該加熱時間tの経過をカウント
する(t=t−1)。
【0055】そして、ステップS14で、当該設定加熱時
間tの経過(t=0)を判定し、YESと判定されると、最
終的にステップS15で上記上下ヒータ36A,36Bを
OFFにして当該トーストパンの自動焼上げを完了す
る。
【0056】以上の結果、この参考例2の高周波加熱装
置によると、上記参考例1の場合同様にユーザ家庭の電
源電圧の如何に拘わらず、トーストパン自動焼上げのた
めのトータルの加熱量は一定となり、所望設定レベル通
りの正確な焼き色を実現することが可能となる。
【0057】(参考例3) 次に図7は、本願発明の参考例3に係る高周波加熱装置
のヒータ加熱制御(トーストパン自動焼上げ制御)の内容
を示している。
【0058】上記参考例1,2では、その何れの場合に
も定格電圧97〜100(V)の時の設定加熱時間を基準
として、その都度電源電圧の変動に応じてトータルの加
熱時間を変えることにより実質的な加熱量を一定にする
ように構成したが、それらと同様の加熱量の制御は、例
えばヒータの出力デューティの値そのものを変えること
によっても実現することができる。
【0059】この参考例3は、このような観点から構成
されたものである。
【0060】次に、該参考例3による上記同様のヒータ
加熱時の上記電源電圧に応じた加熱量補正制御の内容に
ついてオート・トーストメニューの場合を例とする図7
のフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0061】すなわち、先ず電源ON後、ステップS1
で上述した各操作キーの操作状態を読み込む。続いてス
テップS2で、上記ヒータ加熱を伴うオート・トースト
メニュー選択用のトースタキー30cがON操作されて
いるか否かを判定する。
【0062】その結果、YESと判定された時は、さら
にステップS3に進んで当該ヒータ加熱のための上記上
下ヒータ36A,36Bの基準となる出力デューティー
を定格電圧97〜100Vを前提として先ずセットす
る。続いてステップS4で、その時の焼上げ枚数、焼上
げレベルに応じた必要な加熱時間tを設定表示するとと
もにヒータリレー作動確認のための1秒タイマーをON
にする。そして、ステップS5で上記ヒータリレーの作
動が完了するに必要な時間1秒が経過したか否かを確認
する。
【0063】その結果、YESと判定されると、さらに
ステップS6に進んで、上記上下ヒータ36A,36Bを
ONにしてヒータ加熱制御を開始する。これにより、負
荷状態での電源電圧が生じる。
【0064】そこで、次にステップS7で上記電源電圧
検出装置59の出力(Vin)を基に電源電圧を検出する。
そして、ステップS8で、それを基に電源電圧の判定を
行ない、上記検出された電源電圧が、96(V)以下の低
電圧状態であるか、97〜100(V)の定格電圧状態で
あるか、101(V)以上の高電圧状態であるか、の各々
の判定結果に対応してステップS9,S10,S11で各々予
じめ実験データに基いて設定メモリされているデューテ
ィ値補正テーブルデータからトータルの加熱量が上記定
格電圧97〜100(V)の時と同じになるように出力デ
ューティを増減補正するデューティ値補正データを読出
して上記ステップS3で設定された基準となる出力デュ
ーティ値を増減補正する。該デューティ値補正データ
は、例えば定格電圧97〜100(V)の時の値を基準
(±0%)とし、該定格電圧97〜100(V)よりも低い
96(V)以下の時の補正値が+20%、他方同定格電圧
97〜100(V)よりも高い101(V)以上の時の補正
値が−20%に設定されている。
【0065】そして、続くステップS12で、当該制御周
期の1周期の時間に相当するウエイティング時間32秒
の経過を判定し、ヒータ制御回路各部がフルON状態に
なったことを確認する。
【0066】その結果、YESになると、ステップS13
で、上記ステップS9,S10,S11で補正されたデューテ
ィ値(120%、100%、80%)に基いて上記ステッ
プS3の設定出力デューティを変更し、上記設定加熱時
間t内当該補正設定された加熱出力デューティーでのヒ
ータ加熱を実行するとともにステップS14で上記加熱時
間tの経過をカウントする(t=t−1)。
【0067】そして、ステップS15で、当該設定加熱時
間tの経過(t=0)を判定し、YESと判定されると、最
終的にステップS16で上記上下ヒータ36A,36Bを
OFFにして当該トーストパンの自動焼上げを完了す
る。
【0068】以上の結果、この参考例3の高周波加熱装
置によると、やはり上記各参考例同様にユーザ家庭の電
源電圧の如何に拘わらず、トーストパン自動焼上げのた
めのトータルの加熱量は一定となり、所望設定レベル通
りの正確な焼き色を実現することが可能となる。
【0069】(実施例) 次に図8および図9は、本願発明の実施例に係る高周波
加熱装置のヒータ加熱制御(トーストパン自動焼上げ制
御)の内容を示している。
【0070】今、例えば本実施例の高周波加熱装置の電
源回路は、図8のように構成されている。
【0071】すなわち、図中符号60はAC電源プラ
グ、61は電源トランス、62は整流回路、63は平滑
コンデンサ、R1,R2は分圧抵抗(例えばR1=3.9KΩ、
2=1KΩ程度)、20はマイクロコンピュータよりな
る上述の場合同様の制御ユニット、65はヒータ駆動リ
レー、Qはヒータ駆動リレー作動用のスイッチングトラ
ンジスタである。ヒータ駆動リレー65は、リレーコイ
ルRLとリレー接点RSとからなり、スイッチングトラ
ンジスタQのONによりリレーコイルRLが励磁されて
リレー接点RSが閉成されると、ヒータ(図2の36A,
36B参照)に電源電圧が通電されるようになってい
る。
【0072】一方、上記制御ユニット20には上記整流
回路62出力端の電源電圧V(例えばV=20V程度)を
分圧抵抗R1,R2で分圧して入力するようになってお
り、該入力電圧VinをA/D変換して電圧判定に利用す
るようになっている。
【0073】そして、該電圧判定の結果に基いて例えば
上記実施例1と同様に定格電圧100(V)の時の基準加
熱時間を増減補正することによって加熱量を一定に制御
する。
【0074】ところが、この場合、上記制御ユニット2
0に読み込まれる電圧Vinの基になる整流出力電圧V
は、例えば電源電圧が90(V)でヒータONスタンバイ
状態となっている時と110(V)で同状態になっている
時とでは、上記電源トランス61自体の温度が異なり、
例えば図10のグラフに示すように所定の偏差ΔVが生
じる。このため正確な電圧判定ができない問題がある。
【0075】そこで、本実施例では、例えば図9のフロ
ーチャートに示すように、上記偏差を解消するために、
先ず最初にヒータをONする前の分圧電圧Vin1を読み
込み、当該高周波加熱装置が現在まで何ボルトの電源電
圧のままでスタンバイされていたかを判定し、その上
で、さらに実際にヒータがONされてからの分圧電圧V
in2を読み込んで最初のVin1によってヒータON後のV
in2の補正を行なうようにしている。
【0076】該制御の内容について、図9のフローチャ
ートを参照して詳細に説明すると次のようになる。
【0077】すなわち、先ずステップS1で各種操作キ
ーの操作状態を読み込む。
【0078】次に、ステップS2で、ヒータ加熱を伴う
トースタキー30cのON操作がなされているか否かを
判定する。その結果、YESの時は、先ずステップS2
でヒータON前の上記分圧電圧Vin1を制御ユニット2
0に読み込んでメモリする。
【0079】その後、さらにステップS4に進んで、ス
タートキーがON操作されたか否かを判定し、YESと
判定されると、ステップS5で上記上下ヒータ36A,3
6BをONにして加熱を開始する。そして、その後、ス
テップS6で該上下ヒータON状態の分圧電圧Vin2を読
み込んでメモリする。
【0080】そして、さらにステップS7,S9,S11に進
み、該上下ヒータON後の読込電圧Vin2が第1の判定
基準値α1(例えばα1=16V)よりも低いか、又は第1
の判定基準値α1と第2の判定基準値α2(例えばα2=1
7V)との間にあるか、さらには第2の判定基準値α2
りも高く、かつ第3の判定基準値α3(例えばα3=18
V)以下であるか(図示省略)、第4の判定基準値α4(例
えばα4=19V)以上であるかを各々判定し、その判定
結果(YES,NO)に基づいてステップS8,S10,S12
各々電圧判定(90V以下、91〜95V、110V以
上)を行なう(同判定結果をメモリする)。
【0081】その後、さらにステップS13に進み、該判
定電圧に対応して上記上下ヒータ36A,36BON前
の装置スタンバイ時の読み込み電圧Vin1による加熱時
間の補正を行った後、次のステップS14で最終的な加熱
時間tの設定と表示を行う。
【0082】そして、該設定時間t内のヒータ加熱を実
行しながら、ステップS15で各周期毎に当該設定時間t
の経過(t=t−1)を判定し、当該設定時間tの経過t=0
が判定されると、ステップS16で上記上下ヒータ36
A,36BをOFFにしてトースト自動焼上げ制御を終
了する。
【0083】以上の結果、本実施例の構成によると、当
該装置のヒータON前の電源電圧による電源トランス発
熱状態(温度)の如何に拘わらず、適正な電源電圧の判定
が可能となる。その結果、電源電圧に応じた正確な加熱
量補正が実現される。
【0084】(参考例4) 次に図11〜図14は、本願発明の参考例4に係る高周
波加熱装置のヒータ加熱制御(トーストパン自動焼上げ
制御)の内容を示している。
【0085】ところで、上記図8のような構成の電源回
路において、上記電源トランス61は或る程度の製品特
性のバラツキを避けることはできない。又、同電源回路
そのものにも製品によって或る程度は回路電流のバラツ
キがある。
【0086】したがって、これらの理由によって上記の
ような電源トランス61の温度による場合以外にも上記
制御ユニット20の電圧判定に誤差を生じる。
【0087】この参考例4は、このような事情に鑑みて
なされたもので、先ず製品組立完了後の製造ライン上
で、正確にAC100(V)を通電した時の上記読み込み
電圧Vinの値を基準電圧Voとしてメモリして置き、ユ
ーザーへの販売後には該基準電圧Voを基準として新に
読み込まれた電圧Vinを正確に補正して判定するように
することにより、製品のバラツキによる誤判定を生ぜし
めないようにしたものである。
【0088】そのために、この参考例4の装置では、例
えば図11に示すように上記製造ライン上での基準電圧
Voを読み込んでメモリするためのE2PROM66が制
御ユニット20に並設されている。
【0089】次に、該装置の制御ユニット20を使用し
た上記製造ライン上での基準電圧Voの書き込みおよび
当該基準電圧Voを利用したユーザ家庭での加熱量補正
制御の内容について図12および図13のフローチャー
トを参照して詳細に説明する。
【0090】先ず、図12は上記組立完了後の製造ライ
ン上での基準電圧Vo書き込み制御の内容を示してい
る。
【0091】すなわち、該制御では先ず最初にステップ
1として当該装置の上記図11の電源回路に正確なA
C100(V)の電源電圧を印加する。
【0092】そして、ステップS2で現在の制御モード
がテストモードであるか否かを判定し、テストモードで
あるYESの時は、続いてステップS3に進んで上記上
下ヒータ36A,36Bを各々ONにする。そして、ス
テップS4で、該上下ヒータ36A,36BONの状態に
おける上記図11の抵抗R1,R2(R1=3.9KΩ、R2
1KΩ)の分圧電圧Vinの値を基準電圧Voとして読み込
んで、ステップS5で上記E2PROM66に書き込み格
納する。図14のデータは、例えばトランス電圧が+3
%の場合を示している。
【0093】該基準電圧VoのE2PROM66に対する
データ格納が完了すると、ステップS6で上記上下ヒー
タ36A,36BをOFFにして基準電圧Voの書き込み
制御を終了する。
【0094】次に、図12は、上記のようにしてE2
ROM66に書き込まれた基準電圧Voを使用してなさ
れる判定電圧補正および加熱量補正の内容を示してい
る。
【0095】すなわち、該制御では、先ずステップS1
で各種操作キーの操作状態を読み込む。
【0096】次に、ステップS2で、ヒータ加熱を伴う
上述のオート・トースタキー30cのON操作がなされ
ているか否かを判定する。その結果、YESの時は、さ
らにステップS3でスタートキーがONされた否かを判
定する。その結果、YESの時は続くステップS4で上
記上下ヒータ36A,36BをONにする。そして、そ
の上でステップS5で上記抵抗R1,R2による分圧電圧V
inを制御ユニット20に読み込んでメモリする。
【0097】その後、さらにステップS6に進んで、上
記E2PROM66に書き込まれている基準電圧Voを読
み込み、さらにステップS7で上記基準電圧Voと実際の
検出電圧Vinとの差ΔVin=Vo−Vinを演算する。
【0098】次に、その上で順次ステップS8,S11,S
14に進み、上記電圧差ΔVinが、第1の判定基準値α1
よりも低いか、又は第1の判定基準値α1と第2の判定
基準値α2との間にあるか、さらには第2の判定基準値
α2よりも高く、かつ第3の判定基準値α3であるか(図
示省略)、第4の判定基準値α4以上であるかを各々判定
し、その判定結果(YES,NO)に基づいてステップ
9,S12,S15で電圧判定(90V以下、91〜95V、
110V以上)を行なう。そして、それに対応して各々
ステップS10,S13,S16で加熱時間補正係数a,b,c,dを
データテーブルから読出す。
【0099】その後、さらにステップS17に進み、上記
判定電圧に対応して読出された補正係数a,b,c,dを使用
して上記実施例1の場合と同様に定格電圧AC100V
の時の基準加熱時間を補正し、最終的な加熱時間tの設
定と表示を行う。
【0100】そして、該設定時間t内のヒータ加熱を実
行しながら、ステップS18で各周期毎に当該設定時間t
の経過(t=t−1)を判定し、当該設定時間tの経過t=0
が判定されると、ステップS19で上記上下ヒータ36
A,36BをOFFにしてトースト自動焼上げ制御を終
了する。
【0101】以上の結果、この参考例4の構成による
と、当該装置の電源トランス61の性能のバラツキ、電
源回路電流のバラツキなどの如何に拘わらず、常に適正
な電源電圧の判定が可能となる。その結果、電源電圧に
応じた正確な加熱量補正が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願発明の参考例1に係る高周波加熱
装置のドア開時の筺体構造を示す斜視図である。
【図2】図2は、同装置の制御回路構成を示すブロック
図である。
【図3】図3は、同装置の制御ユニットによるヒータ加
熱時の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本願発明の参考例2に係る高周波加熱
装置のヒータ加熱時の制御動作を示すフローチャートで
ある。
【図5】図5は、同装置の第1のデータテーブル例を示
す図である。
【図6】図6は、同装置の第2のデータテーブル例を示
す図である。
【図7】図7は、本願発明の参考例3に係る高周波加熱
装置のヒータ加熱時の制御動作を示すフローチャートで
ある。
【図8】図8は、本願発明の実施例に係る高周波加熱装
置の電源回路図である。
【図9】図9は、同装置のヒータ加熱時の制御動作を示
すフローチャートである。
【図10】図10は、同装置の電源回路における問題点
を示すグラフである。
【図11】図11は、本願発明の参考例4に係る高周波
加熱装置の電源回路図である。
【図12】図12は、同装置の製造ライン上での基準電
圧書き込み制御の内容を示すフローチャートである。
【図13】図13は、同装置のユーザ家庭でのヒータ加
熱制御の内容を示すフローチャートである。
【図14】図14は、同装置の基準電圧のデータテーブ
ル例を示す図である。
【符号の説明】
1aは筺体、2は加熱室、3はターンテーブル、4はタ
ーンテーブルモータ、13はマグネトロン、20は制御
ユニット、26は操作パネル部、36Aは上ヒータ、3
6Bは下ヒータ、52はサーミスタ、61は電源トラン
ス、66はE2PROMである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波により調理物を加熱するマイ
    クロ波加熱手段と、ヒータ熱により調理物を加熱するヒ
    ータ加熱手段とを備えてなる高周波加熱装置において、
    上記ヒータ加熱手段が選択されたことを判定する判定手
    段と、該判定手段によりヒータ加熱手段の選択が判定さ
    れた時にヒータ加熱手段が作動される前と作動された後
    の電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、該電源電圧
    検出手段によって検出されたヒータ加熱手段作動前の電
    源電圧により上記ヒータ加熱手段作動後の電源電圧を補
    正し、該補正された電源電圧に応じて上記ヒータ加熱手
    段の加熱量を制御するヒータ加熱量制御手段とを設けた
    ことを特徴とする高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】 上記ヒータ加熱量が、ヒータ加熱時間に
    よって決定されるようになっていることを特徴とする請
    求項1記載の高周波加熱装置。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58135596A (ja) * 1982-02-04 1983-08-12 株式会社日立ホームテック 加熱調理器
JPS58220382A (ja) * 1982-06-16 1983-12-21 三菱電機株式会社 加熱調理器
JPS6032291A (ja) * 1983-08-01 1985-02-19 シャープ株式会社 加熱調理装置

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