JPH0113359Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、被調理物を加熱調理するヒータ付の
高周波加熱調理装置に係り、特に、ヒータ加熱に
よる発酵調理温度の制御回路を備えた高周波加熱
調理装置に関する。

〔考案の技術的背景〕

既に提案されているこの種のヒータ付の高周波
加熱調理装置における電気回路は、第１図に示さ
れるように、ソケツト１を備えた給電回路２に直
列にヒユーズ３、タイマー４のタイマー用スイツ
チ４ａ、第１ドアスイツチ５、第２ドアスイツチ
６ａ，６ｂ、サーマルスイツチ６ｃ及びレンジ調
理とオーブン調理とを切換える切換用スイツチ７
を設け、上記第１ドアスイツチ５及び第２ドアス
イツチ６ａ，６ｂの近傍の回路に表示ランプ１８
のモニタースイツチ８、上記タイマー用スイツチ
４ａに連動するタイマー４を並列にして設け、さ
らに、上記切換用スイツチ７の切換動作で通電す
るようにして接続されたオーブン加熱用の下ヒー
タ９ａ、上ヒータ９ｂ、サーモスイツチ１０、ダ
イオード１９を設け、しかも上記切換用スイツチ
７の給電回路２にターンテーブル用モータ１７及
び冷却用フアンモータ１１をマグネトロン出力の
切換用スイツチS₁を介して設け、上記下ヒータ９
ａ、上ヒータ９ｂの給電回路２に各切換スイツチ
S₂，S₃，S₄を付設すると共に、上記冷却用フアン
１１に近接した上記給電回路２に高圧トランス１
２を設け、この高圧トランス１２の二次側の回路
に高圧コンデンサ１３、放電抵抗器１４、高圧整
流器１５及びマグネトロン１６を設けたものであ
る。

従つて、上述した高周波加熱調理装置は、例え
ば、発酵調理の１つとして、ロールパンやクロワ
ツサンのような被調理物の生地を低温発酵による
予熱調理をする場合、オーブン内が、例えば、約
90℃程度の予熱温度に達したことを検出して、上
記オーブン内を一定の予熱設定温度に保持するよ
うに、予め、上記サーモスイツチ１０を設定し、
他方、上記タイマー４によつて所要の予熱調理時
間を設定すると共に、第１図に示される切換スイ
ツチS₁，S₂，S₃，S₄を実線で示すように、それぞ
れ切換る。

次に、オーブン内に被調理物の生地を挿入し、
操作パネルの調理スタート釦を押すことにより、
上記サーモスイツチ１０を通して上記両ヒータ９
ａ，９ｂでオーブン内を予熱設定温度に達するま
で加熱する。

しかして、この予熱設定温度に達すると、上記
サーモスイツチ１０が作動して、on，off動作を
反復継続し、これによつてオーブン内の予熱温度
を一定の温度に保持すると共に、上記タイマー４
の調理終了時間に到達すると、上記タイマー４が
作動して、これに連動するタイマー用接点４ａを
offし、これによつて、上記オーブン内の被調理
物としての生地を低温発酵による一定の予熱設定
温度で所要の予熱調理時間に亘つて加熱調理する
ようになつている。

次に、上記切換スイツチ７及びS₁を点線で示す
位置に切換えることにより、上記両ヒータ９ａ，
９ｂへの通電を絶ち、他方、マグネトロン１６へ
の通電出力を変えると共に、ターンテーブル用モ
ータ１７及び冷却用フアンモータ１１へ通電する
ようにし、あらたに、上記タイマー４を所要の調
理時間を設定し、しかる後、上記調理スタート釦
を作動することにより、発酵処理を施した被調理
物を加熱調理して被調理物を焼き上げるようにな
つている。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、上述した高周波加熱調理装置
は、発酵調理時において、ヒータ９ａ，９ｂの出
力を低下させて、庫内温度を高過ぎないように上
記ヒータ９ｂと直列にダイオード（整流器）１９
を介し、半波通電としたり、又は、各ヒータ９
ａ，９ｂを直列に接続して出力の低下を図つてい
る関係上、オーブン加熱時及びグリル加熱時と同
一の両ヒータ９ａ，９ｂを発酵調理等にも使用す
る結果となり、オーブン内が予熱調理時間に到達
した後、予熱調理時間を正確に測定することが困
難であるばかりでなく、生地の低温発酵による進
捗状況が不明であり、予め設定された上記タイマ
ー４の時間を頼ることを余儀なくされ、しかも、
給電回路が複雑化し、コスト高となるおそれがあ
る。

〔考案の目的〕

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもの
であつて、発酵調理時における給電回路の制御回
路を簡素化すると共に、発酵調理時のヒータ出力
をリツプルの少い最適な状態に設定して低温発酵
調理をも施すようにしたことを目的とする高周波
加熱調理装置を提供するものである。

〔考案の概要〕

本考案は、マグネトロン及びヒータを切換スイ
ツチで選択的に切換えて作動する高周波加熱調理
装置において、発酵調理時、上記ヒータへの通電
比率を可変し得る断続通電装置のスイツチを上記
ヒータの回路に対して直列に接続し、上記ヒータ
の回路に接続した設定用つまみを有する庫内温度
設定器に上記断続通電装置の通電比率を可変し得
るように連動するように構成したものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。なお、本考案は、上述した具体例と同一構成
部材には、同じ符号を付して説明する。

第２図乃至第４図において、符号は、高周波
加熱調理装置におけるケース本体であつて、この
ケース本体の正面には、操作パネルａが設置
されており、この操作パネルａには、調理時間
を設定するタイマー４のタイマーダイヤル４ｂ、
切換スイツチ７の操作つまみ７ａ、予熱設定用つ
まみ１８ａ及び調理スタート釦１９が設けられて
いる。又、上記予熱設定用つまみ１８ａには、オ
ーブンの予熱温度を設定するサーモスイツチ１０
を内蔵した庫内温度設定器（サーモ温度設定器）
１８が操作軸１８ｂを介して設けられており、こ
の操作軸１８ｂには伝動歯車２０が軸装されてい
る。さらに、この伝動歯車２０に噛合する小歯車
２１には、スイツチ２２ａを内蔵した断続通電装
置２２がヒータ９ｂへの通電比率を可変し得るよ
うにして、しかも、上記庫内温度設定器１８に対
して連動するようにして設けられている。

一方、上記庫内温度設定器１８には、上記ケー
ス本体のオーブン内に挿入される感熱管（感熱
素子）２３がキヤピラリーチユーブ２４を通して
接続されており、この感熱管２３は、オーブン内
の加熱温度を検出し、この検出温度信号が上記庫
内温度設定器１８をキヤピラリーチユーブ２４を
通して作動し、これによつて、この庫内温度設定
器１８は、上記予熱設定用つまみ１８ａを回わす
ことにより、予め、設定される所要の予熱温度
（例えば、90℃）に達したことを検知すると共に、
予熱温度をヒータ９ｂへの通電比率を可変し得る
上記断続通電装置２２のスイツチ２２ａでon，
offしながら、上記操作パネルａに付設された
表示ランプ２５を点灯して表示するようになつて
いる（第３図及び第４図参照）。

他方、上記ケース本体及び操作パネルａ内
には、第２図に示される電気回路が設けられてい
る。

即ち、上記電気回路の電源に接続されるソケツ
ト１を備えた給電回路２には、直列にしてヒユー
ズ３、タイマー用スイツチ４ａ、第１ドアスイツ
チ５、第２ドアスイツチ６ａ，６ｂ、及びレンジ
調理及びオーブン調理とを操作つまみ７ａによつ
て切換える切換用スイツチ７が設けられており、
上記第１ドアスイツチ５及び第２ドアスイツチ６
ａ，６ｂの近傍の回路には、モニタースイツチ８
と上記タイマー用スイツチ４ａに連動するタイマ
ー４を並列にして設けられている。さらに、上記
切換用スイツチ７給電回路２には、オーブン加熱
用のヒータ９ａ，９ｂ、各選択用スイツチS₅，S₆
及びスイツチ２２ａを備えた断続通電装置２２が
設けられており、この断続通電装置２２には上記
庫内温度設定器１８に内蔵されるサーモスイツチ
１０が設けられている。又、上記切換用スイツチ
７の給電回路２には、ターンテーブル用モータ１
７及び冷却用フアン１１がマグネトロン出力の切
換用スイツチS₁を介して設けられており、この冷
却用フアン１１に近接した給電回路２には、高圧
トランス１２が設けられている。さらに、この高
圧トランス１２の二次側の回路には、高圧コンデ
ンサ１３、放電抵抗器１４、高圧整流器１５及び
マグネトロン１６が接続して設けられている。

従つて、今、例えば、ロールパンのような被調
理物の生地を低温発酵による予熱調理をする場
合、オーブン内を約90℃程度の予熱温度で加熱し
得るように、予熱設定用つまみ１８ａを回動して
予熱設定温度（約90℃程度）に設定すると共に、
これによつてオーブン内を予熱温度に制御するよ
うにし、他方、第４図に示されるように、上記予
熱設定用つまみ１８ａの操作軸１８ｂと一体をな
す伝動歯車２０を回転し、この伝動歯車２０に噛
合する小歯車２１を回転し、これによつて断続通
電装置２２の通電比率を調整して、この断続通電
装置２２のスイツチ２２ａをon，offし得るよう
にする。

次に、オーブン内に被調理物の生地を挿入し、
操作パネルの調理スタート釦１９を押すことに
より、上記ヒータ９ａ，９ｂがオーブン内を予熱
設定温度に達するまで加熱する。

しかして、この予熱設定温度に達すると、上記
オーブン内の感熱管２３がこれを検出して上記キ
ヤピラリーチユーブ２４を通して上記庫内温度設
定器１８のサーモスイツチ１０を作動すると共
に、上記断続通電装置２２がヒータ９ｂへの通電
比率を可変して上記スイツチ２２ａを作動し、オ
ーブンの昇降温度動作に応じて小さいリツプルで
on，off動作を反復継続し、オーブン内の予熱温
度を一定の状態に保持すると共に、表示ランプ２
５を点灯するようになつている。

このようにして、上記表示ランプ２５の点灯動
作で上記生地を低温発酵による所要の予熱調理時
間だけ加熱調理すると共に、上記断続通電装置２
２が通電比率に応じて予熱温度を制御するように
なつている。

次に、上記切換用スイツチ７を、第２図の点線
で示されるように、切換えることにより、上記両
ヒータ９ａ，９ｂへの通電を絶ち、あらたに、上
記タイマー４を所要の調理時間に設定し、しかる
後、上記調理スタート釦１９を作動することによ
り、マグネトロン１６、冷却用フアン１１及びタ
ーンテーブル用モータ１７を駆動して被調理物を
加熱調理するようになつている。

このようにして、予熱調理時、予熱設定用つま
み１８ａが、庫内温度設定器１８に予熱時間を設
定すると共に、これに連動する断熱通電装置２２
をヒータ９ｂへの通電比率を可変し得るようにし
て最適な条件で上記ヒータ９ａ，９ｂの出力を制
御し得るようになつている。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、マグネトロ
ン１６及びヒータ９ａ，９ｂを切換スイツチ７で
選択的に切換えて作動する高周波加熱調理装置に
おいて、上記ヒータ９ａ，９ｂへの通電比率を可
変し得る断続通電装置２２のスイツチ２２ａを上
記ヒータ９ｂの回路に対して直列に接続し、上記
ヒータ９ａ，９ｂに接続した設定用つまみ１８ａ
を有する庫内温度設定器１８に上記断続通電装置
２２の通電比率を可変し得るように連動し得るよ
うに設けてあるので、オーブン内の昇降温度の動
作が小さいリツプルで作動するようになり、設定
温度を一定に保持することができると共に、併せ
て、制御回路も簡単化されるようになるから、組
立も容易となり、安価に提供することができる。
又、本考案は、設定時の取扱い操作も簡単であ
り、機能的に操作することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、既に提案されている高周波加熱調理
装置の電気回路図、第２図は、本考案による高周
波加熱調理装置の電気回路図、第３図は、本考案
の高周波加熱調理装置の正面図、第４図は、本考
案による高周波加熱調理装置の要部を取出して示
す斜面図である。 ４……タイマー、７……切換スイツチ、９ａ，
９ｂ……ヒータ、１０……サーモスイツチ、１６
……マグネトロン、１８……庫内温度設定器、２
０……伝動歯車、２１……小歯車、２２……断続
通電装置、２２ａ……スイツチ、２３……感熱
管、２４……キヤピラリーチユーブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ マグネトロン及びヒータを切換スイツチで選
   択的に切換えて作動する高周波加熱調理装置に
   おいて、上記ヒータへの通電比率を可変し得る
   断続通電装置のスイツチを上記ヒータの回路に
   対して直列に接続し、上記ヒータの回路に接続
   した設定用つまみを有する庫内温度設定器に上
   記断続通電装置の通電比率を可変するように連
   動するようにしたことを特徴とする高周波加熱
   調理装置。 ２ 庫内温度設定器に断続通電装置を各歯車で連
   動するようにしたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の高周波加熱調理装
   置。