JPS6220152Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気オーブン、オーブンレンジ等の加
熱装置に係る。

一般に、ヒータを使用した調理はオーブン庫内
を一定温度に保ち雰囲気温度によつて調理するオ
ーブン調理機能と、ヒータの表面温度を高くして
赤外線輻射熱で素速く焦目を付けるグリル調理機
能とに区別されるが、それらの調理機能に応じて
ヒータの位置が切換わるように可動自在に配設し
てやると、例えばグリル調理にあつては食品にヒ
ータを近づけてより高温度の輻射熱を照射するこ
とにより更に素速く焦げ目を付けることができる
し、オーブン調理にあつてはヒータを遠ざけて不
要に焦げ目を付けずに所期の雰囲気温度をもつて
調理することができる。また、一般にヒータはグ
リル調理にあつては高出力に、オーブン調理にあ
つては中あるいは低出力に設定している。

本考案は調理機能に応じてヒータの位置を変え
合わせてヒータ出力も切換えるようにした加熱装
置を提供する。以下図面と共に詳細に説明する。

第１図に電気オーブンあるいはオーブンレンジ
等の加熱装置の概略構成図を示す。これによれば
１は天井側に上ヒータ２、底側に下ヒータ３を配
設するオーブンであり、そのオーブン１庫内には
食品５を載せて回転するターンテーブル４が配設
され、ドア６を閉成後調理スイツチ（図示せず）
を閉成操作するとタイマーの設定時間分上、下ヒ
ータ２，３を駆動して加熱調理するものである。
ここで上ヒータ２は軸７をもつてオーブン１庫内
の上下方向に回動自在に設けられている。第２図
はその軸７部分の要部拡大斜視図である。これに
よれば、上ヒータ２は両端部をオーブン１の両側
壁１ａ，１ａを貫通して軸７，７をもつて回動自
在に支持されている。８は切換レバーであり、上
ヒータ２の一端２ａに固定され、操作パネル側に
摘子９を、他方にバネ１０を設けている。この摘
子９を上方向に移動操作すると上ヒータ２は軸７
をもつて下方向に回動するに対し、逆操作してや
ると上方に復帰回動する。尚、この上ヒータ２は
オーブン１庫内において上、中、下の３段切換を
もつて位置が設定されるようにするが、そのため
の機構は同一出願人に係る特許出願（特願昭52−
112012号）を参照されたい。

さて、第１図に示した加熱装置に組まれる電気
回路を第３図に示す。これによれば、１１は
AC100Vの商用電源、１２は調理スイツチ、１３
は調理時間を設定するタイマーであり、巻上げに
よつてタイマースイツチ１３ａを閉成附勢する。
１４Ａ，１４Ｂは調理機能（オーブン、グリル調
理）を切換えるスイツチであり、ａ接点側に附勢
すると106℃の動作温度を有するオーブンサーモ
スタツト１５を介して上ヒータ２、下ヒータ３へ
の通電路を形成するに対し、ｂ接点側に附勢する
と上ヒータ２のみに通電路を形成する。従つてａ
接点はオーブン調理機能を、ｂ接点はグリル調理
機能に対応している。１６は35℃の動作温度を有
する発酵サーモスタツトであり、並列に発酵スイ
ツチ１７を接続している。１８はダイオードであ
り、切換スイツチ１４がａ接点側にある時上ヒー
タ２はこのダイオード１８によつて半波整流され
て通電されることになる。尚、ｂ接点側を常閉接
点とする切換スイツチ１４Ａ，１４Ｂは第２図に
示すように、切換レバー８のＬ字片８ａによつて
切換附勢されるもので、上ヒータ２が上段にある
時にはそれぞれａ接点側に、中段、下段にある時
にはｂ接点側に附勢される。また、１９はターン
テーブル４を回転駆動するモータである。

以上のように構成の加熱装置によれば、例えば
グラタンなり焼き魚等のグリル調理に際しては摘
子９を上方向に操作して上ヒータ２を中段あるい
は下段にセツトする。これにより切換スイツチ１
４Ａ，１４Ｂはグリル調理を実行するｂ接点側に
自動的に附勢され、上ヒータ２のみしかも連続的
に通電し、直火加熱を実行する。この上ヒータ２
は1KWの高出力タイプのものを採用するのでグ
リル調理に際しては中段、下段にあつて高温度の
輻射熱が更に食品５に集中する充分な焦げ目をも
つて素速く加熱調理する。また、ローストビーフ
のようなオーブン調理に際しては摘子９を下方向
に操作して上ヒータ２を上段にセツトする。これ
により切換スイツチ１４Ａ，１４Ｂは切換レバー
８のＬ字片８ａによつてアクチエータが押圧さ
れ、オーブン調理を実行するａ接点側に自動的に
附勢される。従つて、上ヒータ２、下ヒータ３は
オーブンサーモスタツト１５により断続通電制御
され、オーブン１庫内温度を設定された温度に保
持し所期の雰囲気温度をもつて加熱調理する。尚
下ヒータ３は300W出力タイプのものを用いるの
で、上ヒータ２がダイオード１８による半波整流
通電制御されることから最大800W出力による加
熱を実行する。更に、バターロール、クロワツサ
ン等のオーブン調理に際しては上ヒータ２を上段
にセツトすると共にアースト発酵スイツチ１７を
閉成操作する。これによれば、上ヒータ２、下ヒ
ータ３は発酵サーモスタツト１６の断続通電制御
によつてオーブン１庫内温度を35℃付近に保持す
るよう加熱する。この場合、オーブンサーモスタ
ツト１５は動作温度が発酵サーモスタツト１６よ
り高く設定してあるので断続動作はない。尚、タ
ーンテーブル４は加熱調理中モータ１９により回
転駆動されてより均一な加熱に務める。

以上のようにしてなる本考案によれば、オーブ
ン調理状態もしくはグリル調理状態にヒータ位置
を設定するだけで自動的にヒータ出力が設定され
るので、別操作によつてヒータ出力を切換える手
間が省けるという使用性に優れた加熱装置を提供
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である加熱装置の概
略構成図、第２図はその軸７部分の要部拡大斜視
図、第３図は上記加熱装置に組む電気回路図であ
る。 １：オーブン、２：上ヒータ、３：下ヒータ、
８：切換レバー、１４Ａ，１４Ｂ：切換スイツ
チ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 オーブン庫内上部に食品との距離を変化させる
   べく移動自在に配設した可動ヒータと、オーブン
   庫内下部に配設した固定ヒータと、上記可動ヒー
   タをオーブン調理状態の所定位置もしくはグリル
   調理状態の食品近接位置にセツトするレバーと、
   該レバー操作によつて上記可動ヒータに全波通電
   するかダイオードを直列接続して半波通電するか
   を選択する切換スイツチとを備え、 上記可動ヒータをオーブン調理状態の所定位置
   にセツトしたときには、上記可動ヒータに半波通
   電するとともに上記固定ヒータに全波通電し、グ
   リル調理状態にセツトしたときには上記固定ヒー
   タに全波通電するようにした加熱装置。