JP4417001B2 - サンバイザ取付け構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サンバイザ本体が、サポートに固定され車体に取付けられたシャフトに回転自在に支持されて、格納位置から適宜の使用位置に移動・保持されるように構成するサンバイザ取付け構造に関する。
【0002】
【特許文献1】
特開平9−254649号公報(第2頁、図9)
【0003】
【従来の技術】
従来この種のサンバイザ取付け構造としては、図10乃至図14に示すようなものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
図10乃至図14によれば、サンバイザ本体1がサポート2に固定され車体20に取付けられたシャフト3に回転可能に支持され、格納位置から適宜の位置に移動・保持されるように構成している。
【0005】
サポート2には、シャフト3が挿通する挿通孔4、4を有する一対の軸受け体5,5を備え、挿通孔4,4の互いに対向する軸受け体5,5の内側において、環状の突起部6.6がそれぞれ形成され、突起部6,6にはそれぞれキー溝7,7が刻設されている。
【0006】
また、サポート2の両軸受け体5,5の間には、スプリング装着部8が形成され、二股状のスプリング9が後述するように取付けられている。
【0007】
シャフト3は、両軸受け体5,5に挿通された状態で、車体にブラケット10を介して取付けられて、サンバイザ本体1を回転可能に支持している。
【0008】
このために、シャフト3の先端部には、キー11が取付けられている。したがって、シャフト3は、キー11が一方の軸受け体5のキー溝7を挿通し、更に他方の軸受け体5のキー溝7を挿通した後、適宜回転させることによってキー11が他方の軸受け体5の突起部6に当接して抜け止めされている。
【0009】
スプリング9の二股状の頭部9aにおいて互いに対向する一面側に、一対の平坦面部12,12を挿通孔4の内壁側に突出するように突設すると共に、他面側に単一の平坦面部13をやはり挿通孔4の内壁側に突出するように突設しており、一対の平坦面部12,12の間に単一の平坦面部13が対向側において位置するようになっている。
【0010】
また、シャフト3には、スプリング9側の一対の平坦面部12,12および単一の平坦面部13に対向して、それぞれ一対の面取り部14,14および単一の面取り部15が互いに直径方向に対向して形成されている。
【0011】
そして、スプリング9の平坦面部12,13がシャフト3の面取り部14,15に面当りした状態では、サンバイザ本体1は車体の天井部20aに面した格納状態に位置決めされて保持されている(図11の実線視状態および図12を参照)。
【0012】
また、サポート2と共にスプリング9がシャフト3に対して回転させた場合には、面取り部14,15の角部が適宜平坦面部12,13をスプリング9の付勢力に抗して適宜押し拡げてトルクを発生させ、サンバイザ本体1を適宜の回転角度で保持することによって使用状態に保持して、ウインドガラス21の遮光を行うことになる(図11の二点鎖線視および図13を参照)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように構成するサンバイザ取付け構造においては、サンバイザ本体1の使用状態では、スプリング9の平坦面部12,13は、シャフト3側の面取り部14,15を乗り越えて、円弧部16に乗り上げた状態となっており、この状態では、スプリング9は二股状の頭部9aを押し拡げた状態となって、高トルクを保持している。
【0014】
このために、サンバイザ本体1の使用状態から、格納位置に復帰させようとする場合、スプリング9の一対の平坦面部12,12の角部と共に,単一の平坦面部13の角部も同時に、シャフト3の円弧部16を乗り越えて、それぞれ一対の面取り部14,14および単一の面取り部15側に移動することになるが、この移動に際して、スプリングの高トルク(クリックアクショントルク)によって、スプリング9自体がシャフト3に衝突することになって、この時天井部20aとの衝突打音が発生して、乗員に不快感を与えていた。
【0015】
また、サンバイザ本体1の使用状態において、シャフト3側の面取り部15内にスプリング9の平坦面部12,12の角部9b′、9b′が入り込むようにスプリング9が変形することで(図13の二点鎖線視)、トルクダウンが発生してしまい、サンバイザ本体1が使用状態から垂れ下がる不具合も発生していた。
【0016】
また、シャフト3とスプリング9の平坦面部12,12が面接触から点接触になることでも、トルクダウンが発生することになる。
【0017】
更に、シャフト3に一対の面取り部14,14と単一の面取り部15を形成するために、シャフト3の成形型の加工費が嵩む。
【0018】
そこで、本発明は、かかる点に鑑み、従来のスプリングによるシャフトへの衝突で発生する衝突打音を軽減して、乗員に不快感を与えないようにすると共に、サンバイザ本体のトルクダウンによる垂れ下がりを防止し、且つシャフトの成形型の加工費を低減したサンバイザ取付け構造を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、サンバイザ本体が、サポートに固定され車体に取付けられたシャフトに回転自在に支持されて、格納位置から適宜の使用位置に移動・保持されるように構成するサンバイザ取付け構造であって、サポート、シャフトが挿通する一対の軸受け体と該両軸受け体の間に存して一体に形成されたスプリング装着部を有しており、スプリング装着部にはシャフトを跨いで装着された二股状のスプリングが取付けられていて、該スプリング(9)の二股状の頭部(9a)において互いに対向する一面側に一対の平坦面部(12、12)を突設し、他面側に単一の平坦面部(13)を突設しており、前記一対の平坦面部(12、12)の間における対向側において前記単一の平坦面部(13)が位置していると共に、スプリングにおける二股状の頭部の一面側に形成した一対の平坦面部にそれぞれ対向して面当り係合する一対の面取り部をシャフトに形成し、サンバイザ本体が格納位置から適宜の使用位置に移動・保持可能に構成し、更に、スプリングにおける二股状の頭部(9a)の他面側に形成した単一の平坦面部は、シャフトの円弧部に直接当接するように構成し、且つ、前記単一の平坦面部(13)における前記シャフト(3)の軸線方向両端部と前記シャフト(3)との間に隙間が形成され、サンバイザ本体の格納時においては、スプリングの一対の平坦面部がシャフトの面取り部に面当りすると共にスプリングの単一の平坦面部がシャフトの円弧部に当接しており、かつ、サンバイザ本体の使用状態では、スプリングの一対の平坦面部及び単一の平坦面部がシャフトの円弧部に当接するようにしたことを特徴とするものである。
【0020】
上記の構成によれば、本発明におけるサンバイザ取付け構造は、スプリングの頭部の他面側に形成した単一の平坦面部が、シャフトの円弧部に直接当接するように構成し、従来の単一の面取り部15を廃止したので、サンバイザ本体を使用位置から格納位置に移動する際に、スプリング側の一対の平坦面部がシャフトの円弧部を乗り越えて一対の面取り部側に衝接するのみとなって、スプリングのトルクを低下させことができ、スプリング側の一対の平坦面部がシャフト側の一対の面取り部側に衝接する際のクリックアクションにおけるサンバイザ本体と天井部との打音を抑えることができることから、乗員に不快感を与えることを軽減できることになる。
【0021】
また、シャフト側における従来の単一の面取り部15を廃止しても、スプリング側には、従来と同様単一の平坦面部をスプリング側に突設していることから、シャフトに対してスプリングを回転させた場合に、スプリングの鋭利な両端角部がシャフトに当接しないことになって、シャフトのかじりを防止している。
【0022】
また、シャフトの単一の面取り部を廃止したため、サンバイザ本体の使用状態において、スプリングの一対の平坦面部の角部が、シャフトの単一の面取り部に入り込むように、スプリングが変形することがなく、サンバイザ本体が使用状態から垂れ下がることがない。
【0023】
更に、シャフトの単一の面取り部を廃止したために、シャフトの成形型の加工費を低減することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における第1の実施の形態について、図1乃至図7を用いて説明する。
【0025】
図1は本発明に係る第1の実施の形態のサンバイザ取付け構造を採用した自動車用サンバイザを一部破断して描画した斜視図、図2は同じくサンバイザ取付け構造を構成するサポート、スプリングおよびシャフトをそれぞれ分解して描画した斜視図、図3は同じくサンバイザ本体を車体天井部に沿わせて格納した状態を描画した側面図、図4は同じくウインドガラスを遮蔽すべくサンバイザ本体の使用状態における側面図、図5は図3のA−A断面図、図6は図4のB−B断面図、図7は図5のC−C断面図である。なお、従来技術との対応関係を明確にするために、対応構成には同一符号を付して説明する。
【0026】
図1乃至図7によれば、サンバイザ本体1がサポート2に固定され車体20に取付けられたシャフト3に回転可能に支持され、格納位置から適宜の使用位置に移動・保持されるように構成している。
【0027】
サポート2には、シャフト3が挿通する挿通孔4、4を有する一対の軸受け体5,5を備え、挿通孔4,4の互いに対向する軸受け体5,5の内側において、環状の突起部6.6がそれぞれ形成され、突起部6,6にはそれぞれキー溝7,7が刻設されている。
【0028】
また、サポート2の両軸受け体5,5の間には、スプリング装着部8が形成され、二股状のスプリング9が後述するように取付けられている。
【0029】
シャフト3は、両軸受け体5,5に挿通された状態で、車体20にブラケット10を介して取り付けられて、サンバイザ本体1を回転可能に支持している。
【0030】
このために、シャフト3の先端部には、キー11が取付けられている。したがって、シャフト3は、キー11が一方の軸受け体5のキー溝7を挿通し、更に他方の軸受け体5のキー溝7を挿通した後、適宜回転させることによってキー11が他方の軸受け体5の突起部6に当接して抜け止めされている。
【0031】
スプリング9の二股状の頭部9aにおいて互いに対向する一面側に、一対の平坦面部12,12を挿通孔4の内壁側に突出するように突設すると共に、他面側に単一の平坦面部13をやはり挿通孔4の内壁側に突出するように突設しており、一対の平坦面部12,12の間に単一の平坦面部13が対向側において位置するようになっており、かかる結果、図5に示すように、シャフト3の軸線方向における単一の平坦面部13の両端部とシャフト3との間に隙間が形成されている。
【0032】
以上の構成は、従来技術と同様の構成を有しているが、本実施の形態においては、シャフト3には、スプリング9側の一対の平坦面部12,12に対向して、一対の面取り部14,14が形成されているのみで、従来の単一の面取り部15を廃止して構成している点、相違する。
【0033】
上記のように構成する場合、スプリング9の平坦面部12,12がシャフト3の面取り部14,14に面当りした状態では、サンバイザ本体1は車体の天井部に面した格納状態に位置決めされて保持されており、単一の平坦面部13はシャフトの円弧部16に当接していることになる(図3および図5の状態)。
【0034】
そして、サポート2と共にスプリング9がシャフト3に対して回転させた場合には、面取り部14,14の角部が適宜平坦面部12,12をスプリング9の付勢力に抗して適宜押し拡げて、サンバイザ本体1を適宜の回転角度で保持することによって使用状態に保持して、ウインドガラス21の遮光を行うことになる(図4および図6の状態)。
【0035】
したがって、本実施の形態によれば、スプリング9の頭部の他面側に形成した単一の平坦面部13が、シャフト3の円弧部16に直接当接するように構成し、従来の単一の面取り部15を廃止したので、サンバイザ本体1を使用位置から格納位置に移動する際に、スプリング9側の一対の平坦面部12,12がシャフト3の円弧部16を乗り越えて一対の面取り部14,14側に衝接するのみとなって、スプリング9のトルクを低下させることができ、スプリング9側の一対の平坦面部12,12がシャフト3側の一対の面取り部14,14側に衝接する際のクリックアクションによるサンバイザ本体1と天井部20aとの打音を抑えることができることから、乗員に不快感を与えることを軽減できることになる。
【0036】
また、シャフト3側における従来の単一の面取り部15を廃止しても、スプリング9側には、従来と同様単一の平坦面部13を突設したことから、シャフト3に対してスプリング9を回転させた場合に、スプリング9の鋭利な両端角部9b、9bがシャフト3に当接しないことになって、シャフト3のかじりを防止することができる(図6の二点鎖線状態を参照)。
【0037】
また、シャフト3の単一の面取り部15を廃止したので、サンバイザ本体1の使用状態において、スプリング9の一対の平坦面部12,12の角部9b′、9b′がシャフトの単一の面取り部15に入り込むようにスプリング9が変形することがなく、サンバイザ本体1が使用状態から垂れ下がることがない。
【0038】
また、シャフト3の単一の面取り部15を廃止したので、シャフト3の成形型の加工費用を低減することができる。
【0039】
次に、本発明に係る第2の実施の形態について、図8および図9を用いて説明する。
【0040】
これによれば、前記第1の実施の形態とは相違して、スプリング9の頭部9aの一面側に形成した一対の平坦面部12,12および単一の平坦面部13を頭部9aに対して互いに180°変位させており、これに対応してが、一対の面取り部と単一の面取り部15をシャフト3に対して互いに180°変位させたもので、同一の作用効果を奏するものである。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の本発明によれば、スプリングの頭部の他面側に形成した単一の平坦面部が、シャフトの円弧部に直接当接するように構成し、従来の単一の面取り部15を廃止したので、サンバイザ本体を使用位置から格納位置に移動する際に、スプリング側の一対の平坦面部がシャフトの円弧部を乗り越えて一対の面取り部側に衝接するのみとなって、スプリングのトルクを低下させることができ、スプリング側の一対の平坦面部がシャフト側の一対の面取り部側に衝接する際のクリックアクションによるサンバイザ本体と天井部との打音を抑えることができることから、乗員に不快感を与えることを軽減できることになる。
【0042】
また、シャフトの単一の面取り部を廃止したため、サンバイザ本体の使用状態において、スプリングの一対の平坦面部の角部が、シャフトの単一の面取り部に入り込むように、スプリングが変形することがなく、サンバイザ本体が使用状態から垂れ下がることをなくすことができる。
【0043】
更に、シャフトの単一の面取り部を廃止したために、シャフトの成形型の加工費を低減できる。
【0044】
また、本発明は、シャフト側における従来の単一の面取り部15を廃止しても、スプリング側には、従来と同様単一の平坦面部をスプリング側に突設していることから、シャフトに対してスプリングを回転させた場合に、スプリングの鋭利な両端角部がシャフトに当接しないことになって、シャフトのかじりを防止している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のサンバイザ取付け構造を採用した自動車用サンバイザを一部破断して描画した斜視図である。
【図2】同じくサンバイザ取付け構造を構成するサポート、スプリングおよびシャフトをそれぞれ分解して描画した斜視図である。
【図3】同じくサンバイザ本体を車体天井部に沿わせて格納した状態を描画した側面図である。
【図4】同じくウインドガラスを遮蔽すべくサンバイザ本体の使用状態における側面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】図5のC−C断面図である。
【図8】本発明における第2の実施の形態を描画した図5に対応する断面図である。
【図9】同じく、図6に対応する断面図である。
【図10】従来におけるサンバイザ取付け構造を構成するサポート、スプリングおよびシャフトをそれぞれ分解して描画した斜視図である。
【図11】同じく、サンバイザ本体を車体天井部に沿わせて格納した状態を描画した側面図である。
【図12】図11のD−D断面図である。
【図13】サンバイザ本体の使用時における図11のD−D断面図である。
【図14】図12のE−E断面図である。
【符号の説明】
1 サンバイザ本体
2 サポート
3 シャフト
4 挿通孔
8 スプリング装着部
9 スプリング
9a 頭部
9b 角部
12 一対の平坦面部
13 単一の平坦面部
14 一対の面取り部
16 円弧部
20 車体

Claims (1)

  1. サンバイザ本体(1)が、サポート(2)に固定され車体(20)に取付けられたシャフト(3)に回転自在に支持されて、格納位置から適宜の使用位置に移動・保持されるように構成するサンバイザ取付け構造であって、
    前記サポート(2)は、前記シャフト(3)が挿通する一対の軸受け体(5、5)と該両軸受け体(5、5)の間に存して一体に形成されたスプリング装着部(8)を有しており、
    前記スプリング装着部(8)には前記シャフト(3)を跨いで装着された二股状のスプリング(9)が取付けられていて、
    該スプリング(9)の二股状の頭部(9a)において互いに対向する一面側に一対の平坦面部(12、12)を突設し、他面側に単一の平坦面部(13)を突設しており、前記一対の平坦面部(12、12)の間における対向側において前記単一の平坦面部(13)が位置していると共に、
    前記スプリング(9)における二股状の頭部(9a)の一面側に形成した前記一対の平坦面部(12、12)にそれぞれ対向して面当り係合する一対の面取り部(14、14)を前記シャフト(3)に形成し、前記サンバイザ本体(1)が格納位置から適宜の使用位置に移動・保持可能に構成し、
    更に、前記スプリング(9)における二股状の頭部(9a)の他面側に形成した前記単一の平坦面部(13)は、前記シャフト(3)の円弧部に直接当接するように構成し、且つ、前記単一の平坦面部(13)における前記シャフト(3)の軸線方向両端部と前記シャフト(3)との間に隙間が形成され、
    前記サンバイザ本体(1)の格納時においては、前記スプリング(9)の前記一対の平坦面部(12、12)が前記シャフト(3)の前記面取り部(14、14)に面当りすると共に前記スプリング(9)の前記単一の平坦面部(13)が前記シャフト(3)の円弧部(16)に当接しており、
    かつ、前記サンバイザ本体(1)の使用状態では、前記スプリング(9)の前記一対の平坦面部(12、12)及び前記単一の平坦面部(13)が前記シャフト(3)の円弧部(16)に当接するようにしたことを特徴とするサンバイザ取付け構造。
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