JP2019189095A - 回転機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転部材へのベース部材の取り付けを確実に行うことの出来る回転機構を提供する。【解決手段】回転機構100は、ベース部材120と、回転部材110と、一対のピン130と、抜け止め部材140とを有する。回転部材110の側壁112bには軸受穴113が形成され、ベース部材120は、一対の軸支持壁123を有し、ベース部材収容凹部112aに収容される。ピン130は、軸受穴113と軸支持壁123の貫通孔123aとに挿入され、ピン130の後端部にはピン130の軸線方向に対して傾斜する傾斜端面132aが形成される。抜け止め部材140は、筒状部141と、操作部143と、ピン130の傾斜端面132aに当接されるピン押出用突部144とを有する。各ピン130の傾斜端面132aは抜け止め部材140の軸回り方向の運動をピン130の筒状部141からの押し出し方向の運動に変換する平坦面または湾曲面に形成されている。【選択図】図5
Description
本発明は、車両の乗員が把持するアシストグリップ等に用いられる回転機構に関する。
従来から、自動車等の車両の車室内には、乗降時や走行時に乗員の身体を支持する目的で乗員が把持するアシストグリップが設けられている。
アシストグリップは車体側に固定したベース部材にグリップ本体を軸支して回転可能に保持される種類のものがある。この種類のアシストグリップは、普段は車室内壁に沿って収容され、必要時に車室内壁に対して引き起こして使用する。
アシストグリップは車体側に固定したベース部材にグリップ本体を軸支して回転可能に保持される種類のものがある。この種類のアシストグリップは、普段は車室内壁に沿って収容され、必要時に車室内壁に対して引き起こして使用する。
アシストグリップには、ベース部材にグリップ本体を軸支するピンをグリップ本体の外側から圧入する構造のものがある(例えば特許文献1)。しかし、この構造のアシストグリップでは、ピンを挿入するためのピン穴やピン穴内のピンがグリップ本体外面に現れ、美観を損ねて商品価値が低下するという問題があった。この外観状の問題を解消するためには、ピンに塗装を施す、ピンを樹脂化してグリップ本体と同色にする、キャップを追加する等の対策が考えられるが、製造コストを増大させるという問題がある。
上記の問題を解決するため、例えば特許文献2のように、グリップ本体の表面にはピンもピン穴も現れない構造のアシストグリップが提案されている(特許文献2参照)。特許文献2の図1〜4を参照して判るように、特許文献2のアシストグリップは、車体側に取り付けられるヒンジ部材(ベース部材)と、ヒンジ部材に軸支されるグリップ本体と、ヒンジ部材に形成されたボビン用凹部に固定されるボビン枠体と、グリップ本体の根元部をヒンジ部材に軸支するピンとを有する。グリップ本体の根元部分のヒンジ用凹部を介して両側の側壁部にはヒンジ用凹部側から窪む非貫通の軸受穴が形成されている。ヒンジ部材のボビン用凹部を介して両側の周壁の一方(左側周壁)にはグリップ本体のヒンジ用凹部を介して両側の軸受穴の一方に挿入される軸突起が突設されている。ヒンジ部材の他方の周壁(右側周壁)にはピンが挿入される貫通孔が形成されている。
グリップ本体をヒンジ部材に取り付けるには、まず、ヒンジ部材の軸突起をグリップ本体の一方の軸受穴に挿入してヒンジ部材をグリップ本体のヒンジ用凹部に収容する。次にヒンジ部材の右側周壁の貫通孔にヒンジ部材のボビン用凹部から挿入したピンをグリップ本体の他方の軸受穴まで挿入し、ピンがヒンジ部材の右側周壁の貫通孔とグリップ本体の他方の軸受穴とに挿入された状態とする。次に、ボビン用凹部にボビン枠体を含むボビンを収容し、ボビン枠体によってヒンジ部材の右側周壁の貫通孔のボビン用凹部側の開口部を塞いでピンの抜け出しを規制する。その結果、グリップ本体の他方の軸受穴及びボビン用部材の右側周壁の貫通孔にピンが収容された状態が維持される。グリップ本体は、ヒンジ部材の軸突起およびピンによってヒンジ部材に対して回転可能に軸支される(取り付けられる)。
特許文献2に開示されたアシストグリップは、ヒンジ部材をグリップ本体に取り付ける際に、ヒンジ部材の軸突起をグリップ本体の一方に挿入した状態で、ヒンジ部材を撓ませながらグリップ本体のヒンジ用凹部に嵌め込む必要がある。特許文献2に開示されたアシストグリップのヒンジ部材は弾性変形によってグリップ本体のヒンジ用凹部に嵌め込まれるものと考えられる。
このような構造のアシストグリップでは、グリップ本体に対するヒンジ部材の押し込み不足や、嵌合後に弾性復帰しようとするヒンジ部材の変形等によって、ヒンジ部材がグリップ本体のヒンジ用凹部の所定位置に配置されないことが生じ得る。このため、グリップ本体のヒンジ用凹部に嵌合したヒンジ部材にヒンジ用凹部に対する位置ずれが発見された場合は嵌合のやり直しが必要となる可能性がある。また、ヒンジ部材にグリップ本体のヒンジ用凹部の所定位置に対して位置ずれが生じていると、ヒンジ部材の右側周壁の貫通孔とグリップ本体の他方の軸受穴との間の位置ずれによって、グリップ本体の他方の軸受穴にピンを挿入できないケースが発生する。
このような構造のアシストグリップでは、グリップ本体に対するヒンジ部材の押し込み不足や、嵌合後に弾性復帰しようとするヒンジ部材の変形等によって、ヒンジ部材がグリップ本体のヒンジ用凹部の所定位置に配置されないことが生じ得る。このため、グリップ本体のヒンジ用凹部に嵌合したヒンジ部材にヒンジ用凹部に対する位置ずれが発見された場合は嵌合のやり直しが必要となる可能性がある。また、ヒンジ部材にグリップ本体のヒンジ用凹部の所定位置に対して位置ずれが生じていると、ヒンジ部材の右側周壁の貫通孔とグリップ本体の他方の軸受穴との間の位置ずれによって、グリップ本体の他方の軸受穴にピンを挿入できないケースが発生する。
本発明は、上記従来の回転機構が有する課題に鑑みて回転部材へのベース部材の取り付けを簡単かつ確実に行うことの出来る回転機構を提供することを目的とする。
本発明の一態様の回転機構は、ベース部材と、前記ベース部材に軸支された回転部材と、前記回転部材に形成されたベース部材収容凹部に収容された前記ベース部材に前記回転部材を軸支する一対のピンと、互いに同軸上に設けられた前記一対のピンの互いに対向する側の端部である後端部を収容する筒状部を含む抜け止め部材とを有し、前記回転部材の前記ベース部材収容凹部を介して両側の側壁には前記ピンの先端が挿入される非貫通の軸受穴が前記ベース部材収容凹部側から窪んで形成され、前記ベース部材は、前記ピンが挿入される貫通孔が形成された一対の軸支持壁を有し、前記一対の軸支持壁が前記回転部材の両側の前記側壁の間隔方向に互いに離間させて配置される向きで前記ベース部材収容凹部に収容され、前記一対のピンは、それぞれ前記回転部材の前記軸受穴と前記ベース部材の前記軸支持壁の前記貫通孔とに挿入され、前記一対のピンのそれぞれの前記後端部には各前記ピンの軸線方向に対して傾斜する傾斜端面が形成され、前記抜け止め部材は、前記筒状部と、前記筒状部の側周に形成された操作部と、前記筒状部の内部に形成され前記ピンの前記傾斜端面に当接されるピン押出用突部とを有し、各前記ピンの前記傾斜端面は前記抜け止め部材の軸回り方向の運動を前記ピンの前記筒状部からの押し出し方向の運動に変換する平坦面または湾曲面に形成されている。
前記回転機構は、各前記ピンの側周及び前記ベース部材の前記貫通孔内周面の一方に、前記ベース部材の前記貫通孔の軸線に沿って延在するキー溝が形成され、各前記ピンの側周及び前記ベース部材の前記貫通孔内周面の他方に前記キー溝に挿入されて前記ピンを前記ベース部材に対して回り止めする凸部が形成されていても良い。
前記ピンは、前記傾斜端面のみ、あるいは前記傾斜端面と、前記傾斜端面における前記ピンの後端側とは逆の前端から前記ピンの軸線方向に垂直に延在する垂直受け面とによって構成された突部受け面を有し、前記突部受け面は、前記傾斜端面の前端部あるいは前記垂直受け面である受け面前端部を有し、前記抜け止め部材の筒状部のその軸線方向両側にそれぞれ挿入され、前記受け面前端部に前記抜け止め部材の前記ピン押出用突部が当接するセット時位置にある一対の前記ピンの先端間の離間距離は、一対の前記軸支持壁の前記内側主面間の距離よりも長くかつ前記外側主面間の距離と同じかあるいは短く、前記ピンの先端は、前記セット時位置の前記ピンを前記抜け止め部材の前記筒状部の軸回り回転によって移動させることで前記軸受穴内へ移動可能であっても良い。
前記回転機構は、前記抜け止め部材の筒状部に外挿されたコイル部を有し前記回転部材に前記ベース部材に対する前記ピンを中心とする軸回り回転力を与えるスプリングをさらに有していても良い。
本発明によれば、抜け止め部材とピンとをセットしたベース部材を回転部材にセットして、抜け止め部材を回転させるだけで、回転部材とベース部材とを組み立てることができる。また、ピンの突出操作を確実に行うことができる。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。なお、ここでは、車両用のアシストグリップを例にして本発明に係る回転機構の実施形態を説明する。
図1は、本発明のアシストグリップ(回転機構)100の概略構成を示す斜視図であり、図2は本発明に係るベース部材120の斜視図である。
図1、図2に示すように、アシストグリップ100は、グリップ本体(回転部材)110と、グリップ本体110のベース部材収容凹部112aに収容されたベース部材120と、グリップ本体110をベース部材120に軸支する一対のピン130(130a、130b)と、抜け止め部材140とを備える。
図1は、本発明のアシストグリップ(回転機構)100の概略構成を示す斜視図であり、図2は本発明に係るベース部材120の斜視図である。
図1、図2に示すように、アシストグリップ100は、グリップ本体(回転部材)110と、グリップ本体110のベース部材収容凹部112aに収容されたベース部材120と、グリップ本体110をベース部材120に軸支する一対のピン130(130a、130b)と、抜け止め部材140とを備える。
ベース部材120は、車両本体にアシストグリップ100を取り付ける際の土台を構成する部材である。図2に示すように、ベース部材120は、車両本体側に当接する当接部121と、当接部121の車室内壁に当接される当接面121aとは逆側へ延在する主壁部122と、主壁部122の片面に突出形成された一対の軸支持壁123とを有する。
ベース部材120の一対の軸支持壁123は、間隔を隔てて互いに平行に形成されている。ベース部材120は、一対の軸支持壁123の間隔方向を、グリップ本体110のベース部材収容凹部112aを介して両側の側壁112bの間隔方向(図1、2のX方向)に一致させてベース部材収容凹部112aに収容されている。軸支持壁123は、後述するグリップ本体110及びピン130と相俟って、いわゆる蝶番の機能を果たすものである。
ベース部材120の各軸支持壁123の略中央部分には、図1、2におけるX方向に貫通する貫通孔123aが形成されている。一対の軸支持壁123の貫通孔123aは互いに同軸に形成されている。
この貫通孔123aにはピン130が挿入される。図2に示すように、貫通孔123aの内周面には、貫通孔123aの半径方向内側に突出して形成された凸部124が形成されており、後述するピン130のキー溝134に挿入されることにより、ピン130の軸線回りの回転を規制する。この実施形態では、ベース部材120の各軸支持壁123の貫通孔123aの内周面の凸部124は、ベース部材120の主壁部122に対する軸支持壁123の突出方向(図2中Y方向)及び軸支持壁123の貫通孔123aの軸線方向(図2中X方向)に垂直な方向(図2中Z方向)において、各貫通孔123aの軸線を介して互いに逆側の位置に形成されている。
図2中右側の貫通孔123aの内周面の凸部124は、図2中Z方向において貫通孔123aの中心軸線を介して当接部121とは逆側に設けられている。また凸部124は、図2中左側の貫通孔123aの内周面の凸部124は、図2中Z方向において貫通孔123aの中心軸線を介して図2中右側の貫通孔123aの内周面の凸部124とは逆側、すなわち当接部121側に設けられている。
この貫通孔123aにはピン130が挿入される。図2に示すように、貫通孔123aの内周面には、貫通孔123aの半径方向内側に突出して形成された凸部124が形成されており、後述するピン130のキー溝134に挿入されることにより、ピン130の軸線回りの回転を規制する。この実施形態では、ベース部材120の各軸支持壁123の貫通孔123aの内周面の凸部124は、ベース部材120の主壁部122に対する軸支持壁123の突出方向(図2中Y方向)及び軸支持壁123の貫通孔123aの軸線方向(図2中X方向)に垂直な方向(図2中Z方向)において、各貫通孔123aの軸線を介して互いに逆側の位置に形成されている。
図2中右側の貫通孔123aの内周面の凸部124は、図2中Z方向において貫通孔123aの中心軸線を介して当接部121とは逆側に設けられている。また凸部124は、図2中左側の貫通孔123aの内周面の凸部124は、図2中Z方向において貫通孔123aの中心軸線を介して図2中右側の貫通孔123aの内周面の凸部124とは逆側、すなわち当接部121側に設けられている。
グリップ本体110は、前記ベース部材120に対して回転可能に取り付けられる(軸支される)部材である。図1に示すように、グリップ本体110は、乗員が把持する棒状の把持部111と、把持部111の両側に位置する一組の根元部112とから構成されており、全体が「コ」の字形の形状を有している。一組の根元部112は、把持部111の延在方向両端から把持部111の延在方向に概ね垂直で互いに同じ方向に延出されている。図1に示すように、根元部112には前記ベース部材120を収容するためのベース部材収容凹部112aがそれぞれ形成されている。なお、図1に示すように、左右一組の根元部112は左右対称であり、実質的に同じ構造、機能を有するので、以後、図中左側の根元部112を例にとって説明する。
ベース部材収容凹部112aは、グリップ本体110の根元部112(以下、グリップ本体根元部とも言う)にその側面から窪んで形成されている。ベース部材収容凹部112aにはベース部材120の主壁部122及び軸支持壁123が収容される。ベース部材120の当接部121はベース部材収容凹部112aの外側に配置されている。図1に示すように、ベース部材収容凹部112aのうち、ベース部材120の軸支持壁123に対向する部分には、側壁112bが設けられている。この側壁112bには、ベース部材収容凹部112a側から窪む非貫通の軸受穴113がそれぞれ形成されている。各側壁112bの軸受穴113は、図1、2におけるX方向に互いに同軸に延在形成されている。この軸受穴113にはピン130が収容される。
ピン130は、ベース部材120とグリップ本体110とを軸支する軸として機能する部材である。より詳細には、ピン130は、ベース部材120の貫通孔123aとグリップ本体根元部112の側壁112bの軸受穴113とに挿入されることにより、ベース部材120に対してグリップ本体110を回転可能に取り付ける際の、回転の中心軸として機能する。
図3に示すように、ピン130は円柱状の部材である。図3に示すように、ピン130のグリップ本体110の軸受穴113に挿入される先端部には、ピン130の軸線方向に垂直な端面131(以下、先端面、ともいう)が形成されている。ピン130の先端部とは反対側の後端部には、ピン130の軸線方向に対して傾斜する傾斜端面132aと、ピン130の軸線方向に垂直に延在する垂直受け面132bとによって構成された突部受け面133が形成されている。図3に示すピン130の傾斜端面132aは具体的には、ピン130の軸線方向に対して傾斜する平坦面である。
傾斜端面132aについては、ピン130の軸線方向先端側を前側、ピン130の軸線方向後端側を後側として説明する。図3に示すように、ピン130には傾斜端面132aにおける前端からピン130の軸線方向に垂直に延在する垂直受け面132bが形成されている。ピン130の側周には、垂直受け面132bからピン130の軸線方向に延在してピン130の先端面131に到達するキー溝134が形成されている。ピン130の外径は、ベース部材120の貫通孔123aとグリップ本体根元部112の軸受穴113とに挿入可能な寸法に形成されている。
図3に示すように、ピン130は、後述する抜け止め部材140一個について一対のピン130(130a,130b)が用いられ、抜け止め部材140に対して互いに対向配置される。
図3に示すように、抜け止め部材140は、筒状部141と、筒状部141の軸線方向一端部の側周に形成されたリング状のフランジ部142と、フランジ部142の外周部から筒状部141とは逆側に突出する操作部143とから構成されている。筒状部141はピン130の後端部を収容する部分である。筒状部141にはその軸線方向両端からピン130が挿入される。筒状部141の内径はピン130の外径より僅かに大きく構成されている。
筒状部141の軸線方向の寸法は、ベース部材120の一対の軸支持壁123の間に収容される寸法であればよく、限定されない。代表的には、ベース部材120の一対の軸支持壁123の間隔方向の寸法より僅かに小さい。
筒状部141の軸線方向の寸法は、ベース部材120の一対の軸支持壁123の間に収容される寸法であればよく、限定されない。代表的には、ベース部材120の一対の軸支持壁123の間隔方向の寸法より僅かに小さい。
図3に示すように、筒状部141の軸線方向中央部の内部には、筒状部141の軸線方向に対して傾斜した中間板部145が設けられている。中間板部145の厚みの両側の主面は、筒状部141の軸線方向に対して傾斜した平坦面である傾斜面146とされている。中間板部145には、抜け止め部材140の筒状部141の軸線方向の両端部、すなわち、筒状部141一端に最も近い端部と、筒状部141他端に最も近い端部とが存在する。中間板部145における筒状部141軸線方向の両端部にはピン押出用突部144が形成されている。ピン押出用突部144は、中間板部145から筒状部141軸線方向において中間板部145の中央に対して離間する方向に突出する突起である。
更に詳細には、中間板部145の厚みの両側の面は、傾斜面146と、傾斜面146と筒状部141の内周面との間に筒状部141の軸線方向に垂直に形成された垂直端面147とで構成される。ピン押出用突部144は傾斜面146と垂直端面147との境界の稜線148の一端付近に形成されている。これらピン押出用突部144a,144bは中間板部145に関して点対称の位置に形成されている。
更に詳細には、中間板部145の厚みの両側の面は、傾斜面146と、傾斜面146と筒状部141の内周面との間に筒状部141の軸線方向に垂直に形成された垂直端面147とで構成される。ピン押出用突部144は傾斜面146と垂直端面147との境界の稜線148の一端付近に形成されている。これらピン押出用突部144a,144bは中間板部145に関して点対称の位置に形成されている。
抜け止め部材140における中間板部145の傾斜面146と筒状部141とがなす角度は、ピン130の傾斜端面132aとピン130の軸線方向とがなす角度より大きい。図5(a)に示すように、ピン130の後端部を抜け止め部材140の筒状部141内の奥まで進入させたときに、ピン130は、そのピン押出用突部144に当接する位置まで抜け止め部材140の筒状部141に挿入できる。
ピン130は、その垂直受け面132bがピン押出用突部144に当接する位置が抜け止め部材140の筒状部141に対する挿入限界位置であり、この位置を、以下、セット時位置とも言う。
図5(a)に示すピン押出用突部144は、セット時位置のピン130の垂直受け面132bと傾斜端面132a前端部とに当接される。ピン130の垂直受け面132bと傾斜端面132a前端部とは、傾斜端面132aと垂直受け面132bとで構成される突部受け面133のピン130先端側の端部(受け面前端部)に位置する。
図5(a)に示すピン押出用突部144は、セット時位置のピン130の垂直受け面132bと傾斜端面132a前端部とに当接される。ピン130の垂直受け面132bと傾斜端面132a前端部とは、傾斜端面132aと垂直受け面132bとで構成される突部受け面133のピン130先端側の端部(受け面前端部)に位置する。
ピン押出用突部144の形状は、抜け止め部材140を筒状部141の軸回り方向に回転させたときに、傾斜端面132aに摺動可能な形状であれば良く、限定されない。ピン押出用突部144の形状は、例えば、抜け止め部材140の中間板部145の表面から突出した球面形状または半球面形状であってよい。
図3に示すように、抜け止め部材140の操作用突起143aは、抜け止め部材140に軸回りの回転運動を与える際に手指で操作しやすくさせる。また、この操作用突起143aのベース部材120に対する位置は、抜け止め部材140に軸回りの回転運動を与える際の、ピン押出用突部144a,144bの位置、ひいてはピン130のベース部材120からの突出し量を推し量る場合の指標となる。例えば、ベース部材120の軸支持壁123の内側主面123b上に操作用突起143aの回動開始位置と回動終了位置とを示す印を設けてもよく、軸支持壁123の内側主面123bに貫通孔123aの軸線方向の凹部(図示省略)を形成して操作用突起143aの回動範囲を規制するようにしてもよい。
ダンパー150は、グリップ本体110に作用するベース部材120に対する回転エネルギーを減衰させて、グリップ本体110のベース部材120に対する回転速度を抑制する。図6は、本実施形態に係る抜け止め部材140をダンパー150に収容した状態を示す斜視図である。図5(a)、図6に示すように、ダンパー150は、円筒状で、中心に軸穴151が貫通形成されてなる。ダンパー150は、抜け止め部材140の筒状部141を収容可能な内径の軸穴151を有する。また、ダンパー150は、ベース部材120に係合させる第1係合突部152と、グリップ本体110に係合させる図示略の第2係合突部とを有する。
本実施形態では、ダンパー150の軸穴151に抜け止め部材140が挿入され、ダンパー150は抜け止め部材140にその軸回りに回転自在に軸支されている。図5(a)、(b)に示すように、ダンパー150はベース部材120の一対の軸支持壁123の間に配設される。ダンパー150はその外径が抜け止め部材140のフランジ部142の外径と同等あるいはこれよりも小さいものを用いることが好ましい。なお、本実施形態では、図5(a),(b)に示すように、ダンパー150の、フランジ部142とは反対側の端部は、ピン130bの外径より僅かに大きい外径の開口部が形成された平坦な外側端面150aとなっている。
以下に、本発明のアシストグリップ100の組立方法について説明する。図2は、本発明に係るベース部材120の斜視図であるとともに、本発明のアシストグリップ100の組み立て工程を模式的に示している。図5は、図1のアシストグリップのベース部材付近の構造を示す断面図であり、図5(a)は、ピン130の垂直受け面132bが抜け止め部材140のピン押出用突部144a,144bに当接するセット時位置までピン130を挿入した状態を示す断面図である。図5(b)は、ピン130が、その軸線方向に関し、抜け止め部材140から最も突出した位置まで突出した状態を示す断面図である。
本発明のアシストグリップ100を組み立てるには、まず、ダンパー150の軸穴151に抜け止め部材140の筒状部141を挿入する。次いで、図2に示すように、抜け止め部材140を挿入したダンパー150を、ベース部材120の一対の軸支持壁123の間に挿入する。このとき、図2に示すように、抜け止め部材140のフランジ部142の操作用突起143aが、ベース部材120の一対の軸支持壁123の間へのダンパー150の挿入方向(図中Z方向)前側を向く状態でダンパー150を図中Y方向に挿入する。また、ダンパー150の端面に設けられた第1係合突部152を、ベース部材120の軸支持壁123の内側主面123bに設けられた係合溝123dに挿入する。このように第1係合突部152を係合溝123dに挿入することで、ダンパー150がその軸回りに回転することが規制される。
次に、ベース部材120の両側から軸支持壁123の貫通孔123aに一対のピン130を挿入し、各ピン130を抜け止め部材140の筒状部141に挿入する。このとき、ピン130は、傾斜端面132aが形成されている後端部から貫通孔123a及び抜け止め部材140の筒状部141に挿入していく。また、ピン130は、その側周のキー溝134に、貫通孔123a内の凸部124が挿入される向きでベース部材120の貫通孔123aに挿入していく。これにより、抜け止め部材140の中間板部145の両側のピン押出用突部144が、抜け止め部材140の筒状部141の軸線を介してZ方向両側に、筒状部141の軸回り回転による互いの離間距離が最大となる位置に配置される。
ダンパー150、抜け止め部材140が挿入されたベース部材120の両側から、軸支持壁123の貫通孔123aにピン130を挿入してゆくと、ピン130の傾斜端面132aが筒状部141内部の中間板部145に形成されたピン押出用突部144に突き当たる。図5(a)は、抜け止め部材140の筒状部141に対して最も深い位置までピン130を押し込んだ状態(ピン130がセット時位置にある状態)を示す。このときのピン130と中間板部145との位置関係を示した斜視図が図4(a)である。
図4(a)、図5(a)に示すように、セット時位置において、各ピン130の後端部はそれぞれベース部材120の軸支持壁123の貫通孔123aに挿入される。セット時位置において、各ピン130の先端面131(先端部側の端)間の距離は、ベース部材120の一対の軸支持壁123のそれぞれの内側主面123bとは反対の外側主面123c間の距離L1と同じとなる。したがって、ピン130のセット完了後、ベース部材120をグリップ本体110のベース部材収容凹部112aに収容する作業において、ピン130の先端部が作業の障害になることを回避できる。
図5(a)等に示すアシストグリップは、抜け止め部材とダンパーとで構成される抜け止めユニット160を有する。図5(a)に例示した抜け止めユニット160のダンパー150は円筒状に形成され、その内側の軸穴151に抜け止め部材140の筒状部141を収容して筒状部141に外挿されている。ダンパー150は、抜け止め部材140のそのフランジ部142から筒状部141他端部側に設けられる。図5(a)に例示したダンパー150のその軸穴151に臨む内周面の軸線方向片端には、抜け止め部材140の筒状部141の他端部側の端面に当接される当接片150bが突出されている。
ダンパー150の軸線方向における抜け止め部材140のフランジ部142とは逆側の端面を、以下、外側端面とも言う。また、当接片を抜け止め部材の筒状部の他端部側の端面に当接させたダンパーの外側端面と、抜け止め部材140のフランジ部142のダンパー150とは逆側の端面との間の距離を、以下、抜け止めユニット軸線方向寸法、とも言う。
ダンパー150の軸線方向における抜け止め部材140のフランジ部142とは逆側の端面を、以下、外側端面とも言う。また、当接片を抜け止め部材の筒状部の他端部側の端面に当接させたダンパーの外側端面と、抜け止め部材140のフランジ部142のダンパー150とは逆側の端面との間の距離を、以下、抜け止めユニット軸線方向寸法、とも言う。
抜け止めユニット軸線方向寸法は、ベース部材120の一対の軸支持壁123の内側主面123b間の距離よりも若干小さい。セット時位置における一対のピン130の先端間の距離は、各ピン130の先端がベース部材120の貫通孔123a内に位置する状態を維持できる範囲で、ベース部材120の一対の軸支持壁123の外側主面123c間の距離L1よりも短くしても良い。但し、各ピン130のセット時位置にあるときの抜け止め部材140からの突出寸法は、抜け止めユニット軸線方向寸法とベース部材120の一対の軸支持壁123の内側主面123b間の距離との差(以下、抜け止めユニット収容ギャップ、とも言う)よりも大きい必要がある。セット時位置にあるピン130の抜け止め部材140の筒状部141からの突出寸法は、抜け止めユニット収容ギャップに、このピン130が挿入されているベース部材120の軸支持壁123の貫通孔123aの軸線方向寸法の50〜100%を加えた長さであることが好適である。
ピン130は、抜け止め部材140の筒状部141の内側の領域の、その軸線方向における一対のピン押出用突部144a,144bが位置する中央部を介して両側のピン収容領域内にそれぞれ挿入される。
ここで、抜け止め部材140の筒状部141内部のピン130の後端部が収容される領域をピン収容領域といい、そのピン収容領域の軸線方向におけるピン押出用突部144a,144bからピン押出用突部144a,144bとは逆側の開口端までの寸法を、以下、収容領域延在寸法、とも言う。また、以下、抜け止め部材140の筒状部141のその軸線方向において中間板部145からフランジ部142側の部分の内側のピン収容領域を第1ピン収容領域、第1ピン収容領域に挿入されるピン130を第1ピン130a、とも言う。また、以下、抜け止め部材140の筒状部141のその軸線方向において第1ピン収容領域とは逆側のピン収容領域を第2ピン収容領域、第2ピン収容領域に挿入されるピンを第2ピン130bとも言う。
なお、ピン押出用突部144(144a、144b)のうち、符号144aのピン押出用突部は第1ピン収容領域側、符号144bのピン押出用突部は第2ピン収容領域側、に位置する。
なお、ピン押出用突部144(144a、144b)のうち、符号144aのピン押出用突部は第1ピン収容領域側、符号144bのピン押出用突部は第2ピン収容領域側、に位置する。
第1ピンの130a垂直受け面132bから先端面131までの軸線方向寸法は、第1ピン収容領域の収容領域延在寸法と、抜け止めユニット収容ギャップとの合計に、第1ピン130aが挿入されるベース部材120の軸支持壁123の貫通孔123aの軸線方向寸法の50〜100%を加えた長さであることが好適である。第2ピン130bの垂直受け面132bから先端面131までの軸線方向寸法は、第2ピン収容領域の収容領域延在寸法と、ダンパー150の当接片150bのダンパー軸線方向の寸法(厚み)と、抜け止めユニット収容ギャップとの合計に、第2ピン130bが挿入されるベース部材120の軸支持壁123の貫通孔123aの軸線方向寸法の50〜100%を加えた長さであることが好適である。
図4(a)、図5(a)に示す状態では、ピン130の先端側の端面131は、ベース部材120の軸支持壁123の外側主面123cと同一平面上か、外側主面123cよりも中間板部145側に引き込んだ位置にある。この状態でピン130が挿入されたベース部材120をグリップ本体110のベース部材収容凹部112aに収容する。すると、図5(a)に示したように、ベース部材120に挿入されたピン130の軸線とグリップ本体110側に設けられた軸受穴113の軸線とが略一致する状態となる。このとき、抜け止め部材140の操作用突起143aは、ベース部材120の貫通孔123aの軸線を介してベース部材120の当接部121とは逆の (図2、図5(a)中Z方向)を向いた位置にある。
次に、抜け止め部材140の操作用突起143aに筒状部141の軸回り方向の力を加えることにより、操作用突起143aを図5(a)の紙面に垂直方向に引き起こす方向に筒状部141の軸線を中心に回動させる。この状態を示したのが図4(a)である。図4(a)に示したように、この回動は抜け止め部材140のフランジ部142側から見た場合、図4(a)中の矢印で示したように、筒状部141の軸線を中心として時計回りに例えば90度回動させる。
この操作用突起143aを回動させることにより、中間板部145ひいてはピン押出用突部144(144a,144b)が筒状部141の軸線を中心として回動する。すると、ピン押出用突部144(144a,144b)に当接しているピン130の傾斜端面132aには、筒状部141の軸線を中心として回動する方向の力が作用する。このとき、ピン130の側周に形成されたキー溝134に、ベース部材120の貫通孔123aに形成された凸部124が挿入されている。そのため、ピン130傾斜端面132aに筒状部141の軸線を中心として回動する方向の力が作用しても、ピン130の軸線周りの回転が規制される。その結果、ピン押出用突部144(144a,144b)の筒状部141の軸回りの方向の運動は、ピン130を筒状部141から押し出す方向(図2、4、5中X方向)の運動に変換される。この運動により、ピン130は筒状部141から筒状部141の軸線方向(図2、4、5中X方向)に押し出される。
このとき、ベース部材120に収容されたピン130が円滑に軸受穴113内に進入し、ピン130の押し出し量が最大になるまで何ら支障なく挿入されるようであれば、操作用突起143aは図4(a)、図5(a)の状態から図4(b)、図5(b)の状態まで滑らかに回動できる。
一方、操作用突起143aの回動開始から、最大回転量である90度回転させた位置(図4(b)に示した状態)となるまでの間、即ち、筒状部141の最も深い位置まで挿入されたピン130が、軸受穴113内に進入して押し出し量が最大になるまでの間に、軸受穴113内への異物の混入や、軸受穴113内壁面のバリの存在等、何らかの理由により、ピン130の進入が阻まれた場合には、ピン130の軸受穴113内への進入はそこで停止し、それに伴い、操作用突起143aの回動も途中で停止する。
一方、操作用突起143aの回動開始から、最大回転量である90度回転させた位置(図4(b)に示した状態)となるまでの間、即ち、筒状部141の最も深い位置まで挿入されたピン130が、軸受穴113内に進入して押し出し量が最大になるまでの間に、軸受穴113内への異物の混入や、軸受穴113内壁面のバリの存在等、何らかの理由により、ピン130の進入が阻まれた場合には、ピン130の軸受穴113内への進入はそこで停止し、それに伴い、操作用突起143aの回動も途中で停止する。
図4(b)、図5(b)は、操作用突起143aを90度時計まわりに回動させた後の状態を示している。図4(b)、図5(b)に示したように、操作用突起143aは図4(b)中Y方向を向く。それに伴い、中間板部145はの稜線148は図4(b)中Z方向に平行な状態となり、ピン押出用突部144(144a,144b)はピン130を筒状部141の軸線方向に関して、抜け止め部材140から最も離れた位置まで押し出す。図5(a)に示したように、押し出されたピン130は、軸線方向外側の端部131を軸受穴113内に進入させる。その結果、ベース部材120の軸支持壁123とグリップ本体110との間がピン130により軸支され、ベース部材120に対するグリップ本体110の取り付けが完了する。ここで、ピン130は、抜け止め部材140によって、抜け止め部材140の押出用突部144(144a,144b)に当接する位置からベース部材120の軸支持壁123間の空間側への移動が規制される。抜け止め部材140は、グリップ本体110の軸受穴113に対するピン130の抜けを防止し、軸受穴113及びベース部材120の貫通孔123aにピン130が挿入された状態を維持する役割(抜け止めの役割)を果たす。
以上説明したように、本実施形態に係るアシストグリップ100では、抜け止め部材140、ダンパー150、ピン130をセットしたベース部材120をグリップ本体110のベース部材収容凹部112aにセットして、操作用突起143aを筒状部141の軸線回りに回動させるだけで、ピン130を軸受穴113に挿入でき、グリップ本体110の軸受穴113及び各軸支持壁123の貫通孔123aに対するピン130の挿入状態を安定維持できる(ピン130を抜け止めできる)。このため、アシストグリップ100は、ベース部材120に対する回転部材の取り付け(軸支)作業、それによるアシストグリップの組み立てを簡単に効率良く行なえる。
また、本実施形態のアシストグリップ100によれば、操作用突起143aの操作状態からピン130の軸受穴113内への進入が円滑に行われたか否かを確実に判断することができる。
以下に、本発明の変形例について説明する。この変形例では、上記実施形態のダンパー150の代わりに、グリップ本体110にベース部材120に対するピン130を中心とする回転力を付与するための回転力付与スプリング300と、回転力付与スプリング300を収容して覆うケース400とを抜け止め部材140に取り付けている。変形例のアシストグリップは、抜け止め部材140と、回転力付与スプリング300と、ケース400とから構成される回転力付与機構を備えている。
図7は、本発明の抜け止め部材の変形例に係る回転力付与機構の分解斜視図である。図8は、図7の回転力付与機構の斜視図であり、抜け止め部材140の筒状部141に回転力付与スプリング300、更にケース400を装着した状態を示す図である。以下の変形例のうち、上記実施形態と同じ部分については説明を省略する。
図7は、本発明の抜け止め部材の変形例に係る回転力付与機構の分解斜視図である。図8は、図7の回転力付与機構の斜視図であり、抜け止め部材140の筒状部141に回転力付与スプリング300、更にケース400を装着した状態を示す図である。以下の変形例のうち、上記実施形態と同じ部分については説明を省略する。
図7、図8に示すように、ケース400は、円筒状胴部410と、円筒状胴部410の軸線方向一端に設けられた底部401とを有する。底部401は抜け止め部材140の筒状部141を挿入可能なリング板状に形成されている。回転力付与スプリング300は、金属製線材によって形成されたトーションばねであり、円筒状のコイル部301と、コイル部301の軸線方向両端からコイル部301外周の接線方向にそれぞれ延出する端部302、303とを有する。回転力付与機構は、筒状部141を回転力付与スプリング300のコイル部301内に挿入し、さらに回転力付与スプリング300のコイル部301の外周を覆うようにケース400を被せて組み立てられる構成となっている。ケース400は、円筒状胴部410の底部401とは逆側の開口端から底部401に向かって延在するスリット411に回転力付与スプリング300の両端部302、303の一方(符号302の端部)を挿入し、円筒状胴部410に回転力付与スプリング300のコイル部301を収容してコイル部301に被せられる。
また、図7、図8に示すように、ケース400の底部401の外側(端面)には、係合突部402が形成されている。この係合突部402は、第一実施形態のダンパー150の第1係合突部152と同様に、ベース部材120の軸支持壁123の内側主面123bに設けられた係合溝123dに挿入されることで、ケース400がその軸回りに回転することが規制される。
図8は、組み立て状態の回転力付与機構を示す斜視図である。図8に示したように、この回転力付与機構のケース400の外周側にはケース400の円筒状胴部410のスリット411から回転力付与スプリング300の端部302,303が突出しており、これら端部302,303がベース部材120、グリップ本体110にそれぞれ係止することにより、ベース部材120とグリップ本体110との間に回転力を付与する。この変形例によれば、抜け止め部材140の筒状部141の外周に回転力付与スプリング300とケース400とを被せた状態で使用するので、抜け止め部材140をベース部材120に手指で掴んで挿入する際に、操作がし易い。
また、回転力付与スプリング300やケース400を抜け止め部材140に取り付けることにより、製品の低コスト化を図ることができる。更に、回転力付与スプリング300をケース400内に収容したため、外観が向上して商品価値を上げることができる。また、回転力付与スプリング300をケース400内に収容したため、回転力付与スプリング300に塵や埃が付着するのを防止することができる。更に、ケース400として、底部401の厚さ(筒状部141の軸線方向の寸法)が異なる種類のものを予め用意することにより、抜け止め部材140とベース部材120の軸支持壁123の内側主面123bとの隙間を調節することができ、抜け止め部材140の筒状部141の軸線方向のがたつきを防止することができる。
以上、本発明を最良の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の最良の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態では、抜け止め部材140をダンパー150の軸穴151内に挿入して取り付け作業を行う場合を例にして説明したが、組立作業時に抜け止め部材140を収容して抜け止め部材の操作を容易にする操作補助部材は、抜け止め部材140を挿入可能な軸穴が貫通形成されたものであればよく、ダンパーには限られない。
例えば、扉の蝶番、便器の蓋の蝶番、等の種々の蝶番や軸支機構について幅広く適用できる。
上記実施形態では、抜け止め部材140をダンパー150の軸穴151内に挿入して取り付け作業を行う場合を例にして説明したが、組立作業時に抜け止め部材140を収容して抜け止め部材の操作を容易にする操作補助部材は、抜け止め部材140を挿入可能な軸穴が貫通形成されたものであればよく、ダンパーには限られない。
例えば、扉の蝶番、便器の蓋の蝶番、等の種々の蝶番や軸支機構について幅広く適用できる。
また、傾斜端面は、前記抜け止め部材の軸回り方向の運動を前記ピンの前記筒状部からの押し出し方向の運動に変換する湾曲面であっても良い。この湾曲面は、ピン後端から傾斜端面前端側へ行くにしたがってピン130の軸線方向に対する傾斜が大きくなるように形成されたものであってよい。
また、この湾曲面は、ピン後端の端面(後端面)とは別に、ピン後端部の側周に螺旋状に形成されたものであってもよい。
また、この湾曲面は、ピン後端の端面(後端面)とは別に、ピン後端部の側周に螺旋状に形成されたものであってもよい。
抜け止め部材140の回転操作によるピン130の押し出し、それによるグリップ本体110の軸受穴113に対するピン130の挿入は、抜け止め部材140のピン押出用突部144(144a,144b)からピン130にピンの軸回り方向の回転力を与えることを伴う。但し、回転操作した抜け止め部材140のピン押出用突部144(144a,144b)からピン130に作用する回転力が、ベース部材120の貫通孔123a内面に対するその軸回り方向のピン130の回転抵抗(貫通孔内面との摺動抵抗等)が小さければピン130のピン押出用突部144(144a,144b)の回転に対する追従回転を防ぐことができる。
ベース部材120の貫通孔123a内面に対するその軸回り方向のピン130の回転抵抗によってピン押出用突部144(144a,144b)の回転に対するピン130の追従回転が規制あるいは殆ど生じない場合は、貫通孔123a内に設けられてピン130のキー溝134に挿入される凸部124を省略可能である。また、この場合、ピン130のキー溝134も省略可能となり、キー溝の無い安価なピンの使用が可能となる。なお、ベース部材120の貫通孔123a内面に対するその軸回り方向のピン130の回転抵抗は、例えば、貫通孔123a内面へのその軸線方向に延在する微細な溝の形成、ピン側面へのピン軸線方向に延在する溝の形成等によって、貫通孔123a内面及びピン側面が滑らかな円筒面である場合に比べて大きくすることが可能である。
ピン130の突部受け面は、垂直受け面が無く、傾斜端面132aのみによって形成されている構成も採用可能である。
また、上記実施形態では、ピン130の側周に形成されたキー溝134に、貫通孔123a内壁に形成された凸部124が挿入される構成について説明したが、貫通孔内壁に形成されたキー溝に、ピンの側周に形成された凸部が挿入されるような構成としても良い。
また、上記実施形態では、ピン130の側周に形成されたキー溝134に、貫通孔123a内壁に形成された凸部124が挿入される構成について説明したが、貫通孔内壁に形成されたキー溝に、ピンの側周に形成された凸部が挿入されるような構成としても良い。
100…アシストグリップ(回転機構)、110…グリップ本体(回転部材)、111…把持部、112…根元部、112a…ベース部材収容凹部、112b…側壁、113…軸受穴、120…ベース部材、121…当接部、121a…当接面、122…主壁部、123…軸支持壁、123a…貫通孔、123b…内側主面、123c…外側主面、123d…係合溝、124…凸部、130…ピン、131…端面(先端面)、132a…傾斜端面、132b…垂直受け面、133…突部受け面、134…キー溝、140…抜け止め部材、141…筒状部、142…フランジ部、142a,242a…外側端面、143…操作部、143a…操作用突起、144,144a,144b…ピン押出用突部、145…中間板部、146…傾斜面、147…垂直端面、148…稜線、150…ダンパー、150a…外側端面、150b…当接片、151…軸穴、160…抜け止めユニット、300…回転力付与スプリング、301…コイル部、302…端部、303…端部、400…ケース、401…底部、402…係合突部、410…円筒状胴部、411…スリット。
Claims (4)
- ベース部材と、
前記ベース部材に軸支された回転部材と、
前記回転部材に形成されたベース部材収容凹部に収容された前記ベース部材に前記回転部材を軸支する一対のピンと、
互いに同軸上に設けられた前記一対のピンの互いに対向する側の端部である後端部を収容する筒状部を含む抜け止め部材とを有し、
前記回転部材の前記ベース部材収容凹部を介して両側の側壁には前記ピンの先端が挿入される非貫通の軸受穴が前記ベース部材収容凹部側から窪んで形成され、
前記ベース部材は、前記ピンが挿入される貫通孔が形成された一対の軸支持壁を有し、前記一対の軸支持壁が前記回転部材の両側の前記側壁の間隔方向に互いに離間させて配置される向きで前記ベース部材収容凹部に収容され、
前記一対のピンは、それぞれ前記回転部材の前記軸受穴と前記ベース部材の前記軸支持壁の前記貫通孔とに挿入され、前記一対のピンのそれぞれの前記後端部には各前記ピンの軸線方向に対して傾斜する傾斜端面が形成され、
前記抜け止め部材は、前記筒状部と、前記筒状部の側周に形成された操作部と、前記筒状部の内部に形成され前記ピンの前記傾斜端面に当接されるピン押出用突部とを有し、各前記ピンの前記傾斜端面は前記抜け止め部材の軸回り方向の運動を前記ピンの前記筒状部からの押し出し方向の運動に変換する平坦面または湾曲面に形成されている回転機構。 - 各前記ピンの側周及び前記ベース部材の前記貫通孔内周面の一方に、前記ベース部材の前記貫通孔の軸線に沿って延在するキー溝が形成され、各前記ピンの側周及び前記ベース部材の前記貫通孔内周面の他方に前記キー溝に挿入されて前記ピンを前記ベース部材に対して回り止めする凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転機構。
- 前記ピンは、前記傾斜端面のみ、あるいは前記傾斜端面と、前記傾斜端面における前記ピンの後端側とは逆の前端から前記ピンの軸線方向に垂直に延在する垂直受け面とによって構成された突部受け面を有し、
前記突部受け面は、前記傾斜端面の前端部あるいは前記垂直受け面である受け面前端部を有し、
前記抜け止め部材の筒状部のその軸線方向両側にそれぞれ挿入され、前記受け面前端部に前記抜け止め部材の前記ピン押出用突部が当接するセット時位置にある一対の前記ピンの先端間の離間距離は、一対の前記軸支持壁の前記内側主面間の距離よりも長くかつ前記外側主面間の距離と同じかあるいは短く、
前記ピンの先端は、前記セット時位置の前記ピンを前記抜け止め部材の前記筒状部の軸回り回転によって移動させることで前記軸受穴内へ移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機構。 - 前記抜け止め部材の筒状部に外挿されたコイル部を有し前記回転部材に前記ベース部材に対する前記ピンを中心とする軸回り回転力を与えるスプリングをさらに有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の回転機構。
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JP2018085455A JP2019189095A (ja) | 2018-04-26 | 2018-04-26 | 回転機構 |
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ID=68391462
Family Applications (1)
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2018
- 2018-04-26 JP JP2018085455A patent/JP2019189095A/ja active Pending
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