JP3100131U - ヒンジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 隠蔽用のキャップを有するヒンジは部品点数及び組立工程数が多くなるのでこれを少なくし、製造コストを低減すること。
【解決手段】一端部が外側から見える状態で第1の揺動体6と第2の揺動体7とを折り畳み可能に連結するヒンジであって、前記一端部に当該一端部を隠蔽するキャップ5を一体に形成したことを主たる特徴としている。前記ヒンジは、外周部に第1の揺動体6への取付部11を有する軸受体1と、第2の搖動体7への取付部21を有するとともに当該取付部21が他端部から露出する状態で前記軸受体1へ抜け止め状にかつ相対回転可能に挿入された軸体2とから構成し、前記キャップ5を前記軸受体1へ一体に形成するのが好ましい。
【選択図】    図2

Description

 本発明は、例えば折り畳み式携帯電話機の送話側筐体と受話側筐体とを連結するヒンジのように、二つの揺動体を所定の制動力をもって折り畳み可能に連結するヒンジに関するものである。
 折り畳み式携帯電話機のヒンジは、端部が外部から見える状態で取り付けられることが多く、このような場合には外観上ヒンジの端部を隠蔽するキャップが取り付けられる。
 後記の特許文献1には、ヒンジにより送話側筐体と受話側筐体とを折り畳み可能に連結した携帯電話機において、前記ヒンジにおけるシャフトの端部と回転可能に係合するキャップを設けたものが記載されている。
 特許文献1に記載された折り畳み式携帯電話機は、ヒンジのシャフトの端部に回転可能に係合するキャップを設けたもので、キャップはシャフトに対して回転可能であってシャフトとは一体回転しないため、キャップ形状が円形に限定されない利点があった。
 しかし、ヒンジのシャフトにキャップを取り付けるので部品点数が多く、ヒンジの組立てや折り畳み式携帯電話機の組立ての工程数が多くなる問題があった。
特開2001−127460号公報
 本考案の課題は、従来のヒンジは部品点数及び組立工程数が多くなるのでこれを少なくし、製造コストを低減することである。
 本考案は前述の課題を解決するため、一端部が外側から見える状態で第1の搖動体6と第2の搖動体7とを折り畳み可能に連結するヒンジであって、前記一端部に当該一端部を隠蔽するキャップ5を一体に形成したことを主たる特徴としている。
 前記ヒンジは、外周部に第1の揺動体6への取付部11を有する軸受体1と、第2の搖動体7への取付部21を有するとともに当該取付部21が他端部から露出する状態で前記軸受体1へ抜け止め状にかつ相対回転可能に挿入された軸体2とから構成し、前記キャップ5を前記軸受体1へ一体に形成するのが好ましい。
 本考案に係るヒンジは、キャップ5がヒンジの一端部へ一体に形成されているので部品点数がそれだけ少なくなり、組立工程も少なくなる。したがって、製造コストが低減される。
 図1は本考案に係るヒンジを使用した折り畳み式携帯電話機の斜視図、図2は図1の携帯電話機のヒンジ部分の拡大断面図、図3は図2のヒンジの矢印A−Aに沿う断面図、図4は図2のヒンジの組立状態の斜視図、図5は図4のヒンジの分解斜視図である。
 ヒンジは図1のように、折り畳み式携帯電話機の送話側筐体である第1の揺動体6と受話側筐体である第2の搖動体7とを折り畳み可能に連結しており、キャップ5を除いて両搖動体6,7の連結部へ内臓状態に取り付けられている。
 1は外周部に第1の揺動体6への取付部11を有する軸受体であり、全体として円筒状に形成されていて導電性を有している。軸受体1の内周面は耐磨耗性を有し、その内周部には所定の角度(この実施形態では180°)間隔に、軸線方向に沿って断面凹円弧状の溝からなる摺動子係止部10,10が形成されている。
 軸受体1は、導電性を付与したポリアセタール等の硬質合成樹脂製の本体1aと、その内周面に挿入・定着されたスレンレス等の耐磨耗性を有する金属製の筒からなる内面シート1bとから構成されており、内面シート1bには対称位置に溝状の摺動子係止部10,10が、本体1aの内周部には摺動子係止部10,10が嵌まる溝10a,10a(図3)がそれぞれ形成されている。
 取付部11は、図3〜図5で示されているように軸受体1の本体1aの外周面へ軸方向に沿って形成された凹凸(溝と突条)である。この凹凸状の取付部11は、図2で示す第1の揺動体6の円筒部60の内周部へ軸方向に沿って形成された図示しない軸方向の凹凸と嵌まり合っていることにより、軸受体1と第1の揺動体6とが一体に回転する。
 ヒンジは軸受体1における本体1aの一端部が外部から見える状態に取り付けられており、当該一端部にはヒンジを隠蔽する任意形状のキャップ5が一体に形成されている。
 2は導電性が付与されたポリアセタール等の硬質合成樹脂製の軸体であり、前記キャップ5の位置とは反対側の端部にフランジ22が形成され、このフランジ22以外の部分は軸受体1の内部へ相対回転できるようにかつ抜け止め状に挿入されている。
 この実施形態では、軸体2の端部に軸方向のすり割りによって二分割された係止突起24を形成し、図2のようにこの係止突起24を軸受体1の一端側に形成された内側フランジ12へ係止することにより、軸体2を軸受体1に対して抜け止め状にしている。
 軸体2のフランジ22には、携帯電話機の受話側筐体である第2の揺動体7への取付部21が形成されている。この取付部21は図4及び図5のようにフランジ22へ軸方向に沿って形成された凹凸(溝と突条)であり、この凹凸状の取付部21が第2の揺動体7の円筒部70の内周部へ形成された軸方向に沿う凹凸と嵌まり合っていることにより、軸体2と第2の揺動体7とが一体に回転する。
 フランジ22の端部には、軸方向のすり割によって四分割された係止突起23が形成されており、図2のように、この係止突起23を第2の揺動体7の円筒部70内に形成された内側フランジ71に係止させることにより、軸体2を第2の揺動体7の円筒部70ヘ抜け止め状に取り付けいる。
 軸体2の軸受体1に挿入される部分には、軸心と直角に交差し相対回転時に軸受体1の摺動子係止部10を含む軌道を通過するように、一端部が周方向に開放された収容部20が軸方向に沿って縦長に形成されている。この収容部20には、二つのコイルばね3(この実施形態ではピアノ線が使用されている。)が隔壁20b(図2)を介して並べて収容され、これらのコイルばね3は、後述の耐磨耗性を有する金属製の摺動子4を収容部20から周方向へ押し出すように付勢している。
 摺動子4は収容部20とほぼ適合する軸方向の長さを有し、各コイルばね3の弾力を受けて軸受体1の内周面と回転方向に摺接しており、軸受体1の内周面と摺接する先端部は軸方向と直交する断面が円弧状を呈するように形成されている。
 摺動子4のコイルばね3と接触する部分は平面であって、この平面にはそれぞれ対応するコイルばね3の内側に案内されるピン40,40が一体に形成されている。
 各ピン40の末端部には小径部40aが形成され、当該小径部40aを収容部20の底部に形成されたそれぞれのガイド孔20a(図2、図3)へ可動状態に案内することにより、摺動子4の周方向への進退作動の安定性を図っている。
 前記摺動子4の材質は、クロムモリブデン鋼又はニッケルクロムモリブデン鋼であり、金属射出成形法(MIM)によって成形される。
 この実施形態のヒンジは以下の要領で組み立てられる。
 先ず軸受体1の本体1a内に内面シート1bを押し込んで軸受体1を組み立て、軸体2の収容部20へ各コイルばね3を挿入し、その上から各コイルばね3内にピン40,40を案内しつつ摺動子4を収容部20内に挿入する。この状態で軸体2を軸受体1内に押し込み、軸受体1の内側フランジ12へ軸体2の係止突起24を係止させると、図4のようにキャップ5を一体に有する軸受体1,軸体2,コイルばね3及び摺動子4とが一体化する。
 このように組み立てられたヒンジは携帯電話機の組立工場へ送られ、組立工場では、送話側筐体である第1の搖動体6と受話側筐体である第2の搖動体7とを図1のように組み合わせ、この状態で前述のように一体化したヒンジを両搖動体6,7の連結部へ側方より図2の状態になる(軸体2の係止突起23が第2の搖動体7における円筒部70の内側フランジ71へ係止される)まで押し込み、第1の揺動体6と第2の揺動体7とを折り畳み可能に連結する。
 前記実施形態のヒンジは、例えば第2の揺動体7が第1の揺動体6に対して開閉方向に揺動する際、摺動子4がコイルばね3により軸受体1の内周面に接触して所定圧力で押し付けられているので制動される。摺動子4の先端部が摺動子係合部10の位置に達すると当該摺動子係止部10へ係止され、揺動体7がクリックされてその揺動が停止する。揺動体7を所定以上の力で逆方向に揺動させると、摺動子4が摺動子係合部10から脱出して揺動体7はクリック状態から開放され、所定の圧力で制動された状態で復帰方向に揺動し、摺動子4の先端部が反対側の摺動子係止部10へ係止されることにより、第2の揺動体7が第1の揺動体6に対してクリックされる。
 折り畳み式携帯電話機には筐体である両揺動体6,7に設けられた図示しないストッパにより、第2の搖動体7を第1の搖動体6に対して折り畳み状態から160°程度開いたとき、摺動子4の先端部が一方の摺動子係止部10内に一部入り込んだ状態でクリックされる。他方、第2の搖動体7を第1の搖動体6に対して折り畳み方向へ揺動させたときは、完全な折り畳み状態で摺動子4の先端部が他方の摺動子係止部10内に一部入り込んだ状態でクリックされるようになっている。
 前記実施形態のヒンジによれば、当該ヒンジにより第1の搖動体6と第2の搖動体7とを折り畳み可能に連結した状態において、外側から見える軸受体1の端部にキャップ5を一体に形成したので、キャップ5が独立の部品を構成せず、それだけ部品点数が少なくなり、組立工程数も少なくなる。したがって、製造コストがその分低減される。
 軸受体1の取付部11や軸2の取付部21は、軸受体1や軸2を揺動体へ一体回転するように取り付けることができる構造であれば、前述のような溝でなく他の構成であっても差し支えない。
 同一円周上の摺動子係止部10相互の角度間隔は、第1の揺動体6と第2の揺動体7との設計上の揺動範囲により適宜設定される。
 キャップ5の平面形状やサイズは、ヒンジの端部を隠蔽できれば特に限定されず、揺動体の外形やサイズ及び化粧上の観点から任意に選択することができる。
本考案に係る一実施形態のヒンジを使用した折り畳み式携帯電話機の斜視図である。 図1の携帯電話機のヒンジ部分の拡大断面図である。 図2のヒンジの矢印A−Aに沿う断面図である。 図2のヒンジの組立状態の斜視図である。 図4のヒンジの分解斜視図である。
符号の説明
1 軸受体
1a 本体
1b 内装シート
10 摺動子係合部
11 取付部
12 内側フランジ
2 軸体
20 収容部
21 取付部
22 フランジ
23,24 係止突起
3 コイルばね
4 摺動子
40 ピン
40a 小径部
5 キャップ
6 第1の揺動体
60 円筒部
7 第2の揺動体
70 円筒部
71 内側フランジ

Claims (5)

  1. 一端部が外側から見える状態で第1の搖動体(6)と第2の搖動体(7)とを折り畳み可能に連結するヒンジであって、前記一端部に当該一端部を隠蔽するキャップ(5)を一体に形成したことを特徴とするヒンジ。
  2. 前記ヒンジは、外周部に第1の揺動体(6)への取付部(11)を有する軸受体(1)と、第2の搖動体(7)への取付部(21)を有するとともに当該取付部(21)が他端部から露出する状態で前記軸受体(1)へ抜け止め状にかつ相対回転可能に挿入された軸体(2)とを備え、前記キャップ(5)を前記軸受体(1)へ一体に形成したことを特徴とする請求項1に記載のヒンジ。
  3. 前記軸受体(1)は、硬質合成樹脂製の本体(1a)と、当該本体(1a)の内周面に定着された耐磨耗性を有する金属製の内面シート(1b)とから構成されているとともに、内周部に所定の角度をもって離れた位置に断面円弧状の溝からなる摺動子係止部(10,10)が軸方向に沿って形成され、前記軸体(2)は、軸心と直角に交差しかつ相対回転時に前記摺動子係止部(10)を含む軌道を通過するように一端部が外周方向へ向けて開放された収容部(20)を有し、前記収容部(20)には、コイルばね(3)と、当該コイルばね(3)により先端部が前記軸受体(1)の内周面へ押し付けられるように付勢された耐磨耗性の摺動子(4)とが収容され、前記摺動子(4)は、前記コイルばね(3)の内側に案内されるピン(40)を有するとともにその先端部は前記軸体(2)の軸方向と直交する断面が円弧状に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のヒンジ。
  4. 前記摺動子(4)は、前記軸方向に沿って長く形成されていて前記ピン(40)を前記軸方向に沿って並ぶように少なくとも二本有し、前記収容部(20)内には内部に前記ピン(40)がそれぞれ案内された状態で複数のコイルばね(3)が隔壁(20b)を介して並べて収容されていることを特徴とする、請求項3に記載のヒンジ。
  5. 前記ピン(40)の末端部には小径部(40a)が形成され、当該小径部(40a)は前記収容部(20)の内底部に形成されたガイド孔(20a)内に可動状態に案内されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載のヒンジ。
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