JP4416735B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置に関し、特に、DLL(Delay Locked Loop)回路に用いて好適なものである。
DDR(Double Data Rate)メモリなどのクロック信号に同期してデータを読み書き可能なメモリのインタフェース等として、DLL(Delay Locked Loop)回路が用いられている。DLL回路は、PLL(Phase Locked Loop)の機能を利用して、入力された信号が出力されるまでの遅延時間(出力ディレイ)を調整している。すなわち、DLL回路は、外部からの基準クロック信号と内部の電圧制御発振回路にて生成するクロック信号を比較して当該クロック信号の発振周波数を制御し、この制御に係る信号を用いて遅延時間を調整する。
しかしながら、通常、DLL回路等の半導体装置が有する電圧制御発振回路は1つである。そのため、従来においては、内部で生成可能なクロック信号の発振周波数の範囲は限られており、DLL回路にて対応可能な基準クロック信号の範囲も限られていた。
このような問題を解決する1つの方法として、電圧制御発振回路が有するリング発振回路(インバータ回路が従属接続されたインバータチェーン)内にセレクタを設け、段数の切り換え制御を可能にした電圧制御発振回路があった(例えば、特開平5−343956号公報(特許文献1)参照。)。
また、従来の電圧制御発振回路においては、リング発振回路内のインバータ回路の出力に対し、一端が接地された容量を適宜接続できるようにして、インバータ回路の出力における負荷容量を増加させることで発振周波数を調整できるようにしたものがあった(例えば、特開平8−102643号公報(特許文献2)参照。)。
しかしながら、特開平5−343956号公報に記載された電圧制御発振回路は、段数制御を行うためのセレクタがリング発振回路のループ内にある。そのため、図9A、図9Bに示すように5:5となるべき生成するクロック信号のデューティ比が、図9C、図9Dに示すように崩れてしまうおそれがあるという問題があった。生成するクロック信号のデューティ比が崩れることにより、特に図9Dに示すように高速動作時に多大な障害を生じさせてしまうおそれがある。例えば、DLL回路に用いた場合には、高速動作において遅延時間を制御することができなくなるおそれがある。
また、リング発振回路内のインバータ回路の出力に、一端が接地された容量を適宜接続できるようにして発振周波数を調整できるようにした電圧制御発振回路においては、以下の図10A、図10Bを参照して説明するような問題があった。
図10Aにおいて、電源ラインVdd及び接地ラインVssに接続されたインバータ回路I101は、入力される入力信号Vinを反転して出力ノードVaに出力する。また、インバータ回路I101の出力は、制御信号VContがゲートに供給されるトランジスタT101を介して、一端が接地された容量C2の他端に接続されている。この制御信号VContによりトランジスタT101をオン/オフ制御することで、インバータ回路I101の出力における負荷容量を制御している。ここで、トランジスタT101においては、図10Bに示すように寄生容量Ca、Cbが存在し、この容量はバルク容量であるので基本的に容量は大きい。図10Bにおいて、102はドレイン、103はソース、104はゲートである。
したがって、リング発振回路内のインバータ回路の出力に、一端が接地された容量を適宜接続できるようにした電圧制御発振回路においては、インバータ回路I101の出力に対して、トランジスタT101がオフ状態のときにはバルク容量Caが付加され、トランジスタT101がオン状態のときには容量C2に加えバルク容量Ca、Cbが付加される。上述したようにバルク容量Ca、Cbは基本的に容量が大きいので、微小な発振周波数、すなわち遅延時間の微小な制御を行うことが困難である。
特開平5−343956号公報 特開平8−102643号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、動作速度が高速であっても、入力された信号が出力されるまでの遅延時間を任意に調整できるようにすることを目的とする
本発明の半導体装置は、基準クロック信号と帰還クロック信号との位相を比較する位相比較回路と、上記位相比較回路での比較結果に基づいて上記遅延時間を制御する遅延制御信号を出力する発振回路と、上記遅延制御信号に基づいて上記入力信号を遅延させる遅延回路とを備える。そして、発振回路は、位相比較回路での比較結果に基づいて発振周波数が制御可能であるとともに、上記発振周波数が異なる互いに独立した複数の内部発振回路と、上記複数の内部発振回路の出力のうち1つの出力を上記帰還クロック信号として選択的に出力するための選択回路とを有する。また、選択回路は、すべての内部発振回路の出力と当該出力の選択に係る選択信号が入力され、当該選択信号に応じて上記内部発振回路の出力を帰還クロック信号として選択的に出力する。また、内部発振回路は、従属接続された複数かつ奇数個の反転出力の論理ゲートであって、上記従属接続を2個に分離する、初段又は終段の反転出力の論理ゲートの一方が含まれる第1部分と、初段又は終段の反転出力の論理ゲートの他方が含まれ、かつ従属接続された少なくとも2個の反転出力の論理ゲートが含まれる第2部分とを有する論理ゲートと、上記第1部分において上記従属接続された反転出力の論理ゲートの初段から奇数番目の反転出力の論理ゲートの出力端に、上記従属接続に対して並列に接続された第1の負荷容量回路と、上記第2部分において上記従属接続された反転出力の論理ゲートの初段から偶数番目の反転出力の論理ゲートの出力端に、上記従属接続に対して並列に接続された第2の負荷容量回路とを有する。
発明によれば、位相比較回路での比較結果に応じて発振周波数を制御可能な内部発振回路がそれぞれ独立して設けられ、その中の1つの内部発振回路の出力を帰還クロック信号として出力できるようになる。これにより、動作速度が高速であってもデューティ比が崩れていない帰還クロック信号を出力することができ、入力された信号が出力されるまでの遅延時間を任意に調整することができる。また、発振周波数が異なる複数の内部発振回路を設けたことにより、さまざまな周波数の基準クロック信号に対応することができる
本発明によれば独立した内部発振回路の出力が帰還クロック信号として出力されるので、動作速度が高速であってもデューティ比が崩れていない帰還クロック信号を出力することができ、入力信号に係る遅延時間を任意に調整することができる。また、内部発振回路の従属接続された反転出力の論理ゲートの初段から奇数番目の反転出力の論理ゲートの出力端、及び偶数番目の反転出力の論理ゲートの出力端に各々接続された負荷容量回路を設けることで、遅延時間をより微小に制御することができ、遅延時間を高い精度で調整することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態による半導体装置を適用したDLL(delay locked loop)回路の一構成例を示すブロック図である。本実施形態におけるDLL回路は、位相比較回路11、フィルタ回路(Low Pass Filter)14、電圧制御発振回路(VCO)15、及び遅延回路(Delay module)16を有する。
位相比較回路11は、基準クロック信号であるリファレンスクロック信号FINと帰還クロック信号である遅延クロック信号FBが入力される。ここで、リファレンスクロック信号FINは外部から供給される信号であり、遅延クロック信号FBは電圧制御発振回路15から供給される信号である。位相比較回路11は、この2つのクロック信号FINとFBの位相を比較して、比較結果に応じた電圧信号CPOをフィルタ回路14に出力する。
具体的には、位相比較回路11は、位相比較部(Phase Comparator)12とチャージポンプ(Charge Pump)13を有する。位相比較部12は、リファレンスクロック信号FINと遅延クロック信号FBが入力され、入力されたクロック信号FINとFBの位相を比較する。また、位相比較部12は、比較結果に応じてアップ信号UP、ダウン信号DOWNをチャージポンプ13に出力する。チャージポンプ13は、アップ信号UP及びダウン信号DOWNに従って電圧信号CPOの出力電圧を変化させ出力する。
フィルタ回路14は、入力される電圧信号CPOにフィルタ処理を施し、そのフィルタ出力を電圧信号VCIとして電圧制御発振回路15に出力する。フィルタ回路14は、通常、ローパスフィルタで構成される。
電圧制御発振回路15は、入力される電圧信号VCIの電圧、すなわち位相比較回路11での比較結果に応じた発振周波数の遅延クロック信号FBを出力するとともに、電圧信号VCIの電圧に応じた遅延制御信号PC、NCを出力する。また、電圧制御発振回路15は、選択信号SEL及び容量制御信号COが入力される。なお、電圧制御発振回路15の詳細については後述する。
遅延回路16は、外部から入力信号DLLIが入力されるとともに、電圧制御発振回路15から遅延制御信号PC、NCが入力される。遅延回路16は、遅延制御信号PC、NCに応じて入力信号DLLIを所定時間遅延させた後、出力信号DLLOとして出力する。遅延回路16の詳細については後述する。
図2は、電圧制御発振回路15の構成例を示すブロック図である。
電圧制御発振回路15は、1つのカレントミラー回路21と、インバータ回路I1、I2、I3、…により構成された複数のリング発振回路と、1つのセレクタ22とを有する。
カレントミラー回路21は、電圧信号VCIが入力され、電圧信号VCIに応じた電圧の遅延制御信号PC、NCを出力するものであり、例えば図3Aに示すように構成される。上記遅延制御信号PC、NCは、インバータ回路I1、I2、I3、…に供給されるとともに、図1に示した遅延回路16に供給される信号である。
図3Aは、カレントミラー回路21の回路構成を示す図である。図3Aにおいて、T31及びT33はPチャネル型MOSトランジスタであり、T32及びT34はNチャネル型MOSトランジスタである。トランジスタT31、T33のソースが電源VDDに対して接続され、トランジスタT32、T34のソースがグランドレベルに対して接続される(接地される)。トランジスタT32のゲートに電圧信号VCIが供給される。
トランジスタT31のドレインがトランジスタT32のドレインに接続され、トランジスタT31、T33のゲートがトランジスタT31とT32のドレインの相互接続点に接続される。また、トランジスタT31とT32のドレインの相互接続点には、遅延制御信号PCの出力信号線が接続される。
同様に、トランジスタT33のドレインがトランジスタT34のドレインに接続され、トランジスタT34のゲートがトランジスタT33とT34のドレインの相互接続点に接続される。また、トランジスタT33とT34のドレインの相互接続点には、遅延制御信号NCの出力信号線が接続される。
図2に戻り、電圧制御発振回路15が有する複数のリング発振回路は、互いに異なる段数であり、それぞれが独立している。図2に示すように、1つのインバータ回路I1は、出力をその入力に帰還させることで1段のリング発振回路を構成し、従属接続された3つのインバータ回路I2、I3、I4は、最終段のインバータ回路I4の出力を1段目のインバータ回路I2の入力に帰還させることで3段のリング発振回路を構成する。
同様に、従属接続された5つのインバータ回路I5、I6、I7、I8、I9は、最終段のインバータ回路I9の出力を1段目のインバータ回路I5の入力に帰還させることで5段のリング発振回路を構成する。
すなわち、電圧制御発振回路15においては、(2m−1)個(mの値は自然数であり、リング発振回路毎に互いに異なる)、つまり奇数個のインバータ回路が従属されたインバータチェーンにて、最終段のインバータ回路の出力を1段目のインバータ回路に帰還させることで段数の異なるリング発振回路が構成されている。
ここで、リング発振回路を構成するインバータ回路I1、I2、I3、…には、遅延制御信号PC、NCがそれぞれ供給されている。
図3Bは、リング発振回路を構成するインバータ回路の回路構成を示す図である。図3Bにおいて、T35及びT36はPチャネル型MOSトランジスタであり、T37及びT38はNチャネル型MOSトランジスタである。
トランジスタT35のソースが電源VDDに対して接続され、ドレインがトランジスタT36のソースに接続される。トランジスタT38のソースがグランドレベルに対して接続され(接地され)、ドレインがトランジスタT37のソースに接続される。トランジスタT36のドレインとトランジスタT37のドレインが接続され、その相互接続点が出力ノードOUTとなる。
また、トランジスタT35のゲートには遅延制御信号PCが供給され、トランジスタT38のゲートには遅延制御信号NCが供給される。トランジスタT36、T37のゲートには入力信号INが供給される。
上述のようにインバータ回路I1、I2、I3、…を構成することで、トランジスタT35、T38が遅延制御信号PC、NCにより制御される可変抵抗のように作用し、遅延制御信号PC、NCの電圧に応じてトランジスタT35、T38における電流量が制御される。これにより、トランジスタT36、T37にかかる電圧が変化し、インバータ回路の遅延時間が変化する。つまり、遅延制御信号PC、NCの電圧によりインバータ回路の遅延時間が制御される。したがって、位相比較回路11での比較結果を示す電圧信号VCIに基づく遅延制御信号PC、NCによりリング発振回路の発振周波数が制御可能となる。
セレクタ(選択回路)22は、リング発振回路における最終段のインバータ回路I1、I4、I9の出力、すなわち互いに独立している複数のリング発振回路の発振出力がそれぞれ入力される。セレクタ22は、外部から供給される選択信号SELに従って、入力された発振出力から1つの発振出力を選択し遅延クロック信号FBとして選択的に出力する。
なお、図2においては、一例として1段、3段、及び5段のリング発振回路を示しているが、これに限定されるものではなく、電圧制御発振回路15はさらに任意の奇数段(例えば、7段、9段、…)のリング発振回路を有するようにしても良い。
図4は、遅延回路16の構成例を示すブロック図である。
遅延回路16は、従属された偶数個のインバータ回路I41〜I46(インバータチェーン)により構成される。
遅延回路16は、1段目のインバータ回路I41の入力として入力信号DLLIが供給され、この出力を次段のインバータ回路I42の入力として供給する。以降同様に、各インバータ回路の出力を次段のインバータ回路の入力として供給する。そして、最終段のインバータ回路I46の出力を出力信号DLLOとして出力する。
また、各インバータ回路I41〜I46は、遅延制御信号PC、NCが供給されるとともに、上記図3Bに示したインバータ回路と同様に構成される。したがって、遅延制御信号PC、NCの電圧により各インバータ回路I41〜I46の遅延時間を制御することで、遅延回路16全体での遅延時間が制御可能となる。
次に、動作について説明する。
まず、位相比較回路11内の位相比較部12は、入力されたリファレンスクロック信号FINと遅延クロック信号FBの位相を比較し、アップ信号UP及びダウン信号DOWNによりチャージポンプ13に比較結果を供給する。チャージポンプ13は、アップ信号UP及びダウン信号DOWNに従って、電圧信号CPOの出力電圧を変化させる。なお、位相比較部12にてクロック信号FINとFBの位相を比較した結果、一致している場合にはアップ信号UP及びダウン信号DOWNは出力されず(活性化されず)、チャージポンプ13から出力される電圧信号CPOの出力電圧は変化しない。
次に、フィルタ回路14は、電圧信号CPOをフィルタ処理し電圧信号VCIとして電圧制御供給回路15に出力する。電圧制御供給回路15内のカレントミラー回路21は、電圧信号VCIの電圧に応じた遅延制御信号PC、NCを生成し、リング発振回路を構成するインバータ回路I1、I2、I3、…、及び遅延回路16に供給する。
これにより、遅延制御信号PC、NCに応じた発振周波数の発振信号が電圧制御発振回路15内の複数のリング発振回路からそれぞれ出力される。セレクタ22は、選択信号SELに応じて複数のリング発振回路から出力される発振信号の何れか1つを選択し、選択した発振信号を遅延クロック信号FBとして出力する。
以上の動作を繰り返し行うことで、リファレンスクロック信号FINに一致した遅延クロック信号FBが得られる。すなわち、リファレンスクロック信号FINと遅延クロック信号FBが一致しない場合には、電圧信号VCIがリファレンスクロック信号FINと遅延クロック信号FBのずれに応じて変化し、それに伴って遅延制御信号PC、NCが変化する。これにより、複数のリング発振回路を構成するインバータ回路I1、I2、I3、…の遅延時間が変化して遅延クロック信号FBとして出力される発振信号の発振周波数が、ずれが小さくなるように変化する。
一方、リファレンスクロック信号FINと遅延クロック信号FBが一致している場合には、電圧信号VCI及び遅延制御信号PC、NCに変化は生じない。したがって、複数のリング発振回路を構成するインバータ回路I1、I2、I3、…の遅延時間も変化せず、リファレンスクロック信号FINに一致した遅延クロック信号FBが出力される。
また、本実施形態におけるDLL回路では、互いに段数が異なるとともに独立した複数のリング発振回路からそれぞれ出力される発振信号から1つの発振信号をセレクタ22により選択的に出力することが可能である。したがって、高速動作が要求されるような場合であっても、セレクタ22によりリング発振回路(インバータチェーン)の段数を制御し、位相比較回路11でのロックタイミングを調整することが可能となる。また、ロックすることができるリファレンスクロック信号の周波数範囲も広くなる。
ここで、遅延回路16における遅延時間は、電圧制御発振回路15内の複数のリング発振回路と同様に遅延制御信号PC、NCにより制御される。したがって、リング発振回路(インバータチェーン)の段数を制御して位相比較回路11でのロックタイミングを調整することにより、遅延回路16全体での遅延時間も制御可能となる。
さらに、電圧制御発振回路15内の複数のリング発振回路(インバータチェーン)に対して、図5Aに示すように負荷容量回路51、52を設けることにより、位相比較回路11でのロックタイミング、つまり遅延回路16全体での遅延時間をさらに細かく調整することが可能になる。
図5Aは、リング発振回路を構成するインバータチェーンでの遅延時間を負荷容量により制御する場合の回路構成を示す図である。
図5Aにおいて、各インバータ回路I51〜I59は、遅延制御信号PC、NCがそれぞれ供給され、上記図3に示したインバータ回路と同様に構成される。インバータ回路I51〜I59は、従属接続されている。
また、51、52は負荷容量回路である。負荷容量回路51は、出力が開放された複数の論理ゲート(NAND回路)NA0、NA1、NA2、…により構成される。NAND回路NA0、NA1、NA2、…の一方の入力は容量制御信号Co0、Co1、Co2、…が供給され、他方の入力はインバータチェーンにおける奇数番目のインバータ回路(図5Aにおいてはインバータ回路I51、I53)の出力端とその次段のインバータ回路の入力端の相互接続点に接続される。
ここで、負荷容量回路51は、容量制御信号Co0が供給されるNAND回路NA0を1(=20)個、容量制御信号Co1が供給されるNAND回路NA1を2(=21)個、容量制御信号Co2が供給されるNAND回路NA2を4(=22)個有する。したがって、負荷容量回路51により遅延時間を変化させる際には、2進制御により直線的に変化させることができる。
また、負荷容量回路52は、複数のNAND回路NB0、NB1、NB2、…の他方の入力がインバータチェーンにおける偶数番目のインバータ回路(図5Aにおいてはインバータ回路I56、I58)の出力端とその次段のインバータ回路の入力端の相互接続点に接続される点が異なるだけで、負荷容量回路51と同様であるので説明は省略する。
図5Bは、負荷容量回路51、52が有するNAND回路の構成を模式的に示す図である。
図5Bにおいて、55、56は上記図3Bと同様に構成されたインバータ回路である。57はNAND回路であり、2つのPチャネル型トランジスタT51、T52と、2つのNチャネル型トランジスタT53、T54により構成される。
トランジスタT51、T52のソースが電源VDDに対して接続され、ドレインがトランジスタT53のドレインに共通接続される。トランジスタT53のソースがトランジスタT54のドレインに接続され、トランジスタT54のソースがグランドレベルに対して接続される(接地される)。また、トランジスタT51、T53のゲートが、インバータ回路55の出力端とインバータ回路56の入力端との相互接続点に接続され、トランジスタT52、T54のゲートに容量制御信号COが供給される。
また、C1、C2は、それぞれトランジスタT51、T53において、ゲートとドレインとの間に形成される酸化膜容量である。本実施形態における負荷容量回路では、この酸化膜容量C1、C2を用いて負荷容量を制御する。これにより、従来のバルク容量(寄生容量)を用いた負荷容量の制御に比べて、微小な容量の制御が可能になる。
次に、図6A〜図6C及び図7A〜図7Cを参照して原理を説明する。
なお、図6A、図6B、図7A、及び図7Bにおいて、信号SIGはインバータ回路(リング発振回路)から供給される信号である。
図6A、図6Bは、容量制御信号COがロウレベル(L)であるときの負荷容量の変化を説明するための図である。
容量制御信号COがL、かつ信号SIGがハイレベル(H)である場合には、図6Aに示すようにトランジスタT52、T53がオン状態となり、トランジスタT51、T54がオフ状態となる。このとき、ノードN61のレベルはHである。
一方、容量制御信号COがL、かつ信号SIGがLである場合には、図6Bに示すようにトランジスタT51、T52がオン状態となり、トランジスタT53、T54がオフ状態となる。このとき、ノードN61のレベルはHである。
ここで、Q=CVとし、さらに説明を簡単にするためにV=1(V)とする。容量制御信号COがLの状態で信号SIGがHからLに変化するときには、容量C1、C2の両端に電位差が生じることでインバータ回路に負荷がかかる(C=−Q)。一方、信号SIGがLからHに変化するときには、容量C1、C2の両端に電位差が生じないため負荷がかからない。
したがって、容量制御信号COがLの場合には、図6Cに示すようにクロック信号RCLKは、HからLに変化するとき、すなわち立下り時のみ遅延時間D61だけ遅延する。なお、図6Cにおいて、MCLKは、理想的な状態を仮定したとき(何ら信号に影響を及ぼすものがないとしたとき)のクロック信号であり、RCLKが負荷容量回路としてのNAND回路を設けたときのクロック信号である。
図7A、図7Bは、容量制御信号COがHであるときの負荷容量の変化を説明するための図である。
容量制御信号COがH、かつ信号SIGがHである場合には、図7Aに示すようにトランジスタT53、T54がオン状態となり、トランジスタT51、T52がオフ状態となる。このとき、ノードN61のレベルはLである。
一方、容量制御信号COがH、かつ信号SIGがLである場合には、図7Bに示すようにトランジスタT51、T54がオン状態となり、トランジスタT52、T53がオフ状態となる。このとき、ノードN61のレベルはHである。
上記図6A〜図6Cと同様に考えると、容量制御信号COがHの状態で信号SIGがHからLに変化するときには、容量C1、C2の両端に電位差が生じることでインバータ回路に負荷がかかる(C=−Q)。また、信号SIGがLからHに変化するときも、容量C1、C2の両端に電位差が生じることで負荷がかかる(C=+Q)。
したがって、容量制御信号COがHの場合には、図7Cに示すようにクロック信号RCLKは、HからLに変化するとき(立下り時)に遅延時間D62だけ遅延するとともに、LからHに変化するとき(立ち上がり時)に遅延時間D63だけ遅延する。
また、以上の説明からわかるように、容量制御信号COがLの場合には片側エッジ(立下り時)にのみ遅延が付加され、容量制御信号COがHの場合には両エッジ(立下り時及び立ち上がり時)に遅延が付加される。この不都合を解消するために、本実施形態においては2つの負荷容量回路51、52を設け、同一時間にてインバータ回路の出力が逆相の関係となるノード、すなわち奇数番目及び偶数番目のインバータ回路の出力に対して負荷容量回路51、52を1つずつ接続している。これにより、両エッジに同等の遅延を付加することができる。
上述した図5Aに示す負荷容量回路51、52を電圧制御発振回路15が有する複数のリング発振回路にそれぞれ設け、容量制御信号COによりリング発振回路における負荷容量を制御することにより、位相比較回路11でのロックタイミングの微小な調整が可能となり、遅延回路16全体での遅延時間をさらに細かく調整することができる。
例えば、セレクタ22でのリング発振回路(インバータチェーン)の段数制御により制御可能な遅延時間の値DT1、DT2、DT3、…に対し、それぞれの値DT1、DT2、DT3、…の間を等間隔に分割した遅延時間の値を容量制御信号COに基づく負荷容量回路51、52の容量制御により制御可能にすると、位相比較回路11でのロックタイミングを線形的に調整することができる。
例えば、図8に示すように、遅延時間をDT1、DT2、DT3にする場合には、セレクタ22での段数制御、すなわち選択信号SELに基づく制御のみで遅延時間を制御し、遅延時間DT1、DT2、DT3の間の遅延時間にする場合には、セレクタ22での段数制御に加え、容量制御信号COに基づく容量の2進制御により遅延時間を制御することができる。なお、図8において、縦軸は遅延時間であり、横軸は制御情報(制御値)である。
以上、説明したように本実施形態によれば、電圧制御発振回路15内に互いに異なる段数の独立した複数のリング発振回路を設け、選択信号SELに応じてセレクタ22により何れか1つのリング発振回路の出力を帰還クロック信号FBとして選択的に出力する。これにより、独立しているリング発振回路の出力が常に帰還クロック信号として出力されるので、動作速度が高速であってもデューティ比が崩れていない帰還クロック信号を出力することができ、入力信号DLLIが出力信号DLLOとして出力されるまでの遅延時間を任意に調整することができる。
また、電圧制御発振回路15内に互いに異なる段数の独立した複数のリング発振回路を設け、リング発振回路の段数を選択信号SELにより制御することで、帰還クロック信号として出力されるクロック信号の周波数範囲が広がり、対応可能な(ロック可能な)リファレンスクロック信号の周波数範囲が増大する。例えば、リファレンスクロック信号の周波数が異なるさまざまなDDRメモリのインタフェースとして容易に利用することができる。
なお、上述した本実施形態では、電圧制御発振回路15内の複数のリング発振回路の出力をセレクタ22により選択的に出力することで、リング発振回路の段数を制御するようにしているが、カレントミラー回路21とリング発振回路との間にセレクタを設け、複数のリング発振回路の何れか1つにのみ遅延制御信号PC、NCを供給し(遅延制御信号PC、NCを活性化させ)、他のリング発振回路は動作を停止させる(遅延制御信号PC、NCを不活性状態にする)ようにしても良い。
また、本実施形態では、電圧制御発振回路15内の複数のリング発振回路は、インバータ回路を用いて構成しているが、これに限定されず、入力信号を反転して出力する反転出力の論理ゲートを用いて構成できるものであり、例えば一方の入力を固定したNAND回路、NOR回路等を用いて構成しても良い。
また、本実施形態では、電圧制御発振回路15内の複数のリング発振回路にのみ負荷容量回路51、52を設けるようにしているが、遅延回路16内のインバータチェーンに同様の負荷容量回路を設けるようにしても良い。
また、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の実施形態による半導体装置を適用したDLL回路の一構成例を示すブロック図である。 本実施形態における電圧制御発振回路の構成例を示すブロック図である。 カレントミラー回路の回路構成を示す図である。 インバータ回路の回路構成を示す図である。 遅延回路の構成例を示す図である。 遅延時間を負荷容量により制御する際の回路構成例を示す図である。 負荷容量としてのNAND回路の構成を示す図である。 容量制御信号がLであるときの負荷容量の変化を説明するための図である。 容量制御信号がLであるときの負荷容量の変化を説明するための図である。 容量制御信号がLであるときの負荷容量の変化を説明するための図である。 容量制御信号がHであるときの負荷容量の変化を説明するための図である。 容量制御信号がHであるときの負荷容量の変化を説明するための図である。 容量制御信号がHであるときの負荷容量の変化を説明するための図である。 本実施形態における遅延時間制御の一例を示す図である。 従来の電圧制御発振回路での問題点を説明するための図である。 従来の電圧制御発振回路での問題点を説明するための図である。 従来の電圧制御発振回路での問題点を説明するための図である。 従来の電圧制御発振回路での問題点を説明するための図である。 従来の容量を用いて遅延時間の制御を行う回路を示す図である。 従来の容量を用いて遅延時間の制御を行う回路を示す図である。

Claims (7)

  1. 入力信号が入力された後、出力されるまでの遅延時間を調整する半導体装置であって、
    基準クロック信号と帰還クロック信号との位相を比較する位相比較回路と、
    上記位相比較回路での比較結果に基づいて上記遅延時間を制御する遅延制御信号を出力する発振回路と、
    上記遅延制御信号に基づいて上記入力信号を遅延させる遅延回路とを備え、
    上記発振回路は、上記位相比較回路での比較結果に基づいて発振周波数が制御可能であるとともに、上記発振周波数が異なる互いに独立した複数の内部発振回路と、
    上記複数の内部発振回路の出力のうち1つの出力を上記帰還クロック信号として選択的に出力するための選択回路とを有し、
    上記選択回路は、すべての上記内部発振回路の出力と当該出力の選択に係る選択信号が入力され、当該選択信号に応じて上記内部発振回路の出力を上記帰還クロック信号として選択的に出力し、
    上記内部発振回路は、
    従属接続された複数かつ奇数個の反転出力の論理ゲートであって、上記従属接続を2個に分離する、初段又は終段の反転出力の論理ゲートの一方が含まれる第1部分と、初段又は終段の反転出力の論理ゲートの他方が含まれ、かつ従属接続された少なくとも2個の反転出力の論理ゲートが含まれる第2部分とを有する論理ゲートと、
    上記第1部分において上記従属接続された反転出力の論理ゲートの初段から奇数番目の反転出力の論理ゲートの出力端に、上記従属接続に対して並列に接続された第1の負荷容量回路と、上記第2部分において上記従属接続された反転出力の論理ゲートの初段から偶数番目の反転出力の論理ゲートの出力端に、上記従属接続に対して並列に接続された第2の負荷容量回路とを有することを特徴とする半導体装置。
  2. 上記複数の内部発振回路は、互いに異なる奇数個の反転出力の論理ゲートを従属接続した複数のリング発振回路であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 上記反転出力の論理ゲートは、インバータ回路であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 上記第1の負荷容量回路と上記第2の負荷容量回路における負荷容量は、MOSトランジスタの酸化膜容量であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  5. 上記第1の負荷容量回路と上記第2の負荷容量回路は、一方の入力が上記反転出力の論理ゲートの出力端に接続され、他方の入力に制御信号が供給される複数のNAND回路からなることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  6. 上記位相比較回路での比較結果に基づいて、上記遅延回路に電源電圧を供給する回路を備えることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の半導体装置。
  7. 上記回路は、カレントミラー回路であることを特徴とする請求項記載の半導体装置。
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