JP4415250B2 - レンズ鏡筒および撮像装置 - Google Patents

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本発明はレンズ鏡筒および撮像装置に関する。
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置には、鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系と、該撮像光学系で結像された被写体像を撮像する撮像素子とを備えたレンズ鏡筒が設けられている。
このようなレンズ鏡筒は、レンズ保持枠を可動レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、可動レンズを光軸方向に移動させる駆動機構とを有している(例えば特許文献1参照)。
案内機構は、光軸方向と平行する方向に延在しレンズ保持枠にがたつくことなく挿通されたメインガイド軸と、光軸方向と平行する方向に延在しレンズ保持枠に係合しメインガイド軸を中心としたレンズ保持枠の回転を阻止するサブガイド軸とを備え、駆動機構は、光軸方向に沿って延在する雄ねじ部材と、雄ねじ部材を回転させるモータと、雄ねじ部材に螺合され雄ねじ部材の延在方向に移動される雌ねじ部材とを有し、この雌ねじ部材がレンズ保持枠に連結され、モータの回転により雌ねじ部材とともに可動レンズを光軸方向に移動させるように構成されている。
このような従来のレンズ鏡筒では、可動レンズを光軸方向に円滑に移動させるため、レンズ保持枠とサブガイド軸との間には微小な間隙(すなわちミクロンまたは10ミクロン単位の間隙)が確保されている。
特開2002−296480号公報
そのため、モータにより雄ねじ部材が回転されると該モータの回転動作に伴って発生する振動が雄ねじ部材と雌ねじ部材を介してレンズ保持枠に伝達され、前記間隙分だけ可動レンズがメインガイド軸を中心として光軸と直交する方向に振動する場合があった。
このような可動レンズの振動が生じると、撮像素子で撮像される画像がブレてしまう不都合があった。また、可動レンズが前記間隙分だけ振動することによりレンズ保持枠とサブガイド軸とがぶつかりあって異音が発生する不都合もあった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は可動レンズの振動を防止することにより、撮影される画像のブレを抑制するとともに動作音の静粛化を図る上で有利なレンズ鏡筒および撮像装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明のレンズ鏡筒は、鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系を備え、前記可動レンズは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠から突設された係合片とを有し、前記撮影光学系は、前記レンズ保持枠を前記可動レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、前記可動レンズを光軸方向に移動させる駆動機構とを有し、前記案内機構は、前記光軸方向と平行する方向に延在し前記レンズ保持枠にがたつくことなく挿通されたメインガイド軸と、前記光軸方向と平行する方向に延在し前記レンズ保持枠に係合し前記メインガイド軸を中心とした前記レンズ保持枠の回転を阻止するサブガイド軸とを備え、前記駆動機構は、前記光軸方向に沿って延在する雄ねじ部材と、前記雄ねじ部材を回転させるモータと、回転を阻止された状態で前記雄ねじ部材に螺合され該雄ねじ部材の回転により雄ねじ部材に沿って移動する雌ねじ部材と、前記光軸方向に沿って前記係合片を前記雌ねじ部材に当接させる方向に付勢するばね手段とを有し、前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う双方の箇所には、前記ばね手段により互いに当接されることで前記メインガイド軸を中心とした前記レンズ保持枠の回転方向に力を発生させるトルク発生手段が設けられ、前記トルク発生手段は、前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う箇所の一方に形成され前記光軸と直交する面に対して傾斜する傾斜面と、前記双方の箇所の他方に形成され前記傾斜面に当接する凸部とで構成されていることを特徴とする。
また本発明の撮像装置は、鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系を備え、前記可動レンズは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠から突設された係合片とを有し、前記撮影光学系は、前記レンズ保持枠との間に微小の間隙を確保しつつ該レンズ保持枠を前記可動レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、前記可動レンズを光軸方向に移動させる駆動機構とを有するレンズ鏡筒を備える撮像装置であって、前記駆動機構は、前記光軸方向に沿って延在する雄ねじ部材と、前記雄ねじ部材を回転させるモータと、回転を阻止された状態で前記雄ねじ部材に螺合され該雄ねじ部材の回転により雄ねじ部材に沿って移動する雌ねじ部材と、前記光軸方向に沿って前記係合片を前記雌ねじ部材に当接させる方向に付勢するばね手段とを有し、前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う双方の箇所には、前記ばね手段により互いに当接されることで前記間隙を吸収する方向に前記レンズ保持枠を移動させる力を発生させる間隙吸収手段が設けられ、前記間隙吸収手段は、前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う双方の箇所の一方に形成され前記光軸と直交する面に対して傾斜する傾斜面と、前記双方の箇所の他方に形成され前記傾斜面に当接する凸部とで構成されていることを特徴とする。
また本発明の撮像装置は、鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系を備え、前記可動レンズは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠から突設された係合片とを有し、前記撮影光学系は、前記レンズ保持枠を前記可動レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、前記可動レンズを光軸方向に移動させる駆動機構とを有するレンズ鏡筒を備える撮像装置であって、前記案内機構は、前記光軸方向と平行する方向に延在し前記レンズ保持枠にがたつくことなく挿通されたメインガイド軸と、前記光軸方向と平行する方向に延在し前記レンズ保持枠に係合し前記メインガイド軸を中心とした前記レンズ保持枠の回転を阻止するサブガイド軸とを備え、前記駆動機構は、前記光軸方向に沿って延在する雄ねじ部材と、前記雄ねじ部材を回転させるモータと、回転を阻止された状態で前記雄ねじ部材に螺合され該雄ねじ部材の回転により雄ねじ部材に沿って移動する雌ねじ部材と、前記光軸方向に沿って前記係合片を前記雌ねじ部材に当接させる方向に付勢するばね手段とを有し、前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う双方の箇所には、前記ばね手段により互いに当接されることで前記メインガイド軸を中心とした前記レンズ保持枠の回転方向に力を発生させるトルク発生手段が設けられ、前記トルク発生手段は、前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う箇所の一方に形成され前記光軸と直交する面に対して傾斜する傾斜面と、前記双方の箇所の他方に形成され前記傾斜面に当接する凸部とで構成されていることを特徴とする。


本発明によれば、間隙吸収手段によりレンズ保持枠を移動させて案内機構の間隙を吸収するので、可動レンズの振動が防止され、撮像される画像のブレを抑制するとともに動作音の静粛化を図る上で有利となる。
また、本発明によれば、トルク発生手段によってメインガイド軸を中心としたレンズ保持枠の回転方向に力が発生されることによりレンズ保持枠がサブガイド軸に当て付けられレンズ保持枠とサブガイド軸との間の間隙が吸収されるので、可動レンズの振動が防止され、撮像される画像のブレを抑制するとともに動作音の静粛化を図る上で有利となる。
撮影される画像のブレを抑制するとともに動作音の静粛化を図るという目的を、レンズ保持枠とサブガイド軸との間の間隙を吸収する間隙吸収手段を設けることによって実現した。
また、撮影される画像のブレを抑制するとともに動作音の静粛化を図るという目的を、メインガイド軸を中心としたレンズ保持枠の回転方向に力を発生させるトルク発生手段を設けることによって実現した。
次に本発明の実施例1について図面を参照して説明する。
図1は実施例1の撮像装置の斜視図、図2は実施例1の撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施例の撮像装置100はデジタルスチルカメラであり、外装を構成するケース102を有している。
ケース102の前面右側部寄りの箇所には撮影光学系104を収容保持する沈胴式の鏡筒1が設けられ、ケース102の前面上部寄りの箇所には閃光を発光するフラッシュ部106、光学式ファインダの対物レンズ108などが設けられている。
鏡筒1はケース102の内部に組み込まれた駆動部124(図2)によってケース102の前面から前方に突出した使用位置(広角状態、望遠状態、および広角乃至望遠の中間状態)とケース102の前面に収容された収容位置(沈胴状態)との間を出没するように構成されている。
ケース102の上端面にはシャッタボタン110が設けられ、ケース102の後面には、前記光学式ファインダの接眼窓(不図示)、電源のオンオフ、撮影モード、再生モードの切替など種々の操作を行なうための複数の操作スイッチ112、撮像した映像を表示するディスプレイ114(図2)などが設けられている。
図2に示すように、撮像装置100は、撮影光学系104によって結像された被写体像を撮像する鏡筒1の後端部分に配設されたCCDやCMOSセンサなどで構成された撮像素子116、該撮像素子116から出力された撮像信号に基づいて画像データを生成し、メモリカードなどの記憶媒体118に記録する画像処理部120、前記画像データをディスプレイ114に表示させる表示処理部122、駆動部124、操作スイッチ112やシャッタボタン110の操作に応じて画像処理部120、表示処理部122、駆動部124を制御するCPUなどを含む制御部126などを備えている。
次に、鏡筒1の概略構成について説明する。
図3は鏡筒1の状態を説明する斜視図で、(a)が不使用時のレンズ収納状態すなわち沈胴状態を示すもの、(b)が広角状態、(c)が望遠状態を示すものである。図4は沈胴レンズの断面図であり、(a)が沈胴状態、(b)が広角状態、(c)が望遠状態を示すものである。図5は沈胴レンズの分解斜視図である。
図4に示すように、鏡筒1は光学的には3群構成である。すなわち、鏡筒1の光軸方向で被写体側を前方とし、前記光軸方向で撮像素子116側を後方としたとき、鏡筒1を構成する3群は、前方から後方に向かってこの順番で配設された1群、2群、3群によって構成されている。
鏡筒1は、1群と2群が所定のカムカーブに沿って光軸方向に駆動されることによってズーミングを行い、3群が光軸方向に微小に変位されることによってフォーカッシングを行う。すなわち、1群と2群の変位によって焦点距離を可変し、この焦点距離の変化によって生じた合焦位置のずれを3群の変位によって修正し適切に合焦させるように構成されている。
図4、図5に示すように、1群レンズ枠2は、カム環4のカム溝4bに嵌合される3本(複数本)のカムピン2aと、1群を構成する複数のレンズを挿入・固定する複数のレンズ室2bと、収納時、沈胴状態においてレンズ前玉を保護するバリア機構部2cとを備えている。
2群レンズ枠3は、カム環4のカム溝4cに嵌合される3本(複数本)のカムピン3aと、2群を構成する複数のレンズを挿入、固定する複数のレンズ室3bとを備えている。また、2群レンズ枠3はアイリス・シャッター機構を構成してもよい。
カム環4は、ギアユニットによって駆動されることによりカム環4を固定環6の内径で回転駆動するためのギア部4aと、1群レンズ枠2のカムピン2aが嵌合される3本(複数本)のカム溝4bと、2群レンズ枠3のカムピン3aが嵌合される3本(複数本)のカム溝4cと、固定環6のカム溝6aに嵌合される3本(複数本)のカムピン4dとを備えている。
カム溝4bおよびカム溝4cは、1群および2群を所定のカーブに沿って光軸方向に移動させ、ズーミング動作を行うものである。
直進案内環5は、カム環4と一体的に固定環6の内径で光軸方向に移動する部材で、1群レンズ枠2を光軸方向にガイドする案内溝5aと、2群レンズ枠3を光軸方向にガイドする案内溝5bとを備えている。
固定環6は、ベース8に固定される部材で、カム環4のカムピン4dが嵌合される3本(複数本)のカム溝6aを備えている。
3群レンズ枠7は特許請求の範囲のレンズ保持枠を構成するものであり、3群レンズ枠7は3群を構成するレンズ71を挿入・固定するためのレンズ室を備え、本実施例では3群レンズ枠7とレンズ71によって特許請求の範囲の可動レンズ72が構成されている。
可動レンズ72は、後述する案内機構17(図6参照)によってベース8に対して光軸方向に移動可能に保持されることで光軸方向に案内されており、後述する駆動機構15によって光軸方向に微小に変位されるように構成されている。
ベース8には、固定環6、ガイド軸押え部材9、ギアユニット(不図示)が位置決め・固定される。
ベース8は、光学式ローパスカットフィルタや赤外カットフィルタなどの光学フィルタ11を挿入・位置決め・固定するための凹部と、鏡筒内部へのゴミなどの侵入を防止し、光学フィルタ11を弾性付勢するためのシールゴム12を挿入するための凹部とを備えている。
ベース8には撮像素子116が高精度に位置決め・固定される。
ギアユニットは、カム環4をギア部4aによって駆動するものである。ギア比は、沈胴→広角→望遠および望遠→広角→沈胴の範囲において十分な駆動力を得られるように決められる。ギアユニットは、カム環4を駆動することにより、この沈胴レンズのズーミング動作を行う。
また、本例においては、1群レンズ枠2、2群レンズ枠3、3群レンズ枠7に保持された前記複数のレンズによって本発明の撮影光学系が構成されている。
また、本例において、1群レンズ枠2、2群レンズ枠3、カム環4、直進案内環5、固定環6、3群レンズ枠7、ベース8は、例えばガラス繊維を含有するポリカーボネート樹脂(黒色)などの繊維強化プラスチックで成形され、強度・遮光性と量産性を備えている。
次に、カム環4によるレンズの動作について説明する。
沈胴状態〜広角間の動作において、カム環4はギア部4aがギアユニットによって駆動力を与えられることにより駆動されて、カムピン4dが固定環6のカム溝6aに沿って回転しながら光軸方向に被写体側に向けて移動する。このとき、直進案内環5はカム環4と一体的に移動する(図4中矢印A参照)。
このとき、1群レンズ枠2はカムピン2aがカム溝4bおよび案内溝5aに沿って所定のカーブによって移動する(図4中矢印B参照)。このとき、2群レンズ枠3はカムピン3aがカム溝4cおよび案内溝5bに沿って所定のカーブによって移動する(図4中矢印C参照)。以上により、1群および2群は所定の位置に移動し、光学的に広角の位置になる。
広角〜望遠間の動作においても、カム環4はギア部4aがギアユニットによって駆動力を与えられることにより駆動されるが、この範囲においてカム溝6aはカム環4が光軸方向に駆動しないように形成されており、直進案内環5も光軸方向に移動しない(図4中矢印D参照)。
このとき、1群レンズ枠2はカムピン2aがカム溝4bおよび案内溝5aに沿って所定のカーブによって移動する(図4中矢印E参照)。このとき、2群レンズ枠3はカムピン3aがカム溝4cおよび案内溝5bに沿って所定のカーブによって移動する(図2中矢印F参照)。以上により、1群および2群は所定のカーブに沿って移動し、光学的に広角〜望遠間を移動することによってズーミング動作を行う。
望遠→広角→沈胴状態については、ギアユニットを上記動作と反対向きに駆動することでカム環4を反対向きに回転させることによって行う。上記のギアユニットによるカム環4の駆動によって鏡筒1は沈胴動作およびズーミング動作を行うが、これとは別に駆動機構15によって可動レンズ72が光軸方向に微小に変位することによりフォーカッシング動作を行う(図4中矢印G参照)。
次に、本実施例に係る撮像装置の主要な部分である、可動レンズ72と、駆動機構15と、案内機構17の構成について詳細に説明する。
図6は実施例1に係る撮像装置の要部を説明する分解斜視図、図7は実施例1に係る撮像装置の要部の組み立て状態を説明する斜視図、図8は実施例1に係る撮像装置の要部の組み立て状態を説明する斜視図、図9は駆動機構15の斜視図、図10は3群レンズ枠および鏡筒の構成を示す断面図、図11は図10の平面図、図12は可動レンズ72の位置制御を行なう制御系の構成を示すブロック図である。
図6乃至図8に示すように、3群レンズ枠7は環板状に形成されその中央開口部にレンズ71が保持されており、3群レンズ枠7の径方向外側箇所で周方向に間隔をおいた箇所に第1軸受部7aと第2軸受部7bとが設けられている。
第1軸受部7a、第2軸受部7bには、光軸方向と平行する方向に沿って延在するメインガイド軸14、サブガイド軸8bが挿通されており、これらメインガイド軸14、サブガイド軸8bは、3群レンズ枠7の互いに対向する箇所に配置されている。また、メインガイド軸14、サブガイド軸8bは、例えば均一外径の円柱状に形成されベース8に取付けられている。
さらに詳しく説明すると、メインガイド軸14は第1軸受部7aを介して3群レンズ枠7にがたつくことなく挿通されている。サブガイド軸8bは第2軸受部7bを介して3群レンズ枠7に係合しメインガイド軸14を中心とした3群レンズ枠7の回転を阻止する。また、サブガイド軸8bと第2軸受部7bとの間には、3群レンズ枠7を円滑に光軸方向に案内するために微小な間隙が確保されている。
本実施では、これらメインガイド軸14、サブガイド軸8b、第1、第2軸受部7a、7bによって、3群レンズ枠7、すなわち可動レンズ72をレンズ71の光軸方向に沿って往復直線移動可能に案内する案内機構17が構成されている。
図6乃至図8に示すように、メインガイド軸14のベース8への取付は、ガイド軸支持壁91およびガイド軸押え部材9を用いてメインガイド軸14の前後両端を支持することでなされている。
ガイド軸支持壁91はベース8と一体に例えば型成形によって設けられている。
ガイド軸支持壁91は、ベース8の撮像素子116の前方に面した箇所から前記光軸に沿って前方に延在する2つの延出部91aと、延出部91aの先端を連結する先端部91bとで構成され、先端部91bはベース8に臨んでいる。また、2つの延出部91aは、メインガイド軸14をその周方向から挟むような2箇所に沿って設けられている。
先端部91b、すなわちガイド軸支持壁91の前端には、メインガイド軸14の前端を保持する凹部91cが設けられ、該凹部91cはメインガイド軸14の先端が挿入される有底状の円柱孔で形成されている。この有底状の孔は例えば断面D字形を呈している。
ガイド軸支持壁91の後端に位置するベース8箇所、言い換えるとメインガイド軸14の突出方向に向いたベース8の前面箇所には、小径孔8Aが設けられ、この小径孔8Aと同軸上でベース8の後面に大径凹部8Bが設けられている。これら小径孔8A、大径凹部8Bは、凹部91cとほぼ同軸上に形成されている。
ガイド軸押え部材9は円盤状を呈し、小径軸部9Aと、小径軸部9Aと同軸上の大径軸部9Bと、小径軸部9Aの端面に設けられた嵌合孔9Cとを有し、これら小径軸部9A、大径軸部9B、嵌合孔9Cとは同軸上に設けられている。なお、図10、図11においては、本発明の要部を明確にするためガイド軸押え部材9の形状は均一外径の円柱状に描かれている。
小径軸部9Aは、小径孔8Aよりも直径が小さく形成され、大径軸部9Bは、大径凹部8Bよりも直径が小さく形成されている。嵌合孔9Cは、メインガイド軸14の後端が嵌合される有底状の孔で形成されている。この有底状の孔は例えば断面D字形を呈している。
なお、ガイド軸押え部材9は、円盤状以外の形状、例えば楕円板状、多角形板状などであってもかまわない。同様に、小径孔8Aおよび大径凹部8Bの形状も円形以外の形状であってもかまわない。
また、ガイド軸押さえ部材9に大径凹部8Bの縁部にベース8の前面側から係止する凸部を設ければ、衝撃荷重がガイド軸押え部材9に加わった際の強度を保証する上で有利となる。この場合、前記凸部はガイド軸押え部材9を光軸と直交する方向に位置調整する際の妨げにはならない。
ガイド軸押え部材9は、大径軸部9Bが大径凹部8Bに収容されるとともに小径軸部9Aが小径孔8Aに収容され、かつ、大径軸部9Bと小径軸部9Aとの境をなす平坦な環状端面からなる当接面が大径凹部8Bの底面からなる当接面に当て付けられて配設されている。
そして、メインガイド軸14は、その前端が凹部91cに保持されるとともに、後端が嵌合孔9Cに嵌合固定された状態で、メインガイド軸14の延在方向に対して直交する方向にガイド軸押え部材9が動かされ、これによりレンズ71の光軸が1群および2群のレンズの光軸と平行するように位置調節がなされる。
この位置調節は、例えば、市販のXYテーブルなどを用いて行なわれる。
位置調節後、大径凹部8Bに接着剤Sが塗布され大径凹部8B内において大径軸部9Bが固定され、これによりガイド軸押え部材9がベース8に固定されている。すなわち、小径軸部9Aが小径孔8Aに挿通され小径軸部9Aの外周面と小径孔8Aの内周面との間に間隙が確保された状態で当接面と当接面とが当接されて固定されている。前記接着剤Sとしては例えばUV硬化型接着剤を用いることができ、その場合には接着剤Sを硬化させるために紫外線を照射することになる。
なお、メインガイド軸14のベース8への取付けを行なう構成は上述したものに限定されるものではなく任意である。
図6、図9、図10に示すように、駆動機構15は、可動レンズ72を光軸方向に移動させるものであり、前記光軸方向に沿って延在する雄ねじ部材1502と、雄ねじ部材1502を回転させるステッピングモータなどからなるモータ1504と、雄ねじ部材1502に螺合する雌ねじ1507が形成された雌ねじ部材1506と、3群レンズ枠7の外周部から雄ねじ部材1502を跨ぐように外方に突設された2つの係合片7002と、コイルスプリング1508(特許請求の範囲のばね手段に相当)とを有している。
本実施例では、雌ねじ部材1506は均一な厚さを有する板材に該厚さ方向に延在する雌ねじ1507が貫通形成されており、該雌ねじ1507に雄ねじ部材1506螺合されている。したがって、雌ねじ部材1506に雄ねじ部材1502が螺合した状態で、雌ねじ部材1506の厚さ方向と雌ねじ1507の延在方向は前記光軸と平行している。また、雄ねじ部材1502および雌ねじ部材1506は金属材料で構成されている。
図8、図9に示すように、モータ1504は、モータ配設用部材1510に取着されており、雄ねじ部材1502はモータ1504に連結され、可動レンズ72の光軸方向と平行する方向に延在している。
モータ配設用部材1510は、モータ1504のケースの端面に取着される第1支片1510Aと、第1支片1510Aに対向する第2支片1510Bと、これら第1、第2支片1510A、1510Bを連結する第3支片1510Cとを備えている。
第1支片1510Aには、雄ねじ部材1502の延在方向に対して直交する面に沿って突出形成された突出部1510Dが設けられている。この突出部1510Dには、ねじ挿通用の孔1510Eと、位置決め用孔1510Fとが形成され、図8に示すように、位置決め用孔1510Fがベース8のボスに係合された状態で、ねじ202を孔1510Eからベース8に設けられたねじ孔に螺合することでモータ配設用部材1510がベース8に取着されている。なお、本実施例では、ねじ挿通用の孔1510Eの半径方向外側の箇所に係合溝1510E−1が形成されており、該係合溝1510E−1がベース8側に設けられた凸部に係合されることでモータ配設用部材1510が孔1510Eを中心に揺動しないように構成されている。
図9に示すように、第3支片1510Cは第1支片1510Aの基端から延在しており、第2支片1510Bは第3支片1510Cの先端に設けられている。
雄ねじ部材1502の先端(可動レンズ72の光軸方向の前方の端部)は、第2支片1510Bの軸受孔などを介して回転可能に支持されている。
モータ配設用部材1510の第1、第2支片1510A、1510Bの間には、回り止め用のロッド1512が雄ねじ部材1502と間隔をおいてほぼ平行に延在するように取付けられている。
雌ねじ部材1506は雄ねじ部材1502に螺合され、雌ねじ部材1506の係合凹部1506Bがロッド1512に係合し、これにより雌ねじ部材1506の回転が阻止されており、雄ねじ部材1502の正逆転により雌ねじ部材1506が雄ねじ部材1502の長手方向に沿って往復移動するように構成されている。
また、図10、図11に示すように、雌ねじ部材1506が可動レンズ72の光軸方向の後方に臨む端部1506Aは、3群レンズ枠7の外周部から外方に突設された係合片7002に当接可能に設けられている。
雄ねじ部材1502は、図9、図10に示すように、雌ねじ部材1506に螺合する雄ねじ部1502Aを有し、雌ねじ部材1506は、雄ねじ部材1502の雄ねじ部1502Aの延在方向の全長にわたって該雄ねじ部材1502に沿って移動できるように配設されている。
コイルスプリング1508は、メインガイド軸14に巻装されその一端が3群レンズ枠7の第1軸部7aに弾接し他端がベース8側(ガイド軸押え部材9)に弾接して配設されており、前記光軸方向に沿って係合片7002を雌ねじ部材1506の端部1506Aに当接する方向に3群レンズ枠7を付勢している。言い換えると、コイルスプリング1508は3群レンズ枠7を光軸方向の前方に付勢し、3群レンズ枠7を常時雌ねじ部材1506に当接させている。したがって、3群レンズ枠7、すなわち可動レンズ72は雌ねじ部材1506の動きに追従して光軸方向に往復直線移動することになる。
さらに、可動レンズ72の光軸上に位置するベース8箇所に開口が形成され、前記開口に臨むベース8の後面には収容凹部8cが設けられ、撮像素子116は収容凹部8cに収容保持されている。
また、3群レンズ枠7のベース8に面した箇所には検知片73が光軸方向の後方に向けて突設されており、該検知片73に臨むベース8箇所にはフォトインタラプタからなるセンサ18が配設されている。このセンサ18は、次に説明するように、可動レンズ72の基準位置(原点)を設定するために用いられている。
次に可動レンズ72および駆動機構15の動作について説明する。
鏡筒1が前記収容位置(沈胴位置)から使用位置に移動する場合には、まず、前記ギアユニットが駆動されることでカム環4が駆動され1群レンズ枠2および2群レンズ枠3が光軸方向の前方に移動される。
ここで、モータ1504の正転により可動レンズ72が光軸方向の前方に移動し、逆転により光軸方向の後方に移動するとした場合、モータ1504が正転すると、雌ねじ部材1506は雄ねじ部材1502の正転に応じて前方に移動され、これにより、可動レンズ72は光軸方向の前方に移動され、モータ1504の正逆回転によって雌ねじ部材1506が雄ねじ部1502A上で光軸方向に往復直線移動され、これにより可動レンズ72がフォーカッシング動作を行なう。
次に、鏡筒1が使用位置からケース102の前面に収容された収容位置(沈胴位置)に移動する場合には、モータ1504が逆転することにより雌ねじ部材1506が光軸方向の後方に移動される。
可動レンズ72が後方の所定位置に移動されると、後述する制御系によりモータ1504の逆転が停止され、次いで前述したように前記ギアユニットが駆動されることでカム環4が駆動され1群レンズ枠2および2群レンズ枠3も光軸方向の後方に移動され鏡筒1は沈胴状態とされる。
次に、駆動機構15を制御する制御系の構成について図12を参照して説明する。
図12に示すように、制御部126は、センサ18から供給される検知信号を入力するとともに、ドライバ128を介してモータ1504の正転および逆転、回転量、回転速度、出力トルクをそれぞれ制御するように構成されている。
本実施例では、モータ1504がステッピングモータで構成されているため、ドライバ128からモータ1504に供給される駆動信号の供給順序、パルス数、周波数、デューティ比などを制御することでモータ1504の正転および逆転、回転量、回転速度、出力トルクの制御がなされている。
また、制御部126は、可動レンズ72のフォーカッシング動作を行なうため、撮像素子116から出力された撮像信号に基づいて画像処理部120によって生成された画像信号のコントラスト評価信号に基づいて可動レンズ72の位置制御を行なうように構成されている。
制御部126による可動レンズ72の基準位置の設定は次のようになされる。
すなわち、制御部126は、ドライバ128を介してモータ1504を回転制御し、可動レンズ72を光軸方向に移動させ検知片73がセンサ18によって検知されると、その検知がなされた際のモータ1504の回転位置を光軸方向の位置制御を行なう際の基準位置(原点)として設定される。
そして、制御部126は、前記基準位置を基準としてモータ1504の回転量を制御することで、可動レンズ72の光軸方向の位置が目標位置となるように移動制御(位置制御)を行なう。本実施例では、モータ1504がステッピングモータであるため、前記基準位置を基準として前記ステッピングモータに供給する駆動信号のパルス数を制御することで可動レンズ72の移動制御(位置制御)が行なわれる。
このような基準位置の設定は、例えば、撮像装置100の電源が投入された時点、あるいは、撮像装置100が撮影モードに設定された時点で行なわれる。
そして、制御部126は、フォーカッシング動作の際には、前記コントラスト評価信号に基づいて上述したようなモータ1504の制御を行なうことによって可動レンズ72の位置制御を行なう。
なお、前記コントラスト評価信号は可動レンズ72の移動時には変化し、可動レンズ72の停止時には変化が停止するため、制御部126は、前記コントラスト評価信号に基づいて可動レンズ72が移動しているか、停止しているかを判別できるようになっている。
なお、本実施例では、鏡筒1、可動レンズ72、案内機構14、駆動機構15、制御部126によって本発明のレンズ鏡筒が構成されている。
次に、本実施例における可動レンズ72の動作の一例としてのフォーカッシング動作について図13のフローチャートを参照して説明する。
なお、可動レンズ72の基準位置の設定は既に終了しているものとする。
まず、制御部126は、前記コントラスト評価信号に基づいて可動レンズ72の目標位置を算出し目標位置が決定すると(ステップS10で“Y”)、可動レンズ72を駆動するために必要な通常トルクを設定し、該通常トルクでモータ1504が駆動されるように駆動機構15を制御する(ステップS12)。
次いで、可動レンズ72の前記目標位置への移動制御(駆動制御)が完了した後、前記コントラスト評価信号に基づいて合焦が完了したか否かを判定し(ステップS14)、合焦が完了していればフォーカシング動作を終了する。
ステップS14で合焦が完了していないと判定されれば、可動レンズ72が停止しているか否かを前記コントラスト評価信号に基づいて判定する(ステップS16)。可動レンズ72が停止していなければ、ステップS14に移行する。
ステップS16で可動レンズ72が停止していると判定されれば、言い換えれば合焦が完了しない状態でモータ1504が停止していると判断されれば、制御部126は、雌ねじ部材1506がホルダ1510の第1支片1510Aまたは第2支片1510Bに当て付けられ、雌ねじ部材1506が雄ねじ部材1502に食いついた状態となっていると判断し、モータ1504が停止した状態で雌ねじ部材1506に作用している該雌ねじ部材1506の移動を阻止する摩擦トルクを上回る脱出トルクでモータ1504が逆転するようにドライバ128を制御する(ステップS18)。
これにより、雌ねじ部材1506と雄ねじ部材1502との食いつきが解除され、可動レンズ72は再び移動可能な状態とされるので、制御部126は可動レンズ72に対する基準位置の設定を行ない(ステップS20)、ステップS10に移行する。
雌ねじ部材1506がホルダ1510の第1支片1510Aまたは第2支片1510Bに当て付けられてモータ1504が停止する原因は、制御部126で管理しているモータ1504の回転量および可動レンズ72の位置と、実際のモータ1504の回転量および可動レンズ72の位置とが不一致となることによる。
このような回転量および位置の不一致は、例えばモータ1504が前記通常トルクで駆動されている場合に、該通常トルクを超える負荷がモータ1504に掛かるなどして、モータ1504に供給される駆動信号のパルス数に対応した分だけモータ1504が回転できない現象(脱調)が発生することなどによって生じる。
次に、前記摩擦トルクおよび脱出トルクについて詳細に説明する。
なお、説明の便宜上、以下に示す数式においては、可動レンズ72の光軸方向の前方の位置(Near位置)を添字Nまたはnで示し、可動レンズ72の光軸方向の後方の位置(Far位置)を添字Fまたはfで示し、可動レンズ72の光軸方向の中間の位置(Middle位置)を添字Mまたはmで示す。
コイルスプリング1508の付勢力(弾性力)P1は可動レンズ72(3群レンズ枠7)の光軸方向の位置によって変化する。
P1F>P1M>P1F (1)
3群レンズ枠7の第1軸受部7aとメインガイド軸14の間の機械抵抗および第2軸受部7bとサブガイド軸8bの間の機械抵抗の和(以下3群レンズ枠7の機械抵抗という)P2は動摩擦抵抗を受ける状態における機械抵抗を示し、静摩擦抵抗を受ける状態における3群レンズ枠7の機械抵抗はP2sとして示す。
雌ねじ部材1506と雄ねじ部材1502の間の機械抵抗および雌ねじ部材1506とロッド8bの間の機械抵抗の和(以下雌ねじ部材1506の機械抵抗という)P3は同摩擦抵抗を受ける状態における機械抵抗を示し、静摩擦抵抗を受ける状態における雌ねじ部材1506の機械抵抗はP3sとして示す。
コイルスプリング1508の付勢力P1と、3群レンズ枠7の機械抵抗と、雌ねじ部材1506の機械抵抗とが雌ねじ部材1506に作用する合力Pは、3群レンズ枠7の光軸方向の位置によって変化する。
PF>PM>PN (2)
また、モータ1504の出力軸による出力トルクToutを軸線方向の力に換算したものをPoutとする。
図14(A)、(B)に示すように、雄ねじ部材1502の雄ねじ1502Aにおいて、リード角をβ、ねじ面における摩擦抵抗をμ1とし、接線力Qをねじの有効径d2上に作用するものとする。軸方向の力Pがねじ面を介してモータ1504の出力軸に与えるトルクをTpとする。
斜面に沿った方向の力の釣り合いから、
Qcosβ=Psinβ+μ1・(Qsinβ+Psinβ) (3)
ねじ面の摩擦角をρ1とすれば、
μ1=tanρ1 (4)
であるから、光軸方向後方に雌ねじ部材1506を移動させるときには、
Qf=tan(β+ρ1)・P (5)
Tpf=(d2/2)・tan(β+ρ1)・P (6)
となる。
一方、光軸方向前方に雌ねじ部材1506を移動させるときには、
Qn=tan(ρ1−β)・P (7)
Tpn=(d2/2)・tan(ρ1−β)・P (8)
となる。
(1)雌ねじ部材1506がホルダ1510の第1支片1510Aに当て付けられたときにおける摩擦トルク
雌ねじ部材1506が光軸方向後方に移動されホルダ1510の第1支片1510Aに当て付けられた状態では、
PF1=P1F+P2+P3 (9)
が成り立ち、モータ1504の出力軸は、
Pout1>PF1 (10)
なる力Pout1を発生させるトルクTout1
Tout1=(d2/2)・tan(β+ρ1)・Pout1 (11)
の出力が可能である。
雌ねじ部材1506は、第1支片1510Aに対して、
Pmf1=Pout1−PF1
=Pout1−(P1F+P2+P3) (12)
なる突っ張り力Pmf1において当接、停止する。
雌ねじ部材1506が第1支片1510Aに当接する際には、雌ねじ部材1506と第1支片1510Aとの間でも摩擦力(摩擦係数μm)が働く。摩擦係数μmは、静止状態に至る過程の動摩擦係数に等しいとする。
摩擦力が雌ねじ部材1506の平均半径dm/2に集中して作用すると考えれば、
Tmf1=(dm/2)・μm・Pmf1
=(dm/2)・μm・(Pout1−PF1)
=(dm/2)・μm
・{Pout1−(P1F+P2+P3)} (13)
なる摩擦トルクTmf1が作用する。
ここで、トルクの釣り合いを考えれば、
Tmf1=Tout1−Tpf (14)
(dm/2)・μm・Pmf1
=(d2/2)・tan(β+ρ1)・Pout1
−(d2/2)・tan(β+ρ1)・PF1 (15)
(dm/2)・μm・Pmf1
=(d2/2)・tan(β+ρ1)・(Pout1−PF1)(16)
dm・μm=d2・tan(β+ρ1) (17)
μm=(d2/dm)・tan(β+ρ1) (18)
が成り立ち、
tan(β+ρ1)≒tanβ+tanρ1 (19)
を用いて変形すれば、
μm=(d2/dm)・(tanβ+tanρ1) (20)
(2)雌ねじ部材1506がホルダ1510の第1支片1510Aに当て付けられたときにおける脱出トルク
雌ねじ部材1506が光軸方向後方に移動されホルダ1510の第1支片1510Aに当て付けられた状態から脱出する際には、
PF2=P1F−P2s−P3s (21)
が成り立ち、モータ1504の出力軸は、トルクTout2
Tout2=(d2/2)・tan(ρ1−β)・Pout2 (22)
の出力によって、力Pout2を発生させることが可能である。
ここで、雌ねじ部材1506に対して光軸方向前方に
Pmf2=Pout2+PF2
=Pout2+(P1F−P2s−P3s) (23)
なる力Pmf2が作用している。
雌ねじ部材1506が第1支片1510Aに当て付けられた状態から脱出する瞬間には、雌ねじ部材1506と第1支片1510Aとの間でも摩擦力(摩擦係数μ0)が働く。
摩擦係数μ0は静摩擦係数である。摩擦力は雌ねじ部材1506の座面の平均半径dm/2に集中して作用すると考えて、
Tmf2=(dm/2)・μ0・Pmf2
=(dm/2)・μ0・(Pout2+PF2)
=(dm/2)・μ0
・{Pout2+(P1F−P2s−P3s)} (24)
なる脱出トルクTmf2が作用する。
したがって、雌ねじ部材1506がホルダ1510の第1支片1510Aに当て付けられ状態では、脱出トルクTmn2が摩擦トルクTmn1を上回れば、すなわち
Tmf2>Tmf1 (25)
が成り立つことにより雌ねじ部材1506の脱出が可能である。
ここで、
Tmf2>Tmf1だから、
(dm/2)・μ0・{Pout2+(P1F−P2s−P3s)}
>(dm/2)・μm・{Pout1−(P1F+P2+P3)} (26)
μ0・{Pout2+(P1F−P2s−P3s)}
>μm・{Pout1−(P1F+P2+P3)} (27)
μ0・{Pout2+(P1F−P2s−P3s)}
>(d2/dm)・tan(β+ρ1)
・{Pout1−(P1F+P2+P3)} (28)
すなわち、式(27)もしくは式(28)を満足するような力Pout1とPout2の関係を満足させるトルクTout1およびTout2をモータ1504が出力するように制御することで、雌ねじ部材1506がホルダ1510の第1支片1510Aに当て付けられた状態から脱出させることができる。
(3)雌ねじ部材1506がホルダ1510の第2支片1510Bに当て付けられたときにおける摩擦トルク
雌ねじ部材1506が光軸方向後方に移動されホルダ1510の第2支片1510Bに当て付けられた状態では、図10に示すように、3群レンズ枠7の第1軸受部7aの前端の当接部74がガイド軸支持壁91の後端の当接部9102に当接されており、雌ねじ部材1506には、コイルスプリング1508の付勢力(弾性力)P1と3群レンズ枠7の機械抵抗P2が作用しない状態となっている。
ここで、雌ねじ部材1506が光軸方向前方に移動されホルダ1510の第2片1510Bに当て付けられた状態では、
モータ1504の出力軸は、
Pout5>P3 (29)
なる力Pout5を発生させるトルクTout5
Tout5=(d2/2)・tan(ρ1−β)・Pout5 (30)
の出力が可能である。
雌ねじ部材1506は、第2支片1510Bに対して、
Pmn3=Pout5−P3 (31)
なる突っ張り力Pmn3において当接、停止する。
雌ねじ部材1506が第2支片1510Bに当接する際には、雌ねじ部材1506と第2支片1510Bとの間でも摩擦力(摩擦係数μm)が働く。摩擦係数μmは、静止状態に至る過程の動摩擦係数に等しいとする。
摩擦力が雌ねじ部材1506の平均半径dm/2に集中して作用すると考えれば、
Tmn3=(dm/2)・μm・Pmn3
=(dm/2)・μm・(Pout5−P3) (32)
なる摩擦トルクTmn3が作用する。
ここで、トルクの釣り合いを考えれば、
Tmn3=Tout5+Tpn (33)
(dm/2)・μm・Pmn3
=(d2/2)・tan(ρ1−β)・Pout5
−(d2/2)・tan(ρ1−β)・(−P3) (34)
(dm/2)・μm・Pmn3
=(d2/2)・tan(ρ1−β)・(Pout5−P3) (35)
dm・μm・Pmn3=d2・tan(ρ1−β)・Pmn3 (36)
dm・μm=d2・tan(ρ1−β) (37)
μm=(d2/dm)・tan(ρ1−β) (38)
が成り立ち、
tan(ρ1−β)≒tanρ1―tanβ (39)
を用いて変形すれば、
μm=(d2/dm)・(tanρ1―tanβ) (40)
(4)雌ねじ部材1506がホルダ1510の第2支片1510Bに当て付けられたときにおける脱出トルク
雌ねじ部材1506が光軸方向前方に移動されホルダ1510の第2支片1510Bに当て付けられた状態から脱出する際には、
モータ1504の出力軸は、トルクTout6
Tout6=(d2/2)・tan(β+ρ1)・Pout6 (41)
の出力によって、力Pout6を発生させることが可能である。
ここで、雌ねじ部材1506に対して光軸方向後方に
Pmn4=Pout6−P3s (42)
なる力Pmn4が作用している。
雌ねじ部材1506が第2支片1510Bに当て付けられた状態から脱出する瞬間には、雌ねじ部材1506と第2支片1510Bとの間でも摩擦力(摩擦係数μ0)が働く。
摩擦係数μ0は静摩擦係数である。摩擦力は雌ねじ部材1506の座面の平均半径dm/2に集中して作用すると考えて、
Tmn4=(dm/2)・μ0・Pmn4
=(dm/2)・μ0・(Pout6−P3s) (43)
なる脱出トルクTmn4が作用する。
したがって、雌ねじ部材1506がホルダ1510の第2支片1510Bに当て付けられた状態では、脱出トルクTmn4が摩擦トルクTmn3を上回れば、すなわち
Tmn4>Tmn3 (44)
が成り立つことにより雌ねじ部材1506の脱出が可能である。
ここで、
Tmn4>Tmn3だから、
(dm/2)・μ0・(Pout6−P3s)
>(dm/2)・μm・(Pout5−P3) (45)
μ0・(Pout6−P3s)>μm(Pout5−P3) (46)
μ0・(Pout6−P3s)
>(d2/dm)・tan(ρ1−β)
・(Pout5−P3) (47)
すなわち、式(46)もしくは式(47)を満足するような力Pout5とPout6の関係を満足させるトルクTout5およびTout6をモータ1504が出力するように制御することで、雌ねじ部材1506がホルダ1510の第2支片1510Bに当て付けられた状態から脱出させることができる。
本実施例によれば、モータ1504の回転駆動中に生じたモータ1504の停止を検出すると、モータ1504が停止した状態で雌ねじ部材1506に作用している該雌ねじ部材1506の移動を阻止する摩擦トルクを上回る脱出トルクで停止前のモータ1504の回転方向とは逆方向にモータ1504を回転させようにしたので、従来と違って雄ねじ部材1502の延在方向の寸法を余分に確保することなく、雌ねじ部材1506の雄ねじ部材1502に対する食いつきを確実に回避しつつ、レンズ鏡筒の光軸方向の小型化を図る上で有利となる。
また、雌ねじ部材1506を金属製とした場合に上記食いつきが発生しやすいが、本発明では食いつき状態から確実に脱出できるので、雌ねじ部材1506として金属材料を用いて雌ねじ部材1506を薄型化でき、レンズ鏡筒の光軸方向の小型化を図る上で有利となる。
このような実施例によれば、図11に示すように、3群レンズ枠7とサブガイド軸8bとの間には微小な間隙が確保されているため、モータ1504により雄ねじ部材1502が回転されるとモータ1504の回転動作に伴って発生する振動が雄ねじ部材1502と雌ねじ部材1506を介して3群レンズ枠7に伝達されるため、3群レンズ枠7が3群レンズ枠7の第2軸受部7bとサブガイド軸8bとの間に確保された微小な間隙分だけメインガイド軸14を中心として光軸と直交する方向に振動する場合がある。
このような3群レンズ枠7の振動が生じると、撮像素子116で撮像される画像がブレてしまい、また、3群レンズ枠7が前記間隙分だけ振動することにより3群レンズ枠7の第2軸受部7bとサブガイド軸8bとがぶつかりあって異音が発生するといった不都合が生じる。
そこで本実施例ではこのような不都合を解消するため次のような構成をとっている。
図17、図18に示すように、3群レンズ枠7の2つの係合片7002と雌ねじ部材1506とが互いに向かい合う双方の箇所に、コイルスプリング1508により互いに当接されることで3群レンズ枠7の第2軸受部7bとサブガイド軸8bとの間に確保された微小な間隙を吸収する方向に3群レンズ枠7を移動させる力を発生させる間隙吸収手段が設けられている。言い換えると、3群レンズ枠7の2つの係合片7002と雌ねじ部材1506とが互いに向かい合う双方の箇所に、コイルスプリング1508により互いに当接されることでメインガイド軸14を中心とした3群レンズ枠7の回転方向に力を発生させるトルク発生手段が設けられている。
詳細に説明すると、3群レンズ枠7の2つの係合片7002が雌ねじ部材1506に臨む箇所にはそれぞれ雌ねじ部材1506に向かって凸状の曲面で形成された凸部7003が突設されている。なお、凸部7003の曲面は無論球面であってもよい。
また、雌ねじ部材1506が2つ係合片7002に臨む箇所(端部1506A)にはそれぞれ凹部が形成され、各凹部の底部には雌ねじ1507の延在方向に対して傾斜する、換言すれば雌ねじ部材1506が雄ねじ部材1502に螺合した状態で、光軸と直交する面に対して傾斜する傾斜面1509がそれぞれ設けられている。
そして、コイルスプリング1508により3群レンズ枠7が雌ねじ部材150に当接する方向に付勢されているため、凸部7003と傾斜面1509が当接し、これにより3群レンズ枠7、すなわち可動レンズ72は雌ねじ部材1506の動きに追従して光軸方向に往復直線移動する。
各凸部7003が各傾斜面1509に当接すると、図11に矢印Fで示すように、可動レンズ72の光軸と交差する面上で(本実施例では光軸と直交する面上で)メインガイド軸14を中心とした3群レンズ枠7の回転方向の力が発生される。
そして、この力が発生されることにより3群レンズ枠7が移動され、3群レンズ枠7の回転方向から3群レンズ枠7の第2軸受部7bがサブガイド軸8bに当て付けられ、3群レンズ枠7の第2軸受部7bとサブガイド軸8bとの間に確保された微小な間隙が吸収される。本実施例では、傾斜面1509および凸部7003によって特許請求の範囲の間隙吸収手段およびトルク発生手段が構成されている。
したがって、3群レンズ枠7の第2軸受部7bとサブガイド軸8bとの間に確保された微小な間隙が取り除かれているので、モータ1504により雄ねじ部材1502が回転されても可動レンズ72の振動が防止され、撮像素子116で撮像される画像のブレを抑制するとともに3群レンズ枠7が光軸方向に移動される際の動作音の静粛化を図る上で有利となる。
また、雌ねじ部材1506と3群レンズ枠7の係合片7002との当接箇所に傾斜面1509および凸部7003を設けるといった簡単な構成により上記の効果を達成でき、したがって、小型化を図りつつまたコストダウンを図りつつ画像のブレを抑制するとともに可動レンズ72の動作音の静粛化を図る上で有利となる。
なお、本実施例では、凸部7003を3群レンズ枠7の係合片7002に設けるとともに傾斜面1509を雌ねじ部材1506に設けたが、これとは逆に凸部を雌ねじ部材1506に設けるとともに傾斜面を係合片7002に設けてもよい。
また、間隙吸収手段またはトルク発生手段は、メインガイド軸14を中心とした3群レンズ枠7の回転方向に力を発生させることができればよく、例えば、互いに係合可能な一対の傾斜面で構成するなどその構造には従来公知の様々な構成が採用可能である。
さらに、案内機構17として従来公知の様々な構成が採用可能であり、これらの案内機構17の構成に応じて間隙吸収手段やトルク発生手段の配置箇所や構成が適宜選択される。
次に、実施例2について説明する。
図15は実施例2の3群レンズ枠および鏡筒の構成を示す断面図であり、実施例1と同一または同様の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
実施例2が実施例1と異なるのは、コイルスプリング1508、雌ねじ部材1506、3群レンズ枠7の係合片7002の配設位置である。
図15に示すように、実施例2では、雌ねじ部材1506が可動レンズ72の光軸方向の前方に臨む端部1506Bが、3群レンズ枠7の外周部から突設された係合片7002に当接可能に設けられている。
また、3群レンズ枠7の2つの係合片7002が雌ねじ部材1506に臨む箇所にはそれぞれ球面状の凸部7003が突設され、雌ねじ部材1506が2つ係合片7002に臨む箇所にはそれぞれ凹部が形成され、各凹部の底部には傾斜面1509がそれぞれ設けられ、これらにより間隙吸収手段およびトルク発生手段が構成されている点は実施例1と同じである。
コイルスプリング1508は、メインガイド軸14に巻装されその一端が3群レンズ枠7の第1軸部7aに弾接し他端がベース8側のガイド軸支持壁91に弾接して配設されており、係合片7002を雌ねじ部材1506の端部1506Aに当接する方向に3群レンズ枠7を付勢している。言い換えると、コイルスプリング1508は3群レンズ枠7を光軸方向の後方に付勢し、3群レンズ枠7を常時雌ねじ部材1506に弾接させている。したがって、3群レンズ枠7、すなわち可動レンズ72は雌ねじ部材1506の動きに追従して光軸方向に往復直線移動することになる。
そして、雌ねじ部材1506が光軸方向後方に移動されホルダ1510の第1支片1510Aに当て付けられた状態では、図15に示すように、3群レンズ枠7の第1軸受部7aの後端の当接部75がガイド軸保持部材9の前端の当接部902に当接されており、実施例1と同様に、雌ねじ部材1506には、コイルスプリング1508の付勢力(弾性力)P1と3群レンズ枠7の機械抵抗P2が作用しない状態となっている。
実施例2によれば、実施例1と同様に制御部126が駆動機構15を制御することにより雌ねじ部材1506の雄ねじ部材1502に対する食いつきを確実に回避しつつ、レンズ鏡筒の光軸方向の小型化を図る上で有利となる。
また、実施例2においても、実施例1と同様に、間隙吸収手段あるいはトルク発生手段によって3群レンズ枠7の第2軸受部7bとサブガイド軸8bとの間に確保された微小な間隙が吸収されるので、モータ1504により雄ねじ部材1502が回転されても可動レンズ72の振動が防止され、撮像素子116で撮像される画像のブレを抑制するとともに3群レンズ枠7が光軸方向に移動される際の動作音の静粛化を図る上で有利となる。
次に実施例3について説明する。
実施例3が実施例1と異なるのは、制御部126がモータ1504の回転量に基づいて雌ねじ部材1506がホルダ1510の第1支片部1510A、または、第2支片部1510Bに当接されたか否かを判定する点である。
以下、実施例3における可動レンズ72の駆動動作について図16のフローチャートを参照して説明する。
なお、可動レンズ72の基準位置の設定は既に終了しているものとする。
まず、制御部126は、可動レンズ72の目標位置が決定すると(ステップS30で“Y”)、可動レンズ72を駆動するために必要な通常トルクを設定し、該通常トルクでモータ1504が駆動されるように駆動機構15を制御する(ステップS32)。
次いで、可動レンズ72の前記目標位置への移動制御(駆動制御)が完了したか否かをドライバ128からモータ1504に供給される駆動信号のパルス数に基づいて判定し(ステップS34)、移動が完了していなければ移動を継続する。
移動が完了していれば(ステップS34で“Y”)、モータ1504の回転を停止し(ステップS35)、モータ1504の回転量に基づいて雌ねじ部材1506がホルダ1510の第1支片部1510A、または、第2支片部1510Bに当接された状態でモータ1504の回転が停止されているか否かを判定する(ステップS36)。
ステップS36が“N”ならば制御を終了し、ステップS36が“Y”ならば、制御部126は、雌ねじ部材1506がホルダ1510の第1支片1510Aまたは第2支片1510Bに当て付けられ、雌ねじ部材1506が雄ねじ部材1502に食いついた状態となっていると判断し、モータ1504が停止した状態で雌ねじ部材1506に作用している該雌ねじ部材1506の移動を阻止する摩擦トルクを上回る脱出トルクでモータ1504が所定の回転量逆転するようにドライバ128を制御する(ステップS38)。なお、脱出トルクの算出に関しては実施例1の数式が同様に適用される。
これにより、雌ねじ部材1506と雄ねじ部材1502との食いつきが解除された状態となるので制御を終了する。
また、実施例3では、制御部126で管理しているモータ1504の回転量および可動レンズ72の位置が実際のモータ1504の回転量および可動レンズ72の位置とが不一致とならないことが前提である。
また、モータ1504の回転量に基づいて雌ねじ部材1506がホルダ1510の箇所に当接されモータ1504の回転が停止していると判断されたときにモータ1504が停止した状態で雌ねじ部材1506に作用している摩擦トルクを上回る脱出トルクで停止前のモータ1504の回転方向とは逆方向にモータ1504を回転させようにしたので、実施例1と同様に、雌ねじ部材1506の雄ねじ部材1502に対する食いつきを確実に回避しつつ、レンズ鏡筒の光軸方向の小型化を図る上で有利となる。
このような実施例3においても、実施例1と同様に、間隙吸収手段あるいはトルク発生手段によって3群レンズ枠7の第2軸受部7bとサブガイド軸8bとの間に確保された微小な間隙が吸収されるので、撮像素子116で撮像される画像のブレを抑制するとともに3群レンズ枠7が光軸方向に移動される際の動作音の静粛化を図る上で有利となる。
なお、各実施例では、雌ねじ部材1506のホルダ1510の第1支片1510Aまたは第2支片1510Bへの当接が、例えばフォーカッシング動作中に発生する場合について説明したが、雌ねじ部材1506のホルダ1510の第1支片1510Aまたは第2支片1510Bへの当接は、フォーカッシング動作時以外の例えば鏡筒を突出あるいは沈胴させる過程で生じてもよいことは無論である。
また、実施例1では、3群レンズ枠7の第1軸受部7aの前端の当接部74がガイド軸支持壁91の後端の当接部9102に当接されることで、雌ねじ部材1506にコイルスプリング1508の付勢力(弾性力)P1と3群レンズ枠7の機械抵抗P2が作用しないように構成し、実施例2では、3群レンズ枠7の第1軸受部7aの後端の当接部75がガイド軸保持部材9の前端の当接部902に当接されることで、雌ねじ部材1506に、コイルスプリング1508の付勢力(弾性力)P1と3群レンズ枠7の機械抵抗P2が作用しないように構成したが、雌ねじ部材1506にこれら付勢力(弾性力)P1と機械抵抗P2が作用するように構成するか、作用しないように構成するかは任意である。また、前記摩擦トルクの算出は、これら付勢力P1および機械抵抗P2の有無を考慮して算出すればよい。
また、実施例1では、撮像素子から出力される撮像信号に基づいて生成された画像信号のコントラスト評価信号の変化に基づいて検出手段が回転駆動中のモータ1504の停止の検出を行なったが、検出手段はモータ1504の停止の検出を行なえるものであればその構成は任意である。例えば、モータ1504がDCモータで構成されている場合には、検知手段は、DCモータに供給される駆動信号としての電流信号をモニタし該電流信号の変動に基づいて回転駆動中のモータ1504の停止を検出するように構成することができる。また、モータ1504の出力軸の回転を検知するセンサを設け、検出手段がこのセンサの検知出力に基づいて回転駆動中のモータ1504の停止の検出を行なうように構成することもできる。
また、各実施例では、3群レンズ枠7に本発明を適用した場合について説明したが、1、2群レンズ枠2、3にも本発明は無論適用される。
また、本実施例では、撮像装置としてデジタルスチルカメラを用いて説明したが、本発明は、ビデオカメラ、その他種々の撮像装置に適用可能である。
実施例1の撮像装置の斜視図である。 実施例1の撮像装置の構成を示すブロック図である。 鏡筒1の状態を説明する斜視図で、(a)が不使用時のレンズ収納状態すなわち沈胴状態を示すもの、(b)が広角状態、(c)が望遠状態を示すものである。 沈胴レンズの断面図であり、(a)が沈胴状態、(b)が広角状態、(c)が望遠状態を示すものである。 沈胴レンズの分解斜視図である。 実施例1に係る撮像装置の要部を説明する分解斜視図である。 実施例1に係る撮像装置の要部の組み立て状態を説明する斜視図である。 実施例1に係る撮像装置の要部の組み立て状態を説明する斜視図である。 駆動機構15の斜視図である。 3群レンズ枠および鏡筒の構成を示す断面図である。 図10の平面図である。 可動レンズ72の位置制御を行なう制御系の構成を示すブロック図である。 フォーカッシング動作を示すフローチャートである。 雄ねじ部材1502の雄ねじ1502Aの説明図である。 実施例2の3群レンズ枠および鏡筒の構成を示す断面図である。 実施例3における可動レンズ72の駆動動作を示すフローチャートである。 実施例1における雌ねじ部材1506および3群レンズ枠7の構成を示す斜視図である。 実施例1における雌ねじ部材1506および3群レンズ枠7の断面図である。
符号の説明
100……撮像装置、1……鏡筒、7……3群レンズ枠、8b……サブガイド軸、14……メインガイド軸、71……レンズ、72……可動レンズ、7002……係合部、8……ベース、15……駆動機構、1504……モータ、1506……雌ねじ部材、1508……コイルスプリング、1509……傾斜面、7002……係合片、7003……凸部。

Claims (5)

  1. 鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系を備え、
    前記可動レンズは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠から突設された係合片とを有し、
    前記撮影光学系は、前記レンズ保持枠を前記可動レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、前記可動レンズを光軸方向に移動させる駆動機構とを有し、
    前記案内機構は、前記光軸方向と平行する方向に延在し前記レンズ保持枠にがたつくことなく挿通されたメインガイド軸と、前記光軸方向と平行する方向に延在し前記レンズ保持枠に係合し前記メインガイド軸を中心とした前記レンズ保持枠の回転を阻止するサブガイド軸とを備え、
    前記駆動機構は、前記光軸方向に沿って延在する雄ねじ部材と、前記雄ねじ部材を回転させるモータと、回転を阻止された状態で前記雄ねじ部材に螺合され該雄ねじ部材の回転により雄ねじ部材に沿って移動する雌ねじ部材と、前記光軸方向に沿って前記係合片を前記雌ねじ部材に当接させる方向に付勢するばね手段とを有し、
    前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う双方の箇所には、前記ばね手段により互いに当接されることで前記メインガイド軸を中心とした前記レンズ保持枠の回転方向に力を発生させるトルク発生手段が設けられ、
    前記トルク発生手段は、前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う箇所の一方に形成され前記光軸と直交する面に対して傾斜する傾斜面と、前記双方の箇所の他方に形成され前記傾斜面に当接する凸部とで構成されている、
    ことを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記メインガイド軸とサブガイド軸は前記レンズ保持枠の互いに対向する箇所に配設されていることを特徴とする請求項記載のレンズ鏡筒。
  3. 鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系を備え、
    前記可動レンズは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠から突設された係合片とを有し、
    前記撮影光学系は、前記レンズ保持枠との間に微小の間隙を確保しつつ該レンズ保持枠を前記可動レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、前記可動レンズを光軸方向に移動させる駆動機構とを有するレンズ鏡筒を備える撮像装置であって、
    前記駆動機構は、前記光軸方向に沿って延在する雄ねじ部材と、前記雄ねじ部材を回転させるモータと、回転を阻止された状態で前記雄ねじ部材に螺合され該雄ねじ部材の回転により雄ねじ部材に沿って移動する雌ねじ部材と、前記光軸方向に沿って前記係合片を前記雌ねじ部材に当接させる方向に付勢するばね手段とを有し、
    前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う双方の箇所には、前記ばね手段により互いに当接されることで前記間隙を吸収する方向に前記レンズ保持枠を移動させる力を発生させる間隙吸収手段が設けられ、
    前記間隙吸収手段は、前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う双方の箇所の一方に形成され前記光軸と直交する面に対して傾斜する傾斜面と、前記双方の箇所の他方に形成され前記傾斜面に当接する凸部とで構成されている、
    ことを特徴とする撮像装置。
  4. 鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系を備え、
    前記可動レンズは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠から突設された係合片とを有し、
    前記撮影光学系は、前記レンズ保持枠を前記可動レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、前記可動レンズを光軸方向に移動させる駆動機構とを有するレンズ鏡筒を備える撮像装置であって、
    前記案内機構は、前記光軸方向と平行する方向に延在し前記レンズ保持枠にがたつくことなく挿通されたメインガイド軸と、前記光軸方向と平行する方向に延在し前記レンズ保持枠に係合し前記メインガイド軸を中心とした前記レンズ保持枠の回転を阻止するサブガイド軸とを備え、
    前記駆動機構は、前記光軸方向に沿って延在する雄ねじ部材と、前記雄ねじ部材を回転させるモータと、回転を阻止された状態で前記雄ねじ部材に螺合され該雄ねじ部材の回転により雄ねじ部材に沿って移動する雌ねじ部材と、前記光軸方向に沿って前記係合片を前記雌ねじ部材に当接させる方向に付勢するばね手段とを有し、
    前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う双方の箇所には、前記ばね手段により互いに当接されることで前記メインガイド軸を中心とした前記レンズ保持枠の回転方向に力を発生させるトルク発生手段が設けられ、
    前記トルク発生手段は、前記係合片と前記雌ねじ部材とが互いに向かい合う箇所の一方に形成され前記光軸と直交する面に対して傾斜する傾斜面と、前記双方の箇所の他方に形成され前記傾斜面に当接する凸部とで構成されている、
    ことを特徴とする撮像装置。
  5. 前記メインガイド軸とサブガイド軸は前記レンズ保持枠の互いに対向する箇所に配設されていることを特徴とする請求項記載の撮像装置。
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