JP4414536B2 - 自動販売機及び硬貨放出口カバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機に関し、特に硬貨放出口にガム等を張り付けることを防止するカバーを取り付けた自動販売機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動券売機を含む自動販売機には、硬貨処理装置が内蔵され、硬貨処理装置から放出された釣銭は硬貨シュートを通り、さらに硬貨放出口を通って硬貨受け皿に送られ利用者に返還される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような自動販売機、特に自動券売機に対し、硬貨放出口の、利用者から見えない箇所に噛み終わったガムを張り付ける等の悪戯が横行している。これは、釣銭の放出を阻害し、あわよくば釣銭を、粘着力を有するガムの部分に残留させ、残留した釣銭を盗むためである。
【0004】
そこで本発明は、硬貨放出口の近傍にガム等を張り付けることを防止するとともに、ガム等が張り付けられた場合でも、ガム等を利用者が容易に視認することができる自動販売機、およびそのような自動販売機に使用する好適な硬貨放出口カバーを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による硬貨放出口カバーは、硬貨処理装置で処理された硬貨を放出する開口の形成された不透明な隔壁に取り付けられる、前記開口を覆う透明な硬貨放出口カバーにおいて;ほぼ長方形の板状部と;該長方形の2つの短辺部のそれぞれに、該板状部にほぼ垂直に形成された2つの側壁と;該長方形の1つの長辺部に、該板状部に対して傾斜して形成されたタブとを備え;前記タブには、該タブを前記隔壁に固着させるネジ穴が明けられたことを特徴とする。
【0006】
上記目的を達成するために、請求項2に係る発明による自動販売機は、図3に示すように、請求項1に記載の硬貨放出口カバーと;前記処理された硬貨を放出する硬貨シュート70と;前記放出された硬貨を受ける硬貨受け皿23と;硬貨シュート70と硬貨受け皿23との間を区画する不透明な隔壁25とを備え;硬貨放出口カバー62が、隔壁25の硬貨受け皿23側に取り付けられたことを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項3に係る発明による自動販売機は、図3に示すように、請求項1に記載の硬貨放出口カバーと;前記処理された硬貨を案内する底壁61を有し、底壁61に沿って前記案内した硬貨を放出する硬貨シュート70と;底壁61に連続した斜面27であって、水平面に対して傾斜した斜面27の形成された硬貨受け皿23と;硬貨シュート70と硬貨受け皿23との間を区画する不透明な隔壁25とを備え;隔壁25は、底壁61と斜面27との鉛直方向ほぼ上方に、前記硬貨シュートが放出した硬貨が通過する開口42が形成され;硬貨放出口カバー62が、隔壁25の硬貨受け皿23側に取り付けられたことを特徴とする。
【0007】
このように構成すると、請求項1に記載の透明な硬貨放出口カバーを備えるので、隔壁または硬貨シュートの利用者から見えない所にガム等を張り付けることを防止し、また当該硬貨放出口カバーにガム等を張り付けても透明であるので、利用者はこれを視認することができる。硬貨は、硬貨シュートの底壁を通り、隔壁の開口を通過して、硬貨受け皿の斜面を通り硬貨受け皿に放出される。
【0008】
透明なカバーは、開口を覆うが、受け皿の斜面との間には、硬貨が滑動又は転動して通過するのに十分な隙間が残るように構成されている。その隙間は、開口に人間の指が届かない程度、少なくとも開口の上端に届かない程度の狭い隙間とする。
【0009】
前記透明なカバーは、前記隔壁とは別体に形成され;該透明なカバーを該隔壁に固着させるネジを備え;前記ネジは、プラス又はマイナスドライバー以外のドライバーでねじ込むネジであることを特徴とするようにしてもよい。そのようなネジは、例えば、滑らかな円形のヘッドを有するネジ、ヘッドの長手方向の断面が楕円形をした所謂シンクネジと呼ばれるネジである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
図1(A)、(B)に示すように、自動販売機としての自動券売機101は乗車券を購入する利用客に、例えば発売中、発売中止などの情報を提供する垂直接客面21と、利用客が操作する傾斜接客面22とを正面に有し、各種制御を行う主制御部60と、貨幣(紙幣、硬貨)を処理する貨幣処理装置20と、乗車券を発行する発券装置50とを内部に収納している。貨幣処理装置20は、紙幣処理装置30と硬貨処理装置40とを含んで構成される。
【0012】
図2に示すように、傾斜接客面22には利用者が購入する乗車券の券種に対応した口座を選択するための、口座選択ボタン1〜11が配設されている。口座選択ボタン1〜11は、利用者が購入する乗車券の券種を選択するためのもので、乗車料金ごとに区分されて配置されている。
【0013】
傾斜接客面22には、さらに紙幣を挿入するための紙幣挿入口31と、硬貨を投入するための硬貨投入口41と、釣紙幣を送出するための紙幣送出口32と、釣銭(返却硬貨を含む。)を放出するための釣銭放出口42と、釣銭放出口42から放出された釣銭を一時的に受ける硬貨受け皿23と、発行された乗車券を放出する券放出口51とが配設されている。利用者は購入した乗車券を券放出口51から、釣紙幣を紙幣送出口32から、釣銭を硬貨受け皿23から手にすることができる。
【0014】
次に、図3の断面図を参照して自動券売機101(図1参照)の硬貨受け皿23の周辺の構造を説明する。
傾斜接客面22の下端部近くに硬貨受け皿23が配置されている。傾斜接客面22に設けられた硬貨受け皿23の上部近傍の部分は凹んで凹部24を形成している。凹部24は底の部分を形成する硬貨受け皿23と、利用者に対向して略鉛直に配置され、不透明な材質からなる隔壁25と、隔壁25に対して直角であって鉛直に配置された側壁26(図2参照)を含んで構成されている。
【0015】
硬貨受け皿23は、水平面に対して傾斜し、利用者に近づく方向に約30度の角度で下がる斜面27と、斜面27に連なり略水平な底面75と、底面75から略鉛直方向上方に立ち上げられた掻き上げ面76と、これらの面を接続する一対の側面77とにより画成されている。隔壁25の下部で利用者から見て左側(図2参照)に本発明の開口としての略長方形の釣銭放出口42が形成されている。斜面27の最もせり上がった部分が釣銭放出口42の下端部を形成している。言い換えれば釣銭放出口42は、斜面27の上方に位置する。
【0016】
斜面27に連続し、水平方向に対して約30度傾いた底壁61と、底壁61に対して直立して設けられた一対の側壁29により、硬貨シュート70が形成されている。硬貨シュート70は硬貨処理装置40の一部を構成する。釣銭は硬貨シュート70内部を通過するとき隔壁25、側壁29に当たりながら移動する。隔壁25の外側部(利用者に面する側)の下部には、透明な材質からなる硬貨放出口カバー62が取り付けられている。隔壁25は、硬貨シュート70と硬貨受け皿23との間を区画する。
【0017】
硬貨シュート70の底壁61と、硬貨受け皿23の斜面27とは、連続する面を形成するが、必ずしも同一平面を形成する必要はない。接続箇所で異なる角度で傾斜していてもよい。釣銭放出口42は、底壁61の上方に位置する。透明な材質からなる硬貨放出口カバー62は、全体が透明ではなくても、透明な部分を含み、釣銭放出口42、硬貨受け皿23上の釣銭を視認することができる硬貨放出口カバー62をも含むものとする。
【0018】
図4(A)と、図4(A)のA矢視図である図4(B)に示すように、硬貨放出口カバー62は、略長方形の板状部63と、略長方形の短辺部に配置され、板状部63にほぼ垂直に形成された側壁64と、略長方形の長辺部に配置され、板状部63に対して傾斜して配置されたタブ65とを備える。板状部63は平面板形状をなす。硬貨放出口カバー62は、さらに利用者から見て右側の側壁64に隣接して側壁タブ66を備える。側壁64の板状部63とは反対側の端部64A、および側壁タブ66の板状部63とは反対側の端部66Aは、隔壁25(図3参照)の外側部の表面に接触するよう構成されている。タブ65には、タブ65を隔壁25に固着させるシンクネジ69(図3参照)用のネジ穴67が形成されている。側壁タブ66の端部66Aには、側壁タブ66を隔壁25に固着させるネジ71(図3参照)用のネジ穴68が形成されている。
【0019】
図3に示すように、ネジ穴67には前述のシンクネジ69が差し込まれ、硬貨放出口カバー62が隔壁25の外側部(硬貨受け皿23側)に取り付けられ、シンクネジ69は隔壁25に形成された孔74を貫通し、隔壁25の内側からナット69Aによって締め付けられる。シンクネジ69のヘッドの長手方向の断面は滑らかな半楕円形である。よって、極く一般的に入手できるドライバーであるプラスあるいはマイナスドライバーによって、外部から簡単に取り外される虞がなく、硬貨放出口カバー62を取り外す行為を容易に防止することができる。ネジ穴68には前述のネジ71が隔壁25の内側から、隔壁25に形成された孔72を貫通して、挿入される。
【0020】
硬貨放出口カバー62は、釣銭放出口42を覆うが、釣銭放出口42は釣銭が滑動または転動しながら通貨できる開口部73を残している。この開口部73の大きさは、釣銭が通過できるように十分に大きくする。また、人間が開口部73から内部に指を入れた場合、隔壁25の内側部に指が到達せず、少なくともガム等の異物を、隔壁25の内側部、硬貨シュート70の底壁61、側壁29等の利用者から見えない部分に張り付けることができない大きさに形成する。
【0021】
硬貨放出口カバー62の内側部にガム等を張り付けることができるが、硬貨放出口カバー62は透明な材料からなるので、利用者は釣銭放出口42を視認し、張り付けられたガム等があれば、これを容易に視認することができ、釣銭がガム等に張り付けば、これを認識できる。また、放出された釣銭が何らかの理由により、硬貨受け皿23上で硬貨放出口カバー62の内側に留まった場合であっても、利用者は硬貨を視認できる。また、開口部73は利用者が硬貨放出口カバー62の内側部に指を入れ、内部に残留している硬貨を取り出させるよう十分大きく形成されている。
【0022】
硬貨処理装置40から放出された釣銭は、硬貨シュート70の底壁61を滑動または転動し、釣銭放出口42を通過し、硬貨受け皿23の斜面27を滑動または転動し、開口部73を通過し硬貨受け皿23に受け入れられる。硬貨放出口カバー62を設けたので、隔壁25または硬貨シュート70の利用者から見えないところにガム等が張り付けられることがないので、利用者に釣銭を確実に返却することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、透明な硬貨放出口カバーを設けたので、隔壁または硬貨シュートの利用者から見えない所にガム等を張り付けることを防止し、またカバーにガム等を張り付けても透明であるので、利用者はこれを視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動券売機の外形図である。(A)は側面図であり、(B)は背面図である。
【図2】図1の自動券売機の接客面の図面である。
【図3】図1の自動券売機の硬貨放出口カバーの近傍の断面図である。
【図4】硬貨放出口カバーの図面である。(A)は正面図、(B)は(A)のA矢視図である。
【符号の説明】
23 硬貨受け皿
24 凹部
25 隔壁
26 側壁
27 斜面
29 側壁
42 釣銭放出口
61 底壁
62 硬貨放出口カバー
63 板状部
64 側壁
65 タブ
66 側壁タブ
67 ネジ穴
68 ネジ穴
69 シンクネジ
70 硬貨放出シュート
71 ネジ
72 孔
73 開口部
74 孔
75 底面
76 掻き上げ面
77 側面
101 自動券売機

Claims (3)

  1. 硬貨処理装置で処理された硬貨を放出する開口の形成された不透明な隔壁に取り付けられる、前記開口を覆う透明な硬貨放出口カバーにおいて;
    ほぼ長方形の板状部と;
    該長方形の2つの短辺部のそれぞれに、該板状部にほぼ垂直に形成された2つの側壁と;
    該長方形の1つの長辺部に、該板状部に対して傾斜して形成されたタブとを備え;
    前記タブには、該タブを前記隔壁に固着させるネジ穴が明けられたことを特徴とする;
    硬貨放出口カバー。
  2. 請求項1に記載の硬貨放出口カバーと
    前記処理された硬貨を放出する硬貨シュートと;
    前記放出された硬貨を受ける硬貨受け皿と;
    前記硬貨シュートと前記硬貨受け皿との間を区画する前記不透明な隔壁とを備え
    前記硬貨放出口カバーが、前記隔壁の前記硬貨受け皿側に取り付けられたことを特徴とする;
    自動販売機。
  3. 請求項1に記載の硬貨放出口カバーと
    前記処理された硬貨を案内する底壁を有し、該底壁に沿って前記案内した硬貨を放出する硬貨シュートと;
    前記底壁に連続した斜面であって、水平面に対して傾斜した斜面の形成された硬貨受け皿と;
    前記硬貨シュートと前記硬貨受け皿との間を区画する前記不透明な隔壁とを備え
    前記隔壁は、前記底壁と前記斜面の鉛直方向ほぼ上方に、前記硬貨シュートが放出した硬貨が通過する前記開口が形成され;
    前記硬貨放出口カバーが、前記隔壁の前記硬貨受け皿側に取り付けられたことを特徴とする;
    自動販売機。
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