以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図8は本発明に係る画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置の一実施の形態を示す図であり、本発明の画像読取装置を画像形成装置としての複写機に搭載した例を示している。なお、画像形成装置としては複写機以外にファクシミリ装置、プリンタ装置、複写機能とファクシミリ機能等を備えた複合機等に適用することができる。
まず、構成を説明する。図1〜図3において、複写機の本体21の上面にはコンタクトガラス22aが設けられており、このコンタクトガラス22aに隣接する本体の上面にはコンタクトガラス22aよりも小面積のスリットガラス(読取位置)22bが設けられている。
また、本体21の上部には自動用紙搬送装置としてのADF23が設けられており、このADF23は図示しないヒンジ機構を介してコンタクトガラス22aを開放および閉塞するように開閉自在になっている。
また、ADF23は、積層原稿(用紙)からなる原稿束Pが原稿面を上向きにして載置される原稿テーブル24、原稿テーブル24に載置された原稿束Pから原稿を一枚ずつ分離して給紙する分離給紙部(分離給紙手段)25と、給紙された原稿を突き当て整合してスキューの矯正を行うとともに、整合後の原稿を引き出して搬送するレジスト部26と、搬送される原稿を反転させて、原稿面をスリットガラス(透光性部材)22b側に向けて搬送するターン部27と、原稿の表面画像をコンタクトガラス22aの下方に設けられた図示しない後述する画像読取手段により読取りを行わせる第1読取搬送部28と、読取り終了後の原稿の裏面画像を読取る第2読取搬送部29と、表裏の読取りが完了した原稿をADF23機外に排出する排紙部30と、読取り完了後の原稿を積載保持するスタック部31と、これら搬送動作の駆動を行うピックアップモータ101、給紙モータ102、読取モータ103、排紙モータ104および底板上昇モータ105と、ADF23の一連の動作を制御するコントローラ100とから構成されている。
原稿テーブル24のテーブル面には原稿の長さを検知する原稿長さ検知センサ32、33が設けられており、この原稿長さ検知センサ32、33は反射型センサ、または、1枚の原稿でも検知可能なアクチェータータイプのセンサ等から構成され、原稿の搬送方向長さを検知して検知信号をコントローラ100に出力するようになっている。したがって、原稿長さセンサ32、33は少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能なように原稿テーブル24のテーブル面に配置されている。
また、原稿テーブル24の先端(原稿の搬送方向下流側)には可動テーブル34が設けられており、この可動テーブル34は底板上昇モータ105によって矢印a−bで示すように上下動されるようになっている。
また、原稿テーブル24には図示しないサイドガイドが設けられており、このサイドガイドによって原稿束Pの幅方向(原稿の搬送方向と直行する方向)の位置決めが行われるようになっている。
また、可動テーブル34の近傍にはセットフィラー35および原稿セットセンサ36が設けられており、セットフィラー35は原稿テーブル24に原稿束Pが載置されたときに破線で示す位置から実線で示す位置に移動し、原稿セットセンサ36がこのセットフィラー35を検知した状態から未検知状態に変化すると、コントローラ100に信号を出力する。コントローラ100はI/F107を介して複写機の本体21に設けられた本体制御部111に信号を出力し、本体21側では原稿の読取りを行うための待機状態に移行する。
また、コントローラ100は原稿セットセンサ36からの検知信号に基づいて原稿テーブル24に原稿束Pが載置されたことを判断したときに、底板上昇モータ105を上昇させ原稿束Pの最上面をピックアップローラ37に接触させる。
ピックアップローラ37はピックアップモータ101からの駆動力が図示しないカム機構を介して伝達されるようになっており、ピックアップモータ101およびカム機構により矢印c−dで示すように原稿束Pの上面に接触する位置と待避する位置の間で上下移動する。
また、可動テーブル34の上方にはテーブル上昇センサ38が設けられており、このテーブル上昇センサ38は可動テーブルが矢印c方向に上昇したときにピックアップローラ37が上昇すると、ピックアップローラ37の位置を検知することにより、上昇可能な上限を検知するようになっている。
また、本体21側に設けられた操作部108のプリントキーが押下され、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ100に原稿給紙信号が送信されると、ピックアップローラ37は給紙モータ102の正転により回転駆動するようになっており、原稿テーブル24上の数枚(理想的には1枚)の原稿の給紙を開始する。
この給紙された原稿はピックアップローラ37の下流側に設けられた給紙ベルト39およびリバースローラ40からなる分離給紙手段に給紙される。
給紙ベルト39は給紙モータ102が正転駆動されると給紙方向(時計方向)に回転駆動されるようになっており、リバースローラ40には図示しないトルクリミッタが内蔵され、給紙モータ102が正転駆動されると給紙方向と逆方向(時計方向)に回転駆動されるようになっている。このため、最上位の原稿とその下の原稿が分離されて、最上位の原稿のみが給紙される。
具体的には、リバースローラ40は給紙ベルト39と所定圧で接しており、給紙ベルト39と直に接触しているとき、または、原稿1枚を介して接している状態では給紙ベルト39の回転につられて反時計方向に連れ回りし、原稿が万が一2枚以上給紙ベルト39とリバースローラ40の間に進入した時は連れ回り力がトルクリミッタのトルクよりも低くなるように設定されている。このため、リバースローラ40は本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをして重送を防止することができ、給紙ベルト39とリバースローラ40の作用により1枚に分離された原稿は給紙ベルト39によって送られるようになっている。
また、給紙ベルト39の下流側には突き当てローラ41が設けられており、この突き当てローラ41は駆動ローラ41aおよび従動ローラ41bから構成され、給紙モータ102により回転駆動されるようになっている。
この突き当てローラ41は給紙ベルト39とリバースローラ40の作用により1枚に分離された原稿のスキューの矯正およびさらに下流側に搬送する機能を有している。
すなわち、原稿の給紙時に給紙モータ102を停止することにより、突き当てローラ41は停止された状態に設定されており、分離された原稿が突き当てローラ41の上流側に設けられた突き当てセンサ42によって検知された後、突き当てローラ41に原稿の先端が突き当てられる。
そして、突き当てセンサ42が原稿の先端を検知してコントローラ100に信号を出力すると、コントローラ100は突き当てセンサ42の検知から所定量定められた距離だけ給紙モータ102を駆動して給紙ベルト39を周回移動させることにより、突き当てローラ41に原稿が所定量の撓みを持って押し当てられた状態にする。
また、給紙モータ102の停止前にピックアップモータ101を回転させてピックアップローラ37を原稿束Pの上面から退避させる。このときには、原稿が給紙ベルト39の搬送力のみで送られることにより、原稿先端が突き当てローラ41の駆動ローラ41aおよび従動ローラ41bのニップに進入して原稿の先端のスキューが矯正される。
また、スキューの矯正後に給紙モータ102が逆転駆動されるようになっており、このとき、突き当てローラ41は給紙モータ102によって回転駆動され、分離された原稿を中間ローラ43に搬送するようになっている。この中間ローラ43は駆動ローラ43aおよび従動ローラ43bから構成されており、給紙モータ102によって駆動される。
なお、給紙モータ102が逆転駆動されると、突き当てローラ41と中間ローラ43に給紙モータ102の駆動力が伝達され、ピックアップローラ37と給紙ベルト39には駆動力が駆動されない。
また、突き当てローラ42の下流側には幅方向センサ44が設けられており、この幅方向センサ44は図2中、図面の手前側から奥側に複数個設けられ、搬送された原稿を検知してコントローラ100に信号を出力するようになっている。コントローラ100は幅方向センサ44のON信号に基づいて原稿の搬送方向に直行する幅方向のサイズを検知するようになっている。
また、原稿の搬送方向の長さに関しては、コントローラ100が原稿の突き当てセンサ42からの検知信号に基づいて検知するようになっている。すなわち、突き当てセンサ42が原稿の先端を検知してONになり、その後、突き当てセンサ42が原稿の後端を検知してOFFになったときの給紙モータ102のパルス信号を計数することにより、原稿の長さを検知する。
また、中間ローラ43の下流側には読取入口ローラ45が設けられており、この読取入口ローラ45は駆動ローラ45aおよび従動ローラ45bから構成され、読取モータ103によって駆動される。
また、スリットガラス22bの上面には第1読取ローラ47が設けられているとともに、この第1読取ローラ47の下流側には読取出口ローラ48が設けられており、第1読取ローラ47は駆動ローラから構成され、読取出口ローラ48は駆動ローラ48aおよび従動ローラ48bから構成されている。
また、この読取出口ローラ48の下流側には第2読取ローラ49が設けられており、第2読取ローラ49は駆動ローラから構成されている。また、第2読取ローラ49の下流側には読取出口ローラ50が設けられており、この読取出口ローラ50は駆動ローラ50aおよび従動ローラ50bから構成されている。そして、これら各ローラ45、47、48、49および50は読取モータ103によって駆動される。
また、第2読取ローラ49の上方にはCCD等のイメージセンサ51が設けられており、このイメージセンサ51は原稿の他方の面を読取るようになっている。
また、中間ローラ43の下流側には入口センサ46が設けられており、この入口センサ46は原稿先端を検知するとコントローラ100に信号を出力するようになっている。
コントローラ100は入口センサ46から信号が入力されると、読取入口ローラ45の駆動ローラ45aおよび従動ローラ45bのニップに原稿先端が進入する前に原稿搬送速度を読取搬送速度と同速にするために給紙モータ102の減速を開始するのと同時に、読取モータ103を正転駆動して中間ローラ43を読取モータ103側の駆動系に接続するとともに、読取入口ローラ45、第1読取ローラ47、読取出口ローラ48、第2読取ローラ49を駆動するようになっている。
また、突き当てローラ41および中間ローラ43の駆動によりレジスト部26からターン部27に原稿を搬送する際には、レジスト部26での搬送速度を第1読取搬送部28での搬送速度よりも高速に設定して原稿をスリットガラス22bに送り込む処理時間の短縮を図るとともに、原稿の紙間距離を縮めるようにしている。
また、読取入口ローラ45の下流側にはレジストセンサ71が設けられており、このレジストセンサ71は原稿の先端を検知してコントローラ100に信号を出力するようになっている。
コントローラ100はレジストセンサ71から信号が入力すると、給紙モータ102を所定の搬送距離をかけて減速し、スリットガラス22bの手前で一時停止すると共に本体制御部111にI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。コントローラ100は本体制御部111から読取開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿の先端がスリットガラス22bに到達するまでに所定の搬送速度に立ち上がるように読取モータ103を増速して中間ローラ43および読取入口ローラ45により原稿を搬送する。
ここで、原稿の先端がレジストセンサ71に到達するより前に読取開始信号を受信した場合はレジスト非停止読取動作となる。レジスト非停止読取動作の場合はレジスト停止を行わずに、読取搬送速度を維持したまま読取りを行う。
読取モータ103のパルスカウントにより検出された原稿先端がスリットガラス22bに到達するタイミングで、本体制御部111に対して第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号がスリットガラス22bを原稿後端が抜けるまで送信される。
片面原稿読取りの場合には、スリットガラス22bを通過した原稿は第2読取搬送部29を経て排紙部30に搬送される。この際、排紙センサ74により原稿の先端を検知すると、排紙モータ104を正転駆動して排紙ローラ73を反時計方向に回転させる。
排紙センサ74による原稿の先端検知からの排紙モータ104のパルスカウントにより、原稿後端が排紙ローラ73の駆動ローラ73aおよび従動ローラ73bのニップから抜ける直前に排紙モータ104の駆動速度を減速させて、スタック部31に排出される原稿が飛び出さない様に制御される。
両面原稿読取りの場合には、排紙センサ74で原稿先端を検知してから読取モータ103のパルスカウントによりイメージセンサ51に原稿先端が到達するタイミングでイメージセンサ51に対してコントローラ100から副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号がイメージセンサ51を原稿後端が抜けるまで送信される。
なお、第2読取ローラ49は白色から構成されており、このようにしたのは、イメージセンサ51におけるシェーディングデータを取得するための基準白部を兼ねるためであり、さらに、イメージセンサ51の下方に第2読取ローラ49を設けたのは、イメージセンサ51による読取り時に原稿の浮きを抑えるためである。
一方、複写機の本体21内には、図1に示すように光源、反射ミラー、集光レンズ、CCD等のイメージセンサからなる画像読取手段81が設けられており、この画像読取手段81によって読取られた画像情報は書込部82によって感光体ドラム83に照射されるようになっている。
感光体ドラム83の周囲には、図4に示すように、感光体ドラム83と共に画像形成手段を構成する帯電装置84、電位センサ85、現像装置86、転写ベルト87、クリーニング装置88、除電装置89が設けられている。帯電装置84は暗中にプラス電荷のコロナ放電をグリッドにより制御して感光体ドラム83の表面を一定電位に帯電させるようになっている。
書込部82はこの一定電位に帯電された感光体ドラム83上に画像情報を含んだレーザダイオードを照射して感光体ドラム83上のマイナス電荷を除去して静電潜像を形成する。
電位センサ85は感光体ドラム83上の電位を測定してプロセスコントロールによって補正を行う。
現像装置86は感光体ドラム83上の電気除去された部分にマイナスに帯電されたトナーを付着させて可視像を形成する。
転写ベルト87にはプラスのバイアスが印加されており、この転写ベルト87はマイナスに帯電された可視像を転写紙(用紙)に転写して搬送するようになっている。
クリーニング装置88はクリーニングブレードを備えており、感光体ドラム83に残ったトナーを掻き落とすようになっている。
除電装置89はLEDを点灯させることにより感光体ドラム83の残留電荷を除去して次の転写紙に新たな画像を形成するための準備を行う。
このようにした画像が形成された転写紙は定着装置90に搬送され、定着装置90によりトナー画像が転写紙に定着される。
また、本体21内にはそれぞれ異なるサイズの転写紙S1〜S5が収納された収納カセット91〜95が設けられており、この収納カセット91〜95に収納された転写紙は呼出しローラ91a〜95aによって給紙された後、搬送方向に回転する給紙ローラ91b〜95bおよび給紙ローラ91b〜95bに摺接し、分離阻止方向に回転するリバースローラ91c〜95cによって分離された後、中継ローラ対96、97を介してレジストローラ対98に搬送され、レジストローラ対98によってタイミングを取られて感光体ドラム83と転写ベルト87の間の搬送路に搬送される。
一方、図5に示すようにスリットガラス22bの搬送方向上流側の端部は、押えカバー(第1の押え部材)121によって本体21に固定されており、この押えカバー121は原稿Pをスリットガラス22b上の読取位置Aに案内するようになっている。
また、スリットガラス22bの搬送方向下流側の端部は原稿ガイド122によって本体21に固定されており、この原稿ガイド122は読取りが終了した原稿Pをスリットガラス22bからすくい上げて読取出口ローラ48側に排紙するようになっている。
また、スリットガラス22bは、搬送される原稿Pと対向する面に防汚用のコーティング層123が設けられており、このコーティング層123は押えカバー121および原稿ガイド122に対向する面には施されていないようになっている(図6参照)。
このコーティング層123はスリットガラス22bの表面に設けられた低摩擦係数で、かつ撥水性、撥油性を有するフッ素系化合物あるいはシリコーン系の化合物から構成されており、ガラスの幅より狭いローラや刷毛、あるいはスプレーによりスリットガラス22bの表面に塗布されている。なお、コーティング剤の塗布に際しては、マスキングによりコーティング領域のみを外部に露出してコーティングするようにしても良い。また、塗布以外にコーティング剤を真空蒸着したり、コーティング剤に浸けたりする方法がある。
また、フッ素系化合物やシリコーン系の化合物をガラスから剥離しないように取付ける場合には、加水分解基をガラスに付けるとともに、有機官能基をフッ素系化合物やシリコーン化合物に付けることにより、接着剤の機能を付与することができ、長期に亙ってこれらの皮膜をガラスに定着することができる。
次に、搬送動作を説明する。
まず、原稿テーブル24に原稿束Pが載置されると、原稿セットセンサ36がセットフィラー35を検知した状態から未検知状態に変化するため、底板上昇モータ105を上昇させて原稿束Pの最上面をピックアップローラ37に接触させる。
次いで、操作部108のプリントキーが押下されると、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ100に原稿給紙信号が送信されるため、給紙モータ102を正転駆動するとともに、給紙ベルト39が時計方向に周回移動し、さらに、リバースローラ40が時計方向に回転する。このため、原稿束Pから最上位に位置する原稿が分離される。
次いで、レジストセンサ71が読取開始信号を受信する前に、突き当てセンサ42が原稿の先端を検知した場合には、所定量定められた距離だけ給紙モータ102を駆動して給紙ベルト39を周回移動させることにより、原稿を所定距離だけ搬送し、原稿の先端を突き当てローラ41に突き当て、原稿が所定量の撓みを持って押し当てられた状態にして原稿のスキューを矯正する。
次いで、給紙モータ102の駆動を停止した後、ピックアップモータ101の駆動を停止し、ピックアップモータ101を回転させてピックアップローラ37を原稿束Pの上面から退避させる。
次いで、給紙モータ102を逆転駆動する。このとき、ピックアップローラ37と給紙ベルト39が停止されるとともに、突き当てローラ41および中間ローラ43が駆動され、原稿がスリットガラス22bに向かって搬送される。
次いで、入口センサ46によって原稿の先端が検知されると、コントローラ100が1枚目の原稿が分離給紙されたものと判断し、原稿の搬送速度を読取搬送速度と同速にするために給紙モータ102を減速駆動するとともに、原稿の先端を読取入口ローラ45に突き当て、原稿が所定量の撓みを持って押し当てられた状態にして原稿のスキューを矯正するとともに、この位置をレジスト停止位置にして本体制御部111にI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。
次いで、コントローラ100に読取開始信号が入力すると、読取モータ103を駆動して、読取入口ローラ45および第1読取ローラ47によって原稿をスリットガラス22b上に搬送する。
次いで、読取モータ103のパルスカウントにより検出された原稿先端が画像読取手段81の上方に到達するタイミングで、本体制御部111に対して第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号をスリットガラス22bを原稿後端が抜けるまで送信し、スリットガラス22bの下方に設けられたイメージセンサを備えた画像読取手段81によって原稿の一方の面を読取る。
次いで、給紙モータ102を逆転して原稿テーブル24に載置された後続する原稿の給紙を開始する。このとき、原稿の先端が突き当てセンサ42によって検知されると、原稿の先端が突き当てセンサ42によって検知されてから所定量定められた距離だけ搬送する。次いで、原稿の先端が突き当てローラ41を抜けたときに給紙モータ102を正転駆動し、突き当てローラ41および中間ローラ43への駆動を停止するが、このときには中間ローラ43は読取モータ103の駆動によって読取入口ローラ45等の読取搬送系のローラと略同一の線速で駆動されている。また、このときに、後続する原稿の先端が突き当てローラ41に突き当てられて後続する原稿のスキューが矯正される。
ここで、片面原稿読取りの場合には、第1読取搬送部28を通過した原稿が第2読取搬送部29を経て排紙部30に搬送されるが、この際に排紙センサ74によって原稿の先端が検知されると、排紙モータ104を正転駆動して排紙ローラ73を反時計方向に回転させる。
また、排紙センサ74による原稿の先端検知からの排紙モータ104のパルスを計数することにより、原稿後端が排紙ローラ73の駆動ローラ73aおよび従動ローラ73bのニップから抜ける直前に排紙モータ104の駆動速度を減速させて、スタック部31に排出される原稿が飛び出さないように制御する。
一方、スリットガラス22bに搬送される原稿Pは押えカバー121によってスリットガラス22b上の読取位置Aに案内された後、読取位置Aで画像読取手段81によって画像が読取られた後、原稿ガイド122によってすくい上げられて読取出口ローラ48側に排紙する。
本実施の形態では、原稿Pに対向するスリットガラス22bの面にコーティング層123を設けたので、原稿Pに付いた修正液、糊、未乾燥のインク、あるいは紙粉等のごみがスリットガラス22bの読取位置Aに付着してスリットガラス22bが汚れてしまうことがない。
また、コーティング層123は押えカバー121および原稿ガイド122に対向する面には施されていないので、この部分のスリットガラス22bの面はコーティング層123に対して高摩擦係数となっている。
このため、ごみがスリットガラス22bからスリットガラス22bと押えカバー121または原稿ガイド122の間から複写機の本体21内に侵入し難くすることができる。
この結果、従来においてスリットガラス22bに付着していたごみ等の影響によるすじ画像を防止することができるとともに、複写機の機器、例えば、画像読取手段81を構成する光源、反射ミラー、集光レンズ、CCD等のイメージセンサ等が汚れてしまうのを防止することができ、ごみ等が縦の黒筋(副走査方向と平行の黒筋)となって画像に現れてしまうのを防止して、画質が低下するのを防止することができる。
また、搬送される原稿Pと対向するスリットガラス22bの面にコーティング層123を設け、押えカバー121および原稿ガイド122に対向する面にコーティング処理を施していないので、コーティング剤を節約することができ、複写機の製造コストを低減することができる。
また、本実施の形態では、原稿Pの搬送方向上流側のスリットガラス22bの端部に押えカバー121を設け、この押えカバー121によって原稿Pをスリットガラス22bに案内するとともに、原稿Pの搬送方向下流側のスリットガラス22bの端部に原稿ガイド122を設け、この原稿ガイド122によって読取りが終了した原稿Pをスリットガラス22bからすくい上げて排紙するようにしたので、原稿Pを読取位置Aに容易に案内することができるとともに、読取りが終了した原稿を読取位置Aから容易に排紙することができる。
図7、図8において、搬送される原稿Pと対向するスリットガラス22bの面にはコーティング層124が設けられており、このコーティング層124は読取位置Aを含んだ領域から原稿の搬送方向上流側の押えカバー121に延在し、読取位置Aから原稿Pの搬送方向下流側にコーティング処理が施されていない領域125を有している。
したがって、原稿Pと対向する面にはコーティング層124が形成された摩擦係数の低い領域とコーティング層124が設けられていない摩擦係数の高い領域が存在する。
スリットガラス22bの汚れを防止したい領域は、実際の原稿Pの画像を読取る読取位置Aであり、読取位置Aに対して原稿の搬送方向上流側が汚れてしまうと、原稿の搬送方向下流側の読取位置Aにごみ等の汚れが延在したり、または移動してしまう。
本実施の形態では、読取位置Aを含んだ領域から原稿の搬送方向上流側の押えカバー121に延在するようにスリットガラス22bにコーティング層124を設けたので、スリットガラス22bの読取位置A上が汚れてしまうのを防止することができる。
また、読取位置Aから下流側にごみ等の汚れが延在したり、または移動してしまうことがあり、何等かの原因でこのごみ等が読取位置Aに逆流してしまう可能性があるが、本実施の形態では、読取位置Aに対して原稿の搬送方向下流側にコーティング処理が施されていない領域125を設けたので、この部分のスリットガラス22bの面の摩擦係数を高くすることができ、ごみ等の汚れをこの領域125に留らせておくことができる。
以上の結果、スリットガラス22bの読取位置A上が汚れてしまうのを防止することができる。
図9、図10は本発明に係る画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置の参考例を示す図であり、上記一実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図9において、原稿に対向するスリットガラス22bの面で、かつコーティング層123が設けられていない面には感圧性接着剤(両面テープ)や表面に接着剤が塗布されたゴムパッキン等の粘着部材(介装部材)126が設けられており、この粘着部材126によって押えカバー121とスリットガラス22bの間が密閉されている。
なお、この粘着部材126は押えカバー121側に予め取付けておいても良く、スリットガラス22b側に取付けておいても良い。また、コーティング層123が設けられていないスリットガラス22bの高摩擦係数の面上に粘着部材126が取付けられるので、スリットガラス22bから剥がれることはない。
本実施の形態では、粘着部材126によって押えカバー121とスリットガラス22bの間が密閉しているので、押えカバー121とスリットガラス22bの間から本体21内にごみが侵入するのを粘着部材126によって確実に遮断することができ、画質が低下するのをより一層防止することができる。
なお、介装部材126は粘着性を有する部材でなくとも良く、例えば、ゴムパッキンや発泡スチロール等から構成しても良い。要は、粘着部材126によって押えカバー121とスリットガラス22bの間が密閉できれば良いのである。
また、押えカバー121とスリットガラス22bの間に粘着部材126を設ける代わりに、図10に示すように、原稿ガイド123とスリットガラス22bの間に粘着部材127を設けても良く、押えカバー121とスリットガラス22bの間および原稿ガイド123とスリットガラス22bの間の両方に粘着部材を設けても良い。
図11、図12は本発明に係る画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置の参考例であり、上記一実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図11において、スリットガラス22bの両面にはコーティング層128a、128bが設けられており、このコーティング層128a、128bは、原稿の搬送方向(副走査方向)129と直交する方向(主走査方向)に延在する中心軸130に対して点対称な位置に設けられている。
本参考例では、スリットガラス22bの断面形状は長方形であるため、長方形の対角線の交点に対してコーティング層128a、128bが点対称に設けられており、コーティング層128a、128bは対角線上に対向している。
このような構成を有するスリットガラス22bにあっては、スリットガラス22bの両面に対し、原稿の搬送方向129と直交する方向に延在する中心軸に対して点対称な位置にコーティング層128a、128bを形成したので、スリットガラス22bを、中心軸130を中心にして180゜回動させてスリットガラス22bの上下面を引っ繰り返すことにより、原稿に対向する同一面上にコーティング層を位置させることができる。
すなわち、スリットガラス22bの上下面を引っ繰り返したときに、コーティング層128aの位置にコーティング層128bを位置させ、コーティング層128bの位置にコーティング層128aを位置させることができる。
この結果、スリットガラス22bの一方の面のコーティング効果が劣化した場合に、他方の面を使用することでスリットガラス22bを短期間で交換する必要がなく、スリットガラス22bのランニングコストを大幅に低減することができる。
なお、本参考例では、コーティング層128a、128bを対角線上に対向して設けているが、これに限らず、図12に示すように、コーティング層131a、131bを線対称の位置に設けても良い。このようにしても、スリットガラス22bの両面に対し、原稿の搬送方向129と直交する方向に延在する中心軸に対して点対称な位置にコーティング層131a、131bが設けられることに変わりはない。
図13は本発明に係る画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置の参考例を示す図であり、上記一実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図13において、スリットガラス22bの両面にはコーティング層132a、132bが設けられているとともに、スリットガラス22bの両面の非コーティング領域には粘着部材133a、133bが設けられており、このコーティング層132a、132bおよび粘着部材133a、133bは、原稿の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に延在する中心軸134に対して点対称な位置に形成されている。
本参考例では、スリットガラス22bの断面形状は長方形であるため、長方形の対角線の交点に対してコーティング層132a、132bおよび粘着部材133a、133bが点対称に設けられており、コーティング層132a、132bおよび粘着部材133a、133bは対角線上に対向している。
このような構成を有するスリットガラス22bにあっては、スリットガラス22bの両面に対し、原稿の搬送方向と直交する方向に延在する中心軸に対して点対称な位置にコーティング層132a、132bおよび粘着部材133a、133bを形成したので、スリットガラス22bを、中心軸134を中心にして180゜回動させてスリットガラス22bの上下面を引っ繰り返すことにより、原稿に対向する同一面上にコーティング層を位置させることができる。
すなわち、スリットガラス22bの上下面を引っ繰り返したときに、コーティング層132aの位置にコーティング層132bを位置させるとともに粘着部材133aの位置に粘着部材133bを位置させ、コーティング層132bの位置にコーティング層132aを位置させるとともに粘着部材133bの位置に粘着部材133aに位置させることができる。
この結果、スリットガラス22bの一方の面のコーティング効果が劣化した場合に、他方の面を使用することでスリットガラス22bを短期間で交換する必要がなく、スリットガラス22bのランニングコストを大幅に低減することができる。