JP4412294B2 - イオン源 - Google Patents

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Description

この発明は、イオン源に関し、より具体的には、フィラメントによってカソードを加熱して当該カソードから、アノードを兼ねるプラズマ生成容器内に、プラズマ生成用の熱電子を放出させる構造のイオン源に関する。このようなイオン源は、傍熱型イオン源とも呼ばれる。
この種のイオン源の一例として、特許文献1には、筒状のカソードホルダーの先端部内に、カソードを圧入嵌合(より具体的には締まりばめ)して保持する構造を採用したイオン源が記載されている。
特開平10−199430号公報(段落0015、0045、0069、図7)
カソードは、イオン源の運転に伴って消耗する消耗品であり、消耗すると交換する必要がある。ところが、上記従来のイオン源は、カソードをカソードホルダーに圧入嵌合(締まりばめ)した構造であるために、カソードの取り外しおよび取り付けが、即ちカソードの着脱が難しいという課題がある。しかも、カソードおよびカソードホルダーの先端部はイオン源の運転時に高温(例えば2300℃〜2600℃程度)になり、このように高温になる箇所で圧入嵌合構造を採用していると、イオン源の運転後にカソードがカソードホルダーに固着していて、カソードの取り外しが困難になる場合が多い。
また、カソードをカソードホルダーに圧入嵌合した構造であるために、カソードとカソードホルダー間の接触面積が比較的大きく、その分、カソードからカソードホルダーへの伝導による熱損失(伝熱損失)が大きくて、フィラメントによるカソードの加熱効率が低いという課題もある。
そこでこの発明は、カソードの着脱(取り付けおよび取り外し。以下同様)が容易であり、しかもカソードからカソードホルダーへの伝熱損失を低減してカソードの加熱効率を高めることができるイオン源を提供することを主たる目的としている。
この発明に係るイオン源は、フィラメントによってカソードを加熱して当該カソードから、アノードを兼ねるプラズマ生成容器内に熱電子を放出させる構造のイオン源であって、前記プラズマ生成容器内に向く前部、その反対側にある後部および両者をつなぐ部分であって前部よりも細い連結部を有しており、かつ後部は連結部から横方向に張り出した少なくとも二つの張出し部を有しているカソードと、前記プラズマ生成容器に対して、先端部が鉛直方向の下に向くように配置された筒状のカソードホルダーであって、その先端部付近内に、前記カソードの後部が通る貫通穴を有する棚部を備えているカソードホルダーと、前記カソードホルダー内に入りかつ前記棚部の貫通穴よりも大きいロック板であって、前記カソードの後部に対応した形状をしていて当該後部が通る貫通穴を有しているロック板と、前記カソードホルダー内に設けられていて、前記カソードをその後部から加熱するフィラメントとを備えていて、前記カソードの後部を、前記カソードホルダーの棚部の貫通穴に通し、かつカソードとは反対側からカソードホルダー内に入れた前記ロック板の貫通穴に通し、カソードとロック板を相対的に回転させてカソードの後部の張出し部とロック板とを係合させて、ロック板を介してカソードをカソードホルダーの棚部で支持していることを特徴としている。
このイオン源は、上記のように、カソードとロック板とを相対的に回転させてカソードの後部の張出し部とロック板とを係合させて、ロック板を介してカソードをカソードホルダーの棚部で支持した構造を採用しているので、カソードをカソードホルダーに圧入嵌合した構造に比べて、遙かに簡単な作業でカソードを着脱することができ、カソードの着脱が容易である。
しかも、カソードは、その後部の一部分で、具体的には前記張出し部がロック板に重なった部分でロック板に接触していて、カソードとロック板間の接触面積が小さいので、かつロック板も、その一部分で、具体的にはカソードホルダーの棚部と重なった部分で棚部に接触していて、ロック板とカソードホルダー間の接触面積も小さいので、更に、カソードとカソードホルダー間にはロック板が介在してそれが熱抵抗になるので、カソードからカソードホルダーへの伝熱損失を低減してカソードの加熱効率を高めることができる。
前記ロック板は枠状の形状をしていても良い。
前記カソードの連結部は、前記前部につながっていて当該前部よりも細い第1連結部と、この第1連結部につながっていて第1連結部よりも細い第2連結部とを有していて、前記後部はこの第2連結部から張り出した前記少なくとも二つの張出し部を有していて、当該張出し部と第1連結部との間に溝を形成しており、カソードの後部の張出し部と前記ロック板とを係合させた状態において、ロック板は前記溝に嵌まっている、という構成を採用しても良い。
請求項1に記載の発明によれば、上記のように、カソードとロック板とを相対的に回転させてカソードの後部の張出し部とロック板とを係合させて、ロック板を介してカソードをカソードホルダーの棚部で支持した構造を採用しているので、カソードをカソードホルダーに圧入嵌合した構造に比べて、遙かに簡単な作業でカソードを着脱することができ、カソードの着脱が容易である。
しかも、カソードは、その後部の一部分で、具体的には前記張出し部がロック板に重なった部分でロック板に接触していて、カソードとロック板間の接触面積が小さいので、かつロック板も、その一部分で、具体的にはカソードホルダーの棚部と重なった部分で棚部に接触していて、ロック板とカソードホルダー間の接触面積も小さいので、更に、カソードとカソードホルダー間にはロック板が介在してそれが熱抵抗になるので、カソードからカソードホルダーへの伝熱損失を低減してカソードの加熱効率を高めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ロック板を枠状の形状にしたことによって、ロック板とカソードホルダーの棚部との接触面積をより小さくすることができるので、カソードからカソードホルダーへの伝熱損失をより低減して、カソードの加熱効率をより高めることができる、という更なる効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、上記のような2段の連結部を有していてロック板がカソードの溝に嵌まる構造を採用したことによって、カソードの後部およびロック板を小型化して、カソードの後部とロック板間およびロック板とカソードホルダーの棚部間の接触面積を小さくしてカソードの加熱効率をより高めることができると共に、ロック板によるカソードの位置決めをより確実に行うことができる、という更なる効果を奏する。
図1は、この発明に係るイオン源の一実施形態を電源と共に示す断面図である。まず、このイオン源の全体について説明する。
このイオン源2は、フィラメント50によってカソード20を加熱して当該カソード20から、アノードを兼ねるプラズマ生成容器4内に熱電子を放出させる構造をしており、傍熱型イオン源とも呼ばれる。
プラズマ生成容器4は、例えば直方体状をしていて、その内部には、例えばガス導入口8を通して、プラズマ6の生成用の所望のガス(蒸気の場合を含む)10が導入される。このガス10は、所望の元素(例えば、B、P、As 等のドーパント)を含むガスである。より具体例を挙げれば、BF3 、PH3 、AsH3 、B26 等の原料ガスを含むガスである。
プラズマ生成容器4の一つの壁面(長辺壁の一つ)には、イオンビーム14の引き出し用のイオン引出し口12が設けられている。このイオン引出し口12は、例えば、当該壁面の長手方向に細長いスリット状をしている。
プラズマ生成容器4の他の一つの壁面(短辺壁の一つ)には、カソード20を位置させるためのカソード用開口18が設けられている。カソード用開口18の正面形状は、この例では円形をしている。このカソード用開口18を有する壁面と対向する壁面の内側には、この例では、カソード20と対向させて、プラズマ6中の電子を反射させる反射電極16が、電気絶縁物17を介して保持されている。
反射電極16は、この例のようにどこにも接続せずに浮遊電位にしても良いし、カソード用の支持体58(換言すれば、アーク電源68の負極端)に接続してカソード電位にしても良い。
プラズマ生成容器4内には、この例のように、プラズマ6の生成・維持用に、プラズマ生成容器4の外部に設けられた磁石(図示省略)から、カソード20と反射電極16とを結ぶ軸に沿う磁界80を印加するようにしても良い。但し磁界80の向きは、図示とは逆でも良い。
カソード20を保持する筒状のカソードホルダー30の先端部が、プラズマ生成容器4の外部からカソード用開口18内に、プラズマ生成容器4との間に隙間70をあけて挿入されている。このカソードホルダー30の先端部内に、以下に詳述するような構造によって、カソード20が保持されている。
カソードホルダー30の先端部内には、この実施形態では、カソードホルダー30の内周面およびカソード20の外周面との間に空間をあけて、カソード20の外周面を取り囲むように、筒状(この例では円筒状)の第1熱シールド36が設けられている。この第1熱シールド36は、この例では、カソードホルダー30の棚部32に、それと一体物として立設されている。
カソードホルダー30の先端、カソード20の先端および第1熱シールド36の先端は、この例では、プラズマ生成容器4のカソード用開口18周りの内壁面5よりもプラズマ生成容器4外側に位置している。但し、これらの先端は、内壁面5と同一面に位置させても良いし、更に必要に応じてプラズマ生成容器4内に位置させても良い。
カソードホルダー30の先端部とプラズマ生成容器4との間の隙間70は断面がL字状に折れ曲がっていて、この隙間70の部分に迷路構造部72を形成している。このような迷路構造部72を形成することによって、隙間70の部分におけるガスのコンダクタンスを低下させることができるので、プラズマ生成用のガス10の漏れを抑制して、ガス10の利用効率を向上させることができる。また、ガス10が漏れ出ることによるプラズマ生成容器4周辺の構造物の汚染を抑制することができる。
但し、上記のような迷路構造部72を採用する代わりに、カソードホルダー30とプラズマ生成容器4との間を電気絶縁物で塞いでも良い。
カソードホルダー30内であってカソード20の後部24の近傍には、カソード20をその後部24から加熱するフィラメント50が設けられている。フィラメント50は、この例では、カソード20の後部24の表面に沿うように曲げられた形状をしている。
更にこの例では、カソードホルダー30内に、フィラメント50との間に空間をあけてフィラメント50の後面を一重以上に(この例では二重に)覆うように、第2熱シールド54が設けられている。第2熱シールド54は、この例では、筒状部56の先端に、それと一体で設けられている。
カソードホルダー30は支持体58によって、フィラメント50はその二つの脚部52を介して二つのフィラメント電流導体62によって(いずれも一方のみが図に表れている)、第2熱シールド54は筒状部56および支持体60を介して一方のフィラメント電流導体62によって、それぞれ所定の位置に支持されている。
フィラメント50の両端、より具体的にはその二つの脚部52間には、フィラメント50を加熱するフィラメント電源64が接続されている。フィラメント50の一端と第2熱シールド54とは、支持体60および筒状部56を介して同電位にされている。フィラメント電源64は、図示例のように直流電源でも良いし、交流電源でも良い。
フィラメント50とカソード20との間には、フィラメント50から放出された熱電子をカソード20に向けて加速して、当該熱電子の衝撃によってカソード20を加熱する直流の加熱電源66が、カソードホルダー30等を介して、かつカソード20を正極側にして接続されている。
カソード20とプラズマ生成容器4との間には、カソード20から放出された熱電子を加速して、プラズマ生成容器4内に導入されたガス10を電離させると共にプラズマ生成容器4内でアーク放電を生じさせて、プラズマ6を生成する直流のアーク電源68が、プラズマ生成容器4を正極側にして接続されている。
上記イオン源2においては、フィラメント50によってカソード20を加熱してカソード20からプラズマ生成容器4内に熱電子を放出させて、当該熱電子を用いてプラズマ生成容器4内でアーク放電を生じさせて、プラズマ生成容器4内に導入されたガス10を電離させてプラズマ6を生成し、このプラズマ6から、イオン引出し口12を通して、電界の作用で、イオンビーム14を引き出すことができる。なお、イオン引出し口12の出口側近傍には、通常は、イオンビーム14の引き出し用の引出し電極が設けられる。
次に、カソードホルダー30の先端部内にカソード20を保持している構造(カソード保持構造)の例を、まず図2〜図5を参照して詳述する。
カソード20は、プラズマ生成容器4内に向く前部22、その反対側にある後部24および両者22、24をつなぐものであって前部22よりも細い連結部(26、27)を有している。後部24は、この例では、当該連結部から互いに約180度反対側の横方向に張り出した二つの張出し部24aを有している。連結部は、この例では2段になっている。即ち、前部22につながっていて前部22よりも細い第1連結部26と、第1連結部26につながっていて第1連結部26よりも細い第2連結部27とを有している。後部24は、この第2連結部27から横方向に張り出した二つの張出し部24aを有している。各張出し部24aとその下の第1連結部26との間には溝28がそれぞれ形成されている。
この例では、カソード20の前部22、第1連結部26および第2連結部27は、柱状(より具体的には円柱状)をしている。後部24は、長方形の両短辺を丸くした形状をしている。この後部24は、換言すれば、元々は第2連結部27より大きい円板状の部材の周縁部を第2連結部27のほぼ外周面まで、第2連結部27を挟んで相対向する2箇所で直線状に切断したような形状をしている。
カソード20は、金属、例えばタングステン(W)から成る。後述するロック板40も同様である。
カソードホルダー30は、プラズマ生成容器4に対して、先端部が鉛直方向Gの下に向くように配置されている。カソードホルダー30は、筒状(この例では円筒状)をしており、その先端部付近(先端部から少し奥まった所)内に、カソード20の後部24が通る貫通穴34を有する棚部32を備えている。貫通穴34の平面形状は、この例では円形をしている。この貫通穴34の直径は、カソード20の後部24の長軸側の長さよりも若干大きい。
カソードホルダー30は、金属、例えばモリブデン(Mo )から成る。前記第1熱シールド36、第2熱シールド54、筒状部56、支持体58、60およびフィラメント電流導体62も同様である。
カソード20の保持にはロック板40を用いる。ロック板40は、カソードホルダー30内に入り、しかも棚部32の貫通穴34よりも大きい寸法をしている。より具体的には、ロック板40の長軸側の長さは、カソードホルダー30の内径よりも小さく、かつ貫通穴34の直径よりも大きい。このロック板40は、カソード20の後部24に対応した形状(換言すれば似た形状。例えば、実質的に相似形)をしていて後部24が通る貫通穴44を有している。即ち、貫通穴44は後部24よりも若干大きい寸法をしている。
ロック板40は、この例では、その貫通穴44の形状に対応した外形(換言すれば似た外形。例えば、貫通穴44と実質的に相似形の外形)を有する枠状の形状をしている。即ち、この例では、カソード20の後部24の平面形状、ロック板40の外形の平面形状およびロック板40の貫通穴44の平面形状は、いずれも、長方形の両短辺を丸くした形状(即ち長円形に近い形状)をしている。但しそれに限られるものではない。
そして、図2を参照して、棚部32を境にして、カソード20を、矢印Bに示すように、カソードホルダー30の先端部内に入れ(通常は下から入れ)、かつロック板40を、矢印Cに示すように、カソード20とは反対側からカソードホルダー30内に入れて(通常は上から入れて)、カソード20の後部24を棚部32の貫通穴34に通しかつロック板40の貫通穴44に通し、カソード20とロック板40とを相対的に約90度回転させて、例えばロック板40を矢印Dに示すように約90度回転させて、カソード20の後部24の二つの張出し部24aとロック板40とが重なるように互いに係合させて(図3〜図5参照)、ロック板40を介してカソード20をカソードホルダー30の棚部32で支持している。換言すれば、ロック板40を介してカソード20をカソードホルダー30の棚部32から吊り下げて保持している。カソード20を取り外すときは、上記とは逆の作業をすれば良い。
カソード20の後部24の二つの張出し部24aとロック板40とを上記のように係合させた状態では、この例では、図5に示すように、ロック板40はカソード20の溝28に嵌まっている。溝28は、ロック板40の厚さよりも僅かに大きい高さと、枠状のロック板40の幅よりも若干大きい奥行とを有している。
また、上記のように係合させた状態では、カソード20、ロック板40およびカソードホルダー30が互いに接するのは、主として次の箇所においてである。即ち、図3を参照して、カソード20は、その後部24の二つの張出し部24aで(詳しく見れば各張出し部24aの全体ではなくその一部分で)、ロック板40上に重なって接触している。この重なった部分での接触は、カソード20の重さによるものである。ロック板40は、その長軸方向両端部の弧状部40a付近で、カソードホルダー30の棚部32上に重なって接触している。この重なった部分での接触は、カソード20およびロック板40の重さによるものである。このような重さによる接触によって、カソードホルダー30、ロック板40およびカソード20間の電気的導通が取られている。実験によれば、このような手段による導通で、イオン源2を支障なく運転することができることが確かめられている。
なお、カソード20をカソードホルダー30に上記のように保持した状態において、カソード20の前部22の上面と棚部32の下面との間には通常は隙間82(図4参照)が存在している。第1連結部26の外周面と棚部32の貫通穴34の壁面との間にも通常は隙間84(図4参照)が存在している。カソードホルダー30の内周面とロック板40の外周面との間には空間86(図4参照)が、同内周面とカソード20の張出し部24aの外周面との間には空間88(図5参照)が、それぞれ存在している。後述する他の例のカソード20およびロック板40を用いる場合も同様である。
また、カソード20の溝28の部分において、ロック板40の下面と第1連結部26の上面との間90には、図5では隙間を図示していないけれども、微細に見れば、溝28にロック板40を入れる余裕高さに相当する分だけ隙間があいている。この余裕高さを小さくすれば、隙間は殆どなくなる。後述する他の例のカソード20およびロック板40を用いる場合も同様である。
このイオン源2は、上記のように、カソード20とロック板40とを相対的に回転させてカソード20の後部24の張出し部24aとロック板40とを係合させて、ロック板40を介してカソード20をカソードホルダー30の棚部32で支持した構造を採用しているので、従来のようにカソードをカソードホルダーに圧入嵌合した構造に比べて、遙かに簡単な作業でカソード20を着脱することができ、カソード20の着脱が非常に容易である。また、従来のように高温になる箇所における圧入嵌合部でカソードがカソードホルダーに固着するような心配もなく、この観点からもカソード20の着脱が非常に容易である。
しかも、カソード20は、その後部24の一部分で、具体的には張出し部24aが重なった部分でロック板40に接触していて、カソード20とロック板40間の接触面積が小さいので、かつロック板40も、その一部分で、具体的にはカソードホルダー30の棚部32と重なった弧状部40a付近で棚部32に接触していて、ロック板40とカソードホルダー30間の接触面積も小さいので、更に、カソード20とカソードホルダー30間にはロック板40が介在してそれが熱抵抗になるので、カソード20からカソードホルダー30への伝熱損失を低減して、フィラメント50によるカソード20の加熱効率を高めることができる。
なお、ロック板40は、この例のように枠状の形状にする代わりに、円板状のものに上記貫通穴44をあけた構造にしても良いけれども、そのようにするよりも、ロック板40をこの例のように枠状の形状にする方が、ロック板40とカソードホルダー30の棚部32との接触面積をより小さくすることができるので、カソード20からカソードホルダー30への伝熱損失をより低減して、カソード20の加熱効率をより高めることができる。後述する他の例のロック板40を用いる場合も同様である。
また、カソード20の前部22と後部24とをつなぐ連結部は、この例のように2段の連結部26、27にする代わりに、一つの連結部にしても良いけれども、そのようにするよりも、この例のように2段の連結部26、27にしてロック板40がカソード20の溝28に嵌まる構造にする方が、カソード20の後部24およびロック板40を小型化して、カソード20の後部24とロック板40間およびロック板40とカソードホルダー30の棚部32間の接触面積を小さくしてカソード20の加熱効率をより高めることができると共に、ロック板40によるカソード20の位置決めをより確実に行うことができる。後述する他の例のカソード20およびロック板40を用いる場合も同様である。
次に、カソード20およびロック板40の他の例を説明する。
上記のようなカソード20およびロック板40の代わりに、図6に示すようなカソード20および図7に示すようなロック板40を用いても良い。図6および図7において、図2〜図5に示した例と同一または相当する部分には同一符号を付しており、以下においては、図2〜図5に示した例との相違点を主体に説明する。なお、図6Aにおいて、第1連結部26の外周円は、張出し部24aの外周と重なって張出し部24aの形状が分かりにくくなるので、図示を省略している。
図6に示すように、このカソード20の後部24は、第2連結部27から互いに約180度反対側の横方向に張り出した二つの張出し部24aを二組有している。即ち、周方向に互いに約90度ずつ位置のずれた四つの張出し部24aを有している。このカソード20の後部24は、換言すれば、元々は第2連結部27よりも大きい円板状の部材の周縁部を第2連結部27のほぼ外周面まで、互いに約90度ずつずらした4箇所で直線状に切断したような形状をしている。
各張出し部24aとその下の第1連結部26との間には、図7に示すロック板40が嵌まる溝28がそれぞれ形成されている。
図7に示すように、ロック板40は、上記カソード20の後部24に対応した形状(換言すれば似た形状。例えば、実質的に相似形)をしていて後部24が通る貫通穴44を有している。即ち、貫通穴44は後部24よりも若干大きい寸法をしている。このロック板40も、その外形が長円形に近い形状をしていて、枠状の形状をしている。
このカソード20およびロック板40を用いる場合も、それらを、図2に示したカソード20およびロック板40と同様にしてカソードホルダー30の先端部内に入れて、カソード20の後部24を棚部32の貫通穴34およびロック板40の貫通穴44に通し、カソード20とロック板40とを相対的に約45度回転させて、例えばロック板40を矢印D(図2、図7参照)に示すように約45度回転させて、カソード20の後部24の四つの張出し部24aとロック板40とが重なるように係合させて、ロック板40を介してカソード20をカソードホルダー30の棚部32で支持した状態にする。このとき、ロック板40はカソード20の溝28に嵌まった状態になる。カソード20を取り外すときは、上記とは逆の作業をすれば良い。
この図6、図7に示すカソード20およびロック板40を用いる場合も、図2〜図5に示したカソード20およびロック板40を用いる場合と同様の作用効果を奏する。即ち、簡単な作業でカソード20を着脱することができ、カソード20の着脱が非常に容易である。しかも、カソード20からカソードホルダー30への伝熱損失を低減して、フィラメント50によるカソード20の加熱効率を高めることができる。
また、図2〜図5に示したカソード20およびロック板40を用いる場合は、ロック板40の貫通穴44が長円形に近い形状をしているので、その短軸方向に比べて、長軸方向における当該貫通穴44の内壁とカソード20の第2連結部27間の遊びが大きいのに対して、この図6、図7に示すカソード20およびロック板40を用いる場合は、ロック板40の貫通穴44が正方形の四隅を丸くしたような形状をしているので、縦横いずれの方向においても、貫通穴44の内壁とカソード20の第2連結部27間の遊びを小さくすることができる。その結果、ロック板40に対するカソード20の位置決めをより厳密に行うことができる。
もっとも、図2〜図5に示したようにカソード20の後部24が二つの張出し部24aを有している場合も、当該張出し部24aが連結部(上記例では第2連結部27)から張り出している寸法を小さくすれば、後部24の形状およびそれに対応するロック板40の貫通穴44の形状を、正方形の対向二辺を丸くしたような形状にすることができるので、上記遊びを小さくして、ロック板40に対するカソード20の位置決めをより厳密に行うことが可能になる。従ってそのようにしても良い。
更に、図示を省略するけれども、図2〜図5に示したカソード20およびロック板40と、図6、図7に示したカソード20およびロック板40との言わば中間のようなカソード20およびロック板40を用いても良い。即ち、第2連結部27から横方向に、互いに約120度ずつ位置をずらして張り出した三つの張出し部24aを後部24に有しているカソード20と、当該後部24に対応した形状(換言すれば似た形状。例えば、実質的に相似形)をしていて後部24が通る貫通穴44を有しているロック板40を用いても良い。この場合は、カソード20とロック板40とを相対的に約60度回転させて係合させる。この例の場合も、上記図6、図7に示した例の場合と同様の作用効果を奏する。
この発明に係るイオン源の一実施形態を電源と共に断面図である。 図1中のカソード、カソードホルダーおよびロック板を組み合わせる様子を示す斜視図である。 図1中の線A−Aに沿う拡大断面図であり、カソードの後部とロック板とを係合させた状態を示す。 図3中の線E−Eに沿う断面図である。 図3中の線F−Fに沿う断面図である。 カソードの他の例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。 図6に示すカソード用のロック板の例を示す平面図である。
符号の説明
2 イオン源
4 プラズマ生成容器
20 カソード
22 前部
24 後部
24a 張出し部
26 第1連結部
27 第2連結部
28 溝
30 カソードホルダー
32 棚部
34 貫通穴
40 ロック板
44 貫通穴
50 フィラメント

Claims (3)

  1. フィラメントによってカソードを加熱して当該カソードから、アノードを兼ねるプラズマ生成容器内に熱電子を放出させる構造のイオン源であって、
    前記プラズマ生成容器内に向く前部、その反対側にある後部および両者をつなぐ部分であって前部よりも細い連結部を有しており、かつ後部は連結部から横方向に張り出した少なくとも二つの張出し部を有しているカソードと、
    前記プラズマ生成容器に対して、先端部が鉛直方向の下に向くように配置された筒状のカソードホルダーであって、その先端部付近内に、前記カソードの後部が通る貫通穴を有する棚部を備えているカソードホルダーと、
    前記カソードホルダー内に入りかつ前記棚部の貫通穴よりも大きいロック板であって、前記カソードの後部に対応した形状をしていて当該後部が通る貫通穴を有しているロック板と、
    前記カソードホルダー内に設けられていて、前記カソードをその後部から加熱するフィラメントとを備えていて、
    前記カソードの後部を、前記カソードホルダーの棚部の貫通穴に通し、かつカソードとは反対側からカソードホルダー内に入れた前記ロック板の貫通穴に通し、カソードとロック板を相対的に回転させてカソードの後部の張出し部とロック板とを係合させて、ロック板を介してカソードをカソードホルダーの棚部で支持していることを特徴とするイオン源。
  2. 前記ロック板は枠状の形状をしている請求項1記載のイオン源。
  3. 前記カソードの連結部は、前記前部につながっていて当該前部よりも細い第1連結部と、この第1連結部につながっていて第1連結部よりも細い第2連結部とを有していて、前記後部はこの第2連結部から張り出した前記少なくとも二つの張出し部を有していて、当該張出し部と第1連結部との間に溝を形成しており、カソードの後部の張出し部と前記ロック板とを係合させた状態において、ロック板は前記溝に嵌まっている請求項1または2記載のイオン源。
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