JP3127636B2 - イオン源 - Google Patents

イオン源

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JP3127636B2
JP3127636B2 JP04323233A JP32323392A JP3127636B2 JP 3127636 B2 JP3127636 B2 JP 3127636B2 JP 04323233 A JP04323233 A JP 04323233A JP 32323392 A JP32323392 A JP 32323392A JP 3127636 B2 JP3127636 B2 JP 3127636B2
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一朗 中本
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマを磁場で閉じ
込めるバケット型のイオン源に係り、特に、アノードに
堆積した絶縁性のイオン化材料を簡単に除去できるイオ
ン源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板等の対象物表面に所望の物質を含む
膜を形成するために、所望の物質をイオン化させてこれ
を加速し、対象物に打ち込むことが行われる。所望の物
質をイオン化させて打ち出すためのイオン源には、カス
プ型の多極磁場を用いたバケット型イオン源が知られて
いる。バケット型イオン源の動作原理を説明する。ま
ず、プラズマ室内に所望の物質のガス(作動ガス)を導
入しておき、この作動ガス雰囲気中で放電を行ってプラ
ズマを生成する。このプラズマをプラズマ室内に閉じ込
めるためにプラズマ室内にカスプ磁場を形成する。カス
プ磁場によってプラズマ室中央部に閉じ込められたプラ
ズマに対して引出電界を印加すると、その方向にイオン
が加速されて打ち出しが達成される。
【0003】従来、プラズマ室は図5に示されるよう
に、一方が開放された有底筒体2aによって形成され
る。プラズマ室2には、作動ガスが導入される。放電を
行うための電極は、加熱されて熱電子を放出するカソー
ドフィラメント3と、このカソードフィラメント3から
の放電電位を形成するアノードとからなり、カソードフ
ィラメント3は、プラズマ室2の底部、側部等に設けら
れる。カソードフィラメント3には、加熱用の電流が流
されると共に放電用の電圧が印加される。アノードの方
は、プラズマ室の内周壁4がアノードとして利用され
る。カスプ磁場は、プラズマ室の外壁5に多数の磁石6
からなる環状の磁石列をその極性が交互に現れるように
配置することにより、プラズマ室2の内壁4が磁力線で
覆われるように形成される。この磁力線で囲まれたプラ
ズマ室内部の大部分は磁場無し領域となる。カソードフ
ィラメント3から放出された電子がカスプ磁場によって
プラズマ室2の中央部に閉じ込められ上記作動ガスを電
離しプラズマを形成する。プラズマ室2の開放部7には
グリッド状電極8aを設け、グリッド状電極8aと重な
るようにグリッド状のイオン引出電極8が取り付けら
れ、イオン引出電極8には引出電圧が印加される。
【0004】作動ガスとして供給されるイオン化材料に
は、アルゴン、窒素、或いは半導体であるホスフィン等
が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、イオン化材
料はその大部分がイオン化されてプラズマを形成すると
共にプラズマ中のイオンは、その大部分がグリッド状電
極から引出されるが、一部のイオン化されないイオン化
材料や、引出されないうちに電荷を失ったイオン化材料
は、ガスとともに排気装置で排気されるかプラズマ室内
壁に堆積する。そして、このイオン化材料がプラズマ室
内壁に徐々に堆積しその表面を膜状に覆うようになる
と、ホスフィン等のようにイオン化材料による堆積物の
導電性がよくない場合、その膜によって電場の形成が阻
害され、アノードとしての機能が次第に失われてしまう
ことになる。このようにプラズマ室内壁に絶縁性のイオ
ン化材料が堆積することは、カソードフィラメントから
の放電が不安定になるなどイオン源にとって致命的であ
る。
【0006】こうした事態を避けるために、プラズマ室
内壁の清掃が必要となる。プラズマ室内壁の清掃は、イ
オン源の使用後等に、装置を分解して行われる。
【0007】しかしながら、イオン源は、使用中に高真
空まで減圧されるので、プラズマ発生室がシール性の高
い容器となっており、かつイオンビーム照射の処理室等
とシール性よく接続されている。従って、イオン源を分
解する際には、このシール性の高い容器を開閉しなけれ
ばならない。容器を開閉すると容器内は大気圧になると
共に水分をはじめ空気中の諸物質が容器内に入ってく
る。このため、使用再開時には大気圧から減圧を始めて
不純物を全て排出するなど、使用再開に手間取ることに
なり問題であった。そして、分解掃除の後、この容器を
密封する作業も、高いシール性を保つためには注意力を
必要とし繁雑であった。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、アノードに堆積した絶縁性のイオン化材料を簡単に
除去できるイオン源を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、プラズマ室内にカソードフィラメントを設
け、プラズマ室外壁に多数の磁石を配置し、プラズマ室
にアノードを設けたバケット型イオン源において、上記
磁石の位置にプラズマ室内壁に沿わせてヒータを設けた
ものである。
【0010】或いは、上記ヒータをワイアで構成すると
共にこのワイアをアノードとしてもよい。
【0011】
【作用】バケット型のイオン源の特色として、カスプ磁
場がアノード(プラズマ室内壁)と交わる場所を除い
て、プラズマが効率よく閉じ込められている。電子は磁
力線を横切ることができないので、カスプ磁場の外に位
置するプラズマ室内壁は放電に寄与しない。即ち、プラ
ズマ室内壁全体がアノード電位であっても、放電に有効
な部分は磁場とプラズマ室内壁との交点近傍のみとな
る。実際にアノードとして働いているのはこの交点近傍
である。従って、堆積物の除去が必要になるのもこの部
分である。磁場はプラズマ室の周方向どこでも同じ形に
形成されているので、上記交点はプラズマ室内壁に沿っ
た線を形成する。この線がアノードとして働いている。
【0012】このような知見に基づけば、プラズマ室内
壁のアノードとして働いている線状の部分の堆積物を除
去すれば、放電は安定することになる。そして、この部
分の位置は、磁石の位置に一致する。
【0013】即ち、上記構成により、磁石の位置にプラ
ズマ室内壁に沿わせてヒータが設けられており、ヒータ
の熱によりその近傍のプラズマ室内壁の堆積物が蒸発す
る。従って、磁石の位置、即ちプラズマ室内壁のアノー
ドとして働いている部分は、堆積物が無くなりカソード
フィラメントからの放電が安定する。
【0014】また、このヒータをワイアで構成し、ワイ
アをアノード電位に保持すれば、プラズマ室内壁をアノ
ードとした場合と同様にカソードフィラメントからの放
電ができると共に、ワイアに堆積物が付着したときには
ワイアに通電して蒸発させればよい。
【0015】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0016】図1は、図5のイオン源にヒータ1を設け
て本発明のイオン源としたものであり、プラズマ室の断
面の一部が示されている。図5のイオン源の説明は前述
した通りである。また、図2は図1の斜視図である。
【0017】図1について詳しく述べると、プラズマ室
2の外壁5に沿わせて環状に形成された磁石6は、その
磁極をプラズマ室2の外壁5に臨ませて設けられてい
る。この環状の磁石6が、軸方向に所定の間隔を隔てて
配置されている。互いに隣り合う磁石6の極性は交互に
反転させて設けられている。これらの磁石6の磁極間に
は図示される代表的な磁力線Bの近傍に強く分布する磁
場が形成されている。この磁力線Bを連続的にたどって
囲まれたプラズマ室2内部側が磁場無し領域9である。
そして、磁極の正面においては、磁場無し領域9が尖頭
部10を形成しプラズマ室2の内壁4に食い込んでい
る。このことは、図1では磁力線Bがプラズマ室2の内
壁4と交差していることで示される。
【0018】プラズマ室内壁4の磁石6の位置に、好ま
しくは磁極の中央の位置にヒータ1が設けられている。
ヒータ1は、導電性の部材を内蔵するか若しくは導電性
の部材自体からなり、細い円柱状を呈しており、線軸方
向に通電させて発熱させることのできる部材である。こ
のヒータ1をプラズマ室内壁4に沿わせて環状に取り付
け、図示しないがその両端をプラズマ室内壁4に挿通し
て、プラズマ室外に取りだし、外部より発熱用電流を印
加できるように構成されている。
【0019】次に実施例の作用を述べる。
【0020】アノード電位を有するプラズマ室内壁4の
なかで、実際にアノードとして働くのは、磁石による磁
力線Bがプラズマ室内壁4と交差する部分であり、この
部分には堆積物が蓄積する。一方、この部分は磁石6の
磁極の正面であり、そこにはヒータ1があるので、ヒー
タ1に通電することによりヒータ1は発熱し、ヒータ1
の近傍のプラズマ室内壁4が加熱される。このため堆積
物は蒸発する。
【0021】次に、本発明の他の実施例を説明する。
【0022】図4はイオン源の側断面図であり、図5と
同様の有底筒体2aによりプラズマ室2が構成されてい
る。この実施例では、磁石6は図3に示されるように円
周の一部を形成する多数の磁石片6aを同一の極性が中
心を向くようにして環状に並べたものである。このよう
な磁石片6aで構成した環状の磁石6が、プラズマ室2
の軸方向に所定の間隔を隔てて、極性が交互になるよう
に配置されている。この配置は、図5に比べて極性の順
序が逆になっているが、この順序はどちらでも構わな
い。磁石と隣の磁石との間に、カソードフィラメント3
が設けられている。カソードフィラメント3には図示さ
れないがプラズマ室2の外部で加熱用の電流が流される
と共に放電用の電圧が印加される。プラズマ室2の開放
部7には図5と同じようにグリッド状電極8a、イオン
引出電極8が取り付けられ、イオン引出電極8には引出
電圧が印加される。
【0023】各磁石6の位置には、それぞれプラズマ室
内壁4から僅かに隔てて環状のワイア11が設けられて
いる。ワイア11が形成する環は一部で切り離され、そ
の両端はプラズマ室2の外側に導かれ、加熱用電源12
に接続されている。加熱用電源12にはスイッチ13が
設けられている。また、図示されないが、このワイア1
1全体は、カソードフィラメント3に対して正電位のア
ノード電圧が印加されるようになっている。
【0024】前記実施例で説明したプラズマ室内壁4を
アノードとした構成にあっては、磁石による磁力線Bが
プラズマ室内壁4と交差する部分だけが実質上のアノー
ドとして働くのであったから、この実施例のようにその
部分にワイヤ11からなるアノードを設けても等価であ
る。このイオン源を動作させるとワイヤ11には堆積物
が蓄積する。
【0025】堆積物を除去する際には、スイッチ13を
閉じることによりワイヤ11に加熱電流を通電すればよ
い。
【0026】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0027】(1)アノードに堆積する絶縁性のイオン
化材料が除去されるので、カソードフィラメントからの
放電が不安定になることがない。
【0028】(2)イオン源の分解掃除が不要となり、
容器の密封や不純物の排出が必要なくなるので、使用再
開に手間取ることがなくイオン源の扱いが簡素化され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すプラズマ室の部分断面
図である。
【図2】図1の斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例を示すイオン源の正面図で
ある。
【図4】図3のイオン源の側断面図である。
【図5】従来例を示すイオン源の側断面図である。
【符号の説明】
1 ヒータ 2 プラズマ室 3 カソードフィラメント 4 (プラズマ室)内壁 5 (プラズマ室)外壁 6 磁石

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ室内にカソードフィラメントを
    設け、プラズマ室外壁に多数の磁石を配置し、プラズマ
    室にアノードを設けたバケット型イオン源において、上
    記磁石の位置にプラズマ室内壁に沿わせてヒータを設け
    たことを特徴とするイオン源。
  2. 【請求項2】 上記ヒータをワイアで構成すると共にこ
    のワイアをアノードとしたことを特徴とする請求項1記
    載のイオン源。
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