JP3632356B2 - 同軸形電流導入端子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、イオン源のイオン生成部のチャンバ内に収納して熱電子を放出するようなフィラメントを接続する、内側及び外側の2つの冷却水導入口兼電気端子を同軸状に挿入し、2つの冷却水導入口兼電気端子を絶縁スペーサを介して連結するようにした同軸形電流導入端子に関する。
【0002】
【従来の技術】
イオン源のイオン生成部のチャンバ内にフィラメントを配置させ、このフィラメントの両端に冷却水導入口兼電気端子を接続して、フィラメントを加熱し、フィラメントから熱電子を放出させ、この熱電子をチャンバに配設した多極磁界によってチャンバ内に閉じ込めることにより、熱電子によりチャンバ内のガスからイオン化を行って、イオン引き出し電極によって負のイオンを取り出すイオン源が知られている。この場合に、冷却水導入口兼電気端子に冷却水を流通させ、フィラメントを接続する端子の冷却を行っている。
【0003】
このような冷却水導入口兼電気端子としては、フィラメントの両端に個別に端子を接続するために、図8に示すように、フランジ2に所定の間隔をもって、第1冷却水導入口兼電気端子1Aと第2冷却水導入口兼電気端子1Bを取り付け、第1冷却水導入口兼電気端子1Aと第2冷却水導入口兼電気端子1Bの各端子部1a,1bをフィラメント3に接続している。また、第1冷却水導入口兼電気端子1Aと第2冷却水導入口兼電気端子1Bの過熱を防止するために、この第1冷却水導入口兼電気端子1Aと第2冷却水導入口兼電気端子1B内に冷却水を循環するようにしている。
【0004】
この第1冷却水導入口兼電気端子1Aと第2冷却水導入口兼電気端子1Bを使用する場合に、フィラメント3をチャンバに取り付けるには、図9に示すように、長楕円形状の取り付け穴4を加工しなければならない。この長楕円形状の取り付け穴4の加工が面倒であり、また、取付け穴の占める大きさが増大するためチャンバに取り付けるフィラメント3の個数も限定されがちである。
【0005】
そこで、第1冷却水導入口兼電気端子1Aと第2冷却水導入口兼電気端子1Bを同軸形に構成して、フィラメントのチャンバへの取り付け穴の加工の容易化と、フィラメントのチャンバへの取り付け個数の増加を期すようにしている同軸形電流導入端子が提案されている。図10は、従来の同軸形電流導入端子の構成を示す断面図である。図10において、図示しないフィラメントの一端に外側端子部11aを接続するようにしており、この外側端子部11aは導体管による外側電流端子部11Aの下端と一体的に形成されている。外側電流端子部11Aの上端には、フランジ11bが外側電流端子部11Aと一体的に形成されている。
【0006】
外側電流端子部11Aは、冷却水供給管12内に挿入されている。冷却水供給管12の上端には、給水口12aが連結されている。冷却水供給管12の下端は排水管13の下端に連結されている。排水管13の上端は、排水口13aに連結されている。冷却水供給管12と排水管13の間には、仕切り管14が配置されており、給水口12aから冷却水供給管12に給水された冷却水は排水管13の排出口13aに流出する構成としている。この冷却水供給管12と排水管13は同軸状になっており、したがって、冷却水供給管12と排水管13および外側電流端子部11Aも同軸状に形成されている。
【0007】
排水管13は、外側端子部11aの部位から排水口13a近傍の部位まで絶縁管15内に挿入されている。この絶縁管15と外側端子部11aはOリングによるシール材16aでシールされている。絶縁管15の排水口13a近傍の部位は袋ナット状にしたフランジ15aを有し、このフランジ15aは固定部材17に螺着されている。固定部材17は、仕切り管14と絶縁管15の上端を固定している。固定部材17と絶縁管15の上端部も、シール材16bによりシールされている。同様にして、固定部材17と仕切り管14の上端間もシール材16cによりシールされている。
【0008】
さらに、冷却水供給管12の上端は外側電流端子部11Aのフランジ11bに固定部材18で固定されている。固定部材18とフランジ11b間もシール材16dによりシールされている。これらのシール材16a〜16dは、外側電流端子部11Aにおける絶縁管15の固定部材17,18の部分の真空を保持するためのものである。
【0009】
次に、内側電流端子部44の構成について説明する。内側電流端子部44の導体ブロック19は有底円筒状をなし、その底部の中心部には、挿通孔が形成され、また円筒部の端部には、フランジ19aを有している。フランジ19aの基部には、フランジ19aと一体的に、導体ブロック19と同径の導体管20が形成されている。導体管20の下端は、端子部21に連結されている。端子部21はフィラメントの他端に接続するためのものである。このようにすることにより、内側電流端子部44の導体ブロック19は、フランジ19a、導体管20、端子部21を介してフィラメントの他端と導通していることになる。また、フランジ19aには、導体管20と同軸状をなすように、導体管20の外周面に絶縁管22が連結されている。内側電流端子部44の導体ブロック19を外側電流端子部11Aに組み込んだ後には、絶縁管22を介して導体管20と外側電流端子部11Aとが電気的に絶縁される。
【0010】
内側電流端子部44の導体ブロック19の前記挿通孔を通して、導体管23が導体管20の軸心部に挿入されている。すなわち、導体管23は導体管20と同軸状になっている。導体管23は導体ブロック19の前記挿通孔と接触して、この導体ブロック19と同電位になっている。導体管23は、導体管20内に冷却水を給水させるためのものであり、図10の上端側は、給水口23aになっている。給水口23aから給水された冷却水は、導体管23を流通し、さらに、導体管23から導体管20内に流通し、導体管20の上端側に設けた排水口20aから排水されるようになっている。
【0011】
この内側電流端子部44を外側電流端子部11A内に同軸状に組み込む際には、内側電流端子部44の絶縁管22を外側電流端子部11A内に挿入し、絶縁管22により、外側電流端子部11Aと内側電流端子部の導体ブロック19とが電気的に絶縁された状態で外側電流端子部11Aと内側電流端子部44とが同軸状に組み込まれる。この状態で、外側電流端子部11Aのフランジ11bと導体ブロック19のフランジ19aとの間に絶縁スペーサ24を介在させて、この絶縁スペーサ24とフランジ11b、絶縁スペーサ24とフランジ19aとの間にそれぞれシール材16e,16fを配置してシールする構成になっている。さらに、フランジ19aとフランジ11bとを固定部材25で固定し、固定部材25の外周面とフランジ11bの外周面とを袋ナットによる絶縁押さえ26で螺着し、絶縁押さえ26の端部をフランジ19aに当接して、外側電流端子部11Aに第2電流端子44を固定する。このようにして、内側電流端子部と外側電流端子部との同軸形電流導入端子を構成している。
【0012】
フィラメントへの通電時には、内側電流端子部44の導体ブロック19のフランジ19a−導体管20−端子部21−フィラメント−外側電流端子部の端子部11a−フランジ11bに至る通電経路で電流が流れて、フィラメントに通電される。このとき、外側電流端子部11Aの冷却は、給水口12aから冷却水供給管12−排水管13−排水口13aの流水経路で冷却水が流通し、外側電流端子部11Aの冷却を行う。また、内側電流端子部44の冷却は、給水口23aから導体管23−導体管23と導体管20との間の空間部−排水口20aの流水経路で冷却水が流通して、内側電流端子部44の冷却を行う。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の同軸形電流導入端子は、以上のように構成されているので、複数個所にシール材16a〜16fを配置してこれによりシールするようにしているから、シール材16a〜16fの経時劣化や、破損により、シール個所から真空リークを起こす可能性がある。また、同軸形電流導入端子の組み立て方が適当でない場合にも、真空リークの発生の可能性がある。このような原因により真空リークが発生すると、同軸形電流導入端子の使用ができなくなるという問題があった。
【0014】
この発明は、上記従来技術の問題点を解消するためになされたもので、電流導入端子自体の組み立ての簡略化と真空リークの発生を無くすることができ、チャンバ側での取り付け穴の加工も簡単にでき、チャンバ内でのフィラメントの取り付け個数を増すことができ、しかも、イオン源の解体を行うことなく、イオン源全体の真空リークなしでフィラメントの交換が可能となる同軸形電流導入端子を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、この発明の同軸形電流導入端子は、
イオン源のイオン生成部のチャンバ内に収納されるフィラメントと、
前記フィラメントの一端に接続されて電流の経路を形成するとともに、内部に冷却水を循環させる外側電流端子部と、
前記外側電流端子部と電気的に絶縁され、前記フィラメントの他端に接続されて電流の経路を形成するとともに、内部に冷却水を循環させる内側電流端子部と、
同軸状に挿入された外側電流端子部と内側電流端子部とを電気的に絶縁する絶縁スペーサと、外側電流端子部と内側電流端子部とを前記絶縁スペーサを介して連結する固定部材と、
を備えるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の同軸形電流導入端子の一実施例の形態について図面に基づき説明する。図1は、この一実施例の形態の構成を示す断面図である。図中の30は、全体形状が管状に形成された第1端子部である。外側電流端子部30は、同軸形電流導入端子のうちの外側の第1冷却水導入口兼電気端子となるものである。外側電流端子部30の一番径小の内径部は絶縁管31であり、この絶縁管31は後述する内側の第2冷却水導入口兼電気端子の導体管と電気的に絶縁するためのものである。
【0017】
絶縁管31は金属製の導体管32内に同軸状に挿入されている。導体管32は、絶縁管31より若干短く形成されている。したがって、絶縁管31は導体管32の両端から突出している。導体管32の外周面の上端から中央部に亘って肉厚の金属製の導体管33が被着されている。導体管32の外周面の下端近傍には、金属製の導体管34が連結されている。導体管34の下端の肉厚を薄くしてその外周面にねじ溝を刻設して金属製の端子部35の内周面に螺着されている。端子部35は、図示されていないフィラメンとの一端に接続するためのもである。導体管34の上端近傍の外周面は、導電性の連結部材36で金属性の導体管37に連結されている。導体管37は前記導体管32のほぼ中央部に位置している。導体管33の上端近傍は肉厚を薄くした段部を有しており、この段部と前記導体管37の上端近傍とは導電性の連結部材38で連結されている。
【0018】
このようにして、第1端子部30は、導体管33が連結部材38、導体管37、連結部材36、導体管34、端子部35と共に全体的には管状になっている。導体管33の内面のほぼ中央部には、3段に亘って肉厚を薄くし、その中段部部には、仕切り管39が当接されている。仕切り管39は、仕切り管39と導体管32との間に冷却水を導入するための冷却水路40を形成すると共に、仕切り管39と導体管33と37との間の排水路41を形成するためのものである。
【0019】
導体管33の肉厚部分の上端近傍には、冷却水導入口兼電気端子42が連結されている。冷却水導入口兼電気端子42は、冷却水を外側電流端子部30に導入するとともに、電源(図示せず)に接続して電流を外側電流端子部30からフィラメントに供給するためのものである。導体管33の肉厚部分において、前記冷却水導入口兼電気端子42とは軸線上の位置をずらせて冷却水導入口兼電気端子43が連結されている。また、冷却水導入口兼電気端子42から給水された冷却水は、冷却水路40と排水路41を通して冷却水導入口兼電気端子43から排水されるようになっている。
【0020】
次に、内側電流端子部50の部分の構成について説明する。内側電流端子部50は、図2の分解図からも明らかなように、前記外側電流端子部30とは別構造になっており、この外側電流端子部30とは別体で組み立てられるようになっている。この内側電流端子部50は、同軸形電流導入端子のうちの内側の第2冷却水導入口兼電気端子となるものである。この内側電流端子部50の冷却水導入口兼電気端子51と52周辺部分は図3の側面図と図4の一部を切り欠いて断面して示す拡大側面図で示されている。これらの図1〜図4において、冷却水導入口兼電気端子51は電源に接続され、かつ冷却水を内側の第2冷却水導入口兼電気端子に給水する給水口を兼ねている。冷却水導入口兼電気端子51は「L」字型に折り曲げられており、その垂直部分は、肉厚の有底筒状の導体ブロック53の底部の中心部分に形成された挿通孔内に差し込んで連結されている。したがって、冷却水導入口兼電気端子51と金属製の導体ブロック53は電気的に導通状態になっている。
【0021】
導体ブロック53内において、金属製の導体管54の上端が冷却水導入口兼電気端子51と連結されている。導体管54の下端は、導体ブロック53を貫通している。導体ブロック53の開口端縁近傍の内径は若干径大に形成されており、この径大の内周面には、金属製の導体管55の上端が連結されている。導体ブロック53の径大の外周面側には、フランジ53aが一体的に形成されている。導体管55の下端が導体ブロック53から抜けて、導体管54よりも長くのびている。したがって、導体管55内に導体管54が同軸状に挿入されている状態になっている。導体管55の下端は導体ブロック57に連結されている。導体ブロック57の他端の軸心部分には、ねじ溝が刻設されている。このねじ溝に端子部58が螺合されている。端子部58はフィラメントの他端に接続するためのものである。
【0022】
また、上記の導体ブロック53の内周面を径大にした分だけ、導体管55の内周面と導体管54の外周面との間には、間隙が形成されることになる。この間隙は図3、図4で示す冷却水導入口兼電気端子52の排水口に連通する排水路59となるものである。排水路59は、図4に示すように、導体ブロック53の部位で導体管55に連結されている冷却水兼電気端子52に連通している。したがって、冷却水導入口兼電気端子51から給水された冷却水は導体管54内に流入された後に排水路59を経て冷却水導入口兼電気端子52の排水口から排水されるようになっている。この冷却水の流通過程において、導体管54、55が冷却される。
【0023】
次に、上述のように、個別に組み込まれた外側電流端子部30と内側電流端子部50を組み込んで、同軸形電流導入端子を完成させる。この場合、内側電流端子部50の導体管55を管状の絶縁スペーサ60内に挿入した状態で外側電流端子部30の絶縁管31内に内側電流端子部50の導体管55の外周面が接触するように、挿入させる。これにより、外側電流端子部30の導体管32、33,34,37と絶縁管31が、外側電流端子部50の導体管54,55と同軸状に配置されている。このように、外側電流端子部30内に内側電流端子部50を同軸状に挿入して組み込んで、図1、図3、図4に示すように、絶縁スペーサ60の上端が外側電流端子部30の絶縁管31の上端に接触するように、絶縁スペーサ60の位置決めをする。この状態で、絶縁スペーサ60の外周面に「L」字形に形成した固定部材61の垂直部分を溶接により固定し、この固定部材61の水平部分と内側電流端子部50の導体ブロック53のフランジ53aとの溶接部位100を溶接により固定する。したがって、導体ブロック53が絶縁スペーサ60に固定部材61により連結されて固定されることになる。
【0024】
また、絶縁スペーサ60の下端近傍の外周面の溶接部位101にも、固定部材62が溶接により固定されている。固定部材62の下端近傍は外側電流端子部30の導体管33の上端近傍の外周面の溶接部位102に溶接により固定されている。したがって、絶縁スペーサ60に固定部材62を介して導体管33が固定されている。かくして、絶縁スペーサ60を介して外側電流端子部30と内側電流端子部50が電気的に絶縁して固定されていることになる。また、導体ブロック53と絶縁スペーサ60間、絶縁スペーサ60と導体管33間の真空が確保される。
【0025】
このように、外側電流端子部30と内側電流端子部50とを同軸形に構成することにより、この発明の同軸形電流導入端子が完成される。この同軸形電流導入端子を図5に示すフランジ63に取り付け、外側電流端子部30の端子部35と内側電流端子部50の端子部58間にフィラメント66を接続して、図7に示すイオン源103のイオン生成部のチャンバ65に取り付ける際に、内側及び外側の電流端子は同軸形に形成されているので、図6に示すように、チャンバを加工して得られるチャンバ孔64の穴形状は円形でよいことになり、その加工が容易になる。イオン生成部のチャンバ65にチャンバ孔64を加工した後に、イオン生成部のチャンバ65に同軸形電流導入端子を取り付けて、イオン生成の試験等に供する。
【0026】
図7は、イオン源103の負イオン生成部のチャンバの断面図である。この図7は、チャンバ65に形成したチャンバ孔に同軸形電流導入端子を2つ取り付けて、その各端端子部にフィラメント66,67を接続してチャンバ65内でのイオン生成の試験を行うようにした状態を示している。図7におけるチャンバ65には、多数の永久磁石68を一定間隔ごとに配置させて、カスプ磁界を発生させ、このカスプ磁界の零磁界の位置にそれぞれフィラメント66,67(図7では、2個のみを図示)を配置させている。また、チャンバ65には、ガス導入口69aからプラズマ生成に適する真空度でガスがガス導入管69を通して導入され、チャンバ65内に導入されたガスは排気管70から排気口70aを経てチャンバ65の外部に排気されるようになっている。
【0027】
電離現象については、例えば、チャンバ65内に配置されたフィラメント66に内側電流端子部50の冷却導入口兼電気端子51から、導体ブロック53−導体管55−導体ブロック57−端子部58−フィラメント66−外側電流端子部30の端子部35−導体管34−導体管32−導体管33−冷却水導入口兼電気端子42の電流流通経路で電流を供給すると、フィラメント66が加熱され、フィラメント66から熱電子が放射される。この熱電子が永久磁石68の磁界により、チャンバ65内に閉じ込められる。この閉じ込められた熱電子と磁界とにより、チャンバ65内に導入されているガスが放電してプラズマを生成する。
【0028】
チャンバ65内のプラズマは、プラズマ電極71によりをチャンバ65内に閉じ込められ、電子抑制電極72により電流がチャンバ65から引き出されるのを抑制し、イオン引き出し部73から負イオンを引き出す。なお、74は、チャンバ65を取り付ける取り付けベース75との真空を保持するための真空シールである。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、この発明の同軸形電流導入端子によれば、
イオン源のイオン生成部のチャンバ内に収納されるフィラメントと、
前記フィラメントの一端に接続されて電流の経路を形成するとともに、内部に冷却水を循環させる外側電流端子部と、
前記外側電流端子部と電気的に絶縁され、前記フィラメントの他端に接続されて電流の経路を形成するとともに、内部に冷却水を循環させる内側電流端子部と、
同軸状に挿入された外側電流端子部と内側電流端子部とを電気的に絶縁する絶縁スペーサと、外側電流端子部と内側電流端子部とを前記絶縁スペーサを介して連結する固定部材と、
を設けたので、同軸形電流導入端子からの真空リークがなくなるとともに、取り付け個所が円形加工でよく、狭い場所でも取り付けが可能となる。これに伴い、チャンバへの取り付け作業の簡易化と、フィラメントの取り付け個数の増加が可能となる。
【0030】
また、チャンバへの取り付け作業の簡易化により、チャンバから同軸形電流導入端子の取り出しも簡単に行え、したがって、フイラメントの交換時にチャンバから同軸形電流導入端子を素早く取り出して、イオン源全体を解体しなくても、フイラメントの交換を行うことができるので、チャンバの真空リークを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の同軸形電流導入端子の一実施例の形態の構成を示す断面図である。
【図2】この発明の同軸形電流導入端子の一実施例の形態における外側電流端子部内に内側電流端子部を挿入する前の状態を断面して示す分解図である。
【図3】この発明の同軸形電流導入端子の一実施例の形態における外側電流端子部と内側電流端子部の冷却水導入口兼電気端子の連結部分の構成を示す側面図である。
【図4】図3の連結部分の一部を断面して示す拡大側面図である。
【図5】この発明の同軸形電流導入端子の一実施例の形態における外側電流端子部と内側電流端子部間にフィラメントを接続した状態を示す側面図である。
【図6】図5に示すこの発明の同軸形電流導入端子の一実施例の形態をチャンバに取り付ける際にチャンバに加工する取り付け穴の平面図である。
【図7】フィラメントを接続したこの発明の同軸形電流導入端子の一実施例の形態をイオン源の負イオン生成部にチャンバに装着して試験を行っている状態を示す断面図である。
【図8】従来の2つの電流導入端子を用いてフィラメントに電流を通電する状態を示す側面図である。
【図9】図8の電流導入端子をチャンバに取り付ける際にチャンバに加工する取り付け穴の形状を示す平面図である。
【図10】従来の同軸形電流導入端子の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
30 外側電流端子部
31 絶縁管
32〜34,37,54,55 導体管
35,58 端子部
40 冷却水路
41,59 排水路
42,43,51,52 冷却水導入口兼電気端子
50 内側電流端子部
53,57 導体ブロック
61,62 固定部材
65 チャンバ
66,67 フィラメント
100〜192 溶接部位
103 イオン源
Claims (1)
- イオン源のイオン生成部のチャンバ内に収納されるフィラメントと、
前記フィラメントの一端に接続されて電流の経路を形成するとともに、内部に冷却水を循環させる外側電流端子部と、
前記外側電流端子部と電気的に絶縁され、前記フィラメントの他端に接続されて電流の経路を形成するとともに、内部に冷却水を循環させる内側電流端子部と、
同軸状に挿入された外側電流端子部と内側電流端子部とを電気的に絶縁する絶縁スペーサと、
外側電流端子部と内側電流端子部とを前記絶縁スペーサを介して連結する固定部材と、
を備えてなる同軸形電流導入端子。
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