JP4905704B2 - 点火補助具およびこれを備えた冷陰極電離真空計 - Google Patents

点火補助具およびこれを備えた冷陰極電離真空計 Download PDF

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Description

本発明は、高真空下においても安定して放電を発生させることができる冷陰極電離真空計用の点火補助具およびこれを備えた冷陰極電離真空計に関する。
近年、熱フィラメントからの熱電子を用いた熱陰極電離真空計に代わって、冷陰極放電を利用した冷陰極電離真空計(コールドカソードゲージ)が広く用いられている。冷陰極電離真空計のタイプとしては、ペニング真空計、マグネトロン型真空計および逆マグネトロン型真空計が知られている。以下、逆マグネトロン型真空計を例に挙げて、特許文献1に記載された従来の冷陰極電離真空計の構成について図5を参照して説明する。
図5に示す冷陰極電離真空計1は、一端が開口し他端が閉塞する真空計本体(カソード電極)2と、この真空計本体2の周囲に設置されたリング状のマグネット3とを有している。真空計本体2の内部には、第1,第2の金属ブロック4,5と、これら金属ブロック4,5を貫通する軸状電極(アノード電極)6がそれぞれ設置されている。真空計本体2は円筒形状を有し、接地電位に接続されている。真空計本体2の開口端は、図示しない真空槽の真空計取付用フランジ7に接続されている。マグネット3は、上部がN極、下部がS極の永久磁石であり、真空計本体2の内部に区画された放電空間8に対して図中矢印で示すように磁界を形成する。
第1,第2の金属ブロック4,5は、マグネット3によって発生する磁界で磁化される鉄等の高透磁率磁性材料からなる。これら金属ブロック4,5は真空計本体2の内部に一定の間隙を介して設置されている。放電空間8は、第1,第2の金属ブロック4,5のそれぞれが対向している面と真空計本体2の内周面とによって区画されている。軸状電極6は、真空計本体2の軸心部に位置しており、その一端が真空計本体2の底部2bに固定された高電圧端子9に接続されている。第1,第2の金属ブロック4,5には、軸状電極6が貫通する貫通孔4a,5aが形成されている。貫通孔4a,5aは軸状電極6の軸径よりも大きな内径を有しており、軸状電極6は第1,第2の金属ブロック4,5に対して接触することなく放電空間8の内部に設置されている。
放電空間8は、真空計本体2の開口2a及び第1の金属ブロック4の貫通孔4aを介して、真空槽の内部と連通している。すなわち、放電空間8は、真空槽の内部と同一の雰囲気となっている。そして、軸状電極6と真空計本体2との間に電圧を印加すると、真空計本体2の径方向に電界が発生し、電子が径方向に加速される。放電空間8には、電界とほぼ直交する方向にマグネット3で発生した磁界が形成される。この磁界を受けて放電空間8内で螺旋運動に似た運動を行う電子が気体分子を電離し、放電空間8にプラズマを発生させる。そして、このプラズマで流れる電流に基づいて圧力測定を行う。
一般に、電界とほぼ直角に交わる磁界によって電子が螺旋運動に似た運動を行うときには、磁界が強いほど電子が大きく偏向され、運動の回転半径は小さくなる。したがって、電子は放電空間の壁面に衝突しにくくなり、また、消滅しにくくなる。その結果、プラズマの発生効率が高くなり、低い圧力でもプラズマが安定し、また流れる電流が多くなるので、圧力測定が容易になる。このため、従来の冷陰極電離真空計1においては、放電空間8を高透磁率材料からなる金属ブロック4,5で区画することによって、放電空間8に形成される磁界の方向を電界方向に対して直交させるようにしている。
ところで、一般に冷陰極電離真空計は、例えば10-4Pa以下の高真空下では、動作が不安定になるという問題を有している。その理由は、高真空になるほど放電空間内のガス量が低下して、プラズマを安定して発生させることが困難になるからである。
そこで、真空計本体の内部にプラズマ形成用の点火補助具を設置することで、高真空下においてもプラズマを速やかに発生させて、安定した動作を実現する冷陰極電離真空計が知られている(下記特許文献2参照)。
図6は、この点火補助具を備えた従来の冷陰極電離真空計11の構成を示している。冷陰極電離真空計11は、カソード電極としての真空計本体12と、真空計本体12の周囲に設置されたリング状のマグネット13と、真空計本体12の内部に設置されたアノード電極16とを備えている。アノード電極16は高電圧端子19に接続されているとともに、放電空間18の内部において紙面横方向を軸方向とするリング状に形成されている。そして、このアノード電極16には、点火補助具として、真空計本体12の内面に向かって突出する金属ストリップ14,15がそれぞれ取り付けられている。
上記構成の冷陰極電離真空計11は、アノード電極16へ高電圧を印加して放電空間18にプラズマを発生させ、そのプラズマで流れる電流に基づいて圧力測定を行う。この際、アノード電極16に取り付けられた金属ストリップ14,15の自由端部に電界強度が集中することで、気体分子が効率的に電離し、迅速かつ確実にプラズマが形成される。したがって、10-4Pa以下の高真空下においても、安定した動作を実現することが可能である。
特開平9−5198号公報 特表平10−510921号公報
しかしながら、図6に示した従来の冷陰極電離真空計11においては、点火補助具としての金属ストリップ14,15がアノード電極16から真空計本体12の内面に向かって突出する構成であるため、真空計本体12に対するアノード電極16の組立作業性が悪いという問題がある。
すなわち、真空計本体12に対するアノード電極16の組立ては、真空計本体12の一端側からその軸方向に向けてアノード電極16を組み入れることによって行われる。金属ストリップ14,15は、0.1mm程度の薄厚かつ長手状の板材からなるものであるため、金属ストリップ14,15の自由端部が真空計本体12の内面と接触することで、金属ストリップ14,15が大きく変形するおそれがある。
また、アノード電極16の軸方向に関して金属ストリップ14,15の取付け角度や、金属ストリップ14,15の自由端部と真空計本体12の内面の間の距離が所定の角度または大きさに設定されるのが通常である。この場合、組立て中にこれらの設定が変動すると、空間電位変動が生じ、測定値の変動を生じさせる。しかも、この設定値のずれは、個々の製品ごとに生じ得るため、製品ごとに測定値のバラツキが異なることになる。製品間の測定値のバラツキは、許容される測定精度の誤差を超える大きさになるおそれがある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、高真空下での安定した動作を実現しつつ、点火補助具の変形を抑制して組立作業性の改善を図ることができる点火補助具およびこれを備えた冷陰極電離真空計を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明の点火補助具は、放電空間を内部に区画する真空計本体と、前記放電空間に設置された電極とを有する冷陰極電離真空計用の点火補助具であって、前記真空計本体に支持されるベース部と、前記ベース部に形成され前記電極が貫通する貫通孔と、前記貫通孔の内周面から前記電極に向かって突出する単数又は複数の突起部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の冷陰極電離真空計は、真空計本体と、前記真空計本体の内部に区画された放電空間と、前記真空計本体の内部に設置された電極と、前記放電空間での放電を誘起する点火補助具とを備えた冷陰極電離真空計であって、前記点火補助具は、前記真空計本体に支持されるベース部と、前記ベース部に形成され前記電極が貫通する貫通孔と、前記貫通孔の内周面から前記電極に向かって突出する単数又は複数の突起部とを備えたことを特徴とする。
本発明において、真空計本体はカソード電極、電極はアノード電極としてそれぞれ構成することができる。点火補助具は真空計本体に支持されることで、真空計本体と電気的、機械的に接続される。点火補助具の貫通孔には上記電極が貫通しており、貫通孔の内周面からは当該電極に向かって突出する突起部が形成されている。この構成により、真空計本体と電極との間に所定の高電圧が印加されると、点火補助具の突起部に電界を集中させることができるため、放電が発生しやすくなる。したがって、本発明においては、高真空下においてもプラズマを速やかに発生させて、安定した動作を実現することができる。
点火補助具の突起部は、真空計本体に支持されているベース部に形成された上記貫通孔の内周面に設けられている。この構成により、突起部のリジッド性が増すため、真空計本体に対する電極の組み付け時において、電極との接触による突起部の変形が生じにくくなる。したがって、本発明においては、真空計の組立作業性の改善を図ることが可能となる。
また、点火補助具の突起部は、貫通孔の内周面に単数または複数形成される。好適には、突起部は、貫通孔の内周面に沿って等角度間隔で複数設けられる。これにより、放電空間においてプラズマの形成を安定して行うことができる。また、突起部は、先細り形状であることが好ましい。
点火補助具の主要部を占めるベース部は、金属板材で構成するのが好適である。貫通孔はベース部の中心に形成され、真空計本体への装着時に貫通孔が当該真空計本体の軸心部に位置するように構成される。貫通孔およびその内周面に形成される突起部は、プレス成形やエッチング技術を用いて作製することができ、ベース部の成形と同時に行ってもよいし、ベース部の形成後に行ってもよい。ベース部の構成材料は、磁性材料でもよいし、非磁性材料でもよく、例えば、ステンレス鋼が用いられる。また、突起部には高温が作用するので、モリブデンやタングステン等の高融点金属を用いてもよい。更に、突起部の表面に耐熱化処理を施すことも可能である。
本発明に係る冷陰極電離真空計の好適な構成例として、真空計本体の内部に点火補助具が一対設置され、これら一対の点火補助具の間に放電空間を形成する。真空計本体の外周側には環状のマグネットが配置されている。真空計本体の内部には、一対の点火補助具を各々支持するとともにマグネットによって形成される磁界を透過させる第1,第2の磁性部材が設置されている。そして、一対の点火補助具の間には、真空計本体の内面を放電空間から遮蔽する筒状のスペーサが設置されている。一対の点火補助具のうち一方は、スペーサと第1の磁性部材の間に保持されているとともに、一対の点火補助具のうち他方は、スペーサと第2の磁性部材の間に保持されている。
本発明によれば、高真空下においてもプラズマを速やかに発生させて、安定した動作を実現することができる。また、点火補助具の変形を抑制して、真空計の組立作業性の改善を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態による冷陰極電離真空計21の側断面図であり、図2はその分解側断面図である。本実施形態の冷陰極電離真空計21は、逆マグネトロン型冷陰極電離真空計として構成されている。
冷陰極電離真空計21は、段付きの円筒形状からなる真空計本体22を備えている。真空計本体22は接地電位に接続されており、カソード電極として機能する。真空計本体22の内部には断面円形の段付孔32が形成されており、その一端側(図中下端側)に小径の開口部22aが、その他端側に大径の開口部22bがそれぞれ形成されている。真空計21は、開口部22a側の端部を図示しない真空槽に気密に接続され、開口部22aを介して真空計本体22の内部と真空槽の内部とが連通される。
段付孔32の大径孔部には、第1の金属ブロック25A、第1の点火補助具24A、スペーサ27、第2の点火補助具24B、第2の金属ブロック25B、シールリング30および高電圧端子ユニット29がそれぞれ順に組み込まれている。開口部22bの外周側にはネジ溝が形成されており、これに蓋部材31が螺着固定されることによって、段付孔32の段部32Sと蓋部材31との間に、金属ブロック25A,25B、点火補助具24A,24B、スペーサ27および高電圧端子ユニット29が固定されている。
真空計本体22の外周側には、環状(リング状)のマグネット23が配置されている。このマグネット23は、上面がS極、下面がN極の永久磁石材料であって、例えば複数の環状マグネットの結合体で構成されている。マグネット23は、ヨーク33A,33Bの間に支持されている。これらヨーク33A,33Bおよびマグネット23の結合体は、真空計本体22の外周部に一体的に固定されている。
第1の金属ブロック25Aおよび第2の金属ブロック25Bは、点火補助具24A,24B、スペーサ27を介して軸状電極26の軸方向に沿って互いに対向しており、これら金属ブロック25A,25Bの間に放電空間28を形成している。金属ブロック25A,25Bは、鉄や磁性ステンレス鋼等の磁性材料からなり、マグネット23の周りに発生した磁界で磁化することで、放電空間28内に真空計21の軸方向に沿った平行磁場を形成する。
スペーサ27は円筒形状を有しており、その外周面が真空計本体22の内周面と接触または近接している。スペーサ27は、真空計本体23の内面を放電空間28から遮蔽することにより、放電空間28で発生するプラズマによるスパッタ作用やプラズマ生成物の付着から真空計本体22の内面を保護する。スペーサ27はステンレス鋼等の金属材料からなり、磁性の有無は問われない。
高電圧端子ユニット29は、軸状電極26と、この軸状電極26を支持する絶縁支持体36を有している。軸状電極26はアノード電極として構成され、図示しない電圧源から所定の正の高電圧が印加される。軸状電極26は真空計本体22の軸心部に位置しており、第1,第2の金属ブロック25A,25Bに形成された貫通孔35a,35bを貫通している。貫通孔35a,35bは、軸状電極26の軸径よりも十分に大きな径で形成されている。放電空間28は、貫通孔35aを介して開口部22a側に位置する真空槽の内部と連通し、また、貫通孔35bを介して開口部22b側に位置する高電圧端子ユニット29の収容空間36に連通している。
点火補助具24A,24Bは、放電空間28にプラズマを形成する点火装置(イグナイタ)としての機能を有し、本実施形態では放電空間28を挟んで一対設置されている。一方の第1の点火補助具24Aは第1の金属ブロック25Aとスペーサ27の間に挟持され、他方の第2の点火補助具24Bは第2の金属ブロック25Bとスペーサ27の間に挟持されている。
第1,第2の点火補助具24A,24Bはそれぞれ同一の構成を有している。図3は点火補助具24A(24B)の構成を示す平面図である。点火補助具24A(24B)は、ベース部41と、ベース部41に形成された貫通孔42と、貫通孔42の内周面に形成された突起部43とを備えている。
点火補助具24A(24B)の主要部を占めるベース部41は、金属材料で形成されている。構成材料は、磁性材料でもよいし、非磁性材料でもよい。例えば、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)が挙げられる。また、突起部43を含むベース部41には高温が作用するので、モリブデンやタングステン等の高融点材料を用いることも好適である。
ベース部41は、金属ブロック25A(25B)とスペーサ27との間に挟持されることで、真空計本体22に対して支持されていると同時に、真空計本体22と電気的に接続されている。特に本実施形態では、ベース部41は、厚さが0.2mmの円板状部品からなり、その外径は真空計本体22の内径(段付孔32の大径部の内径)と同等の大きさに形成されている。なお、ベース部41の厚さは上記の例に限定されない。
貫通孔42は、ベース部41の中心部に形成されている。軸状電極26は、この貫通孔42を介して点火補助具24A(24B)を貫通する。貫通孔42の孔径は、軸状電極26の軸径よりも大きく形成されている。貫通孔42の孔径と、金属ブロック25A(25B)の貫通孔35a(35b)の孔径の間との大小関係は特に制限はない。
本実施形態では、貫通孔42の孔径を金属ブロック25A(35A)の孔径と同等の大きさとすることで、金属ブロック25A,25Bの各々の対向面のほとんどの領域を点火補助具24A,24Bのベース部42で遮蔽している。これにより、プラズマによるスパッタ作用やプラズマ生成物の付着から金属ブロック25A,25Bを保護することが可能となる。
突起部43は、貫通孔42の内周面から軸状電極26に向かって突出している。突起部43は、貫通孔42の内周面に沿って等角度間隔で複数設けられているが、単数でも構わない。突起部43の形状は先細り形状とされ、例えば図示するような三角形状や円弧形状に形成されている。
突起部43と軸状電極26との関係を図4Aに示す。突起部43は、貫通孔42の内周面から、軸状電極26の軸方向と直交する方向に突出している。貫通孔42内周面からの突起部43の突出長は、金属ブロック25A,25Bの貫通孔35a,35bよりも径内方側に突出する長さとされる。突起部43の先端と軸状電極26との間の距離Gは、貫通孔42の内径や軸状電極26の軸径に応じて適宜変更可能であり、本実施形態では、例えば10-4Pa以下の高真空下においてプラズマを安定に発生させることができる程度の大きさとされる。
また、図4Bに示すように、突起部43を貫通孔42の内周面から斜め方向に突出させる構成としてもよい。突出方向は特に制限されないが、貫通孔42の対する軸状電極26の挿通方向に傾斜して形成することで、軸状電極26の組付け性向上を図れるようになる。
貫通孔42およびその内周面に形成される突起部43は、打抜きプレス成形やエッチング技術を用いて作製することができる。貫通孔42および突起部43の作製は、ベース部41の成形と同時に行ってもよいし、ベース部41の成形後に行ってもよい。
以上のように構成される本実施形態の冷陰極電離真空計21においては、図2に示すように、真空計本体22の内部および外周部に対して、種々の構成部品を組み付けることによって作製される。特に、真空計本体22の内部部品に関しては、開口部22b側から段付孔32の内部に第1の金属ブロック25A、第1の点火補助具24A、スペーサ27、第2の点火補助具24B、第2の金属ブロック25Bおよび高電圧端子ユニット29が順に組み込まれる。開口部22bは、シールリング30を介して装着される高電圧端子ユニット29によって閉塞された後、蓋部材31に締結される。軸状電極26は、真空計本体22、点火補助具24A,24B、金属ブロック25A,25Bのいずれにも接触することなく、真空計本体22の軸心部に設置される。
本実施形態においては、真空計本体22に対して高電圧端子ユニット29を組み付けるに際し、軸状電極26は、金属ブロック25A,25Bの貫通孔35a,35bおよび点火補助具24A,24Bの貫通孔42にそれぞれ挿通される。このとき、点火補助具24A,24Bの突起部43は、スペーサ27と金属ブロック25A,25Bにそれぞれ挟持された状態で真空計本体22に支持されたベース部41と一体的に形成されているため、リジッド性が高く、耐変形能に優れる。したがって、軸状電極26との接触による突起部43の不用意な変形を抑制することができる。また、突起43の変形を抑制できることにより、組付け作業性の改善と、組付け精度の向上を図れるようになる。
本実施形態の冷陰極電離真空計21は、図示しない真空槽に取り付けられて真空槽内部の圧力を測定する。この真空計21の放電空間28は、真空計本体22の開口部22a、段付孔32、第1の金属ブロック25Aの貫通孔35aおよび第1の点火補助具24Aの貫通孔42を介して、真空槽内部と連通している。したがって、真空計本体22の内部空間は、真空槽の排気動作によって同時に排気される。
このとき、高電圧端子ユニット29を収容するための収容空間37は、第2の金属ブロック25Bの貫通孔35bおよび第2の点火補助具24Bの貫通孔42を介して排気される。本実施形態においては、点火補助具24A,24Bの突起部43が軸状電極26に対して最も近接して形成されているが、突起部43は貫通孔42の周方向に間隔をあけて設けられているために、真空計本体22の内部は一定の排気コンダクタンスが確保される。したがって、真空計内部の排気遅れを原因する真空プロセスへの種々の影響を排除することができる。
真空槽の圧力は、放電空間28が真空槽内部と同一雰囲気であるとみなし、放電空間28に発生させたプラズマによって検出されるアノードとカソード間のプラズマ電流に基づいて測定される。軸状電極26はアノード電極に対応し、真空計本体22およびこれに接触する点火補助具24A,24B、金属ブロック25A,25B、スペーサ27はカソード電極に対応する。高電圧端子ユニット29へ所定の正の高電圧(例えば2.7kV)を印加すると、軸状電極26と、これに最も近接する点火補助具24A,24Bの突起部43との間の放電が起点となって、放電空間28に存在する気体分子のプラズマが形成される。
本実施形態の冷陰極電離真空計21によれば、軸状電極26に近接して対向する突起部43が形成された点火補助具24A,24Bを備えているので、突起部43に電界が集中し、放電を安定かつ速やかに発生しやすくなる。これにより、例えば10-4Pa以下の高真空下においても安定した圧力測定動作を実現することができる。また、点火補助具24A,24Bを一対備えていること、突起部43が複数形成されていること、突起部43が先細り形状であることによって、プラズマの発生の確実性を高めることが可能となる。
また、第1,第2の金属ブロック25A,25Bの各々の対向面がそれぞれ第1,第2の点火補助具24A,24Bによって遮蔽されているので、放電空間28で形成されたプラズマによるイオンのスパッタ作用およびプラズマ生成物の付着から、これら金属ブロック25A,25Bを保護することができる。これにより、金属ブロック25A,25Bの長寿命化を図ることができるとともに、クリーニング作業の簡素化を図ることができる。あるいは、点火補助具24A,24Bの製作およびその交換も容易であるので、メンテナンス作業性の向上と、部品交換に伴う作業コストの低減を図ることができる。
このとき、第2の点火補助具24Bの突起部43が、第2の金属ブロック25Bの貫通孔35bを部分的に閉塞する機能を発揮することで、この貫通孔35bを介しての放電空間28から高電圧端子ユニット29の収容空間37へのプラズマ生成物の進入を抑制できる。これにより、例えば絶縁支持体36への導電性物質の付着等による軸状電極26の絶縁不良を回避することができる。
更に、放電空間28を区画する真空計本体22の内周面がスペーサ27によって遮蔽されているので、放電空間28で形成されたプラズマによるイオンのスパッタ作用およびプラズマ生成物の付着から、真空計本体22の内面を保護することができる。これにより、真空計本体22の長寿命化を図ることができるとともに、クリーニング作業の簡素化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施形態では、いわゆる逆マグネトロン型の冷陰極電離真空計に本発明を適用した例について説明したが、これに限られず、マグネトロン型あるいはペニング型の冷陰極電離真空計として本発明を構成することも可能である。また、真空計本体22の外周部に配置されるマグネット23は、必要に応じて省略することも可能である。
また、以上の実施形態では、点火補助具24A,24Bとして、金属ブロック25A,25Bやスペーサ27等とは別の板状部品を用いたが、これに代えて、例えば金属ブロック25A,25Bの貫通孔35a,35bの内周面に突起部を形成することで、これら金属ブロックを点火補助具として兼用させることも可能である。
本発明の実施形態による冷陰極電離真空計の構成を示す側断面図である。 本発明の実施形態による冷陰極電離真空計の構成を示す分解側断面図である。 本発明の実施形態による点火補助具の構成を示す平面図である。 図1の要部拡大図であり、点火補助具と軸状電極の関係を示す側断面図である。 従来の冷陰極電離真空計の構成を示す側断面図である。 従来の他の冷陰極電離真空計の構成を示す側断面図である。
符号の説明
21 冷陰極電離真空計
22 真空計本体
23 マグネット
24A 第1の点火補助具
24B 第2の点火補助具
25A 第1の金属ブロック(第1の磁性部材)
25B 第2の金属ブロック(第2の磁性部材)
26 軸状電極
27 スペーサ
28 放電空間
29 高電圧端子ユニット
30 シールリング
31 蓋部材
35a,35b 貫通孔
36 絶縁支持体
37 収容空間

Claims (11)

  1. 放電空間を内部に区画する真空計本体と、前記放電空間に設置された電極とを有する冷陰極電離真空計用の点火補助具であって、
    前記真空計本体に支持されるベース部と、
    前記ベース部に形成され前記電極が貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔の内周面から前記電極に向かって突出する単数又は複数の突起部とを備えた
    ことを特徴とする点火補助具。
  2. 前記突起部は、前記貫通孔の内周面に沿って等角度間隔で複数設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の点火補助具。
  3. 前記突起部は、先細り形状を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の点火補助具。
  4. 前記ベース部は円板状部品であり、
    前記貫通孔は、前記ベース部の中心部に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の点火補助具。
  5. 真空計本体と、前記真空計本体の内部に区画された放電空間と、前記真空計本体の内部に設置された電極と、前記放電空間での放電を誘起する点火補助具とを備えた冷陰極電離真空計であって、
    前記点火補助具は、
    前記真空計本体に支持されるベース部と、
    前記ベース部に形成され前記電極が貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔の内周面から前記電極に向かって突出する単数又は複数の突起部とを備えた
    ことを特徴とする冷陰極電離真空計。
  6. 前記点火補助具は、前記真空計本体の内部において前記電極の軸方向に沿って一対対向して配置されており、
    前記放電空間は、前記一対の前記点火補助具の間に形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の冷陰極電離真空計。
  7. 前記真空計本体の外周側には環状のマグネットが配置されており、
    前記真空計本体の内部には、前記一対の点火補助具を各々支持するとともに前記マグネットによって形成される磁界を透過させる第1,第2の磁性部材が設置されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の冷陰極電離真空計。
  8. 前記一対の点火補助具の間には、前記真空計本体の内面を放電空間から遮蔽する筒状のスペーサが設置されており、
    前記一対の点火補助具のうち一方は、前記スペーサと前記第1の磁性部材の間に保持されているとともに、
    前記一対の点火補助具のうち他方は、前記スペーサと前記第2の磁性部材の間に保持されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の冷陰極電離真空計。
  9. 前記突起部は、前記貫通孔の内周面に沿って等角度間隔で複数設けられている
    ことを特徴とする請求項5に記載の冷陰極電離真空計。
  10. 前記突起部は、先細り形状を有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の冷陰極電離真空計。
  11. 前記ベース部は円板状部品であり、
    前記貫通孔は、前記ベース部の中心部に形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の冷陰極電離真空計。
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