JP4412241B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
アクチュエータは、圧力制御室と排出流路の燃料の流れを遮断および流通に切換える弁体と、弁体を電磁力により駆動する電磁駆動部とを備え、
電磁駆動部により駆動された弁体が圧力制御室と排出流路の燃料の流れを流通に切換えることにより筒内吐出流路内の燃料の筒内への噴射を開始する噴射時期は、弁部材が圧力制御室内の減圧に応じて弁座から離座することにより略中空円錐状の燃料噴霧を形成する燃料の筒内への噴射時期より早いことを特徴とする。
また、アクチュエータは、圧力制御室と排出流路の燃料の流れを遮断および流通に切換える手段として、比較的大きな駆動力を有するピエゾ素子などの圧電素子等を用いることなく、比較的小さい駆動力のソレノイド等の電磁駆動部を用いることができる。
ここで、燃料噴射弁より噴射された燃料噴霧を点火装置によって着火する場合、一般に、例えば略中空円錐状や略円錐状などの燃料噴霧を点火装置で着火することが考えられる。この場合、点火装置により直接点火されない筒内吐出流路からの燃料噴射は、空気と混合するための時間を長くとるようにすることが好ましい。これに対し請求項1に記載の発明では、筒内吐出流路からの燃料噴射は、略中空円錐状の噴霧の燃料噴射より早く噴射を開始するので、点火装置による着火までの時間拡大が図れる。
図1は、本実施形態の燃料噴射弁の構成を示す断面図である。図2は、図1中の主要部を拡大した部分断面図である。図3は、本実施形態の燃料噴射弁を適用する燃料噴射装置の概略構成を示す模式図である。図4は、図1の燃料噴射弁の燃料噴射の過程を説明する図であって、電磁駆動部が非作動の状態を示す部分断面図である。図5は、図1の燃料噴射弁の燃料噴射の過程を説明する図であって、電磁駆動部が作動開始した状態を示す部分断面図である。図6は、図1の燃料噴射弁の燃料噴射の過程を説明する図であって、電磁駆動部が作動し、かつ弁部材がリフトし開弁した状態を示す部分断面図である。図7は、図1の燃料噴射弁の燃料噴射の過程を説明する図であって、電磁駆動部が作動停止した状態を示す部分断面図である。図8は、本実施形態に係わる燃料噴射のフローを示す模式図である。
図4の電磁駆動部の非作動状態に示すように、燃料噴射弁2のコイル60への電流供給は停止されており、圧力制御ニードル53が圧力制御ニードル用弁座35に着座している。この圧力制御ニードル53の閉弁により圧力制御室81内の燃料は、排出流路34、36へ排出されない。圧力制御室81、第1背圧室82、第2背圧室83、燃料通路41、43、23、およびオリフィス通路45内に流れる燃料は、燃料噴射弁2に供給される高圧燃料で満たされている。これにより、圧力制御室81内と第1背圧室82内の液圧が同じであり、両液圧で相殺され、液圧駆動用ピストン38に液圧力は作用しない。開弁方向Aに作用する液圧力がノズルニードル30に加わらないので、ノズルニードル30は閉弁し、噴孔31oが閉塞している。したがって、燃料は、筒内吐出流路37の開口部37a、および噴孔31oより噴射することはない。
図5の電磁駆動部の作動開始状態に示すように、コイル60へ電流供給が開始されと、コイル60には電磁力が発生する。これにより、可動コア51は固定コア54に向けて引き付けられ、圧力制御ニードル53が圧力制御ニードル用弁座35から離座し、圧力制御ニードル53が開弁する。圧力制御ニードル53が開弁すると、圧力制御室81内の燃料は排出流路36へ流出する。排出流路36へ流出した燃料は、筒内吐出流路37の開口部37aより噴射され、例えば略円錐状の燃料噴霧(以下、副噴霧とも呼ぶ)が形成される。
図6に示すように、上記液圧力がさらに増加し、スプリング78の付勢力に打ち勝つようになると、スプリング78の付勢力に抗してノズルニードル30が弁座13より離座し、開弁する。ノズルニードル30のリフト量に応じて噴孔31oの開口面積は増加する。噴孔31oより燃料が噴射され、略中空円錐状の燃料噴霧(以下、主噴霧とも呼ぶ)が形成される。
図7の電磁駆動部の作動停止した状態に示すように、コイル60へ電流供給が停止され、コイル60に生じていた電磁力が消失する。圧力制御ニードル53が、スプリング58により圧力制御ニードル用弁座35に押し付けられ、圧力制御ニードル53が閉弁する。
圧力制御室81の減圧で、ノズルニードル30に開弁方向Aの液圧力を加えて開弁させ、主噴孔31oから主噴射が行なわれるとともに、上記排出燃料を筒内吐出流路37に導き、その開口部(副噴孔)37aから副噴射を行なうものであれば、いずれの構成であってもよい。
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
第1の実施形態では、筒内吐出流路37および開口部37aをノズルニードル30の内部に設けた。これに対し第3の実施形態では、図10に示すように、少なくとも筒内吐出流路137の一部および開口部137aを弁ボディ212の内部に形成する。図10は、本実施形態に係わる主要部を拡大した部分断面図である。
第1の実施形態では、弁部構造を外開弁構造とした。これに対し第3の実施形態では、図11に示すように、弁ボディ312が、弁座313に着座および離座するノズルニードル330を軸方向に移動可能に収容し、ノズルニードル330を弁座13から内向きに離座させることで開弁するいわゆる内開弁構造とする。図11は、本実施形態の燃料噴射弁の構成を示す断面図である。
なお、第4の実施形態おいて、弁ボディ312の先端に、微細な複数の噴孔を有する噴孔プレートを備えているものであってもよい。この場合、主噴射および副噴射の燃料は噴孔プレートの複数の噴孔から噴射される。
2 燃料噴射弁
6 燃料タンク
7 燃料ポンプ
8 燃料分配管
9 高圧ポンプ(高圧燃料供給手段)
12 弁ボディ
13 弁座
30 ノズルニードル(弁部材)
31 当接部
25 ノズルボディ
26 パッキン(中間部材)
35 圧力制御ニードル用弁座(弁座)
36 排出流路
37 筒内吐出流路
37a 開口部
41、43 燃料通路
45 オリフィス通路(燃料絞り通路)
50 弁体
51 可動コア
53 圧力制御ニードル
54 固定コア
55 先端部
58 スプリング(付勢部材)
60 コイル
78 スプリング(付勢部材)
81 圧力制御室
82 第1背圧室
83 第2背圧室(スプリング室)
100 エンジン(内燃機関)
106 燃焼室
200 ECU(制御手段)
Claims (12)
- 内燃機関の筒内に燃料を直接噴射し、燃料噴霧を形成する燃料噴射弁において、
前記筒内に臨むように配置され、弁座を有する弁ボディと、
前記弁座に着座および離座する弁部材と、
前記弁部材のリフトを制御するために、前記弁部材の前記弁座とは反対の端部に加える液圧力を制御する圧力制御室と、
前記圧力制御室内の燃料を排出する排出流路と、
前記圧力制御室と前記排出流路の燃料の流れを遮断および流通に切換えるアクチュエータと、
前記燃料噴射弁の内部を通じて流通するように設けられ、前記圧力制御室から前記排出流路に導かれる燃料を、前記筒内に噴射させるように導く筒内吐出流路を備え、
前記アクチュエータは、前記圧力制御室と前記排出流路の燃料の流れを遮断および流通に切換える弁体と、前記弁体を電磁力により駆動する電磁駆動部とを備え、
前記電磁駆動部により駆動された前記弁体が前記圧力制御室と前記排出流路の燃料の流れを流通に切換えることにより前記筒内吐出流路内の燃料の前記筒内への噴射を開始する噴射時期は、前記弁部材が前記圧力制御室内の減圧に応じて前記弁座から離座することにより略中空円錐状の燃料噴霧を形成する燃料の前記筒内への噴射時期より早いことを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記筒内吐出流路は、前記弁部材の内部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記筒内吐出流路は、前記弁ボディの内部に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁。
- 前記弁部材は、前記弁体が離座および着座可能な弁体用弁座と、前記弁体用弁座の下流に配置される前記排出流路を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記弁部材と前記弁ボディは、
前記弁部材が、前記弁ボディの内の軸方向に挿通可能に配置され、
前記弁部材を前記弁座から外向きに離座させることで開弁する弁部構造を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。 - 前記弁部材と前記弁ボディは、
前記弁ボディが、前記弁座に着座および離座する前記弁部材を軸方向に移動可能に収容し、
前記弁部材を前記弁座から内向きに離座させることで開弁する弁部構造を有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。 - 前記筒内吐出流路の開口部から噴射される燃料噴霧は、略中空円錐状の燃料噴霧の内側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記筒内吐出流路の前記開口部は、複数の噴孔からなることを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射弁。
- 前記排出流路に排出される燃料の圧力は、1.5MPa以上であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記筒内吐出流路から前記筒内に噴射される燃料噴射量は、前記燃料噴霧を形成する燃料噴射量の30%以下であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記筒内に臨んで略中央上部に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の燃料噴射弁と、
燃料が貯留された燃料タンクと、前記燃料噴射弁に分配供給する燃料分配管との間に設けられ、前記燃料タンクに貯留された燃料を、前記燃料分配管に向けて高圧圧送する高圧燃料供給手段とを備えていることを特徴とする燃料噴射装置。
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