JP2009103008A - 燃料ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出側にチェック弁を備えた燃料ポンプに対し、エンジン停止後におけるインジェクタから気筒内に向けての燃料の漏れを防止可能としながらも、内燃機関の始動性を良好に確保できる構成を提供する。
【解決手段】燃料ポンプ1のチェック弁40に対して、バルブ体42をバイパスするリーク通路45を備えさせ、このリーク通路45の開口面積を周辺温度に応じて変化させるリークバルブ機構46を備えさせる。エンジンの冷間始動時にはリーク通路45が閉鎖され、このリーク通路45からの燃料戻りが防止されてエンジンの始動性が良好になる。エンジンが停止する際には、リーク通路45が開放されており、エンジン停止後に、デリバリパイプ内の燃料が加圧室22側に向けて戻されていくことで、インジェクタから気筒内への燃料漏れが防止される。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば筒内直噴型エンジン等の内燃機関に適用され、燃料噴射弁(インジェクタ)に向けて高圧燃料を供給するための燃料ポンプに係る。
従来より、例えば筒内直噴型エンジンのようにインジェクタへ供給する燃料に高い圧力が要求されるエンジンにあっては、燃料タンクから送られてきた燃料を高圧燃料ポンプで加圧してインジェクタに向けて供給するようになっている。
具体的に、この種のエンジンにおける燃料供給システムの構成としては、下記の特許文献1や特許文献2にも開示されているように、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプ、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプを備えている。そして、この高圧燃料ポンプによって加圧された燃料を、複数のインジェクタが接続されたデリバリパイプに貯留するようになっている。これにより、インジェクタの開弁動作に伴って、デリバリパイプに貯留されている高圧燃料が、その開弁されたインジェクタから燃焼室に向けて噴射されることになる。
また、この種のエンジンの燃料供給系に備えられる上記高圧燃料ポンプは、シリンダ内で往復移動するプランジャと、そのプランジャ及びシリンダによって区画形成される加圧室と、この加圧室の吐出側に配設された吐出弁(チェック弁)とを備えている。そして、シリンダ内でのプランジャの往復移動により加圧室の容積が変化し、この容積の拡大時には加圧室に燃料が吸入される一方、この容積の縮小時の所定タイミングで吐出弁が開放してデリバリパイプに向けて高圧燃料が圧送されるようになっている。
より具体的に、この高圧燃料ポンプには、加圧室とその吸入側の低圧燃料配管とを連通・遮断する電磁スピル弁が設けられており、加圧行程では、シリンダ内でのプランジャの移動により加圧室が縮小していく。そして、この加圧行程中において電磁スピル弁が開弁されている間は、加圧室から低圧燃料配管へ燃料が流出(フィードポンプ側へ流出)するため、加圧室内での加圧動作は行われない。これに対し、この加圧行程中に電磁スピル弁が閉弁されると、この加圧室内の圧力(燃料圧力)が上昇していき、この圧力が、吐出弁の弁体(以下、バルブ体という)を閉鎖方向に付勢しているコイルスプリングの付勢力とデリバリパイプ内の燃料圧力とを足し合わせた合力を上回ると吐出弁が開動作を開始し、電磁スピル弁の閉弁期間中にデリバリパイプに向けての燃料圧送が行われる。このように、加圧行程中における電磁スピル弁の閉弁期間を制御することによって、高圧燃料ポンプからデリバリパイプへの燃料圧送量が調整されるようになっている。
ところで、この種の高圧燃料ポンプを備えた燃料供給系にあっては、エンジンが停止された際、それまで上記高圧燃料ポンプによってデリバリパイプ内に向けて高圧燃料が圧送されていたために、このデリバリパイプ内圧が高圧状態となっている可能性が高い。そして、エンジン停止状態で、デリバリパイプ内圧が高圧状態のまま維持される状況では、このデリバリパイプ内圧が作用するインジェクタ内部空間の圧力とインジェクタの噴射口が臨む気筒の内圧との差が大きくなっていることなどが原因で、インジェクタの噴射口から気筒内に向けて燃料が漏れ出してしまう可能性がある。このような状況では、この気筒内に漏れ出した燃料の存在が、次回のエンジン始動に悪影響を及ぼしたり、エンジン始動初期時のHC排出量の増大に繋がってしまうことが懸念される。
この点に鑑み、例えば下記の特許文献3では、上記加圧室の吐出側に配設された上記チェック弁に微小孔を形成しておき、エンジン停止後には、この微小孔から高圧燃料ポンプ側に燃料を徐々に戻していくことによってデリバリパイプ内圧を低下させ、これにより、上記インジェクタからの燃料漏れを防止するようにしている。
特開平8−284780号公報 特開2001−3836号公報 特開2006−90222号公報
しかしながら、上述した特許文献3の構成では以下に述べる課題があった。
上述した如く特許文献3の構成では、エンジンの停止時にデリバリパイプ内圧を低下させることによりインジェクタからの燃料漏れを防止できるものの、その後のエンジン始動時にあっては、高圧燃料ポンプの吸入行程時等において、上記チェック弁の微小孔から燃料の逆流が発生する可能性がある。このため、エンジンの始動後、デリバリパイプ内圧を所定の燃料噴射圧力程度まで上昇させるのに要する時間が長くなってしまい、エンジンの始動性を悪化させてしまう可能性があった。
特に、アルコール燃料を使用する場合、アルコールの発熱量はガソリンよりも小さいために、インジェクタの燃料噴射1回当たりの噴射量はガソリンのみを燃料として使用する場合よりも多くなり、デリバリパイプ内圧の降下量も大きくなる。このため、ガソリンのみを燃料として使用する場合に比べて多くの燃料をデリバリパイプに供給する必要があるが、上記特許文献3の構成では、十分な量のアルコール燃料をデリバリパイプに供給するための時間を非常に長く要してしまう可能性があり、エンジンの始動性悪化が顕著に現れてしまうことになる。
加えて、上記特許文献3の構成では、高圧燃料ポンプの吸入行程時に、上記チェック弁の微小孔から比較的大量の燃料が高速度で逆流する可能性があり、この燃料にキャビテーション・エロージョン(高速度で流れる燃料中に生じる気泡の破裂に伴う衝撃力)が発生し、高圧燃料ポンプに悪影響を及ぼしてしまう可能性もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吐出側にチェック弁を備えた燃料ポンプに対し、エンジン停止後におけるインジェクタから気筒内に向けての燃料の漏れを防止可能としながらも、内燃機関の始動性を良好に確保できる構成を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、燃料ポンプの吐出部に備えられた吐出弁(チェック弁)に対して、それをバイパスするリーク通路を備えさせ、このリーク通路の開口面積を可変とすることで、燃料ポンプを、リーク通路を備えないものとして機能させたり、リーク通路を利用して吐出側空間の燃料圧力を降下させる機能を有するものとして機能させたりすることができるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、燃料を加圧する加圧室と、この加圧室の吐出側に配設され且つスプリングによって閉弁方向への付勢力が与えられたバルブ体を有する吐出弁とを備え、加圧室内の圧力が所定圧力以上に達した場合に上記スプリングの付勢力に抗してバルブ体が移動して加圧室から高圧燃料通路を介して燃料噴射弁に向けて燃料が圧送される構成とされた燃料ポンプを前提としている。この燃料ポンプに対し、上記吐出弁のバルブ体をバイパスして加圧室側と高圧燃料通路側とを連通可能とするリーク通路を設ける。また、リーク通路に、このリーク通路の開口面積を可変とする開口面積可変機構を設けている。
この特定事項により、開口面積可変機構によってリーク通路の開口面積を変化させ、例えば、リーク通路を閉鎖状態にしたり、開放状態にしたりするといった切り換え動作が可能になる。そして、例えば、内燃機関が駆動状態から停止状態となる際には、開口面積可変機構によってリーク通路を開放する(全開または所定開度で開放)。これにより、高圧燃料通路側(デリバリパイプを含む)の燃料は、リーク通路を経て燃料ポンプの加圧室側に向けて戻されていく。このため、高圧燃料通路側の燃料圧力は低下していき、その結果、燃料噴射弁から気筒内への燃料漏れが防止される。一方、例えば、内燃機関の始動時には、開口面積可変機構によってリーク通路を閉鎖する(全閉または所定の小開度とする)。これにより、燃料ポンプの吸入行程等において、高圧燃料通路側から燃料ポンプの加圧室側へのリーク通路による燃料戻りは殆ど発生することがない。このため、高圧燃料通路側の燃料圧力は急速に上昇していくことになり、この高圧燃料通路側の燃料圧力を所定の燃料噴射圧力まで上昇させるのに要する時間を短縮化できて、エンジンの始動性を良好に確保することが可能になる。特に、燃料噴射弁の燃料噴射1回当たりの噴射量がガソリン燃料の場合よりも多くなるアルコール燃料を使用する場合には、エンジンの始動性を大幅に改善することが可能である。このように、本発明によれば、内燃機関停止後の燃料噴射弁からの燃料漏れの防止と、内燃機関の始動性の改善とを両立することが可能である。
上記開口面積可変機構の具体的な構成としては以下のものが挙げられる。先ず、上記開口面積可変機構を、周辺温度に応じてリーク通路の開口面積を可変とするものとし、周辺温度が低温であるほどリーク通路の開口面積を小さくする構成としている。同様に、上記開口面積可変機構を、周辺温度に応じてリーク通路の開口面積を可変とするものとし、周辺温度が高温であるほどリーク通路の開口面積を大きくする構成としている。
この場合に、リーク通路の開口面積を変化させる機構として具体的には、周辺温度が高いほど体積が大きくなる膨張金属体と、この膨張金属体の膨張による押圧力を受けて移動し、リーク通路の開口面積を変更する弁体とを備えさせ、この弁体が、膨張金属体の膨張量が大きいほどリーク通路の開口面積を大きくする構成としている。
この場合の熱源としては、圧送された燃料が供給される内燃機関からの熱が挙げられる。つまり、開口面積可変機構は、内燃機関の温度を上記周辺温度とし、この温度に応じてリーク通路の開口面積を変化させるものである。
以上のように内燃機関からの熱を利用してリーク通路の開口面積を可変とすることにより、特別な駆動源(例えば電気等を使用する駆動源)を必要とすること無しに開口面積可変機構を作動させることができる。従って、簡素な構成で、エネルギ消費による燃料消費率の悪化を招くこと無しに上述した効果(内燃機関停止後の燃料噴射弁からの燃料漏れの防止と内燃機関の始動性の改善とを両立するといった効果)を奏することができる。
また、上記開口面積可変機構に電気ヒータを備えさせ、この電気ヒータから発せられる熱によって開口面積可変機構を作動させるようにした場合には、内燃機関の駆動状態に関わりなくリーク通路の開口面積を適切に設定することができ、上記効果を確実に得ることが可能になる。
この場合に、上記電気ヒータに加えて冷熱源を備えさせ、この冷熱源によって上記周辺温度を降下させることが可能な構成とすれば、電気ヒータによる加熱動作と冷熱源による冷却動作とを切り換えることで、リーク通路の開口面積の変化速度を高速化でき、応答性の高い開口面積切り換え動作を実現することができる。この冷熱源としては、例えば内燃機関の冷却水等が適用可能である。
また、開口面積可変機構の他の構成として、燃料中のアルコール濃度に応じてリーク通路の開口面積を可変とするものとし、燃料中のアルコール濃度が高いほどリーク通路の開口面積を小さくする構成としたものが挙げられる。
ガソリンのみを燃料として使用する場合に比べて、アルコールを混入した燃料の場合、アルコールの発熱量はガソリンよりも小さいために、燃料噴射弁の燃料噴射1回当たりの噴射量はガソリンのみを燃料として使用する場合よりも多くせねばならず、デリバリパイプ内圧の降下量も大きいため、ガソリンのみを燃料として使用する場合に比べて多くの燃料を燃料ポンプから吐出する必要がある。この点に鑑みて、本解決手段では、燃料中のアルコール濃度が高いほどリーク通路の開口面積を小さくし、高圧燃料通路側から燃料ポンプの加圧室側へのリーク通路による燃料戻りを発生させないようにして、高圧燃料通路側の燃料圧力の急速な上昇を可能にするものとしている。これにより、燃料中のアルコール濃度が比較的高い場合であっても、短時間のうちに高圧燃料通路側の燃料圧力を所定圧力(燃料噴射弁の必要吐出圧力)まで上昇させることができ、エンジンの始動性を大幅に改善することが可能になる。
更に、開口面積可変機構の他の構成として、以下の構成も挙げられる。先ず、開口面積可変機構に、リーク通路を開閉可能とする弁体と、この弁体に対してリーク通路を閉鎖する方向への付勢力を与える付勢手段とを備えさせる。そして、上記弁体の一方の面に、上記高圧燃料通路内の燃料圧力を上記付勢手段の付勢力とは反対方向に作用させ、他方の面に、上記加圧室内の燃料圧力及び上記付勢手段の付勢力を作用させる。そして、上記付勢手段の付勢力を、燃料の飽和蒸気圧よりも高く且つ燃料噴射弁から気筒内への燃料漏れが発生する高圧燃料通路内燃料圧力よりも低い範囲内の値に設定している。
この構成によれば、冷間始動時等の内燃機関の始動時には、弁体に対して開弁方向へ作用する圧力は燃料の飽和蒸気圧未満となっているので、上記付勢手段の付勢力により弁体は閉弁状態を維持することになる。一方、エンジン停止後などにおいて高圧燃料通路側の内圧が燃料噴射弁からの燃料漏れが発生する圧力に達していると、弁体に対して開弁方向へ作用する圧力も、この燃料漏れが発生する圧力を超えることになり、上記付勢手段の付勢力に抗して弁体は開弁状態となる。このようにして弁体の閉弁状態と開弁状態とが切り換えられるため、内燃機関の冷間始動時にはリーク通路が閉鎖状態となり、内燃機関の停止時にはリーク通路が開放状態となることで、内燃機関の始動性を改善することと、内燃機関停止後の燃料噴射弁からの燃料漏れを防止することとを両立できる。
また、この構成によれば、高圧燃料通路側の内圧が、燃料噴射弁からの燃料漏れが発生する圧力からある程度低下した時点で、付勢手段の付勢力によって弁体を閉弁状態にすることができる。つまり、高圧燃料通路側の内圧が必要以上に低下してしまうことがない。このため、高圧燃料通路側の内圧が低下しすぎることに起因する燃料中のベーパ発生を回避することができ、このベーパによって内燃機関の始動性が悪化してしまうといった状況を招くことがなくなる。
また、開口面積可変機構の他の構成として、以下の構成も挙げられる。先ず、開口面積可変機構に、リーク通路を開閉可能とする弁体と、この弁体に対してリーク通路を閉鎖する方向への付勢力を与える付勢手段とを備えさせる。そして、上記弁体がリーク通路を全閉とする位置からリーク通路を開放する方向に移動した際に、上記高圧燃料通路内の燃料圧力を弁体に作用させることで、この弁体を、リーク通路を開放する方向に向けて移動させる背圧通路を設けた構成としている。
この構成によれば、上記高圧燃料通路内の燃料圧力が高い状態では、この燃料圧力を利用してリーク通路の開放状態が維持されることになる。つまり、高圧燃料通路内の燃料圧力を弁体に対する背圧として使用することで、燃料噴射弁からの燃料漏れが発生しない圧力に高圧燃料通路内の燃料圧力が低下するまで、リーク通路の開放状態が維持される。そして、高圧燃料通路内の燃料圧力が低下し、上記付勢手段の付勢力が高圧燃料通路内の燃料圧力を上回った時点でリーク通路は閉鎖される。このため、高圧燃料通路内の燃料圧力が必要以上に低下してしまうことがなく、高圧燃料通路側の内圧が低下しすぎることに起因するベーパ発生を回避することができ、このベーパによって内燃機関の始動性が悪化してしまうといった状況を招くことがなくなる。
また、この場合に、上記開口面積可変機構に、リーク通路を開放する方向へ弁体を移動させるための駆動源を備えさせた場合、この駆動源(例えば電磁ソレノイド)の駆動によって弁体を、リーク通路を開放する方向に僅かに移動させると、上記高圧燃料通路内の燃料圧力が弁体に対する背圧として使用可能な状態となる。このため、駆動源の作動期間は非常に短くて済み、弁体を移動させるためのエネルギも僅かで済むことになる。
本発明では、燃料ポンプの吐出部に備えられた吐出弁に対して、それをバイパスするリーク通路を備えさせ、このリーク通路の開口面積を可変とすることで、燃料ポンプを、リーク通路を備えないものとして機能させたり、リーク通路を利用して吐出側空間の燃料圧力を降下させる機能を有するものとして機能させたりすることができるようにしている。このため、内燃機関停止後にリーク通路を利用して燃料噴射弁からの燃料漏れを防止させることができ、また、内燃機関の始動時にリーク通路を閉鎖することで始動性の改善を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自動車に搭載された筒内直噴型多気筒(例えば4気筒)ガソリンエンジンにおける燃料供給システムに本発明を適用した場合について説明する。
−燃料供給システム−
図1は本実施形態における燃料供給システム100の構造を模式的に示す図である。この図1に示すように、燃料供給システム100は、燃料タンク101から燃料を送り出すフィードポンプ102と、そのフィードポンプ102によって送り出された燃料を加圧して各気筒(4気筒)のインジェクタ(燃料噴射弁)4,4,…に向けて吐出する高圧燃料ポンプ1とを備えている。
上記高圧燃料ポンプ1の概略構成としては(具体構成については、後で図3を用いて説明する)、シリンダ21、プランジャ23、加圧室22及び電磁スピル弁30を備えている。プランジャ23は、エンジンの排気カムシャフト110に取り付けられた駆動カム111の回転によって駆動され、シリンダ21内を往復移動する。このプランジャ23の往復移動により加圧室22の容積が拡大または縮小する。本実施形態では、排気カムシャフト110の回転軸回りに180°の角度間隔をもって2つのカム山(カムノーズ)112,112が駆動カム111に形成されている。そして、このカムノーズ112,112によってプランジャ23が押し上げられて、このプランジャ23がシリンダ21内で移動するようになっている。尚、本実施形態に係るエンジンは4気筒型であるため、エンジンの1サイクル中、つまりクランクシャフトが2回転する間に、気筒毎に設けられたインジェクタ4から各1回ずつ、合計4回の燃料噴射が行われることになる。また、このエンジンでは、クランクシャフトが2回転する度に排気カムシャフト110は1回転する。よって、インジェクタ4からの燃料噴射は4回ずつ、高圧燃料ポンプ1からの吐出動作は2回ずつ、エンジンの1サイクル毎に行われるようになっている。
上記加圧室22はプランジャ23及びシリンダ21によって区画されている。この加圧室22は、低圧燃料配管104を介してフィードポンプ102に連通しており、また、高圧燃料配管105を介してデリバリパイプ(蓄圧容器)106内に連通している。
このデリバリパイプ106には、上記インジェクタ4,4,…が接続されていると共に、デリバリパイプ106内の燃料圧力(実燃圧)を検出する燃圧センサ161が配設されている。また、このデリバリパイプ106には、リリーフバルブ171を介してリターン配管172が接続されている。このリリーフバルブ171は、デリバリパイプ106内の燃料圧力が所定圧(例えば13MPa)を越えたときに開弁する。この開弁により、デリバリパイプ106に蓄えられた燃料の一部を、リターン配管172を介して燃料タンク101に戻すようになっている。これにより、デリバリパイプ106内の燃料圧力の過上昇が防止される。また、上記リターン配管172と高圧燃料ポンプ1とは、燃料排出配管108(図1では破線で示している)によって接続されており、プランジャ23とシリンダ21との間隙から漏出した燃料がシールユニット5の上部の燃料収容室6に蓄積され、その後、この燃料収容室6に接続された上記燃料排出配管108に戻されるようになっている。
尚、低圧燃料配管104には、フィルタ141及びプレッシャレギュレータ142が設けられている。このプレッシャレギュレータ142は、低圧燃料配管104内の燃料圧力が所定圧(例えば0.4MPa)を越えたときに低圧燃料配管104内の燃料を燃料タンク101に戻すことによって、この低圧燃料配管104内の燃料圧力を所定圧以下に維持している。また、低圧燃料配管104には、パルセーションダンパ7が備えられており、このパルセーションダンパ7によって高圧燃料ポンプ1の作動時における低圧燃料配管104内の燃圧脈動が抑制されるようになっている。
上記高圧燃料ポンプ1には、低圧燃料配管104と加圧室22との間を連通または遮断するための上記電磁スピル弁30が設けられている。この電磁スピル弁30は、電磁ソレノイド31を備えており、その電磁ソレノイド31への通電を制御することにより開閉動作する。電磁スピル弁30は、電磁ソレノイド31への通電が停止されているときにはコイルスプリング37の付勢力によって開弁する。以下、この電磁スピル弁30の開閉動作について図2を参照しながら説明する。
先ず、電磁ソレノイド31に対する通電が停止された状態のときには、電磁スピル弁30がコイルスプリング37の付勢力によって開弁し、低圧燃料配管104と加圧室22とが連通した状態になる。この状態において、加圧室22の容積が増大する方向にプランジャ23が移動するとき(吸入行程)には、フィードポンプ102から送り出された燃料が低圧燃料配管104を経て加圧室22内に吸入される。
一方、加圧室22の容積が収縮する方向にプランジャ23が移動するとき(加圧行程)において、電磁ソレノイド31への通電により電磁スピル弁30がコイルスプリング37の付勢力に抗して閉弁すると、低圧燃料配管104と加圧室22との間が遮断され、加圧室22内の燃料圧力が所定値に達した時点でチェック弁(吐出弁)40が開放して、高圧の燃料が、高圧燃料通路を構成する高圧燃料配管105を通じてデリバリパイプ106に向けて吐出される。
そして、高圧燃料ポンプ1における燃料吐出量の調整は、加圧行程での電磁スピル弁30の閉弁期間を制御することによって行われる。即ち、電磁スピル弁30の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすると燃料吐出量が増加し、電磁スピル弁30の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすると燃料吐出量が減少するようになる。このように、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量を調整することにより、デリバリパイプ106内の燃料圧力が制御される。
ここで、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量(電磁スピル弁30の閉弁開始時期)を制御するための制御量であるポンプデューティDTについて説明する。
このポンプデューティDTは、0〜100%という値の間で変化するものであって、電磁スピル弁30の閉弁期間に対応する排気カムシャフト110の駆動カム111のカム角度に関係した値である。
具体的には、駆動カム111のカム角度に関して、図2に示すように、電磁スピル弁30の最大閉弁期間に対応したカム角度(最大カム角度)をθ0とし、その最大閉弁期間の目標燃圧に対応するカム角度(目標カム角度)をθとすると、ポンプデューティDTは、最大カム角度θ0に対する目標カム角度θの割合(DT=θ/θ0)で表される。従って、ポンプデューティDTは、目標とする電磁スピル弁30の閉弁期間(閉弁開始時期)が最大閉弁期間に近づくほど100%に近い値となり、目標とする閉弁期間が「0」に近づくほど0%に近い値となる。
そして、ポンプデューティDTが100%に近づくほど、ポンプデューティDTに基づいて調整される電磁スピル弁30の閉弁開始時期は早められ、電磁スピル弁30の閉弁期間は長くなる。その結果、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量が増加して実燃圧が上昇するようになる。また、ポンプデューティDTが0%に近づくほど、ポンプデューティDTに基づいて調整される電磁スピル弁30の閉弁開始時期は遅らされ、電磁スピル弁30の閉弁期間は短くなる。その結果、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量が減少して実燃圧が低下するようになる。尚、上記ポンプデューティDTの算出手順の詳細についてはここでは説明を省略する。
−高圧燃料ポンプ1の具体構成−
次に、上記高圧燃料ポンプ1の具体構成について図3を用いて説明する。図3は高圧燃料ポンプ1の縦断面図である。この図3に示すように、本実施形態の高圧燃料ポンプ1は、ハウジング10内に、ポンプ部20、上記電磁スピル弁30及びチェック弁40を備えた構成となっている。
上記ポンプ部20は、シリンダ21、加圧室22、プランジャ23、リフタ24及びリフタガイド25を備えている。シリンダ21はハウジング10の中央部に形成され、その先端側(図3における上端側)に加圧室22が形成される。プランジャ23は円柱状であって、シリンダ21内にその軸線方向の摺動が可能に挿入されている。リフタ24は有底円筒状に形成されており、その内部に、プランジャ23の基端部、後述するリテーナ26及びコイルスプリング27等が収容される。リフタガイド25はハウジング10の下側に取り付けられた円筒状の部材であって、その内部に上記リフタ24が軸線方向へ摺動可能に収納されている。
上記プランジャ23の基端部にはリテーナ26が係合されている。具体的には、プランジャ23の基端部に小径部23aが設けられており、リテーナ26にはこの小径部23aの外径寸法に略一致する幅を有する溝26aが形成されていて、この溝26aに小径部23aが嵌め込まれることによってプランジャ23の基端部がリテーナ26に往復移動一体に係合されている。そして、リフタガイド25の上部にはスプリングシート部材25aが嵌め込まれており、このスプリングシート部材25aの下面とリテーナ26との間にコイルスプリング27が圧縮状態で配置されている。つまり、このコイルスプリング27により、プランジャ23に対して下方への付勢力が付与されていると共に、リフタ24が駆動カム111に向けて付勢されている。尚、駆動カム111の外周面の中心位置(駆動カム111の回転軸方向の中心位置)とリフタ24の下面の中心点とは駆動カム111の回転軸方向に沿ってずらされ(偏心され)ており、これら両者は所謂オフセット配置されている。また、このオフセットの方向としては、駆動カム111の外周面とリフタ24の下面との間の摩擦力を利用してリフタ24が平面視において時計回り方向に回転するようにされている。
上記電磁スピル弁30は加圧室22に対向して配設され、上記電磁ソレノイド31、ボビン32、コア33、アーマチャ34、ポペット弁35及びシート体36を備えている。電磁ソレノイド31はボビン32にリング状に巻装されたコイルで成り、コア33はボビン32の中心貫通孔に嵌合固定されている。アーマチャ34はポペット弁35の一端に固定された状態で、その一部がコア33と同軸上でボビン32の中心貫通孔に進入可能に配置されている。コア33及びアーマチャ34の各対向面には凹部がそれぞれ形成されており、それら凹部間にはコイルスプリング37が圧縮状態で収容されている。そして、このコイルスプリング37により、アーマチャ34が加圧室22側に向かって付勢されている。
上記ポペット弁35はシート体36内の貫通孔に摺動可能に挿入され、その下端部には円板状の弁体35aが形成されている。そして、電磁ソレノイド31の非通電時には、コイルスプリング37の付勢力により、弁体35aがシート体36のシート部36aから離間されて、電磁スピル弁30は開弁状態となる。一方、図示しない電子制御装置から端子38を介して電磁ソレノイド31に通電されると、コア33、アーマチャ34及び電磁スピル弁30全体を支持する支持部材39により磁気回路が形成され、コイルスプリング37の付勢力に抗して、アーマチャ34がコア33側に移動する。これにより、ポペット弁35が加圧室22と反対側に移動し、その弁体35aがシート体36のシート部36aに当接して、電磁スピル弁30は閉弁状態となる(図3に示す状態)。
一方、電磁スピル弁30が開弁状態にあるときには、シート体36に形成された複数の供給通路36bと加圧室22との間で燃料が流通可能となっている。
上記ハウジング10には、内部空間が上記供給通路36bに連通する吸入管部材11が取り付けられている。そして、電磁スピル弁30の開弁状態で、プランジャ23が下降するとき、フィードポンプ102の作動により燃料タンク101から汲み上げられた低圧燃料が、フィルタ141、プレッシャレギュレータ142、パルセーションダンパ7、吸入管部材11及び供給通路36bを経て加圧室22に吸入されるようになっている。
上記シリンダ21の先端側に形成された加圧室22は、シリンダ21の内周面よりも大径に形成されている。そして、プランジャ23は電磁スピル弁30の閉タイミング前に加圧室22に進入し、電磁スピル弁30が閉弁した後にプランジャ23が上死点に到達するようになっている。また、プランジャ23の先端部が加圧室22内に進入した状態で、加圧室22の内周面とプランジャ23の外周面との間に隙間が形成されるようになっている。ハウジング10には燃料吐出通路12が形成されており、加圧室22がこの燃料吐出通路12を介してチェック弁40に連通するようになっている。
上記チェック弁40は、燃料吐出通路12に接続されたケーシング41と、バルブ体(弁体)42と、このバルブ体42に閉弁方向への付勢力を与えるコイルスプリング43とを備えている。
上記ケーシング41の内部に形成されている燃料流路44の内面形状として、図4にも示すように、上記コイルスプリング43の取り付け座となるスプリングベース部44aと、上記バルブ体42の閉弁時にバルブ体42の先端面が当接するバルブシート部44bとを備えている。スプリングベース部44aは、バルブ体42の配設位置よりも高圧燃料配管105側(図4における右側)において燃料流路44の内面からフランジ状に突出されて形成されている。バルブシート部44bは、バルブ体42の配設位置よりも加圧室22側(図4における左側)の流路径がバルブ体42の先端面の外径寸法よりも小さく設定されることで、バルブ体42の先端面の当接が可能に形成されている。そして、上記コイルスプリング43は、スプリングベース部44aとバルブ体42との間に圧縮状態で挿入されており、これにより、バルブ体42に対して閉弁方向(バルブ体42の先端面がバルブシート部44bに当接する方向)への付勢力を与えている。
そして、加圧室22内から燃料吐出通路12を介して圧送される燃料の圧力が所定値を超えたとき、バルブ体42がコイルスプリング43の付勢力に抗してバルブシート部44bから離間する位置に移動する。これにより、チェック弁40が開弁状態になって、燃料吐出通路12から圧送される高圧燃料が、燃料流路44及び高圧燃料配管105を経てデリバリパイプ106に供給されるようになっている。
本実施形態の特徴は、上記チェック弁40の燃料流路44に対して並列にリーク通路45が形成されており、このリーク通路45の開口面積を変化させるための手段としてリークバルブ機構(開口面積可変機構)46が備えられている点にある。
以下、上記リーク通路45及びリークバルブ機構46についての複数の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態について説明する。
図4は、本実施形態におけるチェック弁40及びリーク通路45の周辺部を模式的に示した断面図である。この図4に示すように、リーク通路45は、バルブ体42の下側に形成されており、このバルブ体42をバイパスするように、上記燃料流路44におけるバルブ体42よりも上流側(加圧室22側)の空間とバルブ体42よりも下流側(高圧燃料配管105側)の空間とを連通させるものである。
このリーク通路45の具体的な構成としては、上記バルブ体42の上流側空間の下端部から鉛直下方に延びる第1通路部45aと、この第1通路部45aの下端から上記燃料流路44の延長方向に沿って水平方向に延びる第2通路部45bと、この第2通路部45bの先端(高圧燃料配管105側の先端)から鉛直上方に延びて上記バルブ体42の下流側空間に連通する第3通路部45cとを備えている。また、このリーク通路45の開口面積(リーク通路45の延長方向に対して直交する方向の断面における開口面積)は、バルブ体42よりも上流側の燃料流路44の開口面積の約1/10程度に設定されている。この値はこれに限定されるものではなく、任意に設定可能である。
また、上記第1通路部45aの下側半分は内部空間が拡大されており、この拡大部分は、後述するリークバルブ機構46の弁体46aを収容可能な弁体収容室45dとして形成されている。また、第2通路部45bの底面のうち上記弁体収容室45dに対向する部分には凹陥部45eが形成されている。この凹陥部45eは、後述する膨張金属体46b及び上記弁体46aを収容するための空間として利用される。
上記リークバルブ機構46は、上記弁体46a、この弁体46aを移動させるための膨張金属体46bを備えている。膨張金属体46bは、例えばアルミニウム製であって、上記第2通路部45bの底面に形成されている上記凹陥部45eの底部に収容されている。例えば上記凹陥部45eが直方体形状の凹部で形成されている場合には、膨張金属体46bも、その形状に略合致した直方体形状とされる。また、上記凹陥部45eが円柱形状の凹部で形成されている場合には、膨張金属体46bも、その形状に略合致した円柱形状とされる。
一方、上記弁体46aは、例えば偏平な円板形状の金属製板材の中央部に水平方向に延びる貫通孔46cが形成された構成となっており、その下側部分が上記凹陥部45eに収容されている。また、上記貫通孔46cの外周側部分の幅寸法(図4における上下方向の寸法)は、上記第2通路部45bの高さ寸法に略一致またはこの第2通路部45bの高さ寸法よりも僅かに大きく設定されている。そして、この弁体46aの下端面は上記膨張金属体46bの上端面に当接している。つまり、凹陥部45eには、その底部に膨張金属体46bが収容されており、その上側に弁体46aが配設された構成となっている。上記膨張金属体46bは温度に応じて膨張・収縮する。
尚、上記弁体46aに形成されている貫通孔46cの開口形状としては、上記リーク通路45の第2通路部45bの開口形状(第2通路部45bの延長方向に対して直交する方向の断面における開口形状)に略合致している。例えば、第2通路部45bの開口形状が円形である場合には貫通孔46cの開口形状も同様の円形となっている。
このような構成であるため、膨張金属体46bが比較的低温度(例えば常温)である場合には、図4(a)に示すように、この膨張金属体46bの体積は小さく、上記弁体46aの大部分が凹陥部45eに収容されている。この状態では、弁体46aの外周縁部分、つまり上記貫通孔46cが形成されていない部分が第2通路部45bに対面することになり、この第2通路部45bを閉鎖する。これにより、リーク通路45が閉鎖状態となる。
一方、膨張金属体46bが比較的高温度(例えば100℃)となった場合には、図4(b)に示すように、この膨張金属体46bは膨張して体積が大きくなっており、上記弁体46aを上方へ押し上げることで弁体46aの下端部のみが凹陥部45eに収容されている。この状態では、弁体46aに形成されている上記貫通孔46cが第2通路部45bに対面することになり、この第2通路部45bを開放する。これにより、リーク通路45が開放状態となる。また、この状態では、弁体46aの上端部分は上記第1通路部45aの下側半分に形成されている上記弁体収容室45dに収容されることになる。
以上のように、膨張金属体46bの温度変化に伴う体積変化により弁体46aの位置が変化し、これによって第2通路部45bの通路面積(開口面積)が変化する構成となっている。
次に、エンジンの駆動状態に応じた上記リークバルブ機構46の動作について説明する。
先ず、エンジンの冷間始動時にあっては、膨張金属体46bの周囲の温度も比較的低く(外気温相当に)なっている。このため、図4(a)に示すように、膨張金属体46bの体積は小さくなっており、弁体46aの外周縁部分、つまり上記貫通孔46cが形成されていない部分が第2通路部45bに対面することになり、この第2通路部45bを閉鎖する。これにより、リーク通路45が閉鎖状態となっている。
この状態で、エンジンの始動と共に高圧燃料ポンプ1が起動して加圧室22内で燃料を加圧し、この加圧室22内から燃料吐出通路12を介して圧送される燃料の圧力が所定値を超えたとき、バルブ体42がコイルスプリング43の付勢力に抗してバルブシート部44bから離間する位置に移動する。これにより、チェック弁40が開弁状態になって、燃料吐出通路12から圧送される高圧燃料が、燃料流路44及び高圧燃料配管105を経てデリバリパイプ106に供給される。この際、上述した如く、リーク通路45は閉鎖状態であるため、例えば高圧燃料ポンプ1の吸入行程において、高圧燃料配管105内の燃料がリーク通路45を経て加圧室22内に流れ込むといった状況は生じず、加圧室22で加圧された燃料の略全量がデリバリパイプ106に供給されることになり、このデリバリパイプ106の内圧は急速に上昇していく。このため、デリバリパイプ106の内圧を所定の燃料噴射圧力(例えば上記13MPa)程度まで上昇させるのに要する時間を短縮化でき、エンジンの始動性を良好に確保することができる。
特に、インジェクタ4の燃料噴射1回当たりの噴射量がガソリンのみを燃料とする場合よりも多くなるアルコール燃料を使用する場合には、エンジンの始動性を大幅に改善することができる。
一方、エンジンが駆動状態から停止状態となる場合にあっては、エンジンからの発熱量によって、既に膨張金属体46bの周囲の温度は高く(例えば100℃程度に)なっている。このため、図4(b)に示すように、この膨張金属体46bは膨張して体積が大きくなっており、上記弁体46aを上方へ押し上げることで、弁体46aに形成されている上記貫通孔46cが第2通路部45bに対面することになり、この第2通路部45bを開放する。これにより、リーク通路45が開放状態となっている。
この状態でエンジンが停止すると、デリバリパイプ106内の燃料は、高圧燃料配管105及びリーク通路45を経て高圧燃料ポンプ1の加圧室22に向けて徐々に戻されていく。このため、デリバリパイプ106の内圧は低下していき、その結果、上記インジェクタ4,4,…から気筒内への燃料漏れが防止される。これにより、気筒内に漏れ出した燃料の存在が、次回のエンジン始動に悪影響を及ぼしたり、エンジン始動初期時におけるHC排出量を増大させてしまうといったことを回避できる。
このようにしてインジェクタ4,4,…から気筒内への燃料漏れを防止している状態から、エンジンの温度が低下していくと、再び、膨張金属体46bの周囲の温度が比較的低くなり、図4(a)に示すように、リーク通路45が閉鎖状態となる。従って、次回の冷間始動時にあっては、上述した冷間始動時の場合と同様に、リーク通路45が閉鎖された状態で行われるため、高圧燃料ポンプ1の吸入行程において、高圧燃料配管105内の燃料がリーク通路45を経て加圧室22内に流れ込むといった状況は生じず、デリバリパイプ106の内圧は急速に上昇していくことになって、エンジンの始動性を良好に確保することができる。
以上のように、本実施形態によれば、エンジンの冷間始動時にはリーク通路45が閉鎖状態となり、エンジンの停止時にはリーク通路45が開放状態となっていることで、エンジンの始動性を改善することと、エンジン停止後のインジェクタ4,4,…からの燃料漏れを防止することとを両立できる。
(第1実施形態の変形例1)
次に、上述した第1実施形態の変形例1について説明する。本変形例は、リークバルブ機構46の構成が上述した第1実施形態のものと異なっており、その他の構成及び動作は上記第1実施形態のものと同様である。従って、ここでは第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図5は、本変形例におけるチェック弁40及びリーク通路45の周辺部を模式的に示した断面図である。この図5に示すように、本変形例のものでは、上記弁体収容室45dの大きさを上記第1実施形態のものよりも大きく設定している。具体的には、弁体収容室45dにおける上記弁体46aの移動方向に沿う方向(図中の上下方向)の長さ寸法を長く設定している。
そして、この弁体収容室45dの上面(弁体46aに対向する面)と上記弁体46aとの間にコイルスプリング46dを圧縮状態で介在させている。つまり、このコイルスプリング46dによって弁体46aに対して下向きの付勢力を付与し、膨張金属体46bが膨張していない状態(図5(a)に示す状態)では、このコイルスプリング46dの付勢力によって、弁体46aを、第2通路部45bを閉鎖する位置まで強制的に移動させることでリーク通路45の閉鎖状態が確実に得られるようにしている。これにより、弁体46aの作動位置を適切に得ることができ、リーク通路45の開閉動作の信頼を十分に確保することができる構成となっている。尚、図5(b)は膨張金属体46bが膨張し、弁体46aがコイルスプリング46dの付勢力に抗して上方へ移動することで第2通路部45bを開放した状態を示している。
(第1実施形態の変形例2)
次に、上述した第1実施形態の変形例2について説明する。本変形例も、リークバルブ機構46の構成が上述した第1実施形態のものと異なっており、その他の構成及び動作は上記第1実施形態のものと同様である。従って、ここでも第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図6は、本変形例におけるチェック弁40及びリーク通路45の周辺部を模式的に示した断面図である。この図6に示すように、本変形例のものにあっても、上述した変形例1の場合と同様に、弁体収容室45dの上面と上記弁体46aとの間にコイルスプリング46dを圧縮状態で介在させ、これにより、リーク通路45の開閉動作の信頼を十分に確保することができる構成となっている。
それに加えて、本変形例では、上記膨張金属体46bに代えて、形状記憶金属で成るコイルスプリング46eを適用し、このコイルスプリング46eを凹陥部45eに収容した構成となっている。この形状記憶金属は、高温度になるほどコイルスプリング46eの軸方向の長さ寸法が長くなるように形状記憶されている。
このため、この形状記憶金属で成るコイルスプリング46eが比較的低温度(例えば常温)である場合には、図6(a)に示すように、コイルスプリング46eの軸方向の長さは短くなっており、上記弁体46aにより第2通路部45bは閉鎖される。つまり、リーク通路45は閉鎖状態となる。
一方、コイルスプリング46eが比較的高温度(例えば100℃)となった場合には、図6(b)に示すように、このコイルスプリング46eの軸方向の長さは長くなり、上記弁体46aが上方へ移動して、上記貫通孔46cが第2通路部45bに対面することになり、この第2通路部45bを開放する。つまり、リーク通路45が開放状態となる。
このようにして本変形例においても、上記第1実施形態の場合と同様に、エンジンの冷間始動時にはリーク通路45が閉鎖状態となり、エンジンの停止時にはリーク通路45が開放状態となっていることで、エンジンの始動性を改善することと、エンジン停止後のインジェクタ4,4,…からの燃料漏れを防止することとを両立できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態も、リークバルブ機構46が上述した第1実施形態のものと異なっており、その他の構成及び動作は上記第1実施形態のものと同様である。従って、ここでも第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図7は、本実施形態におけるチェック弁40及びリーク通路45の周辺部を模式的に示した断面図である。この図7に示すように、本実施形態では、リークバルブ機構46として、上記第1通路部45aに収容された弁体47a、この弁体47aを第2通路部45bに向けて付勢するコイルスプリング47bを備えている。上記弁体47aの形状としては、第2通路部45bの開口形状よりも大きく設定されており、コイルスプリング47bの付勢力によって弁体47aが第2通路部45bの開口端面に向けて前進した状態では、この開口端面に当接することで、第2通路部45bを閉鎖状態とする構成となっている(図7(b)参照)。
そして、本実施形態の特徴は、上記コイルスプリング47bのバネ定数が所定の値に設定されている点にある。具体的に、このバネ定数は、燃料の飽和蒸気圧よりも高く且つインジェクタ4の油密要求燃圧よりも低い範囲内のバネ力が得られる値に設定されている。ここでいうインジェクタ4の油密要求燃圧とは、上記インジェクタ4から気筒内への燃料漏れが発生するデリバリパイプ106の内部圧力の下限値である。言い換えると、この燃料漏れを生じさせないために許容されるデリバリパイプ106内圧の上限値を超えた値である。
このようにコイルスプリングのバネ力が設定されているため、冷間始動時等のエンジン始動時には、弁体47aに対して開弁方向へ作用する圧力は燃料の飽和蒸気圧未満であるので、上記コイルスプリング47bの付勢力により弁体47aは閉弁状態を維持することになる(図7(b)参照)。
一方、エンジン停止後などにおいてデリバリパイプ106の内圧がインジェクタ4の油密要求燃圧に達していると、弁体47aに対して開弁方向へ作用する圧力も油密要求燃圧を超えることになり、上記コイルスプリング47bの付勢力に抗して弁体47aは開弁状態となる(図7(a)参照)。
このようにして弁体47aの閉弁状態と開弁状態とが切り換えられるため、本実施形態においても上記第1実施形態の場合と同様に、エンジンの冷間始動時にはリーク通路45が閉鎖状態となり、エンジンの停止時にはリーク通路45が開放状態となることで、エンジンの始動性を改善することと、エンジン停止後のインジェクタ4,4,…からの燃料漏れを防止することとを両立できる。
また、本実施形態の場合には、デリバリパイプ106の内圧がインジェクタ4の油密要求燃圧からある程度低下した時点で弁体47aをコイルスプリング47bの付勢力によって閉弁状態にすることができる。つまり、デリバリパイプ106の内圧がコイルスプリング47bの付勢力よりも低くなった時点で弁体47aを閉弁状態にすることができるので、デリバリパイプ106の内圧が必要以上に低下してしまうことがない。このため、デリバリパイプ106の内圧が低下しすぎることに起因するデリバリパイプ106内でのベーパ発生を回避することができ、このベーパによってエンジンの始動性が悪化してしまうといった状況を招くことがなくなる。つまり、デリバリパイプ106内でベーパが発生すると、高圧燃料ポンプ1から供給されてくる燃料によってベーパが押し潰される状況にならねばデリバリパイプ106の内圧を十分に高めることができないので、エンジンの始動性を悪化させてしまうことになるが、本実施形態では、このベーパ発生を回避することができるため、エンジンの始動性を良好に確保できる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態も、リークバルブ機構46が上述した第1実施形態のものと異なっており、その他の構成及び動作は上記第1実施形態のものと同様である。従って、ここでも第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図8は、本実施形態におけるチェック弁40及びリーク通路45の周辺部を模式的に示した断面図である。上述した第1実施形態のものでは、エンジンからの発熱を利用して膨張金属体46bを膨張させるようにしていた。本実施形態は、それに代えて、図8に示すように、膨張金属体46bの近傍に電気ヒータ48を配設し、この電気ヒータ48への通電/非通電を切り換えることによって膨張金属体46bを体積変化させて、リーク通路45の開口面積を閉鎖状態と開放状態との間で変化させるように構成されている。上記電気ヒータ48を配設形態としては、チェック弁40のケーシング41に埋め込むようにしてもよいし、ケーシング41の外面に取り付けるようにしてもよい。
そして、エンジンの冷間始動時には、電気ヒータ48を非通電状態にし、図8(a)に示すように膨張金属体46bを膨張させないことで上記弁体46aにより第2通路部45bを閉鎖させる。つまり、リーク通路45を閉鎖状態とする。
一方、エンジン停止時には、電気ヒータ48を通電状態にし、図8(b)に示すように膨張金属体46bを膨張させて上記弁体46aの貫通孔46cにより第2通路部45bを開放させる。つまり、リーク通路45を開放状態とする。
このようにして電気ヒータ48への通電/非通電を切り換えることにより、本実施形態においても、上記第1実施形態の場合と同様に、エンジンの冷間始動時にはリーク通路45が閉鎖状態となり、エンジンの停止時にはリーク通路45が開放状態となることで、エンジンの始動性を改善することと、エンジン停止後のインジェクタ4,4,…からの燃料漏れを防止することとを両立できる。
尚、本実施形態の場合、上記膨張金属体46bがエンジンからの熱を受けて体積変化してしまいリーク通路45に適正な開放状態を得ることができなくなることを考慮し、チェック弁40の外周囲を断熱材で覆うなどの構成を適用することが好ましい。
(第3実施形態の変形例)
次に、上述した第3実施形態の変形例について説明する。本変形例は、リークバルブ機構46が上述した第3実施形態のものと異なっており、その他の構成及び動作は上記第3実施形態のものと同様である。従って、ここでは第3実施形態との相違点についてのみ説明する。
図9は、本変形例におけるチェック弁40及びリーク通路45の周辺部を模式的に示した断面図である。この図9に示すように、本変形例のものでは、上記弁体収容室45dの大きさを上記第3実施形態のものよりも大きく設定している。具体的には、弁体収容室45dにおける上記弁体46aの移動方向に沿う方向(図中の上下方向)の長さ寸法を長く設定している。
そして、この弁体収容室45dの上面と上記弁体46aとの間にコイルスプリング46dを圧縮状態で介在させている。つまり、このコイルスプリング46dによって弁体46aに対して下向きの付勢力を付与し、電気ヒータ48を非通電状態にすることで膨張金属体46bを膨張させない状態では、このコイルスプリング46dの付勢力によって、弁体46aを、第2通路部45bを閉鎖する位置まで強制的に移動させることでリーク通路45の閉鎖状態が確実に得られるようにしている。このため、弁体46aの作動位置を適切に得ることができ、リーク通路45の開閉動作の信頼を十分に確保することができる構成となっている。
尚、上述した第3実施形態及びその変形例では、膨張金属体46bを加熱するための手段(上記電気ヒータ48)のみを備えさせていたが、膨張金属体46bを冷却するための手段(冷熱源)も備えさせることが好ましい。具体的には、エンジン冷却水を膨張金属体46bの近傍に流通させるための冷却水路をチェック弁40のケーシング41内に形成し、この冷却水路に開閉弁を備えさせる。そして、この開閉弁を開放することでエンジン冷却水によって膨張金属体46bを冷却し、膨張金属体46bの体積を縮小させる構成が挙げられる。また、上記冷却水に代えて、専用の冷媒を膨張金属体46bの近傍に流通させることで膨張金属体46bを冷却するようにしてもよい。
また、ガソリンのみを燃料として使用する場合と、アルコールが混合された燃料を使用する場合とで、上記電気ヒータ48への通電/非通電を切り換えるタイミング等を異ならせるようにしてもよい。具体的に、燃料中のアルコール濃度が高いほど、電気ヒータ48への通電期間を短くしたり、通電電圧値を低くすることで、リーク通路45の開口面積を小さく設定するものである。これにより、デリバリパイプ106から加圧室22側に向けての燃料戻り量を少なくして、デリバリパイプ106の内圧を高めに維持し、エンジンの始動性を良好にするものである。尚、上記燃料中のアルコール濃度は、アルコール濃度センサなどによって検知可能である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態は、リーク通路45及びリークバルブ機構46が上述した第1実施形態の変形例1のもの(図5に示したもの)と異なっており、その他の構成及び動作は上記第1実施形態の変形例1と同様である。従って、ここでは第1実施形態の変形例1との相違点についてのみ説明する。
図10は、本実施形態におけるチェック弁40及びリーク通路45の周辺部を模式的に示した断面図である。上述した第1実施形態の変形例1では、エンジンからの発熱を利用して膨張金属体46bを膨張させるようにしていた。本実施形態は、それに代えて、図10に示すように、弁体46aに電磁ソレノイド(駆動源)49を接続し、この電磁ソレノイド49への通電/非通電を切り換えることによって弁体46aを移動させて、リーク通路45の開口面積を閉鎖状態と開放状態との間で変化させるように構成されている。
具体的には、上記リーク通路45から分岐された分岐通路(背圧通路)45fを形成しておき、この分岐通路45fの先端が、下降位置にある弁体46aの下部側面に対向するように構成されている(図10(a)参照)。
また、上記弁体収容室45dの上面と上記弁体46aとの間に介在されているコイルスプリング46dのバネ定数は、上記第2実施形態におけるコイルスプリング47bと同様に、燃料の飽和蒸気圧よりも高く且つインジェクタ4の油密要求燃圧よりも低い範囲内のバネ力が得られる値に設定されている。
そして、エンジンの冷間始動時には、電磁ソレノイド49を非通電状態にし、図10(a)に示すように上記弁体46aにより第2通路部45bを閉鎖させる。つまり、リーク通路45を閉鎖状態とする。
一方、エンジン停止時には、電磁ソレノイド49を通電状態にする。この際、この電磁ソレノイド49への通電に伴って弁体46aが僅かでも上昇すると、この弁体46aの下面には、上記分岐通路45fを経て燃料圧力が作用することになり、その後、電磁ソレノイド49への通電を解除しても、この燃料圧力によって上記弁体46aは上方へ移動し、貫通孔46cにより第2通路部45bを開放させることができる。つまり、この燃料圧力によってリーク通路45の開放状態が維持されることになる(図10(b)参照)。
このようにして電磁ソレノイド49への通電/非通電を切り換えることにより、本実施形態においても、上記第1実施形態の場合と同様に、エンジンの冷間始動時にはリーク通路45が閉鎖状態となり、エンジンの停止時にはリーク通路45が開放状態となることで、エンジンの始動性を改善することと、エンジン停止後のインジェクタ4,4,…からの燃料漏れを防止することとを両立できる。
また、上述した如く、コイルスプリング46dのバネ定数を、燃料の飽和蒸気圧よりも高く且つインジェクタ4の油密要求燃圧よりも低い範囲内のバネ力が得られる値に設定しているため、弁体46aの開弁状態において、デリバリパイプ106の内圧がインジェクタ4の油密要求燃圧からある程度低下した時点で、コイルスプリング46dの付勢力によって弁体46aを閉弁状態にすることができる。つまり、デリバリパイプ106の内圧が必要以上に低下してしまうことがない。このため、デリバリパイプ106の内圧が低下しすぎることに起因するデリバリパイプ106内でのベーパ発生を回避することができ、このベーパによってエンジンの始動性が悪化してしまうといった状況を招くことがなくなる。
また、本実施形態においても、ガソリンのみを燃料として使用する場合と、アルコールが混合された燃料を使用する場合とで、上記電磁ソレノイド49への通電/非通電を切り換えるタイミング等を異ならせるようにしてもよい。具体的に、燃料中のアルコール濃度が高いほど、電磁ソレノイド49の通電開始タイミングを遅らせることで、リーク通路45が閉鎖されている期間を長く設定するものである。これにより、デリバリパイプ106から加圧室22側に向けての燃料戻り量を少なくして、デリバリパイプ106の内圧を高めに維持し、エンジンの始動性を良好にすることができる。
−他の実施形態−
上述した各実施形態及び変形例では、本発明を自動車に搭載された筒内直噴型4気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、例えば筒内直噴型6気筒ガソリンエンジンなど他の任意の気筒数のガソリンエンジンに適用可能である。また、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジン等の他の内燃機関にも本発明は適用可能である。更には、本発明が適用可能なエンジンは、自動車用のエンジンに限るものでもない。
また、上記各実施形態及び変形例における高圧燃料ポンプ1では、排気カムシャフト110に取り付けられた駆動カム111の回転によってプランジャ23が駆動される構成としたが、吸気カムシャフトに取り付けられた駆動カムの回転によってプランジャ23が駆動される構成としてもよい。
更に、本発明は、2つのカムノーズ112,112を有する駆動カム111を備えたものに限らず、その他の個数のカムノーズを有する駆動カムを備えたものにも適用可能である。
また、上記各実施形態及び変形例における高圧燃料ポンプ1はプランジャポンプであったが、その他の容積形ポンプ(例えば、ピストンポンプやベーンポンプ等)に対しても本発明は適用可能である。
また、膨張金属体46bの材料としてはアルミニウムを使用していたが、本発明はこれに限らず熱膨張率の比較的高い金属材料(例えば銅や鉛等)であれば適用が可能である。
実施形態に係る燃料供給システムの構造を模式的に示す図である。 電磁スピル弁の開閉動作を説明するための図である。 高圧燃料ポンプを示す縦断面図である。 第1実施形態におけるチェック弁及びリーク通路の周辺部を模式的に示した断面図であって、図4(a)はリーク通路の閉鎖状態を、図4(b)はリーク通路の開放状態をそれぞれ示す図である。 第1実施形態の変形例1における図4相当図である。 第1実施形態の変形例2における図4相当図である。 第2実施形態における図4相当図である。 第3実施形態における図4相当図である。 第3実施形態の変形例における図4相当図である。 第4実施形態における図4相当図である。
符号の説明
1 高圧燃料ポンプ
4 インジェクタ(燃料噴射弁)
22 加圧室
40 チェック弁(吐出弁)
42 バルブ体
43 コイルスプリング
45 リーク通路
45f 分岐通路(背圧通路)
46 リークバルブ機構(開口面積可変機構)
46a 弁体
46b 膨張金属体
47a 弁体
47b コイルスプリング(付勢手段)
48 電気ヒータ
49 電磁ソレノイド(駆動源)

Claims (11)

  1. 燃料を加圧する加圧室と、この加圧室の吐出側に配設され且つスプリングによって閉弁方向への付勢力が与えられたバルブ体を有する吐出弁とを備え、加圧室内の圧力が所定圧力以上に達した場合に上記スプリングの付勢力に抗してバルブ体が移動して加圧室から高圧燃料通路を介して燃料噴射弁に向けて燃料が圧送される構成とされた燃料ポンプにおいて、
    上記吐出弁のバルブ体をバイパスして加圧室側と高圧燃料通路側とを連通可能とするリーク通路が設けられており、
    上記リーク通路には、このリーク通路の開口面積を可変とする開口面積可変機構が設けられていることを特徴とする燃料ポンプ。
  2. 上記請求項1記載の燃料ポンプにおいて、
    上記開口面積可変機構は、周辺温度に応じてリーク通路の開口面積を可変とするものであって、周辺温度が低温であるほどリーク通路の開口面積を小さくするよう構成されていることを特徴とする燃料ポンプ。
  3. 上記請求項1記載の燃料ポンプにおいて、
    上記開口面積可変機構は、周辺温度に応じてリーク通路の開口面積を可変とするものであって、周辺温度が高温であるほどリーク通路の開口面積を大きくするよう構成されていることを特徴とする燃料ポンプ。
  4. 上記請求項2または3記載の燃料ポンプにおいて、
    上記開口面積可変機構は、周辺温度が高いほど体積が大きくなる膨張金属体と、この膨張金属体の膨張による押圧力を受けて移動し、リーク通路の開口面積を変更する弁体とを備えており、この弁体は、膨張金属体の膨張量が大きいほどリーク通路の開口面積を大きくするよう構成されていることを特徴とする燃料ポンプ。
  5. 上記請求項2、3または4記載の燃料ポンプにおいて、
    上記周辺温度は、圧送された燃料が供給される内燃機関の温度であることを特徴とする燃料ポンプ。
  6. 上記請求項2、3または4記載の燃料ポンプにおいて、
    上記開口面積可変機構は、電気ヒータを備えており、上記周辺温度は、この電気ヒータからの発熱量により変化する温度であることを特徴とする燃料ポンプ。
  7. 上記請求項6記載の燃料ポンプにおいて、
    上記開口面積可変機構は、上記電気ヒータに加えて冷熱源を備えており、この冷熱源によって上記周辺温度を降下させることが可能に構成されていることを特徴とする燃料ポンプ。
  8. 上記請求項1記載の燃料ポンプにおいて、
    上記開口面積可変機構は、燃料中のアルコール濃度に応じてリーク通路の開口面積を可変とするものであって、燃料中のアルコール濃度が高いほどリーク通路の開口面積を小さくするよう構成されていることを特徴とする燃料ポンプ。
  9. 上記請求項1記載の燃料ポンプにおいて、
    上記開口面積可変機構は、リーク通路を開閉可能とする弁体と、この弁体に対してリーク通路を閉鎖する方向への付勢力を与える付勢手段とを備えていると共に、上記弁体の一方の面には上記高圧燃料通路内の燃料圧力が上記付勢手段の付勢力とは反対方向に作用し、他方の面には上記加圧室内の燃料圧力及び上記付勢手段の付勢力が作用しており、
    上記付勢手段の付勢力は、燃料の飽和蒸気圧よりも高く且つ燃料噴射弁から気筒内への燃料漏れが発生する高圧燃料通路内燃料圧力よりも低い範囲内の値に設定されていることを特徴とする燃料ポンプ。
  10. 上記請求項1記載の燃料ポンプにおいて、
    上記開口面積可変機構は、リーク通路を開閉可能とする弁体と、この弁体に対してリーク通路を閉鎖する方向への付勢力を与える付勢手段とを備えており、
    上記弁体がリーク通路を全閉とする位置からリーク通路を開放する方向に移動した際に、上記高圧燃料通路内の燃料圧力を弁体に作用させることで、この弁体を、リーク通路を開放する方向に向けて移動させる背圧通路が設けられていることを特徴とする燃料ポンプ。
  11. 上記請求項10記載の燃料ポンプにおいて、
    上記開口面積可変機構は、リーク通路を開放する方向へ弁体を移動させるための駆動源を備えていることを特徴とする燃料ポンプ。
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