JP5648620B2 - 高圧燃料ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、高圧燃料ポンプに関し、さらに詳しくは、筒内直噴型エンジンなどの内燃機関において、インジェクタ(燃料噴射弁)に高圧燃料を供給するプランジャタイプの高圧燃料ポンプに関する。
車両等に搭載される筒内直噴型エンジンにおいては、燃料圧力を燃焼室内の圧力よりも高くして燃料噴射を行う必要があるため、燃料タンクから送られてきた燃料を高圧燃料ポンプで加圧してインジェクタに向けて供給している。
筒内直噴型エンジンの燃料供給系としては、例えば、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、高圧燃料ポンプによって加圧された燃料を貯留するデリバリパイプと、エンジンの各気筒ごとに配置されたインジェクタとを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この燃料供給系では、各インジェクタの開弁制御によりデリバリパイプ内に貯留されている高圧燃料がインジェクタから燃焼室内に直接噴射される。
そして、このような燃料供給系に用いられる高圧燃料ポンプは、例えば、ポンプ部のシリンダ内に往復移動自在に収容されたプランジャと、これらシリンダとプランジャとによって区画形成されたポンプ室(加圧室)と、ポンプハウジングのシリンダ(リフタガイド)の内部に往復移動自在に配設されているとともに、プランジャに連結されたローラリフタと、このローラリフタのローラをカムの外周面側に押圧する圧縮コイルばねとを備えている。この構造の高圧燃料ポンプにおいては、上記カムの回転に伴って、カムノーズがローラから退避する(ローラリフタが下降する)ときにプランジャが移動してポンプ室の容積が拡大する行程(吸入行程)と、カムノーズによってローラリフタのローラが押されて移動(上昇)するときに、それに伴ってプランジャが移動してポンプ室の容積が縮小する行程(加圧行程)とを繰り返すことにより、燃料を加圧してデリバリパイプ等に供給している。
特開平10−26060号公報
ここで、従来の高圧燃料ポンプでは、図8に示すように、ローラリフタ501とシリンダ502の内面との間には、ローラリフタ501が円滑に往復移動できるように、所定の隙間(クリアランス)が設けられている。このため、ローラリフタ501は、シリンダ502内において、プランジャ503との接触(連結)位置を中心にしてS1方向およびS2方向に揺動可能に設けられている。
また、このような高圧燃料ポンプでは、ローラ504の回転中心C2およびカム505の回転中心がプランジャ503(ローラリフタ501)の軸心の延長線L2上に配置されている。そして、カム505がR方向に回転する場合に、図9に示すローラリフタ501が上昇する過程ではS1方向に揺動し、図10に示すローラリフタ501が下降する過程ではS2方向に揺動する。
したがって、往復移動するローラリフタ501が下死点(リフト開始位置)を通過する際に、ローラリフタ501の揺動方向が切り替わることにより、下死点を通過した直後に、ローラリフタ501がシリンダ502の内面に衝突するので、打音が発生するという問題点がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ローラリフタが往復移動する際に発生する打音の低減を図ることが可能な高圧燃料ポンプを提供することである。
本発明による高圧燃料ポンプは、カムからの押圧力を受けるローラが下部に回転自在に設けられているとともに、ポンプハウジングのシリンダ内部に往復移動自在に収容されたローラリフタと、ローラリフタの往復移動に応じて往復移動するプランジャとを備え、プランジャの往復移動により、ポンプ室の容積を拡大させて燃料を吸引するとともに、ポンプ室の容積を縮小させて燃料を吐出するように構成されている。そして、ローラの回転中心がプランジャの軸心の延長線上から離間した位置に配置され、ローラリフタが往復移動する際のリフト開始タイミングと、ローラリフタがシリンダに接触する接触タイミングとが一致するように設定されている。
このように構成することによって、リフト開始タイミングと接触タイミングとを一致させることにより、ローラリフタがシリンダに下死点で接触するので、ローラリフタが往復移動する際に発生する打音の低減を図ることができる。
上記高圧燃料ポンプにおいて、ローラの回転中心は、プランジャの軸心の延長線に対して、ローラとカムとの接触位置における回転方向側に配置されていてもよい。
このように構成すれば、ローラの回転中心がプランジャの軸心の延長線上に配置される場合に比べて、下死点を通過する際の接触タイミングを早くすることができるので、リフト開始タイミングと接触タイミングとを一致させることができる。
上記高圧燃料ポンプにおいて、ローラリフタとシリンダとの間にはクリアランスが設けられ、ローラリフタは、プランジャとの接触位置を中心にして揺動可能に構成されていてもよい。
本発明の高圧燃料ポンプによれば、ローラリフタが往復移動する際に発生する打音の低減を図ることができる。
本発明の高圧燃料ポンプを適用する燃料供給装置の一例を模式的に示す概略構成図である。 図1の高圧燃料ポンプを構成するローラリフタ、ローラ及びポンプハウジングなどの構成を模式的に示す図である。 図2のローラリフタが上昇過程で揺動した状態を示す図である。 図2のローラリフタが下降過程で揺動した状態を示す図である。 実施例、比較例1および2におけるカム角とシリンダの反トルクとの関係を示すグラフである。 実施例、比較例1および2におけるカム角とローラリフタの横力との関係を示すグラフである。 オフセットと下死点および上死点を通過する際の減速度(打音)との関係を示すグラフである。 従来の一例による高圧燃料ポンプを構成するローラリフタ、ローラ及びポンプハウジングなどの構成を模式的に示す図である。 図8のローラリフタが上昇過程で揺動した状態を示す図である。 図8のローラリフタが下降過程で揺動した状態を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
この実施形態では、車両に搭載される筒内直噴型多気筒(例えば6気筒)ガソリンエンジンに用いられる高圧燃料ポンプに本発明を適用した場合について説明する。
−燃料供給装置−
高圧燃料ポンプが適用される燃料供給装置100の一例の概略構成について図1を参照して説明する。
図1に示す燃料供給装置100は、燃料タンク101から燃料を送り出すフィードポンプ102と、このフィードポンプ102によって送り出された燃料を加圧して各気筒(6気筒)に配置のインジェクタ201・・201に向けて吐出する高圧燃料ポンプ1とを備えている。
高圧燃料ポンプ1のプランジャ23は、エンジンの吸気カムシャフト110に取り付けられたカム111の回転によって駆動され、ポンプ部のシリンダ71内を往復移動する。このプランジャ23の往復移動によってポンプ室22の容積が拡大または縮小する。この
例では、吸気カムシャフト110の回転軸線回りに120°の角度間隔をもって3つのカム山(カムノーズ)112,112,112がカム111に形成されている。そして、これら3つのカムノーズ112,112,112によって、高圧燃料ポンプ1のプランジャ23が押し上げられて、このプランジャ23がシリンダ71内で移動するようになっている。
この例のガソリンエンジンは6気筒型であるので、エンジンの1サイクル中、つまり、クランクシャフトが2回転する間に、各気筒ごとに設けられたインジェクタ201から各1回ずつ、合計6回の燃料噴射が行われることになる。また、ガソリンエンジンの1サイクルごとに、吸気カムシャフト110が1回転し、高圧燃料ポンプ1からの吐出動作が3回ずつ行われる。
高圧燃料ポンプ1のポンプ室22は、低圧燃料配管104を介してフィードポンプ102に連通している。また、ポンプ室22は、高圧燃料配管105を介してデリバリパイプ(蓄圧容器)106内に連通している。デリバリパイプ106には、6つのインジェクタ201・・201が接続されている。なお、デリバリパイプ106には、パイプ内部の燃料圧力(実燃圧)を検出する燃圧センサ161が配設されている。
また、デリバリパイプ106には、リリーフバルブ171を介してリターン配管172が接続されている。リリーフバルブ171は、デリバリパイプ106内の燃料圧力が所定圧力を超えたときに開弁する。このリリーフバルブ171の開弁により、デリバリパイプ106に蓄えられた燃料の一部がリターン配管172を介して燃料タンク101に戻されるようになっている。これにより、デリバリパイプ106内の燃料圧力の過上昇が防止される。
リターン配管172は、高圧燃料ポンプ1の燃料収容室25に燃料排出配管108(図1に破線で示す配管)を介して接続されている。燃料収容室25はシールユニット24の上部に設けられており、この燃料収容室25に、高圧燃料ポンプ1のプランジャ23とシリンダ71との間隙から漏出した燃料が蓄積される。燃料収容室25に蓄積された燃料は燃料排出配管108を通じて燃料タンク101に向けて戻されるようになっている。
低圧燃料配管104には、フィルタ141とプレッシャレギュレータ142とが設けられている。プレッシャレギュレータ142は、低圧燃料配管104内の燃料圧力が所定圧力を超えたときに低圧燃料配管104内の燃料を燃料タンク101に戻すことによって、この低圧燃料配管104内の燃料圧力を所定圧以下に維持するようになっている。
また、低圧燃料配管104にはパルセーションダンパ107が設けられており、このパルセーションダンパ107によって高圧燃料ポンプ1の作動時における低圧燃料配管104内の燃圧脈動が抑制されるようになっている。さらに、高圧燃料配管105には、高圧燃料ポンプ1から吐出された燃料が逆流することを阻止するための逆止弁151が設けられている。
そして、高圧燃料ポンプ1には、低圧燃料配管104とポンプ室22との間を連通または遮断するための電磁スピル弁3が設けられている。この電磁スピル弁3は、電磁ソレノイド31を備えており、この電磁ソレノイド31への通電を制御することにより開閉動作する。この電磁スピル弁3の開閉動作については後述する。
−高圧燃料ポンプ−
次に、高圧燃料ポンプ1について図1および図2を参照して説明する。
この例の高圧燃料ポンプ1は、図1に示すように、プランジャタイプの燃料ポンプであって、上述の如く、シリンダ71、ポンプ室(加圧室)22、プランジャ23、電磁スピル弁3、逆止弁4、ローラリフタ5、ローラ6、及び、ポンプハウジング7(図2参照)などを備えている。
シリンダ71の先端側(図1における上端側)にポンプ室22が形成されている。ポンプ室22は、プランジャ23及びシリンダ71によって区画されている。このポンプ室22は、上述したように、低圧燃料配管104を介してフィードポンプ102に連通しており、また、高圧燃料配管105を介してデリバリパイプ106内に連通している。プランジャ23は略円柱形状の部材であって、シリンダ71内にその軸線方向(ここでは上下方向)の摺動が可能に挿入されている。
ローラリフタ5は、ポンプハウジング7のシリンダ(ボア)71内に往復移動自在に収容されている。ポンプハウジング7は、例えば吸気カムシャフト110を支持しているカムキャリア(図示せず)の上部に設けられている。
ローラリフタ5は略円筒形状の部材であって、下部にローラ支持部51を備えている。ローラリフタ5のローラ支持部51には、吸気カムシャフト110の軸心に対して平行に延びる軸心回りに回転自在なローラ6が支持されており、このローラ6の下端(外周面)がカム111の外周面に当接可能となっている。なお、ローラ6は、例えば、ローラ支持部51に、ころ軸受けを介して支持されたローラ軸61(吸気カムシャフト110の軸心に対して平行に延びる軸)よって回転自在に支持されている。
また、ローラリフタ5の軸心方向(図1及び図2における上下方向)の中間部には隔壁部52が一体形成されており、この隔壁部52の上側の空間に、図1に示すプランジャ23の基端部(下端部)、リテーナ(スプリングシート)26、圧縮コイルばね27などが収容されている。この圧縮コイルばね27の弾性力によって、プランジャ23を押し下げる方向(ポンプ室22の容積を拡大させる方向)の付勢力が付与されているとともに、ローラリフタ5の下部に支持されたローラ6がカム111に向けて押圧されている。なお、圧縮コイルばね27は、リテーナ26と、その上方のスプリングシート72(図1参照)との間に挟み込まれている。
さらに、この例では、ローラリフタ5の下部に、外方に突出する鍔状の回り止め片(突出片)53が一体形成されている。また、ポンプハウジング7のシリンダ71の内壁面には、図2に示すように、軸方向(ローラリフタ5の移動方向)に沿って延びる凹部(溝部)71aが設けられており、そのポンプハウジング7の凹部71aに上記したローラリフタ5の回り止め片53を嵌め込むことにより、ローラリフタ5が中心軸回りに回転しないようにしている。
逆止弁4は、ポンプ室22の吐出口部(高圧燃料配管105の接続部)に設けられている。この逆止弁4は、ポンプ室22内の燃料圧力が所定値に達した時点で開弁する。逆止弁4が開弁すると、高圧の燃料が高圧燃料配管105を通じてデリバリパイプ106に向けて吐出される。
以上の構造において、カム111が吸気カムシャフト110とともにR方向に回転すると、そのカム111のカムノーズ112がローラ6及びローラリフタ5に対して上向きの押圧力を作用させることによって、ローラリフタ5及びプランジャ23が上昇しながら圧縮コイルばね27を圧縮してポンプ室22の容積を縮小する。
一方、カムノーズ112がローラ6から外れる位置(リフト行程が「0」の位置)までカム111がR方向に回転すると、圧縮コイルばね27の付勢力(弾性力)によりローラリフタ5及びプランジャ23が下降させられてポンプ室22の容積を拡大する。さらに、この位置つまりリフト行程が「0」の位置でローラリフタ5の運動が下降運動から上昇運動に切り替わる。
そして、図1に示すように、ポンプ室22の上部に電磁スピル弁3が配置されている。電磁スピル弁3は、電磁ソレノイド31、ポペット弁32、コア(図示せず)、及び、圧縮コイルばね33などを備えており、その圧縮コイルばね33の弾性力によりポペット弁32がポンプ室22側に向けて付勢されている。
この例の電磁スピル弁3において、電磁ソレノイド31の非通電時には、圧縮コイルばね33の弾性力により、ポペット弁32の弁体32aが、ポンプ室22の上方に配置のシート体34から離間されて電磁スピル弁3が開弁状態となる。一方、電磁ソレノイド31が通電状態になると、圧縮コイルばね33の弾性力に抗してポペット弁32が電磁ソレノイド31側(上側)に移動し、このポペット弁32の弁体32aがシート体34に当接して電磁スピル弁3は閉弁状態となる。
次に、この例の高圧燃料ポンプ1の動作について説明する。
まず、電磁ソレノイド31への通電が停止された状態のときには、上述したように、電磁スピル弁3が圧縮コイルばね33の弾性力によって開弁し、低圧燃料配管104とポンプ室22とが連通した状態になる。この状態において、カム111が吸気カムシャフト110とともにR方向に回転してローラ6及びローラリフタ5が下降すると、これに伴ってプランジャ23がポンプ室22の容積が増大する方向(図1ではプランジャ23が下降する方向)に移動する(吸入行程)。この吸入行程では、フィードポンプ102から送り出された燃料が低圧燃料配管104を経てポンプ室22内に吸入される。
一方、カム111が吸気カムシャフト110とともにR方向に回転してローラ6及びローラリフタ5が上昇すると、これに伴ってプランジャ23が、ポンプ室22の容積が収縮する方向(図1ではプランジャ23が上昇する方向)に移動する(加圧行程)。この加圧行程において、電磁ソレノイド31への通電により電磁スピル弁3が圧縮コイルばね33の弾性力に抗して閉弁すると、低圧燃料配管104とポンプ室22との間が遮断され、ポンプ室22内の燃料圧力が所定値に達した時点で逆止弁4が開弁して、高圧の燃料が高圧燃料配管105を通じてデリバリパイプ106に向けて吐出される。
なお、高圧燃料ポンプ1における燃料吐出量の調整は、加圧行程での電磁スピル弁3の閉弁期間を制御することによって行われる。すなわち、電磁スピル弁3の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすると燃料吐出量が増加し、電磁スピル弁3の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすると燃料吐出量が減少するようになる。このように、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量を調整することにより、デリバリパイプ106内の燃料圧力が制御される。
次に、本実施形態の特徴部分について図2〜図4を参照して説明する。
本実施形態では、図2に示すように、ローラ6の回転中心C1がプランジャ23の軸心(ローラリフタ5の軸心)の延長線L1上から離間した位置に配置されている。具体的には、ローラ6の回転中心C1は、プランジャ23の軸心の延長線L1に対して、矢印X1方向(カム111との接触位置における回転方向(R方向))側に配置されている。ローラ6の回転中心C1とプランジャ23の軸心の延長線L1との距離(延長線L1を基準とするオフセットD)は、たとえば、1〜1.5mm程度である。なお、オフセットDは、延長線L1およびローラ6の軸心と直交する方向(矢印X1およびX2方向)における延長線L1からの距離である。また、カム111の回転中心は、プランジャ23の軸心の延長線L1上に配置されている。
そして、ローラリフタ5とシリンダ71の内面との間には、ローラリフタ5が円滑に往復移動できるように、所定の隙間(クリアランス)が設けられている。これにより、ローラリフタ5は、プランジャ23との接触位置(プランジャ23の基端部)を中心にしてS1方向およびS2方向に揺動可能に構成されている。
したがって、ローラリフタ5(プランジャ23)が上昇する過程では、図3に示すように、カム111からローラ6にX1方向側に力が作用することにより、ローラリフタ5がS1方向に揺動してシリンダ71の内面と接触する。また、ローラリフタ5が下降する過程では、図4に示すように、カム111からローラ6にX2方向側に力が作用することにより、ローラリフタ5がS2方向に揺動してシリンダ71の内面と接触する。
そして、ローラリフタ5の揺動方向はカム111からローラ6に作用する力の向きに基づいて変化し、その揺動方向の変化は上死点および下死点の近傍で発生する。本実施形態による高圧燃料ポンプ1は、ローラリフタ5が往復移動する際のリフト開始タイミングと、ローラリフタ5がシリンダ71に接触(衝突)する接触タイミングとが一致するように設定されている。なお、リフト開始タイミングには、ローラリフタ5が下死点(リフト開始位置)に位置している。また、リフト開始タイミングと接触タイミングとが一致するように設定するとは、リフト開始タイミングと接触タイミングとが一致する場合に加えて、リフト開始タイミングと接触タイミングとが略一致する場合が含まれる。
つまり、本実施形態では、ローラ6の回転中心C1をプランジャ23の軸心の延長線L1に対して矢印X1方向側に配置することによって、ローラの回転中心がプランジャの軸心の延長線上に配置される場合に比べて、下死点を通過する際の接触タイミングを早くすることができる。そして、オフセットDをリフト開始タイミングと接触タイミングとが一致するように設定することによって、ローラリフタ5が往復移動する際(下死点を通過する際)に発生する打音の低減を図ることができる。
次に、本実施形態の効果を確認するために行ったシミュレーションについて説明する。
まず、実施例、比較例1および2について、往復移動時のシリンダの内面の反トルクを求め、その結果を図5に示した。ここで、実施例ではオフセットを1.5mmとし、比較例1ではオフセットを0mmとし、比較例2ではオフセットを−1.5mmとした。なお、オフセットは、プランジャの軸心の延長線を基準としたローラの回転中心の位置であり、図2のX1方向を正とし、X2方向を負とした。
図5のグラフでは、縦軸がシリンダの反トルクであり、横軸がカム角である。そして、カム角が360°の地点が比較例1のリフト開始位置(下死点)であり、カムが120°回転することによりローラリフタが1往復する。なお、実施例、比較例1および2の上死点および下死点の位置は、オフセットを設けることにより厳密には異なるが略同じである。
図5に示すように、オフセットなしの比較例1では、負領域において上昇してきたトルクが360°の地点で0になり途切れる。その後、トルクが正領域に現れる。このトルクが途切れている間は、上記した揺動方向が切り替わっている最中であり、ローラリフタがシリンダに接触していない状態(空走状態)である。すなわち、360°の地点でローラリフタとシリンダの内面の一方との接触が解除され、その後、ローラリフタがシリンダの内面の他方と接触している。
そして、オフセットが1.5mmである実施例では、負領域において上昇してきたトルクが360°よりも前の地点で0になり途切れる。その後、トルクが360°近傍で正領域に現れる。すなわち、下死点の近傍でローラリフタがシリンダの内面の他方と接触しており、ローラリフタとシリンダとの接触タイミングがリフト開始タイミングに略一致している。また、オフセットが−1.5mmである比較例2では、負領域において上昇してきたトルクが360°よりも後の地点で0になり途切れる。その後、トルクが正領域に現れる。
つまり、下死点を通過する際の接触タイミングは、実施例、比較例1、比較例2の順になる。なお、上死点を通過する際の接触タイミングは、比較例2、比較例1、実施例の順になる。そして、プランジャの軸心の延長線から矢印X1方向側にローラをオフセットすることにより、接触タイミングとリフト開始タイミングとを一致するように設定できることが判明した。
次に、実施例、比較例1および2について、往復移動時にローラリフタに作用する横方向の力である横力を求め、その結果を図6に示した。なお、実施例、比較例1および2は上記と同様に設定されている。
図6のグラフでは、縦軸が横力であり、横軸がカム角である。そして、カム角が360°の地点が比較例1のリフト開始位置であり、カムが120°回転することによりローラリフタが1往復する。
図6に示すように、オフセットが1.5mmである実施例、オフセットなしの比較例1、および、オフセットが−1.5mmである比較例2のいずれの場合であっても、360°の地点では横力が略0であった。これは、360°の地点のときに、カムが略平坦であるためであると考えられる。すなわち、図5および図6のシミュレーション結果を考慮すると、実施例では、ローラリフタがシリンダに接触する際の横力が略0であった。
なお、比較例1の場合には、420°の地点では横力が略0であるが、実施例および比較例2の場合には、420°の地点では横力が生じていた。これは、カムノーズの先端の幅が狭く、オフセットによるものと考えられる。
次に、オフセットと下死点および上死点を通過する際の減速度との関係を求め、その結果を図7に示した。なお、減速度は打音と相関関係を有しており、減速度が大きくなれば打音も大きくなるといえる。
図7に示すように、オフセットが1mmの付近において下死点(リフト開始位置)を通過する際の減速度(打音)が低減することが判明した。これは、リフト開始タイミングと接触タイミングとを一致するように設定することによって、図5のトルクが現れた地点(衝突時)での横力(図6参照)が小さいので、打音(減速度)が低減するものと考えられる。なお、上死点を通過する際の減速度については、オフセットが負の値である場合に比べて、オフセットが正の値である場合の方が低減することも判明した。
−他の実施形態−
以上の例では、吸気カムシャフト110に取り付けたカム111の回転によってローラリフタ5が往復移動される構造の高圧燃料ポンプに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、排気カムシャフトに取り付けたカムの回転によってローラリフタが往復移動される高圧燃料ポンプにも適用可能である。
以上の例では、3つのカムノーズ112,112,112を有するカム111の回転によってローラリフタ5が往復移動される構造の高圧燃料ポンプに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、任意の数のカムノーズ(例えば、2つのカムノーズ)を有するカムの回転によってローラリフタが往復移動される高圧燃料ポンプにも適用可能である。
以上の例では、本発明の高圧燃料ポンプを、車両に搭載される筒内直噴型6気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られることなく、例えば筒内直噴型4気筒ガソリンエンジンなどの他の任意の気筒数のガソリンエンジンに搭載される高圧燃料ポンプにも適用可能である。
また、ガソリンエンジンに限られることなく、ディーゼルエンジン等の他の内燃機関に搭載される高圧燃料ポンプにも本発明は適用可能である。さらには、本発明が適用可能な
エンジンは、車両用のエンジンに限るものでもない。
また、ローラリフタおよびシリンダの形状などにより、最適なオフセットの値は変化するが、図7に示したグラフのパターンは同様である。
1 高圧燃料ポンプ
5 ローラリフタ
6 ローラ
7 ポンプハウジング
22 ポンプ室
23 プランジャ
71 シリンダ
111 カム

Claims (3)

  1. カムからの押圧力を受けるローラが下部に回転自在に設けられているとともに、ポンプハウジングのシリンダ内部に往復移動自在に収容されたローラリフタと、
    前記ローラリフタの往復移動に応じて往復移動するプランジャとを備え、
    前記プランジャの往復移動により、ポンプ室の容積を拡大させて燃料を吸引するとともに、前記ポンプ室の容積を縮小させて燃料を吐出するように構成された高圧燃料ポンプにおいて、
    前記ローラの回転中心は、前記プランジャの軸心の延長線上から離間した位置に配置され、
    前記ローラリフタが往復移動する際のリフト開始タイミングと、前記ローラリフタが前記シリンダに接触する接触タイミングとが一致するように設定されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  2. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記ローラの回転中心は、前記プランジャの軸心の延長線に対して、前記ローラと前記カムとの接触位置における回転方向側に配置されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記ローラリフタと前記シリンダとの間にはクリアランスが設けられ、
    前記ローラリフタは、前記プランジャとの接触位置を中心にして揺動可能に構成されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
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