JPWO2005111406A1 - 高圧燃料ポンプ - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、カムとタペットのジャンピングを防止し、かつポンピンググロスの小さい高圧燃料ポンプを提供する。 プランジャと、前記プランジャに往復運動駆動力を与えるカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構を備えた高圧燃料ポンプであう。 前記カム追従機構は、荷重−たわみについてのばね特性が、前記プランジャの変位に対する付勢力の変化量の割合について、前記プランジャの上死点状態における方が下死点状態における方よりも大きくされた非線形特性を示すばねが使用され、該ばねの最大外径は、該ばねを収容するタベットの外径よりも小さくされる。
Description
本発明は、内燃機関の燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給システムに使用される高圧燃料ポンプに関する。
特開2000−8997号公報には、ポンプ室へ燃料を吸入する吸入流路と、前記ポンプ室から前記燃料を吐出する吐出流路とを有し、前記ポンプ室内を往復動するプランジャによって燃料の吸入・吐出を行ない、インジェクタに供給する可変流量高圧燃料ポンプにおいて、前記吸入流路に吸入チェック弁、前記吐出流路に吐出チェック弁を、それぞれ備え、また、前記吸入流路あるいは前記吐出流路に燃料流量の制御を行う電磁弁を備え、前記電磁弁は、該電磁弁を開閉して前記吸入流路と前記ポンプ室あるいは前記吐出流路と前記ポンプ室との連通および非連通を切り換えることにより、前記燃料流量を制御し、前記電磁弁への通電がなく前記電磁弁が開閉動作を行わない場合には、前記吸入チェック弁は、前記プランジャの往復動に応じた一定流量の燃料を前記吸入流路から前記ポンプ室へ吸入し、前記吐出チェック弁は、前記プランジャの往復動に応じた一定流量の燃料を前記ポンプ室から前記吐出流路へ吐出する可変流量高圧燃料ポンプが記載される。
特開2001−41128号公報には、内燃機関により回転駆動がされるカムによってシリンダ内のプランジャが往復動されるとともに、それらシリンダとプランジャとにより区画される加圧室の容積が拡大される吸入行程において燃料タンクから前記加圧室への燃料吸入が行われ、前記加圧室の容積が縮小される吐出行程においてスピル弁の閉弁期間制御に基づき調量される量だけ前記加圧室から吐出通路への燃料吐出が行われる高圧燃料ポンプにおいて、前記吐出行程での前記加圧室の容積変化速度を前記吸入行程での前記加圧室の容積変化速度よりも小とする速度可変手段を備え、前記速度可変手段は前記カムであり、同カムは、そのカムプロフィールが前記吐出行程と前記吸入行程とで非対称とされ、吐出行程でのカム角度が吸入行程でのカ厶角度よりも大きく設定されてなる高圧燃料ポンプが記載されている。
また、特開2000−145573号公報には、カムシャフトに設けられているカムによってプランジャを戻しばねに抗して突上げて燃料を圧送するようにした燃料噴射ポンプにおいて、前記戻しばねによって前記プランジャが押されて前記カムシャフトに加わる正方向のトルクを打消すような突部を前記カムに形成した燃料噴射ポンプが記載されている。
特開平5−272462号公報には流量制御弁を付勢するばねの特性を非線形とすることが記載されている。
特開2001−41128号公報には、内燃機関により回転駆動がされるカムによってシリンダ内のプランジャが往復動されるとともに、それらシリンダとプランジャとにより区画される加圧室の容積が拡大される吸入行程において燃料タンクから前記加圧室への燃料吸入が行われ、前記加圧室の容積が縮小される吐出行程においてスピル弁の閉弁期間制御に基づき調量される量だけ前記加圧室から吐出通路への燃料吐出が行われる高圧燃料ポンプにおいて、前記吐出行程での前記加圧室の容積変化速度を前記吸入行程での前記加圧室の容積変化速度よりも小とする速度可変手段を備え、前記速度可変手段は前記カムであり、同カムは、そのカムプロフィールが前記吐出行程と前記吸入行程とで非対称とされ、吐出行程でのカム角度が吸入行程でのカ厶角度よりも大きく設定されてなる高圧燃料ポンプが記載されている。
また、特開2000−145573号公報には、カムシャフトに設けられているカムによってプランジャを戻しばねに抗して突上げて燃料を圧送するようにした燃料噴射ポンプにおいて、前記戻しばねによって前記プランジャが押されて前記カムシャフトに加わる正方向のトルクを打消すような突部を前記カムに形成した燃料噴射ポンプが記載されている。
特開平5−272462号公報には流量制御弁を付勢するばねの特性を非線形とすることが記載されている。
第1図は、燃料噴射システムの構成を示す図である。
第2図は、一実施態様の垂直断面図である。
第3図は、第2図の部分拡大断面図である。
第4図は、一実施態様のばね荷重特性である。
第5図は、一実施態様の説明図である。
第6図は、一実施態様の部分拡大断面図である。
第7図は、一実施態様の部分拡大断面図である。
第8図は、一実施態様の圧力変化特性である。
第9図は、一実施態様の部分拡大断面図である。
第2図は、一実施態様の垂直断面図である。
第3図は、第2図の部分拡大断面図である。
第4図は、一実施態様のばね荷重特性である。
第5図は、一実施態様の説明図である。
第6図は、一実施態様の部分拡大断面図である。
第7図は、一実施態様の部分拡大断面図である。
第8図は、一実施態様の圧力変化特性である。
第9図は、一実施態様の部分拡大断面図である。
発明者らは、高圧燃料ポンプには次の問題点を有することを見出した。それは、回転数が高いエンジン、特にターボ車においては往復運動するプランジャやタペット等の慣性力が大きく、それを付勢するために大きなばね力が必要なことである。また、ローラータペット等、質量が大きなタペットを適用する場合も同様の問題が生じる。しかし、ばね力を増強するためには一般にばねの耐久性を維持するためにばねの外径を大きくする必要がある。ばねの外径が大きいと、ばねを受けるタペット等も大きくなり、往復運動部の質量はさらに大きくなるという悪循環に陥る。また、ばね力が大きと、カムとタペット間の摩擦力が大きくなり、ポンピングロスが大きくなるという問題もある。
本発明の目的は、カムとタペットのジャンピングを防止し、かつポンピングロスの小さい高圧燃料ポンプを提供することである。
本発明は、プランジャと、前記プランジャに往復運動駆動力を与えるカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構を備えた高圧燃料ポンプにおいて、前記カム追従機構は、荷重−たわみについてのばね特性が、前記プランジャの変位に対する付勢力の変化量の割合について、前記プランジャの上死点状態における方が下死点状態における方よりも大きくされた非線形特性を示すばね、例えば、円錐型コイルばね、竹の子ばね、タル型コイルばねあるいは円筒状を呈する外径が大小の2つのばねを同心状に組み合わせたものからなり、内側のばねのカム側端は外側のばねのカム側端より長手方向において内側に配設された形状とされたばねが使用される高圧燃料ポンプを提供する。
本発明は、プランジャと、該プランジャに往復運動駆動力を与えるカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構を備えた高圧燃料ポンプにおいて、前記カム追従機構は、荷重−たわみについてのばね特性が非線形特性を有するばねを備え、前記カム機構により付勢されて往復運動するタペットを備え、該タペットが前記ばねの一端側を収納し、前記ばねを載置する部位において前記タペットの外径は、前記ばねの最大外径よりも小さい高圧燃料ポンプを提供する。
本発明は、プランジャと、該プランジャに往復運動駆動力を与えるカムを有するカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構と、前記カム機構により付勢されて往復運動するタペットを備えた高圧燃料ポンプにおいて、前記カム追従機構は、前記タペットを前記カム機構に接触させる付勢力を与えるものであって、該付勢力の増減は、プランジャの上死点近傍付近を除いてカムのリフト曲線の変位量に追随し、プランジャの上死点近傍付近では前記変位量に加算される付勢力を与える付勢力増大手段を有する高圧燃料ポンプを提供する。
本発明は、プランジャと、該プランジャに往復運動駆動力を与えるカムを有するカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構と、前記カム機構により付勢されて往復運動するタペットを備えた高圧燃料ポンプにおいて、前記カム追従機構は、前記タペットを前記カム機構に接触させる付勢力を与えるばねを備え、該ばねの付勢力の増減は、プランジャの上死点近傍付近を除いてカムのリフト曲線の変位量に追随し、プランジャの上死点近傍付近では前記変位量に加算される付勢力を与える非線形特性とされた高圧燃料ポンプを提供する。
本発明の目的は、カムとタペットのジャンピングを防止し、かつポンピングロスの小さい高圧燃料ポンプを提供することである。
本発明は、プランジャと、前記プランジャに往復運動駆動力を与えるカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構を備えた高圧燃料ポンプにおいて、前記カム追従機構は、荷重−たわみについてのばね特性が、前記プランジャの変位に対する付勢力の変化量の割合について、前記プランジャの上死点状態における方が下死点状態における方よりも大きくされた非線形特性を示すばね、例えば、円錐型コイルばね、竹の子ばね、タル型コイルばねあるいは円筒状を呈する外径が大小の2つのばねを同心状に組み合わせたものからなり、内側のばねのカム側端は外側のばねのカム側端より長手方向において内側に配設された形状とされたばねが使用される高圧燃料ポンプを提供する。
本発明は、プランジャと、該プランジャに往復運動駆動力を与えるカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構を備えた高圧燃料ポンプにおいて、前記カム追従機構は、荷重−たわみについてのばね特性が非線形特性を有するばねを備え、前記カム機構により付勢されて往復運動するタペットを備え、該タペットが前記ばねの一端側を収納し、前記ばねを載置する部位において前記タペットの外径は、前記ばねの最大外径よりも小さい高圧燃料ポンプを提供する。
本発明は、プランジャと、該プランジャに往復運動駆動力を与えるカムを有するカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構と、前記カム機構により付勢されて往復運動するタペットを備えた高圧燃料ポンプにおいて、前記カム追従機構は、前記タペットを前記カム機構に接触させる付勢力を与えるものであって、該付勢力の増減は、プランジャの上死点近傍付近を除いてカムのリフト曲線の変位量に追随し、プランジャの上死点近傍付近では前記変位量に加算される付勢力を与える付勢力増大手段を有する高圧燃料ポンプを提供する。
本発明は、プランジャと、該プランジャに往復運動駆動力を与えるカムを有するカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構と、前記カム機構により付勢されて往復運動するタペットを備えた高圧燃料ポンプにおいて、前記カム追従機構は、前記タペットを前記カム機構に接触させる付勢力を与えるばねを備え、該ばねの付勢力の増減は、プランジャの上死点近傍付近を除いてカムのリフト曲線の変位量に追随し、プランジャの上死点近傍付近では前記変位量に加算される付勢力を与える非線形特性とされた高圧燃料ポンプを提供する。
高圧燃料ポンプは、プランジャと、プランジャに往復運動駆動力を与えるカム機構と、プランジャをカム機構に付勢してプランジャをカム機構に追従して動作させるカム追従機構を備えた高圧燃料ポンプであって、カム追従機構は、プランジャの変位に対する付勢力の変化量の割合が、高圧燃料ポンプの下死点における状態よりも高圧燃料ポンプの上死点における状態の方が大きくして構成される。
また、高圧燃料ポンプは、回転するカムにより往復運動を行うタペットと、前記タペットの併進運動力を伝達する力伝達部材と、前記力伝達部材にり伝達される力で燃料を燃料噴射弁に加圧供給するピストン式の高圧燃料ポンプであって、往復運動する前記タペットが常に前記カムと接触する位置に戻るように付勢力を与える戻し機構を備え、前記戻し機構は前記プランジャ変位に対する付勢力の増加率が付勢力の増大とともに増大させるようにして構成される。
また、高圧燃料ポンプは、プランジャを往復運動させることにより燃料を燃料噴射弁に加圧供給する高圧燃料ポンプと、前記プランジャに係合するリテーナと、前記高圧燃料ポンプのハウジングと前記リテーナに係合して前記プランジャを伸張方向に付勢する戻しばねと、前記プランジャの付勢力を伝達する力伝達部材と、前記力伝達部材の伝達する付勢力により付勢されるタペットと、前記タペットに併進運動の駆動力を与えるカムと、を備えた高圧燃料ポンプであって、前記戻しばねは非円筒ばねであり、前記非円筒ばねの一端の外径は前記タペットの外径よりも小さく、前記非円筒ばねの最大外径は前記タペットの外径よりも大きくして構成される。
回転するカムにより往復運動を行うタペットと、タペットの併進運動力を伝達する力伝達部材と、力伝達部材により伝達される力で燃料を燃料噴射弁に加圧供給するピストン式の高圧燃料ポンプであって、高圧燃料ポンプは、往復運動するタペットが常にカムと接触する位置に戻るように付勢力を与える戻し機構を備え、戻し機構はプランジャ変位に対する付勢力の増加率が付勢力の増大とともに増大することを特徴とする。これにより上記同様、一番ジャンピングの発生しやすい上死点近傍においてカム追従機構が発生する付勢力が強くすることができ、ジャンピングを効果的に抑止することができる。なおかつ、上死点近傍以外は付勢力が小さいのでポンピングロスは増大しない。
また、往復運動することにより燃料を燃料噴射弁に加圧供給するプランジャと、プランジャに係合するリテーナと、高圧燃料ポンプのハウジングとリテーナに係合してプランジャを伸張方向に付勢する戻しばねと、プランジャの付勢力を伝達し、カム追従機構を構成する力伝達部材と、力伝達部材の伝達する付勢力により付勢されるタペットと、タペットに併進運動の駆動力を与えるカムと、を備えた高圧燃料ポンプであって、戻しばねは非円筒ばねであり、非円筒ばねの一端の外径はタペットの外径よりも小さく、非円筒ばねの最大外径は前記タペットの外径よりも大きいことを特徴とする。これにより、非円筒ばねは上記と同様に非線型な荷重特性をもち、尚且つ、タペット側の端の外径を小さくすることによりタペット及びタペットに付随する往復運動部(リテーナ、力伝達部材等)の質量を軽減することができ、ジャンピング防止することができる。また、往復運動部の質量を小さく設計できることから、ジャンピング防止するためのばねの付勢力を小さく設計でき、ポンピングロスを低減できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、燃料噴射システムを示し、第2図はこの燃料噴射システムに使用される本発明の実施例である高圧燃料ポンプ100を示し、第3図は第2図の一部詳細を示す図である。
第1図において、燃料はタンク50から低圧ポンプによって高圧燃料ポンプ1の燃料導入口によって導かれる。導入された燃料は高圧燃料ポンプ1によって加圧され、燃料吐出口からコモンレール53に圧送される。
コモンレール53には、インジェクタ54、リリーフ弁55、圧力センサ56が装置されている。
インジェクタ54は、内燃機関の気筒数に合わせて装着されており、エンジンコントロールユニット(ECU)40によって制御され、ECU40からの信号によって噴射することを行う。ECU40は、低圧ポンプ51も制御しており、燃料導入口に導かれる燃料の圧力を制御する。リリーフ弁55は、コモンレール53内の圧力が所定値を超えた際に開弁し、配管系の破損を防止する。
プランジャ2は、シリンダ20に摺動可能に保持されており、エンジンカムシャフト(図示せず)等により回転される後述するカムを含むカム追従装置によって矢印で示すように往復運動させられて、シリンダ20内の加圧室12内の容積を変化させ、燃料を吐出させる。
高圧燃料ポンプ1は、燃料の吸入通路10、吐出通路11、加圧室12を備える。吐出通路11には吐出弁6が設けられている。吸入弁5および吐出弁6はそれぞればね5a、6aによって一方向に保持され、燃料の流通方向を制限する逆止弁となっている。
加圧室12は、加圧部材であるプランジャ2が摺動するポンプ室300に吸入孔および吐出孔が連通して形成される。
高圧燃料ポンプ1は、ソレノイド200を保持しており、ソレノイド200には係合部材201、ばね202が配されている。係合部材201は、ソレノイド200がOFF時は、ばね202によって、吸入弁5を開弁する方向に付勢力がかけられている。ばね202の付勢力は、吸入弁ばね5aの付勢力より大きくなっているため、ソレノイド200がOFF時は吸入弁5は開弁状態となっている。ソレノイド200には、図に示すように時間tに対して電流iがソレノイド駆動電流波形の状態で加えられる。
第2図において、高圧燃料ポンプ1のポンプ本体90には、前述のように燃料の吸入通路10、吐出通路11、加圧室12が形成されている。吸入通路10および吐出通路11には、吸入弁5、吐出弁6が設けられており、それぞればね5a、6aによって一方向に保持される。
ポンプ本体90内には、孔部19が形成され、孔部19内にはシリンダ20が配され、プランジャ2はシリンダ20内を摺動する。シリンダ20はシリンダ保持部材21によって保持される。シリンダ保持部材21は、ポンプ本体90によって保持される。
シリンダ20の下方であって、プランジャ2の表面に向かってプランジャシール30がシリンダ保持部材21に設けてあり、燃料がカム100側に流出することを防止している。加圧室12には、吸入弁5に連通する吸入孔5b、吐出弁6に連通する吐出孔6bが設けてある。
前述のように、高圧燃料ポンプ1は、流量制御を行うソレノイド200を保持しており、ソレノイド200には、係合部材201、ばね202が配されている。
吸入通路10には吸入室10aが形成してある。
高圧燃料ポンプ1の上部には、吸入室10aに連通する燃料室10bには、2個の金属ダイヤフラム80と84とが設けられ、その間にフィッシャー86が設けられている。10cは圧力センサであり、10dはダンパーケースである。
プランジャ2の下端部側面には、馬蹄形をしたリテーナ31が係合してあり、下端にはシム32が係合してあり、リテーナ31、シム32はタペット3によって保持される。タペット3の一方側にはローラ33が設けられ、ローラ33はカム100によってカム形状に沿って上下往復運動する。従って、カム100を含むカム機構によってタペット3は付勢されて往復運動することになる。
タペット3の他方側には凹部(ばね収容部)が形成され、この凹部内に前述のリテーナ31、シム32が配設される。この場合に、凹部側壁とリテーナ31との間には間隙が設けられ、この間隙にカム追従機構を形成する円錐型コイルばね4(プランジャリターンばね)の下端部4bが配置される。
円錐型コイルばねの上端部4aは、ポンプ下端部91に形成された凹部内に配置され、シリンダ保持部材21の一部によって保持される。すなわち、円錐型コイルばね4は一端がポンプ本体90によって保持され、他端4bはタペット3によって保持される。この場合に、前述のように円錐型コイルばね4は、カム追従機構として機能する。
第3図において、円錐型コイルばね4の最大外径Dに比べて円筒状をしたタペット3の外径dは小さく構成されている。外径dは、円錐型コイルばね4がタペット3の内部に収納、載置された部位を表示している。第3図に示す例の場合、最大外径は円錐型コイルばねの最上端付近となっている。後述するように、構造によっては最大外径はばねの途中に設けられることがある。設計上、最上端付近に設けられることが望ましい。このようにしてタペット3の構成を小さくすることができる。
このように、プランジャ2の下端にはリテーナ31が係合されてあり、ばね4の付勢力は力伝達機構であるシム32を介してタペット3へ伝わり、タペット3をカム100に付勢する。ばね4は、一方の端部の径が他方の端部の径よりも小さくなるばね、たとえば円錐型コイルばねを用いられる。
以上の構成による動作を説明する。
プランジャ2の圧縮行程中に吸入弁5が閉弁すると、加圧室12内圧力が上昇し、これにより吐出弁6が自動的に開弁し、燃料をコモンレール53に圧送する。
吸入弁5は、加圧室12の圧力が燃料導入口より低くなると自動的に開弁するが、閉弁に関しては、ソレノイド200の動作により決定される。
ソレノイド200がON(通電)状態を保持した際は、ばね202の付勢力以上の電磁力を発生させ、係合部材201をソレノイド200側に引き寄せるため、係合部材201と吸入弁5は分離される。この状態であれば、吸入弁5はプランジャ2の往復運動に同期して開閉する自動弁となる。従って、圧縮行程中は、吸入弁5は閉塞し、加圧室12の容積減少分の燃料は、吐出弁6を押し開きコモンレール53へ圧送される。
これに対し、ソレノイド200がOFF(無通電)を保持した際は、ばね202の付勢力により、係合部材201は吸入弁5に係合し、吸入弁5を開弁状態に保持する。従って、圧縮行程時においても、加圧室12の圧力は燃料導入口部とほぼ同等の低圧状態を保つため、吐出弁6を開弁することができず、加圧室12の容積減少分の燃料は、吸入弁5を通り燃料導入口側へ戻される。
また、圧縮行程の途中で、ソレノイド200をON状態とすれば、このときから、コモンレール53へ燃料圧送される。また、一度圧送が始まれば、加圧室12内の圧力は上昇するため、その後、ソレノイド200をOFF状態にしても、吸入弁5は閉塞状態を維持し、吸入行程は始まりと同期して自動開弁する。
第1図に示した円錐型コイルばね、すなわち非円筒型ばねには第4図に示すような非線形な荷重たわみ特性を与える。また、通常このような非円筒形ばねは非線形の荷重たわみ特性を有する。その理由としては、たとえば径の太い部分はたわみやすいために、ばねに圧縮荷重を加えると径の大きい部分から接着を始めて、荷重−たわみ関係で直接性を示し、次いで径の小さい部分がたわみ、荷重−たわみ関係で曲線性を示し、すなわち、小さなたわみで大きな荷重を負担する性能を示す。
この特性を生かしてポンプの容積効率向上を図ることができる。以下、その方法と理由を説明する。
第5図に通常のばねを用いた場合の、ある運転条件における1サイクル分のタペット3、すなわちプランジャ2のリフト曲線L、カム追従機構4の付勢力Fspr、往復運動部であるプランジャ2の慣性力Fiの時間変化を示す。通常の線型な荷重たわみ特性を有するばねを用いるのであれば、付勢力Fsprの増減はリフト曲線Lの変位量に比例する。すなわち、追従する。そのため、図のようにポンプの上死点(TDC)近傍で慣性力Fiが増大すると付勢力Fsprが足りなくなり、タペット3がカム100に追従しなくなる状態が生じる。従来はこのような状態を回避するために、上死点近傍の加速度が小さくなるようにカム形状を工夫する対策が知られている(特許文献3参照)。そうした場合の慣性力の例を第8図のFi2で示す。しかし、このようなカム形状にした場合、跳ね返りとして、ポンプの容積効率が低下することが知られている(特許文献2参照)。詳細は割愛するが、上死点近傍の加速度を小さくする跳ね返りとして、下死点近傍の速度・加速度が大きくなり、これが効率低下につながるからである。しかし、第4図に示すような非線形なばね荷重特性を有するばねをカム追従機構に設けた場合、ポンプの上死点近傍でカム追従機構がタペットを付勢する力が特に強くなる。その例を第5図のFspr2に示す。こうすることにより、上死点近傍の慣性力を抑える必要がなくなり、上死点近傍で大きな加速度を有するカムプロファイルを(第5図に示すFiの慣性力を発生するカムプロファイル)を適用し、高い容積効率を引き出すことができる。
以上の構成によって、回転するカム100により往復運動を行うタペット3と、タペット3の併進運動力を伝達するプランジャ2などの力伝達部材と、力伝達部材により伝達される力で燃料を燃料噴射弁に加圧供給するピストン式の高圧燃料ポンプであって、往復運動するタペット3が常にカム100と接触する位置に戻るように付勢力を与える戻し機構を備え、この戻し機構はプランジャ変位に対する付勢力の増加率が付勢力の増大とともに増大させるようにして高圧燃料ポンプを構成することができる。
戻し機構を戻しばねで構成し、戻しばねを非円筒ばねとして、非円筒ばねの一端の外径はタペット3の外径よりも実質的に小さく、非円筒ばねの最大外径はタペット3の外径よりも大きいものとすることができる。
カム追従機構は、タペット3をカム機構に接触させる付勢力を与えるものであって、該付勢力の増減は、プランジャ2の上死点近傍付近を除いてカムのリフト曲線Lの変位量に追随し、プランジャ2の上死点近傍付近では変位量に加算される付勢力を与える付勢力増大手段を有する高圧燃料ポンプを構成することができる。
更に、具体的にはカム追従機構は、タペット3をカム機構に接触させる付勢力を与えるばねを備え、該ばねの付勢力の増減は、プランジャ2の上死点近傍付近を除いてカムのリフト曲線Lの変位量に追随し、プランジャ2の上死点近傍付近では変位量に加算される付勢力を与える非線形特性とされた高圧燃料ポンプを構成することができる。
また、高圧燃料ポンプは、回転するカムにより往復運動を行うタペットと、前記タペットの併進運動力を伝達する力伝達部材と、前記力伝達部材にり伝達される力で燃料を燃料噴射弁に加圧供給するピストン式の高圧燃料ポンプであって、往復運動する前記タペットが常に前記カムと接触する位置に戻るように付勢力を与える戻し機構を備え、前記戻し機構は前記プランジャ変位に対する付勢力の増加率が付勢力の増大とともに増大させるようにして構成される。
また、高圧燃料ポンプは、プランジャを往復運動させることにより燃料を燃料噴射弁に加圧供給する高圧燃料ポンプと、前記プランジャに係合するリテーナと、前記高圧燃料ポンプのハウジングと前記リテーナに係合して前記プランジャを伸張方向に付勢する戻しばねと、前記プランジャの付勢力を伝達する力伝達部材と、前記力伝達部材の伝達する付勢力により付勢されるタペットと、前記タペットに併進運動の駆動力を与えるカムと、を備えた高圧燃料ポンプであって、前記戻しばねは非円筒ばねであり、前記非円筒ばねの一端の外径は前記タペットの外径よりも小さく、前記非円筒ばねの最大外径は前記タペットの外径よりも大きくして構成される。
回転するカムにより往復運動を行うタペットと、タペットの併進運動力を伝達する力伝達部材と、力伝達部材により伝達される力で燃料を燃料噴射弁に加圧供給するピストン式の高圧燃料ポンプであって、高圧燃料ポンプは、往復運動するタペットが常にカムと接触する位置に戻るように付勢力を与える戻し機構を備え、戻し機構はプランジャ変位に対する付勢力の増加率が付勢力の増大とともに増大することを特徴とする。これにより上記同様、一番ジャンピングの発生しやすい上死点近傍においてカム追従機構が発生する付勢力が強くすることができ、ジャンピングを効果的に抑止することができる。なおかつ、上死点近傍以外は付勢力が小さいのでポンピングロスは増大しない。
また、往復運動することにより燃料を燃料噴射弁に加圧供給するプランジャと、プランジャに係合するリテーナと、高圧燃料ポンプのハウジングとリテーナに係合してプランジャを伸張方向に付勢する戻しばねと、プランジャの付勢力を伝達し、カム追従機構を構成する力伝達部材と、力伝達部材の伝達する付勢力により付勢されるタペットと、タペットに併進運動の駆動力を与えるカムと、を備えた高圧燃料ポンプであって、戻しばねは非円筒ばねであり、非円筒ばねの一端の外径はタペットの外径よりも小さく、非円筒ばねの最大外径は前記タペットの外径よりも大きいことを特徴とする。これにより、非円筒ばねは上記と同様に非線型な荷重特性をもち、尚且つ、タペット側の端の外径を小さくすることによりタペット及びタペットに付随する往復運動部(リテーナ、力伝達部材等)の質量を軽減することができ、ジャンピング防止することができる。また、往復運動部の質量を小さく設計できることから、ジャンピング防止するためのばねの付勢力を小さく設計でき、ポンピングロスを低減できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、燃料噴射システムを示し、第2図はこの燃料噴射システムに使用される本発明の実施例である高圧燃料ポンプ100を示し、第3図は第2図の一部詳細を示す図である。
第1図において、燃料はタンク50から低圧ポンプによって高圧燃料ポンプ1の燃料導入口によって導かれる。導入された燃料は高圧燃料ポンプ1によって加圧され、燃料吐出口からコモンレール53に圧送される。
コモンレール53には、インジェクタ54、リリーフ弁55、圧力センサ56が装置されている。
インジェクタ54は、内燃機関の気筒数に合わせて装着されており、エンジンコントロールユニット(ECU)40によって制御され、ECU40からの信号によって噴射することを行う。ECU40は、低圧ポンプ51も制御しており、燃料導入口に導かれる燃料の圧力を制御する。リリーフ弁55は、コモンレール53内の圧力が所定値を超えた際に開弁し、配管系の破損を防止する。
プランジャ2は、シリンダ20に摺動可能に保持されており、エンジンカムシャフト(図示せず)等により回転される後述するカムを含むカム追従装置によって矢印で示すように往復運動させられて、シリンダ20内の加圧室12内の容積を変化させ、燃料を吐出させる。
高圧燃料ポンプ1は、燃料の吸入通路10、吐出通路11、加圧室12を備える。吐出通路11には吐出弁6が設けられている。吸入弁5および吐出弁6はそれぞればね5a、6aによって一方向に保持され、燃料の流通方向を制限する逆止弁となっている。
加圧室12は、加圧部材であるプランジャ2が摺動するポンプ室300に吸入孔および吐出孔が連通して形成される。
高圧燃料ポンプ1は、ソレノイド200を保持しており、ソレノイド200には係合部材201、ばね202が配されている。係合部材201は、ソレノイド200がOFF時は、ばね202によって、吸入弁5を開弁する方向に付勢力がかけられている。ばね202の付勢力は、吸入弁ばね5aの付勢力より大きくなっているため、ソレノイド200がOFF時は吸入弁5は開弁状態となっている。ソレノイド200には、図に示すように時間tに対して電流iがソレノイド駆動電流波形の状態で加えられる。
第2図において、高圧燃料ポンプ1のポンプ本体90には、前述のように燃料の吸入通路10、吐出通路11、加圧室12が形成されている。吸入通路10および吐出通路11には、吸入弁5、吐出弁6が設けられており、それぞればね5a、6aによって一方向に保持される。
ポンプ本体90内には、孔部19が形成され、孔部19内にはシリンダ20が配され、プランジャ2はシリンダ20内を摺動する。シリンダ20はシリンダ保持部材21によって保持される。シリンダ保持部材21は、ポンプ本体90によって保持される。
シリンダ20の下方であって、プランジャ2の表面に向かってプランジャシール30がシリンダ保持部材21に設けてあり、燃料がカム100側に流出することを防止している。加圧室12には、吸入弁5に連通する吸入孔5b、吐出弁6に連通する吐出孔6bが設けてある。
前述のように、高圧燃料ポンプ1は、流量制御を行うソレノイド200を保持しており、ソレノイド200には、係合部材201、ばね202が配されている。
吸入通路10には吸入室10aが形成してある。
高圧燃料ポンプ1の上部には、吸入室10aに連通する燃料室10bには、2個の金属ダイヤフラム80と84とが設けられ、その間にフィッシャー86が設けられている。10cは圧力センサであり、10dはダンパーケースである。
プランジャ2の下端部側面には、馬蹄形をしたリテーナ31が係合してあり、下端にはシム32が係合してあり、リテーナ31、シム32はタペット3によって保持される。タペット3の一方側にはローラ33が設けられ、ローラ33はカム100によってカム形状に沿って上下往復運動する。従って、カム100を含むカム機構によってタペット3は付勢されて往復運動することになる。
タペット3の他方側には凹部(ばね収容部)が形成され、この凹部内に前述のリテーナ31、シム32が配設される。この場合に、凹部側壁とリテーナ31との間には間隙が設けられ、この間隙にカム追従機構を形成する円錐型コイルばね4(プランジャリターンばね)の下端部4bが配置される。
円錐型コイルばねの上端部4aは、ポンプ下端部91に形成された凹部内に配置され、シリンダ保持部材21の一部によって保持される。すなわち、円錐型コイルばね4は一端がポンプ本体90によって保持され、他端4bはタペット3によって保持される。この場合に、前述のように円錐型コイルばね4は、カム追従機構として機能する。
第3図において、円錐型コイルばね4の最大外径Dに比べて円筒状をしたタペット3の外径dは小さく構成されている。外径dは、円錐型コイルばね4がタペット3の内部に収納、載置された部位を表示している。第3図に示す例の場合、最大外径は円錐型コイルばねの最上端付近となっている。後述するように、構造によっては最大外径はばねの途中に設けられることがある。設計上、最上端付近に設けられることが望ましい。このようにしてタペット3の構成を小さくすることができる。
このように、プランジャ2の下端にはリテーナ31が係合されてあり、ばね4の付勢力は力伝達機構であるシム32を介してタペット3へ伝わり、タペット3をカム100に付勢する。ばね4は、一方の端部の径が他方の端部の径よりも小さくなるばね、たとえば円錐型コイルばねを用いられる。
以上の構成による動作を説明する。
プランジャ2の圧縮行程中に吸入弁5が閉弁すると、加圧室12内圧力が上昇し、これにより吐出弁6が自動的に開弁し、燃料をコモンレール53に圧送する。
吸入弁5は、加圧室12の圧力が燃料導入口より低くなると自動的に開弁するが、閉弁に関しては、ソレノイド200の動作により決定される。
ソレノイド200がON(通電)状態を保持した際は、ばね202の付勢力以上の電磁力を発生させ、係合部材201をソレノイド200側に引き寄せるため、係合部材201と吸入弁5は分離される。この状態であれば、吸入弁5はプランジャ2の往復運動に同期して開閉する自動弁となる。従って、圧縮行程中は、吸入弁5は閉塞し、加圧室12の容積減少分の燃料は、吐出弁6を押し開きコモンレール53へ圧送される。
これに対し、ソレノイド200がOFF(無通電)を保持した際は、ばね202の付勢力により、係合部材201は吸入弁5に係合し、吸入弁5を開弁状態に保持する。従って、圧縮行程時においても、加圧室12の圧力は燃料導入口部とほぼ同等の低圧状態を保つため、吐出弁6を開弁することができず、加圧室12の容積減少分の燃料は、吸入弁5を通り燃料導入口側へ戻される。
また、圧縮行程の途中で、ソレノイド200をON状態とすれば、このときから、コモンレール53へ燃料圧送される。また、一度圧送が始まれば、加圧室12内の圧力は上昇するため、その後、ソレノイド200をOFF状態にしても、吸入弁5は閉塞状態を維持し、吸入行程は始まりと同期して自動開弁する。
第1図に示した円錐型コイルばね、すなわち非円筒型ばねには第4図に示すような非線形な荷重たわみ特性を与える。また、通常このような非円筒形ばねは非線形の荷重たわみ特性を有する。その理由としては、たとえば径の太い部分はたわみやすいために、ばねに圧縮荷重を加えると径の大きい部分から接着を始めて、荷重−たわみ関係で直接性を示し、次いで径の小さい部分がたわみ、荷重−たわみ関係で曲線性を示し、すなわち、小さなたわみで大きな荷重を負担する性能を示す。
この特性を生かしてポンプの容積効率向上を図ることができる。以下、その方法と理由を説明する。
第5図に通常のばねを用いた場合の、ある運転条件における1サイクル分のタペット3、すなわちプランジャ2のリフト曲線L、カム追従機構4の付勢力Fspr、往復運動部であるプランジャ2の慣性力Fiの時間変化を示す。通常の線型な荷重たわみ特性を有するばねを用いるのであれば、付勢力Fsprの増減はリフト曲線Lの変位量に比例する。すなわち、追従する。そのため、図のようにポンプの上死点(TDC)近傍で慣性力Fiが増大すると付勢力Fsprが足りなくなり、タペット3がカム100に追従しなくなる状態が生じる。従来はこのような状態を回避するために、上死点近傍の加速度が小さくなるようにカム形状を工夫する対策が知られている(特許文献3参照)。そうした場合の慣性力の例を第8図のFi2で示す。しかし、このようなカム形状にした場合、跳ね返りとして、ポンプの容積効率が低下することが知られている(特許文献2参照)。詳細は割愛するが、上死点近傍の加速度を小さくする跳ね返りとして、下死点近傍の速度・加速度が大きくなり、これが効率低下につながるからである。しかし、第4図に示すような非線形なばね荷重特性を有するばねをカム追従機構に設けた場合、ポンプの上死点近傍でカム追従機構がタペットを付勢する力が特に強くなる。その例を第5図のFspr2に示す。こうすることにより、上死点近傍の慣性力を抑える必要がなくなり、上死点近傍で大きな加速度を有するカムプロファイルを(第5図に示すFiの慣性力を発生するカムプロファイル)を適用し、高い容積効率を引き出すことができる。
以上の構成によって、回転するカム100により往復運動を行うタペット3と、タペット3の併進運動力を伝達するプランジャ2などの力伝達部材と、力伝達部材により伝達される力で燃料を燃料噴射弁に加圧供給するピストン式の高圧燃料ポンプであって、往復運動するタペット3が常にカム100と接触する位置に戻るように付勢力を与える戻し機構を備え、この戻し機構はプランジャ変位に対する付勢力の増加率が付勢力の増大とともに増大させるようにして高圧燃料ポンプを構成することができる。
戻し機構を戻しばねで構成し、戻しばねを非円筒ばねとして、非円筒ばねの一端の外径はタペット3の外径よりも実質的に小さく、非円筒ばねの最大外径はタペット3の外径よりも大きいものとすることができる。
カム追従機構は、タペット3をカム機構に接触させる付勢力を与えるものであって、該付勢力の増減は、プランジャ2の上死点近傍付近を除いてカムのリフト曲線Lの変位量に追随し、プランジャ2の上死点近傍付近では変位量に加算される付勢力を与える付勢力増大手段を有する高圧燃料ポンプを構成することができる。
更に、具体的にはカム追従機構は、タペット3をカム機構に接触させる付勢力を与えるばねを備え、該ばねの付勢力の増減は、プランジャ2の上死点近傍付近を除いてカムのリフト曲線Lの変位量に追随し、プランジャ2の上死点近傍付近では変位量に加算される付勢力を与える非線形特性とされた高圧燃料ポンプを構成することができる。
第6図に本発明の第2の実施例を示す。先の第1の実施例と同一の構成については同一の番号を付し、類似の構成については同一番号にアルファベット符号を付し、説明を省略する場合がある。以下の実施例についても同じである。第6図に示す例にあっては、円錐型コイルばね4に代えて竹の子ばね4Bを使用している。
カム追従機構のタペット3bにはフラットタペットを使用している。この場合のタペット3bは、椀状もしくはコップ状をなして内部は凹部とされ、この中にリテーナ31b、シム32bが配置される。
竹の子ばねの一端4Baがポンプ本体1によって、他端4Bbがリテーナ31bによって支持される。
タペット3bの先端面はカム100bに直接接触する。この構成にあっては、カム追従機構には、荷重−たわみについてのばね特性が非線形特性を示す竹の子ばね4Bが使用され、竹の子ばね4bの最大外径は、竹の子ばね4Bを収容するタペット3bの外径よりも小さくされる。
尚、プランジャ2bとしては、ストレートな一本の棒状のものを使用することが出来る。
カム追従機構のタペット3bにはフラットタペットを使用している。この場合のタペット3bは、椀状もしくはコップ状をなして内部は凹部とされ、この中にリテーナ31b、シム32bが配置される。
竹の子ばねの一端4Baがポンプ本体1によって、他端4Bbがリテーナ31bによって支持される。
タペット3bの先端面はカム100bに直接接触する。この構成にあっては、カム追従機構には、荷重−たわみについてのばね特性が非線形特性を示す竹の子ばね4Bが使用され、竹の子ばね4bの最大外径は、竹の子ばね4Bを収容するタペット3bの外径よりも小さくされる。
尚、プランジャ2bとしては、ストレートな一本の棒状のものを使用することが出来る。
第7図に本発明の第3の実施例を示す。
第7図に示す例にあっては、円錐型コイルばね4あるいは竹の子ばね4Bに代えて、タル型コイルばね4Cを使用している。
この例にあっては、タペット3cの横方向運動を防ぐために環状スカート部302aを設けており、この環状スカート部302aはポンプ本体90側でなく、カム100c側に配設してある。
タル型コイルばね4Cの一端4Caがポンプ本体1によって、他端4Cbがリテーナ31cによって支持される。この構成あっては、カム追従機構には、荷重−たわみについてのばね特性が非線形特性を示すタル型コイルばね4Cが使用され、タル型コイルばね4Cの最大外径は、タル型コイルばね4Cを収容するタペット3cの外径よりも小さくされている。
尚、プランジャ2cのローラ33cの形状は第1の実施例と同様とされる。
第7図に示す例にあっては、円錐型コイルばね4あるいは竹の子ばね4Bに代えて、タル型コイルばね4Cを使用している。
この例にあっては、タペット3cの横方向運動を防ぐために環状スカート部302aを設けており、この環状スカート部302aはポンプ本体90側でなく、カム100c側に配設してある。
タル型コイルばね4Cの一端4Caがポンプ本体1によって、他端4Cbがリテーナ31cによって支持される。この構成あっては、カム追従機構には、荷重−たわみについてのばね特性が非線形特性を示すタル型コイルばね4Cが使用され、タル型コイルばね4Cの最大外径は、タル型コイルばね4Cを収容するタペット3cの外径よりも小さくされている。
尚、プランジャ2cのローラ33cの形状は第1の実施例と同様とされる。
第8図に本発明の第4の実施例を示す。
第8図に示す例にあっては、円錐型コイルばね4に代えて、鼓形ばね4Dを使用している。
この例にあっては、リテーナ31dの中央部に設けた孔にプランジャ2dの先端部のくびれ部を配置する構成としている。
鼓形ばね4Dの一端4Daがポンプ本体1によって支持され、他端4Dbがリテーナ31dによって支持される。この構成にあっては、カム追従機構には、荷重−たわみについてのばね特性が非線形特性を示す鼓形コイルばね4Dが使用され、鼓形コイルばね4dの最大外径を収納するタペット3dの外径よりも小さくしている。
第8図に示す例にあっては、円錐型コイルばね4に代えて、鼓形ばね4Dを使用している。
この例にあっては、リテーナ31dの中央部に設けた孔にプランジャ2dの先端部のくびれ部を配置する構成としている。
鼓形ばね4Dの一端4Daがポンプ本体1によって支持され、他端4Dbがリテーナ31dによって支持される。この構成にあっては、カム追従機構には、荷重−たわみについてのばね特性が非線形特性を示す鼓形コイルばね4Dが使用され、鼓形コイルばね4dの最大外径を収納するタペット3dの外径よりも小さくしている。
第9図に本発明の第5の実施例を示す。第9図に示す例にあっては、円錐型コイルばね4に代え、あるいは鼓状コイルばね4Dに代えて組み合わせコイルばね4E、4Fを使用する。第9図は、カム追従機構として戻しばねを2つ(4E、4F)を有する。この例では外側の戻しばね4Eを太く、内側の戻しばね4Fを細径の線材で構成している。このような構成では、外側のばね4Fをリテーナで受け止めるため、リテーナだけ軽量化することができ、往復運動部の質量を軽くすることができる。また、一方のばねに非線型特性を持たせることにより、ばねの合力として上記実施例と同様の非線型特性を得ることができ、上記実施例と同様にジャンピング防止とポンピングロス低減、容積効率向上の効果を得ることができる。あるいは、2つのばねのうち、一方のばねを、ポンプの下死点の位置で浮かせれば(ばねの自然長よりも取付け長さの方が長い)、ポンプの下死点近傍では1つのばねで付勢し、上死点近傍では2つのばねで付勢することになり、第7図に示すような非線型なばね特性を得ることができる。
この構成にあっては、円筒状を呈する外径が大小の二つのばねを同心状に組み合わせたものからなり、内側のばねのカム側端は外側のばねのカム側端より長手方向において内側に配設された形状とされたばね4E、4Fの組み合わせが使用される。
組み合わせコイルばね4E、4Fの一端4Ea、4Faはポンプ本体90によって、他端4Eb、4Fbはリテーナ31eによって支持される。
いずれの場合においても、ばね径の大きい端部をポンプボディの下端91側へ、ばね径の小さい端部をタペット側へ配置する。このとき、タペット側のばね径は、タペット径より小さい特徴が共通にある。一般的に、ばね定数の大きなばねを設計する場合はばねの外径も大きく設計する必要がある。従って、ばねに係合するリテーナ31や、ばねを外覆するタペット3も大きく設計する必要があり、重量が増加する。しかし、本発明を適用することにより、強いばね定数と小さなタペット取り付け径を両立することができる。
本発明によれば、小型でジャンピングの防止効果が高く、容積効率が高く、ポンピングロスの小さい高圧燃料ポンプを提供することができる。また、本発明によればカム追従機構として使用されるばねのカム側端の径を小さくしているために、小さな形状のタペットを使用することができ、小さい高圧燃料ポンプを提供することができる。
この構成にあっては、円筒状を呈する外径が大小の二つのばねを同心状に組み合わせたものからなり、内側のばねのカム側端は外側のばねのカム側端より長手方向において内側に配設された形状とされたばね4E、4Fの組み合わせが使用される。
組み合わせコイルばね4E、4Fの一端4Ea、4Faはポンプ本体90によって、他端4Eb、4Fbはリテーナ31eによって支持される。
いずれの場合においても、ばね径の大きい端部をポンプボディの下端91側へ、ばね径の小さい端部をタペット側へ配置する。このとき、タペット側のばね径は、タペット径より小さい特徴が共通にある。一般的に、ばね定数の大きなばねを設計する場合はばねの外径も大きく設計する必要がある。従って、ばねに係合するリテーナ31や、ばねを外覆するタペット3も大きく設計する必要があり、重量が増加する。しかし、本発明を適用することにより、強いばね定数と小さなタペット取り付け径を両立することができる。
本発明によれば、小型でジャンピングの防止効果が高く、容積効率が高く、ポンピングロスの小さい高圧燃料ポンプを提供することができる。また、本発明によればカム追従機構として使用されるばねのカム側端の径を小さくしているために、小さな形状のタペットを使用することができ、小さい高圧燃料ポンプを提供することができる。
Claims (8)
- プランジャと、該プランジャに往復運動駆動力を与えるカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構を備えた高圧燃料ポンプにおいて、
前記カム追従機構は、荷重−たわみについてのばね特性が、前記プランジャの変位に対する付勢力の変化量の割合について、前記プランジャの上死点状態における方が下死点状態における方よりも大きくされた非線形特性を示すばねを備えること
を特徴とする高圧燃料ポンプ。 - プランジャと、該プランジャに往復運動駆動力を与えるカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構を備えた高圧燃料ポンプにおいて、
前記カム追従機構は、荷重−たわみについてのばね特性が非線形特性を有するばねを備え、前記カム機構により付勢されて往復運動するタペットを備え、該タペットが前記ばねの一端側を収納し、前記ばねを載置する部位において前記タペットの外径は、前記ばねの最大外径よりも小さいことを特徴とする高圧燃料ポンプ。 - 特許請求の範囲第1項または第2項において、前記ばねは円錐型コイルばねであることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
- 特許請求の範囲第1項または第2項において、前記ばねは竹の子ばねであることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
- 特許請求の範囲第1項または第2項において、前記ばねはタル型コイルばねであることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
- 特許請求の範囲第1項または第2項において、前記ばねは、円筒状を呈する外径が大小の2つのばねを同心状に組み合わせたものからなり、内側のばねのカム側端は外側のばねのカム側端より長手方向において内側に配設された形状とされたことを特徴とする高圧燃料ポンプ。
- プランジャと、該プランジャに往復運動駆動力を与えるカムを有するカ厶機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構と、前記カム機構により付勢されて往復運動するタペットを備えた高圧燃料ポンプにおいて、
前記カム追従機構は、前記タペットを前記カム機構に接触させる付勢力を与えるものであって、該付勢力の増減は、プランジャの上死点近傍付近を除いてカムのリフト曲線の変位量に追随し、プランジャの上死点近傍付近では前記変位量に加算される付勢力を与える付勢力増大手段を有することを特徴とする高圧燃料ポンプ。 - プランジャと、該プランジャに往復運動駆動力を与えるカムを有するカム機構と、前記プランジャを前記カム機構に追従して動作させるカム追従機構と、前記カム機構により付勢されて往復運動するタペットを備えた高圧燃料ポンプにおいて、
前記カム追従機構は、前記タペットを前記カム機構に接触させる付勢力を与えるばねを備え、該ばねの付勢力の増減は、プランジャの上死点近傍付近を除いてカムのリフト曲線の変位量に追随し、プランジャの上死点近傍付近では前記変位量に加算される付勢力を与える非線形特性とされたことを特徴とする高圧燃料ポンプ。
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