JP2011231652A - 高圧燃料ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】ローラリフタに回り止め部材が非対称に設けられた高圧燃料ポンプにおいて、ローラリフタが下降運動から上昇運動に切り替わる際のローラリフタの振れを抑制する。
【解決手段】ポンプハウジング7のシリンダ71内部に往復移動自在に収容されたローラリフタ5の上部にマス部材54を設けることによりローラ6の回転中心に対する重心位置を高くする。このようにしてローラリフタ5の重心位置を高くすると、その高くした重心位置でのモーメント力M2が、重心位置が低い場合のモーメント力M1よりも大きくなるのでローラリフタ5の上端部をポンプハウジングのシリンダ71の内壁面に押し付ける力が強くなる。これによってローラリフタ5の移動過程においてリフト行程が「0」の位置で下降運動が上昇運動に切り替わるときに、ローラリフト5が振れることを防止することが可能となり、異音の発生を抑制することができる。
【選択図】図4
【解決手段】ポンプハウジング7のシリンダ71内部に往復移動自在に収容されたローラリフタ5の上部にマス部材54を設けることによりローラ6の回転中心に対する重心位置を高くする。このようにしてローラリフタ5の重心位置を高くすると、その高くした重心位置でのモーメント力M2が、重心位置が低い場合のモーメント力M1よりも大きくなるのでローラリフタ5の上端部をポンプハウジングのシリンダ71の内壁面に押し付ける力が強くなる。これによってローラリフタ5の移動過程においてリフト行程が「0」の位置で下降運動が上昇運動に切り替わるときに、ローラリフト5が振れることを防止することが可能となり、異音の発生を抑制することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、高圧燃料ポンプに関し、さらに詳しくは、筒内直噴型エンジンなどの内燃機関において、インジェクタ(燃料噴射弁)に高圧燃料を供給するプランジャタイプの高圧燃料ポンプに関する。
車両等に搭載される筒内直噴型エンジンにおいては、燃料圧力を燃焼室内の圧力よりも高くして燃料噴射を行う必要があるため、燃料タンクから送られてきた燃料を高圧燃料ポンプで加圧してインジェクタに向けて供給している。
筒内直噴型エンジンの燃料供給系としては、例えば、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、高圧燃料ポンプによって加圧された燃料を貯留するデリバリパイプと、エンジンの各気筒ごとに配置されたインジェクタとを備えるものが知られている。この燃料供給系では、各インジェクタの開弁制御によりデリバリパイプ内に貯留されている高圧燃料がインジェクタから燃焼室内に直接噴射される。
そして、このような燃料供給系に用いられる高圧燃料ポンプは、例えば、ポンプ部のシリンダ内に往復移動自在に収容されたプランジャと、これらシリンダとプランジャとによって区画形成されたポンプ室(加圧室)と、ポンプハウジングのシリンダ(リフタガイド)の内部に往復移動自在に配設されているとともに、プランジャに連結されたローラリフタと、このローラリフタのローラをカムの外周面側に押圧する圧縮コイルばねとを備えている。この構造の高圧燃料ポンプにおいては、上記カムの回転に伴って、カムノーズがローラから退避する(ローラリフタが下降する)ときにプランジャが移動してポンプ室の容積が拡大する行程(吸入行程)と、カムノーズによってローラリフタのローラが押されて移動(上昇)するときに、それに伴ってプランジャが移動してポンプ室の容積が縮小する行程(加圧行程)とを繰り返すことにより、燃料を加圧してデリバリパイプ等に供給している。
こうした高圧燃料ポンプでは、ローラリフタのローラの回転軸とカムの回転軸とが平行に保持されていないと、ローラ及びカムの表面が損傷するおそれがあるという点などを考慮して、ローラリフタ(タペット)が中心軸回りに回転(自転)しないように回り止め部材が設けられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
ローラリフタの回り止め構造の一例を図6及び図7に示す。この図6及び図7に示す例では、略円筒形状のローラリフタ505の下部に、外方に突出する鍔状の回り止め片(突出片)553を設けるとともに、ポンプハウジング7のシリンダ(ボア)71の内壁面に軸方向(ローラリフタ移動方向)に沿って延びる凹部(溝状)71aを設け、そのポンプハウジング7の凹部71aにローラリフタ505の回り止め片553を嵌め込むことにより、ローラリフタ505が中心軸回りに回転しないようにしている。なお、この種の高圧燃料ポンプにおいては、ローラリフタ505が円滑に往復移動できるように、ローラリフタ505の外面とポンプハウジング7のシリンダ71の内面との間に所定の隙間(ガイドクリアランス)が設けられている。
ところで、上述した如くローラリフタ505に回り止め片553を設けた場合、図7に示すように、ローラリフタ505の重心位置が回り止め片553の質量分だけ偏るため(重心位置がリフタ軸心に対して偏心するため)、リフト上昇・下降行程(カム111にてローラ506及びローラリフタ505が上昇・下降する行程)において、ローラリフタ505が傾いた状態でシリンダ71の内壁面に押し付けられながら移動する。そして、そのローラリフタ505の移動過程において、リフト行程が「0」の位置で下降運動が上昇運動に切り替わるときに、ローラリフタ505の振れが発生して、そのローラリフタ505の上端部や下端部がシリンダ71の内壁面に衝突することによって異音が発生する。
具体的には、図8に示すように、リフト行程が「0」の位置でローラリフタ505の運動が下降運動から上昇運動に切り替わるときに、ローラリフタ505が回り止め片553とは反対側に振れて(図8の2点鎖線で示す状態)、ローラリフタ505の上端部や下端部がシリンダ71の内壁面に衝突して異音が発生する。さらに、その衝突による反動及び上記回り止め片553による重心位置の偏りによって、ローラリフタ505が回り止め片553側(図8の右側)に振れて、ローラリフタ505の上端部や下端部がシリンダ71の内壁面に再び衝突して異音が発生する。このような異音はリフト行程が「0」になるごとに発生する間欠的な異音であり、車両の搭乗者に不快感を与える場合がある。
本発明は、そのような実情を考慮してなされたもので、ローラリフタに回り止め部材が非対称に設けられた高圧燃料ポンプにおいて、ローラリフタが下降運動から上昇運動に切り替わる際のローラリフタの振れを抑制することが可能な構造を提供することを目的とする。
本発明は、カムからの押圧力を受けるローラが下部に回転自在に設けられているとともに、ポンプハウジングのシリンダ内部に往復移動自在に収容されたローラリフタと、前記ローラリフタの往復移動に応じて往復移動するプランジャとを備え、前記プランジャの往復移動によりポンプ室の容積を拡大または縮小させて燃料を吸引・吐出するように構成されているとともに、前記ローラリフタに回り止め部材が非対称に設けられてなる高圧燃料ポンプを前提としており、このような高圧燃料ポンプにおいて、前記ローラリフタの上部にマス部材が設けられていることを技術的特徴としている。
本発明の具体的な構成として、ローラリフタの上端部にリング状のマス部材を設けるという構成を挙げることができる。また、筒状(略円筒形状)のローラリフタの上部壁体の肉厚を、それよりも下側の部分に比べて厚く形成することによりマス部材をローラリフタに一体に設けるという構成を挙げることができる。
本発明によれば、ローラリフタに回り止め部材が非対称に設けられ、当該ローラリフタの重心位置が回り止め部材の質量分だけ偏った構造の高圧燃料ポンプにおいて、ローラリフタの上部にマス部材を設けることにより、ローラの回転中心に対する重心位置を高く(ローラの回転中心に対する重心位置の距離を長く)しているので、ローラリフタが下降運動から上昇運動に切り替わる際のローラリフタの振れを抑制することができる。
すなわち、ローラリフタの重心位置を高くすると、その高くした重心位置でのモーメント力が、重心位置が低い場合(マス部材を設けていない従来のローラリフタの重心位置の場合)のモーメント力よりも大きくなるので(図4参照)、ポンプハウジングのシリンダに対して傾いた姿勢のローラリフタの上端部を、シリンダ内壁面に押し付ける力が強くなる。これにより、ローラリフタの移動過程において、リフト行程が「0」の位置で下降運動が上昇運動に切り替わるときに、ローラリフトが振れることを抑制することができる。
本発明において、ローラリフタの上端部にリング状のマス部材を設けておけば、質量変化(増加)を小さく抑えながら、異音の発生を効果的に抑制することができる。また、マス部材をローラリフタに一体に形成する構造を採用すれば、製造工程の簡素化を図ることが可能になる。
本発明によれば、ローラリフタに回り止め部材が非対称に設けられた高圧燃料ポンプにおいて、ローラリフタの上部にマス部材を設けているので、ローラリフタが下降運動から上昇運動に切り替わる際のローラリフタの振れを防止することができ、異音の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
この実施形態では、車両に搭載される筒内直噴型多気筒(例えば6気筒)ガソリンエンジンに用いられる高圧燃料ポンプに本発明を適用した場合について説明する。
−燃料供給装置−
高圧燃料ポンプが適用される燃料供給装置100の一例の概略構成について図1を参照して説明する。
高圧燃料ポンプが適用される燃料供給装置100の一例の概略構成について図1を参照して説明する。
図1に示す燃料供給装置100は、燃料タンク101から燃料を送り出すフィードポンプ102と、このフィードポンプ102によって送り出された燃料を加圧して各気筒(6気筒)に配置のインジェクタ201・・201に向けて吐出する高圧燃料ポンプ1とを備えている。
高圧燃料ポンプ1のプランジャ23は、エンジンの吸気カムシャフト110に取り付けられたカム111の回転によって駆動され、ポンプ部のシリンダ21内を往復移動する。このプランジャ23の往復移動によってポンプ室22の容積が拡大または縮小する。この例では、吸気カムシャフト110の回転軸線回りに120°の角度間隔をもって3つのカム山(カムノーズ)112,112,112がカム111に形成されている。そして、これら3つのカムノーズ112,112,112によって、高圧燃料ポンプ1のプランジャ23が押し上げられて、このプランジャ23がシリンダ21内で移動するようになっている。
この例のガソリンエンジンは6気筒型であるので、エンジンの1サイクル中、つまり、クランクシャフトが2回転する間に、各気筒ごとに設けられたインジェクタ201から各1回ずつ、合計6回の燃料噴射が行われることになる。また、ガソリンエンジンの1サイクルごとに、吸気カムシャフト110が1回転し、高圧燃料ポンプ1からの吐出動作が3回ずつ行われる。
高圧燃料ポンプ1のポンプ室22は、低圧燃料配管104を介してフィードポンプ102に連通している。また、ポンプ室22は、高圧燃料配管105を介してデリバリパイプ(蓄圧容器)106内に連通している。デリバリパイプ106には、6つのインジェクタ201・・201が接続されている。なお、デリバリパイプ106には、パイプ内部の燃料圧力(実燃圧)を検出する燃圧センサ161が配設されている。
また、デリバリパイプ106には、リリーフバルブ171を介してリターン配管172が接続されている。リリーフバルブ171は、デリバリパイプ106内の燃料圧力が所定圧力を超えたときに開弁する。このリリーフバルブ171の開弁により、デリバリパイプ106に蓄えられた燃料の一部がリターン配管172を介して燃料タンク101に戻されるようになっている。これにより、デリバリパイプ106内の燃料圧力の過上昇が防止される。
リターン配管172は、高圧燃料ポンプ1の燃料収容室25に燃料排出配管108(図1に破線で示す配管)を介して接続されている。燃料収容室25はシールユニット24の上部に設けられており、この燃料収容室25に、高圧燃料ポンプ1のプランジャ23とシリンダ21との間隙から漏出した燃料が蓄積される。燃料収容室25に蓄積された燃料は燃料排出配管108を通じて燃料タンク101に向けて戻されるようになっている。
低圧燃料配管104には、フィルタ141とプレッシャレギュレータ142とが設けられている。プレッシャレギュレータ142は、低圧燃料配管104内の燃料圧力が所定圧力を超えたときに低圧燃料配管104内の燃料を燃料タンク101に戻すことによって、この低圧燃料配管104内の燃料圧力を所定圧以下に維持するようになっている。
また、低圧燃料配管104にはパルセーションダンパ107が設けられており、このパルセーションダンパ107によって高圧燃料ポンプ1の作動時における低圧燃料配管104内の燃圧脈動が抑制されるようになっている。さらに、高圧燃料配管105には、高圧燃料ポンプ1から吐出された燃料が逆流することを阻止するための逆止弁151が設けられている。
そして、高圧燃料ポンプ1には、低圧燃料配管104とポンプ室22との間を連通または遮断するための電磁スピル弁3が設けられている。この電磁スピル弁3は、電磁ソレノイド31を備えており、この電磁ソレノイド31への通電を制御することにより開閉動作する。この電磁スピル弁3の開閉動作については後述する。
−高圧燃料ポンプ−
次に、高圧燃料ポンプ1について図1〜図3を参照して説明する。
次に、高圧燃料ポンプ1について図1〜図3を参照して説明する。
この例の高圧燃料ポンプ1は、プランジャタイプの燃料ポンプであって、上述の如く、シリンダ21、ポンプ室(加圧室)22、プランジャ23、電磁スピル弁3、逆止弁4、ローラリフタ5、ローラ6、及び、ポンプハウジング7などを備えている。
シリンダ21の先端側(図1における上端側)にポンプ室22が形成されている。ポンプ室22は、プランジャ23及びシリンダ21によって区画されている。このポンプ室22は、上述したように、低圧燃料配管104を介してフィードポンプ102に連通しており、また、高圧燃料配管105を介してデリバリパイプ106内に連通している。プランジャ23は略円柱形状の部材であって、シリンダ21内にその軸線方向(ここでは上下方向)の摺動が可能に挿入されている。
ローラリフタ5は、ポンプハウジング7のシリンダ(ボア)71内に往復移動自在に収容されている。ポンプハウジング7は、例えば吸気カムシャフト110を支持しているカムキャリア(図示せず)の上部に設けられている。
ローラリフタ5は略円筒形状の部材であって、下部にローラ支持部51を備えている。ローラリフタ5のローラ支持部51には、吸気カムシャフト110の軸心に対して平行に延びる軸心回りに回転自在なローラ6が支持されており、このローラ6の下端(外周面)がカム111の外周面に当接可能となっている。なお、ローラ6は、例えば、ローラ支持部51に、ころ軸受けを介して支持されたローラ軸61(吸気カムシャフト110の軸心に対して平行に延びる軸)よって回転自在に支持されている。
また、ローラリフタ5の軸心方向(図1及び図2における上下方向)の中間部には隔壁部52が一体形成されており、この隔壁部52の上側の空間に、図1に示すプランジャ23の基端部(下端部)、リテーナ26、圧縮コイルばね27などが収容されている。この圧縮コイルばね27の弾性力によって、プランジャ23を押し下げる方向(ポンプ室22の容積を拡大させる方向)の付勢力が付与されているとともに、ローラリフタ5の下部に支持されたローラ6がカム111に向けて押圧されている。なお、圧縮コイルばね27は、リテーナ26と、その上方のスプリングシート72(図1参照)との間に挟み込まれている。
さらに、この例では、ローラリフタ5の下部に、外方に突出する鍔状の回り止め片(突出片)53が一体形成されている。また、ポンプハウジング7のシリンダ71の内壁面には、図2(及び上記した図6)に示すように、軸方向(ローラリフタ5の移動方向)に沿って延びる凹部(溝状)71aが設けられており、そのポンプハウジング7の凹部71aに上記したローラリフタ5の回り止め片53を嵌め込むことにより、ローラリフタ5が中心軸回りに回転しないようにしている。
逆止弁4は、ポンプ室22の吐出口部(高圧燃料配管105の接続部)に設けられている。この逆止弁4は、ポンプ室22内の燃料圧力が所定値に達した時点で開弁する。逆止弁4が開弁すると、高圧の燃料が高圧燃料配管105を通じてデリバリパイプ106に向けて吐出される。
以上の構造において、カム111が吸気カムシャフト110とともに回転すると、そのカム111のカムノーズ112がローラ6及びローラリフタ5に対して上向きの押圧力を作用させることによって、ローラリフタ5及びプランジャ23が上昇しながら圧縮コイルばね27を圧縮してポンプ室22の容積を縮小する。
一方、カムノーズ112がローラ6から外れる位置(リフト行程が「0」の位置)までカム111が回転すると、圧縮コイルばね27の付勢力(弾性力)によりローラリフタ5及びプランジャ23が下降させられてポンプ室22の容積を拡大する。さらに、この位置つまりリフト行程が「0」の位置でローラリフタ5の運動が下降運動から上昇運動に切り替わる。
そして、図1に示すように、ポンプ室22の上部に電磁スピル弁3が配置されている。電磁スピル弁3は、電磁ソレノイド31、ポペット弁32、コア(図示せず)、及び、圧縮コイルばね33などを備えており、その圧縮コイルばね33の弾性力によりポペット弁32がポンプ室22側に向けて付勢されている。
この例の電磁スピル弁3において、電磁ソレノイド31の非通電時には、圧縮コイルばね33の弾性力により、ポペット弁32の弁体32aが、ポンプ室22の上方に配置のシート体34から離間されて電磁スピル弁3が開弁状態となる。一方、電磁ソレノイド31が通電状態になると、圧縮コイルばね33の弾性力に抗してポペット弁32が電磁ソレノイド31側(上側)に移動し、このポペット弁32の弁体32aがシート体34に当接して電磁スピル弁3は閉弁状態となる。
次に、この例の高圧燃料ポンプ1の動作について説明する。
まず、電磁ソレノイド31への通電が停止された状態のときには、上述したように、電磁スピル弁3が圧縮コイルばね33の弾性力によって開弁し、低圧燃料配管104とポンプ室22とが連通した状態になる。この状態において、カム111が吸気カムシャフト110とともに回転してローラ6及びローラリフタ5が下降すると、これに伴ってプランジャ23がポンプ室22の容積が増大する方向(図1ではプランジャ23が下降する方向)に移動する(吸入行程)。この吸入行程では、フィードポンプ102から送り出された燃料が低圧燃料配管104を経てポンプ室22内に吸入される。
一方、カム111が吸気カムシャフト110とともに回転してローラ6及びローラリフタ5が上昇すると、これに伴ってプランジャ23が、ポンプ室22の容積が収縮する方向(図1ではプランジャ23が上昇する方向)に移動する(加圧行程)。この加圧行程において、電磁ソレノイド31への通電により電磁スピル弁3が圧縮コイルばね33の弾性力に抗して閉弁すると、低圧燃料配管104とポンプ室22との間が遮断され、ポンプ室22内の燃料圧力が所定値に達した時点で逆止弁4が開弁して、高圧の燃料が高圧燃料配管105を通じてデリバリパイプ106に向けて吐出される。
なお、高圧燃料ポンプ1における燃料吐出量の調整は、加圧行程での電磁スピル弁3の閉弁期間を制御することによって行われる。すなわち、電磁スピル弁3の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすると燃料吐出量が増加し、電磁スピル弁3の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすると燃料吐出量が減少するようになる。このように、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量を調整することにより、デリバリパイプ106内の燃料圧力が制御される。
次に、この例の特徴部分について図2〜図4を参照して説明する。
この例では、略円筒形状のローラリフタ5の上端部の壁体の肉厚を、それよりも下側の部分に比べて厚く形成し、このローラリフタ5の上端部にリング状のマス部材54を一体に設けることによって、ローラ3の回転中心(ローラ軸61の中心)に対する重心位置(ローラリフタ5の全体の重心位置)を高くした点を特徴としている。
このようにしてローラリフタ5の重心位置を高くすると、図4に示すように、その高くした重心位置でのモーメント力M2(M2=F2・L2)が、重心位置が低い場合(図7の従来のローラリフタ505の重心位置の場合)のモーメント力M1(M1=F1・L1)よりも大きくなるので、ポンプハウジング7のシリンダ71に対して傾いた姿勢のローラリフタ5の上端部を、シリンダ71の内壁面に押し付ける力が強くなる。これにより、ローラリフタ5の移動過程において、リフト行程が「0」の位置で下降運動が上昇運動に切り替わるときに、ローラリフト5が振れることを防止することができ、異音の発生を抑制することができる。
しかも、この例では、ローラリフタ5の上端部にリング状のマス部材54を設けているので、質量変化(増加)を小さく抑えながら、異音の発生を効果的に抑制することが可能になる。
ここで、ローラリフタの重心位置を高くする構造としては、図2及び図3の形態に限定されず、他の任意の形態(形状)のマス部材をローラリフタの上部に設けて重心位置が高くなるようにしてもよい。
例えば、図5(a)及び(b)に示すように、ローラリフタ305の隔壁部352の上側部分の全体の肉厚を厚くするとともに、ローラリフタ305の上端部の壁体の肉厚を更に厚く形成してマス部材354aを一体に設ける。さらに、その上端部のマス部材354aに加えて、隔壁部352の上側周縁部(隅肉部)の肉厚を厚く形成してマス部材354bを設けることによって、ローラリフタ305の重心位置(ローラ6の回転中心(ローラ軸61の中心)に対する重心位置)を高くするようにしてもよい。
この場合、図2〜図4に示したローラリフタ5に比べて、重心位置が多少低くなるものの、ローラリフタ305の重心に作用する質量が大きくなるので、ローラリフタ305の上端部をシリンダ71(図3及び図4参照)の内壁面に押し付ける力を大きくすることが可能になる。
−他の実施形態−
以上の例では、ローラリフタにマス部材を一体に設けているが、本発明はこれに限られることなく、リング状のマス部材をローラリフタとは別に作製し、その別体のマス部材を略円筒形状のローラリフタの上部に取り付けるようにしてもよい。
以上の例では、ローラリフタにマス部材を一体に設けているが、本発明はこれに限られることなく、リング状のマス部材をローラリフタとは別に作製し、その別体のマス部材を略円筒形状のローラリフタの上部に取り付けるようにしてもよい。
以上の例では、吸気カムシャフト110に取り付けたカム111の回転によってローラリフタ5が往復移動される構造の高圧燃料ポンプに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、排気カムシャフトに取り付けたカムの回転によってローラリフタが往復移動される高圧燃料ポンプにも適用可能である。
以上の例では、3つのカムノーズ112,112,112を有するカム111の回転によってローラリフタ5が往復移動される構造の高圧燃料ポンプに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、任意の数のカムノーズ(例えば、2つのカムノーズ)を有するカムの回転によってローラリフタが往復移動される高圧燃料ポンプにも適用可能である。
以上の例では、本発明の高圧燃料ポンプを、車両に搭載される筒内直噴型6気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られることなく、例えば筒内直噴型4気筒ガソリンエンジンなどの他の任意の気筒数のガソリンエンジンに搭載される高圧燃料ポンプにも適用可能である。
また、ガソリンエンジンに限られることなく、ディーゼルエンジン等の他の内燃機関に搭載される高圧燃料ポンプにも本発明は適用可能である。さらには、本発明が適用可能なエンジンは、車両用のエンジンに限るものでもない。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関(例えば、筒内直噴型多気筒エンジン)のインジェクタに高圧燃料を供給する高圧燃料ポンプに利用可能であり、さらに詳しくは、ポンプハウジングのシリンダ内部に往復移動自在に収容されたローラリフタを有する高圧燃料ポンプに利用することができる。
1 高圧燃料ポンプ
21 シリンダ
22 ポンプ室
23 プランジャ
27 圧縮コイルばね
3 電磁スピル弁
5 ローラリフタ
51 ローラ支持部
53 回り止め片
54 マス部材
6 ローラ
61 ローラ軸
7 ポンプハウジング
71 シリンダ
71a 凹部
111 カム
112 カムノーズ
21 シリンダ
22 ポンプ室
23 プランジャ
27 圧縮コイルばね
3 電磁スピル弁
5 ローラリフタ
51 ローラ支持部
53 回り止め片
54 マス部材
6 ローラ
61 ローラ軸
7 ポンプハウジング
71 シリンダ
71a 凹部
111 カム
112 カムノーズ
Claims (3)
- カムからの押圧力を受けるローラが下部に回転自在に設けられているとともに、ポンプハウジングのシリンダ内部に往復移動自在に収容されたローラリフタと、前記ローラリフタの往復移動に応じて往復移動するプランジャとを備え、前記プランジャの往復移動によりポンプ室の容積を拡大または縮小させて燃料を吸引・吐出するように構成されているとともに、前記ローラリフタに回り止め部材が非対称に設けられてなる高圧燃料ポンプにおいて、前記ローラリフタの上部にマス部材が設けられていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
- 請求項1記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ローラリフタの上端部にリング状のマス部材が設けられていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。 - 請求項1または2記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記ローラリフタは筒状の部材であり、そのローラリフタの上部壁体の肉厚を、それよりも下側の部分に比べて厚く形成することによって、前記マス部材がローラリフタに一体に設けられていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
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JP2010101377A JP2011231652A (ja) | 2010-04-26 | 2010-04-26 | 高圧燃料ポンプ |
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