JP5093132B2 - 高圧ポンプの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧ポンプの制御装置に関するものであり、特にディーゼルエンジンに適用される高圧ポンプの制御装置に関するものである。
従来、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の燃料供給システムとして、低圧ポンプからの低圧燃料を高圧にする機関駆動式の高圧ポンプと、高圧ポンプからの高圧燃料を蓄える蓄圧室とを備え、蓄圧室内の高圧燃料を燃料噴射弁から内燃機関の気筒内に直接噴射する筒内噴射式のシステムが知られている。また、同システムに適用するための高圧ポンプが種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の高圧ポンプは、燃料吐出量を制御対象とする吐出量制御式として構成されている。この高圧ポンプは、シリンダ内を往復移動するプランジャと、低圧ポンプからの燃料が充填される加圧室と、燃料吐出量を調整する電磁駆動式の制御弁とを備えている。
上記ポンプにおいてプランジャは、内燃機関のクランク軸の所定回転毎に1回転する回転軸に接続されており、クランク軸の回転に伴い回転軸が回転することでシリンダ内を往復移動し、加圧室の容積を可変にする。制御弁は、常開式の電磁弁であり、電磁部の非通電時には、加圧室内に配置された弁体部がバネ等により開位置に保持され、電磁部の通電時には、その電磁力により弁体部が閉位置に変位する。そして、加圧室の容積が減少される行程(容積減少行程)において、制御弁が開状態になることで加圧室と低圧側通路とが連通され、低圧側に余剰分の燃料が戻される。一方、制御弁が閉状態になることで加圧室と低圧側通路との連通が遮断され、加圧室内の燃料が高圧側に吐出される。
特開2002−364491号公報
ところで、加圧室内には燃料圧力が生じており、その圧力が制御弁の弁体部に作用する。すなわち、制御弁の開閉状態は、開弁側への付勢力と閉弁側の電磁力とに加え、加圧室内の閉弁側への燃料圧力により定まると考えられる。そのため、例えば加圧室と低圧側通路とが連通された状態であるにもかかわらず加圧室内の燃料圧力が上昇した場合、その圧力上昇により制御弁が閉状態になることが考えられる。かかる場合、閉弁時期を適正に制御できず、その結果、高圧ポンプの吐出量制御を適正に実施できないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、制御弁の開閉制御を適正に実施することができる高圧ポンプの制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
第1の構成は、内燃機関の駆動軸により駆動される回転軸の回転に伴い往復移動し加圧室の容積を可変とするプランジャと、前記加圧室と低圧側通路との連通を開閉する弁体部を有し該弁体部が付勢手段により開位置に保持されるとともに電磁部の通電により閉位置に変位する制御弁と、を備える高圧ポンプに適用され、前記加圧室の容積が減少される容積減少行程において前記制御弁が閉状態に制御されることで前記加圧室内の燃料が高圧側通路に吐出される高圧ポンプの制御装置であって、前記回転軸の回転速度に基づいて、前記制御弁の閉弁制御期間及び開弁制御期間の少なくともいずれかにおける前記電磁部の通電状態を制御する通電制御手段を備えることを特徴とする。
制御弁の開閉状態は、開弁側の付勢力と閉弁側の電磁力とに加え、加圧室内における燃料圧力の三者のバランスにより定まると考えられる。一方、加圧室内の燃料圧力は、プランジャの移動速度(回転軸の回転速度)が高い場合と低い場合とで異なることが考えられる。すなわち、例えば容積減少行程における燃料吐出前の期間において、回転軸の高回転時と低回転時とで加圧室内から低圧側への燃料の戻り量が異なり、その燃料戻り量の相違に起因して加圧室内の圧力が異なることとなる。そのため、制御弁においては、開弁側への付勢力、閉弁側の電磁力及び加圧室内における燃料圧力の三者のバランスが回転軸の回転速度に応じて異なり、結果として制御弁の開閉制御を適正に実施することができないことが懸念される。
その点、本発明によれば、回転軸の回転速度に基づいて制御弁の通電制御が実施されるため、制御弁の閉弁方向に作用する燃料圧力の大きさに応じて同通電制御が実施される。これにより、制御弁の開弁側への付勢力、閉弁側の電磁力及び加圧室内の閉弁側への燃料圧力の三者において、回転軸の回転速度に応じて適正なバランスが維持される。したがって、制御弁を適正な時期に開閉させることができ、ひいては高圧ポンプの吐出量制御を適正に実施することができる。
燃料吐出期間の前後では、加圧室と低圧側通路とが連通状態になっているのにもかかわらず、加圧室内の燃料圧力が上昇することが考えられる。そのため、開弁側への付勢力、閉弁側の電磁力及び加圧室内における閉弁側の燃料圧力の三者のバランスが崩れることで、加圧室内の燃料圧力により制御弁が閉状態になる(自閉する)ことが懸念される。
その点に鑑み、第2の構成は、前記電磁部に対して通電を行う通電手段が、前記弁体部を閉側に変位させる第1通電と該第1通電とは逆向きの第2通電とを行うものであり、前記通電制御手段が、前記制御弁を閉状態とする燃料吐出期間で前記通電手段による第1通電を実施し、同燃料吐出期間の前後少なくともいずれかで前記通電手段による第2通電を実施する。この構成によれば、加圧室内の燃料圧力により制御弁が閉弁してしまうおそれのある期間において、電磁部の通電状態を、弁体部を閉側に変位させる第1通電とは正負逆向きの第2通電にする(つまり開側に変位させる通電状態にする)ため、制御弁を適正な期間に閉弁させることができる。
ここで、通電手段による第2通電の際には、加圧室から低圧側への燃料の戻り量が少ないほど(回転軸が高回転ほど)加圧室内が高圧になることを考慮し、回転軸の回転速度が大きいほど第2通電量を大きくする(開側への変位を大きくする)構成としてもよい。あるいは、回転軸の回転速度が所定の高回転速度以上の場合にのみ第2通電を実施する構成としてもよい。
制御弁の閉弁前期間であるプレストローク期間では、加圧室の容積の減少に伴い燃料が低圧側に戻される。このとき、プレストローク期間の後半ほど(燃料吐出期間の直前ほど)加圧室内が高圧になりやすく、燃料圧力により弁体部が閉側に変位しやすいことが考えられる。その点に鑑み、第3の構成は、前記容積減少行程において前記制御弁を閉状態とする燃料吐出期間の直前にプレストローク期間が設定されており、前記通電制御手段が、前記プレストローク期間において前記燃料吐出期間の直前に設定した所定期間にて前記第2通電を実施する。この構成によれば、加圧室内の燃料圧力が高くなりやすい期間において、電磁部の通電状態を、弁体部を開側に変位させる通電状態にするため、適正な閉弁タイミングで制御弁を閉弁させることができる。
なお、第2通電を実施する所定期間は、回転軸の回転速度にかかわらず一定の時間幅にしてもよいし、回転軸の回転速度に応じて可変にしてもよい。
上述したように、回転軸の低回転時と高回転時とでは、燃料吐出期間前における燃料の戻り量が異なるため、燃料吐出開始時、すなわち制御弁の開弁タイミングにおける加圧室内の燃料圧力が異なることが考えられる。そのため、回転軸の高回転時と低回転時とでは、開弁側の付勢力、閉弁側の電磁力及び加圧室内の燃料圧力の三者におけるバランスが異なり、回転軸の回転速度によっては、閉弁タイミングが到来しても制御弁を閉弁できないことが考えられる。
その点に鑑み、第4の構成は、前記電磁部に対して通電を行う通電手段が、前記電磁部への印加電圧又は印加電流を可変とするものであり、前記通電制御手段が、前記制御弁を閉状態とする燃料吐出期間で前記回転軸の回転速度に基づいて印加電圧又は印加電流を可変制御する。この構成によれば、燃料吐出期間において、電磁部の印加電圧又は印加電流を回転軸の回転速度に応じて可変にするため、開弁側の付勢力、閉弁側の電磁力及び加圧室内の燃料圧力の三者におけるバランスを回転速度に応じて定めることができる。これにより、制御弁の閉弁期間を適正にすることができる。
ここで、回転軸の回転速度に基づいて印加電圧又は印加電流を可変制御する際には、加圧室から低圧側への燃料の戻り量が少ないほど(回転軸が高回転ほど)加圧室内が高圧になることを考慮し、回転軸が高回転ほど印加電圧又は印加電流を小さくするのが望ましい。
第5の構成は、前記高圧ポンプに、前記駆動軸に対する前記回転軸の回転速度の変速比を可変にする変速機構が設けられ、前記変速機構の変速比を制御する制御手段を備えるものである。変速機構が設けられることにより同変速機構を設けない構成よりも回転軸の回転速度を高くすることができる反面、加圧室内の圧力上昇が促進され、制御弁の開閉制御を適正に実施できないおそれがある。したがって、変速機構を備える構成が本発明に適用されることで、制御弁を適正な時期に開閉させるといった効果を好適に得ることができる。
ここで、変速機構としては、例えば複数段のギアを有し、同ギアの切り替えにより駆動軸に対する回転軸の回転速度の変速比を変化させるギア機構や、駆動軸に対する回転軸の回転速度の変速比を連続的に変化させる無段変速機構などが挙げられる。
例えばDMEやアルコールなどといった比較的低い発熱量の燃料を用いる内燃機関において、軽油やガソリン等と同一出力を得るには、軽油等よりも多くの燃料量が必要になる。そのため、DME等においては、高圧ポンプの吐出量を軽油等よりも多くする必要があり、これを達成するための一つの手段として、回転軸の回転速度を高くすることが考えられる。したがって、第6の構成のように、前記内燃機関での燃焼に伴う発熱量が軽油よりも低い発熱量の燃料を吸入して吐出する高圧ポンプが本発明に適用されることで、回転軸を高回転にしてポンプ吐出量を増加させた場合であっても、制御弁を適正な時期に開閉させることができる。
高圧ポンプの制御システムの全体概略構成図。 吐出量制御弁の概略構成図。 高圧ポンプにおける燃料の吸入及び圧送の推移を示すタイムチャート。 吐出量制御弁の通電状態の推移を示すタイムチャート。 吐出量制御弁の開閉弁処理の処理手順を示すフローチャート。 通常時制御のサブルーチンを示すフローチャート。 第2の実施形態における吐出量制御弁の開閉弁処理の処理手順を示すフローチャート。 ポンプ回転速度Npと印加電圧Vsとの関係の一例を示す図。 第2の実施形態における吐出量制御弁の通電状態の推移を示すタイムチャート。 他の実施形態における吐出量制御弁の通電状態の推移を示すタイムチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、内燃機関としての車載ディーゼルエンジンに燃料を供給する高圧ポンプに適用される制御システムを構築するものとしている。本実施形態のエンジンでは、燃料としてDME(ジメチルエーテル)がそれ単独で又は任意の割合で混合された状態で使用される。また、当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として高圧ポンプにおける燃料吐出量の制御を実施し、これにより、高圧燃料の蓄圧室であるコモンレールの燃料圧力(レール圧)を制御している。この制御システムの全体概略構成図を図1に示す。
図1において、燃料タンク11内の燃料は、燃料ポンプ20により汲み上げられ、燃料ポンプ20で高圧化された後、コモンレール12に圧送される。コモンレール12に圧送された高圧燃料は、コモンレール12内に高圧状態で蓄えられた後、インジェクタ13からエンジンの気筒内に直接噴射される。
次に、燃料ポンプ20の構成について図1を用いて説明する。燃料ポンプ20は、低圧ポンプ21と高圧ポンプ22とを備えており、低圧ポンプ21によって燃料タンク11から汲み上げられた燃料を高圧ポンプ22にて加圧した後、その高圧化された高圧燃料をコモンレール12に圧送する。
低圧ポンプ21は、例えばトロコイド式のフィードポンプとして構成されており、インナロータとアウタロータとによって形成されるスペースが各ロータの回転速度に応じて増減されることにより燃料の吸入及び吐出を行っている。これに対し、高圧ポンプ22は、プランジャポンプとして構成されており、複数のプランジャ(例えば2本のプランジャ)がそれぞれ軸方向に往復移動されることにより燃料の吸入及び吐出を行っている。低圧ポンプ21及び高圧ポンプ22は、いずれもエンジンの出力軸であるクランク軸14に接続されており、同クランク軸14の回転に伴い駆動される。
高圧ポンプ22の構成について以下詳細に説明する。高圧ポンプ22は、エンジンによって回転駆動されるカム軸23と、カム軸23に設けられたカム24によって往復移動されることにより加圧室26の容積を可変とするプランジャ25と、コイル41への通電により開閉する電磁駆動式の吐出量制御弁40とを備えている。
カム軸23は、クランク軸14に接続されており、エンジン駆動に伴いクランク軸14が回転駆動することにより回転可能になっている。カム軸23には、複数の(図1では3つの)カム24が径方向に突出して設けられている。カム24は、タペット28に回転可能に支持されたローラ29を介してタペット28をプランジャ25の軸線方向に往復移動させる。
プランジャ25は、ハウジング31に設けられたシリンダ32内に摺動自在にかつ油密的に収容されている。プランジャ25の下端面は、タペット28の上端面に当接されている。また、プランジャ25の下端部にはばね座金33が設けられており、そのばね座金33において、シリンダ32の一部との間に軸スプリング34が設けられている。この軸スプリング34により、プランジャ25がタペット28側(下方向)に向かって付勢されている。
加圧室26は、プランジャ25の上端面とシリンダ32とにより区画形成されている。加圧室26には、プランジャ25の動きに合わせて燃料が吸入され、その吸入された燃料が加圧室26から吐出される。具体的には、プランジャ25が、加圧室26の容積を大きくする側に(下方向に)移動すると、その移動に伴い、低圧ポンプ21にて燃料タンク11から汲み上げられた燃料が燃料導入管35に導入され、加圧室26に吸入される。一方、プランジャ25が、加圧室26の容積を小さくする側に(上方向に)移動すると、その移動に伴い加圧室26内の燃料が加圧室26から吐出される。
吐出量制御弁40は、プランジャ25の軸線方向において加圧室26を挟んでプランジャ25とは反対側に取り付けられている。図2に、吐出量制御弁40の概略構成を示す。図2において、吐出量制御弁40は、プランジャ25の軸線方向と同じ方向に往復移動するニードル44を備えている。ニードル44の一端にはアマーチャ42が設けられ、他端には弁体部44aが設けられている。弁体部44aは、加圧室26内に配置されており、加圧室26と低圧側通路49との連通及びその遮断を行う。具体的には、弁体部44aは、弁スプリング46の付勢力によりシート部47から離間し、開位置に保持される。これにより、加圧室26と低圧側通路49とが連通される。また、コイル41へ通電されると、アマーチャ42がコイル41に吸引されることにより弁体部44aがシート部47に着座し、閉位置に保持される。これにより、加圧室26と低圧側通路49との連通が遮断される。
また、図2に示すように、本実施形態において吐出量制御弁40にはプレート45が設けられている。プレート45は、加圧室26においてプランジャ25と弁体部44aとの間に配置されており、加圧室26を、プランジャ25側と弁体部44a側とに区画している。このプレート45には、プランジャ25側と弁体部44a側とを連通する貫通孔45aが形成されている。これにより、プランジャ25側の燃料と弁体部44a側の燃料とが貫通孔45aを介して移動可能になっている。
図1の説明に戻り、燃料吐出弁36は、加圧室26内の燃料圧力が所定圧以上になった場合に開弁するチェック弁(逆止弁)よりなる。燃料吐出弁36が開弁されると、加圧室26とコモンレール12とが連通される。これにより、加圧室26内の高圧燃料が、高圧側通路48及び燃料吐出弁36を介してコモンレール12側へ吐出される。
また、本システムには、エンジンの所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ15や、コモンレール12内の燃料圧力を検出する燃圧センサ16、ドライバによるアクセル操作量を検出するアクセルセンサ17などが設けられている。
ECU70は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)71を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じてエンジンの各種制御を実施する。すなわち、ECU70のマイコン71は、上述した各種センサなどから各々検出信号を入力し、それらの各種検出信号に基づいて燃料噴射量等を演算するとともに、吐出量制御弁40やインジェクタ13といった燃料供給系の各部の駆動を制御する。
燃料噴射制御についてマイコン71は、アクセル操作量とエンジン回転速度とから燃料噴射量を算出し、コモンレール12内の燃料圧力(噴射圧力)等から燃料噴射量を噴射時間に換算する。そして、算出した噴射時間だけインジェクタ13を開弁する。ここで、コモンレール12の燃料圧力については、アクセル操作量やエンジン回転速度に応じて目標燃圧を所定範囲内に設定し、その目標燃圧になるよう高圧ポンプ22の燃料吐出量を調整することで制御している。
高圧ポンプ22の吐出量制御についてマイコン71は、吐出量制御弁40(弁体部44a)の閉弁期間を制御することにより行う。具体的には、ECU70には、コイル駆動回路50を介して吐出量制御弁40に電気的に接続されており、このコイル駆動回路50への駆動信号に基づいて、コイル41の印加電圧及び通電タイミング等を制御して吐出量制御弁40の閉弁期間を制御する。
ここで、コイル駆動回路50の電気的構成について説明する。コイル駆動回路50は、図1に示すように、昇圧部51と通電部52とを備えている。昇圧部51は、例えばDC/DCコンバータなどの高電圧発生装置からなり、車載バッテリ53から印加されるバッテリ電圧を高電圧に変換する。通電部52は、コイル41に対して電圧印加を行う。また、本実施形態において通電部52は、例えば相反する方向の通電が可能な回路からなり、弁体部44aを閉側に変位させる例えば正方向の通電(第1通電)と、弁体部44aを開側に変位させる例えば負方向の通電(第2通電)とが可能になっている。通電部52では、ECU70からの駆動信号に基づいて第1通電と第2通電との切り替えを行うことによりコイル41の通電方向を変更する。
次に、上記構成の高圧ポンプ22の動作について説明する。図3は、高圧ポンプ22における燃料の吸入及び圧送の推移を示すタイムチャートである。また、(A)〜(C)は高圧ポンプ22の動作説明図であり、(A)は加圧室26の容積が増加する行程(容積増加行程)を示し、(B)及び(C)は加圧室26の容積が減少する行程(容積減少行程)を示す。
まず、容積増加行程では、カム軸23(図1参照)の回転に伴い、プランジャ25が加圧室26の容積を大きくする側に(図3の下方向に)移動する。このとき、コイル41への通電は行われていないため、弁体部44aは弁スプリング46の付勢力により開位置に保持され、低圧側通路49と加圧室26とが連通される。これにより、図3(A)に示すように、低圧側通路49内の低圧燃料が加圧室26内に導入される。
容積減少行程では、カム軸23(図1参照)の回転に伴い、プランジャ25が加圧室26の容積を小さくする側に(図3の上方向に)移動する。このとき、コイル41への通電が行われる前のプレストローク期間では、弁スプリング46の付勢力により弁体部44aが開位置に保持されたままとなる。したがって、低圧側通路49と加圧室26とが連通されたままとなり、図3(B)に示すように、加圧室26の容積減少に伴い加圧室26内の燃料が低圧側に戻される。
また、容積減少行程において閉弁タイミングにてコイル41への通電が行われる燃料吐出期間では、弁体部44aが、弁スプリング46の付勢力に抗して閉側に変位することでシート部47に着座し、閉弁状態になる。これにより、低圧側通路49と加圧室26との連通が遮断され、プランジャ25の移動に伴い加圧室26内の燃料が昇圧される。そして、加圧室26内の燃料圧力が所定圧以上になると、燃料吐出弁36が開弁され、図3(C)に示すように、その開弁に伴い加圧室26内の高圧燃料がコモンレール側に圧送される。このように、高圧ポンプ22では、コイル41の通電制御により弁体部44aの閉弁期間が調整されており、これにより高圧ポンプ22の吐出量が制御されている。
ところで、近年、石油資源の枯渇に対する危惧や地球温暖化の緩和等を背景に、ガソリンや軽油等の石油燃料の代替としてDMEやアルコールなどが注目を集めており、内燃機関の燃料として実用化されている。特に、DMEは、軽油と同等のセタン価を有しており、また環境負荷が少ない等の観点から、ディーゼル燃料として用いることが検討されている。
しかしながら、DMEは、ディーゼル燃料として普及されている軽油と性状が種々異なり、例えばDMEは軽油に比べて発熱量が低い発熱量の燃料である。そのため、DMEにおいて軽油と同等の出力を得るには軽油よりも多くの燃料が必要となる。つまり、高圧ポンプ22におけるポンプ吐出量を軽油に比べて多くする必要がある。
高圧ポンプ22の吐出量を多くする手段として、例えばプランジャ25の径を大きくすることにより1回あたりの吐出量を増加させることが考えられる。ところが、DMEは粘性が非常に小さいという特性を有するため、プランジャ径を大きくすることでシリンダ32とプランジャ25との隙間からリークする燃料量が増加してしまうおそれがある。また、プランジャ25のストロークを大きくすることで1回あたりの吐出量を増加させることも考えられるが、その場合、燃料吐出時の圧力変動が大きくなり、脈動が大きくなることが懸念される。
そこで本実施形態では、クランク軸14とカム軸23との回転速度の比(カム回転比)を切替可能な変速機構60をカム軸23に設け、カム軸23の回転速度をエンジン運転状態に応じて可変にしている。変速機構60として本実施形態では、複数段(例えば2段や3段)からなるギア機構を設け、ECU70からの制御信号に基づいてそのギア比Grを変更する。例えば変速機構60が2段のギアを備える場合、そのギア比を2:1と1:1とで構成する。この場合、ギア比が2:1から1:1に切り替えられることでカム軸23の回転速度が大きくなり、プランジャ25の往復移動の回数が多くなる結果、ポンプ吐出量が増加される。
その反面、プランジャ25の往復移動の速度(カム軸23の回転速度)が相違する場合、その速度に応じて加圧室26内の燃料圧力が相違することが考えられる。すなわち、カム軸23の高回転時と低回転時とでは、弁体部44aの閉弁タイミングが同じであっても、加圧室26内から低圧側への燃料の戻り量が異なり、高回転時の方が燃料の戻り量が少ないことが考えられる。そのため、カム軸23の高回転時では低回転時よりも加圧室26内の燃料圧力が大きくなり、その結果、弁体部44aに対して閉弁側に作用する力(燃料圧力)がカム軸23の高回転時に大きくなることが考えられる。特に、上記のようにカム軸23に変速機構60を設けることでカム軸23の回転速度を可変とした場合には、カム軸23の回転速度の幅が広がり、加圧室26内の燃料圧力の相違が顕著となる。かかる場合、カム軸23の高回転時におけるプレストローク期間において、コイル41の非通電時であるにもかかわらず、加圧室26の燃料圧力が弁スプリング46の付勢力に打ち勝つことにより、弁体部44aが閉位置に変位する(自閉する)ことが考えられる。つまり、吐出量制御弁40の閉弁タイミングよりも前の時点で吐出量制御弁40が閉弁されることが考えられる。かかる場合、プレストローク期間に燃料の戻しを行うことができないため、燃料の調量を適正に行うことができず、結果としてレール圧を適正に制御できないおそれがある。
そこで、本実施形態では、カム軸23の回転速度(ポンプ回転速度Np)に基づいて、プレストローク期間におけるコイル41の通電状態を制御している。具体的には、ポンプ回転速度Npの低回転時には、プレストローク期間での加圧室26内の圧力上昇が小さく、弁体部44aの自閉現象が発生するおそれが少ないため、閉弁タイミングにてコイル41に第1電圧V1(V1>0)を印加することにより、コイル41の通電状態を非通電から第1通電に切り替える。一方、ポンプ回転速度Npの高回転時には、プレストローク期間での加圧室26内の圧力上昇が大きいため、その燃料圧力により弁体部44aが自閉してしまうのを防止するために、同期間においてコイル41に第2電圧V2(V2<0)を印加することにより第2通電を実施するとともに、閉弁タイミングにて第2通電から第1通電に切り替える。これにより、ポンプ回転速度Npにかかわらず閉弁タイミングにて弁体部44aが閉弁されるようにする。
図4は、ポンプ回転速度Npが、弁体部44aの自閉が発生する程度に高回転の場合における吐出量制御弁40の通電状態の推移を示すタイムチャートである。なお、ポンプ回転速度Npが、弁体部44aの自閉が発生しない程度の低回転の場合には、吐出量制御弁40の通電状態を上記図3に示す通電状態としており、コイル41に対して第2通電を実施しない。
図4に示すように、容積増加行程では、コイル41の通電状態を非通電とすることにより、吐出量制御弁40を開弁状態としている。続く容積減少行程のプレストローク期間では、そのまま吐出量制御弁40の開弁状態を維持することで、加圧室26内に吸入した燃料を低圧側に戻す。本実施形態では、このプレストローク期間において、閉弁タイミングta直前の所定期間を自閉発生期間Tbとし、その自閉発生期間Tbで第2通電を実施する。これにより、コイル41において開弁側の電磁力が発生し、この電磁力と弁スプリング46とにより、加圧室26内の燃料圧力に抗して弁体部44aが開位置に保持される。
なお、自閉発生期間Tbについて本実施形態では、カム軸23が所定の高回転の場合に弁体部44aの自閉が発生する期間を予め定めておき、その期間を自閉発生期間Tbとする。この自閉発生期間Tbは、ポンプ回転速度Npにかかわらず一定の長さにしてもよいし、ポンプ回転速度Npに応じて可変にしてもよい。
そして、閉弁タイミングtaになった時点で、吐出量制御弁40の通電状態を第2通電から第1通電に切り替える。これにより、コイル41における閉弁側の電磁力により弁体部44aがシート部47に着座し、吐出量制御弁40が閉弁状態になる。
次に、ECU70のマイコン71によって実行される吐出量制御弁40の開閉処理について説明する。図5は、吐出量制御弁40の開閉処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、マイコン71により所定周期毎に実行される。
図5において、まずステップS11では、エンジン回転速度NEとアクセル開度ACCとから目標レール圧Pctを算出する。続くステップS12では、レール圧の実際値Pcaを目標値Pctにするためのギア比Gr及び閉弁タイミングtaを算出する。ここでは、レール圧の実際値と目標値Pctとの偏差と、クランク角度センサ15により検出されるエンジン回転速度NEとから最適なギア比Gr及び閉弁タイミングtaを例えば図示しないマップを用いて設定する。
ステップS13では、ポンプ回転速度Npが、弁体部44aの自閉が発生するおそれがある高回転領域に予め定められた自閉発生速度Npth以上か否かを判定する。ここでのポンプ回転速度Npは、変速機構60の現在のギア比Grと、クランク角度センサ15で検出されるエンジン回転速度NEとから算出する。なお、カム軸23の回転速度を検出するセンサをカム軸23の近傍に設け、同センサの値に基づいてポンプ回転速度Npを算出してもよい。
ポンプ回転速度Npが自閉発生速度Npth未満であれば、ステップS14へ進み、吐出量制御弁40の開閉処理として例えば以下に示す通常時制御を実施する。
図6は、通常時制御のサブルーチンを示すフローチャートである。図6において、まずステップS21では、クランク角度センサ15の検出信号に基づいて容積増加行程か否かを判定する。容積増加行程の場合には、ステップS22へ進み、コイル41の通電状態を非通電のままにする。一方、容積増加行程でない場合、つまり容積減少行程の場合には、ステップS23へ進み、燃料吐出期間か否かを判定する。燃料吐出期間であればステップS24へ進み、コイル41の通電状態を第1通電にし、燃料吐出期間でない、つまりプレストローク期間であれば、コイル41の通電状態をそのまま非通電とする。
図5のフローチャートの説明に戻り、ポンプ回転速度Pcが自閉発生速度Npth以上の場合には、ステップS13で肯定判定がなされ、ステップS15へ進み、閉弁タイミングtaの直前の自閉発生期間Tbであるか否かを判定する。自閉発生期間Tbでない場合にはステップS14へ進み、通電時制御を実行する。一方、自閉発生期間Tbであれば、ステップS16へ進み、コイル41の通電状態を第2通電にする。
以上詳述した実施形態によれば以下の優れた効果が得られる。
カム軸23の回転速度(ポンプ回転速度Np)に基づいて吐出量制御弁40の通電状態を制御する構成としたため、弁スプリング46による開弁側の付勢力、コイル41への第1通電による閉弁側の電磁力、及び加圧室26内の燃料圧力の三者において、ポンプ回転速度Npに応じて適正なバランスが維持される。したがって、吐出量制御弁40を適正な時期に開閉させることができ、ひいては高圧ポンプ22の吐出量制御を適正に実施することができる。
ポンプ回転速度Npが自閉発生速度Vpth以上の場合に、加圧室26内の燃料圧力により吐出量制御弁40が閉弁してしまうおそれのある期間(自閉発生期間Tb)を燃料吐出期間の直前に定め、その自閉発生期間Tbにおいてコイル41の通電状態を第2通電にする構成としたため、吐出量制御弁40の閉弁期間を適正にすることができる。また、ポンプ回転速度Npが自閉発生速度Vpth未満の場合には同期間での吐出量制御弁40の通電状態を非通電にする(第2通電を実施しない)ことにより、吐出量制御弁40での電力消費を抑制することができる。
プレストローク期間の後半ほど加圧室26内が高圧になりやすく、燃料圧力により弁体部44aが閉側に変位しやすいところ、プレストローク期間において燃料吐出期間の直前に自閉発生期間Tbを定める構成としたため、適正な閉弁タイミングで吐出量制御弁40を閉弁させる上で好適である。
エンジンのクランク軸14に対するカム軸23の回転速度の比を可変にする変速機構60を設ける構成としたため、変速機構60を設けない構成よりもポンプ回転速度Npを高くすることができ、その結果、ポンプ吐出量を増加させることができる。また、ポンプ回転速度Npを大きくすることにより加圧室26内の圧力が上昇し、吐出量制御弁40の自閉が生じやすいところ、ポンプ回転速度Npに基づいて吐出量制御弁40の通電状態を制御することにより吐出量制御弁40の自閉現象の発生を抑制することができ、吐出量制御弁40を適正な時期に開閉させるといった効果を好適に得ることができる。
本実施形態のディーゼルエンジンは軽油よりも発熱量が低いDMEを燃料としているため、軽油よりも高圧ポンプ22の要求吐出量が多くなり、これにより吐出量制御弁40の自閉現象が発生しやすいところ、ポンプ回転速度Npに基づいて吐出量制御弁40の通電状態を制御することにより吐出量制御弁40の自閉現象の発生を抑制することができ好適である。
また、加圧室26から低圧側通路49に燃料が戻る際、プランジャ25と弁体部44aとの間のプレート45に形成された貫通孔45aを燃料が通過するため、加圧室26内から低圧側通路49への燃料の戻り速度が遅く、プレストローク期間において加圧室26内の燃料圧力が高くなりやすいところ、プレストローク期間に第2通電を実施する構成とすることにより、加圧室26内の燃料圧力によって吐出量制御弁40が自閉するのを好適に抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1の実施形態では、容積減少行程のうち燃料を吐出する直前のプレストローク期間において、ポンプ回転速度Vpに応じてコイル41に対し弁体部44aを閉弁させる側とは逆向きの通電を実施する構成としたが、本実施形態では、燃料吐出期間において、ポンプ回転速度Vpに応じてコイル41の印加電圧の大きさを可変にする構成とする。
詳細には、加圧室26内の燃料圧力により弁体部44aが自閉するのを抑制するための方法として、上記第1実施形態のようにプレストローク期間において第2通電を実施する以外に、弁スプリング46の弾性率を大きくすることで弁スプリング46を外力に対して変形しにくくすることが考えられる。そこで、本実施形態では、吐出量制御弁40の自閉現象が、カム軸23が高回転ほど生じやすいことに着目し、カム軸23の高回転時を基準に弁スプリング46の弾性率を定めている。つまり、弁スプリング46の弾性率は、加圧室26側から弁体部44aに作用する燃料圧力を基に定められている。
ところが、カム軸23の高回転時を基準に弁スプリング46の弾性率を定めた場合、カム軸23の低回転時に吐出量制御弁40が閉弁されないことが考えられる。すなわち、カム軸23の低回転時には高回転時に比べて加圧室26内の圧力上昇が小さくなるため、プレストローク期間において加圧室26内の燃料圧力により弁体部44aが閉弁側に変位しない程度に弁スプリング46の弾性率を大きくすると、燃料吐出期間においてコイル41への通電を実施した際に、弁スプリング46の付勢力に抗して弁体部44aを閉側に変位できないことが考えられる。
そこで本実施形態では、カム軸23の回転速度に応じてコイル41の印加電圧の大きさを可変にする。具体的には、カム軸23の回転速度が低いほど、弁体部44aを閉弁側に変位させる方向の印加電圧が大きくなるよう通電部52を制御する。これにより、カム軸23の低回転時において吐出量制御弁40が閉弁されるようにする。つまり、本実施形態では、弁スプリング46の弾性率を大きくすることで吐出量制御弁40の自閉現象を抑制する。また、弁スプリング46の弾性力を大きくしたのに伴い吐出量制御弁40が閉弁されない状態を回避するために、ポンプ回転速度Npに基づいてコイル41の印加電圧を制御する。
次に、マイコン71によって実行される吐出量制御弁40の開閉処理について説明する。図7は、吐出量制御弁40の開閉処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、マイコン71により所定周期毎に実行される。
図7において、まずステップS31では、エンジン回転速度NEとアクセル開度ACCとから目標レール圧Pctを算出し、ステップS32では、ギア比Gr及び閉弁タイミングtaを算出する。続くステップS33では、現在のギア比Grとクランク角度センサ15で検出されるエンジン回転速度NEとに基づいてポンプ回転速度Npを算出する。
ステップS34では、ポンプ回転速度Npに基づいてコイル41の印加電圧Vsを算出する。印加電圧Vsの算出について本実施形態では、ポンプ回転速度Npと印加電圧Vsとの関係を予めマップとして記憶しておき、同マップを用いてポンプ回転速度Npからコイル41の印加電圧Vsを算出する。
図8に、ポンプ回転速度Npと印加電圧Vsとの関係の一例を示す。図8によれば、ポンプ回転速度Npが大きいほど印加電圧Vsを小さい値にしている。
図7の説明に戻り、続くステップS35では、吐出量制御弁40の閉弁タイミングtaか否かを判定し、閉弁タイミングtaであれば、コイル41に電圧印加して本ルーチンを終了する。
図9は、吐出量制御弁40の通電状態の推移を示すタイムチャートである。図9のうち、コイル印加電圧Vs中の実線は、ポンプ回転速度Npが低回転速度V1の場合を示し、一点鎖線は、ポンプ回転速度Npが低回転速度V1よりも高い高回転速度V2の場合を示す。
図9に示すように、吐出量制御弁40の閉弁タイミングtaにおいて、ポンプ回転速度Npが高回転速度V2では、コイル印加電圧Vsを第1電圧値Vs1にしている。これに対し、低回転速度V1では、コイル印加電圧Vsを第1電圧値Vs1よりも高い第2電圧値Vs2にしている。
以上詳述した実施形態によれば以下の優れた効果が得られる。
ポンプ回転速度Npが低いほどコイル41の印加電圧を大きくする構成としたため、吐出量制御弁40において、開弁側の付勢力、閉弁側の電磁力及び加圧室26内の燃料圧力の三者におけるバランスをポンプ回転速度Npに応じて定めることができる。これにより、吐出量制御弁40の閉弁期間を適正にすることができる。
カム軸23の高回転時を基準に弁スプリング46の弾性率を定める構成としたため、カム軸23の高回転時に発生しやすい自閉現象を抑制することができる。
ポンプ回転速度Npが低回転ほどコイル41の印加電圧Vsを大きくし、高回転ほどコイル41の印加電圧Vsを小さくしている、つまり自閉現象が発生する度合いに合わせて印加電圧Vsが定められているため、吐出量制御弁40での電力消費を抑制することができる。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記第1の実施形態では、ポンプ回転速度Npが所定速度(自閉発生速度Npth)以上の場合にコイル41に対し第2通電を実施する構成としたが、ポンプ回転速度Npが大きいほど弁体部44aが閉側に変位するよう第2通電の印加電圧を大きくする構成としてもよい。
・上記第1の実施形態では、燃料吐出期間直前のプレストローク期間に、ポンプ回転速度Npに基づいてコイル41の第2通電を実施することについて説明したが、更に、燃料吐出期間直後の吸入行程において、ポンプ回転速度Npに基づいてコイル41の通電方向を変更する構成としてもよい。燃料吐出期間直後では、カム軸23が高回転であれば、プランジャ25が加圧室26の容積を増加させる側へ移動する速度が早いため、加圧室26内の燃料圧力が低圧になりやすいことが考えられる。そのため、弁スプリング46による弁体部44aの開弁方向の付勢力が加圧室26の燃料圧力よりも大きくなり、その結果、弁体部44aがシート部47から離間し、吐出量制御弁40が開弁状態になる。
一方、カム軸23が低回転の場合には、プランジャ25が加圧室26の容積を増加させる側へ移動する速度が遅いため、加圧室26内の燃料圧力が低圧になりにくいことが考えられる。そのため、弁スプリング46による弁体部44aの開弁方向の付勢力が加圧室26の燃料圧力よりも小さく、吸入行程に至った場合であっても、弁体部44aがシート部47に着座したまま閉弁状態が保持されることが考えられる。かかる場合、加圧室26内に低圧燃料を導入することができず、高圧ポンプ22の吐出量制御を適正に実施できないおそれがある。
そこで、燃料吐出期間直後の吸入行程において、ポンプ回転速度Npに応じてコイル41の通電状態を設定する。具体的には、図10に示すように、例えばポンプ回転速度Npが所定の低回転速度以下の場合に、燃料吐出期間直後の所定期間(図10中のTA1及びTA2の期間)、コイル41に対して弁体部44aを開側に変位させる方向への通電を実施する。これにより、コイル41とアマーチャ42との間に反発力が生じ、その反発力により弁体部44aがシート部47から離間する。したがって、本構成によれば、吸入行程において弁体部44aを開弁させることができ、ひいては高圧ポンプ22の吐出量制御を適正に実施することができる。また、ポンプ回転速度Npとは無関係に、燃料吐出期間直前のプレストローク期間及び燃料吐出期間直後の吸入行程に第2通電を実施する構成としてもよい。
・吐出量制御弁40の閉弁タイミングtaに応じてコイル41に対して第2通電を実施する構成としてもよい。閉弁タイミングtaがプランジャ25の上死点に近付くほど加圧室26内の燃料圧力が高くなりやすいため、吐出量制御弁40の自閉が生じやすいことが考えられる。したがって、閉弁タイミングtaがプランジャ25の上死点近くの所定時点以降の場合にコイル41に対して逆通電を実施する。こうすることで、コイル41への第2通電の頻度を低減させつつ吐出量制御弁40の自閉を好適に抑制することができる。
・弁体部44aが加圧室26内に配置され、その弁体部44aが、プランジャ25側に変位することで開弁状態になり、プランジャ25から離間する側に変位することで閉弁状態になる構成の吐出量制御弁40について説明したが、弁体部44aが加圧室26内に配置されていない構成の吐出量制御弁を本発明に適用してもよい。例えば、吐出量制御弁40について、加圧室26の外部に弁体部44aを配置し、その弁体部44aが、弁スプリング46によりプランジャ25から離間する側に変位することで開弁状態となり、コイル41への通電によりプランジャ25側に変位することで閉弁状態となる構成とする。かかる場合、容積減少行程の燃料吐出期間(吐出量制御弁40の閉弁期間)において、加圧室26と低圧側通路49との連通が遮断された状態になっているにもかかわらず、加圧室26内の圧力上昇により弁体部44aの閉弁状態が解除され、弁体部44aが開弁してしまうことが考えられる。したがって、かかる構成においても、カム軸23の回転速度に応じてコイル41の通電制御を実施するとよい。具体的には、燃料吐出期間において、カム軸23が高回転であるほど弁体部44aを閉側に変位させるための通電量を大きくする。あるいは、燃料吐出期間での弁体部44aの開弁を回避するために弁スプリング46の弾性率を小さくした場合、プレストローク期間において、カム軸23の低回転時に弁体部44aを閉側に変位させる通電とは逆向きの通電を実施する。
・クランク軸14に対するカム軸23の回転速度の比を可変にする変速機構60を備える構成を本発明に適用したが、変速機構60を備えない構成に本発明を適用してもよい。また、変速機構60を、複数段を有するギア機構としたが、クランク軸14に対するカム軸23の回転速度の比を連続的に変化させる無段変速機構としてもよい。無段変速機構の構成は特に限定せず、例えばベルト式やトロイダル式とする。
・コイル41の通電制御を印加電圧により行う構成としたが、印加電流により行う構成としてもよい。かかる場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態では、ディーゼル燃料としてDMEを含む燃料を用いる場合について説明したが、内燃機関の燃焼に伴う発熱量が軽油よりも低い燃料として例えばアルコールなどのDME以外の燃料を用いてもよいし、あるいは軽油を用いてもよい。また、内燃機関としてディーゼルエンジンを用いる構成としたが、ガソリンエンジンを用いる構成としてもよい。例えば、本発明を、直噴用ガソリンエンジンの燃料供給システムの制御装置にて具体化してもよい。
14…クランク軸(駆動軸)、20…燃料ポンプ、21…低圧ポンプ、22…高圧ポンプ、23…カム軸(回転軸)、25…プランジャ、26…加圧室、34…軸スプリング、40…吐出量制御弁(制御弁)、41…コイル(電磁部)、44…ニードル、44a…弁体部、45…プレート、46…弁スプリング(付勢手段)、47…シート部、49…低圧側通路、50…コイル駆動回路、52…通電部、60…変速機構、70…ECU、71…マイコン。

Claims (4)

  1. 内燃機関の駆動軸により駆動される回転軸の回転に伴い往復移動し加圧室の容積を可変とするプランジャと、前記加圧室と低圧側通路との連通を開閉する弁体部を有し該弁体部が付勢手段により開位置に保持されるとともに電磁部の通電により閉位置に変位する制御弁と、を備える高圧ポンプに適用され、前記加圧室の容積が減少される容積減少行程において前記制御弁が閉状態に制御されることで前記加圧室内の燃料が高圧側通路に吐出される高圧ポンプの制御装置であって、
    前記電磁部に対して通電を行う通電手段は、前記弁体部を閉側に変位させる第1通電と該第1通電とは逆向きの第2通電とを行うものであり、
    前記回転軸の回転速度に基づいて、前記制御弁の閉弁制御期間及び開弁制御期間の少なくともいずれかにおける前記電磁部の通電状態を制御するとともに、前記制御弁を閉状態とする燃料吐出期間で前記通電手段による第1通電を実施し、同燃料吐出期間の前後少なくともいずれかで前記通電手段による第2通電を実施する通電制御手段を備え
    前記容積減少行程において前記制御弁を閉状態とする燃料吐出期間の直前にプレストローク期間が設定されており、
    前記通電制御手段は、前記プレストローク期間において前記燃料吐出期間の直前に設定した所定期間にて前記第2通電を実施することを特徴とする高圧ポンプの制御装置。
  2. 前記電磁部に対して通電を行う通電手段は、前記電磁部への印加電圧又は印加電流を可変とするものであり、
    前記通電制御手段は、前記制御弁を閉状態とする燃料吐出期間で前記回転軸の回転速度に基づいて印加電圧又は印加電流を可変制御する請求項1に記載の高圧ポンプの制御装置。
  3. 前記高圧ポンプに、前記駆動軸に対する前記回転軸の回転速度の変速比を可変にする変速機構が設けられ、
    前記変速機構の変速比を制御する制御手段を備える請求項1又は2に記載の高圧ポンプの制御装置。
  4. 前記高圧ポンプは、前記内燃機関での燃焼に伴う発熱量が軽油よりも低い発熱量の燃料を吸入して吐出するものである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高圧ポンプの制御装置。
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