JP4411871B2 - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極にて光を反射させ、それにより光の取り出し効率を向上させた窒化物半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の窒化物半導体からなる発光ダイオード(以下、「LED」という)は、主にサファイア等の絶縁体を基板として用いるために、p電極、n電極が共に同一面側に配置される場合が多い。p電極としては半導体の大部分に設けられた光透過部と、その上に設けられたワイヤ、ハンダ等導電性部材を接続するパッド部とから構成される。光透過部はパッド部から注入された電流を半導体に広げると共に、LEDからの光を透過して取り出すためのものである。また、n電極は直下に発光領域が存在しないために比較的狭い領域に配置される。このため、p電極と異なり、n電極は一体に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平08−250540号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電極構造は光の取り出しを考慮しておらず、LEDからの光の一部がp電極のパッド部及びn電極に吸収されてしまうという問題があった。しがたって、本発明はこのような問題を解決する窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、p電極を備えるp型窒化物半導体とn電極を備えるn型窒化物半導体を少なくとも有する窒化物半導体発光素子に関する。特に、n電極は、n型窒化物半導体側から順に、Ti、Nb、ITOの少なくとも一種からなる第1の層と、Rhからなる第2の層と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明は、p電極を備えるp型窒化物半導体とn電極を備えるn型窒化物半導体を少なくとも有する窒化物半導体発光素子に関する。特に、p電極は、窒化物半導体素子からの光の少なくとも一部を透過する光透過部と、導電性部材が接続されるパッド部とからなり、n電極及びパッド部はそれぞれ、窒化物半導体側から順に、Ti、Nb、ITOの少なくとも一種からなる第1の層と、Rhからなる第2の層と、を備えることを特徴とする。
【0007】
光透過部は、Ni/AuまたはITOからなることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係るLEDを構成する各半導体層としては種々の窒化物半導体を用いることができる。具体的には、有機金属気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HVPE)などにより基板上にInAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の半導体を複数形成させたものが好適に用いられる。また、その層構造としては、MIS接合、PIN接合やPN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙げられる。また、各層を超格子構造としたり、活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることもできる。
【0010】
LEDは、一般的には、特定の基板上に各半導体層を成長させて形成されるが、その際、基板としてサファイア等の絶縁性基板を用いその絶縁性基板を最終的に取り除かない場合、通常、p電極およびn電極はいずれも半導体層上の同一面側に形成されることになる。この場合、フェイスアップ実装すなわち半導体層側を視認側に配置し発光された光を半導体層側から取り出すことも可能であるし、フェイスダウン実装すなわち基板側を視認側に配置し発光された光を基板側から取り出すことも可能である。もちろん、最終的に基板を除去した上で、フェイスアップ実装或いはフェイスダウン実装することもできる。なお、基板にはサファイアに限定されず、例えば、スピネル、SiC、GaN、GaAs等、公知の部材を用いることができる。また、基板としてSiC、GaN、GaAs等の導電性基板を用いることによりp電極及びn電極を対向して配置させることもできる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのLEDを例示するものであって、本発明のLEDを以下のものに特定するものではない。さらに、各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。
(実施の形態1)
図1、2に基づいて、本実施の形態のLEDについて説明する。本実施の形態のLEDは、図に示すように同一面側にp電極およびn電極を配置したLEDである。図2は、本実施の形態のLEDを電極配置面側から見た概略図である。また、図1は、本実施の形態のLEDの層構成を示す模式的断面図であり、図2のX−X部における断面を表す。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態のLEDは、例えば、サファイア基板1上にGaNバッファ層2、ノンドープGaN層3、n型コンタクト層となるSiドープGaN層4、n型クラッド層となるSiドープGaN層5、活性層となるInGaN層6、p型クラッド層となるMgドープAlGaN層7、p型コンタクト層となるMgドープGaN層8が、順次積層された層構造を有する。さらに、MgドープGaN層8、MgドープAlGaN層7、InGaN層6、SiドープGaN層5、SiドープGaN層4が部分的にエッチング等により除去され、SiドープGaN層4の露出面にn電極9が形成され、MgドープGaN層8の上面の略全面にp電極10が設けられている。なお、本実施の形態では、特許請求の範囲に記載するn型窒化物半導体がn型コンタクト層となるSiドープGaN層4に対応し、p型窒化物半導体がp型コンタクト層となるMgドープGaN層8に対応している。
【0013】
本実施の形態において、n電極9は、n型コンタクト層4側から順に、第1の層9−1と、LEDからの光の主波長において第1の層10b−1よりも反射率の高い第2の層9−2とから少なくとも構成される。さらに、p電極10は、LEDからの光の少なくとも一部を透過する光透過部10a(以下「p光透過部」という)と、最終的に外部リードと電気的に接続するために導電性部材が接続されるパッド部10b(以下「pパッド部」という)とからなり、さらにpパッド部10bはp型コンタクト層8側から順に、第1の層10b−1と、LEDからの光の主波長において、第1の層10b−1よりも反射率の高い第2の層10b−2とから少なくとも構成される。
【0014】
なお、n電極9及びpパッド部10bにおいて第1の層はLEDからの光の少なくとも一部を透過するように機能する。ここで、n電極9とpパッド部10bの第1の層は、反射率を低く抑え光を透過させることを目的の1つとするので、その膜厚は材料によっても異なるが10〜300Å、より好ましくは20〜200Åとすることができる。
【0015】
n電極の第1の層を構成する材料は特に限定されるものではないが、Ti、V、Cr、Mn、Co、Zn、Nb、Mo、Ru、Ta、Re、W、Ni、Mg、Zr、In、Sn、ITOの少なくとも一種を好適に用いることができる。その中でも、n型コンタクト層4との接着性、接触抵抗、光透過性を総合的に考慮すると、Ti、Nb、ITO、さらに好ましくはTi、Nb、さらに好ましくはTiを好適に用いることができる。
【0016】
また、pパッド部10bの第1の層を構成する材料は特に限定されるものではないが、n電極の第1の層と同様にTi、V、Cr、Mn、Co、Zn、Nb、Mo、Ru、Ta、Re、W、Ni、Mg、Zr、In、Sn、ITOの少なくとも一種をを好適に用いることができる。その中でも、p光透過部10aの接着性、光透過性を総合的に考慮すると、p電極の光透過部が例えばNi、Au等の主として金属材料からなる場合はTi、Nb、ITO、さらに好ましくはTi、Nb、さらに好ましくはTiを好適に用いることができる。なお、p電極の光透過部が例えばITO等の主として酸素原子を必須とする材料からなる場合は特に接着性を考慮して第1の層を選択することが好ましい。
【0017】
さらに、本件発明においては、n電極9及びpパッド部10bの第1の層に酸素原子を含むように構成することが好ましい。この場合、酸素原子導入の程度は、酸素原子を導入することにより第1の層自体が絶縁性になり、それにより接触抵抗を阻害することがない程度に酸素原子を導入することはいうまでもない。このように構成することにより、第1の層を構成する材料自体の持つ透光性を、さらに向上させることができるので、結果として光の取り出し効率を向上させることができる。
【0018】
第1の層に酸素原子を含ませるには、第1の層及び第2の層を含む部位全体を形成した後、酸素を含む雰囲気にて熱処理すればよい。より好ましくは、第1の層のみを形成した後、酸素を含む雰囲気にて熱処理することにより、第1の層中に酸素を効果的に導入することができる。第1の層に酸素原子を積極的に含有させることにより、第1の層自体の透光性を向上させることができるので、第2の層にてLEDからの主に主波長の光をより効果的に反射させることができる。さらに、反応性スパッタリング、イオンビームアシスト蒸着等により、第1の層に酸素原子を含有させることができるが、工程の容易さ等から前述した熱処理が最も優れている。
【0019】
n電極9及びp電極10の第2の層は、第1の層を透過した光を反射させると共に、特にn電極の場合、第1の層と一体となってより低い接触抵抗が得られる材料が選択される。第2の層は、光を反射させることを主な目的とするので、その膜厚は材料によっても異なるが100Å以上、より好ましくは150Å以上にすることができる。また、膜厚の上限としては、製造効率を考慮して、2000Å以下が好ましい。なお、第2の層を構成する材料は特に限定されるものではないが、Ag、Rh、Al、Pt、Pd、Irの少なくとも一種を好適に用いることができる。その中でも、第1の層との接着性、接触抵抗(特にn電極)、光反射性を総合的に考慮すると、Rh、Al、Agが特に好ましい。さらに、Alは拡散、Agはマイグレーション等が問題となる可能性があるので、信頼性を加味するとRhが最も好ましい。
【0020】
本実施の形態のLEDは、n電極9及びpパッド部10bが共に同様の構成となっている。このように構成することにより、n電極及びpパッド部において、光を反射させ光の取り出し効率の向上が期待できると共に、n電極とpパッド部を同時に形成することができるので、製造工程を簡略化することが可能となる。
【0021】
また、pパッド部10bは、基本的にp型コンタクト層8との接触抵抗(オーミック接触)を考慮する必要がないので(p光透過部10aがp型コンタクト層8とオーミック接触するため、pパッド部10bを変化させても接触抵抗にあまり差がでない)、その部材、積層構造をn電極と同一にしn電極と一括して形成した方が、作業効率等を考慮すると結果的には好ましい。
【0022】
なお、ここではn電極9とpパッド部10bの双方が、本件発明における第1の層及び第2の層を備える構成としたが、少なくとも一方が第1の層及び第2の層を備える構成とすることにより、本件発明の効果を得ることができる。勿論、本実施の形態のように、n電極とpパッド部の双方を上記構成とすることによりその効果を最大限に得られることは言うまでもない。
(実施の形態2)
図3、4に基づいて、本実施の形態のLEDについて説明する。本実施の形態のLEDはp電極が実施の形態1のLEDと下記の点で異なる他は、実施の形態1のLEDと同様である。図4は、本実施の形態のLEDを電極配置面側から見た概略図である。また、図3は、本実施の形態のLEDの層構成を示す模式的断面図であり、図4のX−X部における断面を表す。
【0023】
本実施の形態のLEDは、p光透過部10aとpパッド部10bが共に、p型コンタクト層8に接している。詳細には、p光透過部10aはp型コンタクト層8が露出した開口部を有し、その開口部の露出面にてpパッド部10bがp型コンタクト層8と接している。なお、図4における点線はこの開口部を示すものである。
【0024】
このように構成することにより、例え、p型コンタクト層8に対してp光透過部10aの接着性が弱くても、及び/又はp光透過部10aに対してpパッド部10bの接着性が弱くても、pパッド部10bをp型コンタクト層8に直接配置することができるので、p光透過部10a上にpパッド部10bを設けるよりも、pパッド部10bの剥がれを大幅に軽減することができる。すなわち、本実施の形態は、pパッド部10bのp型コンタクト層8に対する接着性が、p光透過部10aのp型コンタクト層8に対する接着性と、pパッド部10bのp光透過部10aに対する接着性の少なくとも一方よりも強い場合に特に有効な構成である。
【0025】
なお、本実施の形態では、p光透過部10aがp型コンタクト層8が露出した開口部を有する構成としたが、本件発明はこれに限定されず、例えば、pパッド部10bとp光透過部10aがずれて配置されることにより、pパッド部10bをp型コンタクト層8に直接設けても良い。
(実施例1)
図1、2に基づいて、本実施例のLEDについて説明する。本実施例の半導体積層構造は実施の形態1と同様である。
【0026】
本実施例のLEDに設けられるn電極9及びpパッド部10bの第1の層9−1にはTi、第2の層にはRhを用い、n電極及びpパッド部10bの全体としてはTi(60Å)/Rh(200Å)/Pt(2000Å)/Au(5000Å)とした。なお、「Ti/Rh/Pt/Au」は記載順に半導体側から積層することを示し、n電極9においては、Ti/Rh/Pt/Auがそれぞれ図1の9−1、9−2、9−3、9−4に対応し、pパッド部10bにおいてはTi/Rh/Pt/Auがそれぞれ図1の10b−1、10b−2、10b−3、10b−4に対応する。また、本実施例においてp光透過部10aにはNi(60Å)/Au(70Å)を形成した。Ni/Auは後の酸素雰囲気における熱処理によりその大半が入れ替わる構成となる。
【0027】
Tiは直下の部材(n電極の場合はn型コンタクト層4、p電極の場合は光透過部10a)との密着性、接触抵抗(特にn電極の場合)、透光性等を考慮して選択した。Rhは、Tiとの密着性、接触抵抗は勿論、窒化物半導体を活性層とする波長370〜500nmの光に対する反射率が良いことを主な理由として選択した。さらに、PtはRhがAuに、又はAuがRhに拡散するのを軽減するためのバリア層として用い、最終層のAuは、Auワイヤーを接続しやすくするために採用した。
【0028】
なお、RhはRh単体で、又はPtと一体となって、Au又はPtの拡散を軽減するためのバリア層としても機能すると考えられる。このように比較的高融点の材料を複数用いることにより、その前後の部材の拡散を効果的に軽減することができる。ちなみに、Tiの融点は1667℃、Rhの融点は1960℃、Ptの融点は1769℃、Auの融点は1064である。なお、Auの拡散防止機能は多少落ちるものの、Ptを用いずにTi/Rh/Auとすることも可能である。
【0029】
第1の層としてのTiを用いずに、第2の層であるRhをn型コンタクト層4に直接形成すると、370〜550nmの光に対する反射率は飛躍的に向上するものの、n型コンタクト層4との接触抵抗が大きくなり、LEDとして十分に機能しない。また、Tiを300Å以上にすると、370〜550nmの光に対する反射率が低下するばかりか、n型コンタクト層4との接触抵抗も大きくなってしまう。本願発明者は、このような実験結果をもとに、Ti/Rh系においては、Tiの膜厚は10〜300Å、好ましくは20〜200Å、より好ましくは30〜120Å、さらに好ましくは40〜80Å、より好ましくは50〜70Åとすることにより、n型コンタクト層4との接触抵抗と光反射率を両立して得ることができることを見いだした。
【0030】
下記表に、後に記載する比較例におけるn型コンタクト層4との接触抵抗、及び400nm、460nm、500nmにおける光反射率を基準として、本実施例におけるTi膜厚によるn型コンタクト層4との接触抵抗及び400nm、460nm、500nmにおける光反射率の相対的な大きさを示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004411871
【0032】
表より明らかなように、本実施の形態のn電極においては、上記したTi膜厚範囲において接触抵抗及び光反射率が両立して得られることが理解できる。さらに、Ti膜厚40〜80Åの場合には、接触抵抗及び光反射率の双方が比較例よりも優れていた。また、Ti膜厚30Å、200Åにおいては、比較例と比較して一見接触抵抗が大きくなっているように見える。しかしながら、比較例の接触抵抗は十分に低く、比較例の20倍程度の大きさならLEDとして充分に使用できる。なお、表には実験したTi膜厚のうち、代表的なTi膜厚のみを示している。また、表における接触抵抗はTLM法により算出したものであり、各波長における反射率は分光反射率測定により算出したものである。
【0033】
さらに、本実施例のLEDにおいては、n電極9及びpパッド部10bを同時に形成した後に酸素雰囲気にて熱処理を施した。これにより、第1の層であるTiに酸素原子を積極的に含有させることができ、第1の層の透光性を向上させることができる。なお、酸素原子の確認は二次イオン質量分析法を用いて行った。
(実施例2)
図3、4に基づいて、本実施例のLEDについて説明する。本実施例のLEDは、p電極10が異なる他は実施例1のLEDと同様に構成する。
【0034】
すなわち、p光透過部10aとしてNiおよびインジウム・スズ酸化物であるITOを用い、pパッド部10bとして実施例1と同様にTi(60Å)/Rh(200Å)/Pt(2000Å)/Au(5000Å)を用いている。
【0035】
p電極の光透過部にITOを用いることにより例えば実施例1のNi及びAuに比較して光透過性を大幅に向上させることができる。また、本実施例のようにp型コンタクト層8上にNiを介してからITOを設けることにより、オーミック接触が容易に得られる。このように構成することにより、p型コンタクト層8とp電極のオーミック特性を確保しつつ、LEDからの光をp電極側に効果的に取り出すことができる。
【0036】
しかしながら、ITOは金属からなるpパッド部10bとの密着性が悪く、このためITOに直接pパッド部10bを設けると後に剥がれが生じてしまう場合がある。本実施例はこのような場合に有効な構成であり、p光透過部10aであるITOがp型コンタクト層8が露出した開口部を有し、該開口部の露出面にてpパッド部10bとp型コンタクト層8が直接接するように構成されている。つまり、pパッド部10bのp型コンタクト層8に対する接着性が、pパッド部10bのp光透過部10aに対する接着性及び/又はp光透過部10aのp型コンタクト層8に対する接着性よりも強いことを特徴としている。また、p光透過部10aとpパッド部10bとは開口部周辺において重複するように接して設けられており、これにより効果的に電流を注入することができる。
【0037】
この構成では基本的にpパッド部10bとp型コンタクト層8との接触面直下はオーミック接触していないので、その領域については電流が流れにくいが、元々pパッド部10b直下は光にくいので不利益はない。むしろ、pパッド部10bの剥がれを軽減しつつ、電流を広げることが可能になるので、結果的には好ましいものとなる。
【0038】
本実施例の構成は、光反射の機能を有するpパッド部10bが、p光透過部10aを介さずに直接p型コンタクト層8と接しているので、光反射機能を最大限に利用できる。もちろん、このような構成にすることにより、例えばW/Pt/Auのような光反射を目的としない構成のpパッド部10bであっても、pパッド部10bの剥がれを防止することができるので好ましい。
【0039】
なお、本実施例では、p光透過部10aとしてNiおよびインジウム・スズ酸化物であるITOを用いて説明したが、ITO単体を用いることも可能である。
(比較例)
比較例のLEDは、n電極9及びp電極10の構成が異なる他は実施例1と同様の構成である。すなわち、n電極はW(200Å)/Pt(2000Å)/Au(5000Å)であり、p電極の光透過部10aはNi(60Å)/Au(70Å)、pパッド部10bはn電極と同様にW(200Å)/Pt(2000Å)/Au(5000Å)を積層した。
【0040】
なお、各実施の形態、各実施例においては、n電極及びp電極の構成を積層構造として説明したが、各層を構成する部材が隣接する層へ拡散し合金化している場合であっても、第1の層及び第2の層が確認できる場合は、本件発明の範囲内とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2のX−X部における断面図である。
【図2】 実施の形態1のLEDを電極配置面側から見た平面図である。
【図3】 図4のX−X部における断面図である。
【図4】 実施の形態2のLEDを電極配置面側から見た平面図である。
【符号の説明】
1・・・サファイア基板
2・・・GaNバッファ層
3・・・ノンドープGaN層
4・・・n型コンタクト層となるSiドープGaN層
5・・・n型クラッド層となるSiドープGaN層
6・・・活性層となるInGaN層
7・・・p型クラッドとなるMgドープAlGaN層
8・・・p型コンタクト層となるMgドープGaN層
9・・・n電極
9−1・・・n電極の第1の層
9−2・・・n電極の第2の層
10・・・p電極
10a・・・p光透過部
10b・・・pパッド部
10b−1・・・pパッド部の第1の層
10b−2・・・pパッド部の第2の層

Claims (3)

  1. p電極を備えるp型窒化物半導体とn電極を備えるn型窒化物半導体を少なくとも有する窒化物半導体発光素子において、
    前記n電極は、前記n型窒化物半導体側から順に、Ti、Nb、ITOの少なくとも一種からなる第1の層と、Rhからなる第2の層と、を備えことを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. p電極を備えるp型窒化物半導体とn電極を備えるn型窒化物半導体を少なくとも有する窒化物半導体発光素子において、
    前記p電極は、前記窒化物半導体素子からの光の少なくとも一部を透過する光透過部と、導電性部材が接続されるパッド部とからなり、
    前記n電極及び前記パッド部はそれぞれ窒化物半導体側から順に、Ti、Nb、ITOの少なくとも一種からなる第1の層と、Rhからなる第2の層と、を備えことを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  3. 前記光透過部が、Ni/AuまたはITOからなることを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
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