JP4411388B2 - 二次電池用負極の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池用負極及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ニッケル-水素電池は、従来から携帯電話やパソコンなどの小形機器用の電源として利用されており、さらに近年に至っては、エンジンと電池で駆動するハイブリッド車用の大型電源として、円筒形や角形のニッケル-水素電池の実用化が図られている。
【0003】
このようなハイブリッド車用電池は、高出力特性が重要であり、電極については、容量をある程度犠牲にして、放電電流密度を下げるために電極を薄くして電極面積を大きくすることが行われている。
また、ハイブリッド車用の電池については、低価格、長寿命、低公害、信頼性なども当然要求されており、負極としては、集電体としてパンチングメタルを用い、これに水素吸蔵合金を主とするペーストを塗着させるペースト方式の電極が採用され、製法の簡易化と低コスト化が図られている。
【0004】
この様なパンチングメタルを基材としてペースト式で得られる負極は、焼結体や発泡状多孔体を基板とするニッケル極に比べて低廉で活物質の充填工程も簡単ではあるが、二次元構造であるために、三次元構造の基材と用いた場合と比較すると、活物質と基材との距離が遠くなり、利用率や出力を向上させるためには、きわめて薄い電極とする必要がある。その場合、利用率や出力を向上させることは可能であるが、電極が長くなり、セパレータなど容量に寄与しない構成材料が増加するために放電容量が低下し、更に、価格が上昇することになる。
利用率の向上および高出力化の要求に対応して、ニッケル極に使われている発泡体基材を負極の基材として用いることも可能であるが、基材コストが大幅に向上して、電池が高価格となるという問題点ある。
ところで、ペースト式電極の作製方法としては、活物質の充填時に、活物質を含むペーストを塗着させた基材をスリット間を通過させてペーストの表面を平滑化し、その後乾燥し、加圧する方法が一般的である。この方法では、スリットの間隔は、ペーストを塗着させた基材を通過させるために、基材より厚くしている。例えば、厚さ60μmのパンチングメタルを基材とする場合には、スリット間隔を350μm程度とし、これを通過させ、乾燥した後、ローラープレス機などで加圧して、厚さ300μm程度の電極としている。また、厚さ300μm程度の発泡式基材を用いる場合には、スリット間隔を400μm程度とし、これを通過させ、乾燥した後、ローラープレス機などで加圧して、厚さ350μm程度の電極としている。
このように、従来のペースト式電極の製造方法では、基材の厚さよりも間隔を大きくしたスリット間を通す方法が一般的である。このため、ペーストの水分の影響やスリットによる平滑性の精度に問題があり、大量生産の場合に電極間にバラツキが発生し、これが容量や出力の不均一性の原因となるケースが多い。また、基材の表面に活物質などが多く付着していると利用率が低くなり、充放電で脱落が生じるという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、容量、出力等のばらつきが少なく、出力特性に優れ、しかも低価格で長寿命を有する二次電池用負極を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、凹凸構造を有する負極用基材を用い、これに活物質ペーストを塗着させた後、基材の厚さと実質的に同じ間隔を有するスリット間に該基材を通過させ、その後加圧加工することによって、基材の凹部に活物質ペーストが十分に充填されるとともに、基材の凸部については、基材表面が実質的に露出した状態又は活物質の付着量が非常に少ない状態となり、その結果、上記目的を達成することが可能な優れた特性の二次電池用負極が得られることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、下記の二次電池用負極の製造方法を提供するものである
. 一方の面と他方の面とで凹部が交互に並ぶ凹凸構造を有し全体として面状である負極用基材に、負極活物質を含むペーストを塗着させた後、該基材の厚さと実質的に同じ間隔を有するスリット間を通過させ、その後加圧することを特徴とする二次電池用負極の製法であって、負極活物質が水素吸蔵合金であり、負極用基材の厚さと実質的に同じ間隔を有するスリット間に基材を通過させる方法が、該基材の厚さと同一間隔又は該基材の厚さより狭い間隔に設定され、スリット間隔を狭くする方向に弾性付勢されたスリット形成部材によって形成されたスリット間に該基材を通過させる方法である、二次電池用負極の製法
. 弾性付勢されたスリット形成部材によって形成されたスリットが、弾性を有する材料によって形成されたスリット又はスプリングを用いてスリット間隔を狭くする方向に押しつけることが可能な構造とした部材によって形成されたスリットである上記項に記載の負極の製法。
3. 二次電池用負極の厚さが、スリット通過後の負極の厚さの30〜80%となるように加圧する、上記項1又は2に記載の負極の製法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、負極用基材としては、一方の面と他方の面とで凹部が交互に並ぶ凹凸構造を有し全体として面状を有する材料を用いる。
【0009】
この様な負極用基材は、薄板状の金属板を用い、凹凸加工や打ち抜き加工が可能な成型用型を利用して、機械的に加工することによって製造することが好ましい。この様な機械的加工によって凹凸構造を有する基材を製造する場合には、精度良く加工することができ、容易に基材の厚さや凹部を均一に製造できるので、負極活物質充填時の部分的なバラツキを大幅に削減して、高性能の電極とすることができる。
【0010】
基材の材質については、特に限定はなく、例えば、ニッケル板やニッケルめっきを施した鉄板等の金属板を用いることができる。
【0011】
基材を形成するための薄板状材料の厚さについては、特に限定はなく、機械的加工を容易に行うことができる厚さであれば良く、例えば、15〜60μm程度の厚さのものを用いることができる。
【0012】
基材に形成する凹部の具体的な形状については、特に限定はなく、活物質を充填できる程度の凹部が、一方の面と他方の面において交互に形成されていればよい。例えば、碁盤目状に凹凸が連続して形成されていても良く、或いは、波板のように基材の一端から他端にまで達する凹部が一方の面と他方の面において交互に形成されておいても良い。凹部の大きさについても、特に限定はなく、活物質を充填できる程度の幅があればよいが、碁盤目状の凹部の場合には、一辺の長さを、例えば、800〜2000μm程度とすればよく、波板状の凹部が形成されている場合には、凹部の幅を、例えば、500〜1500μm程度とすればよい。
【0013】
凹凸構造を有する基材の厚さについては特に限定はなく、目的とする二次電池の形状などに応じて適宜決めれば良く、例えば、100〜600μm程度とすればよいが、機械的加工によって製造する場合には、200〜500μm程度の厚さとする場合に加工が容易である。
【0014】
凹凸構造を有する基材は、全体として面状であればよく、電極の使用形態に応じて、平面状や曲面状とすることができる。
【0015】
なお、凹凸構造を有する基材は、一方の面から他方の面に通じる貫通穴を凹部に有することが好ましい。この様な貫通穴を有することによって、凹部の内部まで十分に活物質ペーストを充填することができる。また、凸部の表面に活物質が付着している場合には、凹部に充填された活物質との結合が良好になり、活物質の脱落を抑制する効果が大きくなる。貫通穴の大きさについては、特に限定はないが、例えば、直径50〜500μm程度とすればよい。
【0016】
上記した構造の負極用基材の凹部に負極活物質を充填する方法としては、負極活物質を含むペーストを用い、これを負極用基材の凹部を含む全体に十分に塗着させればよい。負極活物質を含むペースト自体は、従来からペーストを塗着させて形成される電極、いわゆるペースト式電極において使用されているペーストと同様のものを使用できる。
【0017】
例えば、負極活物質としては、ニッケル・水素二次電池用負極では、従来のニッケル・水素二次電池用負極の活物質として用いられている水素吸蔵合金をいずれも用いることができる。この様な水素吸蔵合金の具体例としては、LaNi5、MmNi5、CaNi5等のAB5型合金、TiMn1.5、ZrMn2等のAB2型合金、TiNI、TIFe等のAB型合金、Mg2Ni等のMg系合金などを挙げることができ、特に、ミッシュメタル(Mm)とNiを含むAB5型合金が好ましい。また、負極活物質を含むペーストには、必要に応じて、導電剤としてカーボンブラックなどを添加することができる。
【0018】
負極活物質として用いる水素吸蔵合金の粒径については、特に限定はないが、通常、粒径20〜70μm程度の範囲のものを用いることができる。
【0019】
負極活物質を含むペーストを負極用基材に塗着させる方法については、特に限定はなく、通常の方法と同様に基材をペースト中を通過させればよい。その他に、例えば、刷毛塗りやペーストを両面から噴射させる方法等を適宜適用して、凹部を含む基材の全体にペーストを塗着させることができる。
【0020】
本発明では、この様にして凹凸構造を有する基材に活物質を含むペーストを塗着させた後、該基材の厚さと実質的に同じ間隔を有するスリット間に該基材を通過させる。
【0021】
このための方法としては、スリット間隔を狭くする方向に弾性付勢されたスリット形成部材を用い、スリットの間隔を基材の厚さと同一、或いは、基材の厚さより若干狭い間隔に設定し、このスリット間に基材を通過させればよい。弾性付勢されたスリット形成部材としては、ゴムなどの弾性を有する材料、スプリング等を用いてスリット間隔を狭くする方向に押しつけることが可能な構造とした部材等を用いることができる。この様なスリット形成部材において、弾性の強さを適宜設定することによって、基材をスリット間を通過させる際に、スリットの間隔を基材の厚さと実質的に同じ厚さとすることができる。例えば、ゴム製のスリット形成部材を用いる場合には、該部材が基材の進行方向に変形し、スリット形成部材が基材にほぼ密着した状態となり、スリット間隔を基材の厚さと実質的に同じ厚さとすることができる。また、スプリング等を用いてスリット間隔を狭くする方向に押しつけることが可能な構造とした部材については、部材の先端部を傾斜構造とすれば、基材を通過させる際に、スリット間隔が開いてスリット形成部材が基材に密着した状態となり、スリット間隔を基材の厚さと実質的に同じ厚さとすることができる。
【0022】
この様な方法で、スリット間隔を基材の厚さと実質的に同じ厚さとしたスリット間に、活物質を含むペーストを塗着させた基材を通過させることによって、基材の凹部には、負極活物質を含むペーストが充填される。また、基材の凸部の表面は、スリット形成部材と密着することによって、基材表面が露出した状態となるか、或いは、非常に少量のペーストが付着した状態となる。
【0023】
上記した方法によって、基材の凹部に負極活物質を充填した後、基材を乾燥し、所定の厚さとなるように加圧加工することによって活物質が密に充填されて、活物質間、活物質と基材間の接触が良好となり、優れた特性を有する負極が得られる。この場合、例えば、スリット通過後の負極の厚さの30〜80%程度の厚さとなるように加圧加工を行えばよい。
【0024】
この様な方法によれば、基材の凹部には活物質が均一に充填され、部分的なバラツキが大幅に削減でき、安定した性能の負極となる。また、スリット通過後に、基材の凸部の表面に少量のペーストが付着している場合には、加圧加工する際に、ペースト層の厚さは、ペースト中に含まれる負極活物質の最大粒径又はそれ以下となり、バインダー成分や粒径の小さい活物質については、粒径の大きい活物質が充填された層の空隙部に存在する状態となる。このため、基材の凸部の表面は、基材が露出した状態又は負極活物質の最大粒径以下の厚さの活物質層が付着した状態となり、活物質の付着量が非常に少ないために、活物質の利用率の低下や脱落を抑制できる。
【0025】
この様にして得られる負極は、二次電池用負極として有用であり、特に、ニッケル・水素二次電池用負極として有効に使用できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によって得られる二次電池用負極は、基材の凹部に負極活物質が十分に充填されるとともに、凸部の基材については、活物質の付着量が非常に少なく、実質的に露出に近い状態となり、容量のばらつきが少なく、出力特性に優れ、長寿命の負極となる。
また、機械加工して得られる基材は、焼結式ニッケル極や発泡式ニッケル極に用いられる基材と比べて非常に安価であり、この様な基材を用いることによって、低価格でしかも高性能を有する工業的価値が極めて大きい負極を得ることができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0028】
実施例1
鉄にニッケルめっきを施した鉄製薄板(厚さ30μm)を材料として用い、機械的な押圧と加工を施して凹凸構造を有する負極用基材を得た。得られた基材の平面図及び断面図を図1に模式的に示す。得られた基材の見掛けの厚さは270μm、凹部の一辺の長さは、約800μmであった。また、各凹部の先端には、直径300μmの貫通穴を形成した。
負極活物質として、Al、Mn、Coを含むMmNi系5元水素吸蔵合金:MmNi3.6Co0.6Al0.4Mn0.4(粒径28μm)を用い、これに1%のカルボキシメチルセルロース水溶液を加えて、負極活物質を含むペーストを得た。
このペースト中を上記負極用基材を通過させることによって、該基材にペーストを十分に塗着させた。
次いで、軟ゴム製部材を用いて、間隔250μmのスリットを形成し、活物質を含むペーストを塗着させた上記負極用基材を、このスリット間を開くようにして通過させて基材の表面を平滑化し、乾燥させた。乾燥後ローラープレスで加圧して厚さを平均190μmとした。このようにして得られた二次電池用負極をaとする。この状態における基材の断面図を図2に模式的に示す。得られた二次電池用負極では、凹部には活物質ペーストが充填され、凸部では、部分的に基材表面が露出しており、その他の部分は28μm以下の活物質層が付着した状態であった。
一方、比較のために、負極aと同様の機械的な押圧と加工によって、見掛けの厚さが200μmの凹凸構造を有する負極用基材を作製し、この基材に負極aで用いたものと同様のペーストを塗着させた。この基材について、鋼製部材を用いて形成された間隔300μmのスリット間を通過させて、ペーストを平滑化した。次いで、乾燥後、ローラープレスで加圧して厚さを平均190μmとした。このようにして得られた負極を負極bとする。負極bでは、基材の凹部に負極活物質ペーストが充填され、凸部表面の活物質層は両面の合計で最大約100μmであり、表面が活物質で完全に覆われた状態であった。
上記した方法で得られた負極a及びbについて、幅32mm、長さ400mmに裁断し、厚さを10ヵ所測定して、活物質充填の均一性を調べた。
その結果、負極aの厚さは、190±2.5μmであったのに対して、負極bの厚さは190±7μmであり、負極aの方が同一電極内での厚さのバラツキが少なかった。また、同じ大きさの負極100枚に関して、厚さの平均を調べた結果、負極aでは190±5μmであったのに対して、負極bでは、190±9μmであり、負極aは、異なる電極間においても厚さのバラツキが少なかった。これらの結果から、本発明方法で得られた負極aは、活物質充填のバラツキが少ないことが明らかであり、容量の不均一性が少ないものと判断できた。
次に、この負極a及びbの電極としての特性を調べるために、下記の構造の負極律速の試験セルを構成した。
まず、負極の両側に全体で容量が6倍になるように発泡状ニッケル極を配し、セパレータとして親水処理ポリプロピレン不織布を用い、30%の苛性カリに25g/lの水酸化リチウムを溶解した電解液を用いて、公知のセル構造の試験セルを作製した。負極aを用いたセルについては、セルaとし、負極bを用いたセルについては、セルbとする。
まず、両セルに用いた負極の放電率と利用率の関係を求めた。いずれの負極も0.1C放電では310mA/gであり、これを100%とした。結果を下記表1に示す。なお、周囲温度は35℃とした。終止電圧は3Cまでは0.9V、それ以上は0.7Vとした。
【0029】
【表1】
Figure 0004411388
【0030】
表1から明らかなように、本発明方法によって得られた負極aを用いたセルは優れた利用率を示すことが判る。
次に表1に示した放電試験において、放電時の出力特性を調べるために端子電圧を測定した。放電電流と放電平均電圧を下記表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 0004411388
【0032】
表2から明らかなように、セルaは、セルbと比較して高出力である。これは、セルaで用いた負極aは、ほとんどの合金が基材の凹部に包まれ、凸部の表面に合金粉末が少ないことによるものと思われる。とくに出力特性を重視した厚さの薄い電極では、本発明方法によって得られる負極aは、安価で大電流での電圧低下が少なく、高放電特性に優れたものと判断できる。
つぎに通常の電池を構成して、各電池の特性を比較した。
正極としては公知の焼結式ニッケル極を用い、負極a、bともに、その容量を0.1Cでの放電容量をもとに正極に対して150%とした。
セパレータとして厚さ100μmの親水処理したポリプロピレン製不織布を用いて、これら電極群を捲回し、通称サブシー(SubC)の電槽に挿入した。電解液として30%の苛性カリに25g/lの水酸化リチウムを溶解した電解液を添加した。封口後、ニッケル端子板をスポット溶接で取り付けた。負極aを用いた電池をAとし、比較としての負極bを用いた電池をBとする。
電池A及び電池Bは、正極律速であり、いずれも、完全充電での0.2C放電における容量は2.7Ahであった。
【0033】
電池A及びBについて、0.1Cで容量の150%充電、0.1Cで終止電圧0.9Vまでの放電を2回繰り返す公知の化成を行い、その後の放電容量を調べた。この場合、負極の容量や電圧が問題になる低温条件を採用した。
充電は放電容量の120%、周囲温度は-5℃とした。放電電流と平均放電容量を下記表3に示す。終止電圧は3Cまでは0.9V、それ以上の放電では0.7Vとした。
【0034】
【表3】
Figure 0004411388
【0035】
表3から明らかなように、活物質がほとんど基材に充填された状態の負極aを用いた電池Aのほうが優れた利用率を示すことが判る。なお、高放電で電池Aより電池Bが劣っているのは、負極bが負極aよりも電位の低下が大きく、電池電圧を低下させるためであると考えられる。
【0036】
この放電時における両電池の放電電流と放電平均電圧の関係を下記表4に示す。
【0037】
【表4】
Figure 0004411388
【0038】
表4から明らかなように、基材の凹部に活物質が充填され、凸部表面には活物質がほとんど存在しない負極aを用いる場合には、高出力の電池が得られた。従って、容量よりも出力特性を重視した厚さの薄い電極では、負極aは高放電での容量と出力の点で優れていることが明らかである。
つぎに、電気A及びBについて寿命を確認した。この場合、負極の特性が寿命を左右するように、低温での高放電を条件として採用した。すなわち、0℃において、2Cで放電容量の110%充電、5Cで端子電圧0.8Vの条件で充放電サイクルを繰り返した。10サイクルでの容量を100とした場合のサイクル数と容量維持率の関係を表5に示す。
【0039】
【表5】
Figure 0004411388
【0040】
この結果から明らかなように、基材の凹部に活物質が充填され、凸部表面には活物質がほとんど存在しない負極aを用いた電池は、寿命特性が良好であり、負極電位のサイクルによる低下が少ないことが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた負極用基材の平面図及び断面図を模式的に示す図面。
【図2】合金粉末を充填し、加圧した状態の負極断面を模式的に示す図面。

Claims (3)

  1. 一方の面と他方の面とで凹部が交互に並ぶ凹凸構造を有し全体として面状である負極用基材に、負極活物質を含むペーストを塗着させた後、該基材の厚さと実質的に同じ間隔を有するスリット間を通過させ、その後加圧することを特徴とする二次電池用負極の製法であって、負極活物質が水素吸蔵合金であり、負極用基材の厚さと実質的に同じ間隔を有するスリット間に基材を通過させる方法が、該基材の厚さと同一間隔又は該基材の厚さより狭い間隔に設定され、スリット間隔を狭くする方向に弾性付勢されたスリット形成部材によって形成されたスリット間に該基材を通過させる方法である、二次電池用負極の製法
  2. 弾性付勢されたスリット形成部材によって形成されたスリットが、弾性を有する材料によって形成されたスリット又はスプリングを用いてスリット間隔を狭くする方向に押しつけることが可能な構造とした部材によって形成されたスリットである請求項に記載の負極の製法。
  3. 二次電池用負極の厚さが、スリット通過後の負極の厚さの30〜80%となるように加圧する、請求項1又は2に記載の負極の製法。
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