JP2000048823A - 非焼結式電極およびその製造方法 - Google Patents

非焼結式電極およびその製造方法

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JP2000048823A
JP2000048823A JP11144442A JP14444299A JP2000048823A JP 2000048823 A JP2000048823 A JP 2000048823A JP 11144442 A JP11144442 A JP 11144442A JP 14444299 A JP14444299 A JP 14444299A JP 2000048823 A JP2000048823 A JP 2000048823A
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nickel
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sintered
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Hiroshi Kawano
博志 川野
Yoshio Moriwaki
良夫 森脇
Isao Matsumoto
功 松本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な電極支持体でありながら、活物質層と
電極支持体との密着性および電子伝導性を向上する。 【解決手段】 電極支持体が微細な凹凸加工面を有する
金属薄板からなり、この凹凸加工面に電池用活物質また
は活物質保持材料が塗着もしくは圧着されたものであっ
て、前記凹凸加工面は、機械加工により、凹凸部の中心
間ピッチが50〜300μmの範囲で、凹凸加工後の見
掛けの厚みが凹凸加工前の厚みの3倍以上に増大するよ
うに形成されたものであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充電と放電が可能
な蓄電池(二次電池)の非焼結式電極に関するものであ
り、アルカリ蓄電池、リチウムイオン蓄電池やポリマー
リチウム蓄電池等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】蓄電池(二次電池)の電極には、従来か
ら種々のものが知られている。非焼結式電極は、焼結式
によって得られる電極では無いという意味であり、電池
用活物質または活物質保持材料を電極支持体に塗着もし
くは圧着して電極を構成する電極である。
【0003】焼結式の例として、アルカリ蓄電池のニッ
ケル正極の例を説明する。ニッケル粉末を焼結して得ら
れる微孔性の焼結基板に、硝酸ニッケル水溶液などを用
いて浸漬法によりニッケル塩を添加し、乾燥後、苛性ア
ルカリ水溶液中に浸漬することにより前記ニッケル塩を
水酸化ニッケルに転化し、極板を得る。この方法は工程
が複雑であり、活物質である水酸化ニッケルの充填密度
が後に述べる非焼結式電極に比べて小さくなる欠点を有
している。しかし、電極の高率放電特性、サイクル寿命
などが優れている特徴があり、用途に応じて広く実用化
されている。
【0004】これに対して非焼結式電極では、過去ポケ
ット式という方法が用いられたが、近年はペースト塗着
式や圧着式が主流である。ペースト塗着式では、電池用
活物質または活物質保持材料を水や有機溶剤等によりペ
ースト状にして、このペーストを電極支持体に充填・塗
着し、乾燥し電極にするのが一般的である。また、圧着
式は、電池用活物質または活物質保持材料を粉体のまま
加圧プレス機等により電極支持体に加圧圧着し電極にす
るのが一般的である。
【0005】従来、これらの非焼結式電極に用いられる
電極支持体も多種多様であり、金属箔、穴開き金属板、
金属ネット、エキスパンドメタル、発泡状金属多孔体な
どが、各電池系に適応するようにその材質や形状などを
変えて用いられてきた。
【0006】例えばニッケル・水素蓄電池やニッケル・
カドミウム蓄電池等のアルカリ蓄電池用の非焼結式電極
の電極支持体は、正極では三次元的に網目形状を有する
ニッケルの発泡状金属多孔体が多用されてきた。また負
極では、パンチングメタルがよく用いられてきた。
【0007】発泡状金属多孔体による方法は、電極の製
法が簡略化でき、高多孔度の発泡状ニッケル多孔体が可
能であるため、高密度充填ができ、高容量の電池を構成
できる特徴がある。しかし、発泡状ニッケル多孔体は、
電気メッキにより作製されており、その材料コストが高
くつく欠点がある。
【0008】したがって、電極支持体として発泡状ニッ
ケル多孔体に代わり、安価なパンチングメタル、エキス
パンドメタルなどを使用する非焼結式電極の開発が実施
されるようになってきた。これらの電極支持体は、焼結
式基板、発泡状ニッケル多孔体のように三次元的な構造
を有していないため、電極として使用した場合、活物質
の保持力が乏しく、電極作製中あるいは充放電を繰り返
した場合などに活物質の脱落が生じやすい。さらに、電
極の厚さの方向に対する電子伝導性が乏しく、電極特性
の低下が大きいため、アルカリ蓄電池のニッケル正極に
適応することには大きな課題が生じており、一部の電極
以外には実用化されていない。これらの改良技術として
は、例えば特開平7−130370号公報や特開平9−
7603号公報に記載のものが知られている。
【0009】特開平7−130370号公報記載のもの
によれば電極支持体に使用する金属板または金属箔は平
滑板であり、活物質との密着性に技術的課題があった。
とくに、蓄電池の電極とした場合、充放電により活物質
の体積変化により、電極支持体と活物質層との剥離現象
が生じやすい。この結果、集電性の低下を招き、電池特
性を損なうことになる。特開平9−7603号公報記載
のものにおいては、その欠点を改善するために、金属粉
体からなる微細凹凸層を形成することが提案されてい
る。これにより、電極支持体と活物質層の密着性は改善
される。しかし、微細凹凸層を形成させるために不活性
雰囲気中での焼結、電気メッキなどの方法を用いること
から電極支持体を製造するコストが高価になることが考
えられる。
【0010】また、両者において、電極支持体を三次元
化させるために波型に加工した場合、電極活物質を高密
度に充填させるために、通常用いるられている加圧プレ
スにより、変形・伸びが大きくなる。この結果、電極支
持体に亀裂・破断が生じ、電極の集電性低下・電池に構
成した場合の微少短絡など不都合なことが起こる。さら
に、前記変形・伸びの現象により、高密度充填に限界が
生じ、放電容量の大きい電池が得られにくくなる。
【0011】一方、アルカリ蓄電池用負極(カドミウム
極、水素吸蔵合金極など)においては、安価なパンチン
グメタル、エキスパンドメタルなどを使用し、その特徴
を生かしつつ、活物質の保持力の向上や電子伝導性を高
めた電極特性の改善がなされている。しかし、高率放電
特性の向上、長寿命化において、不十分な点がありさら
なる改善が求められている。
【0012】このような要求は、アルカリ蓄電池以外の
他の電池、例えばリチウムイオン蓄電池やポリマーリチ
ウム蓄電池等でも同様である。より安価な電極支持体
で、かつ電極性能に優れた電極の実現が求められてい
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したパンチングメ
タル、エキスパンドメタルなどを電極支持体として使用
する安価な電極製法は、活物質粉末を高分子結着剤の溶
液と導電性粉末とでペースト状として、上記電極支持体
に塗着、乾燥することにより、容易に電極を作製できる
長所を有している。しかし、電極支持体である金属多孔
体と活物質層との密着性が弱く、電池用電極として用い
た場合、金属多孔体と活物質が剥離しやすい。この結
果、電極支持体が集電体を兼ねている場合、電極の電気
抵抗が大きくなり、放電電圧、放電容量の低下の原因と
なる。この問題を解決するために活物質層内に多量の結
着剤を添加すれば、剥離現象は抑制されるが、活物質の
反応性が低下し、放電特性に悪影響を与える。また、金
属多孔体と活物質層の密着性を強固にするため、接着剤
の役割をする熱可塑性樹脂の層を金属多孔体表面に形成
させ、その上層部へ活物質を形成させた後で、加熱する
ことにより、金属多孔体と活物質層の密着性を改善する
方法もある。しかし、金属多孔体と活物質層の間に樹脂
絶縁層が形成されることになり、電極の集電性が低下
し、電極の反応性が阻害される。以上のように、電極支
持体に比較的平面状の金属多孔体を使用した場合は前記
課題の解決が困難であった。
【0014】従って本発明は、電池用活物質または活物
質保持材料を電極支持体に塗着もしくは圧着して電極を
構成する非焼結式電極において、従来の技術を改良し、
安価な特徴を持ちながら、活物質層と金属多孔体との密
着性および電子伝導性を向上することを目的とする。
【0015】本発明は、ニッケル・水素蓄電池やニッケ
ル・カドミウム蓄電池等のアルカリ蓄電池のニッケル電
極、水素吸蔵合金粉末を用いる水素吸蔵合金電極、カド
ミウム電極のみでなく、リチウムイオン蓄電池やポリマ
ーリチウム蓄電池等の電極に利用できる改良された非焼
結式電極を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決する手
段として本発明の非焼結式電極は、電極支持体が微細な
凹凸加工面を有する金属薄板からなり、この凹凸加工面
に電池用活物質または活物質保持材料が塗着もしくは圧
着されたものであって、前記凹凸加工面は、機械加工に
より、凹凸部の中心間ピッチが50〜300μmの範囲
で、凹凸加工後の見掛けの厚みが凹凸加工前の厚みの3
倍以上に増大するように形成されたものであることを特
徴とする。
【0017】前記凹凸形状は、それぞれが略円錐形状等
の略錐体形状に形成されることが好ましいが、半球形状
等の凹凸形状であってもよい。
【0018】また電極支持体の凹凸加工後の見掛けの厚
みが凹凸加工前の厚みの5倍以上に増大するように形成
されることが好ましく、また前記見掛けの厚みが200
μm以上、特に400μm以上であることが好ましい。
【0019】電極支持体としては、パンチングプレート
やパンチング穴等の穴の無い無穴プレートを用いること
ができ、凹凸加工前の肉厚が10〜80μmの範囲のも
の、特に20〜60μmの範囲のものを用いると好適で
ある。また前記金属支持体として、鋼板、表面にニッケ
ルメッキが施された鋼板、等を用いることができるが、
特にニッケル板が好ましい。
【0020】前記凹凸部の中心間ピッチは、50〜20
0μmの範囲、特に100〜200μmの範囲であるこ
とが好ましい。
【0021】本発明の非焼結式電極は、上記構成に加え
て、前記凹凸形状の頂点部が開口してなる細孔を無数備
えていることを特徴とする構成とすることが好ましい。
特に無穴プレートからなる電極支持体に無数の前記細孔
を形成すると好適である。
【0022】前記凹凸加工面における、凹部と凸部が、
単位面積当たり凹部の個数が20〜80%、凸部の個数
が80〜20%の範囲で不規則の状態あるいは一定の規
則性を持った状態で形成されていることが好ましい。そ
のうち、規則性を有する形状としては縦または横の一方
向のみ凹部と凸部が交互に形成されている場合、あるい
は両方向とも凹部と凸部が交互に形成されている場合に
することができる。
【0023】特に、上記の技術を用いて、アルカリ蓄電
池用のニッケル正極を構成することができる。その場
合、活物質である水酸化ニッケル粉末の表面が、高次コ
バルト酸化物が水酸化ニッケル100重量部に対して2
〜10重量部コーティングされた水酸化ニッケル粉末で
あること、もしくは、活物質である水酸化ニッケル粉末
以外に、活物質である水酸化ニッケル粉末と接触する形
で少なくとも高次コバルト酸化物または金属ニッケルが
含まれていることが好ましい。この場合、高次コバルト
酸化物が単独である時は水酸化ニッケル100重量部に
対して2〜10重量部含まれていること、また金属ニッ
ケルが単独である場合は、水酸化ニッケル100重量部
に対して10〜25重量部含まれていることが好まし
い。
【0024】さらに、上記の技術を用いて、アルカリ蓄
電池用の水素吸蔵合金負極を構成することができる。そ
の場合、活物質保持材料である水素吸蔵合金粉末単独で
使用する場合以外に、ニッケル、銅、炭素から選ばれる
少なくとも一つの導電材が含まれ、その導電材は水素吸
蔵合金粉末100重量部に対して0.5〜10重量部含
まれることが好ましい。
【0025】また、ニッケル、銅などは水素吸蔵合金粉
末表面に被覆された状態でもよく、その被覆量は前述し
た割合と同じである。
【0026】前述の課題を解決する手段として本発明の
非焼結式電極の製造方法は、金属薄板に、金型を用いた
プレス加工によって、凹凸部の中心間ピッチが50〜3
00μmの範囲で、凹凸加工後の見掛けの厚みが凹凸加
工前の厚みの3倍以上に増大する微細な凹凸加工面を形
成して電極支持体を製作し、この電極支持体の凹凸加工
面に電池用活物質または活物質保持材料を塗着もしくは
圧着して電極を製造することを特徴とする。
【0027】上記発明において、金型を用いたプレス加
工時に、凹凸部を形成すると同時に、凹凸形状の頂点部
を開口させて細孔を形成することを特徴とするように構
成することが好ましい。また凹凸形状のそれぞれが略錐
体形状に形成されたものであることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、電池用活
物質または活物質保持材料を電極支持体の凹凸加工面に
塗着もしくは圧着して電極を構成する非焼結式電極に係
るものである。前記電極支持体は、10〜80μmの厚
さの無穴の金属薄板もしくはパンチング穴を有する金属
穴明き板(パンチングプレート)であり、機械加工によ
り縦方向および横方向に微細な凹凸加工が施されて前記
凹凸加工面を有するように構成されている。前記機械加
工により加工前の金属薄板に比べて見掛けの厚みが3倍
以上、好ましくは5倍以上に増大し、また凹凸部の中心
間ピッチが50〜300μm、好ましくは100〜20
0μmの範囲になっている。さらに電極支持体は、凹凸
形状のそれぞれが略円錐形状に形成され、その頂点部が
開口してなる細孔を、無数に備えた金属多孔体構造とな
っている。
【0029】この事により、本発明の電極支持体は、従
来から多用されてきた鋼板にニッケルメッキを施したパ
ンチングメタルと同様な機械加工のみで作製できるた
め、製造コストが安いという特徴を有する。これに加え
て、凹凸部の中心間ピッチが50〜300μmというよ
り微細な凹凸パターンを形成させたこと、および見掛け
の厚みを3倍以上に増加させたことにより、飛躍的に二
次元的から三次元的へと微細凹凸構造による活物質保持
性能を改善することにより、パンチングメタルのような
二次元状の電極支持体を使用した場合に比べ電極活物質
層が電極支持体より剥離する現象が抑制されるととも
に、三次元状の金属多孔体であることより、電極の厚さ
の方向に対する電子伝導性が向上する。従って電極活物
質利用率の向上による高容量化が図られ、さらに大電流
放電時の電圧低下を抑制することができるということが
可能になった。
【0030】なお、電極支持体としては、凹凸加工前の
肉厚が10〜80μm、好ましくは10〜60μmの鋼
板、あるいはその表面にニッケルメッキが施されている
鋼板、ニッケル板のいずれかの無穴プレートおよびそれ
らの穴明き板が用いられる。
【0031】また、このような機械加工により電極支持
体としての引っ張り強度の低下や機械加工時の製造歩留
まりの低下が懸念されるが、これに対しては、パンチン
グ穴明け加工や凹凸が形成されていない部分(無地部)
を帯状に残すことによって改善が可能となった。
【0032】この電極支持体を用いて非焼結式電極を構
成する場合、従来に無い優れた電極が提供できる。例え
ば、アルカリ蓄電池用のニッケル正極を構成する場合、
活物質である水酸化ニッケル粉末の表面が、高次コバル
ト酸化物が水酸化ニッケル100重量部に対して2〜1
0重量部コーテングされた水酸化ニッケル粉末であるこ
と、もしくは、活物質である水酸化ニッケル粉末以外
に、活物質である水酸化ニッケル粉末と接触する形で少
なくとも高次コバルト酸化物または金属ニッケルが含ま
れているようにすると、極めて利用率の高いニッケル正
極を提供できる。また、アルカリ蓄電池用の水素吸蔵合
金負極を構成する場合、活物質保持材料である水素吸蔵
合金粉末の表面が、ニッケル、銅、炭素から選ばれる少
なくとも一つの導電材と接触し、その導電材は水素吸蔵
合金粉末100重量部に対して0.5〜10重量部含ま
れるようにすることによって、同様に極めて利用率や高
率放電特性に優れた水素吸蔵合金負極を提供できる。
【0033】またリチウムイオン蓄電池、リチウムポリ
マー蓄電池などの電極支持体として、その材料を適切に
選択する事により使用でき、電極特性の改善を図る事が
できる。
【0034】
【実施例】(実施例1)次ぎに、本発明の具体例を説明
する。電極支持体としては表面に2〜3μmのニッケル
メッキが施された厚さ50μmの圧延鋼板(SPCE)
を用いた。図1は、この電極支持体に用いた金属薄板を
機械加工により微細な凹凸加工を施こすための金型の構
成例を示す縦断面図である。1は圧延鋼板を示し、2は
上型であり、上型は突出した円錐形状を有する凸部3
と、下型の突出部に対応する凹部4から構成されてい
る。また5は下型で、上型2と同様に凸部6と凹部7で
構成されている。
【0035】図1に示した金型を用いて圧延鋼板1の周
辺を固定して、上下方向に加圧することにより圧延鋼板
1は金型の凸部と凹部により引き伸ばされさらに加圧し
た場合は開孔されることになる。したがって、上型2と
下型5の形状や押し付ける距離を変えることにより、引
き伸ばされる割合や開孔される形状、開孔率を自在に調
整できる。
【0036】例えば図2に金型により加工された圧延鋼
板1の断面図を示す。図2で(a)は開孔されていない
場合、(b)は開孔された場合を示している。なお1a
は開孔により形成された細孔を示している。
【0037】このような方式により種々の中心間ピッチ
(図2の(a)に示すP1の長さ)の異なる金型によ
り、P1が50〜400μmの立体加工された金属板あ
るいは細孔1aを無数に有する金属多孔板a〜eを作製
した。なお、細孔1aを有しない凹凸加工面(図2
(a))に形成した場合と、細孔1aを有する凹凸加工
面(図2(b))に形成した場合の性能には大差が認め
られなかったので、以下細孔1aを有する金属多孔板を
代表させて、実施サンプルの作製、実験を行った。また
凹凸のパターン形状は凹部の中心点および凸部の中心点
が縦方向に直線状となる図3に示すパターンにより作製
した。図3において、金属板の長手方向(帯状の金属板
を用いた場合)に対して左から右へ順次加工した場合を
示し、図中の8は上から下へ加圧して得られる凹部を示
し、9は下から上への凸部を示す。
【0038】前記a〜eは図3のパターンより作製し、
一部図4に示すパターン(横方向の中心点が隣接する凹
凸部で異なる場合)でP1がcと同じ200μmにした
c’も作製した。
【0039】これらの凹凸加工を施す工程において、P
1が50μm未満にした場合、金型の微細加工が困難に
なり、また可能であっても金型作製費が高価になること
や、凹凸加工により見掛けの厚みの増加割合が小さくな
る。従って本発明の有効性(低コストで厚さ方向に導電
性を向上させた電極支持体)を発揮させるためには中心
間ピッチは50μm以上にすることが望ましい。
【0040】またニッケルメッキが施された厚さ80μ
mの圧延鋼板に直径1.2mmのパンチング穴が開孔さ
れ、隣接するパンチング穴の中心間距離が2.4mmの
通常のパンチングメタルを用いて図1に示した金型によ
り、中心間ピッチが100μmの凹凸加工を図3に示す
パターンで加工した金属多孔板fと凹凸加工を行ってい
ない通常のパンチングメタル(従来例)gを用いて後述
する電極での評価に用いた。
【0041】一方、加工前の板厚が50μm以外の金属
板として、10から100μmのニッケルメッキ圧延鋼
板を用いて、前記cを作製した金型を使用して得られた
h〜lも作製し、加工前の金属板厚みの影響を調べた。
【0042】さらに、図5に示すようなパターン、すな
わち縦方向、横方向共に隣接する凹部、凸部が交互に形
成され、中心間ピッチP1がcと同じ200μm、原材
料が50μmのニッケルメッキ圧延鋼板を用いて得られ
た金属多孔板m、同様に図6に示すパターンで得られた
金属多孔板nも作製した。
【0043】これまでに示したニッケルメッキ圧延鋼板
以外にも純ニッケルから得られた50μmの金属板にお
いても凹凸加工を図1に示す金型で図3に示すパターン
で中心間ピッチを200μmにした金属多孔板oも作製
した。これらの電極支持体の内容を表1にまとめて記載
する。
【0044】
【表1】 これらの金属板あるいは金属多孔板a〜o及びc’を用
いてペースト塗着式ニッケル正極を作製した。すなわ
ち、水酸化ニッケル粉末100gに対して、コバルト粉
末10g、カルボキシメチルセルロースの3wt%水溶
液55g、およびスチレン−ブタジエンラバ−の48w
t%水分散液5gを練合し、ペースト状にする。このペ
ーストを収容した槽中を表1に示す各金属多孔板を通過
させて金属多孔板の両面にペーストを塗着した後、ステ
ンレス鋼製のスリットを通過させてペースト塗着体を一
定厚さに調整後、乾燥・加圧プレスを行い、厚みが0.
63〜0.65mmの塗着式ニッケル正極を作製した。
次に、これらのニッケル電極を38mm×220mmの
大きさに裁断し、その重量を測定した。これらの電極中
に含まれる水酸化ニッケル量より算出される電気化学的
理論容量は2674〜3092mAhの範囲であった。
【0045】このニッケル正極と公知の希土類−ニッケ
ル系ベースの水素吸蔵合金負極、および親水化処理した
ポリプロピレンの不織布からなるセパレータとを組み合
わせて公称容量2.8Ahの単2型の円筒密閉型電池を
構成した。なお、電解液には、水酸化リチウムを30g
/l溶解させた水酸化カリウムの31wt%水溶液を1
セル当たり6ml使用した。こうして表1に示す金属多
孔板a〜o及びc’より得られたニッケル正極を用いた
電池A〜O及びC’を作製した。
【0046】これらの電池を0.1Cで15時間充電
し、1時間の休止後0.2Cで電池電圧が1.0Vに達
するまで放電し、この条件で3サイクル繰り返えした。
次いで、充電条件を同様にして、4サイクル目の放電を
0.5C、5サイクル目の放電を1Cにして、放電特性
の比較を行う。また、6サイクル目以降は充電を0.3
Cで4時間、放電を0.5Cで電池電圧が1Vまで行う
サイクル寿命試験を行い、ニッケル正極の構成条件とサ
イクル寿命特性を比較する。これらの結果を表2に示
す。
【0047】
【表2】 表2に示すA〜E電池の充放電特性の比較、すなわち図
1に示すP1値(中心間ピッチ)は50〜300μmに
することにより、活物質利用率は95%以上を示し、そ
れ以上大きくすると活物質利用率は低下する傾向を示し
た。一般にP1値を小さくすることは活物質と電極支持
体との電子導電性の向上が図られ、活物質利用率が向上
すると考えられ、表中の5サイクル目の大電流放電特性
にも同様の効果が認められた。またサイクル寿命試験結
果からもP1値は前述した範囲を有する電極支持体が長
寿命であるという結果であった。特に100〜200μ
mにすることによって顕著な効果が得られた。
【0048】一方金属板をあらかじめパンチング穴開け
加工した通常のパンチングメタルに本発明の凹凸加工を
施した電極支持体を用いた電池Fにおいても、同じP1
値の電極支持体を使用した電池Bと比較して本発明の効
果が認められたことから、通常のパンチングメタルに凹
凸を形成する方法においても、本発明の効果が得られる
ことがわかった。
【0049】これに対して、前記パンチングメタルに凹
凸加工を施さなかった電極支持体gを用いて電極を構成
し、それを用いた電池Gは、活物質利用率、サイクル寿
命特性の低下が大きくなった。したがって本発明のよう
に、電極支持体表面に微細な凹凸を設け、三次元立体構
造にすることは、電極の厚み方向の電子導電性の向上、
活物質の保持力向上が図られ電極の高性能化に有効であ
る。特に電池の長寿命化が図られる理由として、過充電
時に正極から発生する酸素ガス、および充放電による活
物質の体積変化などにより活物質が電極支持体から脱落
・剥離が起こり難かったことが考えられる。
【0050】以上のように、本発明の金属板表面に微細
な凹凸を形成することにより、活物質との接触面積の増
大、活物質の電極支持体による保持能力の向上が図られ
ることから、高性能の電極が得られる。一方、P1値
(中心間ピッチ)については、加工後の金属支持体の見
掛けの厚みを加工前に比べ3倍以上で200μm以上
(望ましくは5倍以上で400μm以上)にすることが
長寿命化に効果があることが電池A,Bの比較から言え
る。加工を施す前の金属板の厚みの影響を調べた電池C
と電池H〜Lの比較、すなわち10〜100μmのニッ
ケルメッキ圧延鋼板を用いて中心間ピッチ(P1値)を
200μm一定にして作製した金属多孔板を電極支持体
に使用した電池の特性を比較した場合、ニッケルメッキ
圧延鋼板の厚みが50〜60μm以上であれば活物質利
用率、大電流放電特性の向上には効果が認められた。し
かし、サイクル寿命特性には金属板厚みを50μm前後
にした場合ピーク値が現れた。この理由としては、薄い
場合は電極支持体が集電体の役割をしていることから電
子導電性が不十分であったことが考えられ、厚い場合に
は、電極支持体自身の捲回時の強度が大きくなることか
ら、円筒型に捲回して電池を構成した時に活物質層と電
極支持体にひずみが生じ、充放電の繰り返しにより剥離
現象が起り易くなったと考えられる。また、厚くした場
合は表2に示したように理論放電容量が小さくなり、高
エネルギー密度の電池を構成するためには欠点になると
も言える。したがって、本発明の効果を十分発揮させる
には、加工前の金属板は80μm以下にすることが望ま
しい。
【0051】凹凸加工をするパターンを変化させた電池
C’および電池M,Nの比較においては充放電特性に大
きな差異は認められなかったことから、いずれのパター
ンにおいても本発明の効果が得られた。強いてパターン
による差を比較した場合、上下・左右の凹部と凸部が反
対方向になる電池M,Nの活物質利用率が大きくなった
ことから、本発明の効果をより一層高めるための手段で
ある。また金属板としてこれまではニッケルメッキ圧延
鋼板について説明したが、電池Oのようにニッケル板か
ら得られた電極支持体でも同様に本発明の効果が認めら
れた。
【0052】以上に示したように本発明は塗着式ニッケ
ル正極として十分な電池特性が得られると共に、無穴金
属プレートあるいはパンチングプレートを機械的に凹凸
加工することにより、安価な電極支持体が得られること
から、電極コストの低下が期待でき、安価な電池を提供
できる効果を有す。
【0053】(実施例2)実施例1の表1に示したcの
電極支持体を用いて、実施例1と同様に塗着式ニッケル
正極において、導電材の効果について比較した。導電材
としては、高次コバルト酸化物、ニッケル粉末などの添
加効果と、高次コバルト酸化物は、活物質である水酸化
ニッケル粉末の表面にコーティングする方法も適用し、
その効果を調べた。
【0054】塗着式ニッケル正極の作成方法は、実施例
1と同様な方法により活物質を主体とするペーストを作
り(但し実施例1に示したコバルト粉末は未添加とし
た。)、前記cの電極支持体に塗着・乾燥・加圧プレス
を行った後、同寸法に切断し、単2形の密閉形電池が構
成できるニッケル正極とした。
【0055】これらのニッケル正極と公知の水素吸蔵合
金負極を用い実施例1に示した電池構成法と同様に電池
P−1〜T−1,P−2〜T−2,U−1〜U−5の1
5種類を構成し、同じ条件で充放電を行った。
【0056】表3に示すニッケル正極を試作する時に使
用した導電材が、高次コバルト酸化物の場合は、水酸化
ニッケル粉末表面に形成する方法、あるいは単にペース
ト作製時に添加する方法を用い、その添加量を変化させ
た。ニッケル粉末の場合は後者のペースト内に添加し、
添加量を変化させた。添加量はいずれも水酸化ニッケル
100重量部に対する量で示す。
【0057】これらの電池を充放電し、3サイクル目の
放電容量、活物質利用率(0.2C放電)と得られたニッ
ケル正極の理論放電容量、電極体積から求めた充填密度
を表3に示す。
【0058】
【表3】 表3の結果より、導電材として水酸化ニッケルの表面
に、導電性高次コバルト酸化物粉末を形成させその量を
比較した。P−1からT−1の電池を比較した場合、高
次コバルト酸化物粉末の添加量の少ない電極の充填密度
は大きくなるが、活物質利用率が小さくなり、添加量の
多い場合は相反する傾向を示した。このことから、高エ
ネルギー密度の電池を構成するには、高次コバルト酸化
物量は水酸化ニッケル100重量部に対して少なくとも
2重量部以上にすることが望ましい。また15重量部に
した電池T−1は、利用率は大きくなったが充填密度が
小さくなったことから、放電容量は少なくなった。高次
コバルト酸化物は材料コストが比較的高いことから、多
量に使用することは電極コストの高騰化を招き、S−1
で示した10重量部以内にすることが賢明である。
【0059】次にペースト内に添加したP−2からT−
2の電池および導電材としてニッケル粉末を使用したU
−1からU−5の電池特性の結果からも充填密度と活物
質利用率について同様の傾向が認められた。したがっ
て、高次コバルト酸化物を添加する場合は水酸化ニッケ
ル100重量部に対して、2〜10重量部、ニッケル粉
末の場合は10〜25重量部が最適範囲と考えられる。
【0060】以上のように、本発明は実施例1で示した
コバルト粉末を添加した方法以外に、水酸化ニッケル表
面に導電性高次コバルト酸化物粉末を形成させた活物質
粉末を使用する方法、導電材として高次コバルト酸化
物、ニッケル粉末を添加する方法においても効果が認め
られた。
【0061】また導電材として高次コバルト酸化物とニ
ッケル粉末を適量混合してもその効果は得られ、本発明
は各々の導電材を単独で使用する場合だけには限らな
い。
【0062】なお、本実施例では示さなかったが、実施
例1に記載した本発明である種々の電極支持体において
も同様な効果が得られ、本発明は適用できることが確認
できた。
【0063】(実施例3)本実施例に於いては、実施例
1で示した電極支持体を用いて、円筒密閉形ニッケル・
水素蓄電池の水素吸蔵合金負極について検討した結果を
示す。電極支持体としては、表1のcの金属多孔板を選
んだ。金属多孔板cは、加工後の見掛け厚みが500μ
mであるので、予めこれをギャツプを300μmにした
ロールプレス機に通し、加工後の見掛け厚みを300μ
mに調整した。
【0064】この金属多孔板を用いて、負極を作製し
た。水素吸蔵合金としてAB5 タイプのMmNi3.6
0.4 Al0.3 Co0.7 組成の合金粉末に炭素粉末の導
電材とスチレン−ブタジエン系の結着材を添加し、水で
混練しペースト状とし、前記の加工後の見掛け厚みを3
00μmに調整した金属多孔板cに塗着した。その後、
乾燥,加圧,切断により所定の寸法に成形し本発明の電
極vとした。
【0065】また、この電極を従来の電極と比較するた
めに、表1のgに示したような通常のパンチングメタル
を用いるもので厚さが50μmの芯材を用いて同様に電
極に加工したものを従来の電極wとした。
【0066】この2種類の負極で密閉電池を構成した。
これらに使用した正極は、公知の球状の水酸化ニッケル
粉末と酸化亜鉛、酸化コバルト、水酸化コバルトなどの
添加物をペースト状に混合し、スポンジ状のニッケル導
電性多孔体に充填し、乾燥,加圧,切断により所定の寸
法に成形した電極である。また、セパレータは厚さが
0.12mmのスルフォン化処理したポリプロピレン不
織布を用いた。これらの正極と負極をセパーレータを挟
み込み渦巻き状に巻回し、鉄にニッケルメッキした金属
外装缶に収納し、正極と負極はそれぞれ集電が良好にな
るように、電極と集電リード板が電気溶接により接続さ
れ正極、負極端子と接続した構成にした。
【0067】電解液として水酸化リチウム(LiOH・
H2 O)が40g/l溶解した比重が1.30の水酸化
カリウム(KOH)水溶液を電池内に注液し、通常のカ
シメ封口により金属外装缶と封口キャップを封口し密閉
電池とした。この電池は先の実施例と同様の単2型であ
り、公称容量は2.8Ahの円筒密閉型電池である。こ
こで、本発明の電極vで構成した電池を電池Vとし、ま
た従来の電極wで構成した電池を電池Wとする。
【0068】これらの電池の特性を比較した。特に高率
放電特性とサイクル寿命特性を比較した。すなわち、ま
ずこれらの電池を20℃の0.1Cで15時間充電し、
1時間の休止後0.2Cで電池電圧が1.0Vに達する
まで放電し、この条件で3サイクル繰り返えした。次い
で、充電条件を同様にして、4サイクル目の放電を5
C、5サイクル目の放電を10Cにして、まず高率放電
特性の比較を行なった。また、6サイクル目以降は充電
を0.5Cで2.5時間、放電を0.5Cで電池電圧が
1Vまで行うサイクル寿命試験を行い、負極の構成条件
とサイクル寿命特性を比較した。これらの結果を表4に
示す。
【0069】なお、これらの特性評価で、いずれの電池
も3サイクルまでの電池特性は良好であり、公称容量を
満足していた。高率放電では各性能評価の結果を放電電
圧(中間電圧)と利用率で示した。またサイクル寿命で
のサイクル数は、電池の放電容量が初期容量の70%以
下に達するサイクル数で示した。
【0070】
【表4】 表4から明らかなように、本発明の電池Vは従来の電池
Wと比較して、高率放電特性、サイクル寿命特性とも
に、優れた性能を有している事が確認できた。これは、
単純には電池を構成した場合に負極の金属多孔体が異な
るだけで表4に示した性能の差異を生じており、本発明
による電極支持体を負極に使用する場合でも電池の高率
放電特性やサイクル寿命を著しく向上できる。
【0071】以上のように、本発明は塗着式ニッケル電
極を構成する場合の電極支持体として平面状のパンチン
グメタルに比べ、電池特性を向上させることが可能にな
り、しかも一般的に三次元構造を有する発泡状ニッケル
多孔体、繊維状ニッケルをフェルト状に加工したものな
どに比べて安価に作製することができ、電極コストの低
廉化が可能になる。さらに、実施例においては塗着式ニ
ッケル電極と水素吸蔵合金電極について記載したが、そ
の他の塗着式電極が可能な、例えば亜鉛電極、カドミウ
ム電極、あるいは水溶液電池以外のリチウムイオン蓄電
池、リチウムポリマー蓄電池などの正極負極の電極支持
体などにも応用できることは明らかである。
【0072】
【発明の効果】二次電池用電極の電極支持体として金属
薄板を機械的な方法により、凹凸加工を施し、三次元立
体化をさせた微細な凹凸加工面を形成することによっ
て、活物質と電極支持体との間の保持能力が改善でき
る。この結果、活物質利用率の向上、高率放電特性の向
上、電極寿命の伸長など電池特性が大幅に改良できる効
果が得られる。
【0073】さらに単なる機械的加工により、電極支持
体を作製することが可能であることから低コスト化が図
れる効果も得られる。特にアルカリ蓄電池用ニッケル正
極に関しては、実用化されている焼結式電極、非焼結式
電極の一種である発泡メタル式電極に比べ低コストで同
等あるいはそれ以上の特性を有する電池が得られ、工業
的な価値は大きい。
【0074】なお、本発明はアルカリ蓄電池用の正・負
極に限らずリチウムイオン蓄電池、リチウムポリマー蓄
電池などにも電極支持体材料を適確に選択する事により
使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の電極支持体を作製する金型の
一例でその断面図を示す。
【図2】図1の金型により作製された圧延鋼板を示し、
(a)は凹凸を形成させた場合の断面図、(b)は
(a)をさらに金型で加圧し、凹凸部を開孔した場合の
断面図。
【図3】凹凸加工された圧延鋼板を示し、凹部と凸部が
整列状態にある場合の平面図。
【図4】凹凸加工された圧延鋼板を示し、縦方向の中心
点が隣接する凹凸部の中間に位置する場合の平面図。
【図5】凹凸加工された圧延鋼板を示し、凹部と凸部が
整列状態で隣接する前後左右の凹凸部が反対方向になっ
た場合の平面図。
【図6】凹凸加工された圧延鋼板を示し、縦方向の中心
点が隣接する凹凸部の中間に位置する場合の平面図。
【符号の説明】
1 圧延鋼板(SPCE) 2 金型本体(上型) 3 上型の凸部 4 上型の凹部 5 金型本体(下型) 6 下型の凸部 7 下型の凹部 8 凹部または凹状に開孔した部分 9 凸部または凸状に開孔した部分
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/64 H01M 4/64 A

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極支持体が微細な凹凸加工面を有する
    金属薄板からなり、この凹凸加工面に電池用活物質また
    は活物質保持材料が塗着もしくは圧着されたものであっ
    て、前記凹凸加工面は、機械加工により、凹凸部の中心
    間ピッチが50〜300μmの範囲で、凹凸加工後の見
    掛けの厚みが凹凸加工前の厚みの3倍以上に増大するよ
    うに形成されたものであることを特徴とする非焼結式電
    極。
  2. 【請求項2】 凹凸形状のそれぞれが略錐体形状に形成
    されたものである請求項1記載の非焼結式電極。
  3. 【請求項3】 略錐体形状が略円錐形状である請求項2
    記載の非焼結式電極。
  4. 【請求項4】 電極支持体は、凹凸加工後の見掛けの厚
    みが凹凸加工前の厚みの5倍以上に増大するように形成
    されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の非焼
    結式電極。
  5. 【請求項5】 電極支持体は、凹凸加工前の肉厚が10
    〜80μmの範囲のパンチングプレートである請求項1
    〜4のいずれかに記載の非焼結式電極。
  6. 【請求項6】 電極支持体は、凹凸加工前の肉厚が10
    〜80μmの範囲の無穴プレートである請求項1〜4の
    いずれかに記載の非焼結式電極。
  7. 【請求項7】 電極支持体は、凹凸加工面の凹凸形状の
    頂点部が開口してなる細孔を無数備えていることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれかに記載の非焼結式電極。
  8. 【請求項8】 凹凸部の中心間ピッチが100〜200
    μmの範囲である請求項1〜7のいずれかに記載の非焼
    結式電極。
  9. 【請求項9】 電極支持体の見掛けの厚みが400μm
    以上である請求項1〜8のいずれかに記載の非焼結式電
    極。
  10. 【請求項10】 電極支持体が、鋼板、表面にニッケル
    メッキが施された鋼板、ニッケル板のいずれかからなる
    請求項1〜9のいずれかに記載の非焼結式電極。
  11. 【請求項11】 凹凸加工面における凹部と凸部が、単
    位面積当たり凹部の個数が20〜80%、凸部の個数が
    80〜20%の範囲で無秩序に形成されている請求項1
    〜10のいずれかに記載の非焼結式電極。
  12. 【請求項12】 凹凸加工面における凹部と凸部が、規
    則正しく配列され、一方向において凹部と凸部が交互に
    形成されている請求項1〜10のいずれかに記載の非焼
    結式電極。
  13. 【請求項13】 縦横両方向において凹部と凸部が交互
    に形成されている請求項12記載の非焼結式電極。
  14. 【請求項14】 非焼結式電極がアルカリ蓄電池用のニ
    ッケル正極であり、活物質である水酸化ニッケル粉末の
    表面が、高次コバルト酸化物が水酸化ニッケル100重
    量部に対して2〜10重量部コーティングされた水酸化
    ニッケル粉末である請求項1〜13のいずれかに記載の
    非焼結式電極。
  15. 【請求項15】 非焼結式電極がアルカリ蓄電池用のニ
    ッケル正極であり、活物質である水酸化ニッケル粉末以
    外に、活物質である水酸化ニッケル粉末と接触する形で
    少なくとも高次コバルト酸化物または金属ニッケルが含
    まれている請求項1〜13のいずれかに記載の非焼結式
    電極。
  16. 【請求項16】 高次コバルト酸化物が単独で水酸化ニ
    ッケル100重量部に対して2〜10重量部含まれてい
    る請求項15記載の非焼結式電極。
  17. 【請求項17】 金属ニッケルが単独で水酸化ニッケル
    100重量部に対して10〜25重量部含まれている請
    求項15記載の非焼結式電極。
  18. 【請求項18】 非焼結式電極がアルカリ蓄電池用の水
    素吸蔵合金負極であり、活物質保持材料である水素吸蔵
    合金粉末の表面が、ニッケル、銅、炭素から選ばれる少
    なくとも一つの導電材と接触し、その導電材は水素吸蔵
    合金粉末100重量部に対して0.5〜10重量部含ま
    れるている請求項1〜13のいずれかに記載の非焼結式
    電極。
  19. 【請求項19】 金属薄板に、金型を用いたプレス加工
    によって、凹凸部の中心間ピッチが50〜300μmの
    範囲で、凹凸加工後の見掛けの厚みが凹凸加工前の厚み
    の3倍以上に増大する微細な凹凸加工面を形成して電極
    支持体を製作し、この電極支持体の凹凸加工面に電池用
    活物質または活物質保持材料を塗着もしくは圧着して電
    極を製造することを特徴とする非焼結式電極の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 金型を用いたプレス加工時に、凹凸部
    を形成すると同時に、凹凸形状の頂点部を開口させて細
    孔を形成することを特徴とする請求項19記載の非焼結
    式電極の製造方法。
  21. 【請求項21】 凹凸形状のそれぞれが略錐体形状に形
    成されたものである請求項19又は20記載の非焼結式
    電極の製造方法。
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