JP4409054B2 - 搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リムの製造ラインにおいて、円筒状のワークを、溶接機へ搬送するための搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、リムの製造ラインにおいては、形鋼を円筒状に加工したもの(以下、「ワーク」と呼ぶ。)を溶接機まで搬送する工程がある。従来、ワークの溶接機までの搬送は、人間が手作業で行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、作業効率が悪く、リムの生産性が低いという問題点があった。このような問題点があったにもかかわらず機械によるリムの搬送が行われなかったのは、リムの種類(直径)に応じてワークのサイズが異なったり、また、リムの種類が同じでもワークの曲率にばらつきがあったりして、機械によってワークをつかむことが困難であったからである。
【0004】
そこで、本発明は、ワークの曲率にばらつきがあったり、ワークのサイズが異なっても、これらに応じてワークをつかむことができる搬送装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リムの製造ラインにおいて、端縁が垂直となるように、かつ、最下部が所定高さになるように支持される円筒状のワークを、溶接機へ搬送するための搬送装置であって、下端クランプ部と、上端クランプ部と、維持手段を具備する。
【0006】
下端クランプ部は、ワークの下端部を、内面側及び外面側から垂直方向にクランプする。上端クランプ部は、ワークの上端部を、内面側及び外面側から垂直方向にクランプする。維持手段は、ワークをクランプした後のクランプ状態において、下端クランプ部または上端クランプ部の高さを維持する。
【0007】
下端クランプ部は、第一のアーム部と、第二のアーム部と、第一の支持手段と、第一の間隔調整手段とを含む。
【0008】
第一のアーム部は、ワークの下端部外面に当接する。第二のアーム部は、ワークの下端部内面に当接する。第一の支持手段は、ワークをクランプする前の初期状態において、第一のアームを、ワークの下端部の高さに応じた高さに支持する。第一の間隔調整手段は、第一のアーム部と第二のアーム部との間隔を垂直方向に調整し、ワークをクランプする際の駆動状態において、第一のアーム部と第二のアーム部との間隔を狭める。
【0009】
上端クランプ部は、第三のアーム部と、第四のアーム部と、第二の支持手段と、第二の間隔調整手段とを含む。
【0010】
第三のアーム部は、ワークの上端部内面に当接する。第四のアーム部は、ワークの上端部外面に当接する。第2の支持手段は、初期状態において、第三のアームを、ワークの上端部の高さに応じた高さに支持する。第二の間隔調整手段は、第三のアーム部と第四のアーム部との間隔を垂直方向に調整し、駆動状態において、第三のアーム部と第四のアーム部との間隔を狭める。
【0011】
そして、第一の間隔調整手段は、初期状態においては、第一のアーム部と第二のアーム部との間隔を、ワークの下端部に対して第一の所定遊びを持つように設定し、第二の間隔調整手段は、初期状態においては、第三のアーム部と第四のアーム部との間隔を、ワークの上端部に対して第二の所定遊びを持つように設定する。
【0012】
このように第一のアーム部と第二のアーム部との間隔、および、第三のアーム部と第四のアーム部との間隔に、それぞれ、第一および第二の所定遊びを設けることで、ワークの曲率にばらつきがあっても、確実にワークをクランプできる。このため、この搬送装置を用いることで、ワークの曲率のばらつきを問題とすることなく、ワークの溶接機への搬送を容易に行うことができ、リムの生産性を向上できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
第1の発明に係る搬送装置は、リムの製造ラインにおいて、端縁が垂直となるように、かつ、最下部が所定高さになるように支持される円筒状のワークを、溶接機へ搬送するための搬送装置であって、下端クランプ部と、上端クランプ部と、維持手段を具備する。
【0014】
下端クランプ部は、ワークの下端部を、内面側及び外面側から垂直方向にクランプする。上端クランプ部は、ワークの上端部を、内面側及び外面側から垂直方向にクランプする。維持手段は、ワークをクランプした後のクランプ状態において、下端クランプ部または上端クランプ部の高さを維持する。
【0015】
下端クランプ部は、第一のアーム部と、第二のアーム部と、第一の支持手段と、第一の間隔調整手段とを含む。
【0016】
第一のアーム部は、ワークの下端部外面に当接する。第二のアーム部は、ワークの下端部内面に当接する。第一の支持手段は、ワークをクランプする前の初期状態において、第一のアームを、ワークの下端部の高さに応じた高さに支持する。第一の間隔調整手段は、第一のアーム部と第二のアーム部との間隔を垂直方向に調整し、ワークをクランプする際の駆動状態において、第一のアーム部と第二のアーム部との間隔を狭める。
【0017】
上端クランプ部は、第三のアーム部と、第四のアーム部と、第二の支持手段と、第二の間隔調整手段とを含む。
【0018】
第三のアーム部は、ワークの上端部内面に当接する。第四のアーム部は、ワークの上端部外面に当接する。第2の支持手段は、初期状態において、第三のアームを、ワークの上端部の高さに応じた高さに支持する。第二の間隔調整手段は、第三のアーム部と第四のアーム部との間隔を垂直方向に調整し、駆動状態において、第三のアーム部と第四のアーム部との間隔を狭める。
【0019】
そして、第一の間隔調整手段は、初期状態においては、第一のアーム部と第二のアーム部との間隔を、ワークの下端部に対して第一の所定遊びを持つように設定し、第二の間隔調整手段は、初期状態においては、第三のアーム部と第四のアーム部との間隔を、ワークの上端部に対して第二の所定遊びを持つように設定する。
【0020】
このように第一のアーム部と第二のアーム部との間隔、および、第三のアーム部と第四のアーム部との間隔に、それぞれ、第一および第二の所定遊びを設けることで、ワークの曲率にばらつきがあっても、確実にワークをクランプできる。このため、この搬送装置を用いることで、ワークの曲率のばらつきを問題とすることなく、ワークの溶接機への搬送を容易に行うことができ、リムの生産性を向上できる。
【0021】
第2の発明に係る搬送装置では、第二の支持手段は、ワークの種類に応じて、初期状態における第三のアーム部の高さを調整する。
【0022】
この構成により、ワークの種類が変わった場合でも、確実にワークをクランプできる。このため、この搬送装置を用いることで、ワークの種類を問題とすることなく、ワークの溶接機への搬送を容易に行うことができ、リムの生産性を向上できる。
【0023】
第3の発明に係る搬送装置では、下端クランプ部、上端クランプ部および維持手段は、昇降可能な昇降体に設置される。そして、昇降体を昇降させることにより、下端クランプ部、上端クランプ部、および、維持手段の相対的位置を維持したまま、第一のアーム部の高さを調整する調整手段を具備する。
【0024】
この構成により、クランプする際のワークの高さを変える必要が生じても、下端クランプ部、上端クランプ部、および、維持手段をそれぞれ個別に調整する必要はないため、調整動作が簡便になる。
【0025】
たとえば、クランプする際のワークの高さを、溶接機においてワークを溶接するときの高さに設定している場合を考えると、溶接機の電極が消耗した場合に、これに応じて、溶接する際のワークの高さ、即ち、クランプする際のワークの高さを変える必要が生じても、下端クランプ部、上端クランプ部、および、維持手段をそれぞれ個別に調整する必要はないため、溶接機の状態に容易に対応できる。
【0026】
第4の発明に係る搬送装置では、第四のアーム部は、ワークの上端部外面に当接する爪部を有する。爪部は、ワークの円筒軸方向に平行な軸を中心に回転可能であり、円筒軸方向から見た場合に、上端部外面に当接可能なように二つの凸部を有する。
【0027】
この構成により、ワークの形状が変形している場合であっても、クランプの際には、爪部が、ワークの形状の変形に応じて回転するため、二つの凸部が常にワークの上端部外面に当接し、ワークをクランプして保持する際の安定性を高めることができる。
【0028】
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態における搬送装置の正面図、図2は、図1の矢印A方向から見た同側面図、図3は、図1の矢印B方向から見た同側面図である。
【0029】
図1に示すように、この搬送装置は、昇降体1、アーム3、5、7、9、シリンダ11、13、21、23、ストッパ15、初期位置設定機構17、ロック機構19(図2参照)、鋼板26、ブラケット28、スライダ33、65(図2参照)、69、レール35、49、57、フランジ63及び移動フレーム67を具備する。
【0030】
アーム3、5、7の先端には、それぞれ、爪部25、27、29が設けられる。アーム9の先端には、回転軸38及び爪部31が設けられる。シリンダ11、13、21、23は、それぞれ、ロッド37、39、59、61を有する。
【0031】
初期位置設定機構17は、シリンダ41、受け台43及びスライダ45を含み、シリンダ41は、ロッド47を有する。ロック機構19は、シリンダ51、制動部材53を含み、シリンダ51は、ロッド55を有する(図2参照)。
【0032】
なお、アーム3、5、シリンダ11およびストッパ15は、下端クランプ部を構成する。シリンダ11は、第一の間隔調整手段に相当する。ストッパ15は、第一の支持手段に相当する。
【0033】
アーム7、9、シリンダ13および初期位置設定機構17は、上端クランプ部を構成する。シリンダ13は、第二の間隔調整手段に相当する。初期位置設定機構17は、第二の支持手段に相当する。ロック機構19は、維持手段に相当する。シリンダ21は、調整手段に相当する。
【0034】
次に、各構成の関係について説明する。
【0035】
昇降体1に関して説明する。昇降体1は、主板1a、上板1bおよび横板1cからなる。二本のレール35は、主板1a上において垂直方向に設けられる。そして、アーム3、5、7、9は、それぞれ二個のスライダ33を介して、レール35に接続され、レール35上を垂直方向に移動可能である。
【0036】
シリンダ11は、アーム5上に設けられる鋼板26と、ブラケット28との間に固定される。ロッド37は、アーム3に接続される。シリンダ13は、アーム9上に設けられる鋼板26に固定される。ロッド39は、アーム7に接続される。
【0037】
初期位置設定機構17に関して説明する。図3に示すように、シリンダ41及び二本のレール49は、昇降体1の横板1cに設けられる。シリンダ41のロッド47は、受け台43に接続される。受け台43の先端部は、横板1cに垂直方向に設けられた開口部18に挿入される(図1参照)。
【0038】
そして、受け台43は、二個のスライダ45を介して、レール49に接続され、垂直方向に設けられたレール49上を垂直方向に移動可能である。
【0039】
ロック機構19に関して説明する。図2に示すように、シリンダ51は、制動部材53に固定され、シリンダ51のロッド55は、ブラケット28に接続される。
【0040】
移動フレーム67に関して説明する。二本のレール57は、移動フレーム67上において垂直方向に設けられる。そして、昇降体1の主板1aには、四個のスライダ65が設けられているため、昇降体1は、スライダ65を介して、レール57上を垂直方向に移動可能である。
【0041】
また、図1に示すように、シリンダ23は、昇降体1の上板1bに固定され、そのロッド61は、フランジ63に接続される。シリンダ21は、移動フレーム67に固定され、そのロッド59は、フランジ63に接続される。
【0042】
さらに、移動フレーム67には、二個のスライダ69が設けられている。これにより、移動フレーム67は、スライダ69を介して、フレーム73に水平方向に設けられたレール71上を水平方向に移動可能である。
【0043】
次に、本実施の形態による搬送装置のクランプ動作について説明する。
【0044】
図1に示すように、ワーク100は、固定装置(図示せず)によって、その左端縁101及び右端縁102が、垂直となるように、かつ、高さHの位置に固定される。高さHは、溶接機(図示せず)において、ワーク100を溶接する時の高さと同じに設定される。
【0045】
図4は、本実施の形態における搬送装置のクランプ動作を説明するための図である。図4(a)は、アーム7、9の初期位置の設定動作を説明するための図である。図4(b)は、ワーク100をクランプするときの動作を説明するための図である。
【0046】
なお、図4において、図1と同一の部分については、図1と同一の符号を付している。また、図4では、説明に必要な構成のみを図示している。
【0047】
まず、図4(a)を用いて、アーム7、9の初期位置の設定動作を説明する。最初、アーム7、9が、破線で示す位置にあったとする。この状態では、アーム7、9の位置が、ワーク100の上部の下側にあるため、ワーク100をクランプできない。
【0048】
そこで、シリンダ41を駆動して、受け台43を上方向に移動させることよって、受け台43上に置かれているアーム7を、ワーク100をクランプできる位置(実線で示す位置)まで移動させる。
【0049】
なお、シリンダ13は、アーム9に固定され、シリンダ13のロッド39は、アーム7に接続されているため、アーム7を垂直方向に動かすと、アーム9及びシリンダ13も同時に垂直方向に移動することになる。この場合、シリンダ13を駆動しない限り、アーム7とアーム9は、その相対的位置を維持したまま、垂直方向に移動することになる。
【0050】
ここで重要なことは、ワーク100の種類が同じでも、ワーク100には、多少の曲率のばらつきが存在するため、このような曲率のばらつきが存在しても、クランプ可能なようにアーム7とアーム9との間隔を設定することである。
【0051】
このため、ワーク100の曲率のばらつきにも対応できるように、基準となるワーク100の上端部に対して所定遊びdを持つようにアーム7とアーム9との間隔を設定する。なお、間隔の調整は、シリンダ13を駆動することにより行う。
同様に、基準となるワーク100の下端部に対して所定遊びdを持つようにアーム3とアーム5との間隔を設定する。なお、間隔の調整は、シリンダ11を駆動することにより行う。
【0052】
上記の初期位置設定動作は、アーム7、9の位置が、ワーク100の上部の下側にある場合を説明したが、上側にある場合も同様であり、この場合は、アーム7、9を初期位置設定機構17によって、下方向に移動させればよい。
【0053】
アーム3、5の初期位置について説明する。アーム3、5の初期位置は、ストッパ15によって設定される。この場合も、アーム3、5の初期位置は、高さHに固定されたワーク100の下端部をクランプできるように設定される。別の言い方をすれば、ストッパ15は、アーム3の下限を設定するものである。
【0054】
以上のように、アーム3とアーム5との間隔、および、アーム7とアーム9との間隔に所定遊びdを持たせることで、ワーク100に曲率のばらつきが存在しても、クランプ可能となる。
【0055】
次に、図4(b)を用いて、ワーク100をクランプするときの動作について説明する。まず、動作の概略について説明し、詳細については後述する。
【0056】
図4(b)において、破線で示すアーム3、5、7、9は、クランプ前の状態を示している。この状態から、ロック機構19(図2参照)によるロックを解除するとともに、シリンダ11を駆動し、アーム3、5によって、ワーク100の下端部をクランプする。一方、シリンダ13を駆動することにより、アーム7、9によって、ワーク100の上端部をクランプする。
【0057】
そして、クランプした状態で、ロック機構19によって、アーム3、5の位置を固定する。この後は、固定装置(図示せず)によるワークの固定を解除して、移動フレーム67(図1参照)をレール71に沿って移動させることにより、ワーク100を溶接機(図示せず)まで搬送する。
【0058】
次に、上述したクランプ動作に用いたロック機構19およびシリンダ11、13の動作の詳細について説明する。まず、図2を用いて、アーム3、5によるクランプに用いるロック機構19について説明する。
【0059】
ロック機構19は、シリンダ51を駆動することにより、制動部材53を主板1aに押し付ける。こうすることで、シリンダ51のロッド55に接続されたブラケット28が、その位置で固定されることになる。
【0060】
すなわち、ロック機構19により、アーム3、5の位置を固定できるのである(ロック)。なぜなら、ブラケット28は、シリンダ11に固定され、シリンダ11は鋼板26に固定され、鋼板26は、アーム5に固定され、しかも、シリンダ11のロッド37は、アーム3に固定されているからである。
【0061】
一方、ロック機構19において、シリンダ51を駆動して、制動部材53を主板1aから離すことにより(ロック解除)、アーム3、5は垂直方向に移動可能となる。
【0062】
なお、主板1aには垂直方向に開口部が設けられており、この開口部を通して、シリンダ51のロッド55は、ブラケット28に接続されている。したがって、ロックが解除されていれば、ロック機構19の存在が、アーム3、5の移動の障害になることはない。
【0063】
次に、図4(b)を用いて、シリンダ11の動作、すなわち、アーム3、5によるワーク100の下端部のクランプについて説明する。
【0064】
シリンダ11を駆動し、ロッド37を垂直方向に移動させることにより、アーム3を垂直方向に移動させることができる。これにより、アーム3、5の開閉が可能となる。
【0065】
したがって、シリンダ11を駆動して、アーム3、5を閉じることにより、ワーク100の下端部を、その内面側及び外面側から垂直方向にクランプできるのである。なお、爪部25は、ワーク100の外面の当接し、爪部27は、ワーク100の内面に当接する(図1参照)。
【0066】
さらに、アーム3、5によってクランプする場合は、ロック機構19によるロックが解除されているため、アーム3が上方向に移動しストッパ15から離れると、アーム3、7が下方向に移動することになる。このような動作も、アーム3、5によるワーク100の下端部のクランプに貢献することになる。
【0067】
シリンダ13の動作、すなわち、アーム7、9によるワーク100の上端部のクランプは、アーム3、5によるワーク100の下端部のクランプと同様である。ただし、ロック機構19が、関与しない点で異なる。
【0068】
また、クランプ時においては、爪部29は、ワーク100の内面の当接し、爪部31は、ワーク100の外面に当接する。なお、アーム7は、受け台43の上に単に置かれているだけであり、アーム7、9の開閉には影響しない。
【0069】
ここで、図2に示すように、ロック機構19は、ブラケット28を介してシリンダ11に接続しているが、このようにするのではなく、ロック機構19を、シリンダ13に接続することにより、同様の機能を果たさせることもできる。
【0070】
次に、ワークの種類が変わった場合でも、クランプ可能にするための調整動作について説明する。図5は、ワークの種類に対応した調整動作を説明するための図である。
図5(a)は、本発明の実施の形態における搬送装置の正面図、図5(b)は、矢印A方向から見た同側面図である。なお、図5において、図1と同一の部分については、図1と同一の符号を付している。また、図5では、説明に必要な構成のみを図示している。
【0071】
最初、対象となるワークが、破線で示す直径D1のワーク100だったとする。従って、これに応じて、受け台43の位置も破線で示す位置にある。
【0072】
しかし、対象となるワークが、直径D2のワーク103になったときは、受け台43の位置がこのままでは、クランプができない。この場合は、クランプ可能なように、初期位置設定機構17によって、受け台43の位置を調整するのである。
【0073】
具体的には、シリンダ17を駆動して、受け台43を上方向に移動させることよって、受け台43上に置かれているアーム7を、ワーク103をクランプできる位置(実線で示す位置)まで移動させる。この場合、上述した理由で、シリンダ13を駆動しない限り、アーム7とアーム9は、その相対的位置を維持したまま、垂直方向に移動することになる。
【0074】
上記の調整動作は、対象となるワークを、直径が小さいものから大きなものへ変えた場合について説明したが、直径の大きなものから小さなものへ変える場合も同様であり、この場合は、アーム7、9を初期位置設定機構17によって、下方向に移動させればよい。
【0075】
なお、クランプ前に、固定装置(図示せず)によってワークを固定する場合、ワークの種類(直径)に関係なく、ワーク100、103の最下部を同じ高さに一致させて固定する。図5においては、ワーク100、103は、その最下部が地面から高さH(溶接機に応じた高さ)の位置に固定される。
【0076】
このように、種類に関係なく、ワークの最下部を同じ高さに一致させて固定するのは、次の理由による。たとえば、種類に関係なく、ワークの円筒軸の高さを同じ高さに一致させて固定するとすれば、ワークの種類の変更のたびに、アーム3、5をワークの下端部に、アーム7、9をワークの上端部にそれぞれ一致させる必要があり、動作が煩雑になるからである。
【0077】
一方、本実施の形態のように、種類に関係なく、ワークの最下部を同じ高さに一致させて固定すれば、ワークの種類を変更する場合であっても、アーム3、5については位置の調整が不要で、アーム7、9についてのみワークの上端部に一致させればよく、調整動作を簡素化できるのである。
【0078】
以上のように、初期位置設定機構17によって、アーム7、9の上下位置の調整が可能であるため、ワークの種類が変わっても、クランプが可能である。
【0079】
次に、溶接機(図示せず)の電極の位置に応じて、固定装置(図示せず)によるワークの高さHを変更する必要が生じた場合でも、クランプ可能にするための調整動作について説明する。図6は、固定装置により固定されるワークの高さに対応した調整動作を説明するための図である。
【0080】
図6(a)は、溶接機に応じて、ワークの固定される高さが変わった状態を示す図である。図6(b)は、高さが変わったワークに応じて、本発明の実施の形態における搬送装置の位置を調整した状態を示す図である。なお、図6において、図1と同一の部分については、図1と同一の符号を付している。また、図6では、説明に必要な構成のみを図示している。
【0081】
図6(a)において、破線で示すワーク100は、高さHに固定されており、ワーク100の高さを変更する前の状態を示している。溶接機(図示せず)の電極が放電により消耗して、ワーク100を溶接するときの位置が変わった場合、これに応じて、固定装置(図示せず)によるワーク100の高さHも変更する必要がある。
【0082】
すなわち、溶接するときのワーク100の高さが、距離Lだけ下がった場合は、固定されるワーク100の高さも、高さHから距離Lだけ下げて、高さhにする必要がある。実線で示すワーク100は、このような高さhに固定した状態を示している。
【0083】
そこで、図6(b)に示すように、シリンダ21を駆動して、ロッド59を距離Lだけ下降させることによって、昇降体1を、距離Lだけ下降させる必要がある。
【0084】
なお、アーム3とアーム5との間隔a、および、アーム7とアーム9との間隔aは、昇降体1を下降させる前と後で同じである。また、アーム7とアーム5との間隔も、昇降体1を下降させる前と後で同じである。すなわち、昇降体1の下降の前後で、昇降体1の上に設けられる各構成の相対的な位置関係は維持されたままである。
【0085】
なぜなら、アーム3、5、7、9、シリンダ11、13、初期位置設定機構17およびロック機構19(図2参照)などの各構成は、昇降体1の上に設けられているから、昇降体1を動かしても、シリンダ11、13、41、51を駆動させない限り、昇降体1の上に設けられる各構成の相対的な位置関係は維持されるからである。
【0086】
なお、これまでは、昇降体1を下降させる場合について述べてきたが、昇降体1は、シリンダ21によって上昇させることもできる。
【0087】
以上のように、シリンダ21により、昇降体1を下降させるだけで、昇降体1の上に設けられた各構成の相対的位置関係を維持したまま、ワーク100の高さに応じて、アーム3、5、7、9の高さを変えることができる。
【0088】
このため、溶接機の電極の位置に応じて、固定装置によるワークの高さを変更する必要が生じた場合でも、各アーム3、5、7、9をそれぞれ個別に調整する必要はなく、溶接機の状態に容易に対応できる。
【0089】
なお、ワークを溶接機に投入し、溶接機のチャックでクランプする際のワークから伝わる搬送装置への衝撃防止のため、昇降体1をシリンダ23で支え緩衝器の役目を持たせている。
【0090】
次に、図1に示したアーム9の爪部31の詳細な機構について説明する。
【0091】
図7は、図1の爪部31の詳細な機構を説明するための図である。図7(a)は、図1のアーム7、9の先端を拡大した図であり、図7(b)は、図1の矢印A方向から見たアーム7、9の先端を拡大した図である。なお、図7において、図1と同一の部分については、同一の符号を付している。
【0092】
爪部31は、回転軸38を中心に回転可能である。このため、ワーク100が変形し、形状にばらつきがあっても、クランプの際には、爪部31が、ワーク100の形状の変形に応じて回転する。
【0093】
したがって、図7(b)に示す方向から見た場合、少なくとも爪部31の二点が常にワーク100の上端部外面に当接し、ワーク100をクランプして保持する際の安定性を高めることができる。
【0094】
図8は、このような爪部31の有効性を説明するための図である。なお、図8において、図1と同一の部分については、同一の符号を付している。また、ワーク100の変形状態は、説明の便宜のため、極端な例を示している。
【0095】
図8(b)に示すように、矩形の爪部75を用いた場合、ワーク100が変形しているとき、爪部75の一点だけが、ワーク100の外面に当接することになるので、クランプして保持する際の安定性が低くなる。
【0096】
そこで、回転可能な爪部31でクランプすると、爪部31の少なくとも二点がワーク100の外面に当接し、クランプして保持する際の安定性が高くなる。すなわち、ワーク100を爪部29、31で三点クランプすることになるのである。
【0097】
また、図1に示すように、爪部25、27、29、31のワーク100と当接する側の形状は、ワーク100の形状に応じた形状になっている。したがって、クランプして保持する際の安定性をより高めることができる。そして、爪部25、27、29、31は、ワークに合わせて交換可能である。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、アームの間隔に所定遊びを設けることで、ワークの曲率にばらつきがあっても、確実にワークをクランプできる。このため、この搬送装置を用いることで、ワークの曲率のばらつきを問題とすることなく、ワークの溶接機への搬送を容易に行うことができ、リムの生産性を向上できる。
【0099】
また、ワークの上端部をクランプするアームの高さを調整できるので、ワークの種類が変わった場合でも、確実にワークをクランプできる。このため、この搬送装置を用いることで、ワークの種類を問題とすることなく、ワークの溶接機への搬送を容易に行うことができ、リムの生産性を向上できる。
【0100】
さらに、アーム間の相対的位置関係を維持したまま、全体を昇降できるので、溶接機の電極が消耗した場合に、これに応じて、溶接する際のワークの高さ、即ち、クランプする際のワークの高さを変える必要が生じても、容易に対応できる。
【0101】
さらに、ワークの形状が変形している場合であっても、クランプの際には、爪部が、ワークの形状の変形に応じて回転するため、二つの凸部が常にワークの上端部外面に当接し、ワークをクランプして保持する際の安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における搬送装置の正面図
【図2】同搬送装置の左側面図
【図3】同搬送装置の右側面図
【図4】(a)アームの初期位置設定動作の説明図
(b)アームによるクランプ動作の説明図
【図5】(a)ワークの種類に応じた調整動作を説明するための正面図
(b)同側面図
【図6】(a)ワークの固定される高さが変わった状態を示す図
(b)高さが変わったワークに応じて、位置を調整した状態を示す図
【図7】(a)アームの先端を拡大した正面図
(b)同側面図
【図8】(a)本発明の実施の形態における搬送装置のアームの特徴を示す図
(b)一般的なアームの不具合を示す図
【符号の説明】
1 昇降体
3、5、7、9 アーム
11、13、21、23、41、51 シリンダ
15 ストッパ
17 初期位置設定機構
19 ロック機構
25、27、29、31、75 爪部
38 回転軸
100、103 ワーク
101 左端縁
102 右端縁
Claims (4)
- リムの製造ラインにおいて、端縁が垂直となるように、かつ、最下部が所定高さになるように支持される円筒状のワークを、前記溶接機へ搬送するための搬送装置であって、
前記ワークの下端部を、内面側及び外面側から垂直方向にクランプする下端クランプ部と、
前記ワークの上端部を、内面側及び外面側から垂直方向にクランプする上端クランプ部と、
前記ワークをクランプした後のクランプ状態において、前記下端クランプ部または前記上端クランプ部の高さを維持する維持手段とを具備し、
前記下端クランプ部は、
前記ワークの下端部外面に当接する第一のアーム部と、
前記ワークの下端部内面に当接する第二のアーム部と、
前記ワークをクランプする前の初期状態において、前記第一のアームを、前記ワークの下端部の高さに応じた高さに支持する第一の支持手段と、
前記第一のアーム部と前記第二のアーム部との間隔を垂直方向に調整し、前記ワークをクランプする際の駆動状態において、前記第一のアーム部と前記第二のアーム部との間隔を狭める第一の間隔調整手段とを含み、
前記上端クランプ部は、
前記ワークの上端部内面に当接する第三のアーム部と、
前記ワークの上端部外面に当接する第四のアーム部と、
前記初期状態において、前記第三のアームを、前記ワークの上端部の高さに応じた高さに支持する第二の支持手段と、
前記第三のアーム部と前記第四のアーム部との間隔を垂直方向に調整し、前記駆動状態において、前記第三のアーム部と前記第四のアーム部との間隔を狭める第二の間隔調整手段とを含み、
前記第一の間隔調整手段は、前記初期状態においては、前記第一のアーム部と前記第二のアーム部との間隔を、前記ワークの下端部に対して第一の所定遊びを持つように設定し、
前記第二の間隔調整手段は、前記初期状態においては、前記第三のアーム部と前記第四のアーム部との間隔を、前記ワークの上端部に対して第二の所定遊びを持つように設定し、
前記上端クランプ部は、さらに前記第一のアーム部と前記第二のアーム部とを前記ワークの上端部をクランプ不能な位置からクランプ可能な位置へ移動させる初期位置設定機構を備えることを特徴とする搬送装置。 - 前記第二の支持手段は、前記ワークの種類に応じて、前記初期状態における前記第三のアーム部の高さを調整することを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
- 前記下端クランプ部、前記上端クランプ部および前記維持手段は、昇降可能な昇降体に設置され、
前記昇降体を昇降させることにより、前記下端クランプ部、前記上端クランプ部、および、前記維持手段の相対的位置を維持したまま、前記第一のアーム部の高さを調整する調整手段を具備する請求項1または2記載の搬送装置。 - 前記第四のアーム部は、前記ワークの上端部外面に当接する爪部を有し、
前記爪部は、前記ワークの円筒軸方向に平行な軸を中心に回転可能であり、前記円筒軸方向から見た場合に、前記上端部外面に当接可能なように二つの凸部を有し、かつ前記爪部は、前記ワークを三点クランプすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の搬送装置。
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