JP4409026B2 - ティッシュペーパー用カートン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数枚のティッシュペーパーを重畳状態に収納するティッシュペーパー用カートンの上面の所定位置にティッシュペーパー取出口を開口させるために形成されている中間部切取線と両縁部切取線とで囲まれた開口用切取線の少なくとも中間部切取線が小さな力で容易に切り離すことができ、ティッシュペーパー取出口を開口させた状態で切り口が平滑で外観及び手触りが良く、縁部に指が触ったときに指を傷付けることがないティッシュペーパー用カートンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上面の所定位置にティッシュペーパー取出口を開口させるために中間部切取線と両縁部切取線とで囲まれた開口用切取線が形成されているティッシュペーパー用カートンとしては、図6に示すような上面5の所定位置に窓枠状のティッシュペーパー取出口2を形成するように中間部切取線Aと両縁部切取線Bとで囲まれた環状のミシン目3を形成し、そのティッシュペーパー取出口2となる部分全体を内側から覆うようにスリットを有するポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムを窓貼りした直方体状のティッシュペーパー用カートン1が広く使用されている。そして、このようなティッシュペーパー用カートン1は、使用時に両縁部切取線Bの一方又は両方の内側に形成されている指先挿入部4に指先を差し込んでティッシュペーパー取出口2となる部分を摘んで環状のミシン目3に沿ってティッシュペーパー取出口2となる部分を切り離して開口させると、そのティッシュペーパー取出口2よりティッシュペーパーを1組ずつ連続的に取り出すことができるものである。
【0003】
このようなティッシュペーパー用カートン1において、近年、例えば特開平8−104378号公報に開示されているように、環状のミシン目3に沿ってティッシュペーパー取出口2となる部分を切り離して開口させた際に、ティッシュペーパー取出口2周囲の切り口縁の外観と手触りを良くすると共にティッシュペーパー取出口2となる部分の切り離しをスムーズに行えるように、環状のミシン目3をそれぞれカット部間隔が狭い内側ミシン目のカット部とこの内側ミシン目の外側に近接した外側ミシン目のカット部とが千鳥状に配置されている二重ミシン目として形成する方法が提案されている。
【0004】
上記した特開平8−104378号公報で開示されている発明であるティッシュペーパー収納箱においては、中間部と長手方向両端部とより成る裂開用ミシン目を内側ミシン目と外側ミシン目とによる二重ミシン目として形成し、内側ミシン目のカット部分を支配的にした長手方向両端部内に設けられた指先挿入部を摘んで両縁部を引き起こすと中間部の内側,外側ミシン目のカット部を交互に行き来しながら開封片が切断されてティッシュペーパー取出口が形成されるのであり、中間部においては図4の(a)に示すように内側ミシン目及び外側ミシン目は共にカット部分の長さ及びカット部分間の間隙部の長さがほぼ同じでそれぞれのカット部分が千鳥状に配置されるよう内側ミシン目と外側ミシン目とをほぼ均等に形成するか又は図4の(b)に示すようには外側ミシン目においてカット部分の長さをやゝ長めにしカット部分間の間隙部の長さをその分だけ短くして内側ミシン目と外側ミシン目とのカット部分を若干重複させるようにしているため、二重ミシン目によって開封片を切断すると、特に硬質の鉱物質塗工剤で塗工した厚紙製のカートンの場合はこの切断部の内側ミシン目のカット部分に指を接触させたときに指を切るという事故を起すことがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記したような従来技術の欠点を解消し、多数枚のティッシュペーパーを重畳状態に収納するティッシュペーパー用カートンの上面の所定位置にティッシュペーパー取出口を開口させるために形成されている中間部切取線と両縁部切取線とで囲まれた開口用切取線において少なくとも中間部切取線が、小さな力で容易に切り離せてティッシュペーパー取出口を開口することができ、開口させた状態で切り口が平滑で外観及び手触りが良く、縁部に指が触ったとき指を傷付けることがないティッシュペーパー用カートンを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく検討した結果、特開平8−104378号公報で開示されている発明であるティッシュペーパー収納箱において前記した如く二重ミシン目に沿って開封片を切断した際にその切断部の内側ミシン目のカット部分に指を接触させたときに指を切るという事故を起す原因は、図5の(a)及び(b)に示すようにティッシュペーパー取出口の縁部において切断部の内側ミシン目のカット部分の端縁から外側ミシン目のカット部分の端縁に至る角部が直角又は鋭角状を成すため、この角部で指を切る事故が発生することを究明し、多数枚のティッシュペーパーを重畳状態に収納するティッシュペーパー用カートンを、その上面の所定位置にティッシュペーパー取出口を開口させるために形成されている中間部切取線と両縁部切取線とで囲まれた開口用切取線の少なくとも該中間部切取線が、それぞれカット部間隔が狭い内側ミシン目のカット部と該内側ミシン目の外側に近接した外側ミシン目のカット部とが千鳥状に配置されている二重ミシン目で構成されており、該内側ミシン目のカット部の長さが該外側ミシン目のカット部の長さより長く、且つ該内側ミシン目のカット部の端と該カット部の端に最も近接した該外側ミシン目のカット部の端とを結ぶ直線と該内側ミシン目との内角が鈍角となるようにしておけば良いことを究明して本発明を完成したのである。
【0007】
そしてこのようなティッシュペーパー用カートンにおいて、内側ミシン目のカット部の長さが0.5〜1.2mmで内側ミシン目のカット部とカット部の間隙部の長さが0.6〜1.0mmであり外側ミシン目のカット部の長さが0.4〜0.8mmであることが好ましいことや、内側ミシン目と外側ミシン目との間隔が0.5〜0.8mmであることが好ましいことや、内側ミシン目のカット部の端が外側に折曲しているとより好ましいことも究明したのである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るティッシュペーパー用カートンについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明に係るティッシュペーパー用カートンの上面を示す図、図2は図1の開口用切取線におけるX部に相当する部分の拡大図、図3は本発明に係るティッシュペーパー用カートンにおけるティッシュペーパー取出口を開口させた際の開口縁部の拡大図である。
【0009】
図面中、1は多数枚のティッシュペーパーを重畳状態に収納するティッシュペーパー用カートンであって、その上面5の所定位置にはティッシュペーパー取出口2を開口させるために形成されている中間部切取線Aと両縁部切取線Bとで囲まれた開口用切取線3が設けられており、少なくとも中間部切取線Aは、それぞれカット部間隔が狭い内側ミシン目3aのカット部とこの内側ミシン目3aの外側に近接した外側ミシン目3bのカット部とが千鳥状に配置されている二重ミシン目で構成されており、内側ミシン目3aのカット部の端とこのカット部の端に最も近接した外側ミシン目3bのカット部の端とを結ぶ直線と内側ミシン目3aとの内角が鈍角である。このように内側ミシン目3aのカット部の端とこのカット部の端に最も近接した外側ミシン目3bのカット部の端とを結ぶ直線と内側ミシン目3aとの内角が鈍角であると、開口用切取線3に沿って切り離して開口したティッシュペーパー取出口2の指が接触することがある中間部切取線Aの縁部において切断部の内側ミシン目3aのカット部分の端縁が鈍角状を成すため、この鈍角部で指を切る事故が発生することがないのである。
【0010】
また、図1に示した実施例では、両縁部切取線Bは開口用切取線3の両方の端縁部を構成し、カット部が支配的であり、そのカット部が中間部切取線Aの内側ミシン目3aの延長線上に位置する一重ミシン目であるが、一重ミシン目でなくカット部間の間隙部の外側に外側ミシン目のカット部が位置する二重ミシン目であってもよい。
なお、4は両縁部切取線Bの一方又は両方(図示した実施例では一方)の内側に形成されている指先挿入部であり、この指先挿入部4に指先を差し込んで摘んで引き上げることによってその両縁部切取線Bから容易に破断して内側ミシン目3aに沿ってティッシュペーパー取出口2となる部分を切り離して開口させることができる。
【0011】
このような構成において、開口用切取線3の中間部切取線Aにおける内側ミシン目3aのカット部の長さと外側ミシン目3bのカット部の長さとは、図2に示すように両縁部切取線Bの切り裂きが直接伝わる内側ミシン目3aのカット部を長くして切り離しが容易になるようにすることが必要である。
【0012】
そして、多数枚のティッシュペーパーを重畳状態に、即ち2枚重ね又は3枚重ねのティッシュペーパーを200組乃至250組程度重畳状態に、収納するティッシュペーパー用カートンにおいては、この内側ミシン目3aのカット部の長さが0.8〜1.2mm、内側ミシン目3aのカット部とカット部の間隙部の長さが0.6〜1.0mm、外側ミシン目3bのカット部の長さが0.4〜0.8mmであることが、また内側ミシン目3aと外側ミシン目3bとの間隔が0.5〜0.8mmであることが、内側ミシン目3aと外側ミシン目3bのそれぞれのカット部を交互に行き来してジグザグに切り離すことが容易で且つ切り口の状態が良好になるので好ましい。
【0013】
また、本発明に係るティッシュペーパー用カートン1は、前述したようにティッシュペーパー取出口2の縁部において切断部の内側ミシン目3aのカット部分の端縁がこの部分で指を切る事故が発生しないように鈍角状を成すようにするものであるから、内側ミシン目3aのカット部の端が鈍角状に予め外側に折曲しているとより好ましいのである。
【0014】
【実施例】
実施例及び比較例1,2
本発明に係るティッシュペーパー用カートンと特開平8−104378号公報に開示されたティッシュペーパー収納箱とに対応するものとして、坪量170gの厚紙で内側ミシン目と外側ミシン目との間隔は総て0.6mmとし、開口用切取線の中間部切取線の内側ミシン目と外側ミシン目とのカット部の長さ及びカット部とカット部との間の間隙部の長さを表1に記載したものを作成した。
【0015】
【表1】
【0016】
このような各ティッシュペーパー用カートンの開口用切取線の中間部切取線の二重ミシン目に沿ってティッシュペーパー取出口を開口させた際にティッシュペーパー取出口の縁部において切断部の内側ミシン目のカット部分の端縁から外側ミシン目のカット部分の端縁に至る角部は、実施例においては図3に示すように約100度という鈍角であるのに対し、比較例1は図5の(a)に示すように90度、比較例2は図5の(b)に示すように約80度という鋭角であった。
そのため、ティッシュペーパー取出口よりティッシュペーパーを取り出す操作を繰り返した結果、実施例では開口用切取線の中間部切取線の縁部に指が触ったとき指を傷付けることがなかったのに対し、比較例では開口用切取線の中間部切取線の縁部に指が触ったとき指を傷付ける事故が生じた。
また、実施例では内側ミシン目のカット部の長さが外側ミシン目のカット部の長さより長いので、開口用切取線の中間部切取線を比較例1及び2に較べて容易に切り離すことができた。
【0017】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、本発明に係るティッシュペーパー用カートンは、多数枚のティッシュペーパーを重畳状態に収納するティッシュペーパー用カートンの上面の所定位置にティッシュペーパー取出口を開口させるために形成されている中間部切取線と両縁部切取線とで囲まれた開口用切取線の中で、ティッシュペーパー取出口よりティッシュペーパーを取り出す操作を行う際に開口用切取線の縁部に指が触ることが生じ易い少なくとも該中間部切取線を、それぞれカット部間隔が狭い内側ミシン目のカット部とこの内側ミシン目の外側に近接した外側ミシン目のカット部とを千鳥状に配置されている二重ミシン目で構成し、この内側ミシン目のカット部の長さを外側ミシン目のカット部の長さより長くし、且つこの内側ミシン目のカット部の端とこのカット部の端に最も近接した外側ミシン目のカット部の端とを結ぶ直線と内側ミシン目との内角を鈍角とすることにより、小さな力で容易にティッシュペーパー取出口を開口することができ、開口させた状態で切り口が平滑で外観及び手触りが良く、縁部に指が触ったとき指を傷付けることがないティッシュペーパー用カートンである。
従って、本発明に係るティッシュペーパー用カートンは、使用者が安心して使用できるものであり、ティッシュペーパーの使用者の拡大につながる有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るティッシュペーパー用カートンの上面を示す図である。
【図2】 図1の開口用切取線におけるX部に相当する部分の拡大図である。
【図3】 本発明に係るティッシュペーパー用カートンにおけるティッシュペーパー取出口を開口させた際の開口縁部の拡大図である。
【図4】 特開平8−104378号公報に開示されたティッシュペーパー収納箱の図2に相当する部分の拡大図である。
【図5】 特開平8−104378号公報に開示されたティッシュペーパー収納箱におけるティッシュペーパー取出口を開口させた際の開口縁部の拡大図である。
【図6】 従来の一般的なティッシュペーパー用カートンの斜視図である。
【符号の説明】
1 ティッシュペーパー用カートン
2 ティッシュペーパー取出口
3 開口用切取線
A 中間部切取線
B 両縁部切取線
3a 内側ミシン目
3b 外側ミシン目
4 指先挿入部
5 上面
Claims (4)
- 多数枚のティッシュペーパーを重畳状態に収納するティッシュペーパー用カートンの上面(5)の所定位置にティッシュペーパー取出口(2)を開口させるために形成されている中間部切取線(A)と両縁部切取線(B)とで囲まれた開口用切取線(3)の少なくとも該中間部切取線(A)が、それぞれカット部間隔が狭い内側ミシン目(3a)のカット部と該内側ミシン目(3a)の外側に近接した外側ミシン目(3b)のカット部とが千鳥状に配置されている二重ミシン目で構成されており、該内側ミシン目(3a)のカット部の長さが該外側ミシン目(3b)のカット部の長さより長く、且つ該内側ミシン目(3a)のカット部の端と該カット部の端に最も近接した該外側ミシン目(3b)のカット部の端とを結ぶ直線と該内側ミシン目(3a)との内角が鈍角であることを特徴とするティッシュペーパー用カートン(1)。
- 内側ミシン目(3a)のカット部の長さが0.5〜1.2mm、内側ミシン目(3a)のカット部とカット部の間隙部の長さが0.6〜1.0mm、外側ミシン目(3b)のカット部の長さが0.4〜0.8mmである請求項1に記載のティッシュペーパー用カートン(1)。
- 内側ミシン目(3a)と外側ミシン目(3b)との間隔が、0.5〜0.8mmである請求項1又は2に記載のティッシュペーパー用カートン(1)。
- 内側ミシン目(3a)のカット部の端が外側に折曲している請求項1から3までのいずれか1項に記載のティッシュペーパー用カートン(1)。
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