JP5499945B2 - 両方向に開封可能なジッパー構造 - Google Patents
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Description
その他、両方向に破取り可能なジッパーは、特許文献3にも開示されている。特許文献3の図7、8では、ジッパーを構成する切目は湾曲線とされており、破り取った後の切取部分が滑らかになると考えられる。しかし、同図をよく見ると、一見湾曲しているように見える切目が、実際には、複数の直線を組み合わせることで近似的に湾曲線であるかのように構成されている。この場合、当該切目をブランクに形成するための切刃は、複数箇所で屈曲した1本の切刃を用いるか、複数の直線刃を組み合わせて使用することとなる。屈曲した1本の切刃を作成するのは技術的に難しい。また、複数の直線刃を組み合わせて湾曲形状を近似しようとすると、各直線刃の配置や間隔を細かく設定することが必要となるし、ショット(切目を形成するためにブランクへ切刃を圧接すること)の回数が増えるにつれて、刃が欠けたり摩耗して、仕上がりが悪くなるという問題が生じる。
上記破断線は、破断方向に延在する仮想線に沿って、交互に繰り返し並ぶ「複数の第1切目」および「複数の第2切目」で構成されている。
上記仮想線によって2つに分けられる各領域を上領域および下領域としたとき、第1切目は、「上領域に頂点を有し、頂点から左右に湾曲しながら下領域に向かって延在する中央部」と「中央部の両端に連なり、下領域において最下点を有するとともに、湾曲しながら上領域に向かう方向に折り返す2つの裾野部」とを有する1本の連続した湾曲線で構成されている。
第2切目は、その形状が上記仮想線に関して第1切目と線対称であって、頂点を下領域に有している。そして、第1切目と第2切目は、それぞれの裾野部が上記仮想線に沿う方向にオーバーラップしている。
すなわち、各切目が湾曲線であるが故に、当該切目をブランクに形成するための切刃もこれに対応した湾曲形状を有する1本の切刃を使用することができる。つまり、技術的に製造が難しい屈曲した1本の切刃を使用する必要はなく、また、複数の直線刃の組み合せた場合における上述の問題点(耐久性および仕上がり性に劣る点)も解決できる。
また、切刃が湾曲形状であるが故に、ジッパーを破り取った後の破断跡を滑らかなものにできる。
図1(a)は開封前の状態を、図1(b)は開封後の状態を、それぞれ示しており、開封後においては、差込片15をスリット16に差し込むことで、紙箱10の再封が可能となっている。
図2において、仮想線(L)は、文字通り仮想の線であって、ジッパーの破断方向を示している。破断線12は、「複数の第1切目1」および「複数の第2切目2」で構成されている。第1切目1および第2切目2は、仮想線(L)に沿って、交互に繰り返して並んでいる。
第2切目2は、その形状が仮想線(L)に関して第1切目1と線対称である。
また、本発明のように切刃が湾曲形状であると、ジッパーを破り取った後の破断跡を滑らかなものにできる。
第1切目1の頂点aは上領域に存在し、第2切目2の頂点aは下領域に存在する。つまり、第1切目1の頂点aと第2切目2の頂点aは、仮想線(L)に関して反対側の領域に位置する。これにより、第1切目1と第2切目2が、仮想線(L)と直交する方向において離れすぎることが防止され、破断線の進行が円滑に進む。
第1切目1と第2切目2は、それぞれの裾野部が仮想線(L)に沿う方向にオーバーラップしている。第1切目1と第2切目2がオーバーラップすることで、ジッパーを破る際の破断線の進行を、予定された方向へ適正に案内することが可能となる。
本明細書において、「上領域」、「下領域」という言葉は、説明の便宜上2つの領域を区別して呼んでいるものに過ぎない。1本の仮想線によって平面が2つの領域に分けられ、当該2つの領域を分かりやすく区別して表現したものである。したがって、「上」と「下」の関係は逆でもよいし、「右」と「左」の関係に置き換えて考えることもできる。
第1切目1および第2切目2の具体的な形態、すなわち、寸法や湾曲具合等は、図示したものに限定されない。例えば、図においては、第1切目1と第2切目2は、向きが異なるだけで実質上、同じ形状であったが、必ずしもそのような構成でなくてもよい。
また、図示したように、第1切目1および第2切目2は、仮想線(L)に沿って左右対称の形状であることが好ましい。それは、破り取った後の破断面はより美しく、また、破り取る時の感触についても、いずれの方向から破り開けた場合にも差異がなくなるからである。しかし、必ずしも左右対称である必要はない。
2 第2切目
5 差込片
6 スリット
10 紙箱
11、12 破断線
13 帯状領域
20 ジッパー構造
Claims (2)
- 箱体(10)の壁に形成した2本の破断線(11、12)に挟まれた帯状領域(13)を破り取ることで、当該箱体を開封するジッパー構造であって、
上記破断線(11、12)は、破断方向に延在する仮想線(L)に沿って、交互に繰り返し並ぶ複数の第1切目(1)および複数の第2切目(2)で構成され、
上記仮想線(L)によって2つに分けられる各領域を上領域および下領域としたとき、第1切目(1)は、「上領域に頂点を有し、頂点から左右に湾曲しながら下領域に向かって延在する中央部」と「中央部の両端に連なり、下領域において最下点を有するとともに、湾曲しながら上領域に向かう方向に折り返す2つの裾野部」とを有する1本の連続した湾曲線で構成され、
第2切目(2)は、その形状が上記仮想線(L)に関して第1切目(1)と線対称であって、頂点を下領域に有し、
第1切目(1)と第2切目(2)は、それぞれの裾野部が上記仮想線(L)に沿う方向にオーバーラップしていることを特徴とする、ジッパー構造。 - 上記第1切目(1)および第2切目(2)の形状は、上記仮想線(L)に沿って左右対称である、請求項1記載のジッパー構造。
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