JP4408472B2 - ワンボックス車の車体構造 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、車体衝突時の衝突エネルギーを吸収するワンボックス車の車体構造に関し、さらに詳しくは、車体の前方に加わる衝撃力からキャビンの変形を抑える車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンスペース、乗員スペース、トランクスペース等が一体となった箱形形状のワンボックス車は、ボンネット型の車両とは異なり、キャビンが車体の最前部に張り出している車両構造を有している。そのため、そのようなワンボックス車が前方からの衝撃を受けると、先ずその車体の前面を構成するフロントアウタパネル(以下、アウタパネルという)やフロントバンパーなどの各部材が損傷変形を伴いながら衝撃を吸収する事で乗員の保護を図っている。
【0003】
そのため、衝撃の吸収能力をより向上させる為に、図6に示すような、ワンボックス車の車体1の前面側に取り付けられるアウタパネルOPをフロントピラーFPから前方に更に適宜突出させた構造にした衝突エネルギー吸収用のクラッシュゾーン2を設けて、衝突時に生ずる衝突方向のクラッシュストロークをかせぐようにしたワンボックス車が提案されている。そのことによって、アウタパネルOPに加わる衝突エネルギーをそのクラッシュゾーン2で吸収させ、キャビン3の前方部位の変形量を抑えて乗員の安全をより向上するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した構成からなるクラッシュゾーン2を設けたワンボックス車のなかで、同図に示すように、車体下部に前後方向に延びるフレーム部材を備える、例えば梯子型フレームのようなフレーム付構造を採用している車体1には、車体底部の前後方向に亘って骨格となるシャーシフレーム(以下、フレームという)CFが配設されている。そのため、そのようなワンボックス車の前方衝突時には、車体前面のアウタパネルOPが変形を開始してクラッシュゾーン2が潰れかかると同時に車体底部のフレームCFが突っ張ってしまうので、図中矢印の如く車体1を前のめり状態にしてしまい、クラッシュゾーン2の上部に負荷が集中してしまう虞がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記従来のワンボックス車の前方に加わる衝撃に対する衝突安全性の問題に鑑み、ワンボックス車の前方に加わる衝撃に対してキャビンの変形量を防止あるいは減少させて乗員の安全性を向上させることができるワンボックス車の車体構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明によるワンボックス車の車体構造は、上記目的を達成するために、ワンボックス車の車体の前面側に取り付けられるフロントアウタパネルをフロントピラーから前方に更に適宜突出させた構造の衝突エネルギー吸収用のクラッシュゾーンを設けたワンボックス車の車体構造において、前記フロントアウタパネルと前記フロントピラーとの間に、閉断面を有するアーム部材を備え、該アーム部材は少なくとも、前記フロントピラーの前側部位に結合する一端面と、前記フロントアウタパネルの裏面と対向する他端面と、前端側が後端側より上方位置となるよう、水平方向に対して傾斜角を有する底面とを有し、前記傾斜角により、前記アーム部材は車体の前方から衝撃が加わった際に発生する車体の前のめりによる衝撃方向の変化に対応して潰れることを特徴としている。
【0007】
この第1の発明によるワンボックス車は、底面を水平方向に対して傾斜させてフロントピラーに結合されるアーム部材により、車体の前方から衝撃が加わった際に発生する車体の前のめりによる衝撃方向の変化に対しても対応することができるようになって、安定してアーム部材が潰れるようになる。それによって、フロントピラーやキャビンの変形量を更に低減させて、乗員の安全性を更に向上させることができる。
【0008】
第2の発明によるワンボックス車の車体構造は、前記アーム部材は、複数の板状部材から構成されると共に車体前後方向に延びる接合用フランジを備えることを特徴としている。
【0010】
この第2の発明によるワンボックス車の車体構造は、アーム部材は、複数の板状部材から構成されると共に接合用フランジが補強の作用をすることによって、アーム部材の潰れを更に安定化することができる。また、アーム部材の組み立て成形を容易化することができると共に、板状部材を他車種との間で共通化することが可能となる。
【0011】
第3の発明によるワンボックス車の車体構造は、前記フロントアウタパネルは車体の略全幅にわたり車体前面に備えられると共に、前記アーム部材は車両の両側に備えられると共に前記他端面が前記フロントアウタパネルの裏面に結合されていることを特徴としている。
【0012】
この第3の発明によるワンボックス車の車体構造は、車体両側に設けられているアーム部材がフロントパネルを介して結合されていることにより、相互に補強し合い、より安定してアーム部材が潰れるようになる。従って、フロントピラーやキャビンの変形量を更に低減させて、乗員の安全性を更に向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の最も好適と思われる実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明を行う。なお、従来例と同様なものについては、同一の符号を付している。図1〜図3は、この発明によるアーム部材がワンボックス車に設けられたクラッシュゾーンに取り付けられた場合の実施形態の一例を示している。なお、本アーム部材は車体の両側に等しく設けられるため、車体左側のみを説明することで代表する。
【0014】
この図1に示したワンボックス車は、シャーシフレーム付のワンボックス車であって、車体1の底部には、車体の前後方向に亘ってフレームCFが配設されている。そして、その車体1の前面の略全幅にわたり取り付けられるアウタパネルOPをフロントピラーFPから前方に更に適宜突出させた構造にした衝突エネルギー吸収用のクラッシュゾーン2を配設して、衝突時に生ずる衝突方向のクラッシュストロークをかせぐようにしている。
【0015】
そして、上記した構成からなるクラッシュゾーン2内部のアウタパネルOPに対向するフロントピラーFPの前側部位に、複数の板状部材としてのピラーフロントインナロア(以下、インナロアという)41とセパレータフレーム(以下、セパレータという)42とフレームサイドアッパ(以下、サイドアッパという)43とを結合させたものからなるアーム部材4を結合させる。
【0016】
このアーム部材4は、図4に示すように、インナロア41の上部フランジ41aにセパレータ42の下部フランジ42aを結合させておき、そして、セパレータ42の屈曲した上部フランジ42bの下面側にサイドアッパ43の屈曲した上部フランジ43aを結合させると共に、インナロア41の側面41bにサイドアッパ43の側部フランジ43bを結合させて、インナロア41とセパレータ42とサイドアッパ43とからなる閉断面を有するようにする。また、このときインナロア41の前方フランジ41cとサイドアッパ43の上部フランジ43aとが結合するようにする(図5参照)。
【0017】
そして、このアーム部材4は、フロントピラーFPの前側部位に車体1の前方側に突出するようにサイドアッパ43の後端面43dからなる一端面4A側を結合させ、且つセパレータ42の上部フランジ42bとインナロア41の前方フランジ41cとからなる他端面4B側をアウタパネルOPと結合するようにしたものであると共に、アーム部材4の底面、つまり、サイドアッパ43の底面43cの前端側43c1が後端側43c2より上方位置となるよう水平方向に対して傾斜角θを有するように結合させるようにしたものである。
【0018】
上記したような構成のアーム部材4を装着したワンボックス車では、車体の前方からの衝撃が加わると、この衝撃によってアウタパネルOPが車体1の内部方向に進入した際に、車体1のクラッシュゾーン2内部に角度θを有して設けられたアーム部材4がこのときの衝撃力によって押し潰されながら、車体1の前方から衝撃が加わった際に発生する車体1の前のめりによる衝撃方向の変化に対しても対応しながら安定して潰れて衝撃力を吸収するようになる。それによって、フロントピラーFPやキャビン3へ入力する衝撃力を減少させてそれぞれの変形量を更に低減するようになることから、乗員の安全性を更に向上させることができる。
【0019】
なお、この発明は、上記したようなワンボックス車だけに適用されるものではなく、シャーシフレームを有したキャブオーバーのトラックなどにも適用することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるワンボックス車の車体構造によると、車体の前方からの衝撃が加わると、この衝撃によってフロントアウタパネルが車体の内部方向に進入した際に、車体のクラッシュゾーン内部に設けられたアーム部材が、このときの衝撃力によって押し潰されるので、車体の前方から衝撃が加わった際に、クラッシュゾーンを構成するフロントアウタパネルとアーム部材とが共に変形を開始することによって、衝撃力を十分に吸収することができ、これによって、フロントピラーやキャビンの変形量を低減させて、乗員の安全を図ることができる。更に、底面を水平方向に対して傾斜させてフロントピラーに結合されるアーム部材によって、車体の前方から衝撃が加わった際に発生する車体の前のめりによる衝撃方向の変化に対しても対応することができるようになって、安定してアーム部材が潰れるようになる。それによって、フロントピラーやキャビンの変形量を更に低減させて、乗員の安全性を更に向上させることができる更にまた、アーム部材は、複数の板状部材から構成されると共に車体前後方向に延びる接合用フランジを備えることによって、アーム部材の潰れを更に安定化することができる。また、アーム部材の組み立て成形を容易化することができると共に、板状部材を他車種との間で共通化することを可能としている。そして、アーム部材は、閉断面を有するよう構成されることによって、車体の前方から衝撃が加わった際に、フロントアウタパネルが車体の内部方向に進入してくる衝撃力を弱めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した実施形態の一例を示す側面図である。
【図2】 図1中のAの範囲を示した拡大側面図である。
【図3】 図2の拡大斜視図である。
【図4】 図3の分解斜視図である。
【図5】 図3中のB−B矢視断面図である。
【図6】 従来のワンボックス車を示す側面図である。
【符号の説明】
1 車体
2 クラッシュゾーン
3 キャビン
4 アーム部材
OP フロントアウタパネル
FP フロントピラー
CF シャーシフレーム
Claims (3)
- ワンボックス車の車体の前面側に取り付けられるフロントアウタパネルをフロントピラーから前方に更に適宜突出させた構造の衝突エネルギー吸収用のクラッシュゾーンを設けたワンボックス車の車体構造において、
前記フロントアウタパネルと前記フロントピラーとの間に、閉断面を有するアーム部材を備え、該アーム部材は少なくとも、前記フロントピラーの前側部位に結合する一端面と、前記フロントアウタパネルの裏面と対向する他端面と、前端側が後端側より上方位置となるよう、水平方向に対して傾斜角を有する底面とを有し、前記傾斜角により、前記アーム部材は車体の前方から衝撃が加わった際に発生する車体の前のめりによる衝撃方向の変化に対応して潰れることを特徴とするワンボックス車の車体構造。 - 前記アーム部材は、複数の板状部材から構成されると共に車体前後方向に延びる接合用フランジを備えることを特徴とする請求項1に記載のワンボックス車の車体構造。
- 前記フロントアウタパネルは車体の略全幅にわたり車体前面に備えられると共に、前記アーム部材は車両の両側に備えられると共に前記他端面が前記フロントアウタパネルの裏面に結合されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載のワンボックス車の車体構造。
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