JP4406148B2 - 抗酸化剤及びその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、タコやイカなどの頭足類由来のオモクロームを有効成分として含有する抗酸化剤及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
過酸化水素、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシラジカルなどの活性酸素は、生体内の代謝系で発生する化学種であり、生体は常に活性酸素の攻撃を受けていると同時に、これを消去する防御系を備えている。
【0003】
一方、食品の加工、貯蔵中にも活性酸素が発生することが知られており、特に油脂の自動酸化を引き起こす原因である活性酸素の発生量は、酸素、熱、微量金属、色素、光、放射線、酵素などの影響を受けて促進される。また、タンパク質は、活性酸素の攻撃により酸化、重合することもある。
【0004】
したがって、このような食品中で発生する活性酸素を消去することは、栄養価値や嗜好的品質の低下、安全性の面から注目される重要な課題である。また、最近では、癌、動脈硬化、老化などの疾病と生体内の酸化反応との関連性が注目されており、生体の酸化を抑制する物質として抗酸化剤への期待が高まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、抗酸化剤としては、ビタミンC、ビタミンE、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ポリフェノールなどが知られているが、これらの抗酸化剤の多くは化学合成によって工業的に製造されたものであり、天然物由来のものは少ない。
【0006】
このため、食品等にも使用できる天然物由来の抗酸化剤の検索と実用化が求められていた。
【0007】
したがって、本発明の目的は、充分な抗酸化活性を有し、かつ安全性が高く、食品等にも使用できる天然物由来の抗酸化剤及びその製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は、天然物由来の抗酸化剤を検索した結果、頭足類、特にタコの表皮及び加工煮汁中に活性酸素を消去する活性、すなわち抗酸化活性を有する物質が存在することを発見した。そして、この事実に基づき、さらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の抗酸化剤は、頭足類を煮熟処理して得られる煮汁に含まれるオモクロム色素を有効成分として含有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の抗酸化剤の製造法は、頭足類を煮熟処理してその煮汁を得る工程と、前記煮汁を脱塩する工程とを少なくとも経て、オモクロム色素を含有する組成物を得ることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、充分な抗酸化活性を有し、かつ安全性が高く、食品等にも使用できる天然物由来の抗酸化剤及びその製造法を提供できる。また、タコ、イカなどを煮熟加工する際に多量に排出する煮汁を有効に利用することができる。
【0012】
【発明の実施形態】
タコやイカなどの頭足類の体表面にはフェノキサゾン誘導体であるオモクロム(ommochrome)という色素が分布している。オモクロムは細胞内では顆粒状で存在し、タンパク質と結合している場合もある。タコやイカを加熱すると赤紫色になるが、アルカリ、酸性下で加熱しても同じような結果になるので、この現象はオモクロムが加熱により溶け出すのではなく、顆粒の拡散や熱変性したタンパク質からの色素の遊離によるためと考えられている(秦正弘:水産生物化学(山口勝巳編)、pp.107−110、東京大学出版会(1991))。
【0013】
本発明の抗酸化剤の有効成分である頭足類を煮熟処理して得られる煮汁に含まれる色素には、上記オモクロムの他に、例えば、オモクロムの分解物などの様々な色素成分が含まれていると考えられる。本発明の抗酸化剤は、煮汁に含まれるこれらの色素成分を全て含むものであってもよく、あるいはオモクロム等がより高純度に含まれるように精製したものであってもよい。
【0014】
本発明の抗酸化剤は、例えば以下のようにして得ることができる。
体表面の汚れやヌメリを除去した頭足類1質量部に対して水1〜100質量部を加え、10分間〜5時間煮熟し、煮汁を得る。
【0015】
原料となる頭足類としては、イカ、タコ等が挙げられる。本発明においては、特にタコが好ましく用いられる。したがって、本発明においては、通常、タコを加工する際に排出される煮熟処理の煮汁を用いることができる。
【0016】
上記煮汁は、そのまま、又は減圧濃縮や逆浸透膜濃縮により適宜濃縮して、或いは必要に応じて凍結乾燥やスプレードライ等をして、液状、又はペースト状或いは粉末状の抗酸化剤とすることができる。また、煮汁には、塩分が含まれているので、本発明においては煮汁を電気透析等により脱塩してから、同様にして液状、又はペースト状或いは粉末状の抗酸化剤とすることが好ましい。
【0017】
さらに、必要に応じて脱塩した煮汁をカラム処理して色素を精製することもできる。
【0018】
本発明の抗酸化剤は、後述する実施例に示されるように、充分な抗酸化活性を有し、かつ天然物由来であるので安全性が高く、様々な食品に用いることができる。食品としては、例えば飲料、ドレッシング、スナック等が挙げられる。
【0019】
また、合成抗酸化剤として化粧品に使用されているBHAの代替品として、様々な化粧品にも用いることができる。化粧品としては、例えば油脂含量の高い乳液等が挙げられる。
【0020】
本発明の抗酸化剤の食品や化粧品への添加量は、食品や化粧品中の被酸化成分の量にも依存するが、通常0.001質量%以上添加すればよく、特に0.1〜10質量%が好ましい。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
実施例1 オモクロム色素の分離
内臓、墨、体表面のヌメリを除去したダコ1kgにに1Lの水を加え煮熟処理して赤褐色色素を含む煮汁を得、この煮汁を電気透析して塩分を除去した。
【0022】
この煮汁に含まれる色素(最大可視吸収494nm)を、文献[Adele Bolognese:J. Heterocyclic Chem., 25, 1243-1246(1988)]に記載された方法に従って分離した。すなわち、カルボキシメチルセルロースを充填したカラムを用いてブタノール−酢酸−水の混液で溶出して494nmの吸光値をもつフラクションを回収し、減圧濃縮により溶媒を完全に除去した後、少量の水に分散させて凍結乾燥して赤褐色の粉末320mgを得た。
【0023】
試験例 抗酸化活性の測定
抗酸化活性については、安定型フリーラジカルであるα,α−ジフェニル−β−ピクリルヒドラジル(DPPH、以下同じ。)を用いる比色法により測定した[M. S. Blois:Nature, 181, 1199-1200(1958)]。
【0024】
実施例1で分離したオモクロム色素粉末20mgを水100mlに溶解し、その溶液0.5mlを、DPPHエタノール溶液(1mg/25ml)3.0mlに対して加え、直ちに517nmの吸光度を連続的に10分間測定した。
【0025】
抗酸化活性の単位は、オモクロム色素粉末1gにおける1分間の吸光度減少度として定義した。その結果、抗酸化活性は、10.5(ΔOD517nm/min/g)であった。
【0026】
また、他の抗酸化剤と比較するために、BHA及び没食子酸の抗酸化活性を測定した。DPPHエタノール溶液(1mg/25ml)3.0mlに対して、BHAのエタノール溶液(20mg/100ml)又は没食子酸の水溶液(20mg/100ml)を0.5ml加え、それ以外は上記と同様の方法で実験を行った。その結果、BHA及び没食子酸の抗酸化活性は、それぞれ、12.2及び10.5(ΔOD517nm/min/g)であった。
【0027】
それらの結果を図1に示す。図1から、タコ煮汁中に含まれるオモクロム色素は、没食子酸と同等、BHAの86%の抗酸化活性を有しており、抗酸化剤として利用価値の高い成分であることが分かる。
【0028】
実施例2
表1に示す配合で、常法により抗酸化剤を含有する飲料を製造した。
【0029】
【表1】
Figure 0004406148
【0030】
この飲料は、オモクロム色素粉末を含有することにより、癌、動脈硬化などの疾病を引き起こす要因となる活性酸素を消去する作用が期待され、健康上好ましいものである。
【0031】
実施例3
表2に示す配合で、常法によりドレッシングを製造した。
【0032】
【表2】
Figure 0004406148
【0033】
このドレッシングは、オモクロム粉末を含有することにより、油脂成分の酸化防止効果が期待できる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、充分な抗酸化活性を有し、かつ安全性が高く、様々な形態の食品や化粧品等にも使用できる天然物由来の抗酸化剤を提供できる。
【0035】
また、本発明の抗酸化剤の製造法によれば、タコ、イカなどを煮熟加工する際に多量に排出される煮汁を利用することができるので、コスト的にも安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 タコを煮熟処理して得られた煮汁中に含まれる色素、BHA及び没食子酸の抗酸化活性を測定した結果を示す図表である。

Claims (4)

  1. 頭足類を煮熟処理して得られる煮汁に含まれるオモクロム色素を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤。
  2. 前記頭足類がタコ又はイカである請求項1に記載の抗酸化剤。
  3. 頭足類を煮熟処理してその煮汁を得る工程と、前記煮汁を脱塩する工程とを少なくとも経て、オモクロム色素を含有する組成物を得ることを特徴とする抗酸化剤の製造法。
  4. 前記頭足類がタコ又はイカである請求項3に記載の抗酸化剤の製造方法。
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