JP4215252B2 - 抗酸化剤並びに皮膚化粧料及び美容用飲食品 - Google Patents

抗酸化剤並びに皮膚化粧料及び美容用飲食品 Download PDF

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Description

本発明は、植物からの抽出物を有効成分とする抗酸化剤、活性酸素消去剤及びラジカル消去剤、並びに植物からの抽出物を配合した皮膚化粧料及び美容用飲食品に関するものである。
近年、特に生体成分を酸化させる要因として、活性酸素が注目されており、その生体への悪影響が問題となっている。活性酸素は、生体細胞内のエネルギー代謝過程で生じるものであり、スーパーオキサイド(即ち酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキシドアニオン(・O2−))、過酸化水素(H)、一重項酸素(2)、ヒドロキシラジカル(・OH)等がある。これら活性酸素は食細胞の殺菌機構にとって必須でありウイルスや癌細胞の除去に重要な働きを果たしているが、活性酸素の過剰な生成は生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、各種疾患を誘発するおそれがある。
例えば、活性酸素は、コラーゲン等の生体組織を分解、変性あるいは架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える過酸化脂質を生成したりすると考えられており、活性酸素によって引き起こされるこれらの障害が、皮膚のしわ形成や皮膚の弾力性低下等の老化、あるいは炎症、肌の色素沈着等の原因になるものと考えられている(非特許文献1参照)。
したがって、活性酸素や生体内ラジカルの発生の阻害・抑制により、過酸化脂質の生成の抑制等を通じて皮膚のしわの形成や弾力性低下等の皮膚の老化や、皮膚の炎症、肌の色素沈着等を予防・治療できるものと考えられる。
そこで、活性酸素消去作用又はラジカル消去作用を有する物質を、安全性の点で有利な天然物から取得する試みがなされており、例えば、トゲナシの果汁(特許文献1参照)、メリッサ、エンメイソウ、シラカバ、南天実、キナ及びエイジツ(特許文献2参照)、ウラジロカシ及びシラカシ(特許文献3参照)、アスチルビン、タキシフォリン等のフラボノイド(特許文献4参照)、藤茶(特許文献5参照)などに有効性が確認されている。
特開平3−83548号 特開平3−157334号 特開平5−316963号 特開平6−65074号 特開2001−97873号 フレグランスジャーナル 臨時増刊 No.14 156−161頁 1995年
本発明は、活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有することが従来知られていない入手容易な植物の抽出物を見出し、それを利用した安全性の高い抗酸化剤、活性酸素消去剤、ラジカル消去剤、皮膚化粧料及び美容用飲食品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、イエライシャン(Telosma cordata)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤(請求項1)、活性酸素消去剤(請求項3)及びラジカル消去剤(請求項4)、並びに特に前記抽出物が活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有することを特徴とする抗酸化剤(請求項2)を提供する。
また、第2に本発明は、イエライシャン(Telosma cordata)からの抽出物を配合したことを特徴とする皮膚化粧料(請求項5)及び美容用飲食品(請求項6)を提供する。
本発明によれば、入手容易な植物の抽出物を利用した安全な抗酸化剤、活性酸素消去剤、ラジカル消去剤、皮膚化粧料及び美容用飲食品を提供することができる。本発明に係る抗酸化剤、活性酸素消去剤、ラジカル消去剤、皮膚化粧料又は美容用飲食品によれば、活性酸素消去作用や生体内ラジカル消去作用による生体成分の酸化の防止を通じて、皮膚のしわの形成や弾力性低下等の老化現象、さらには皮膚の炎症及び肌の色素沈着を効果的に予防・治療することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る抗酸化剤、活性酸素消去剤及びラジカル消去剤は、いずれもイエライシャンからの抽出物を有効成分として含有する。
ここで、イエライシャンからの「抽出物」には、抽出処理によってイエライシャンから得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
イエライシャン(夜来香)は、学名「Telosma cordata」のカガイモ科の植物であって、中国南部からインドにかけて自生しており、これらの地域から容易に入手可能である。
抽出原料として用いるイエライシャンの構成部位としては、葉部、茎部、花部、種子若しくはこれらの混合部位(以上、包括して「地上部」という。)又は根部が挙げられるが、それらの中でも、特にイエライシャンの地上部を用いるのが好ましい。ここで、「花」とは、一般に、種子植物の有性生殖にかかわる器官の総体をいい、葉の変形である花葉と茎の変形である花軸とから構成され、花葉には、萼、花弁、雄しべ、心皮などの器官が含まれる。本発明において抽出原料として使用する「花部」には、種子植物の有性生殖にかかわる器官の総体の他、その一部、例えば、花葉、花被(萼と花冠)、花冠、花弁等も含まれる。
イエライシャンからの抽出物に含有される活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有する物質の詳細は不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、イエライシャンから活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有する抽出物を得ることができる。例えば、抽出原料を乾燥した後、そのまま、又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。この際、抽出原料の乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、イエライシャンは、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、イエライシャンの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を用いることが好ましく、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合液を室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが特に好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級アルコール1〜90質量部、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級ケトン1〜40質量部、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して多価アルコール1〜90質量部を混合するのが好ましい。
抽出処理は、イエライシャンに含有される可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定されるものではなく、常法に従って行うことができる。抽出処理の際には特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下において任意の装置を用いることができる。
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら、通常30分〜4時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過又は遠心分離にて固形物を除去し、抽出液を得る。抽出溶媒量は、抽出原料の通常5〜15倍量(質量比)である。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃で1〜4時間程度であり、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間程度である。
得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物を更に乾燥すれば、固形の抽出物が得られる。ただし、イエライシャンからの抽出物は、固形の抽出物である必要はなく、上記抽出液又はその濃縮物の状態であっても構わない。これらイエライシャンからの抽出物は、その生理活性の低下を招かない範囲で、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配等の方法により精製してから用いてもよい。
イエライシャンからの抽出物は、好ましくない臭いもなく、抽出物特有の色調も有してないため、そのままでも抗酸化剤、活性酸素消去剤又はラジカル消去剤として用いることができるが、濃縮・乾燥した剤型にして使用することもできるし、必要ならば活性の向上や脱色・脱臭を目的とする精製を施したり、任意の助剤と混合して製剤化して使用することもできる。
イエライシャンからの抽出物の製剤化は、常法に従って行うことができる。製剤化する場合、保存や取扱いを容易にするために、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容され得るキャリアーその他任意の助剤を添加することができ、イエライシャンからの抽出物を粉末状、果粒状、錠剤状等、任意の剤形に製剤化することができる。
以上のようにして得られるイエライシャンからの抽出物は、活性酸素消去及び/又はラジカル消去作用を有しており、これらの作用を利用して抗酸化剤、活性酸素消去剤又はラジカル消去剤の有効成分として使用することができる。
ここで、イエライシャンからの抽出物の抗酸化作用は、活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用に基づいて発揮される。「活性酸素」には、スーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素等が含まれる。また、「ラジカル」とは、不対電子を1つ又はそれ以上有する分子又は原子を意味し、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカル、DPPH等が含まれる。
イエライシャンからの抽出物、並びに当該抽出物を有効成分として含有する抗酸化剤、活性酸素消去剤及びラジカル消去剤は、皮膚の老化、皮膚の炎症及び肌の色素沈着を防止及び/又は改善することができるとともに、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れているため、皮膚化粧料に配合するのに好適である。
イエライシャンからの抽出物を配合し得る皮膚化粧料の種類は特に限定されず、その具体例としては、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、リップクリーム、入浴剤、ヘアートニック、ヘアーローション、石鹸、ボディシャンプー等が挙げられる。
本発明の皮膚化粧料におけるイエライシャンからの抽出物の配合量は、皮膚化粧料の種類や抽出物の生理活性等によって適宜調整することができるが、好適な配合率は、標準的な抽出物の場合、乾燥物に換算して約0.0001〜10質量%である。
本発明の皮膚化粧料には、イエライシャンからの抽出物が有する活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用の妨げにならない限り、皮膚化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他任意の助剤を使用することができる。本発明の皮膚化粧料は、皮膚の老化防止・改善に関し、イエライシャンからの抽出物のみが主剤となるものに限られるわけではない。
本発明の皮膚化粧料において、イエライシャンからの抽出物と共に皮膚化粧料構成成分として利用可能なものとしては、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素消去剤等が挙げられ、イエライシャンからの抽出物とともに上記構成成分を併用した場合、イエライシャンからの抽出物と併用された構成成分との間の相乗作用が、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
イエライシャンからの抽出物を配合した皮膚化粧料を製造する場合、他の製造原料の選択が制限されることはほとんどなく、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等の一般的な基材や助剤はいずれも使用可能である。
イエライシャンからの抽出物は、消化管で消化されるようなものではないことが確認されているので、任意の飲食品や栄養補助食品に配合するのに好適である。その場合の配合量は、添加対象飲食品の一般的な摂取量を考慮して成人1日当たりの抽出物摂取量が約1〜1000mgになるようにするのが適当である。
イエライシャンからの抽出物を配合した飲食品には、皮膚の老化、皮膚の炎症及び肌の色素沈着を防止及び/又は改善する作用が付与され、これを美容用飲食品として使用することができる。ここで、「美容用飲食品」とは、美肌の形成、又は皮膚の老化、皮膚の炎症及び肌の色素沈着の防止及び/若しくは改善を図ることを目的とした飲食品を意味する。
本発明の美容用飲食品は、イエライシャンからの抽出物をその活性を妨げないような任意の飲食品に配合したものであってもよいし、イエライシャンからの抽出物を主成分とする栄養補助食品であってもよい。
本発明の美容用飲食品を製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等の任意の助剤を添加して任意の剤形に製剤化することができる。
イエライシャンからの抽出物を配合し得る飲食品は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物などが挙げられる。
以上説明した本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤、ラジカル消去剤、皮膚化粧料及び美容用飲食品は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下、製造例、試験例及び配合例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の各例に何ら限定されるものではない。
〔製造例1〕
イエライシャンの地上部を細切りしたもの200gに、抽出溶媒2000mLを加え、還流抽出器で80℃、2時間加熱抽出し、熱時濾過して抽出液を得た。残渣についてさらに同様の抽出処理を行い、得られた抽出液と上記抽出液とを合わせて減圧下に濃縮し、さらに乾燥して抽出物を得た。抽出溶媒として水、50%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)及びエタノールを用いたときの各抽出率を表1に示す。
[表1]
抽出溶媒 抽出率(%)
水 21.5
50%エタノール 27.1
エタノール 19.8
〔試験例1〕スーパーオキサイド消去試験(NBT法)
製造例1で得られたイエライシャンの地上部からの抽出物(以下「試料」という。)について、下記の試験法によりスーパーオキサイド消去作用を試験した。
3mMのキサンチン、0.05MのNa2CO3緩衝液(pH10.2)、3mMのEDTA、1.5mg/mLのBSA溶液、及び0.75mMのニトロブルーテトラゾリウム(NBT)を、各々0.1mL試験管にとり、これに試料溶液0.1mLを添加し、25℃で10分間放置した。次いでキサンチンオキシダーゼ溶液0.1mLを加えて素早く攪拌し、25℃で20分間静置した。その後、6mMの塩化銅0.1mLを加えて反応を停止させ、波長560nmにおける吸光度を測定した。以下、この吸光度を「試料溶液添加、酵素溶液添加時の吸光度」という。
また、同様の操作と吸光度の測定を、酵素溶液を添加せずに行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液添加、酵素溶液無添加時の吸光度」という。
一方、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液無添加、酵素溶液添加時の吸光度」という。
また、酵素溶液を添加せず、さらに試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液無添加、酵素溶液無添加時の吸光度」という。
そして、次式によりスーパーオキサイド消去率を求めた。
消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
上記式中、「A」は「試料溶液添加、酵素溶液添加時の吸光度」、「B」は「試料溶液添加、酵素溶液無添加時の吸光度」、「C」は「試料溶液無添加、酵素溶液添加時の吸光度」、「D」は「試料溶液無添加、酵素溶液無添加時の吸光度」を表す。
試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、スーパーオキサイドの消去率が50%になる試料濃度(ppm;μg/mL)を内挿法により求めた。その結果を表2に示す。
[表2]
試料(抽出溶媒) 50%阻害試料濃度(ppm)
水 85.2
50%エタノール 43.2
エタノール 93.1
表2に示す結果から、イエライシャンの地上部からの抽出物がスーパーオキサイド消去作用を有することが確認された。
〔試験例2〕DPPHに対するラジカル消去試験
製造例1で得られたイエライシャンの地上部からの抽出物(以下「試料」という。)について、下記の試験法により非常に安定なラジカルであるDPPHを使用してラジカル消去作用を試験した。
1.5×10-4MのDPPHエタノール溶液3mLに試料溶液3mLを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30分間静置した。その後、波長520nmの吸光を測定した。コントロールとして、試料溶液の代わりに試料溶液を溶解した溶媒を用いて同様に操作し、波長520nmの吸光度を測定した。また、ブランクとして、エタノールに試料溶液3mLを加えた後、直ちに波長520nmの吸光度を測定した。測定された各吸光度より、次式によりラジカル消去率(%)を算出した。
消去率(%)={1−(B−C)/A}×100
上記式中、「A」は「コントロールの吸光度」、「B」は「試料溶液を添加した場合の吸光度」、「C」は「ブランクの吸光度」を表す。
試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、DPPHラジカルの消去率が50%になる試料濃度(ppm;μg/mL)を内挿法により求めた。その結果を表3に示す。
[表3]
試料(抽出溶媒) 50%阻害試料濃度(ppm)
水 >200
50%エタノール 183.1
エタノール 195.5
表3に示す結果から、イエライシャンの地上部からの抽出物がラジカル消去作用を有することが確認された。
〔配合例1〕
下記の組成の乳液を常法により製造した。
イエライシャン水抽出物 1.0g
ホホバオイル 4.0g
プラセンタエキス 0.1g
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1g
プルーン抽出物 1.0g
トウニン抽出物 1.0g
キョウニン抽出物 1.0g
タイオウ抽出物 0.5g
クジン抽出物 0.5g
オリーブオイル 2.0g
スクワラン 2.0g
セタノール 2.0g
モノステアリン酸グリセリル 2.0g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.5g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.0g
1,3−ブチレングリコール 3.0g
ヒノキチオール 0.15g
香料 0.15g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例2〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
イエライシャン50%エタノール抽出物 5.0g
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
セタノール 3.0g
スクワラン 10.0g
ラノリン 2.0g
アルブチン 0.1g
ルシノール 0.1g
黄杞エキス 0.1g
イチョウ葉エキス 0.1g
コンキオリン 0.1g
オウバクエキス 0.1g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 0.05g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例3〕
下記組成のパックを常法により製造した。
イエライシャンエタノール抽出物 0.5g
ポリビニルアルコール 15.0g
ポリエチレングリコール 3.0g
プロピレングリコール 7.0g
エタノール 10.0g
カミツレ抽出物 0.1g
エラグ酸 0.1g
油溶性甘草エキス 0.1g
海藻エキス 0.1g
酵母抽出液 0.1g
シソ抽出液 0.1g
ワレモコウ抽出液 0.1g
シナノキ抽出液 0.1g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤、ラジカル消去剤、皮膚化粧料及び美容用飲食品は、活性酸素消去作用や生体内ラジカル消去作用による生体成分の酸化の防止を通じて、皮膚の老化、皮膚の炎症及び肌の色素沈着を防止及び/又は改善するのに有用である。

Claims (6)

  1. イエライシャン(Telosma cordata)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤。
  2. 前記抽出物が活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有することを特徴とする請求項1記載の抗酸化剤。
  3. イエライシャン(Telosma cordata)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする活性酸素消去剤。
  4. イエライシャン(Telosma cordata)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするラジカル消去剤。
  5. イエライシャン(Telosma cordata)からの抽出物を配合したことを特徴とする皮膚化粧料。
  6. イエライシャン(Telosma cordata)からの抽出物を配合したことを特徴とする美容用飲食品。
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