JP4400677B2 - 薄刃砥石 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックスや単結晶材料などの被加工物を切断加工するのに適した薄刃砥石に関するものである。
従来、シリコン、GaAs、フェライト等の被加工物を高精度に切削加工する薄刃砥石(ダイシングブレード)として、薄板リング状の電鋳薄刃砥石が知られている。この電鋳薄刃砥石は、ダイヤモンドやcBN等の砥粒を金属結合材中に分散配置したものであり、その厚さは数十μm〜数百μm程度の薄板リング状に形成されている。薄刃砥石は、その内周側領域を砥石軸に保持し、砥石軸を回転させることで、外周側領域で被加工物の切断加工や溝入れ加工を行うことができる。
近年の電子部品の小型化や収率向上などの理由から、電鋳薄刃砥石にもさらなる薄刃化が求められており、金属結合材としてNiなどの機械的強度が高い金属材料を用いることにより、厚さが50μm以下の極薄電鋳砥石も提供されている。しかし、金属結合材による砥粒の保持力が大きくなると、砥粒による被加工物へのダメージが大きくなるため、切断加工時にチッピングと呼ばれる被加工物の割れ、欠けを増大させるという問題がある。
このような問題を解決するため、特許文献1には、Ni、Co又はこれらの合金からなる金属結合材の刃先部の表面に、この金属結合材からの砥粒の突き出し量を越えない厚みのSnめっき層を形成した電鋳薄刃砥石が提案されている。この場合には、Snめっき層が金属結合材の表面を覆うことで、摺動性を向上させると共に、金属結合材より軟質のSnめっき層が緩衝層を構成し、被加工物へのダメージを低減し、チッピングを抑えることができるとされている。
しかしながら、この構造の電鋳薄刃砥石を用いて、電子セラミックスや単結晶材料などの高硬度脆性材料を切断加工した場合、Snめっき層が加工初期で大きく磨耗してしまい、長期間安定してチッピング抑制効果を維持することができず、実用的ではないという問題がある。その様子を、図6を参照して説明する。
図6の(a)は加工前の薄刃砥石10、(b)は切断加工中の薄刃砥石10を示す。Niよりなる金属結合材11の表面に、砥粒の突き出し量を越えない厚みのSnめっき層12が形成されている。なお、図6では砥粒を省略してある。被加工物13を切削することで薄刃砥石10の外周部が磨耗するが、半径方向の磨耗よりも厚み方向の磨耗、特にSnめっき層12を設けた両側面の磨耗が大きく、図6の(b)に示すように、短時間で金属結合材11が両側面に現れてしまう。これではSnめっき層12による緩衝効果がなくなり、良好な切断性能(チッピング抑制)や加工精度を維持できない。そのため、Snめっき層で被覆した薄刃砥石10の寿命は非常に短いという欠点があった。さらに、電鋳薄刃砥石を切削加工に使用する場合、砥粒の突き出し量を調整し、加工品質を安定させるために、事前にドレッシングと呼ばれる目立て作業を砥石刃先部に対して行う。この目立て作業は、例えば砥石刃先部で砥粒を固めたドレスボードをカットすることで行う。このドレスボードをカットすることにより、砥石刃先部で砥粒間の金属結合材が削り取られてチップポケットが形成される。しかしながら、この目立て作業において、Snめっき層は簡単に磨耗してしまうため、実際の切削加工時にはSnめっき層が殆ど残っておらず、Snめっき層による緩衝効果を十分に発揮できないという欠点があった。
特許文献1では、Snめっき層の厚みを例えば10〜15μmとしているが、この様な分厚いSnめっき層を形成すると、砥粒の粒径をそれ以上に大きくする必要があるため、砥粒径の増大によるチッピングの増大や加工品質の低下、さらには加工幅の増大を招くという問題がある。
特開2002−66935号公報
そこで、本発明の目的は、寿命が長く、良好な切断性能を長期間維持できる薄刃砥石を提供することにある。
本発明は、砥粒をNi又はNiを主体とする合金からなる金属結合材中に分散配置し、前記砥粒の一部を前記金属結合材の表面から突出させてなる電鋳薄刃砥石において、前記金属結合材の表面に、前記金属結合材からの砥粒の突き出し量を越えない厚みのCuめっき層又はCuを主体とする合金めっき層が形成され、前記Cuめっき層又はCuを主体とする合金めっき層の厚みは1〜10μmであり、前記Cuめっき層又はCuを主体とする合金めっき層は、そのヤング率が前記金属結合材を構成する金属のヤング率より小さく、かつBS6430−13:1986,EN101:1991に記されたモース硬度評価方法によるモース硬度が2.5より大きな材質であることを特徴とする電鋳薄刃砥石である。
本発明に係る薄刃砥石で被加工物を切削すると、Niより軟質のCuめっき層による緩衝効果によって、被加工物へのダメージを低減でき、チッピングを抑制できる。しかも、Cuめっき層はSnめっき層に比べて耐磨耗性に優れているため、Cuめっき層を設けた両側面の磨耗速度を低減できる。耐磨耗性を示す尺度としてモース硬度があるが、Snのモース硬度は1.8、Cuのモース硬度は3.0、Niのモース硬度は3.5である。このようにCuのモース硬度はNiのモース硬度に近いため、切削加工に伴って薄刃砥石の外周部が磨耗したとき、半径方向の磨耗速度と厚み方向の磨耗速度とをバランスさせることができる。そのため、薄刃砥石が磨耗しても両側面が極端に磨耗することなく初期の切断性能(チッピングの抑制)と同様の性能を維持でき、長寿命の薄刃砥石を実現できる。さらに、実際の切削加工に先立って行われる目立て作業において、Cuめっき層は簡単に磨耗しないので、切削加工時にCuめっき層による緩衝効果を十分に発揮できる。なお、Cuめっき層はNi金属結合材との密着性が高いので、切削加工中にCuめっき層がNi金属結合材から剥離することがない。
Cuめっき層又はCuを主体とする合金めっき層の厚みは 1〜10μmが望ましい。前述のようにCuめっき層が簡単に摩滅しないので、その厚さが10μm以下の薄膜でも十分な緩衝効果を発揮できる。換言すると、砥粒の粒径をそれだけ小さくでき、高精度な切削加工を行うことができる。Cuめっき層又はCuを主体とする合金めっき層の厚みは、砥粒の粒径に応じて設定されるが、砥粒の粒径が5〜10μmの場合、1〜10μm、望ましくは1〜5μmがよい。
薄刃砥石としては電鋳薄刃砥石を用いることができる。例えば、電鋳薄刃砥石の場合には、ステンレス等の台金をカソードとして、その上に電着法によりNi又はNiを主体とする合金からなる金属結合材を形成し、カソードから金属結合材を剥離することで、極薄肉な薄刃砥石も作成できる。
Cuを主体とする合金めっき層とは、少なくともCuが50重量%以上含む合金をいう。そのような合金めっき層は、そのヤング率が金属結合材を構成する金属のヤング率より小さく、かつBS6430−13:1986,EN101:1991に記されたモース硬度評価方法によるモース硬度が2.5より大きな材質を使用するのが望ましい。モース硬度が2.5以下(例えばAu,Snなど)の場合には、耐磨耗性が低いために早期に磨耗してしまい、当初の切断性能を維持できないからである。
金属結合材を構成する金属としては、Niのほか、主体となるNiと他の金属(例えばCo等)との合金でもよい。ここで、Niを主体とする合金とは、少なくともNiが50重量%以上含む合金をいう。Niと同等な機械的強度及び耐磨耗性を有する合金であればよい。本発明の薄刃砥石で切削できる被加工物としては、シリコンやGaAs、フェライトなどの他、PZT等の圧電セラミックス、水晶、LiTaO3単結晶、誘電体などの高硬度の材料も含む。
本発明に係る薄刃砥石によれば、Ni又はNiを主体とする合金からなる金属結合材の表面にCuめっき層又はCuを主体とする合金めっき層を形成したので、Niより軟質のCuめっき層が砥粒が被加工物に当たった時の緩衝層として働き、被加工物へのダメージを低減でき、チッピングを抑制できる。また、Cuめっき層は耐磨耗性に優れているので、Cuめっき層を設けた両側面の磨耗速度を低減できる。そのため、切削加工に伴って薄刃砥石の外周部が磨耗したとき、半径方向の磨耗速度と厚み方向の磨耗速度とをバランスさせることができ、初期の切断性能と同様の性能を維持できる。その結果、長寿命の薄刃砥石を実現できる。さらに、Cuめっき層が簡単に磨耗しないので、その厚さが薄くても十分な緩衝効果を発揮できると共に、砥粒の粒径をそれだけ小さくでき、高精度な切削加工を行うことができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明にかかる薄刃砥石の第1実施形態を示し、(a)は薄刃砥石の正面図、(b)はA−A線拡大断面図である。本実施形態の薄刃砥石1は薄板リング状の電鋳薄刃砥石であり、ダイヤモンドやcBN等の砥粒2を金属結合材3中に分散配置してなるものであり、その厚さは数十μm〜数百μm程度、望ましくは50μm以下に設定されている。金属結合材3は、Niめっき層又はNiを主体とする合金めっき層からなる。Ni合金としては、例えばNi−Co合金,Ni−W合金,Ni−B合金などがある。
金属結合材3の表面には、金属結合材3からの砥粒2の突き出し量を越えない厚みのCuめっき層4が形成されている。Cuめっき層4の厚さは、砥粒2の突き出し量を超えなければよいが、砥粒2の粒径が5〜10μmの場合、1〜10μm程度、望ましくは1〜5μm程度がよく、平均砥粒径の15%〜100 %が望ましい。なお、図1の(b)では、表層部の全ての砥粒2がCuめっき層4から表面に突出している例を示したが、一部の砥粒2はCuめっき層4内に埋没していてもよい。
Cuめっき層4に代えてCuを主体とする合金めっき層を用いてもよい。合金めっき層としては、例えばCuZn,CuZnSn,CuSnなどがあるが、そのヤング率が金属結合材3を構成するNiのヤング率(210GPa)より小さく、かつモース硬度(BS6430−13:1986,EN101:1991に記されたモース硬度評価方法によるモース硬度)2.5より大きな材質であることが望ましい。Cuめっき層4は、少なくとも薄刃砥石1の刃先部1aに形成されるが、刃先部1aだけでなく薄刃砥石1の全体にわたってCuめっき層4を形成してもよい。
次に、前記構成よりなる薄刃砥石1の製造方法の一例を、図2を参照して説明する。
まず、ダイヤモンド等の砥粒2を分散させたNiを含む電解めっき液を準備し、このめっき液中にステンレス等の基板と陽極板とを対向して配置し、基板を陰極に接続する。陰極と陽極間に通電すると、基板上にNi合金めっき層が析出し、砥粒2が均一に分散された金属結合材3が形成される。金属結合材3が数十μm〜数百μmとなった時点でめっきを終了し、この金属結合材3を形成した基板をめっき液から取り出し、基板から金属結合材3を剥離する。剥離した金属結合材3をリング状に成形して図2の(a)に示す単層砥石1Aを得る。
次に、単層砥石1Aの金属結合材3の表面をエッチング等により除去し、図2の(b)のように砥粒2の突き出し量を大きくした単層砥石1Bを得る。
次に、単層砥石1BをCuイオンを含むめっき液に浸漬し、単層砥石1Bを陰極とし、この陰極に対向して陽極板を配置し、陰極と陽極間に通電すると、Cuが単層砥石1B上に析出し、Cuめっき層4が形成される。Cuめっきは非導電性の砥粒2上には析出せず、金属結合材3上にのみ析出する。こうして、図2の(c)に示す薄刃砥石1が得られる。なお、実際の切削加工に先立って、薄刃砥石1の刃先部をドレッシングすることにより、目立てを行うのがよい。
Cuめっき層4のヤング率(120GPa)は、Niよりなる金属結合材3のヤング率(210GPa)より低い。つまり、Cuめっき層4は金属結合材3より軟質であるので、砥粒2が被加工物に衝突した時に緩衝効果を発揮し、被加工物へのダメージを低減でき、チッピングを抑制できる。一方、耐磨耗性の尺度となるモース硬度は、Cuが3.0、Niが3.5であり、Cuのモース硬度はNiのモース硬度に近いため、切削加工に伴って薄刃砥石の外周部が磨耗したとき、半径方向の磨耗速度と厚み方向の磨耗速度とをバランスさせることができる。砥粒2の中間部は軟質のCuめっき層4で保持されるが、砥粒2の底部は硬質の金属結合材3で保持されているので、砥粒2が簡単に脱落するのを防止できる。
図3に本実施形態における薄刃砥石1の初期状態(a)と何回かの切断加工を実施した後の状態(b)とを示す。なお、図3では砥粒を省略してある。被加工物5を切削することで薄刃砥石1の外周部が磨耗するが、CuとNiはモース硬度が近いので、金属結合材3の外周部が円弧状に磨耗するとともに、Cuめっき層4の先端部も磨耗し、この形態を維持しながら磨耗が進行する。特に、薄刃砥石1の外周部の両側面の硬度がチッピングの発生に大きく影響するが、本実施形態における薄刃砥石1の場合には、図3の(b)に示すように薄刃砥石1の外周部の両側面にCuめっき層4を残しながら磨耗していくので、Cuめっき層4による緩衝効果を維持でき、良好な切断性能(チッピング抑制)や加工精度を維持できる。そのため、薄刃砥石1の寿命が長くなる。
ここで、次の4種類の薄刃砥石を用いて単結晶材料(LiTaO3)を加工したときのチッピング量と砥石外側層の磨耗状態を比較する。薄刃砥石(1)は、砥粒を分散させたNiの金属結合材のみからなる単層砥石、薄刃砥石(2)は砥粒を分散させたNiの金属結合材の上にSnめっき層を形成した三層砥石(特許文献1に記載のもの)、薄刃砥石(3)は砥粒を分散させたNiの金属結合材の上にCuめっき層を形成した三層砥石(本発明品)、薄刃砥石(4)は砥粒を分散させたNiの金属結合材の上にAuめっき層を形成した三層砥石(比較例)である。
(1)Ni電鋳単層砥石(従来技術品)
金属結合材:Ni(モース硬度:3.5 、ヤング率:210[GPa] )
砥粒径:5/10μm
形状:外径52×厚さ0.04×内径40 [mm]
(2)Sn三層砥石(先行技術品)
金属結合材:Ni
外側層材質:Sn(モース硬度:1.5 、ヤング率:55[GPa])
外側層厚 :1.2 μm
(3)Cu三層砥石(本発明品)
金属結合材:Ni
外側層材質:Cu(モース硬度:3.0 、ヤング率:120[GPa] )
外側層厚 :1.2 μm
(4)Au三層砥石(比較例)
金属結合材:Ni
外側層材質:Au(モース硬度:2.5 、ヤング率:78[GPa])
外側層厚 :1.2 μm
加工条件は次の通りである。
加工機 :ダイサーDAD522(株式会社ディスコ製)
主軸回転数:30000rpm
被加工物 :単結晶材料(LiTaO3
ワーク形状:短冊形状(20×80mm)
送り速度 :20mm/s
カット本数:5本
カット長さ:20mm×5本 計100 mm
図4は、前述の薄刃砥石(1)〜(4)で加工した際のチッピング結果を示す。この図は、平板状の被加工物を切断した際の切断面に現れるチッピングの大きさを示したもので、各切断面における最大チッピングを集計し、その最大値と最小値と平均値とを示したものである。図4に示すように、Ni単層砥石の場合には、Ni金属結合材の硬度が高いため、チッピングが大きい。Sn三層砥石とAu三層砥石は、外側層であるSnめっき層,Auめっき層が緩衝層として働く筈であるが、耐磨耗性が低く、目立て作業によってSnめっき層,Auめっき層が殆ど磨耗してしまうため、実際の切断加工におけるチッピング結果はNi単層砥石の場合と殆ど差異がない。一方、Cu三層砥石では、目立て作業によってCuめっき層が磨耗しないので、切断加工におけるチッピング結果はNi単層砥石、Sn三層砥石及びAu三層砥石に比べて大幅に低減され、かつそのバラツキも小さくなっていることがわかる。このようにCu三層砥石は、他の砥石に比べて良好な切断性能を持つことがわかる。
次に、Ni単層砥石、Cu三層砥石、Sn三層砥石の3種類の薄刃砥石を用いて加工した際のチッピング抑制効果の持続性を評価した。実験条件は以下の通りである。
(1)Ni単層砥石
砥粒径:5/10μm
形状:外径52×厚さ0.04×内径40 [mm]
(2)Cu三層砥石
基材:Ni単層砥石
エッチング処理
エッチング液 :35%塩酸:60%硝酸:純水=1:1:3(vol%) 混合液
エッチング液量:400ml
エッチング厚 :1.7μm
めっき処理
めっき液 :硫酸銅めっき液
電流 :0.2A
めっき時間 :340s
浴温度 :25℃
Cuめっき厚 :1.1μm
(3)Sn三層砥石
基材:Ni単層砥石
エッチング処理 :Cu三層砥石と同一条件
めっき処理
めっき液 :スズめっき 酸性浴
電流 :0.04A
めっき時間 :780s
浴温度 :25℃
Snめっき厚 :1.1μm
加工条件は次の通りである。
加工機:DAD3350(株式会社ディスコ製)
スピンドル回転数:30000rpm
加工速度:20mm/s
切削水流量:1.0リットル/min
加工ワーク:PFLT基板(X-Y焦電処理品)φ100mm
加工ピッチ:0.9mm
加工本数:100本
加工枚数:2枚
以上の条件にて、(1)〜(3)の3種類の砥石にて各2枚のPFLTウェハを加工し、そのとき発生した裏面チッピング量を図5に示す。図5は、砥石のトータル加工長さを横軸にとり、縦軸にそのときのSn三層砥石、Cu三層砥石における裏面チッピング量を、Ni単層砥石で加工したときのチッピング量を1としたときの割合にて示したものである。図5の結果より、Sn三層砥石では、カット長さ10000mmまでは、Ni単層砥石と比べチッピングを20%程度低減する効果が確認できるが、13000mm(ウェハ1.5枚分)を超えるカット長さより、チッピング抑制効果が小さくなり、カット長さ15000mm(ウェハ2枚分)を超える領域ではNi単層砥石と同等のチッピング量にまで悪化する。それに対して、Cu三層砥石では、最初から最後まで20〜30%程度のチッピング抑制効果を持続していることがわかる。
以上のように、Sn皮膜ではチッピング抑制効果が長期的に持続しないのに対し、Cu皮膜では維持していることが確かめられた。今回の加工ワークの場合、1枚のCu三層砥石を用いておおよそ150〜200枚のウェハの切断が可能であり、砥石の長寿命化を達成できた。
本発明に係る薄刃砥石の第1実施形態の正面図及びA−A線断面図である。 図1に示す薄刃砥石の製造段階を示す断面図である。 本発明に係る薄刃砥石の加工前と加工途中の側面図である。 各種薄刃砥石のチッピング結果を示す比較図である。 Sn三層砥石とCu三層砥石のチッピング抑制効果の持続性を評価した図である。 従来の薄刃砥石の加工前と加工途中の側面図である。
符号の説明
1 薄刃砥石
2 砥粒
3 金属結合材(Niめっき層)
4 Cuめっき層
5 被加工物

Claims (3)

  1. 砥粒をNi又はNiを主体とする合金からなる金属結合材中に分散配置し、前記砥粒の一部を前記金属結合材の表面から突出させてなる電鋳薄刃砥石において、
    前記金属結合材の表面に、前記金属結合材からの砥粒の突き出し量を越えない厚みのCuめっき層又はCuを主体とする合金めっき層が形成され、
    前記Cuめっき層又はCuを主体とする合金めっき層の厚みは1〜10μmであり、
    前記Cuめっき層又はCuを主体とする合金めっき層は、そのヤング率が前記金属結合材を構成する金属のヤング率より小さく、かつBS6430−13:1986,EN101:1991に記されたモース硬度評価方法によるモース硬度が2.5より大きな材質であることを特徴とする電鋳薄刃砥石。
  2. 前記Cuめっき層又はCuを主体とする合金めっき層は、前記砥粒の平均粒径の15〜100%の厚みで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電鋳薄刃砥石。
  3. 前記薄刃砥石の全体の厚みは50μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電鋳薄刃砥石。
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