JP4711025B2 - 薄刃砥石及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックスや単結晶材料などの被加工物を切断加工するのに適した薄刃砥石及びその製造方法に関するものである。
従来、シリコン、GaAs、フェライト等の被加工物を高精度に切削加工する薄刃砥石(ダイシングブレード)として、薄板リング状の電鋳薄刃砥石が知られている。この電鋳薄刃砥石は、ダイヤモンドやcBN等の砥粒を金属結合材中に分散配置したものであり、その厚さは数十μm〜数百μm程度の薄板リング状に形成されている。薄刃砥石は、その内周側領域を砥石軸に保持し、砥石軸を回転させることで、外周側領域で被加工物の切断加工や溝入れ加工を行うことができる。
近年の電子部品の小型化や収率向上などの理由から、電鋳薄刃砥石にもさらなる薄刃化が求められており、金属結合材としてNiなどの機械的強度が高い金属材料を用いることにより、厚さが50μm以下の極薄電鋳砥石も提供されている。しかし、金属結合材による砥粒の保持力が大きくなると、砥粒による被加工物へのダメージが大きくなるため、切断加工時にチッピングと呼ばれる被加工物の割れ、欠けを増大させるという問題がある。
このような問題を解決するため、特許文献1には、Ni、Co又はこれらの合金からなる金属結合材の刃先部の表面に、この金属結合材からの砥粒の突出量を越えない厚みのSnめっき層を形成した電鋳薄刃砥石が提案されている。この場合には、Snめっき層が金属結合材の表面を覆うことで、摺動性を向上させると共に、金属結合材より軟質のSnめっき層が緩衝層を構成し、被加工物へのダメージを低減し、チッピングを抑えることができるとされている。
図2の(a)は、特許文献1に記載の方法により製作した薄刃砥石の断面構造を示す。金属結合材10の表層部に砥粒11が保持され、その砥粒11の突出量を越えない厚みのSnめっき層12が形成されている。このような構造の場合、切削加工時に砥粒11は被加工物から荷重を受けるので、砥粒11は微小に変位すると考えられる。しかしながら、金属結合材10の影響が支配的であり、金属結合材10がNiのような高強度材料の場合、砥粒11は殆ど変位できず、Snめっき層12の緩衝性向上によるチッピング抑制効果はさほど見込めない。さらに、Snめっき層12は金属結合材10の表面にのみ形成されているに過ぎないので、被加工物との摩擦によりSnめっき層12が早期に磨耗し、緩衝作用を長期に亘って維持できないという問題がある。
また、特許文献1では、金属結合材の表面をエッチングして砥石の突出量を増大させ、その上でSnめっき層を形成する方法が開示されている。この方法では、Snめっき層の厚みをある程度確保することは可能であるが、エッチングによって金属結合材の厚みが減少するので、金属結合材としての強度が低下するとともに、金属結合材の表層部に位置する砥粒が脱落してしまうという問題がある。
特開2002−66935号公報
そこで、本発明の好ましい実施形態の目的は、被加工物に加わるダメージを軽減し、良好な切断性能を長期間維持できる薄刃砥石及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、金属結合材中に砥粒が分散配置された薄刃砥石において、前記砥粒の周面に接する金属結合材を除去して、前記砥粒の周面と前記金属結合材との間に空隙を形成し、前記空隙に前記金属結合材より軟質の金属を析出成長させて、前記空隙に軟質の金属を充填してなることを特徴とする薄刃砥石を提供する。
本発明に係る薄刃砥石の製造方法は、砥粒を分散配置した金属結合材を作成する第1の工程と、前記砥粒の周面に接する金属結合材を選択的に除去して、前記砥粒の周面と金属結合材との間に空隙を形成する第2の工程と、前記空隙に前記金属結合材より軟質の金属を析出成長させ、前記空隙に軟質の金属を充填する第3の工程と、を含むものである。
本発明に係る薄刃砥石では、従来のように金属結合材の表面にのみ軟質の金属層を形成したものではなく、金属結合材と接する砥粒の周面を軟質の金属で覆った構造となっている。つまり、砥粒と金属結合材との間に軟質の金属が介在するため、切削加工時に砥粒に荷重が加わると、個々の砥粒は軟質の金属による緩衝効果によって変位しやすくなり、被加工物へのダメージを軽減でき、チッピングを抑制できる。また、加工が進行しても、軟質の金属は金属結合材の中に埋め込まれた砥粒の周囲に形成されているので、軟質の金属が早期に磨耗することがなく、長期間に亘って緩衝効果を発揮できる。
本発明の薄刃砥石を作成する方法として、種々の方法が考えられるが、例えば金属結合材をエッチング液に浸漬し、砥粒の周面に接する金属結合材を選択的にエッチングして、砥粒の周面と金属結合材との間に空隙を形成し、空隙が形成された金属結合材に対し軟質の金属でめっき処理し、空隙に軟質の金属を析出成長させる方法を用いることができる。金属結合材がNiよりなる場合、塩化第二鉄溶液でエッチングすると、砥粒の周面が活性化して砥粒の周面に接する金属結合材が選択的にエッチングされ、砥粒の周面と金属結合材との間に空隙を形成できる。エッチングが進行すると、空隙は表層部に位置する砥粒だけでなく、この砥粒と近接した内側の砥粒の周囲にも及び、そのため金属結合材全体がポーラスな形態になる。その際、金属結合材そのものの厚みは殆ど減少しないので、金属結合材としての強度を確保できるとともに、金属結合材の表層部に存在する砥粒が脱落するのを防止できる。
金属結合材がNiよりなる場合、軟質の金属としては、Sn、Au、Cu、Agのいずれかが望ましい。Niのヤング率は210GPaであるのに対し、Snのヤング率は55GPa、Auのヤング率は78GPa、Cuのヤング率は120GPa、Agのヤング率は73GPaであり、いずれも所望の緩衝効果を発揮できる。また、Sn、Au、Cu、AgはNiとの密着性も良好である。
第3の工程として、めっき処理により空隙に軟質の金属を析出成長させる方法を用いた場合、空隙を形成した金属結合材を軟質金属イオンを含むめっき液に浸漬すると、空隙の表面積が大きいため、空隙内面に軟質の金属を効率よく析出成長させることができる。なお、軟質の金属めっき層は、空隙の内面だけでなく金属結合材の表面にも形成される。金属結合材の表面に形成された金属めっき層の厚みは、砥粒の突出量を越えない範囲とする必要がある。
特許文献1の電鋳薄刃砥石の場合、Snめっき層の厚みを例えば10〜15μmとすると記載されているが、このような分厚いSnめっき層を金属結合材の表面に形成すると、砥粒の粒径はそれ以上にする必要があるため、粗目の砥石になり、高精度な切削加工を行えない。本発明の薄刃砥石の場合、砥粒の周囲が個々に軟質の金属で覆われるので、粒径が10μm未満の微細砥粒でも十分な緩衝効果を発揮できる。そのため、寸法精度が高い切削加工を行うことができる。
本発明の薄刃砥石の製作方法としては、砥粒を分散配置した金属結合材をエッチングし、砥粒の周囲に空隙を形成した後、軟質金属をめっきする方法に限らない。例えば、予め軟質金属を被覆した砥粒を用い、電鋳などの一般的な砥石製造方法によって砥粒を金属結合材中に分散配置してもよい。また、砥粒に気化/液化/イオン化等により除去可能な樹脂皮膜等を予め形成しておき、その砥粒を金属結合材中に分散配置した状態で砥石を作成し、その後で砥粒の皮膜を除去して空隙を形成してもよい。空隙への軟質金属の形成方法は、めっき法に限らない。
金属結合材を構成する金属としては、Niのほか、Niと他の金属(例えばCo等)との合金、さらにはNi以外の金属でもよく、Niと同等な機械的強度及び耐磨耗性を有する合金であればよい。本発明の薄刃砥石で切削できる被加工物としては、シリコンやGaAs、フェライトなどの他、PZT等の圧電セラミックス、水晶、LiTaO3単結晶、誘電体などの高硬度の材料も含む。
発明の好ましい実施形態の効果
本発明によれば、砥粒の周面が金属結合材より軟質の金属で覆われた状態で金属結合材の中に分散配置されているので、切削加工時に砥粒に加わる荷重が軟質の金属による緩衝効果によって吸収され、被加工物へのダメージを低減でき、チッピングを抑制できる。また、加工が進行しても、軟質の金属は金属結合材の中に埋め込まれた砥粒の周囲に形成されているので、軟質の金属が早期に磨耗することがなく、長期間に亘って緩衝効果を発揮できる。
本発明にかかる製造方法によれば、砥粒を分散配置した金属結合材を作成し、砥粒の周面に接する金属結合材を選択的に除去して砥粒の周面と金属結合材との間に空隙を形成し、この空隙に軟質の金属を析出成長させて空隙を充填するようにしたので、軟質金属は金属結合材から突出した砥粒の表面には形成されず、金属結合材の中に埋設された砥粒の周囲及び金属結合材の表面にのみ形成される。そのため、優れた切削性能とチッピング抑制効果とを持つ薄刃砥石を効率よく製造できる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明にかかる薄刃砥石の第1実施形態を示し、(a)は薄刃砥石の正面図、(b)はA−A線拡大断面図である。本実施形態の薄刃砥石1は薄板リング状の電鋳薄刃砥石であり、ダイヤモンドやcBN等の砥粒2を金属結合材3中に分散配置してなるものであり、その厚さは数十μm〜数百μm程度、望ましくは50μm以下に設定されている。本実施形態の金属結合材3は、Niめっき層からなる。
金属結合材3の表層部に位置する砥粒2の周面と金属結合材3との間には空隙4が形成されており、この空隙4には金属結合材3より軟質の金属5が充填されている。つまり、金属結合材3に埋設された砥粒2の周囲が軟質金属5で覆われ、金属結合材3の表面も軟質金属5で被覆されている。金属結合材3の表面にも軟質金属5が形成されており、その軟質金属5の厚みは、金属結合材3からの砥粒2の突出量を越えない厚みに設定されている。軟質金属5としては、Sn、Au、Cu、Agなどの金属結合材3より低ヤング率の金属を用いることができる。
図2の(b)に示すように、砥粒2と金属結合材3との間に軟質金属5が介在しているため、切削加工時に砥粒2が被加工物から荷重を受けた時、砥粒2は変位しやすく、金属結合材3がNiのように高強度材料で形成されていても、その影響を軽減できる。そのため、軟質金属5による緩衝効果によって、被加工物に与えるダメージを低減でき、チッピングを効果的に抑制できる。さらに、軟質金属5は金属結合材3の表面だけでなく、金属結合材3の内部に位置する空隙4にも形成されているので、空隙4に形成された軟質金属5は簡単に磨耗せず、緩衝作用を長期に亘って維持できる。砥石1の骨格となる金属結合材3が高強度材料で形成されているので、砥石1の直進性がよく、高精度な切断加工を実施できる。
次に、前記構成よりなる薄刃砥石1の製造方法の一例を、図3を参照して説明する。
まず、ダイヤモンド等の砥粒2を分散させたNiを含む電解めっき液を準備し、このめっき液中にステンレス等の基板と陽極板とを対向して配置し、基板を陰極に接続する。陰極と陽極間に通電すると、基板上にNi合金めっき層が析出し、砥粒2が均一に分散された金属結合材3が形成される。金属結合材3が数十μm〜数百μmとなった時点でめっきを終了し、この金属結合材3を形成した基板をめっき液から取り出し、基板から金属結合材3を剥離する。剥離した金属結合材3をリング状に成形して図3の(a)に示す単層砥石1Aを得る。
次に、単層砥石1Aを塩化第二鉄溶液よりなるエッチング液に浸漬し、砥粒2の周面に接する金属結合材3を選択的にエッチングして、図3の(b)のように砥粒2の周面と金属結合材3との間に空隙4を形成した単層砥石1Bを得る。なお、空隙4は主に金属結合材3の表層部に位置する砥粒2の周囲に形成される。このとき、金属結合材3の厚みは殆ど変化せず、砥粒2は金属結合材3から脱落しない。
次に、単層砥石1Bを軟質金属イオンを含む電解めっき液に浸漬し、単層砥石1Bを陰極とし、この陰極に対向して陽極板を配置し、陰極と陽極間に通電すると、軟質金属5が金属結合材3の表面および空隙4の内面に析出成長する。その結果、空隙4が軟質金属5によって充填される。軟質金属めっきは非導電性の砥粒2上には析出せず、金属結合材3上にのみ析出する。こうして、図3の(c)に示す薄刃砥石1が得られる。
図4は軟質金属5の析出成長の様子を表す図である。図4の(a)に示すように、当初は軟質金属5が金属結合材3の表面に析出するとともに、空隙4の内面において部分的に析出する。めっき時間の経過に伴い、空隙4の内面に析出した軟質金属5が成長し、図4の(b)に示すように空隙4の全体に広がるため、空隙4は軟質金属5で充填される。
ここで、選択的エッチング液と通常のエッチング液とを用いて砥石をエッチングした場合の砥石表面/砥石断面をSEMにて観察する。
(1)選択的エッチング液
44%塩化第二鉄液(FeCl3):純水=5:95(vol %)
エッチング液量:400ml
(2)通常エッチング液
35%塩酸:60%硝酸:純水=1:1:3(vol %)
エッチング液量:400ml
実験条件
・実験砥石
砥粒径:8/20μm
形状:外径52、内径40、厚さ0.075 (mm)
・エッチング量
初期重量に対する減少重量を8%、33%、67%の3水準設定し、エッチングした。
図5は選択的エッチング液を使用した場合の表面写真であり、図6は通常エッチング液を使用した場合の表面写真である。通常エッチング液では表面からエッチングが厚さ方向に進み、保持できていない砥粒が多数発生している。それに対して、選択的エッチング液では砥石表面状態に大きな変化が無く、エッチングが進んでいる(砥粒は脱落していない)ことが確認できる。
図7は選択的エッチング液を使用した場合の断面写真であり、図8は通常エッチング液を使用した場合の断面写真である。通常エッチング液では、エッチングが進むにつれて砥石厚さが減少しているのに対して、選択エッチング液を用いれば、厚さ方向へ減少は無く、砥粒の近傍を選択的に溶解し、金属結合材−砥粒間にクリアランスを形成していることが確認できる。
図9は選択的エッチング液を用いて、減少重量8%エッチングした後、Cuめっきした場合の断面写真を示す。この断面写真は、めっき後に砥石を分割し、その断面をSEMで観察したときの画像である。なお、めっき条件は次の通りである。
めっき液 :硫酸銅めっき液 ミクロファブCu300(田中貴金属販売)
電流 :0.2mA
めっき時間:500s
図9の画像より、金属結合材−砥粒間のクリアランス部にCuが成長しており、砥粒近傍の結合材のみを、NiからCuへと変換できていることがわかる。これにより、砥石全体としての剛性は維持しつつ、砥粒の緩衝能力を向上させることが可能となる。
ここで、次の2種類の薄刃砥石を用いて単結晶材料(LiTaO3)を加工したときのチッピング量を比較する。薄刃砥石(1)は、砥粒を分散させた金属結合材のみからなるNi単層砥石、薄刃砥石(2)はNi単層砥石を選択エッチングし、Cuめっきを施した本発明品である。
(1)Ni電鋳単層砥石
金属結合材:Ni
砥粒径:4/6μm
形状:外径52、内径40、厚さ0.04 (mm)
(2)本発明砥石
金属結合材:Ni
クリアランス形成:エッチングにより選択的に砥粒近傍を溶解
軟質材形成:電解Cuめっき工法によりクリアランス内部まで皮膜形成
図10は、以下の加工条件で両砥石により切削加工した際の素子に発生するチッピング量を示す。
−加工条件−
加工機 :ダイサーDAD3350(株式会社ディスコ製)
主軸回転数:30000rpm
加工材料 :単結晶材料(LiTaO3)
ワーク形状:φ100ウェハ
送り速度 :60mm/s
カット本数:(オリフラに対して)平行方向1.4mm、垂直方向1.0mm
上記ピッチにてウェハ1枚ダイシング加工
図10の結果から明らかなように、本発明砥石の場合、Ni単層砥石に比べてチッピングを約25%抑制でき、高品位加工が実践できていることが確認できる。
本発明は前記実施形態に限定されるものではない。前記実施形態では、電鋳薄刃砥石を例として説明したが、ステンレスなどの台金に電着によりNiめっき層を設けて金属結合材を構成し、この金属結合材をエッチングした後でCuめっきを施したものでもよい。また、金属結合材はNiに限るものではなく、軟質の金属もSn、Au、Cu、Agに限るものではない。
本発明の他の態様は次の通りである。
砥粒を分散配置した金属結合材を作成する第1の工程と、
前記砥粒の周面に接する金属結合材を選択的に除去して、前記砥粒の周面と金属結合材との間に空隙を形成する第2の工程と、
前記空隙に前記金属結合材より軟質の金属を析出成長させ、前記空隙に軟質の金属を充填する第3の工程と、を含む薄刃砥石の製造方法。
前記第2の工程は、前記金属結合材をエッチング液に浸漬し、前記砥粒の周面に接する金属結合材を選択的にエッチングして、前記砥粒の周面と金属結合材との間に空隙を形成することを特徴とする薄刃砥石の製造方法。
前記金属結合材はNiよりなり、
前記エッチング液は塩化第二鉄溶液であることを特徴とする薄刃砥石の製造方法。
前記第3の工程は、前記空隙が形成された金属結合材に対し前記軟質の金属でめっき処理し、前記空隙に軟質の金属を析出成長させることを特徴とする薄刃砥石の製造方法。
前記軟質の金属は、Sn、Au、Cu、Agのいずれかであることを特徴とする薄刃砥石の製造方法。
本発明に係る薄刃砥石の第1実施形態の正面図及びA−A線断面図である。 従来の薄刃砥石と本発明に係る薄刃砥石との拡大断面図である。 図1に示す薄刃砥石の製造段階を示す断面図である。 軟質金属の析出状況を示す図である。 選択的エッチング液を使用してエッチングした砥石の表面写真である。 通常エッチング液を使用してエッチングした砥石の表面写真である。 選択的エッチング液を使用してエッチングした砥石の断面写真である。 通常エッチング液を使用してエッチングした砥石の断面写真である。 選択的エッチング液を用いてエッチングした後、Cuめっきした場合の断面写真である。 従来の単層砥石と本発明に係る砥石とにより切削加工した場合のチッピング量を示す図である。
符号の説明
1 薄刃砥石
2 砥粒
3 金属結合材(Niめっき層)
4 空隙
5 軟質金属(Cuめっき層)

Claims (3)

  1. 金属結合材中に砥粒が分散配置された薄刃砥石において、
    前記砥粒の周面に接する金属結合材を除去して、前記砥粒の周面と前記金属結合材との間に空隙を形成し、前記空隙に前記金属結合材より軟質の金属を析出成長させて、前記空隙に軟質の金属を充填してなることを特徴とする薄刃砥石。
  2. 前記金属結合材はNiよりなることを特徴とする請求項1に記載の薄刃砥石。
  3. 前記軟質の金属は、Sn、Au、Cu、Agのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄刃砥石。
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