JP2009196043A - 電着工具 - Google Patents

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秀彰 有澤
Toyoaki Yasui
豊明 安井
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清隆 中川
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Abstract

【課題】耐久寿命をさらに向上させた電着工具を提供することにある。
【解決手段】台金の作用部に硬質粒子6がめっきにより固定された電着工具であって、台金5の表面が、物理蒸着法により第一の被膜1でコーティングされ、第一の被膜1の表面が、第一の被膜1と異なる材料からなる第二の被膜2でコーティングされ、第一の被膜1が、第4属、第5属、第6属の金属、またはSi、Al、Geの中から選ばれる少なくとも1種の金属を含む炭化物、窒化物、または炭窒化物からなるものであり、第二の被膜2が、Ni又はNi合金めっき、Cu又はCu合金めっき、Crめっき、Sn又はSn合金めっきの第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるものとする、または電気Niめっきからなるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電着工具に関する。
従来、鋼鋳物などの仕上げ加工に、ダイヤモンド砥粒やcBN(立方晶窒化ホウ素)砥粒などの硬質粒子を台金の砥部(作用部)に電着法により固着させた電着工具が用いられている。電着工具の一例につき図7を用いて説明する。図7(a)に電着工具の一例の外観を示し、図7(b)にその断面を示すように、電着工具100は硬質粒子106をめっき法で台金105の作用部105aに固定している工具である。
上述した電着工具100は、台金105の表面に数μm程度の電気Niめっき層101が形成され(Niストライクめっきされ)、次いでダイヤモンド砥粒あるいはcBN砥粒などの硬質粒子がNiめっきで仮固定(担持)される。次いで、余分な硬質粒子が除去され、継続してNiめっきを施すことで、Niめっき層102で硬質粒子106を固定した電着工具100が製造される。
上述した製造方法による電着工具100は、硬質粒子106の固定めっきとして使用しているNiめっきの硬度が低いため耐磨耗性に劣る。よって、Niめっき層102が磨耗すると硬質粒子103が脱落するため、電着工具100の寿命が短かった。
このような硬質粒子の脱落を抑制した電着工具が種々開発されている。例えば、特許文献1には、Ni電着めっきとNi−P化学めっきとを順次形成し、熱処理して硬度を800Hv以上の硬化層とし、この層で砥粒(硬質粒子)を固定することで耐久寿命(耐久性)を向上させた電着砥石が記載されている。
特公平8−22507号公報(明細書の実施例、第1図など参照)
しかしながら、特許文献1に記載の電着砥石は、電気Niめっきや化学Ni−Pめっきにて硬質粒子を台金に固定した電着工具と比べて耐久寿命が向上するものの、このような電着工具にてさらなる耐久寿命の向上が望まれている。
そこで、本発明は、前述した問題に鑑み提案されたもので、耐久寿命をさらに向上させた電着工具を提供することを目的とする。
上述した課題を解決する第1の発明に係る電着工具は、
台金の作用部に硬質粒子がめっきにより固定された電着工具であって、
前記台金の表面が、物理蒸着法により第一の被膜でコーティングされ、
前記第一の被膜の表面が、前記第一の被膜と異なる材料からなる第二の被膜でコーティングされ、
前記第一の被膜が、第4属、第5属、第6属の金属、またはSi、Al、Geの中から選ばれる少なくとも1種の金属を含む炭化物、窒化物、または炭窒化物からなるものであり、
前記第二の被膜が、Ni又はNi合金めっき、Cu又はCu合金めっき、Crめっき、Sn又はSn合金めっきの第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるものである、または電気Niめっきからなるものである
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する第2の発明に係る電着工具は、第1の発明に係る電着工具であって、
前記第一の被膜と前記第二の被膜との間に、前記第一の被膜と異なる材料からなる第三の被膜でコーティングされ、
前記第三の被膜が、前記第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるものである、またはNi合金無電解めっきからなるものである、もしくはAu又はAg蒸着からなるものである
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する第3の発明に係る電着工具は、第1または第2の発明に係る電着工具であって、
前記第二の被膜の表面が、前記第二の被膜と異なる材料からなる第四の被膜でコーティングされ、
前記第四の被膜が、Ni合金無電解めっきからなるものである
ことを特徴とする。
第1発明に係る電着工具によれば、台金の表面に第一の被膜をコーティングしたことで、第一の被膜自体が高硬度を有するものであり、硬質粒子を第二の被膜で台金の作用部にしっかりと固定できるため、この第一の被膜で台金をコーティングしていない電着工具と比べて、耐磨耗性が向上し耐久寿命を向上させることができる。
第2の発明に係る電着工具によれば、第三の被膜がNi合金無電解めっきからなるものである場合にはこの第三の被膜が電気Niめっきからなる第二の被膜よりも高硬度を有するものであり、硬質粒子を台金の作用部に一層強固に固定できる。その結果、耐摩耗性がさらに向上し耐久寿命をさらに向上させることができる。また、第三の被膜がAu又はAg蒸着からなるものである場合には第二の被膜が第三の被膜と密着性が良いものであり、第三の被膜の表面に第二の被膜を容易にコーティングできるため、製造コスト増を抑制できる。また、第三の被膜が第一群から選ばれる少なくとも一種からなるものである場合にはこの第三の被膜の形成自体が簡易であり、製造コスト増を抑制できる。
第3の発明に係る電着工具によれば、第二の被膜の表面が第四の被膜でコーティングされ、この第四の被膜が、Ni合金無電解めっきからなるものであることにより、台金の作用部の表面が高硬度を有する物質で形成されることになる。その結果、第二の被膜と第四の被膜を調整することで、第四の被膜の形成による製造時間の増加を抑制しつつ、硬質粒子を台金の作用部へ固定させる強度を向上させることができる。
本発明に係る電着工具の最良の形態について、図面に基づき具体的に説明する。
[第一の実施形態]
本発明に係る電着工具の第一の実施形態につき図1を用いて説明する。
図1は電着工具の台金における表面近傍の断面図である。
本実施形態に係る電着工具10は、図1に示すように、台金5の作用部に硬質粒子6がめっきにより固定された工具である。この台金5の表面が、アークイオンプレーティング法などの物理蒸着法(PVD:Physical Vapor Deposition)により第一の被膜1でコーティングされる。続いて、この第一の被膜1の表面が、この第一の被膜1と異なる材料からなる第二の被膜2でコーティングされる。この第二の被膜2を第一の被膜1の表面にコーティングする際に硬質粒子6が固定される。すなわち、硬質粒子6は第二の被膜2により台金5に固定される。
台金5としては、超硬合金、サーメット、鋼材、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素、アルミナ、アルミニウム合金、マグネシウム合金、又はチタン合金のいずれかから選ばれるものなどが挙げられる。鋼材としては、工具鋼、高速度鋼、軸受鋼、合金工具鋼鋼材、工具鋼材、一般構造用圧延鋼材、ステンレス鋼、機械構造用炭素鋼鋼材、炭素鋼、鋳鋼品、Mn鋼鋼材、Mn−Cr鋼鋼材、Cr鋼鋼材、Cr−Mn鋼鋼材、Ni−Cr鋼鋼材、Ni−Cr−Mo鋼鋼材などが挙げられる。
硬質粒子6としては、ダイヤモンド砥粒やcBN(立方晶窒化ホウ素)砥粒などが挙げられる。これら砥粒を単独で用いることが可能であり、2種以上を混合して用いることも可能である。これら砥粒の粒度について、用途に応じ適宜選定することができる。
第二の被膜2として、Ni又はNi合金めっき(Ni−W等)、Cu又はCu合金めっき(Cu−Sn)、Crめっき、Sn又はSn合金めっき(Sn−Cu)の第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるもの、または電気Niめっきからなるものが挙げられる。
第二の被膜2が電気Niめっきからなるものである場合には、第一の被膜1でコーティングされた台金5の表面(第一の被膜1の表面)に第二の被膜2をコーティングするとき硬質粒子6を懸濁させたNiめっき液が用いられる。このようなNiめっき液中で硬質粒子6を電着させ、第二の被膜2で硬質粒子6を固定した電着工具10が製造される。
また、第二の被膜2が前記第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるものである場合には、従来の方法と同様、第一の被膜1でコーティングされた台金5の表面(第一の被膜1の表面)に数μm程度の前記第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるものでめっき層が形成され、次いでこのめっきで硬質粒子が仮固定(担持)され、余分な硬質粒子が除去され、継続して前記めっきを施すことで、第二の被膜2で硬質粒子6を固定した電着工具10が製造される。
第一の被膜1としては、第4属、第5属、第6属の金属、またはSi、Al、Geの中から選ばれる少なくとも1種の金属を含む炭化物、窒化物、または炭窒化物からなるものが挙げられる。具体的には、第一の被膜1は、TiN、TiAlN、TiCN、AlCrSiNなどが挙げられる。これら物質は、何れもHv2000以上の高硬度の物質である(TiNの硬度:2000〜2400Hv、TiAlNの硬度:2300〜2500Hv、TiCNの硬度:3000〜3500Hv、AlCrSiNの硬度:約2000Hv)。
このような第一の被膜1を台金5に有する電着工具10を使用して、ワークを研削加工して製品が作製される。このとき、硬質粒子6にはワークからの反力が作用するが、硬質粒子6が固定する台金5側の第一の被膜1は高硬度(2000Hv以上)を有するものであるため、反力による硬質粒子6の移動を阻止してこの硬質粒子6の台金5への固定状態が維持される。
したがって、本実施形態に係る電着工具10は、台金1の表面に第一の被膜1をコーティングしたことで、第一の被膜1自体が高硬度を有するものであり、硬質粒子6を第二の被膜2で台金5の作用部にしっかりと固定できるため、この第一の被膜で台金をコーティングしていない電着工具と比べて、耐磨耗性が向上し耐久寿命を向上させることができる。
[第二の実施形態]
本発明に係る電着工具の第二の実施形態につき図2を用いて説明する。
図2は電着工具の台金における表面近傍の断面図である。
本実施形態に係る電着工具20は、上述した第一の実施形態に係る電着工具10と同一構成の物質(台金5、第一の被膜1、第二の被膜2、硬質粒子6)を有する工具である。本実施形態では、上述した第一の実施形態に係る電着工具と同一の物質には同一符号を付記しその説明を省略する。
本実施形態に係る電着工具20は、図2に示すように、第一の被膜1と第二の被膜2との間に、第一の被膜1と異なる材料からなる第三の被膜23でコーティングされた工具である。この第三の被膜23として、前記第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるもの、またはNi合金無電解めっきからなるものが挙げられる。
第三の被膜23が前記第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるものである場合、この第三の被膜23の形成自体が簡易であり、製造コスト増を抑制できる。第三の被膜23がNi合金無電解めっきからなるものである場合、このNi合金無電解めっきは第二の被膜2の電気Niめっきと比べて高硬度を有するものである。そのため、この第三の被膜23のコーティング層を有する電着工具20は、硬質粒子6を台金5の作用部に一層強固に固定できる。
上述した電着工具20は、例えば以下の方法にて製造される。
第一の被膜1でコーティングされた台金5の表面(第一の被膜1の表面)に数μm程度の前記第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるものでめっき層が形成され、次いでこのめっきで硬質粒子が仮固定(担持)され、余分な硬質粒子が除去され、次いで第二の被膜2でめっき層が形成されて、第三の被膜23および第二の被膜2で硬質粒子6を固定した電着工具20が製造される。
したがって、本実施形態に係る電着工具20によれば、上述した第一の実施形態に係る電着工具10と同様な作用効果を奏する上に、この第三の被膜23が電気Niめっきからなる第二の被膜2よりも高硬度を有するものであり、硬質粒子6を台金の作用部に一層強固に固定できる。その結果、耐摩耗性がさらに向上し耐久寿命をさらに向上させることができる。第三の被膜23が前記第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるものである場合、第三の被膜23の形成自体が簡易であり、製造コスト増を抑制できる。
[第三の実施形態]
本発明に係る電着工具の第三の実施形態につき図3を用いて説明する。
図3は電着工具の台金における表面近傍の断面図である。
本実施形態に係る電着工具30は、上述した第一の実施形態に係る電着工具10と同一構成の物質(台金5、第一の被膜1、第二の被膜2、硬質粒子6)を有する工具である。本実施形態では、上述した第一の実施形態に係る電着工具と同一の物質には同一符号を付記しその説明を省略する。
本実施形態に係る電着工具30は、図3に示すように、第一の被膜1と第二の被膜2との間に、第一の被膜1および第二の被膜2と異なる材料からなる第三の被膜33でコーティングされた工具である。この第三の被膜35としては、Au又はAg蒸着からなるものが挙げられる。第二の被膜2はAu又はAg蒸着からなる第三の被膜33と密着性が良いものであり、第三の被膜33の表面に第二の被膜2を容易にコーティングでき作製が容易になる。
上述した電着工具30は、例えば以下の方法にて製造される。
第一の被膜1でコーティングされた台金5の表面(第一の被膜1の表面)に数μm程度の前記Au又はAg蒸着からなる層が形成され、次いでこの層で硬質粒子が仮固定(担持)され、余分な硬質粒子が除去され、次いで第二の被膜2でめっき層が形成されて、第三の被膜33および第二の被膜2で硬質粒子6を固定した電着工具30が製造される。
したがって、本実施形態に係る電着工具30によれば、上述した第一の実施形態に係る電着工具10と同様な作用効果を奏する上に、第三の被膜33の表面にコーティングされる第二の被膜2が当該第三の被膜33と密着性が良いものであるため、第三の被膜33の表面に第二の被膜2を容易にコーティングでき、その作製が容易になる。その結果、電着工具30の製造コスト増を抑制できる。
[第四の実施形態]
本発明に係る電着工具の第四の実施形態につき図4を用いて説明する。
図4は電着工具の台金における表面近傍の断面図である。
本実施形態に係る電着工具40は、上述した第一の実施形態に係る電着工具10と同一構成の物質(台金5、第一の被膜1、第二の被膜2、硬質粒子6)を有する工具である。本実施形態では、上述した第一の実施形態に係る電着工具と同一の物質には同一符号を付記しその説明を省略する。
本実施形態に係る電着工具40は、図4に示すように、第二の被膜2の表面が、第二の被膜2と異なる材料からなる第四の被膜44でコーティングされた工具である。この第四の被膜44として、Ni合金無電解めっきからなるものが挙げられる。Ni合金無電解めっきが電気Niめっきよりも高硬度を有するものであり、台金5の作用部の表面が高硬度を有する物質で形成されることになる。
上述した電着工具40は、例えば以下の方法にて製造される。
上述した第一の実施形態にて得られた電着工具10の第二の被膜2の表面に数μm程度のNi合金無電解めっきからなるめっき層が形成されて、第四の被膜44、第二の被膜2で硬質粒子6を固定した電着工具50が製造される。
したがって、本実施形態に係る電着工具40によれば、上述した第一の実施形態に係る電着工具10と同様な作用効果を奏する上に、第二の被膜2の表面に第四の被膜44をコーティングしたことにより、台金5の作用部の表面が高硬度を有する物質で形成されることになり、第二の被膜2と第四の被膜44を調整することで、第四の被膜44の形成による製造時間の増加を抑制しつつ、硬質粒子6を台金5の作用部へ固定させる強度を向上させることができる。
[第五の実施形態]
本発明に係る電着工具の第五の実施形態につき図5を用いて説明する。
図5は電着工具の台金における表面近傍の断面図である。
本実施形態に係る電着工具50は、上述した第二の実施形態に係る電着工具20と同一構成の物質(台金5、第一の被膜1、第三の被膜23、第二の被膜2、硬質粒子6)を有する工具である。本実施形態では、上述した第二の実施形態に係る電着工具と同一の物質には同一符号を付記しその説明を省略する。
本実施形態に係る電着工具50は、図5に示すように、第二の被膜2の表面が、第二の被膜2と異なる材料からなる第四の被膜54でコーティングされた工具である。この第四の被膜54は、Ni合金無電解めっきからなるものが挙げられる。Ni合金無電解めっきが電気Niめっきよりも高硬度を有するものであり、台金5の作用部の表面が高硬度を有する物質で形成されることになる。
上述した電着工具50は、例えば以下の方法にて製造される。
第一の被膜1でコーティングされた台金5の表面(第一の被膜1の表面)に数μm程度のめっき層が2層形成され、次いでこのめっき(第二の被膜2)で硬質粒子が仮固定(担持)され、余分な硬質粒子が除去され、次いで第二の被膜2でめっき層が形成され、この第二の被膜2の表面に数μm程度のNi合金無電解めっきからなるめっき層が形成されて、第四の被膜54、第二の被膜2で硬質粒子6を固定した電着工具50が製造される。
したがって、本実施形態に係る電着工具50によれば、上述した第二の実施形態に係る電着工具20と同様な作用効果を奏する上に、第二の被膜2の表面に第四の被膜54をコーティングしたことにより、台金5の作用部の表面が高硬度を有する物質で形成されることになり、第二の被膜2と第四の被膜54を調整することで、第四の被膜54の形成による製造時間の増加を抑制しつつ、硬質粒子6を台金5の作用部へ固定させる強度を向上させることができる。
[第六の実施形態]
本発明に係る電着工具の第六の実施形態につき図6を用いて説明する。
図6は電着工具の台金における表面近傍の断面図である。
本実施形態に係る電着工具60は、上述した第三の実施形態に係る電着工具30と同一構成の物質(台金5、第一の被膜1、第三の被膜33、第二の被膜2、硬質粒子6)を有する工具である。本実施形態では、上述した第三の実施形態に係る電着工具と同一の物質には同一符号を付記しその説明を省略する。
本実施形態に係る電着工具60は、図6に示すように、第二の被膜2の表面が、第二の被膜2と異なる材料からなる第四の被膜64でコーティングされた工具である。この第四の被膜64は、Ni合金無電解めっきからなるものが挙げられる。Ni合金無電解めっきが電気Niめっきよりも高硬度を有するものであり、台金5の作用部の表面が高硬度を有する物質で形成されることになる。
上述した電着工具60は、例えば以下の方法にて製造される。
第一の被膜1でコーティングされた台金5の表面(第一の被膜1の表面)に数μm程度のAu又はAg蒸着からなる層およびめっき層が形成され、次いでこのめっき(第二の被膜2)で硬質粒子が仮固定(担持)され、余分な硬質粒子が除去され、次いで第二の被膜2でめっき層が形成され、この第二の被膜の表面に数μm程度のNi合金無電解めっきからなるめっき層が形成されて、第四の被膜64、第二の被膜2で硬質粒子6を固定した電着工具60が製造される。
したがって、本実施形態に係る電着工具60によれば、上述した第三の実施形態に係る電着工具30と同様な作用効果を奏する上に、第二の被膜2の表面に第四の被膜64をコーティングしたことにより、台金5の作用部の表面が高硬度を有する物質で形成されることになり、第二の被膜2と第四の被膜64を調整することで、第四の被膜64の形成による製造時間の増加を抑制しつつ、硬質粒子6を台金5の作用部へ固定させる強度を向上させることができる。
本発明に係る電着工具は、耐久寿命をさらに向上させることができるので、金属加工産業などにおいて、極めて有益に利用することができる。
本発明の第一の実施形態に係る電着工具の台金における表面近傍の断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る電着工具の台金における表面近傍の断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る電着工具の台金における表面近傍の断面図である。 本発明の第四の実施形態に係る電着工具の台金における表面近傍の断面図である。 本発明の第五の実施形態に係る電着工具の台金における表面近傍の断面図である。 本発明の第六の実施形態に係る電着工具の台金における表面近傍の断面図である。 従来の電着工具の説明図である。
符号の説明
10,20,30,40,50,60 電着工具
1 第一の被膜
2 第二の被膜
23、33 第三の被膜
44、54、64 第四の被膜
5 台金
6 硬質粒子

Claims (3)

  1. 台金の作用部に硬質粒子がめっきにより固定された電着工具であって、
    前記台金の表面が、物理蒸着法により第一の被膜でコーティングされ、
    前記第一の被膜の表面が、前記第一の被膜と異なる材料からなる第二の被膜でコーティングされ、
    前記第一の被膜は、第4属、第5属、第6属の金属、またはSi、Al、Geの中から選ばれる少なくとも1種の金属を含む炭化物、窒化物、または炭窒化物からなるものであり、
    前記第二の被膜は、Ni又はNi合金めっき、Cu又はCu合金めっき、Crめっき、Sn又はSn合金めっきの第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるものである、または電気Niめっきからなるものである
    ことを特徴とする電着工具。
  2. 請求項1に記載された電着工具であって、
    前記第一の被膜と前記第二の被膜との間に、前記第一の被膜と異なる材料からなる第三の被膜でコーティングされ、
    前記第三の被膜は、前記第一の群から選ばれる少なくとも一種からなるものである、またはNi合金無電解めっきからなるものである、もしくはAu又はAg蒸着からなるものである
    ことを特徴とする電着工具。
  3. 請求項1または請求項2に記載された電着工具であって、
    前記第二の被膜の表面が、前記第二の被膜と異なる材料からなる第四の被膜でコーティングされ、
    前記第四の被膜は、Ni合金無電解めっきからなるものである
    ことを特徴とする電着工具。
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