JP6578525B2 - 砥粒 - Google Patents

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本発明は、電着工具等に用いられる砥粒に関する。
従来から、研削や切断等の各種加工において、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)からなる超砥粒をワイヤや台金等の母材に固着させた電着工具やレジンボンド工具を用いることが知られている。レジンボンド工具では、超砥粒が樹脂によって母材に固着されており、一般的に電着工具に比べて保持強度が弱く、磨耗が激しいため、超砥粒が母材から脱落し易いという問題がある。
一方、電着工具は、超砥粒が電着によって母材に固着されており、レジンボンド工具に比べて磨耗し難いが、超砥粒を電着するめっき処理に時間を要する。そのため、このような電着工具では、製造時における電着速度を向上させるために、超砥粒の表面を主にNi等の導電性を有する金属で被覆した金属被覆砥粒が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1では、砥粒の切れ味の劣化を防止するために、ダイヤモンド又はCBNからなる砥粒本体の表面の一部を露出させるように、砥粒本体の表面をNi等の導電性を有する金属で被覆している。
特開2010−036298号公報
しかしながら、従来の超砥粒の表面をNiで被覆した金属被覆砥粒は、めっき液中に投入されてから、ある程度時間が経過すると、表面に不働態膜が形成され、導電性が低下して電着し難くなる。また、pHが低い場合(酸性が強い場合)には、金属被覆砥粒の表面が溶出し、表面の導電性が失われていく。そのため、このような金属被覆砥粒を用いる場合において、所望の電着速度を維持するためには、絶えず新しい金属被覆砥粒をめっき液中に投入し続けるか、又は、所定時間経過後に、めっき液中の金属被覆砥粒を回収して、新たな金属被覆砥粒をめっき液に再度投入し直す必要があるため、製造効率が低下すると共に、金属被覆砥粒の消費量が増加するため、製造コストが増加するという問題がある。また、特許文献1のように砥粒本体の表面の一部を露出させている場合には、金属被覆されている部分と金属被覆されていない露出部分の界面から侵食され易いため、砥粒の母材に対する保持力が低下し、砥粒が母材から脱落し易くなるという問題がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、めっき液中において導電性を維持することができ、且つ、電着された母材からの脱落を発生し難くすることができる砥粒を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る砥粒は、砥粒がめっき液中で電着によって母材に固着されてなる電着工具における砥粒であって、砥粒本体の表面全体を金属で被覆し、当該被覆した金属の表面の一部の連続した領域を窒化処理、炭化処理、又は、硼化処理のいずれかを行うことによって導電性を変化させており、前記被覆した金属の表面は、前記一部の連続した領域を除いて、酸化されて酸化金属層が形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る砥粒は、前記砥粒本体の材料が、ダイヤモンド又はCBNであることを特徴としている。
また、本発明に係る砥粒は、前記砥粒本体の表面全体を被覆する金属が、Ti、Cr、Al、Ni、Fe、Cuのうちのいずれかであることを特徴としている。
また、本発明に係る砥粒は、前記窒化処理、前記炭化処理、又は、前記硼化処理のいずれかが行われる前記金属の表面の前記一部の連続した領域が、前記金属の表面全体の1/5〜4/5の連続する領域であることを特徴としている。
本発明に係る砥粒によれば、砥粒本体の表面全体を金属で被覆し、当該被覆した金属の一部を窒化処理、炭化処理、又は、硼化処理のいずれかを行うことによって導電性を変化させることにより、めっき液中において導電性を維持することができる。これにより、砥粒を母材に電着させる際に、めっき液中の砥粒を所定時間経過後に回収して、新たな砥粒をめっき液に再度投入し直すような工程を省くことが可能になるので、電着工具の製造効率を向上させることができると共に、砥粒の消費量を軽減することができる。また、本発明に係る砥粒では、砥粒本体を金属で薄く被覆した場合でも、導電性を維持することができるので、製造コストを軽減することができる。また、本発明に係る砥粒では、砥粒本体の表面全体を金属で被覆しているので、めっき液中で撹拌時に機械的衝撃により金属膜が剥離することもなく、砥粒の母材に対する保持力を向上させることができ、母材からの脱落を発生し難くすることができる。
また、本発明に係る砥粒では、砥粒本体の表面全体をTi、Cr、Alのうちのいずれかの金属で被覆し、一部を窒化処理、炭化処理、又は、硼化処理のいずれかを行った場合、処理が行われた部分は、酸化が防止されると共に、耐酸性及び導電性を有し、処理が行われていない部分は、強固な酸化膜が形成されることによって、耐酸性を有することになる。これにより、本発明に係る砥粒では、砥粒を母材に電着させる際に、窒化処理、炭化処理、又は、硼化処理のいずれかの処理が行われた部分は、めっき液中において導電性を長時間にわたって維持することができるので、この処理が行われた部分が母材に対して電着されることになり、電着工具の製造効率を向上させることができる。また、処理が行われた部分は、密着性が向上するので、母材からの脱落をより発生し難くし、耐久性を向上させることができる。また、本発明に係る砥粒では、処理が行われていない部分は、表面に露出されるが、強固な酸化膜が形成されることによって耐酸性を有するので、めっき液のpHが低い場合でも、表面が溶出することを防止することができる。
また、本発明に係る砥粒では、砥粒本体の表面全体をNi、Fe、Cuのうちのいずれかの金属で被覆し、一部を窒化処理、炭化処理、又は、硼化処理のいずれかを行った場合、処理が行われていない部分に自然に形成される酸化膜は、粗な酸化膜であるため処理が行われた部分よりも高い導電性を有することになる。これにより、本発明に係る砥粒では、砥粒を母材に電着させる際に、窒化処理、炭化処理、又は、硼化処理のいずれかの処理が行われていない部分は、めっき液中において高い導電性を維持することができるので、この処理が行われていない部分が母材に対して電着されることになり、電着工具の製造効率を向上させることができる。また、本発明に係る砥粒では、窒化処理、炭化処理、又は、硼化処理のいずれかの処理が行われた部分は、表面に露出されるが、耐酸性を有するので、めっき液のpHが低い場合でも、表面が溶出することを防止することができる。
また、本発明に係る砥粒によれば、窒化処理、炭化処理、又は、硼化処理のいずれかの処理が行われる部分は、砥粒本体を被覆する金属の表面全体の1/5〜4/5の連続する領域であるので、砥粒を母材に電着させる際に、効率良く母材に対して電着させることができ、電着工具の製造効率をより向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る砥粒を電着させた電着工具の一例を示す概略断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る砥粒の製造工程の一例について説明するための概略説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る砥粒を電着させた電着工具の一例を示す概略断面図である 本発明の第2の実施形態に係る砥粒の製造工程の一例について説明するための概略説明図である。
以下、本発明に係る砥粒について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の第1の実施形態に係る砥粒2は、例えば、図1に示すように、電着工具1の製造に用いられるものであって、ワイヤや台金等の母材3の表面に電気めっきによって形成されるニッケル等のめっき層4により保持されるものである。
この砥粒2は、砥粒本体5の表面全体を金属で被覆し、この被覆した金属の一部を窒化処理、炭化処理、又は、硼化処理のいずれかの処理を行うことによって導電性を変化させたものである。砥粒本体5としては、例えば、ダイヤモンド又はCBN(Cubic Boron Nitride)等からなる超砥粒を好適に用いることができる。また、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属としては、例えば、チタン(Ti)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)のうちのいずれかを好適に用いることができるが、これに限定されるものではない。
以下、本実施形態に係る砥粒2の製造方法の一例について図2を参照しつつ説明する。尚、ここでは、砥粒本体5を被覆する金属として、Ti、Cr、Alのうちのいずれかを用いた場合の一例について説明する。このTi、Cr、Alは、酸化し易いものであって、酸化することによって耐酸性を有する強固な酸化膜が形成され、導電性が低下するタイプの金属である。
本実施形態に係る砥粒2では、図2(a)に示すように、砥粒本体5として、ダイヤモンド又はCBNからなる超砥粒を用いる。本実施形態に係る砥粒2の製造方法では、図2(b)に示すように、まず砥粒本体5の表面全体をTi、Cr、Alのうちのいずれかの金属で被覆し、砥粒本体5の表面に金属層6を形成する。この金属層6の被覆量は、特に限定されるものではないが、例えば、砥粒本体5に対して3.0〜30.0重量%の割合で被覆されることが好ましい。これにより、従来の一般的な金属被覆砥粒のように砥粒本体5に対して30.0〜50.0重量%の割合で導電材としてNi等の金属が被覆されるものに比べて薄く金属層6を形成することができ、製造速度を向上させると共に、製造コストを軽減することができる。
砥粒本体5の表面全体を金属で被覆して金属層6を形成する方法としては、例えば、乾式のバレルめっきを好適に用いることができる。乾式のバレルめっきは、バレルと呼ばれる容器内に砥粒本体5と共に、Ti、Cr、Alのうちのいずれかの金属の粉末を投入して、回転させながら乾式で行うものであり、比較的短い時間で金属を砥粒本体5の表面全体に被覆することができるので、製造速度を向上させることができる。尚、砥粒本体5の表面全体を金属で被覆する方法は、これに限定されるものではなく、その他の従来公知のCVD法、PVD法、めっき法、浸漬法等を用いても良い。
次に、本実施形態に係る砥粒2の製造方法では、図2(c)に示すように、砥粒本体5の表面全体を被覆している金属層6の一部の領域に対して窒化処理を行う。この窒化処理が行われる金属層6の一部の領域は、例えば、金属層6の表面全体の1/5〜4/5の連続する領域であり、好ましくは、金属層6の表面全体の1/3〜2/3の連続する領域である。このような金属層6の一部の領域に対して行う窒化処理方法としては、例えば、窒素雰囲気下で金属層6の表面に集光したレーザーを照射することにより、その照射部分を窒化処理するレーザー窒化やアーク放電を利用したプラズマ窒化等を好適に用いることができる。尚、金属層6の一部の領域に対して行う窒化処理方法は、これに限定されるものではなく、イオンプレーティング法を用いたものや、その他の従来公知の窒化処理方法を用いても良い。イオンプレーティング法を用いる場合には、例えば、窒化処理を行う領域の金属層6のみを露出させておき、窒化処理を行わない領域の金属層6は、樹脂やワックス等で覆うようにマスキングした状態にしておいてから、窒化処理を行うようにすれば良い。
このように金属層6の一部の領域に対して窒化処理が行われることにより、窒化処理が行われた領域には窒化金属層7が形成された砥粒2ができることになる。この窒化金属層7は、例えば、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属が、チタンの場合には、窒化チタンとして形成され、クロムの場合には、窒化クロムとして形成され、アルミニウムの場合には、窒化アルミニウムとして形成される。このような窒化金属層7は、耐酸性及び導電性を有するものであって、酸化し難い特性を有している。
一方で、金属層6を形成している金属であるTi、Cr、Alは、強固な自然酸化膜が形成され易いものである。従って、図2(c)に示すような砥粒本体5の表面全体を被覆している金属層6の一部の領域に窒化金属層7が形成されている砥粒2では、図2(d)に示すように、窒化金属層7の部分は酸化されずに、金属層6の部分のみが自然に酸化されて、耐酸性を有する酸化膜である酸化金属層8が形成された砥粒2’になる。この酸化金属層8は、例えば、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属が、チタンの場合には、酸化チタンとして形成され、クロムの場合には、酸化クロムとして形成され、アルミニウムの場合には、酸化アルミニウムとして形成される。
このように製造された砥粒2(2’)では、窒化金属層7は、酸化が防止されると共に、耐酸性及び導電性を有しており、酸化金属層8は、耐酸性を有している。これにより、砥粒2(2’)は、めっき液中において導電性を長時間にわたって維持することができる。そして、このような砥粒2(2’)を用いて、図1に示すように、電着工具1を製造した場合には、窒化処理が施された導電性を有する窒化金属層7の部分が、電気めっきによって形成されるめっき層4に埋め込まれるように母材3の表面に対して電着され、耐酸性を有する酸化金属層8の部分が表面へ露出されるようになる。また、このように製造された電着工具1は、窒化金属層7の母材3に対する密着性が優れているので、母材3から砥粒2(2’)が脱落し難いため、耐久性が向上する。
尚、ここでは、金属層6の一部の領域に対して窒化処理を行った場合の例について説明したが、窒化処理の代わりに、炭化処理又は硼化処理を行うようにしても良い。金属層6の一部の領域に対して炭化処理を行う場合は、例えば、アーク放電を利用したプラズマによる炭化処理を好適に用いることができる。この場合にはメタンガスが用いられる。また、金属層6の一部の領域に対して硼化処理を行う場合も同様に、例えば、アーク放電を利用したプラズマによる硼化処理を用いることができる。この場合には三塩化ホウ素ガスを用いれば良い。尚、金属層6の一部の領域に対して行う炭化処理及び硼化処理の方法は、これに限定されるものではなく、例えば、炭化処理又は硼化処理を行う領域の金属層6のみを露出させておき、処理を行わない領域の金属層6を樹脂やワックス等で覆うようにマスキングした状態にしておいてから、バレルめっき等の従来公知の炭化処理又は硼化処理の方法を用いるようにしても良い。
このように金属層6の一部の領域に対して炭化処理又は硼化処理が行われることにより、炭化処理又は硼化処理が行われた領域には炭化金属層又は硼化金属層が形成された砥粒ができることになる。炭化金属層は、例えば、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属が、チタンの場合には、炭化チタンとして形成され、クロムの場合には、炭化クロムとして形成され、アルミニウムの場合には、炭化アルミニウムとして形成される。また、硼化金属層は、例えば、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属が、チタンの場合には、硼化チタンとして形成され、クロムの場合には、硼化クロムとして形成され、アルミニウムの場合には、硼化アルミニウムとして形成される。これらの炭化金属層や硼化金属層も窒化金属層と同様に、耐酸性及び導電性を有するものであって、酸化し難い特性を有する。また、電気抵抗率は、例えば、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属がチタンの場合には、酸化チタンでは、約10Ωcm以上であるが、炭化チタンは約52×10−6Ωcm、窒化チタンは約25×10−6Ωcm、硼化チタンは約7×10−6Ωcmであり、炭化金属層より窒化金属層の方が導電性が良く、窒化金属層よりも硼化金属層の方が更に導電性が良い。この特性は、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属がクロム又はアルミニウムの場合も同様である。
次に、本発明の第2の実施形態に係る砥粒2aについて、図3及び図4を参照しつつ説明する。尚、第1の実施形態に係る砥粒2と同様の構成等については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この砥粒2aでは、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属として、例えば、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、銅(Cu)のうちのいずれかを好適に用いることができる。このNi、Fe、Cuは、第1の実施形態に係る砥粒2で用いられるTi、Cr、Al等の金属とは異なり、それぞれ高い導電性を有しているが、耐酸性が低いタイプの金属である。
以下、本実施形態に係る砥粒2aの製造方法の一例について図4を参照しつつ説明する。砥粒2aでも、図4(a)に示すように、砥粒2と同様に砥粒本体5として、ダイヤモンド又はCBNからなる超砥粒を用いる。そして、砥粒2aの製造方法では、図4(b)に示すように、まず砥粒本体5の表面全体をNi、Fe、Cuのうちのいずれかの金属で被覆し、砥粒本体5の表面に金属層6aを形成する。この金属層6aの被覆量は、特に限定されるものではないが、例えば、砥粒2と同様に砥粒本体5に対して3.0〜30.0重量%の割合で被覆されることが好ましい。また、砥粒本体5の表面全体を金属で被覆して金属層6aを形成する方法も砥粒2と同様に、例えば、乾式のバレルめっきやその他の従来公知の金属被覆方法を用いることができる。
次に、砥粒2aの製造方法では、図4(c)に示すように、砥粒本体5の表面全体を被覆している金属層6aの一部の領域に対して窒化処理を行う。この窒化処理が行われる金属層6aの一部の領域も砥粒2と同様に、例えば、金属層6aの表面全体の1/5〜4/5の連続する領域であり、好ましくは、金属層6aの表面全体の1/3〜2/3の連続する領域である。このような金属層6aの一部の領域に対して行う窒化処理方法としては、レーザー窒化やプラズマ窒化等を好適に用いることができる。また、金属層6aの一部の領域に対して行う窒化処理方法として、その他の従来公知の窒化処理方法を用いても良い。
このように金属層6aの一部の領域に対して窒化処理が行われることにより、窒化処理が行われた領域には窒化金属層7aが形成された砥粒2aが製造される。この砥粒2aの窒化金属層7aは、例えば、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属が、ニッケルの場合には、窒化ニッケルとして形成され、鉄の場合には、窒化鉄として形成され、銅の場合には、窒化銅として形成される。このような窒化金属層7aは、耐酸性を有している。また、砥粒2aは、窒化処理が行われていない金属層6aが、Ni、Fe、Cuのうちのいずれかの金属で形成されており、図4(d)に示すように、自然に酸化されて、酸化金属層8aが形成された砥粒2a’になる。この酸化金属層8aは、例えば、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属が、ニッケルの場合には、酸化ニッケルとして形成され、鉄の場合には、酸化鉄として形成され、銅の場合には、酸化銅として形成される。このような砥粒2a’では、酸化金属層8aが窒化金属層7aよりも高い導電性を有している。従って、砥粒2a’は、めっき液中において高い導電性を維持することができる。
そして、このような砥粒2a’を用いて、図3に示すように、電着工具1aを製造した場合には、窒化処理が施されていない導電性を有する酸化金属層8aの部分が、電気めっきによって形成されるめっき層4に埋め込まれるように母材3の表面に対して電着され、耐酸性を有する窒化金属層7aの部分が表面へ露出されるようになる。
尚、ここでは、金属層6aの一部の領域に対して窒化処理を行った場合の例について説明したが、窒化処理の代わりに、炭化処理又は硼化処理を行うようにしても良い。金属層6aの一部の領域に対して炭化処理又は硼化処理を行う場合は、例えば、アーク放電を利用したプラズマによる炭化処理又は硼化処理や、その他の従来公知の炭化処理又は硼化処理の方法を用いることができる。
このように金属層6aの一部の領域に対して炭化処理又は硼化処理が行われることにより、炭化処理又は硼化処理が行われた領域には炭化金属層又は硼化金属層が形成された砥粒ができることになる。炭化金属層は、例えば、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属が、ニッケルの場合には、炭化ニッケルとして形成され、鉄の場合には、炭化鉄として形成され、銅の場合には、炭化銅として形成される。また、硼化金属層は、例えば、砥粒本体5の表面全体を被覆する金属が、ニッケルの場合には、硼化ニッケルとして形成され、鉄の場合には、硼化鉄として形成され、銅の場合には、硼化銅として形成される。尚、このような炭化金属層や硼化金属層も窒化金属層と同様に、耐酸性を有しており、酸化金属層8aよりも導電性は低くなるという特性を有している。
尚、本発明に係る砥粒は、上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
1、1a 電着工具
2、2a 砥粒
3 母材
4 めっき層
5 砥粒本体
6、6a 金属層
7、7a 窒化金属層
8 酸化金属層

Claims (4)

  1. 砥粒がめっき液中で電着によって母材に固着されてなる電着工具における砥粒であって、
    砥粒本体の表面全体を金属で被覆し、当該被覆した金属の表面の一部の連続した領域を窒化処理、炭化処理、又は、硼化処理のいずれかを行うことによって導電性を変化させており、
    前記被覆した金属の表面は、前記一部の連続した領域を除いて、酸化されて酸化金属層が形成されていることを特徴とする砥粒。
  2. 前記砥粒本体の材料は、ダイヤモンド又はCBNであることを特徴とする請求項1に記載の砥粒。
  3. 前記砥粒本体の表面全体を被覆する金属は、Ti、Cr、Al、Ni、Fe、Cuのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の砥粒。
  4. 前記窒化処理、前記炭化処理、又は、前記硼化処理のいずれかが行われる前記金属の表面の前記一部の連続した領域は、前記金属の表面全体の1/5〜4/5の連続する領域であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の砥粒。
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