JP4400361B2 - 車両用制動装置 - Google Patents
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- B60T8/34—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition
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- B60T8/4072—Systems in which a driver input signal is used as a control signal for the additional fluid circuit which is normally used for braking
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Description
実車輪速がABS目標車輪速よりも大きいほど小さい値とし、かつ、前記基準車輪加速度しきい値よりも小さい値による第1車輪加速度しきい値を設定する第1車輪加速度しきい値設定手段と、
車体速と目標スリップ状態により決められるABS目標車輪速に対して実車輪速が小さいときにホイールシリンダ液圧を減圧する減圧モードとし、減圧により実車輪速がABS目標車輪速以上となったときであって、車輪加速度が基準車輪加速度しきい値以下のときにホイールシリンダ液圧を保持する保持モードとし、車輪加速度が基準車輪加速度しきい値より大きいときにホイールシリンダ液圧を増圧する増圧モードとする制御アルゴリズムを持ち、前記保持モードが選択されている際、車輪スリップが減少する方向にある場合は、保持モードに代えて増圧モードを選択実行し、保持モードに代えて実行される増圧モードを空増圧モードというとき、車輪加速度が第1車輪加速度しきい値よりも高いときに空増圧モードを開始し、車輪加速度が第1車輪加速度しきい値以下になったら空増圧モードを終了するABS制御手段と、
を設けた。
また第2の発明では、車輪のスリップ状態に応じ、所定の制御アルゴリズムに沿って増圧モード・保持モード・減圧モードの切り換えを行い、車輪のロックを抑制するように車輪の制動力制御する車両用制動装置において、
車両旋回時かどうかを判断する旋回判断手段と、
前記所定の制御アルゴリズムに沿って保持モードを選択していても、車輪スリップが減少する方向にある場合は、旋回判断時、旋回内輪側のみに対して保持モードに代えて空増圧モードを実行するABS制御手段と、
を設けた。
図1は実施例1の車両用制動装置が適用された制動系を示す全体システム図である。実施例1の車両用制動装置は、左右前輪への制動系をマスタシリンダ液圧をベースとするコンベンショナルな液圧回路で構成し、左右後輪への制動系をマスタシリンダとは切り離されたブレーキ・バイ・ワイヤで構成したものである。
前記左前輪増圧弁11と右前輪増圧弁13は、
増圧制御時:開放、減圧制御時:閉鎖、保持制御時:閉鎖
前記左前輪減圧弁12と右前輪減圧弁14は、
増圧制御時:閉鎖、減圧制御時:開放、保持制御時:閉鎖
前記吸い込み弁21は、
増圧制御時:開放、減圧制御時:閉鎖、保持制御時:閉鎖
前記減圧弁22は、
増圧制御時:閉鎖、減圧制御時:開放、保持制御時:閉鎖
である。
図2は実施例1の図外のABSコントローラにて実行されるABS制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(ABS制御手段)。
ここで、「車体速度Vcar」の推定演算は、例えば、正弦波電圧信号による車輪速VwFR,VwFL,VwRR,VwRLから、山と谷とを交互に繰り返す正弦波の山頂部を結んだ減速特性を車体速度Vcarとして推定する。
ここで、「車両の旋回判断」は、例えば、横加速度センサからの横加速度情報やヨーレイトセンサからのヨーレイト情報や操舵角センサからの操舵角情報等に基づき、旋回制動か直進制動かの判断をすると共に、旋回方向の判断に基づき左右輪のうち何れが旋回内輪かを決める。
・課題1
従来周知のABS制御システムにあっては、マスタシリンダが発生するブレーキ液圧に基づいてホイールシリンダ液圧の増圧を行い、ホイールシリンダ液圧を保持するとき、もしくは、減圧するとき、マスタシリンダとホイールシリンダとを結ぶ管路に備えられた増圧弁を遮断状態にする構成となっていた。
このため、ABS作動中、増圧弁の遮断状態が長時間にわたって継続すると、ブレーキペダルの移動が制限される時間が長時間となり、ペダル引っ掛かり感のような違和感をドライバに与えてしまい、ブレーキ操作フィーリングを悪化させるという問題があった。
特開2000−177566号公報に記載のABS制御システムにあっては、前後Gセンサ出力が実際の車両減速度よりも小さな値を取ることが原因で、推定車体速度が実際よりも大きく算出され、スリップを誤って大きく算出してしまうという課題に対し、旋回判定を行うことで、推定車体速度の演算精度を向上させるという構成となっていた。
しかし、推定車体速度は正確に算出されていても、車輪スリップが実際に回復しない場合には、増圧弁の遮断状態(保持モード、減圧モード)が長時間にわたって継続することになり、ブレーキ操作フィーリングを悪化させるという問題があった。
フロントホイールシリンダ液圧をマスタシリンダにより発生させ、リアホイールシリンダ液圧を別の油圧源(ポンプや高圧アキュムレータ等)により発生させる構成を持つ、いわゆる、セミブレーキバイワイヤシステムが特許第2653224号公報にて公知であるが、このセミブレーキバイワイヤシステムでは、マスタシリンダと連通するホイールシリンダがフロントの2輪だけという構成になっている。
このため、従来周知のABS制御システムのように4輪がマスタシリンダと連通しているコンベンショナルなブレーキシステムでは、ABSを作動させたとき、4輪の増圧弁が同時に閉じる(保持モードまたは減圧モード)頻度が極めて低い。
これに対し、実施例1や特許第2653224号公報に記載されているようなセミブレーキバイワイヤシステムでは、同時に左右前輪の増圧弁が閉じる頻度が確率論からいって相対的に高くなる。
各車輪加速度しきい値C0,C1,C2と制御モードの関係について、図3を用いて説明する。
まず、基準車輪加速度しきい値C0は、従来のABS制御において用いられている増圧制御と減圧制御との切り替えしきい値である。第1車輪加速度しきい値C1は、従来のABS制御では保持制御の領域にあるが、実施例1では空増圧に対するしきい値である。第2車輪加速度しきい値C2は、従来のABS制御では保持制御の領域にあるが、実施例1では空減圧に対するしきい値である。
つまり、本願の実施例1では、従来のABS制御における保持制御領域(ΔVw≦C0)を、図3に示すように、空増圧制御領域(C1<ΔVw≦C0)と保持制御領域(C2≦ΔVw≦C1)と空減圧制御領域(ΔVw<C2)との3つの領域に分けた。
図4は縦軸に車輪加速度ΔVwに対する各車輪加速度しきい値C0,C1,C2の大きさをとり、横軸にABS目標車輪速Csからの上方乖離量をとった特性図である。
前記上方乖離量は、
上方乖離量=実車輪速Vw−ABS目標車輪速Cs
により算出される。すなわち、目標とする車輪速に対して、どのくらい実車輪速が離れているかを意味する。
例えば、目標スリップ=5km/hであるときは、5km/h=10msec=約140m/s2となる。
また、実車輪速VwがABS目標車輪速Csから遠ざかっている際に減圧を行うと、ますます実車輪速がABS目標車輪速Csから遠ざかってしまうため、車輪加速度ΔVwが車輪速目標スリップの勾配よりも大きい(図4の縦軸の上方向)際は減圧を行わないように、第2車輪加速度しきい値C20はABS目標車輪速Csの勾配と同じ値、若しくは、小さい値に設定される。
図5に示すタイムチャートに基づき、従来のABS制御作用(図2のステップS1〜ステップS4とステップS7〜ステップS10とステップS13とで成立)と、実施例1のABS制御作用と、を対比しながら説明する。
この従来のABS制御でのペダルストロークをみると、増圧制御区間である時刻t1から時刻t3までのうち、時刻t1から時刻t2までは増圧弁の開放によりペダル移動が許容されるが、時刻t2以降は図5に記載の全域にてペダルストロークの移動が制限される。
この実施例1のABS制御でのペダルストロークをみると、増圧制御区間である時刻t1から時刻t3までのうち、時刻t1から時刻t2までは増圧弁11,13の開放によりペダル移動が許容される。また、空増圧区間である時刻t3から時刻t5までのうち、時刻t3から時刻t4までは増圧弁11,13の開放によりペダル移動が許容される。さらに、空増圧区間である時刻t9以降のうち、時刻t9から時刻t10までは増圧弁11,13の開放によりペダル移動が許容される。
実施例1の車両用制動装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
2 フロントユニット(第1ブレーキ)
3L,3R 左右の前輪ホイールシリンダ
4 リアユニット(第2ブレーキ)
5L,5R 左右の後輪ホイールシリンダ
6 ブレーキペダル
7 倍力装置
8 リザーブタンク
11 左前輪増圧弁
12 左前輪減圧弁
13 右前輪増圧弁
14 右前輪減圧弁
21 吸い込み弁
22 減圧弁
30 第1ポンプモータ
31 第1ポンプ
32 第2ポンプモータ
33 第2ポンプ
41 左前輪側マスタシリンダ圧センサ
42 右前輪側マスタシリンダ圧センサ
43 左後輪側ホイールシリンダ圧センサ
44 右前輪側ホイールシリンダ圧センサ
51 左前輪側リザーバ
52 右前輪側リザーバ
Claims (7)
- 車輪のスリップ状態に応じ、所定の制御アルゴリズムに沿って増圧モード・保持モード・減圧モードの切り換えを行い、車輪のロックを抑制するように車輪の制動力制御する車両用制動装置において、
実車輪速がABS目標車輪速よりも大きいほど小さい値とし、かつ、前記基準車輪加速度しきい値よりも小さい値による第1車輪加速度しきい値を設定する第1車輪加速度しきい値設定手段と、
車体速と目標スリップ状態により決められるABS目標車輪速に対して実車輪速が小さいときにホイールシリンダ液圧を減圧する減圧モードとし、減圧により実車輪速がABS目標車輪速以上となったときであって、車輪加速度が基準車輪加速度しきい値以下のときにホイールシリンダ液圧を保持する保持モードとし、車輪加速度が基準車輪加速度しきい値より大きいときにホイールシリンダ液圧を増圧する増圧モードとする制御アルゴリズムを持ち、前記保持モードが選択されている際、車輪スリップが減少する方向にある場合は、保持モードに代えて増圧モードを選択実行し、保持モードに代えて実行される増圧モードを空増圧モードというとき、車輪加速度が第1車輪加速度しきい値よりも高いときに空増圧モードを開始し、車輪加速度が第1車輪加速度しきい値以下になったら空増圧モードを終了するABS制御手段と、
を設けたことを特徴とする車両用制動装置。 - 車輪のスリップ状態に応じ、所定の制御アルゴリズムに沿って増圧モード・保持モード・減圧モードの切り換えを行い、車輪のロックを抑制するように車輪の制動力制御する車両用制動装置において、
車両旋回時かどうかを判断する旋回判断手段と、
前記所定の制御アルゴリズムに沿って保持モードを選択していても、車輪スリップが減少する方向にある場合は、旋回判断時、旋回内輪側のみに対して保持モードに代えて空増圧モードを実行するABS制御手段と、
を設けたことを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項2に記載された車両用制動装置において、
前記ABS制御手段は、車体速と目標スリップ状態により決められるABS目標車輪速に対して実車輪速が小さいときにホイールシリンダ液圧を減圧する減圧モードとし、減圧により実車輪速がABS目標車輪速以上となったときであって、車輪加速度が基準車輪加速度しきい値以下のときにホイールシリンダ液圧を保持する保持モードとし、車輪加速度が基準車輪加速度しきい値より大きいときにホイールシリンダ液圧を増圧する増圧モードとする制御アルゴリズムを持ち、前記保持モードが選択されている際、車輪スリップが減少する方向にある場合は、保持モードに代えて増圧モードを選択実行することを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載された車両用制動装置において、
前記ABS制御手段は、前記所定の制御アルゴリズムに沿って保持モードを選択していても、車輪スリップが増加する方向にある場合は、保持モードに代えて減圧モードを選択実行することを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項4に記載された車両用制動装置において、
実車輪速がABS目標車輪速よりも大きいほど小さい値とし、かつ、前記第1車輪加速度しきい値よりも小さい値による第2車輪加速度しきい値を設定する第2車輪加速度しきい値設定手段を設け、
前記ABS制御手段は、保持モードに代えて実行される減圧モードを空減圧モードというとき、車輪加速度が第2車輪加速度しきい値未満であるときに空減圧モードを開始し、車輪加速度が第2車輪加速度しきい値以上になったら空減圧モードを終了することを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項4または5に記載された車両用制動装置において、
車両旋回時かどうかを判断する旋回判断手段を設け、
前記ABS制御手段は、旋回判断時、旋回内輪側のみに対して保持モードに代えて空減圧モードを実行することを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項1乃至6の何れか1項に記載された車両用制動装置において、
前記ABS制御手段が適用されたブレーキシステムは、車両に装着された複数の車輪を少なくとも2組に分け、1組の車輪は所定の制御アルゴリズムに沿って増圧モード・保持モード・減圧モードの切り換えを行う機械的伝達により制動力を付与する第1ブレーキとし、他の1組の車輪は電気的伝達により制動力を付与する第2ブレーキとすることを特徴とする車両用制動装置。
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